JPH0716763A - 鋼板の電子ビーム溶接方法 - Google Patents
鋼板の電子ビーム溶接方法Info
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- JPH0716763A JPH0716763A JP5159763A JP15976393A JPH0716763A JP H0716763 A JPH0716763 A JP H0716763A JP 5159763 A JP5159763 A JP 5159763A JP 15976393 A JP15976393 A JP 15976393A JP H0716763 A JPH0716763 A JP H0716763A
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- electron beam
- welding
- weld metal
- toughness
- beam welding
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/02—Iron or ferrous alloys
- B23K2103/04—Steel or steel alloys
Landscapes
- Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、鋼板の電子ビーム溶接方法を提供
する。 【構成】 重量%で、C≦0.30%、Si:0.1〜
3.0%、Mn:0.05〜2.0%、かつ0.002
0%≦N≦0.010%の範囲でP×N≦5×10-5と
なるP、S≦0.010%を含み、残部Feおよび不可
避的成分からなる鋼板を電子ビーム溶接する時に、B単
独またはBを含む合金板によりBを添加し、溶接金属中
のBを0.0003〜0.0050%とすることを特徴
とする電子ビーム溶接方法。 【効果】 電子ビーム溶接部の靱性が向上する。
する。 【構成】 重量%で、C≦0.30%、Si:0.1〜
3.0%、Mn:0.05〜2.0%、かつ0.002
0%≦N≦0.010%の範囲でP×N≦5×10-5と
なるP、S≦0.010%を含み、残部Feおよび不可
避的成分からなる鋼板を電子ビーム溶接する時に、B単
独またはBを含む合金板によりBを添加し、溶接金属中
のBを0.0003〜0.0050%とすることを特徴
とする電子ビーム溶接方法。 【効果】 電子ビーム溶接部の靱性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業プラント、機械、
建築、船舶、鉄鋼構造物等の電子ビーム溶接をはじめと
してレーザー溶接、フラッシュバット溶接等において、
靱性の優れた溶接金属を得る溶接方法に関するものであ
る。
建築、船舶、鉄鋼構造物等の電子ビーム溶接をはじめと
してレーザー溶接、フラッシュバット溶接等において、
靱性の優れた溶接金属を得る溶接方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム溶接は、高エネルギ密度を有
すること、また溶接材料がほとんど不要である等の特徴
があり、しかも厚鋼板が経済的に溶接できるために近年
急激に発達している。ところで、電子ビーム溶接は、通
常軟鋼の引張強さ40kgf/mm2 程度の鋼材の場合
は、靱性あるいは強度の要求もゆるいことから特に材質
的課題は小さいが、引張強さ50kgf/mm2 以上の
高張力鋼の場合は材質確保、特にその溶接金属靱性向上
に大きな課題がある。
すること、また溶接材料がほとんど不要である等の特徴
があり、しかも厚鋼板が経済的に溶接できるために近年
急激に発達している。ところで、電子ビーム溶接は、通
常軟鋼の引張強さ40kgf/mm2 程度の鋼材の場合
は、靱性あるいは強度の要求もゆるいことから特に材質
的課題は小さいが、引張強さ50kgf/mm2 以上の
高張力鋼の場合は材質確保、特にその溶接金属靱性向上
に大きな課題がある。
【0003】電子ビーム溶接は高エネルギ密度を有し、
真空中で溶接することから、溶融金属の窒素、酸素等の
ガス発生あるいはMnの蒸発等があり、溶接金属の組成
に制約がある。例えば、潜弧溶接は溶接金属に100〜
400ppmの酸素を含有させ、この酸素による非金属
酸化物を核とした針状フェライトを含む組織となし、良
好な靱性を得ている。しかし、電子ビーム溶接は鋼板そ
のものを溶融、凝固するため高酸素の溶接金属にするこ
とは困難である。
真空中で溶接することから、溶融金属の窒素、酸素等の
ガス発生あるいはMnの蒸発等があり、溶接金属の組成
に制約がある。例えば、潜弧溶接は溶接金属に100〜
400ppmの酸素を含有させ、この酸素による非金属
酸化物を核とした針状フェライトを含む組織となし、良
好な靱性を得ている。しかし、電子ビーム溶接は鋼板そ
のものを溶融、凝固するため高酸素の溶接金属にするこ
とは困難である。
【0004】電子ビーム溶接で良好な靱性を確保する方
法も種々検討されている。例えば、特開昭63−126
683号公報に、低酸素でも良好な溶接金属の材質を確
保する鋼の組成が提案されている。その要旨は、溶接金
属中のAl量を制御して、100ppm以下の酸素量で
も針状フェライトを得るものである。また、特開昭60
−54287号公報には、既存の鋼に対して、溶接時の
冷却速度に対応した適正量のNiを添加することで良好
な材質を確保する方法が提案されている。また、特開平
3−248783号公報では溶接時のMn蒸発による焼
入性低下を考慮して、溶接するとき合金材、好ましくは
Niを添加し、溶接金属の焼入性と溶接時の冷却速度と
を特定の範囲に定め、良好な靱性を得る電子ビーム溶接
方法が提案されている。
法も種々検討されている。例えば、特開昭63−126
683号公報に、低酸素でも良好な溶接金属の材質を確
保する鋼の組成が提案されている。その要旨は、溶接金
属中のAl量を制御して、100ppm以下の酸素量で
も針状フェライトを得るものである。また、特開昭60
−54287号公報には、既存の鋼に対して、溶接時の
冷却速度に対応した適正量のNiを添加することで良好
な材質を確保する方法が提案されている。また、特開平
3−248783号公報では溶接時のMn蒸発による焼
入性低下を考慮して、溶接するとき合金材、好ましくは
Niを添加し、溶接金属の焼入性と溶接時の冷却速度と
を特定の範囲に定め、良好な靱性を得る電子ビーム溶接
方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでMnのように
あらかじめ調整しても、溶接のとき蒸発して成分が変化
するものもあり、単に溶接金属の組成のみでは良好な溶
接金属の材質が確保できない。また溶接金属の靱性のた
めだけで鋼板全体の成分を調整するのも経済的でない面
もある。例えばNiの場合、鉄に比較すると著しく高価
であり、必要最低限のみ鋼板に添加し、溶接金属には別
途必要量を添加する方が経済的である。この点からは、
上記した特開昭60−54287号公報に提案された溶
接時にNiを添加する方法が有効である。しかし、同公
報記載の方法は非溶接材の板厚方向でNi量を制御し、
添加することを主旨としているが、板厚方向に単にNi
の添加量を変えても良好な溶接金属の材質は確保できな
い。板厚方向でNiの添加量を変えるのは、板厚方向で
溶接時の冷却速度が異なり、それぞれの冷却速度に適し
たNi量を確保するためとされているが、鋼の焼入性は
Niのみで決まるのでなく、C、MnあるいはCr、M
o、V等も鋼の焼入性に関与する。従って鋼全体の組成
で、そのNi添加量も制御されねばならず、かつ溶接部
の冷却速度によっても制御されるものでなければならな
い。またNi添加を、径の異なる複数の線を開先面に挟
み込むことによって行っているが、Niは偏析しやすい
成分で、この方法では適切な成分分析値をもたせて安定
して添加することは困難である。さらに、溶接するとき
にNiあるいはNiを含む合金板を添加する方法では、
適切な成分分析値をもたせ安定して添加することが可能
であるが、達成されるシャルピー衝撃試験値のレベルが
低く、さらに一段の改善が必要とされる。
あらかじめ調整しても、溶接のとき蒸発して成分が変化
するものもあり、単に溶接金属の組成のみでは良好な溶
接金属の材質が確保できない。また溶接金属の靱性のた
めだけで鋼板全体の成分を調整するのも経済的でない面
もある。例えばNiの場合、鉄に比較すると著しく高価
であり、必要最低限のみ鋼板に添加し、溶接金属には別
途必要量を添加する方が経済的である。この点からは、
上記した特開昭60−54287号公報に提案された溶
接時にNiを添加する方法が有効である。しかし、同公
報記載の方法は非溶接材の板厚方向でNi量を制御し、
添加することを主旨としているが、板厚方向に単にNi
の添加量を変えても良好な溶接金属の材質は確保できな
い。板厚方向でNiの添加量を変えるのは、板厚方向で
溶接時の冷却速度が異なり、それぞれの冷却速度に適し
たNi量を確保するためとされているが、鋼の焼入性は
Niのみで決まるのでなく、C、MnあるいはCr、M
o、V等も鋼の焼入性に関与する。従って鋼全体の組成
で、そのNi添加量も制御されねばならず、かつ溶接部
の冷却速度によっても制御されるものでなければならな
い。またNi添加を、径の異なる複数の線を開先面に挟
み込むことによって行っているが、Niは偏析しやすい
成分で、この方法では適切な成分分析値をもたせて安定
して添加することは困難である。さらに、溶接するとき
にNiあるいはNiを含む合金板を添加する方法では、
適切な成分分析値をもたせ安定して添加することが可能
であるが、達成されるシャルピー衝撃試験値のレベルが
低く、さらに一段の改善が必要とされる。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、電子ビーム溶接で調整することができない微量元素
の成分調整を鋼でまず行い、電子ビーム溶接するときに
合金成分を添加して溶接金属を適正な組成とし、良好な
材質の溶接金属を得ると共に、経済的な溶接法を提供す
ることを目的としている。
で、電子ビーム溶接で調整することができない微量元素
の成分調整を鋼でまず行い、電子ビーム溶接するときに
合金成分を添加して溶接金属を適正な組成とし、良好な
材質の溶接金属を得ると共に、経済的な溶接法を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、C≦0.30%、Si:0.1〜3.
0%、Mn:0.05〜2.0%、かつ、0.0020
%≦N≦0.010%の範囲内でP×N≦5×10-5と
なるP、S≦0.010%を含み、残部Feおよび不可
避的成分からなる鋼板の電子ビーム溶接において、溶接
する時にB単独またはBを含む合金板によりBを添加
し、溶接金属中のBを重量%で0.0003〜0.00
50%とすることを特徴とする鋼板の電子ビーム溶接方
法。
ろは下記のとおりである。 (1)重量%で、C≦0.30%、Si:0.1〜3.
0%、Mn:0.05〜2.0%、かつ、0.0020
%≦N≦0.010%の範囲内でP×N≦5×10-5と
なるP、S≦0.010%を含み、残部Feおよび不可
避的成分からなる鋼板の電子ビーム溶接において、溶接
する時にB単独またはBを含む合金板によりBを添加
し、溶接金属中のBを重量%で0.0003〜0.00
50%とすることを特徴とする鋼板の電子ビーム溶接方
法。
【0008】(2)前記鋼板が更に、Cu≦2.5%、
Ni≦9.5%、Cr≦9.5%、Mo≦3.5%、N
b≦0.15%、V≦0.15%の1種以上を含有する
ことを特徴とする前項(1)記載の鋼板の電子ビーム溶
接方法。
Ni≦9.5%、Cr≦9.5%、Mo≦3.5%、N
b≦0.15%、V≦0.15%の1種以上を含有する
ことを特徴とする前項(1)記載の鋼板の電子ビーム溶
接方法。
【0009】
【作用】鋼の溶接金属の組織は、主に800〜500℃
の領域で変態して形成され、その組成は、いわゆる焼入
性と800〜500℃の冷却速度によって決まる。靱性
の優れた溶接金属は、その組織に依存し、非金属酸化物
等の介在物を核として良好な組織を実現する方法もある
が、組成に適した冷却時間を確保することがもっとも必
要である。
の領域で変態して形成され、その組成は、いわゆる焼入
性と800〜500℃の冷却速度によって決まる。靱性
の優れた溶接金属は、その組織に依存し、非金属酸化物
等の介在物を核として良好な組織を実現する方法もある
が、組成に適した冷却時間を確保することがもっとも必
要である。
【0010】図1に本発明による溶接金属のB量と靱性
の関係を示す。B無添加では、上部ベイナイトの発達が
大きい等の理由で良好な靱性が得られないが、B添加量
が0.0003〜0.0050%の範囲で、良好な溶接
金属靱性が得られる。電子ビーム溶接では前述したよう
にMnの蒸発があり、溶接条件にもよるが1回の溶接で
その含有量の10%以上もの蒸発損失がある。また電子
ビーム溶接では、気孔あるいは凝固割れ等の欠陥が発生
した場合、同じ箇所を再度溶接して補修したり、あるい
はビードが交差する条件で溶接する等の作業があり、同
じ箇所を3〜4回溶接することもある。特にMnの焼入
性指標DI に及ぼす寄与率が大きく、繰返し溶接による
Mnの蒸発によりDI が小さい方向に大きく変化する。
DI が小さくなると溶接金属の良好な材質が得られる条
件範囲は狭くなる。
の関係を示す。B無添加では、上部ベイナイトの発達が
大きい等の理由で良好な靱性が得られないが、B添加量
が0.0003〜0.0050%の範囲で、良好な溶接
金属靱性が得られる。電子ビーム溶接では前述したよう
にMnの蒸発があり、溶接条件にもよるが1回の溶接で
その含有量の10%以上もの蒸発損失がある。また電子
ビーム溶接では、気孔あるいは凝固割れ等の欠陥が発生
した場合、同じ箇所を再度溶接して補修したり、あるい
はビードが交差する条件で溶接する等の作業があり、同
じ箇所を3〜4回溶接することもある。特にMnの焼入
性指標DI に及ぼす寄与率が大きく、繰返し溶接による
Mnの蒸発によりDI が小さい方向に大きく変化する。
DI が小さくなると溶接金属の良好な材質が得られる条
件範囲は狭くなる。
【0011】更に電子ビーム溶接では、狭い溶接金属幅
となるが、電子ビーム溶接の入射側は溶接金属の幅が広
く、ビーム出側、すなわち裏側は溶接金属幅が狭い傾向
がある。このため特開昭60−54287号公報に示さ
れているように、位置に応じて厚み(量)の異なるNi
の添加方法もあるが、この方法では挿入位置決めや、N
i量の制御が煩雑である。
となるが、電子ビーム溶接の入射側は溶接金属の幅が広
く、ビーム出側、すなわち裏側は溶接金属幅が狭い傾向
がある。このため特開昭60−54287号公報に示さ
れているように、位置に応じて厚み(量)の異なるNi
の添加方法もあるが、この方法では挿入位置決めや、N
i量の制御が煩雑である。
【0012】溶接金属の焼入性を向上させるために添加
するBは、板状で添加することが望ましい。Bは微量で
溶接金属の焼入性を大幅に向上させることが可能であ
る。溶接条件により溶接金属幅が変化しても広い範囲の
溶接条件で使用できる。またBは窒化物を形成するが、
添加は微量でよいため、その分を見込んで添加すること
が可能である。
するBは、板状で添加することが望ましい。Bは微量で
溶接金属の焼入性を大幅に向上させることが可能であ
る。溶接条件により溶接金属幅が変化しても広い範囲の
溶接条件で使用できる。またBは窒化物を形成するが、
添加は微量でよいため、その分を見込んで添加すること
が可能である。
【0013】添加方法は、薄板にしたものを開先内に挟
み込み溶接する方法、また特開昭60−54287号公
報に示されているように線にしたものを挟み込み溶接す
る方法、あるいは特公昭63−32551号公報に示さ
れているように、フィラーワイヤにより添加する方法等
がある。しかし線として挟み込み添加する方法は、その
位置決定が容易でなく、添加物の偏析が生じやすく好ま
しくない。またフィラーワイヤによる添加も30mmを
超えるような厚板の溶接では均一な添加は困難である。
み込み溶接する方法、また特開昭60−54287号公
報に示されているように線にしたものを挟み込み溶接す
る方法、あるいは特公昭63−32551号公報に示さ
れているように、フィラーワイヤにより添加する方法等
がある。しかし線として挟み込み添加する方法は、その
位置決定が容易でなく、添加物の偏析が生じやすく好ま
しくない。またフィラーワイヤによる添加も30mmを
超えるような厚板の溶接では均一な添加は困難である。
【0014】Bを含む合金は容易に板状に加工できる。
板状のものを溶接面に均一に張りつけて溶接すれば均一
に添加することができる。また、Bは添加量が微量でも
焼入性を向上する効果があるため、板厚が薄くでき、溶
接金属幅が狭くても溶融不良の発生がない等の利点があ
る。さらに電子ビーム溶接部の溶接金属の靱性向上につ
いて検討した結果、電子ビーム溶接部で粒内、粒界に析
出する粗大な窒化物が著しく電子ビーム溶接部の靱性を
低下させることを見出した。この粗大な窒化物はN量が
高いとその絶対量が増加し、粒内、粒界を脆化させる。
また、PはこのNの作用を促進することを発見した。こ
れを防止するためには、P、Nの含有量をある範囲に収
めること、つまり、これらの効果の重畳作用により著し
く電子ビーム溶接部の靱性が向上することを知見したも
のである。図2にN、P量、電子ビーム溶接部靱性の相
関図を示す。N≦0.010%、かつ、P×N≦5×1
0-5の範囲で良好な靱性を示すことがわかる。このよう
な微量元素の制御は、添加材ではできないため、あらか
じめ鋼の成分で調整しておく必要がある。
板状のものを溶接面に均一に張りつけて溶接すれば均一
に添加することができる。また、Bは添加量が微量でも
焼入性を向上する効果があるため、板厚が薄くでき、溶
接金属幅が狭くても溶融不良の発生がない等の利点があ
る。さらに電子ビーム溶接部の溶接金属の靱性向上につ
いて検討した結果、電子ビーム溶接部で粒内、粒界に析
出する粗大な窒化物が著しく電子ビーム溶接部の靱性を
低下させることを見出した。この粗大な窒化物はN量が
高いとその絶対量が増加し、粒内、粒界を脆化させる。
また、PはこのNの作用を促進することを発見した。こ
れを防止するためには、P、Nの含有量をある範囲に収
めること、つまり、これらの効果の重畳作用により著し
く電子ビーム溶接部の靱性が向上することを知見したも
のである。図2にN、P量、電子ビーム溶接部靱性の相
関図を示す。N≦0.010%、かつ、P×N≦5×1
0-5の範囲で良好な靱性を示すことがわかる。このよう
な微量元素の制御は、添加材ではできないため、あらか
じめ鋼の成分で調整しておく必要がある。
【0015】以下に成分の限定理由を述べる。Cは靱性
に対して有害な元素であり、0.30%を超えて添加す
ると電子ビーム溶接部の靱性が著しく低下するため上限
を0.30%とする。Siは製鋼上必要な元素であるた
め、0.10%以上添加するが、3.0%を超えて添加
すると低温靱性が著しく低下するため上限を3.0%と
する。
に対して有害な元素であり、0.30%を超えて添加す
ると電子ビーム溶接部の靱性が著しく低下するため上限
を0.30%とする。Siは製鋼上必要な元素であるた
め、0.10%以上添加するが、3.0%を超えて添加
すると低温靱性が著しく低下するため上限を3.0%と
する。
【0016】Mnは強度を上昇させる元素で、最低0.
05%必要であるが、2.0%を超えて含有させると、
溶接性が低下するばかりでなく、コスト上昇を招き、経
済的でないため、2.0%を上限とした。Pは先に述べ
たように、Nとの相乗効果により電子ビーム溶接部の粒
内、粒界を脆化させるため、P×N≦5×10-5の範囲
内で低下させる。
05%必要であるが、2.0%を超えて含有させると、
溶接性が低下するばかりでなく、コスト上昇を招き、経
済的でないため、2.0%を上限とした。Pは先に述べ
たように、Nとの相乗効果により電子ビーム溶接部の粒
内、粒界を脆化させるため、P×N≦5×10-5の範囲
内で低下させる。
【0017】Sは靱性に有害な元素であり、0.010
%以下に低減する。Nは先に述べたように、Pとの相互
作用により電子ビーム溶接部の粒内、粒界を脆化させる
ので、図1に示すように、P×N≦5×10-5の範囲に
低下させる。ただし、Nを0.010%を超えて添加す
ると電子ビーム溶接部に割れが発生し、また現状の製鋼
能力では、Nを0.0020%未満に低下するのは工業
上コスト上昇をきたすため、N量は0.0020〜0.
010%の範囲内とする。
%以下に低減する。Nは先に述べたように、Pとの相互
作用により電子ビーム溶接部の粒内、粒界を脆化させる
ので、図1に示すように、P×N≦5×10-5の範囲に
低下させる。ただし、Nを0.010%を超えて添加す
ると電子ビーム溶接部に割れが発生し、また現状の製鋼
能力では、Nを0.0020%未満に低下するのは工業
上コスト上昇をきたすため、N量は0.0020〜0.
010%の範囲内とする。
【0018】Cu、Ni、Cr、Mo、Nb及びVは鋼
の強度を上昇させるという均等的作用を持つもので、必
要に応じて含有させるが、それぞれCu:2.5%、N
i:9.5%、Cr:9.5%、Mo:3.5%、N
b:0.15%及びV:0.15%を超えて含有させて
も、その作用効果が飽和したり、コスト上昇を招き、経
済的でないため、上記の強度改善元素群のそれぞれの成
分の含有量を上記の通りに定めた。
の強度を上昇させるという均等的作用を持つもので、必
要に応じて含有させるが、それぞれCu:2.5%、N
i:9.5%、Cr:9.5%、Mo:3.5%、N
b:0.15%及びV:0.15%を超えて含有させて
も、その作用効果が飽和したり、コスト上昇を招き、経
済的でないため、上記の強度改善元素群のそれぞれの成
分の含有量を上記の通りに定めた。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともにあげ
る。供試鋼板は表1に示した10種で、板No.1、
2、8、9、10は板厚40mm、板No.3、4、
5、6、7は板厚90mmを使用した。表2に電子ビー
ム溶接の使用板、溶接時の添加元素、溶接金属の組成、
溶接金属靱性を示す。添加元素は開先にB単独またはB
を含む合金の薄板を挟み込み添加した。靱性は板厚中央
溶接金属からシャルピー衝撃試験片を採取し、試験し
た。
る。供試鋼板は表1に示した10種で、板No.1、
2、8、9、10は板厚40mm、板No.3、4、
5、6、7は板厚90mmを使用した。表2に電子ビー
ム溶接の使用板、溶接時の添加元素、溶接金属の組成、
溶接金属靱性を示す。添加元素は開先にB単独またはB
を含む合金の薄板を挟み込み添加した。靱性は板厚中央
溶接金属からシャルピー衝撃試験片を採取し、試験し
た。
【0020】電子ビーム溶接は横向き姿勢で、平板上に
表3に示す条件で行った。
表3に示す条件で行った。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】例1〜6は本発明の実施例を示し、例7〜
12は比較例を示す。例1〜6は溶接時にBを添加し、
良好な溶接金属靱性を示す。例7、8は溶接時にBを添
加していないため、溶接金属靱性が低い。例9は溶接時
にBを添加しているが、添加量が足らず、溶接金属靱性
が低い。例10、11は溶接時にBを添加しているが、
P×N>5×10-5のため、溶接金属靱性が低い。例1
2は溶接時にBを添加しているが、N>0.0100%
のため、溶接金属靱性が低い。
12は比較例を示す。例1〜6は溶接時にBを添加し、
良好な溶接金属靱性を示す。例7、8は溶接時にBを添
加していないため、溶接金属靱性が低い。例9は溶接時
にBを添加しているが、添加量が足らず、溶接金属靱性
が低い。例10、11は溶接時にBを添加しているが、
P×N>5×10-5のため、溶接金属靱性が低い。例1
2は溶接時にBを添加しているが、N>0.0100%
のため、溶接金属靱性が低い。
【0025】
【発明の効果】電子ビーム溶接は厚板溶接の能率向上に
特に効果がある。しかし現在まで引張強度50kgf/
mm2 を超える普通鋼材の溶接では適切な材質確保がで
きないため、その適用はステンレス鋼あるいは高合金鋼
の薄物の溶接が主流であり、電子ビーム溶接の最も優れ
た特性が十分発揮されていなかった。しかし本発明によ
れば、特に良好な低温靱性を有する溶接材質を経済的に
確保することが可能になり、圧力容器あるいは大型構造
物の溶接に電子ビーム溶接の適用ができるなど、産業界
への技術的、経済的に及ぼす効果は大きい。
特に効果がある。しかし現在まで引張強度50kgf/
mm2 を超える普通鋼材の溶接では適切な材質確保がで
きないため、その適用はステンレス鋼あるいは高合金鋼
の薄物の溶接が主流であり、電子ビーム溶接の最も優れ
た特性が十分発揮されていなかった。しかし本発明によ
れば、特に良好な低温靱性を有する溶接材質を経済的に
確保することが可能になり、圧力容器あるいは大型構造
物の溶接に電子ビーム溶接の適用ができるなど、産業界
への技術的、経済的に及ぼす効果は大きい。
【図1】溶接金属靱性に及ぼすB量の影響を示すグラフ
である。
である。
【図2】溶接金属靱性に及ぼすPとN量の影響を示すグ
ラフである。
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 103:04
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C≦0.30%、 Si:0.1〜3.0%、 Mn:0.05〜2.0%、 かつ、0.0020%≦N≦0.010%の範囲内で P×N≦5×10-5 となるP、 S≦0.010% を含み、残部Feおよび不可避的成分からなる鋼板の電
子ビーム溶接において、溶接する時にB単独またはBを
含む合金板によりBを添加し、溶接金属中のBを重量%
で0.0003〜0.0050%とすることを特徴とす
る鋼板の電子ビーム溶接方法。 - 【請求項2】 前記鋼板が更に、 Cu≦2.5%、 Ni≦9.5%、 Cr≦9.5%、 Mo≦3.5%、 Nb≦0.15%、 V≦0.15% の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の
電子ビーム溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5159763A JPH0716763A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 鋼板の電子ビーム溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5159763A JPH0716763A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 鋼板の電子ビーム溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0716763A true JPH0716763A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15700739
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5159763A Withdrawn JPH0716763A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 鋼板の電子ビーム溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0716763A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007231417A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-09-13 | Jfe Steel Kk | レーザ溶接性に優れた高張力厚鋼板 |
| JP2008087034A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Nippon Steel Corp | 耐脆性破壊発生特性に優れた電子ビーム溶接継手 |
| WO2011068216A1 (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 新日本製鐵株式会社 | 高エネルギー密度ビームを用いた突合せ溶接継手 |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP5159763A patent/JPH0716763A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2012102405A (ja) * | 2009-12-04 | 2012-05-31 | Nippon Steel Corp | 高エネルギー密度ビームを用いた突合せ溶接継手 |
| JP4970620B2 (ja) * | 2009-12-04 | 2012-07-11 | 新日本製鐵株式会社 | 高エネルギー密度ビームを用いた突合せ溶接継手 |
| CN102639277A (zh) * | 2009-12-04 | 2012-08-15 | 新日本制铁株式会社 | 使用了高能密度束的对接焊接接头 |
| US9352424B2 (en) | 2009-12-04 | 2016-05-31 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Butt welding joint using high-energy density beam |
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