JPH07173673A - 電気錫めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
電気錫めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH07173673A JPH07173673A JP32075693A JP32075693A JPH07173673A JP H07173673 A JPH07173673 A JP H07173673A JP 32075693 A JP32075693 A JP 32075693A JP 32075693 A JP32075693 A JP 32075693A JP H07173673 A JPH07173673 A JP H07173673A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】鋼板を浸漬槽の中で超音波を照射しながら、あ
るいは超音波を照射せずにめっき液に浸漬する工程と、
この工程の後、前記浸漬槽と区分されためっき槽中で鋼
板に電気錫めっきを施す工程とを備えた電気錫めっき鋼
板の製造方法。 【効果】めっき槽を第1パス目から有効に使用でき、高
速操業時においても100%の電解効率を得ることがで
き、めっき付着量の高精度な制御が可能になる。また、
めっき付着量ムラが無いため、外観の良い、耐食性に優
れためっき鋼板を製造することができる。さらに、めっ
き液の劣化が抑制され、長期間安定した操業が可能にな
る。
るいは超音波を照射せずにめっき液に浸漬する工程と、
この工程の後、前記浸漬槽と区分されためっき槽中で鋼
板に電気錫めっきを施す工程とを備えた電気錫めっき鋼
板の製造方法。 【効果】めっき槽を第1パス目から有効に使用でき、高
速操業時においても100%の電解効率を得ることがで
き、めっき付着量の高精度な制御が可能になる。また、
めっき付着量ムラが無いため、外観の良い、耐食性に優
れためっき鋼板を製造することができる。さらに、めっ
き液の劣化が抑制され、長期間安定した操業が可能にな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板の連続電気錫めっ
き方法に関するものである。
き方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼板の電気錫めっきラインにお
いては、電気めっき前に、脱脂→水洗→酸洗→水洗→
(電気めっき)の順に前処理が行われる。したがって、
電気めっき槽に入る鋼板の表面には、金属の水酸化被膜
が生成するとともに水洗水が付着している。これらの付
着生成物は、電気めっきに対して次のような悪影響を与
えることが知られている。 1.めっき外観の不良 2.めっき付着量ムラ、または局部的な不めっき部の生
成 しかし、これらの付着生成物は、電気めっき槽へ鋼板を
送入した際に短時間のうちに除去され、しかもこの時間
が鋼板の電気めっき槽における滞留時間に比し十分小さ
かったので、これまで問題となることは少なかった。
いては、電気めっき前に、脱脂→水洗→酸洗→水洗→
(電気めっき)の順に前処理が行われる。したがって、
電気めっき槽に入る鋼板の表面には、金属の水酸化被膜
が生成するとともに水洗水が付着している。これらの付
着生成物は、電気めっきに対して次のような悪影響を与
えることが知られている。 1.めっき外観の不良 2.めっき付着量ムラ、または局部的な不めっき部の生
成 しかし、これらの付着生成物は、電気めっき槽へ鋼板を
送入した際に短時間のうちに除去され、しかもこの時間
が鋼板の電気めっき槽における滞留時間に比し十分小さ
かったので、これまで問題となることは少なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年材料の
コストダウンや製造プロセスの効率化に対する要求の高
まりに伴い、めっきラインの高速化や薄めっき化が検討
されるようになり、この付着生成物による影響が無視で
きなくなっている。
コストダウンや製造プロセスの効率化に対する要求の高
まりに伴い、めっきラインの高速化や薄めっき化が検討
されるようになり、この付着生成物による影響が無視で
きなくなっている。
【0004】本発明者らは、電気錫めっきラインにおけ
るめっきセクションの短縮化及びライン速度アップのた
めに、竪型めっき槽、ラジアル型、水平型の各電解セル
について種々の検討を行った。その結果、竪型めっき槽
の最初のダウンパスやラジアル型セル、水平型セルのよ
うに、鋼板がめっき液に浸漬した直後からめっきが開始
されるめっき槽の場合、以下のような問題が生ずること
がわかった。 1.ライン速度の上昇に伴い、最初の電解パスにおける
電解効率が低下する。 2.この電解効率の低下は、不規則であり、めっき付着
量の制御が困難である。 3.薄めっき材で、電解距離を短縮した場合、めっき付
着量ムラによる外観不良や不めっき部に起因する耐食性
の低下を生ずる。
るめっきセクションの短縮化及びライン速度アップのた
めに、竪型めっき槽、ラジアル型、水平型の各電解セル
について種々の検討を行った。その結果、竪型めっき槽
の最初のダウンパスやラジアル型セル、水平型セルのよ
うに、鋼板がめっき液に浸漬した直後からめっきが開始
されるめっき槽の場合、以下のような問題が生ずること
がわかった。 1.ライン速度の上昇に伴い、最初の電解パスにおける
電解効率が低下する。 2.この電解効率の低下は、不規則であり、めっき付着
量の制御が困難である。 3.薄めっき材で、電解距離を短縮した場合、めっき付
着量ムラによる外観不良や不めっき部に起因する耐食性
の低下を生ずる。
【0005】これらの問題の主たる原因は鋼板表面の付
着生成物であるから、電気めっき槽において、この付着
生成物の除去を行うための十分な区間を確保するという
目的で、例えば、錫付着量が2.8g/m2 で、ライン
速度200〜600m/分で操業される#25ぶりきの
竪型セルによる製造ラインにおいて、最初の電気めっき
槽のダウンパスでは電解を行わず、アップパスから電解
を開始するという試みが行われている。しかし、この場
合、電解を行わないダウンパス部は、単にめっき液貯槽
として機能しているのみで、本来の電気めっき槽として
の機能を果たしておらず、めっきセクションの短縮化に
逆行するものである。更に、ライン速度を高速化し、さ
らにめっきセクションを短縮化してめっき液の使用量を
減らした場合、前処理工程で鋼板に付着した液によりめ
っき液が急速に劣化する。
着生成物であるから、電気めっき槽において、この付着
生成物の除去を行うための十分な区間を確保するという
目的で、例えば、錫付着量が2.8g/m2 で、ライン
速度200〜600m/分で操業される#25ぶりきの
竪型セルによる製造ラインにおいて、最初の電気めっき
槽のダウンパスでは電解を行わず、アップパスから電解
を開始するという試みが行われている。しかし、この場
合、電解を行わないダウンパス部は、単にめっき液貯槽
として機能しているのみで、本来の電気めっき槽として
の機能を果たしておらず、めっきセクションの短縮化に
逆行するものである。更に、ライン速度を高速化し、さ
らにめっきセクションを短縮化してめっき液の使用量を
減らした場合、前処理工程で鋼板に付着した液によりめ
っき液が急速に劣化する。
【0006】本発明は、めっきセクションを短縮化し、
ライン速度を大きくしても、上述したような問題が生じ
ず、しかもめっき付着量制御が容易であり、耐食性およ
び外観の優れた錫めっき鋼板を製造することのできる電
気錫めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。
ライン速度を大きくしても、上述したような問題が生じ
ず、しかもめっき付着量制御が容易であり、耐食性およ
び外観の優れた錫めっき鋼板を製造することのできる電
気錫めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板を浸漬槽
の中でめっき液に浸漬する工程と、この工程の後、鋼板
に前記浸漬槽と区分されためっき槽の中で電気錫めっき
を施す工程とを備えたことを特徴とする電気錫めっき鋼
板の製造方法である。
の中でめっき液に浸漬する工程と、この工程の後、鋼板
に前記浸漬槽と区分されためっき槽の中で電気錫めっき
を施す工程とを備えたことを特徴とする電気錫めっき鋼
板の製造方法である。
【0008】本発明において、鋼板を浸漬するめっき液
は、鋼板に電気錫めっきを施す際に使用されるめっき
液、このめっき液に類似する組成の液、更にめっき液に
含有されるフェノ−ルスルホン酸、メタンスルホン酸等
の有機酸液を含む。
は、鋼板に電気錫めっきを施す際に使用されるめっき
液、このめっき液に類似する組成の液、更にめっき液に
含有されるフェノ−ルスルホン酸、メタンスルホン酸等
の有機酸液を含む。
【0009】本発明は、ライン速度が100m/分以上
である電気めっきラインにおいて有効であり、300m
/分以上の高速電気めっきラインにおいて特に有効であ
る。浸漬する時間は、ライン速度にかかわらず、0.6
秒〜15秒間が適当である。電解効率の低下を防止する
だけであれば、0.2秒間とれば十分であるが、めっき
ムラや不めっき部の生成を防止するためには、0.6秒
以上の浸漬時間が必要である。また、浸漬時間を15秒
間以上としても、本発明の方法による効果を得る上で何
ら問題は無いが、槽の大きさが必要以上に大となり無益
である。
である電気めっきラインにおいて有効であり、300m
/分以上の高速電気めっきラインにおいて特に有効であ
る。浸漬する時間は、ライン速度にかかわらず、0.6
秒〜15秒間が適当である。電解効率の低下を防止する
だけであれば、0.2秒間とれば十分であるが、めっき
ムラや不めっき部の生成を防止するためには、0.6秒
以上の浸漬時間が必要である。また、浸漬時間を15秒
間以上としても、本発明の方法による効果を得る上で何
ら問題は無いが、槽の大きさが必要以上に大となり無益
である。
【0010】また、本発明は、上記電気錫めっき鋼板の
製造方法において、鋼板をめっき液に浸漬する工程が、
超音波を照射しながら行う工程であることを特徴とする
電気錫めっき鋼板の製造方法である。鋼板の浸漬を超音
波照射下で行うことにより、必要な浸漬時間を超音波を
照射しない場合の1/2から1/10に短縮することが
できる。照射する超音波の周波数として特に適当なの
は、1〜50kHzの範囲である。超音波の周波数が1
kHz未満の場合、十分な効果を得るためには、超音波
を照射しない場合と同程度の浸漬時間が必要になる。ま
た、超音波の周波数が50kHzを超えると、超音波照
射の際のインピ−ダンスが高くなり、必要な超音波強度
を確保することが困難になる。この範囲の周波数の超音
波を照射することにより、必要な浸漬時間を超音波を照
射しない場合の1/5から1/10と大幅に短縮するこ
とができる。
製造方法において、鋼板をめっき液に浸漬する工程が、
超音波を照射しながら行う工程であることを特徴とする
電気錫めっき鋼板の製造方法である。鋼板の浸漬を超音
波照射下で行うことにより、必要な浸漬時間を超音波を
照射しない場合の1/2から1/10に短縮することが
できる。照射する超音波の周波数として特に適当なの
は、1〜50kHzの範囲である。超音波の周波数が1
kHz未満の場合、十分な効果を得るためには、超音波
を照射しない場合と同程度の浸漬時間が必要になる。ま
た、超音波の周波数が50kHzを超えると、超音波照
射の際のインピ−ダンスが高くなり、必要な超音波強度
を確保することが困難になる。この範囲の周波数の超音
波を照射することにより、必要な浸漬時間を超音波を照
射しない場合の1/5から1/10と大幅に短縮するこ
とができる。
【0011】
【作用】めっき槽の直前にめっき槽とは区分されためっ
き液を入れた槽を設置し、鋼板をこの槽中でめっき液に
浸漬させることにより、鋼板に付着した付着生成物を除
去することができ、前述したようなこの付着生成物に起
因する問題が解消される。その結果、ライン速度を大き
くした場合にも、良好な電解効率が得られるとともに、
めっき付着量制御が容易になり、耐食性および外観の優
れた電気錫めっき鋼板を効率良く製造することができる
ものである。
き液を入れた槽を設置し、鋼板をこの槽中でめっき液に
浸漬させることにより、鋼板に付着した付着生成物を除
去することができ、前述したようなこの付着生成物に起
因する問題が解消される。その結果、ライン速度を大き
くした場合にも、良好な電解効率が得られるとともに、
めっき付着量制御が容易になり、耐食性および外観の優
れた電気錫めっき鋼板を効率良く製造することができる
ものである。
【0012】さらに、鋼板をめっき液に浸漬する際に、
超音波を照射することにより、鋼板に付着した付着生成
物の除去が迅速かつ効率的に行われ、浸漬時間を大幅に
短縮することができる。
超音波を照射することにより、鋼板に付着した付着生成
物の除去が迅速かつ効率的に行われ、浸漬時間を大幅に
短縮することができる。
【0013】また、本発明の方法によれば、鋼板を浸漬
する槽とめっき槽とは区分されており、付着生成物の混
入によるめっき液の劣化がほとんどなく、めっき液の組
成を長時間安定、維持することができる。
する槽とめっき槽とは区分されており、付着生成物の混
入によるめっき液の劣化がほとんどなく、めっき液の組
成を長時間安定、維持することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明を実施した電気めっきラインの構成を示す
模式側面図である。この電気めっきラインは、脱脂槽
1、水洗槽2、酸洗槽3、水洗槽4、浸漬槽5、めっき
槽6を順に配置し、各槽の底部にシンクロ−ル12を、
出口部に絞りロ−ル7を、更に脱脂槽1、酸洗槽3、め
っき槽6の各槽の入り口部及び出口部にコンダクタ−ロ
−ル10を配置し、鋼板9が各槽内を順に蛇行して走行
するようになっている。水洗槽2、4内には、スプレ−
8がそれぞれ設置されている。浸漬槽5の底部外面に
は、超音波発信子13が取り付けられている。また、脱
脂槽1、酸洗槽3、めっき槽6の各槽内には、陽極11
が鋼板9の走行方向に沿って配置されている。
1は、本発明を実施した電気めっきラインの構成を示す
模式側面図である。この電気めっきラインは、脱脂槽
1、水洗槽2、酸洗槽3、水洗槽4、浸漬槽5、めっき
槽6を順に配置し、各槽の底部にシンクロ−ル12を、
出口部に絞りロ−ル7を、更に脱脂槽1、酸洗槽3、め
っき槽6の各槽の入り口部及び出口部にコンダクタ−ロ
−ル10を配置し、鋼板9が各槽内を順に蛇行して走行
するようになっている。水洗槽2、4内には、スプレ−
8がそれぞれ設置されている。浸漬槽5の底部外面に
は、超音波発信子13が取り付けられている。また、脱
脂槽1、酸洗槽3、めっき槽6の各槽内には、陽極11
が鋼板9の走行方向に沿って配置されている。
【0015】鋼板は、まず脱脂槽1において電解脱脂処
理される。次ぎに、水洗槽2で水洗後、酸洗槽3に送ら
れ、酸洗処理される。続いて、水洗槽4で水洗後、浸漬
槽5に送られ、ここでめっき液に浸漬されることによ
り、それまでの処理によって鋼板の表面に生成、付着し
た付着生成物が除去される。この際、浸漬槽底部外面に
設置した超音波発信子13を用いて鋼板に超音波を照射
することにより、付着生成物の除去をいっそう迅速かつ
効果的に行うことができる。なお、超音波発信子の取り
付け位置は、浸漬槽底部外面に限定されず、鋼板に効果
的に超音波を照射できる位置ならば、浸漬槽の内面、外
面、上部、底部等いずれの位置でも良く、また複数の位
置に設置しても良い。浸漬処理された鋼板は、続いてめ
っき槽6に送られ、ここで所定量の錫を電気めっきされ
た後、必要な後処理工程を経て製品となる。
理される。次ぎに、水洗槽2で水洗後、酸洗槽3に送ら
れ、酸洗処理される。続いて、水洗槽4で水洗後、浸漬
槽5に送られ、ここでめっき液に浸漬されることによ
り、それまでの処理によって鋼板の表面に生成、付着し
た付着生成物が除去される。この際、浸漬槽底部外面に
設置した超音波発信子13を用いて鋼板に超音波を照射
することにより、付着生成物の除去をいっそう迅速かつ
効果的に行うことができる。なお、超音波発信子の取り
付け位置は、浸漬槽底部外面に限定されず、鋼板に効果
的に超音波を照射できる位置ならば、浸漬槽の内面、外
面、上部、底部等いずれの位置でも良く、また複数の位
置に設置しても良い。浸漬処理された鋼板は、続いてめ
っき槽6に送られ、ここで所定量の錫を電気めっきされ
た後、必要な後処理工程を経て製品となる。
【0016】また、本発明は、図1に示したようなめっ
き槽が竪型である電気めっきラインだけでなく、めっき
槽においてめっき前浸漬部分の確保が困難なラジアルセ
ル型や水平セル型のめっき槽を有する電気めっきライン
において特に有効である。めっき槽が、ラジアルセル型
である電気めっきラインと水平対向噴流セル型である電
気めっきラインに、本発明の方法を適用した場合の模式
側面図を各々図2、図3に示す。図2において、6’は
ラジアルセル型めっき槽を表し、図3において、6”は
水平対向噴流セル型めっき槽を、14は噴流ノズルを、
15は溶液止めを表している。なお、図2および図3に
おいて、図1と同一の構成については同一の符号を付
し、その説明を省略する。
き槽が竪型である電気めっきラインだけでなく、めっき
槽においてめっき前浸漬部分の確保が困難なラジアルセ
ル型や水平セル型のめっき槽を有する電気めっきライン
において特に有効である。めっき槽が、ラジアルセル型
である電気めっきラインと水平対向噴流セル型である電
気めっきラインに、本発明の方法を適用した場合の模式
側面図を各々図2、図3に示す。図2において、6’は
ラジアルセル型めっき槽を表し、図3において、6”は
水平対向噴流セル型めっき槽を、14は噴流ノズルを、
15は溶液止めを表している。なお、図2および図3に
おいて、図1と同一の構成については同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0017】次ぎに、図1に示したような構成のラボス
ケ−ルめっきラインを用いた本発明の実験例を説明す
る。鋼板(100mm幅×0.2mm厚)に対し、脱脂
→ロ−ル絞り→水洗→ロ−ル絞り→酸洗→ロ−ル絞り→
水洗→ロ−ル絞り の処理を施し、続いて、めっき液を
入れた浸漬槽で浸漬処理後、めっき槽で連続電気錫めっ
きを実施した。なお、本実験例では、鋼板の浸漬時間の
調節は、ライン速度に応じて、浸漬槽のめっき液の深さ
を変える方法により、または浸漬槽底部に設置したシン
クロ−ルを2本にし、この間隔を変える方法により、あ
るいはこれらを併用することにより行った。
ケ−ルめっきラインを用いた本発明の実験例を説明す
る。鋼板(100mm幅×0.2mm厚)に対し、脱脂
→ロ−ル絞り→水洗→ロ−ル絞り→酸洗→ロ−ル絞り→
水洗→ロ−ル絞り の処理を施し、続いて、めっき液を
入れた浸漬槽で浸漬処理後、めっき槽で連続電気錫めっ
きを実施した。なお、本実験例では、鋼板の浸漬時間の
調節は、ライン速度に応じて、浸漬槽のめっき液の深さ
を変える方法により、または浸漬槽底部に設置したシン
クロ−ルを2本にし、この間隔を変える方法により、あ
るいはこれらを併用することにより行った。
【0018】本実験例において使用した超音波発信子
は、ボルト締めのランジュバン型発信子で、超音波を照
射する場合は、1200Wのドライバで駆動して行っ
た。また、めっき槽の陽極には、電極長さ0.5mの不
溶性電極を使用し、鋼板がめっき槽中のめっき液に浸漬
した直後から、電気めっきが開始される位置に配置し
た。
は、ボルト締めのランジュバン型発信子で、超音波を照
射する場合は、1200Wのドライバで駆動して行っ
た。また、めっき槽の陽極には、電極長さ0.5mの不
溶性電極を使用し、鋼板がめっき槽中のめっき液に浸漬
した直後から、電気めっきが開始される位置に配置し
た。
【0019】電気錫めっきの条件は、次の通りである。 めっき液:フェロスタン 温度 :45℃ 電解電流密度:30A/dm2 超音波を照射せずに、ライン速度を12〜210m/分
の範囲で、鋼板の浸漬槽における浸漬時間を0.6〜1
5秒の範囲で変化させてめっきを行い、めっき後の鋼板
の、電解効率、鋼板表面のめっき付着量ムラ、めっき浴
の劣化について調べた結果を表1の実施例1〜実施例4
に示す。各項目の評価方法は、次のようにした。電解効
率は、98%以上を○、98%未満を×、鋼板表面のめ
っき付着量ムラは、めっき面に不めっき部が観察されな
かった場合は○、観察された場合は×、めっき浴の劣化
は、10分間連続電解を実施し、めっき槽のめっき液上
層部のpH値が0.1以上上昇した場合を×、0.1以
上上昇しなかった場合を○とした。
の範囲で、鋼板の浸漬槽における浸漬時間を0.6〜1
5秒の範囲で変化させてめっきを行い、めっき後の鋼板
の、電解効率、鋼板表面のめっき付着量ムラ、めっき浴
の劣化について調べた結果を表1の実施例1〜実施例4
に示す。各項目の評価方法は、次のようにした。電解効
率は、98%以上を○、98%未満を×、鋼板表面のめ
っき付着量ムラは、めっき面に不めっき部が観察されな
かった場合は○、観察された場合は×、めっき浴の劣化
は、10分間連続電解を実施し、めっき槽のめっき液上
層部のpH値が0.1以上上昇した場合を×、0.1以
上上昇しなかった場合を○とした。
【0020】なお、表1中の所要浸漬長さS(cm)と
安定化時間T(秒)は、ライン速度L(m/分)と電解
効率C(%)の測定値から、次式を用いて計算される値
で、各々最初の電解パスにおいて、鋼板表面の付着生成
物のために有効に機能しなかった電極部分の長さとその
部分を鋼板が通過するのに要した時間を表す。
安定化時間T(秒)は、ライン速度L(m/分)と電解
効率C(%)の測定値から、次式を用いて計算される値
で、各々最初の電解パスにおいて、鋼板表面の付着生成
物のために有効に機能しなかった電極部分の長さとその
部分を鋼板が通過するのに要した時間を表す。
【0021】 S=50cm(電極長さ)×(1−C/100) T=0.5m(電極長さ)×(1−C/100)/L×
60 これらの結果より、電解効率が良好で、めっき付着量ム
ラの無い、外観、耐食性の優れた鋼板を得るためには、
めっき前の浸漬時間を0.6秒以上とればよいことがわ
かる。また、いずれの例においても、浸漬槽をめっき槽
とは独立に設置してあるため、めっき浴の劣化はみられ
なかった。
60 これらの結果より、電解効率が良好で、めっき付着量ム
ラの無い、外観、耐食性の優れた鋼板を得るためには、
めっき前の浸漬時間を0.6秒以上とればよいことがわ
かる。また、いずれの例においても、浸漬槽をめっき槽
とは独立に設置してあるため、めっき浴の劣化はみられ
なかった。
【0022】次に、ライン速度を210m/分とし、浸
漬槽において超音波を照射しながら、鋼板の浸漬時間を
0.06秒〜0.4秒の範囲で変化させてめっきを行
い、めっき後の鋼板の、電解効率、鋼板表面のめっき付
着量ムラ、めっき浴の劣化について調べた結果を表1の
実施例5〜実施例10に示す。実施例3と実施例7とを
比較すると、20kHzの超音波を照射した場合、必要
な浸漬時間が超音波を照射しない場合の1/10でよい
ことがわかる。このように、鋼板のめっき液への浸漬を
超音波照射下で行うことにより、良好な電解効率とめっ
き付着量ムラの無い、外観、耐食性の優れた鋼板を得る
ために必要なめっき前浸漬時間を大幅に短縮できること
がわかる。また、実施例5〜実施例10においても、め
っき浴の劣化は、認められなかった。
漬槽において超音波を照射しながら、鋼板の浸漬時間を
0.06秒〜0.4秒の範囲で変化させてめっきを行
い、めっき後の鋼板の、電解効率、鋼板表面のめっき付
着量ムラ、めっき浴の劣化について調べた結果を表1の
実施例5〜実施例10に示す。実施例3と実施例7とを
比較すると、20kHzの超音波を照射した場合、必要
な浸漬時間が超音波を照射しない場合の1/10でよい
ことがわかる。このように、鋼板のめっき液への浸漬を
超音波照射下で行うことにより、良好な電解効率とめっ
き付着量ムラの無い、外観、耐食性の優れた鋼板を得る
ために必要なめっき前浸漬時間を大幅に短縮できること
がわかる。また、実施例5〜実施例10においても、め
っき浴の劣化は、認められなかった。
【0023】比較例1〜比較例10 次に、本発明の実施効果を比較試験結果をもって明らか
にする。実施例1〜実施例10の試験で使用した電気め
っきラインにおける浸漬槽を使用せず、図4に示すよう
に、酸洗槽3の後の水洗槽4を出た鋼板が、めっき液へ
の浸漬処理を経ずに直接めっき槽6に送入されるように
した電気めっきラインを使用し、ライン速度を12〜2
10m/分の範囲で変化させてめっきを行い、めっき後
の鋼板の、電解効率、鋼板表面のめっき付着量ムラ、め
っき浴の劣化について調べた結果を表2の比較例1〜比
較例6に示す。表中の各項目の測定方法および評価方法
は、表1と同様である。また、図4において図1と同一
の符号は、同一の構成を示す。
にする。実施例1〜実施例10の試験で使用した電気め
っきラインにおける浸漬槽を使用せず、図4に示すよう
に、酸洗槽3の後の水洗槽4を出た鋼板が、めっき液へ
の浸漬処理を経ずに直接めっき槽6に送入されるように
した電気めっきラインを使用し、ライン速度を12〜2
10m/分の範囲で変化させてめっきを行い、めっき後
の鋼板の、電解効率、鋼板表面のめっき付着量ムラ、め
っき浴の劣化について調べた結果を表2の比較例1〜比
較例6に示す。表中の各項目の測定方法および評価方法
は、表1と同様である。また、図4において図1と同一
の符号は、同一の構成を示す。
【0024】いずれの例においても、電解効率が悪く、
めっき付着量ムラおよびめっき浴の劣化が認められた。
また、安定化時間は、ライン速度の増加に伴い減少し、
60m/分以上では約0.1秒と一定の値を示した。こ
のことは、100%の電解効率を得るためには、めっき
前に約0.1秒間のめっき液浸漬時間が必要であること
を示している。
めっき付着量ムラおよびめっき浴の劣化が認められた。
また、安定化時間は、ライン速度の増加に伴い減少し、
60m/分以上では約0.1秒と一定の値を示した。こ
のことは、100%の電解効率を得るためには、めっき
前に約0.1秒間のめっき液浸漬時間が必要であること
を示している。
【0025】表2中の比較例7〜比較例10は、比較例
1〜比較例6の試験で使用した電気めっきラインにおけ
るめっき槽の第1パス目では電極に通電せず、第2パス
目で通電、めっきを行ったときの結果である。めっき槽
の第1パス目に、本発明の方法におけるめっき前浸漬槽
の機能を行わせたことにより、いずれの例においても良
好な電解効率が得られ、めっき付着量ムラも認められな
かった。しかし、浸漬槽とめっき槽とが区分されていな
いために、いずれの例においてもめっき浴の劣化が認め
られた。
1〜比較例6の試験で使用した電気めっきラインにおけ
るめっき槽の第1パス目では電極に通電せず、第2パス
目で通電、めっきを行ったときの結果である。めっき槽
の第1パス目に、本発明の方法におけるめっき前浸漬槽
の機能を行わせたことにより、いずれの例においても良
好な電解効率が得られ、めっき付着量ムラも認められな
かった。しかし、浸漬槽とめっき槽とが区分されていな
いために、いずれの例においてもめっき浴の劣化が認め
られた。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、めっき槽の直前
にめっき槽と区分された、鋼板をめっき液に浸漬する槽
を設けることにより(例えばライン速度が600m/分
の場合、浸漬時間を0.6秒として、浸漬長さ6mのめ
っき前浸漬槽を設置する)、めっき槽を第1パス目から
有効に使用でき、高速操業時においても100%の電解
効率を得ることができ、めっき付着量の高精度な制御が
可能になる。また、めっき付着量ムラが無いため、外観
の良い、耐食性に優れためっき鋼板を製造することがで
きる。さらに、めっき液の劣化が抑制され、長期間安定
した操業が可能になる。本発明の方法は、鋼板のめっき
液への浸漬を超音波照射下で行うことにより、いっそう
効果的となり、めっき前浸漬槽の長さを大幅に短縮する
ことができる。
にめっき槽と区分された、鋼板をめっき液に浸漬する槽
を設けることにより(例えばライン速度が600m/分
の場合、浸漬時間を0.6秒として、浸漬長さ6mのめ
っき前浸漬槽を設置する)、めっき槽を第1パス目から
有効に使用でき、高速操業時においても100%の電解
効率を得ることができ、めっき付着量の高精度な制御が
可能になる。また、めっき付着量ムラが無いため、外観
の良い、耐食性に優れためっき鋼板を製造することがで
きる。さらに、めっき液の劣化が抑制され、長期間安定
した操業が可能になる。本発明の方法は、鋼板のめっき
液への浸漬を超音波照射下で行うことにより、いっそう
効果的となり、めっき前浸漬槽の長さを大幅に短縮する
ことができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【図1】本発明に係わる電気錫めっきラインを説明する
模式側面図。
模式側面図。
【図2】本発明に係わる電気錫めっきラインで、めっき
槽がラジアルセル型であるものを説明する模式側面図。
槽がラジアルセル型であるものを説明する模式側面図。
【図3】本発明に係わる電気錫めっきラインで、めっき
槽が水平対向噴流セル型であるものを説明する模式側面
図。
槽が水平対向噴流セル型であるものを説明する模式側面
図。
【図4】従来の方法に係わる電気錫めっきラインを説明
する模式側面図。
する模式側面図。
1:脱脂槽、2:水洗槽、3:酸洗槽、4:水洗槽、
5:浸漬槽、6:めっき槽、9:鋼帯、11:陽極、1
3:超音波発信子。
5:浸漬槽、6:めっき槽、9:鋼帯、11:陽極、1
3:超音波発信子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 啓 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板を浸漬槽の中でめっき液に浸漬する
工程と、この工程の後、鋼板に前記浸漬槽と区分された
めっき槽の中で電気錫めっきを施す工程とを備えたこと
を特徴とする電気錫めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記鋼板を浸漬槽に浸漬する工程が、超
音波を照射しながら行う工程であることを特徴とする請
求項1に記載の電気錫めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32075693A JPH07173673A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 電気錫めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32075693A JPH07173673A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 電気錫めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07173673A true JPH07173673A (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=18124923
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32075693A Pending JPH07173673A (ja) | 1993-12-21 | 1993-12-21 | 電気錫めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07173673A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20160109701A (ko) * | 2015-03-12 | 2016-09-21 | 엘에스엠트론 주식회사 | 도금조 및 이를 포함하는 도금 장치 |
-
1993
- 1993-12-21 JP JP32075693A patent/JPH07173673A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20160109701A (ko) * | 2015-03-12 | 2016-09-21 | 엘에스엠트론 주식회사 | 도금조 및 이를 포함하는 도금 장치 |
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