JPH0716885B2 - 内周式メタルボンド切断砥石の製造方法 - Google Patents

内周式メタルボンド切断砥石の製造方法

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JPH0716885B2
JPH0716885B2 JP1045643A JP4564389A JPH0716885B2 JP H0716885 B2 JPH0716885 B2 JP H0716885B2 JP 1045643 A JP1045643 A JP 1045643A JP 4564389 A JP4564389 A JP 4564389A JP H0716885 B2 JPH0716885 B2 JP H0716885B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半導体単結晶棒等を切断してウエーハ等にす
る内周式メタルボンド切断砥石の製造方法に関する。
[従来の技術] 硬脆材料の加工、中でも半導体単結晶及びセラミックス
の精密加工は、最近特に注目を浴びている。硬脆材料
は、一般に、引張強度が圧縮強度に比べて非常に小さ
い。従って、硬脆材料の加工に際しては、外力が引張り
強度を超えたところから始まる微少の破壊の連続が行わ
れなければならない。
半導体産業が発達したその背景には、勿論その半導体材
料を供給する技術の進歩発展が必要であったが、半導体
単結晶棒を軸方向にほぼ直角に切断して円状薄片(ウエ
ーハ)を形成し、その表面層の加工歪を除去し、片面に
高精度、高品質の鏡面を形成する一連の工程、特に、硬
脆材料である半導体単結晶棒を切断する工程において用
いられる内周式メタルボンド切断砥石の発達が重要な意
義をもっていた。
この内周式メタルボンド切断砥石は、第3図に示す如
く、薄い円環状のステンレス鋼、例えばSUS301或はSUS3
04からなる台金10の内周部にダイヤモンド砥粒12を電着
法(電鋳法ともいう)によって固定したものである。ダ
イヤモンド砥粒12は一層乃至2層であり、これが脱落す
ると切削能力を失う。
電着法は、不要部をプラスチックフィルム等で覆い、ダ
イヤモンド砥粒12等を台金の内周端及び上下面に配置
し、台金10にニッケル鍍金を行うことで行われる。
内周式メタルボンド切断砥石は、半導体単結晶棒の切断
における切断代を最小にするために開発されたもので、
台金は勿論、砥石自身も肉薄である。この砥石の厚さは
通常200〜320μmであり、台金の厚さは通常100〜200μ
mである。ダイヤモンド砥粒層は多くても2層に制限さ
れる。ダイヤモンド砥粒12は径40〜70μm程度のものが
用いらており、この径は砥粒のメタルボンドへの固着及
び切削力の観点から経験的に選択される。
内周式メタルボンド切断砥石には、次のような欠点があ
った。
(1)半導体単結晶棒は切削時に細粉化しやすく、さら
に、ダイヤモンド砥粒12の脱落等が重なって、目詰まり
が起きやすいため、切断能力の低下が著しかった。
(2)ダイヤモンド砥粒12の数が少ないために、これが
脱落すると切断能力に異方性が出やすく、このため、半
導体ウエーハにソリが発生し、ウエーハ不良の原因とな
った。
(3)この異方性により、ウエーハ表面層に、場合によ
って数10μmに達する深い加工歪みが発生することがあ
る。かかる加工歪みは、最終加工品である鏡面半導体ウ
エーハの鏡面結晶質を劣化させ、あるいは不必要にウエ
ーハ表面を除去しなければならないという不経済を招来
していた。
従来、内周式メタルボンド切断砥石で半導体単結晶棒を
切断するに際しては、上述の目詰まりを防止するため
に、機械的なドレッシング法が多用されていた。この方
法は、硬脆材料を切断することによって砥石部表面に付
着した半導体単結晶の切り粉を機械的に除去したり、あ
るいは電着層の金属部分を機械的に削りとって新しいダ
イヤモンド砥粒を露出させるという方法である。このよ
うにすれば一時的な効果はあるものの、ドレッシングの
ために切断作業を中断したり、あるいはドレッシングの
際に刃先の砥石部が台金10に対して、対称的に除去され
ず刃先が非対称形になったりして、スライスに際し刃先
の進行方向は台金面からそれ、切断された薄片にソリが
生ずる。このように、ドレッシングによっても切断薄片
のソリを充分に防止するのは難しく、また切断作業中断
のため生産性が低下してコストアップの要因になってい
た。
かかるドレッシングの問題点を解決するため、薄型内周
切断刃の回転面に平行に並んだ複数個の切断液吐出孔と
空気噴出小孔を有するノズルブロックを設け、該切断刃
に向かって研削液の吐出と空気の噴出を同時に行い、目
詰まりを防止する方法が提案されている(特開昭60-970
9号公報)。
しかしながら、この方法では、単に研削液及び空気を刃
先近傍に噴出し、その噴出エネルギーのみで付着した目
詰まりの原因となっている硬脆材料の微粉層を破壊離脱
させるものであるので、その効果は限られる。切断刃は
高速回転し、刃先は1000〜3500m/minの周速度をもって
おり、内周直径が240mmの場合は1000m/minでも、1回転
に要する時間はわずかに0.05secである。したがって、
刃先付近の多数の位置より多量の切削液を吐出しても、
通常の切削液では付着している微細な切り粉を除去する
ことは困難である。
一方、鉄粉を主成分とする結合剤を用いた砥石は目詰ま
りが生じ難く、その製造方法が提案されている(特開昭
63−99177号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、この砥石は、厚み10mm程度のホイール型研削砥
石であり、上記200〜320μm程度の薄い切断砥石では、
鉄粉を主成分とする結合剤を用いて焼結法で製造するこ
とが不可能であった。従来では、焼結法は薄層の砥石を
作るのに不適であり、厚さ1mm程度が下限であると言わ
れていた。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、円環状金属
薄板の内周縁部に鉄粉を主成分とする結合剤に超砥粒が
混合されたものが薄く焼結固着された内周式メタルボン
ド切断砥石の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る内周式メタルボンド切断砥石の製造方法で
は、上記問題点を解決するために、例えば図1A及び図1B
に示すように、円環状金属薄板の内周縁部が金型の溝に
位置するようにして該金型で該円環状金属薄板を挟持
し、該溝に、鉄粉を主成分とする結合剤と超砥粒との混
合物を入れて、円環状金属薄板の内周縁部を該混合物で
薄く覆い、該混合物の表面を弾性シール部材(ゴム又は
その均等物)で覆うことにより該溝の開口部を覆って該
混合物を密封状態にし、この状態で、圧縮液体中で静圧
をかけて該混合物をアイソ・スタチックプレス成形し、
不活性又は還元性雰囲気中で該混合物を焼結し、更に電
解作用で刃先を所定寸法に仕上げることを特徴とする。
上記アイソ・スタチックプレス成形は、例えば図1Aに示
す行程と図1Bに示す行程の2行程で行う。
すなわち、上記円環状金属薄板を金型で挟持した状態で
該円環状金属薄板の内周縁部の一方の面が上記溝の底面
に当接する第1の金型を用い、該円環状金属薄板の内周
縁部の他方の面を上記混合物で薄く覆って上記アイソ・
スタチックプレス成形を行い、次に、該円環状金属薄板
を金型で挟持した状態で該円環状金属薄板の内周縁部の
一方の面に成形された該混合物が嵌合される凹部を有す
る第2の金型を用い、この嵌合状態で、該円環状金属薄
板の内周縁部の他方の面を上記混合物で薄く覆って上記
アイソ・スタチックプレス成形を行う。
上記超砥粒は、好ましくは粒度が5〜60μmの範囲内の
ダイヤモンド砥粒又は立方晶窒化ホウ素砥粒である。
上記鉄粉の粒度は、好ましくは上記超砥粒の粒度の約1/
10以下である。
上記結合剤は、好ましくは上記鉄粉にシリコン粉を加え
たものである。
[作用] ダイヤモンド砥粒としては、最大70〜80μmの径のもの
を用いることが出来るが、30μm以下であるのが好まし
い。しかしながら、径70μmのダイヤモンド砥粒を用い
た場合でも、本発明の場合には、ダイヤモンド砥粒が結
合剤と化学的な結合力を発揮するので、ダイヤモンド砥
粒が従来のニッケル電着法に比較してより強く焼結金属
層に固着支持される。したがって、ダイヤモンド砥粒が
摩損したり破損することによって切削力を失うまで、ほ
ぼ永続的に砥粒が切削力を有し、優れた切削力を長時間
に亙って示す。この点から、従来法の内周式メタルボン
ド切断砥石よりも充分改良されたといえる。従来ではダ
イヤモンド砥粒がニッケルの電着層の中に埋め込まれて
いただけなので、比較的容易にダイヤモンド砥粒の脱落
が起こる。
半導体単結晶棒、例えばシリコン単結晶棒を切断した場
合、切断の切粉がシリコンであるため微粉化しやすく、
これが内周刃表面に付着固化して目詰まりを起こし、切
削能力の低下をきたすが、本発明で製造された砥石のダ
イヤモンド砥粒は切削力を長く保持するので、これを通
常の方法で他の硬脆材料、例えばアルミナ磁器を切断す
ることによって、簡単にドレッシングすることが可能に
なる。
本発明で製造された内周式メタルボンド切断砥石は、ダ
イヤモンド砥粒が脱落し難いので、新しいダイヤモンド
砥粒を露出するためのメタルボンド層のドレッシングに
よる表面部除去は原理的に不要である。しかし、ダイヤ
モンド砥粒は先端が多少摩損するので、メタルボンド層
の表面部を僅かに除去し、ダイヤモンド砥粒の露出先端
を増加させることが必要となる。これは硬脆材料のミク
ロ破壊及び引っ掻きの加工理論から当然のことである。
もし仮に、砥石の切削能力が低下すると、半導体材料の
切断の際に刃先が曲がり、切断されるウエーハが平板か
ら偏倚し、変形する。この変形は、くら型、皿型等多様
な形状を呈するが、これらは総括してソリと称されてい
る。即寸法精度の高い鏡面半導体単結晶ウエーハを得る
ためには、切断の段階でソリのないまたはソリの小さい
同薄片を生産しなければならない。
ダイヤモンド砥粒が大きいと、切断された半導体単結晶
基板面には、異常に深い例えば70〜80μmに達する加工
歪が部分的に発生する。一般的に加工歪が多く、その深
さの平均は使用するダイヤモンドの砥粒径の1/2に及
ぶ。かかる加工歪の程度は、砥石刃先のダイヤモンド砥
粒の配置、露出、先端形状、刃先の機械的振動等によ
る。
本発明者は、種々の実験の結果、ダイヤモンド砥粒を30
μm乃至50μmとすることによって、さらに改良された
結果の得られることを知った。ダイヤモンド砥粒の径が
小さくなると、切削力が小さくて実用的でなくなる。こ
れは、刃先が目詰まりを起こしている状態に近く、この
状態で半導体単結晶棒の直径方向の切断速度を大きくす
ると、切断薄片にソリが発生する。径5μmのダイヤモ
ンド砥粒、厚さ150μmの台金を用いた砥石により、通
常の作業条件で毎分10mm程度の切断が可能である。ダイ
ヤモンド砥粒の径が30μm程度の場合には目詰まりを起
こさず、また、切断後の半導体基板の表面加工歪も10〜
15μmとなり、特に大きな改善点は、異常な加工歪の発
生が皆無となることである。この理由は、半導体単結晶
棒の切り込み速度が毎分50mm/minという高速でも切断片
にソリがない程の切断能力があることと、ダイヤモンド
砥石の内周刃先の表面の露出砥粒が単位面積当たり大き
くなり、半導体単結晶棒の切断している部分において、
突出した単独ダイヤモンド砥粒による異常な押圧が発生
しないためと考えられる。
本発明においては、ダイヤモンド砥粒と金属結合剤との
混合割合は、実験の結果、重量比で0.8〜2:10程度が最
も好ましいことが分かった。ダイヤモンド砥粒が多くな
るとダイヤモンド砥粒の脱落が目立ち、逆に少なくなる
と切断能力が低下する。しかし、上記比率の範囲内では
切断能力に顕著な差は見られない。
結合剤は、本発明では鉄粉を用いるが、この鉄粉は通
常、鋳鉄の切削または研削加工で発生した粉状鋳鉄及び
還元鉄粉が用いられる。還元鉄は、例えば、酸化鉄を還
元したり、また、一酸化炭素中で加熱して得られた鉄カ
ルボニルを低温で熱分解したものを用いる。後者の場合
には、粒径1μm以下の鉄粉を容易に得ることができ
る。鉄粉の粒径は、ダイヤモンド砥粒の粒径の約1/10と
するのが好ましい。これは、同じ粒径の場合には最密充
填しても空隙率が50%近くになるので、この空隙率を低
下させるために、粒径がダイヤモンド砥粒の粒径の1/10
程度の鉄粉を充填用として加えると、90%以上の最密充
填が可能であるという理由による。ミクロに考えるなら
ば、ダイヤモンド砥粒は鉄粉によって緻密に囲まれてお
り、少なくともダイヤモンド砥粒に近い寸法の空隙は全
くないことである。鉄粉は、粒度分布を持っていてよ
く、小径粒子は、大径粒子間の隙間を充填することにな
る。
このような結合剤とダイヤモンド砥粒の混合物が、例え
ば第1A、1B図に示す状態で加圧成形され、更に加熱焼結
されると、鉄粉どうしは互いに焼結し、またダイヤモン
ド砥粒は鉄の接触で化合的な結合をする。すなわち、従
来のニッケル電着の場合のように焼結金属層にダイヤモ
ンド砥粒が単に埋め込まれているのと異なり、従来なら
当然脱落するような状態でも本案の場合には脱落すこと
がない。従来のニッケル電着の場合には、例えば、第2B
図の場合には脱落しないが、第2A図の場合には脱落の度
合いが大きくなる。しかし、本発明の場合には、結合剤
は化学的な作用でダイヤモンド砥粒を固着しているの
で、第2A図のような場合でもダイヤモンド砥粒は脱落し
ない。単位体積あたりの表面積が大きい小粒子は、高い
表面自由エネルギーを持っているので、焼結は比較的低
温で行われる。本発明では、1,000℃以下で焼結は充分
進行する。
結合剤は、鉄粉にシリコン粉末を加えると更にダイヤモ
ンド砥粒の固着力が高まる。これは、シリコン粉末が鉄
粉及びダイヤモンド砥粒と金属化合物を形成するためで
ある。シリコンは、ダイヤモンドとはSiCを形成し、鉄
との間ではSi・Fe化合物を形成する。SiとFeとの化合物
の融点はそれぞれの融点よりも下がるので、このことが
金属焼結層及びダイヤモンド砥粒の固着力を高めると考
えられる。
従来では、焼結法は薄層の砥石を作るのに不適であり、
厚さ1mm程度が下限であると言われていた。しかしなが
ら、特殊型を用いてアイソスタティク・プレス成形を
し、不活性ガスまたは水素気流中で例えば1,000℃で1
時間程度加熱すれば、薄層であってもほぼ鉄自身の強度
を有する焼結層ができる。しかし、この方法では砥石部
分を精密に成形できないので、焼結が終了した後、更に
電解研磨法で任意の形状に加工する。
アイソスタティク・プレス成形は、均一に成形物を加圧
でき、圧縮ムラのないことに特徴がある。ゴム膜を介し
て2,000kg/cm2程度の流体圧力を伝達し成形する。ゴム
膜は、成形物の形状に従って変形する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明する。
概説すれば、内周式メタルボンド切断砥石は、第1A、1B
図に示す如く、ステンレス鋼、例えばSUS301またはSUS3
04の円環状台金10の内周端及びその近傍の上下面の限ら
れた部分例えば幅3〜5mmの内周部分に、ダイヤモンド
砥粒12と鋳鉄粉及び/または純鉄粉からなる結合剤16と
を混合したものを加圧成形し、これを焼結した後、適当
な方法例えば電解研磨で不要な鉄粉焼結層を除去し、希
望する寸法精度に仕上げることによって製造される。
詳説すれば、第1A図に示す如く、金型18に台金10を固定
し、台金10の内周端付近にダイヤモンド砥粒12と結合剤
16の混合粉末を充填し、この上をゴム型20で覆い、その
周縁部に押板22を当て、締具24で押板22を介しゴム型20
を金型18に押圧して加圧液体がゴム型20の内側に侵入し
ないように密封する。そして、超音波振動を金型18に加
えつつ、全体を例えばグリセリン、潤滑油、又はモービ
ル油等の圧縮液体の中で静圧をかける。台金10の内周側
両面の各面についてプレス成形するため、プレス成形は
2工程で行う。第2工程で使う金型は、第1B図に示す如
く、既に成形した部分を収納する凹部が形成された金型
を用いる。他の点は第1工程と同一である。
このようにして成形すると、余程強い衝撃を与えない限
り、成形体を破損させることなく、そのまま焼結炉内で
焼結することができる。例えば、焼成温度が1,000℃で
あると、台金10自身も保持の仕方によって変形するの
で、適当な耐熱台の上に置いて焼結したほうがよい。焼
結後は、形状が不整であるので、次に電解研磨を行う。
結合剤16は鉄粉が母剤であるので、電解液は例えばNaCl
水溶液を用い、砥石部分を陽極にして直流電圧を印加す
る。これにより、Feは水酸化鉄となり溶解する。メタル
ボンドの鉄が溶解すれば、不要なダイヤモンド砥石も脱
落する。電解研磨では、電極の形状を調整することによ
り、刃先を任意の形状に加工することができる。台金10
が同時に電解研磨されるのを防止するために、台金10の
露出部をワックス等非導電性の膜でコーティングする。
焼結に際しては、炉から取り出した後徐冷すると焼なま
しがおこるので、再焼入れを行うことが重要である。メ
タルボンド中の炭素含有量は台金10の機械的性質に影響
するので、炭素濃度は台金10のそれに近く調整するのが
よい。
本発明の砥石を用いて、半導体単結晶棒特にシリコン単
結晶棒を切断する場合、切削液としてアルカリ水溶液例
えば苛性ソーダの10%液を用いる。この切削液は、内周
式メタルボンド切断砥石の刃先に付着したシリコン切粉
を溶解除去すると同時に、メタルボンドの鉄粉を徐々に
溶解し、ダイヤモンド砥粒12を露出せしめて自動的に化
学的なドレッシングも行うことができる。
メタルボンド中にシリコンが含まれている場合には、こ
のシリコンもアルカリにより溶解するので、自動的な化
学的ドレッシングが助長される。
砥石の先端は、シリコン単結晶の切削により適当の発熱
があるので、この熱エネルギーにより、以上の化学反応
が促進される。
次に、本発明の試験例を説明する。
(1)試験例1 粒径10〜15μmのダイヤモンド砥粒12と、粒径1μmの
鉄粉と、粒径約1μmのシリコン粉とを、1:10:0.05の
重量比で均一に混合し、これを外径690mm、内径240mm、
厚さ150μmのSUS301製台金10の内周部に置き、アイソ
スタチック・プレス成形により1,800kg/cm2で加圧して
予備成形し、水素気流で1000℃1時間焼結し、電解研磨
加工を行った。
かかる内周式メタルボンド切断砥石を用いて直径100mm
のシリコン単結晶棒を薄片に切断したところ、1,000枚
連続切断した段階でもシリコン薄片のソリは5μm以下
であった。
また、この1,000枚の中から100枚毎に1枚サンプリング
して加工歪を測定したところ、各薄片の最大加工歪は5
μm以下であった。
これを従来技術と比較するため、市販の内周式ニッケル
ボンド切断砥石の同仕様品を用いて同様な試験を行った
ところ、500枚切断した段階で、ソリは30μmを越え
た。また、最大加工歪は100枚毎の5枚のサンプル内の
最初から4枚目の薄片の一部に50μmに及ぶ異常な深い
加工溝を発見した。
(2)試験例2 上記試験例1の内周式メタルボンド切断砥石を用い、切
削液として苛性ソーダを含む弱アルカリ性水溶液を用い
た場合と、純水を用いた場合とでシリコン単結晶棒を薄
片に切断しソリの発生状況を比較した。ソリが10μmを
超える連続切断枚数は、この弱アルカリ性水溶液を使用
した場合約1,200枚であったのに対し、純水を使用した
場合は約300枚であった。
(3)試験例3 上記試験例1の内周式メタルボンド切断砥石を用い、切
削液として微弱アルカリ性の界面活性剤水溶液を用い、
砥石とシリコン単結晶棒との間に電界をかけながら、シ
リコン単結晶を薄片に切断したところ、切断時の抵抗が
小さくなり、また、ソリの発生状況を調べたら、ソリが
10μmを越える連続的切断枚数は約500枚であった。な
お、電界作用が台金10におよぶのを防ぐために、切断前
に、砥粒層12の外端から台金10の外端にわたり台金10の
表面を絶縁材としてのテフロン(登録商標)系樹脂でコ
ーティングしておいた。
これに対し、市販の内周式ニッケルボンド切断砥石の同
仕様品を用いて試験を行ったところ、約600枚切断した
段階でソリは30μmを越えた。
[発明の効果] 以上説明した如く、本発明の製造方法によれば、従来製
造不可能であった、円環状金属薄板の内周縁部に鉄粉を
主成分とする結合剤に超砥粒が混合されたものが薄く焼
結固着された内周式メタルボンド切断砥石を、製造可能
であるという効果を奏し、この砥石によって、半導体単
結晶棒等の切断による内周刃の目詰まり及び変形摩損を
低減でき、かつ、内周刃による切断後のウエーハ等の表
面層の異常加工歪層或は平均的な加工歪層の深さを減少
して、高精度、高品質な鏡面半導体単結晶基板等を能率
的にしたがって低コストで生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1A図及び第1B図は本発明の実施例に係る内周式メタル
ボンド切断砥石の製造方法を示す要部断面図、 第2A図及び第2B図は形状によるダイヤモンド砥粒の結合
剤からの離脱の難易を示す図、 第3図は従来の内周式メタルボンド切断砥石の構成を示
す要部断面図である。 図中、 10は台金 12はダイヤモンド砥粒 14、16は結合剤 18は金型 20はゴム型 22は押板 24は締具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円環状金属薄板の内周縁部が金型の溝に位
    置するようにして該金型で該円環状金属薄板を挟持し、
    該溝に、鉄粉を主成分とする結合剤と超砥粒との混合物
    を入れて、円環状金属薄板の内周縁部を該混合物で薄く
    覆い、該混合物の表面を弾性シール部材で覆うことによ
    り該溝の開口部を覆って該混合物を密封状態にし、この
    状態で、圧縮液体中で静圧をかけて該混合物をアイソ・
    スタチックプレス成形し、 不活性又は還元性雰囲気中で該混合物を焼結し、 更に電解作用で刃先を所定寸法に仕上げる、 ことを特徴とする内周式メタルボンド切断砥石の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記円環状金属薄板を金型で挟持した状態
    で該円環状金属薄板の内周縁部の一方の面が前記溝の底
    面に当接する第1の金型を用い、該円環状金属薄板の内
    周縁部の他方の面を前記混合物で薄く覆って前記アイソ
    ・スタチックプレス成形を行い、 次に、該円環状金属薄板を金型で挟持した状態で該円環
    状金属薄板の内周縁部の一方の面に成形された該混合物
    が嵌合される凹部を有する第2の金型を用い、この嵌合
    状態で、該円環状金属薄板の内周縁部の他方の面を前記
    混合物で薄く覆って前記アイソ・スタチックプレス成形
    を行う、 ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記超砥粒は、粒度が5〜60μmの範囲内
    のダイヤモンド砥粒又は立方晶窒化ホウ素砥粒であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記鉄粉の粒度は、前記超砥粒の粒度の約
    1/10以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記結合剤は、前記鉄粉にシリコン粉を加
    えたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1つに記載の方法。
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