JPH07173572A - 熱間工具鋼およびそれを使用した鍛造金型 - Google Patents
熱間工具鋼およびそれを使用した鍛造金型Info
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- JPH07173572A JPH07173572A JP9511594A JP9511594A JPH07173572A JP H07173572 A JPH07173572 A JP H07173572A JP 9511594 A JP9511594 A JP 9511594A JP 9511594 A JP9511594 A JP 9511594A JP H07173572 A JPH07173572 A JP H07173572A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 300〜700℃の比較的低温領域にある被
鍛材とくにアルミ材を鍛造する金型の、低サイクル疲労
特性を改善して長寿命の金型を提供する。 【構成】 C:0.28〜0.32%、Si:0.05
〜0.30%、Mn:0.45〜1.20%、Cr:
3.8〜4.2%、Mo:0.65〜2.5%および
V:0.3〜0.4%、場合によってはさらにNi:
1.0%以下を含有し、残部が実質上Feからなる合金
組成の熱間工具鋼を材料とし、成形加工した金型材を9
00〜980℃で焼入れし、550〜630℃において
焼戻す。 金型に高い硬さが要求される場合はMo:
1.5〜2.5%の高Mo領域をえらび、衝撃値や疲労強
度を高くした場合はMo:0.65〜2.0%の低Mo
領域をえらぶ。
鍛材とくにアルミ材を鍛造する金型の、低サイクル疲労
特性を改善して長寿命の金型を提供する。 【構成】 C:0.28〜0.32%、Si:0.05
〜0.30%、Mn:0.45〜1.20%、Cr:
3.8〜4.2%、Mo:0.65〜2.5%および
V:0.3〜0.4%、場合によってはさらにNi:
1.0%以下を含有し、残部が実質上Feからなる合金
組成の熱間工具鋼を材料とし、成形加工した金型材を9
00〜980℃で焼入れし、550〜630℃において
焼戻す。 金型に高い硬さが要求される場合はMo:
1.5〜2.5%の高Mo領域をえらび、衝撃値や疲労強
度を高くした場合はMo:0.65〜2.0%の低Mo
領域をえらぶ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、とくにアルミ材の鍛造
金型の材料として好適な熱間工具鋼と、それを使用した
鍛造金型に関し、鍛造金型の製造方法に及ぶ。
金型の材料として好適な熱間工具鋼と、それを使用した
鍛造金型に関し、鍛造金型の製造方法に及ぶ。
【0002】ここで「アルミ材」とは、アルミニウムお
よびアルミニウムを主体とする合金を意味する。
よびアルミニウムを主体とする合金を意味する。
【0003】
【従来の技術】鍛造金型の材料として従来代表的なもの
は、SKD61のような熱間工具鋼である。 鍛造金型
は、被鍛材の温度が900℃以上にのぼる場合、金型表
面はかなり高温になるため、金型はヒートチェック、高
温摩耗や変形などの損傷を受ける。 金型の寿命は、こ
うした因子に抵抗する諸特性によって決定される。 鋼
の熱間鍛造の金型材料として使用する限り、SKD61
鋼は良好な性能を示す。
は、SKD61のような熱間工具鋼である。 鍛造金型
は、被鍛材の温度が900℃以上にのぼる場合、金型表
面はかなり高温になるため、金型はヒートチェック、高
温摩耗や変形などの損傷を受ける。 金型の寿命は、こ
うした因子に抵抗する諸特性によって決定される。 鋼
の熱間鍛造の金型材料として使用する限り、SKD61
鋼は良好な性能を示す。
【0004】ところが、同じ材料で製作した金型を被鍛
材の温度が300〜700℃の領域にある鍛造、たとえ
ばアルミ材の鍛造に使用するときは、金型寿命を決定す
るのは割れであることが、しばしば経験された。 この
割れは、ほとんど低サイクル疲労割れであり、数千回の
鍛造で金型寿命が尽きることもあり、その防止などが求
められていた。 疲労特性とともに、金型の大割れによ
る早期破損を回避することも必要であり、靭性の向上が
望まれていた。
材の温度が300〜700℃の領域にある鍛造、たとえ
ばアルミ材の鍛造に使用するときは、金型寿命を決定す
るのは割れであることが、しばしば経験された。 この
割れは、ほとんど低サイクル疲労割れであり、数千回の
鍛造で金型寿命が尽きることもあり、その防止などが求
められていた。 疲労特性とともに、金型の大割れによ
る早期破損を回避することも必要であり、靭性の向上が
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、上記した要望にこたえて、とくに300〜700℃
程度の温度領域にある被鍛材、代表的にはアルミ材を鍛
造するに当り、低サイクル疲労特性のすぐれた金型を与
える熱間工具鋼を提供することにある。
は、上記した要望にこたえて、とくに300〜700℃
程度の温度領域にある被鍛材、代表的にはアルミ材を鍛
造するに当り、低サイクル疲労特性のすぐれた金型を与
える熱間工具鋼を提供することにある。
【0006】本発明の第二の目的は、上記の熱間工具鋼
を使用して低サイクル疲労特性のすぐれた鍛造金型を製
造する方法、とくに熱処理方法を提供することにある。
を使用して低サイクル疲労特性のすぐれた鍛造金型を製
造する方法、とくに熱処理方法を提供することにある。
【0007】前記の材料に上記した製造方法を適用し
て、とくにアルミ材の鍛造に好適な鍛造金型を提供する
ことも、本発明の目的に含まれる。
て、とくにアルミ材の鍛造に好適な鍛造金型を提供する
ことも、本発明の目的に含まれる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的を達
成する熱間工具鋼は、一般に、C:0.28〜0.32%
(重量%、以下同じ)、Si:0.10〜0.30%、M
n:0.45〜1.20%、Cr:3.8〜4.2%、M
o:0.65〜2.50%およびV:0.3〜0.6%
を含有し、残部が実質上Feからなる合金組成を有す
る。
成する熱間工具鋼は、一般に、C:0.28〜0.32%
(重量%、以下同じ)、Si:0.10〜0.30%、M
n:0.45〜1.20%、Cr:3.8〜4.2%、M
o:0.65〜2.50%およびV:0.3〜0.6%
を含有し、残部が実質上Feからなる合金組成を有す
る。
【0009】工具に要求される特性の重点が疲労強度お
よび耐衝撃性にある場合は、C:0.28〜0.32
%、Si:0.13〜0.17%、Mn:0.65〜
1.1%、Cr:3.9〜4.1%、Mo:0.65〜
2.00%およびV:0.3〜0.4%を含有し、残部
が実質上Feからなる合金組成を採用するとよい。
よび耐衝撃性にある場合は、C:0.28〜0.32
%、Si:0.13〜0.17%、Mn:0.65〜
1.1%、Cr:3.9〜4.1%、Mo:0.65〜
2.00%およびV:0.3〜0.4%を含有し、残部
が実質上Feからなる合金組成を採用するとよい。
【0010】一方、工具に要求される特性の重点が強度
である場合は、C:0.28〜0.32%、Si:0.
13〜0.17%、Mn:0.45〜0.65%、Cr:
3.9〜4.1%、Mo:1.5〜2.5%およびV:
0.3〜0.4%を含有し、残部が実質上Feからなる
合金組成が好適である。
である場合は、C:0.28〜0.32%、Si:0.
13〜0.17%、Mn:0.45〜0.65%、Cr:
3.9〜4.1%、Mo:1.5〜2.5%およびV:
0.3〜0.4%を含有し、残部が実質上Feからなる
合金組成が好適である。
【0011】上記いずれの組成の熱間工具鋼も、さらに
Ni:1.0%以下を含有することができる。
Ni:1.0%以下を含有することができる。
【0012】いずれの場合も、不純物であるPおよびS
は、ともに0.030%以下であることが好ましい。
は、ともに0.030%以下であることが好ましい。
【0013】本発明の第二の目的にかなう鍛造金型の製
造方法は、上記したいずれかの合金組成の熱間工具鋼を
金型に成形し、900〜980℃の温度から焼入れ、5
50〜630℃において焼戻し処理を施すことからな
る。
造方法は、上記したいずれかの合金組成の熱間工具鋼を
金型に成形し、900〜980℃の温度から焼入れ、5
50〜630℃において焼戻し処理を施すことからな
る。
【0014】
【作用】被鍛材の温度が300〜700℃程度の領域に
あるものを鍛造する金型の寿命を長くするには、低サイ
クル疲労特性を向上させる必要のあることが、発明者の
経験から明らかになった。 しかしこれまで、低サイク
ル疲労特性を向上させるにはどうすればよいかについて
は、ほとんどわかっていない。 一般には不純物量を低
減するのがよいとされている(たとえば特開昭61−2
13349)が、これは高サイクル疲労に関して効果的
であっても、低サイクル疲労には、必ずしも有効でない
ことが経験された。
あるものを鍛造する金型の寿命を長くするには、低サイ
クル疲労特性を向上させる必要のあることが、発明者の
経験から明らかになった。 しかしこれまで、低サイク
ル疲労特性を向上させるにはどうすればよいかについて
は、ほとんどわかっていない。 一般には不純物量を低
減するのがよいとされている(たとえば特開昭61−2
13349)が、これは高サイクル疲労に関して効果的
であっても、低サイクル疲労には、必ずしも有効でない
ことが経験された。
【0015】発明者は、常用のSKD61よりも低サイ
クル疲労特性と耐衝撃性のすぐれた鍛造金型材料を実現
することを意図して研究し、SKD61にくらべて、C
量、Si量、Cr量およびV量を低い領域に、一方、M
o量は、金型に要求される特性の重点が疲労強度にある
か強度と耐熱性にあるかによって低い領域または高い領
域にえらび、これらを含め各合金成分を狭い範囲で選択
して組み合わせることによって、所望の特性をもった熱
間工具鋼を得ることに成功した。
クル疲労特性と耐衝撃性のすぐれた鍛造金型材料を実現
することを意図して研究し、SKD61にくらべて、C
量、Si量、Cr量およびV量を低い領域に、一方、M
o量は、金型に要求される特性の重点が疲労強度にある
か強度と耐熱性にあるかによって低い領域または高い領
域にえらび、これらを含め各合金成分を狭い範囲で選択
して組み合わせることによって、所望の特性をもった熱
間工具鋼を得ることに成功した。
【0016】本発明の熱間工具鋼合金を構成する各成分
のはたらきと組成範囲の限定理由は、任意添加元素およ
び不純物の規制値を含めて、つぎのとおりである。
のはたらきと組成範囲の限定理由は、任意添加元素およ
び不純物の規制値を含めて、つぎのとおりである。
【0017】C:0.28〜0.32% 鋼の硬さと強度を高めるための基本的な元素であり熱間
工具鋼として必要な強度を得るためには、0.28%以
上の存在を要する。 C量の増加とともに強度が高まる
が、靭性が低下し、過大な炭化物の生成により疲労特性
が悪くなるから、0.32%を上限とした。
工具鋼として必要な強度を得るためには、0.28%以
上の存在を要する。 C量の増加とともに強度が高まる
が、靭性が低下し、過大な炭化物の生成により疲労特性
が悪くなるから、0.32%を上限とした。
【0018】Si:0.10〜0.30%、好ましくは
0.13〜0.17% 脱酸剤としてはたらくほか、基地を強化し、耐酸化性を
高める。 しかし、多量になると地疵を増やし、靭性が
低下する。 これらを考え合わせて定めたのが0.10
〜0.30%の上下限であるが、狭い範囲0.13〜0.
17%にあることが好ましい。
0.13〜0.17% 脱酸剤としてはたらくほか、基地を強化し、耐酸化性を
高める。 しかし、多量になると地疵を増やし、靭性が
低下する。 これらを考え合わせて定めたのが0.10
〜0.30%の上下限であるが、狭い範囲0.13〜0.
17%にあることが好ましい。
【0019】Mn:0.45〜1.20%、好ましく
は、Moが0.65〜2.0%の場合は0.65〜1.
10%、Moが1.5〜2.5%の場合は0.45〜0.
65%脱酸剤、脱硫剤としてのはたらきのほか、焼入れ
性の向上に寄与する。 一方、多量の存在は熱間加工性
や被削性を低下させる。 上限は1.20%であるが、
0.65%以下の含有量が好ましい。
は、Moが0.65〜2.0%の場合は0.65〜1.
10%、Moが1.5〜2.5%の場合は0.45〜0.
65%脱酸剤、脱硫剤としてのはたらきのほか、焼入れ
性の向上に寄与する。 一方、多量の存在は熱間加工性
や被削性を低下させる。 上限は1.20%であるが、
0.65%以下の含有量が好ましい。
【0020】Cr:3.8〜4.2%、好ましくは3.
9〜4.1% 焼入れ性を高めることにより靱性を確保するのに必要で
ある。 しかし、疲労強度の点からは、抑えた量が好ま
しい。 そこで本発明では、Crもまた上記の限られた
添加量をえらんだ。
9〜4.1% 焼入れ性を高めることにより靱性を確保するのに必要で
ある。 しかし、疲労強度の点からは、抑えた量が好ま
しい。 そこで本発明では、Crもまた上記の限られた
添加量をえらんだ。
【0021】Mo:0.65〜2.00%、とくに0.
65〜2.00%または1.50〜2.50% 焼入れ性、硬さとくに焼戻し後の硬さを向上させるが、
多量の含有は靭性および被削性を低下させる。 一方、
低サイクル疲労特性に関して、Moはむしろ有害である
ことがわかった。 工具に対する要求がとくに強度およ
び耐摩耗性である場合には、SKD61のMo量(1.
00〜1.50%)よりも高いMo含有量の領域1.5
0〜2.50%を採用する。 耐衝撃性がより重要であ
る場合には、SKD61のMo量を含めてそれより低い
量まで包含する0.65〜2.00%の領域からえら
ぶ。 耐摩耗性と耐衝撃性のバランスは、1.50%内
外において最もよく得られる。
65〜2.00%または1.50〜2.50% 焼入れ性、硬さとくに焼戻し後の硬さを向上させるが、
多量の含有は靭性および被削性を低下させる。 一方、
低サイクル疲労特性に関して、Moはむしろ有害である
ことがわかった。 工具に対する要求がとくに強度およ
び耐摩耗性である場合には、SKD61のMo量(1.
00〜1.50%)よりも高いMo含有量の領域1.5
0〜2.50%を採用する。 耐衝撃性がより重要であ
る場合には、SKD61のMo量を含めてそれより低い
量まで包含する0.65〜2.00%の領域からえら
ぶ。 耐摩耗性と耐衝撃性のバランスは、1.50%内
外において最もよく得られる。
【0022】V:0.3〜0.6%、好ましくは0.3
〜0.4% 硬度とくに焼戻し後の硬さを向上させるのに有用であ
り、他方、過大な添加は靭性、被削性を低くする上、疲
労強度にとっても好ましくない。 本発明は、Vに関し
ても上記の狭い組成範囲を選択した。
〜0.4% 硬度とくに焼戻し後の硬さを向上させるのに有用であ
り、他方、過大な添加は靭性、被削性を低くする上、疲
労強度にとっても好ましくない。 本発明は、Vに関し
ても上記の狭い組成範囲を選択した。
【0023】Ni:1.0%以下 焼入れ性を向上させ、強度と耐衝撃性を高める元素なの
で、所望により添加する。 多量に加えると焼なましを
困難にし金型への加工に不利益になるので、1.0%を
上限として設けた。
で、所望により添加する。 多量に加えると焼なましを
困難にし金型への加工に不利益になるので、1.0%を
上限として設けた。
【0024】P:0.030%以下、S:0.030%
以下 Pは地疵を与え、疲労強度を低くする。 Sは被削性を
高めるので加工時には有用であるが、介在物は疲労破壊
の起点となるとともに靭性を低くする。低サイクル疲労
強度の向上と靭性確保の観点から、PおよびSの含有量
はそれぞれ上記の限界内にすることが好ましい。
以下 Pは地疵を与え、疲労強度を低くする。 Sは被削性を
高めるので加工時には有用であるが、介在物は疲労破壊
の起点となるとともに靭性を低くする。低サイクル疲労
強度の向上と靭性確保の観点から、PおよびSの含有量
はそれぞれ上記の限界内にすることが好ましい。
【0025】
【実施例1】表1に記載の合金組成(残部Fe)をもつ
熱間工具鋼を真空高周波誘導炉で溶製し、インゴットを
1200℃で鍛造して30mm角の棒材とした。
熱間工具鋼を真空高周波誘導炉で溶製し、インゴットを
1200℃で鍛造して30mm角の棒材とした。
【0026】 表1 実施例 比較例 No.1 No.2 (SKD61) C 0.29 0.30 0.36 Si 0.14 0.15 0.90 Mn 0.61 0.54 0.45 Cr 3.98 4.01 5.35 Mo 1.92 2.00 1.26 V 0.33 0.35 0.85 P 0.025 0.022 0.025 S 0.008 0.002 0.002 Ni 0.48 0.10 0.10 上記の棒材を球状化焼鈍して試験用の素材とし、つぎの
試験を行なった。
試験を行なった。
【0027】低サイクル疲労度:素材から粗加工によ
り、直径5mm×長さ40mmの平行部をもつ引張試験片型
の試験片を得、これを焼入れ焼戻し処理したのち仕上げ
加工して、最小荷重5kgf/mm2、最大荷重120〜16
0kgf/mm2、10Hz正弦波の片振り引張方式により繰り
返し応力を加えて、破断に至るまでの負荷回数を測定し
た。
り、直径5mm×長さ40mmの平行部をもつ引張試験片型
の試験片を得、これを焼入れ焼戻し処理したのち仕上げ
加工して、最小荷重5kgf/mm2、最大荷重120〜16
0kgf/mm2、10Hz正弦波の片振り引張方式により繰り
返し応力を加えて、破断に至るまでの負荷回数を測定し
た。
【0028】JIS3号シャルピー衝撃値:素材から粗
加工した試験片を焼入れ焼戻し処理したのち仕上げ加工
し、2mmUノッチつき衝撃値を測定した。
加工した試験片を焼入れ焼戻し処理したのち仕上げ加工
し、2mmUノッチつき衝撃値を測定した。
【0029】本発明の実施例であるNo.2鋼の、破断に
至る負荷回数と最大応力との関係を図1に示した。 焼
入れを本発明の方法に従って920℃で行なった場合
と、SKD61の焼入れ標準温度とされている1030
℃で焼入れしたものとを比較してある。
至る負荷回数と最大応力との関係を図1に示した。 焼
入れを本発明の方法に従って920℃で行なった場合
と、SKD61の焼入れ標準温度とされている1030
℃で焼入れしたものとを比較してある。
【0030】最大応力123kgf/mm2 の場合に関して、
HRC硬さと破断までの負荷回数との関係をグラフにす
ると、図2のようになる。 図2には、比較のためSK
D61のデータ(1030℃焼入れ−真空炉焼戻し)を
示した。
HRC硬さと破断までの負荷回数との関係をグラフにす
ると、図2のようになる。 図2には、比較のためSK
D61のデータ(1030℃焼入れ−真空炉焼戻し)を
示した。
【0031】図1および図2のデータから、本発明の合
金は好適な熱処理を施すことにより、在来のSKD61
より高い疲労特性を示すことがわかる。
金は好適な熱処理を施すことにより、在来のSKD61
より高い疲労特性を示すことがわかる。
【0032】シャルピー衝撃値のデータは、図3に示す
とおりである。 本発明の熱間工具鋼は、SKD61よ
り高いHRC硬さの領域においても高い靭性を確保して
いることが図3からわかる。
とおりである。 本発明の熱間工具鋼は、SKD61よ
り高いHRC硬さの領域においても高い靭性を確保して
いることが図3からわかる。
【0033】本発明の熱間工具鋼を用いて鍛造金型を製
造するときの、焼入れ焼戻し熱処理の好適条件を決定す
るため、No.1鋼について880℃、920℃、970
℃および1000℃の焼入れ温度と、580℃および6
20℃の焼戻し温度とを組み合わせて試料をつくり、そ
のHRC硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値とを
測定した。 結果を表2に示す。
造するときの、焼入れ焼戻し熱処理の好適条件を決定す
るため、No.1鋼について880℃、920℃、970
℃および1000℃の焼入れ温度と、580℃および6
20℃の焼戻し温度とを組み合わせて試料をつくり、そ
のHRC硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値とを
測定した。 結果を表2に示す。
【0034】 表2 焼入れ温度 590℃焼戻し 620℃焼戻し (℃) HRC シャルピー HRC シャルピー 880 43.1 50 41.4 55 920 48.9 46 44.4 40 970 49.6 62 45.7 44 1000 49.5 33 46.2 25 表2のデータから、焼入れを、従来のSKD61に常用
されていた1030℃より低く1000℃に至らない温
度、とくに980℃以下であって900℃以上の温度で
行なうとよいこと、また焼戻しは比較的高温の、590
℃前後、範囲としては550〜630℃で行なうのが有
利であることがわかる。
されていた1030℃より低く1000℃に至らない温
度、とくに980℃以下であって900℃以上の温度で
行なうとよいこと、また焼戻しは比較的高温の、590
℃前後、範囲としては550〜630℃で行なうのが有
利であることがわかる。
【0035】
【実施例2】0.3C−0.13Si−0.9Mn−4.
0Cr−0.35V−Feに0.5%,1.0%,1.5
%または2.0%のMoを加えた合金組成の鋼を溶製し
た。得られたインゴットを、実施例1と同様に鋳造して
30mm角の棒材とし、球状化焼鈍した実施例1と同様
の、低サイクル疲労試験およびJIS3号シャルピー衝
撃試験用の試験片を用意した。
0Cr−0.35V−Feに0.5%,1.0%,1.5
%または2.0%のMoを加えた合金組成の鋼を溶製し
た。得られたインゴットを、実施例1と同様に鋳造して
30mm角の棒材とし、球状化焼鈍した実施例1と同様
の、低サイクル疲労試験およびJIS3号シャルピー衝
撃試験用の試験片を用意した。
【0036】シャルピー衝撃試験片は、920℃で焼入
れしたものを600℃で焼戻しをし、Moの含有量とH
RC硬さとの関係をまずしらべた。 その結果は図4の
とおりであって、この図から、熱間工具鋼にとって最低
限必要なHRC40を確保するためには、Moが0.6
5%以上存在すべきことがわかった。
れしたものを600℃で焼戻しをし、Moの含有量とH
RC硬さとの関係をまずしらべた。 その結果は図4の
とおりであって、この図から、熱間工具鋼にとって最低
限必要なHRC40を確保するためには、Moが0.6
5%以上存在すべきことがわかった。
【0037】低サイクル疲労試験をMoが1.0%,
1.5%および2.0%の合金について実施した。 H
RC40以上の領域における、HRC硬さと破断に至る
までの付加回数との関係を図2と同様のグラフにし、図
4を得た。
1.5%および2.0%の合金について実施した。 H
RC40以上の領域における、HRC硬さと破断に至る
までの付加回数との関係を図2と同様のグラフにし、図
4を得た。
【0038】HRC硬さと2mmUノッチつきシャルピ
ー衝撃値の関係は、図5に示すとおりである。 図3と
同様に、既存鋼SKD61にくらべ本発明の熱間工具鋼
がすぐれていることがわかる。
ー衝撃値の関係は、図5に示すとおりである。 図3と
同様に、既存鋼SKD61にくらべ本発明の熱間工具鋼
がすぐれていることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明の熱間工具鋼は、熱間鍛造金型材
料として常用されて来たSKD61より高い疲労特性と
くに低サイクル疲労特性を示し、しかも硬さと靭性の両
方がすぐれている。 この鋼は、適切な熱処理条件で焼
入れ焼戻しをすることにより、そうした特性が十分に発
揮される。
料として常用されて来たSKD61より高い疲労特性と
くに低サイクル疲労特性を示し、しかも硬さと靭性の両
方がすぐれている。 この鋼は、適切な熱処理条件で焼
入れ焼戻しをすることにより、そうした特性が十分に発
揮される。
【0040】従ってこの鋼を材料として製造した鍛造金
型は、とくに被鍛材の温度が300〜700℃の比較的
低い領域にあるもの、代表的にはアルミ材を鍛造する金
型として、耐久性の高い長寿命なものである。
型は、とくに被鍛材の温度が300〜700℃の比較的
低い領域にあるもの、代表的にはアルミ材を鍛造する金
型として、耐久性の高い長寿命なものである。
【図1】 本発明の実施例1のデータであって、破断に
至るまでの負荷回数と最大応力との関係を示すグラフ。
至るまでの負荷回数と最大応力との関係を示すグラフ。
【図2】 本発明の実施例1のデータであって、HRC
硬さと破断に至るまでの負荷回数との関係を、既知のS
KD61と比較して示したグラフ。
硬さと破断に至るまでの負荷回数との関係を、既知のS
KD61と比較して示したグラフ。
【図3】 本発明の実施例1のデータであって、HRC
硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値との関係を、
既知のSKD61と比較して示したグラフ。
硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値との関係を、
既知のSKD61と比較して示したグラフ。
【図4】 本発明の実施例2のデータであって、Mo含
有量とHRC硬さとの関係を示すグラフ。
有量とHRC硬さとの関係を示すグラフ。
【図5】 本発明の実施例2のデータであって、HRC
硬さと破断に至るまでの負荷回数との関係を、既知のS
KD61と比較して示した、図2と同様なグラフ。
硬さと破断に至るまでの負荷回数との関係を、既知のS
KD61と比較して示した、図2と同様なグラフ。
【図6】 本発明の実施例2のデータであって、HRC
硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値との関係を、
既知のSKD61と比較して示した、図3と同様なグラ
フ。
硬さと2mmUノッチつきシャルピー衝撃値との関係を、
既知のSKD61と比較して示した、図3と同様なグラ
フ。
Claims (6)
- 【請求項1】 C:0.28〜0.32%(重量%、以下
同じ)、Si:0.10〜0.30%、Mn:0.45〜
1.20%、Cr:3.8〜4.2%、Mo:0.65
〜2.50%およびV:0.3〜0.6%を含有し、残
部が実質上Feからなる合金組成を有する熱間工具鋼。 - 【請求項2】 C:0.28〜0.32%、Si:0.
13〜0.17%、Mn:0.45〜0.65%、C
r:3.9〜4.1%、Mo:1.5〜2.5%および
V:0.3〜0.4%を含有し、残部が実質上Feから
なる合金組成を有する熱間工具鋼。 - 【請求項3】 C:0.28〜0.32%(重量%、以下
同じ)、Si:0.13〜0.17%、Mn:0.65〜1.
0%、Cr:3.9〜4.1%、Mo:0.65〜2.0
0%およびV:0.3〜0.4%を含有し、残部が実質
上Feからなる合金組成を有する熱間工具鋼。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの合金成分に加
えてNi:1.0%以下を含有し、残部が実質上Feか
らなる合金組成を有する熱間工具鋼。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱
間工具鋼を金型に成形し、900〜980℃の温度から
焼入れ、550〜630℃において焼戻しする熱処理を
施すことからなる鍛造金型の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱
間工具鋼を成形し熱処理してなるアルミ材用鍛造金型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9511594A JPH07173572A (ja) | 1993-11-04 | 1994-05-09 | 熱間工具鋼およびそれを使用した鍛造金型 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27516493 | 1993-11-04 | ||
| JP5-275164 | 1993-11-04 | ||
| JP9511594A JPH07173572A (ja) | 1993-11-04 | 1994-05-09 | 熱間工具鋼およびそれを使用した鍛造金型 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07173572A true JPH07173572A (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=26436404
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9511594A Pending JPH07173572A (ja) | 1993-11-04 | 1994-05-09 | 熱間工具鋼およびそれを使用した鍛造金型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07173572A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011177767A (ja) * | 2010-03-03 | 2011-09-15 | Union Seimitsu:Kk | 圧造工具 |
-
1994
- 1994-05-09 JP JP9511594A patent/JPH07173572A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011177767A (ja) * | 2010-03-03 | 2011-09-15 | Union Seimitsu:Kk | 圧造工具 |
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