JPH07174042A - 車両の駆動トルク制御装置 - Google Patents

車両の駆動トルク制御装置

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JPH07174042A
JPH07174042A JP25989893A JP25989893A JPH07174042A JP H07174042 A JPH07174042 A JP H07174042A JP 25989893 A JP25989893 A JP 25989893A JP 25989893 A JP25989893 A JP 25989893A JP H07174042 A JPH07174042 A JP H07174042A
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JP
Japan
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torque
drive torque
drive
engine
vehicle
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Application number
JP25989893A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yamamoto
昌弘 山本
Mamoru Sawada
護 沢田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 推定駆動トルクと目標駆動トルクとのトルク
差を正確に求めて、適切な駆動トルク制御を行いえる車
両の駆動トルク制御装置を提供すること。 【構成】 S212では、エンジン回転数Ne,駆動輪
速度V1,スロットル開度θ,ギヤ位置rを用いて、推
定駆動トルクTE0を算出する。つまり、エンジン回転数
Neとスロットル開度θとの関係から、マップを用いて
推定駆動トルクTE0を算出する。続くS213にて、前
記S212にて算出された推定駆動トルクTE0は、スト
ールトルク比を乗ずることによって、実際に駆動輪に伝
達される推定実駆動トルクTE1に補正される。次にS2
14では、スリップ率を所定の範囲に納めるために、従
動輪及び駆動輪の車輪速度V1,V2,車輪加速度dV
1,dV2と推定ブレーキ圧力Pbとから目標駆動トルク
TE2を算出する。続くS216では、(1−TE2/TE
1)の値を駆動トルクの基本低減率として求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動トルク制御
装置に係り、例えば低摩擦係数路走行時や発進時や加速
時等において、駆動輪のスリップを防止することに適用
可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば駆動輪の加速スリップ
を防止するトラクション制御装置として、転動輪速度と
駆動輪速度とに基づいてスリップ率を算出し、このスリ
ップ率が所定値を越えた場合にはスリップが発生したと
判断して、スリップを防止するための制御を行う各種の
装置が知られている(例えば特開平1−125529号
公報等参照)。
【0003】この種の制御装置としては、例えばエンジ
ン回転数及びギヤ位置に基づいて、エンジンの駆動トル
クを推定し、この推定駆動トルクを目標とする駆動トル
クに追従させることによってスリップを防止するものが
ある。具体的には、推定駆動トルクが目標駆動トルクと
なる様に、推定駆動トルクをどの程度低減するかという
割合(低減率)を設定し、推定駆動トルクをこの低減率
に調節することによってスリップを防止する制御を行っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、現在の駆動
トルクを推定し、これを目標駆動トルクに近づける様に
制御する装置においては、実際にどの程度のエンジンの
駆動トルクが駆動輪に与えられているかを知ることが重
要である。しかながら、上述した従来の技術では、トル
クコンバータを介して駆動力を伝達する車両において
は、正確に駆動輪に与えられる駆動トルクを推定でき
ず、適切なトルク制御を行えないという問題があった。
【0005】つまり、従来は、例えば図2の破線に示す
特性に基づいて、車速(V)とギヤ位置とから、エンジ
ン出力に対応するエンジントルク(即ち駆動トルク)
(TE)を推定していたが、トルクコンバータを介して
駆動力を伝達する場合には、このトルクコンバータによ
って駆動トルクが変化するので、車速とギヤ位置から演
算される推定駆動トルクと実際に駆動輪に与えられる駆
動トルクとは異なったものになってしまう。尚、図2に
おいて、破線はロックアップクラッチの作動時(入力軸
と出力軸とが直結された状態)のトルク特性を示し、実
線はトルクコンバータのトルク伝達特性を加味した実際
のトルク特性を示す。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、トルクコンバータのストールトルク比を考慮す
ることによって、推定駆動トルクと目標駆動トルクとの
トルク差を正確に求めて、適切な駆動トルク制御を行い
える車両の駆動トルク制御装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、図1に例示する様に、エンジンの駆動トル
クをトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する車両に
適用される車両の駆動トルク制御装置であって、エンジ
ン回転数を検出する回転数検出手段と、スロットル開度
を検出する開度検出手段と、前記トルクコンバータのス
トールトルク比を算出する算出手段と、前記エンジン回
転数とスロットル開度とに基づいて、前記エンジンの駆
動トルクを推定する駆動トルク推定手段と、車両の走行
状態に基づいて、前記駆動輪における目標とする駆動ト
ルクを設定する目標駆動トルク設定手段と、前記推定駆
動トルクと目標駆動トルクとのトルク差を、前記ストー
ルトルク比を用いることによって、前記駆動輪もしくは
前記エンジンにおけるトルク差として演算するととも
に、このトルク差を減少するように前記エンジンの駆動
力調節要素を制御する制御手段と、を備えることを特徴
とする車両の駆動トルク制御装置を要旨とする。
【0008】請求項2の発明は、前記目標駆動トルク設
定手段が、前記駆動輪にスリップが発生したときに、少
なくともそのスリップの大きさに応じて駆動トルクを減
少するように目標駆動トルクを設定するものである請求
項1記載の車両の駆動トルク制御装置において、車両の
運転状態がエンストの恐れがある状態か否かを判定する
エンスト判定手段と、該エンスト判定手段によってエン
ストの恐れがあると判定された場合には、前記目標駆動
トルクによる駆動トルクの減少量を小さく補正する補正
手段と、を備えることを特徴とする車両の駆動トルク制
御装置を要旨とする。
【0009】請求項3の発明は、前記目標駆動トルク設
定手段が、前記駆動輪にスリップが発生したときに、少
なくともそのスリップの大きさに応じて駆動トルクを減
少するように目標駆動トルクを設定するものである請求
項1記載の車両の駆動トルク制御装置において、駆動輪
のブレーキ制動トルクを調節する制動トルク調節手段
と、前記制御手段による推定駆動トルクと目標駆動トル
クとのトルク差の減少制御において当該トルク差が解消
できない場合に、その解消できないトルク差を前記ブレ
ーキ制動トルクのオフセット量として補正制御する制動
トルク補正制御手段と、を備えることを特徴とする車両
の駆動トルク制御装置を要旨とする。
【0010】
【作用】請求項1の発明では、回転数検出手段によって
エンジン回転数を検出し、開度検出手段によってスロッ
トル開度を検出し、ストールトルク比算出手段によって
トルクコンバータのストールトルク比を算出する。ま
た、駆動トルク推定手段によって、エンジン回転数とス
ロットル開度とに基づいてエンジンの駆動トルクを推定
し、目標駆動トルク設定手段によって、車両の走行状態
に基づいて駆動輪における目標とする駆動トルクを設定
する。そして、制御手段によって、推定駆動トルクと目
標駆動トルクとのトルク差を、ストールトルク比を用い
ることによって、駆動輪もしくはエンジンにおけるトル
ク差として演算するとともに、このトルク差を減少する
ようにエンジンの駆動力調節要素を制御する。
【0011】つまり、本発明では、ストールトルク比を
用いることにより、推定駆動トルクと目標駆動トルクと
のトルク差を正確に演算することができるので、適切な
駆動トルク制御を行うことが可能となる。請求項2の発
明では、エンスト判定手段によって運転状態がエンスト
の恐れがある状態か否かを判定し、このエンスト判定手
段によってエンストの恐れがあると判定された場合に
は、補正手段によって、目標駆動トルクによる駆動トル
クの減少量を小さく補正する。
【0012】つまり、駆動トルクの低減を行うとエンス
トが発生し易くなるので、本発明では、例えば水温が低
い場合の様なエンストの発生し易い状態を検出し、この
状態である場合には、駆動トルクの低減を緩和してエン
ストの発生を防止する。請求項3の発明では、制御手段
による推定駆動トルクと目標駆動トルクとのトルク差の
減少制御において、当該トルク差が解消できない場合に
は、制動トルク補正制御手段によって、制動トルク調節
手段を駆動して、その解消できないトルク差をブレーキ
制動トルクのオフセット量として補正制御する。
【0013】つまり、ブレーキ制動トルクを調節するこ
とによって、トルク差を解消して、例えば適切なトラク
ション制御を行うことが可能となる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の駆動トルク制御装置をトラク
ション制御装置に適用した実施例を、図面と共に説明す
る。図3は本実施例のトラクション制御装置のシステム
構成を示す概略構成図であり、図4はその電気的構成を
示すブロック図である。
【0015】本実施例のトラクション制御装置は、加速
時におけるスリップの発生を防止する制御を行うもので
あり、そのため、燃料カット(燃料カット気筒数)の調
節及び点火時期の調節によってエンジンの駆動トルクを
制御(エンジン制御と称す)するとともに、ブレーキ油
圧の調節によってブレーキの制動力も制御(ブレーキ制
御と称す)して、駆動輪における駆動力を制御するもの
である。
【0016】図3に示す様に、このトラクション制御装
置が搭載される車両は、エンジン1の出力を、トルクコ
ンバータ3,トランスミッション5,プロペラシャフト
7及びディファレンシャル9を介して、駆動輪である後
車輪RR,RLに伝える構造の車両であり、更に、駆動
輪の制動を行うブレーキ11R,11L(11と総称す
る),燃料を噴射する燃料噴射弁13,燃料の点火を行
う点火装置15,スロットルバルブ29を駆動するアク
セルペダル27等を備えている。
【0017】前記トラクション制御装置は、図4に示す
様に、周知のCPU17a,ROM17b,RAM17
c,入出力インターフェース17d及びそれらを接続す
るバスライン17e等からなる電子制御装置(ECU)
17を備えており、上述した加速スリップ制御を行うと
ともに、燃料噴射制御,点火時期制御及びトランスミッ
ションの制御等を行う。尚、本実施例では各制御を行う
構成は便宜的に一つのECU17で示してあるが、例え
ば加速スリップ制御装置と燃料噴射制御装置とを別体の
ハード構成としてもよい。
【0018】前記入出力インターフェース17dには、
図3及び図4に示す様に、センサとして、転動輪である
前車輪FR,FLの回転速度V2を検出する転動輪回転
速度センサ19R,19L(19と総称する),駆動輪
である後車輪RR,RLの回転速度V1を検出する駆動
輪回転速度センサ21R,21L(21と総称する),
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ2
3,冷却水温Thを検出する水温センサ25,スロット
ルバルブ29の開度(スロットル開度θ)を検出するス
ロットル開度検出センサ31,トランスミッション5の
ギア位置rを検出するギア位置センサ33が接続され、
更に、アクチュエータとして、燃料噴射弁13を駆動す
る噴射弁制御回路35,点火装置15を制御して点火時
期の進角及び遅角を行う点火時期制御回路37,ブレー
キ11の油圧を調節することによってブレーキ11の制
動力を制御するブレーキ油圧制御回路39等が接続され
ている。尚、本実施例では、サブスロットルを備えてい
ないので、スロットル開度θとは従来のメインスロット
ル開度を意味する。
【0019】次に、前記構成を備えた本実施例のトラク
ション制御装置の動作について、図5〜図12に基づい
て説明する。まず、図5の加速スリップ制御のメインル
ーチンに示す様に、S100にて、フラグFのクリア等
の通常の初期化処理を行い、続くS110にて、駆動輪
及び従動輪(転動輪)の速度Vの検出の処理と加速度d
Vを算出する処理とを行う。続くS120にて、エンジ
ン回転数センサ23からの出力に基づいてエンジン回転
数Neを演算し、S130にて、スロットル開度センサ
31によって検出したスロットル開度θを入力する。更
に、S140にて、ギヤ位置センサ33によって検出し
たギア位置を入力し、S150にて、水温センサ25に
よって検出した冷却水温Thを入力する。
【0020】続くS160にて、現在トラクション制御
(TRC)中であるか否かを、フラグFが「1」にセッ
トされているか否かによって判定し、ここで否定判断さ
れるとS170に進み、一方肯定判断されるとS210
に進む。S170では、トラクション制御条件が成立し
たか否かを判定し、ここで肯定判断されるとS180に
進み、一方否定判断されると前記S110に戻る。この
トラクション制御条件とは、加速スリップを防止するた
めの制御を行うか否かを判定するための条件であり、本
実施例では、例えば図10(a)に示す様に、駆動輪速
度V1と転動輪速度V2との速度差が所定値以上になった
場合に、トラクション制御を行う条件が成立したと判定
している。
【0021】S180では、トラクション制御における
エンジン制御として、エンジン1の初期駆動トルクの低
減量を設定する処理を行う。この初期駆動トルクの低減
量の設定とは、トラクション制御の開始時に大きく駆動
トルクを低減して、制御遅れを解消するための処理であ
る。
【0022】続くS190では、トラクション制御にお
けるブレーキ制御として、ブレーキの初期目標ブレーキ
油圧を設定する処理を行う。この初期目標ブレーキ油圧
の設定とは、前記S180と同様に、トラクション制御
の開始時に大きくブレーキ油圧をかけて、制御遅れを解
消するための処理である。
【0023】続くS200では、現在トラクション制御
中であることを示すフラグFを「1」にセットして、前
記S110に戻る。一方、前記S160にて、現在トラ
クション制御中であると判断されて進むS210では、
後に図6にて詳述する様に、エンジン制御として、エン
ジン1の駆動トルクを現在のトルクよりどの程度低減す
るかを決める駆動トルク基本低減率を算出する。
【0024】続くS220では、ブレーキ制御として、
所定の制動力を発揮するための目標ブレーキ油圧の基本
値を算出する。続くS230では、後に図7にて詳述す
る様に、冷却水の温度Thに応じて、前記S210,S
220で設定した駆動トルク基本低減率と目標ブレーキ
油圧の基本値を補正して、実際の制御に使用する駆動ト
ルク低減率と目標ブレーキ油圧を設定する。
【0025】続くS235では、上述した様にして補正
して設定した駆動トルク低減率と目標ブレーキ油圧に基
づいて、実際にエンジン制御及びブレーキ制御を実行す
る。具体的には、エンジン1の駆動トルクを低減する際
に、その低減率が低い場合には、点火遅角によって駆動
トルクを減少させ、一方、低減率が大きい場合には、燃
料カットによって、即ち、低減率が大きいほど燃料カッ
ト気筒数を増やす制御によって、駆動トルクを低減させ
る。それとともに、設定された目標ブレーキ油圧に応じ
て、適切なブレーキの制動力にて制動を行うことにな
る。
【0026】続くS240では、前記S235にて実際
にエンジン制御及びブレーキ制御のトラクション制御を
行ったので、トラクション制御終了条件が成立したか否
かを判定し、ここで肯定判断されるとS250に進み、
一方否定判断されると前記S110に戻る。このトラク
ション制御終了条件とは、上述したトラクション制御を
終了するか否かを判定するための条件であり、本実施例
では、駆動輪速度V1と転動輪速度V2との速度差が所定
値以下となった状態が所定時間継続した場合に、トラク
ション制御を終了する条件が成立したと判定している。
【0027】S250では、トラクション制御が終了し
たので、トラクション制御中であることを示すフラグF
をクリアして、前記S110に戻る。この様に、本処理
では、トラクション制御が開始された場合には、エンジ
ン1の駆動トルク及びブレーキ油圧を所定の初期値とし
て制御の追従性を向上させ、一方、トラクション制御中
である場合には、運転状態に応じてエンジン1の駆動ト
ルク低減率と目標ブレーキ油圧を設定している。従っ
て、この設定された駆動トルク低減率に応じて、燃料カ
ット気筒数の設定及び点火遅角制御を行うことによっ
て、エンジン1の駆動トルクを目標駆動トルクに近付け
ることができ、また、適切なブレーキ油圧にてブレーキ
11の制動を行うことができる。
【0028】次に、前記S210の駆動トルク基本低減
率算出ルーチンについて、図6のフローチャートに基づ
いて説明する。S212では、前記S110〜S140
にて得られたエンジン回転数Ne,駆動輪速度V1,ス
ロットル開度θ,ギヤ位置rを用いて、(駆動輪側に伝
達されると推定される)推定駆動トルクTE0を算出す
る。つまり、エンジン回転数Neとスロットル開度θと
の関係から、予め定められたマップを用いてエンジン1
の推定駆動トルクTE0を算出する。この推定駆動トルク
TE0を算出するためのマップは、例えば図8に示される
様なものである。このマップは、トランスミッション5
のギヤ位置rに対応した複数のマップが用意される。
【0029】続くS213にて、前記S212にて算出
された推定駆動トルクTE0は、ストールトルク比を乗ず
ることによって、実際に駆動輪に伝達される推定実駆動
トルクTE1に補正される。つまり、エンジン回転数Ne
と左右の駆動輪速度V1の平均値とギヤ位置rとの関係
から、予め定められてROM17bに記憶されたマップ
等を用いて、下記の様にトルクコンバータ3におけるス
トールトルク比を算出し、このストールトルク比を推定
駆動トルクTE0に乗ずることによって補正を行うもので
ある。
【0030】ここで、ストールトルク比とは、トルクコ
ンバータ3における入力トルク(エンジン1の駆動トル
ク)と出力トルク(トランスミッション5を介して駆動
輪に伝達される駆動トルク)との比を示すものである。
このストールトルク比は、図9に示す様に、トルクコン
バータ3の入力回転速度と出力回転速度との速度比に応
じて変化する。具体的には、速度比が小さい場合(入力
回転速度に対して出力回転速度が遅い場合)には、スト
ールトルク比は大きく、即ち入力トルクに対して大きな
出力トルクが発生する。そして、速度比が1に近づくに
つれて、入力トルクに対する出力トルクの比の大きさも
1に近づく。つまり、ストールトルク比は、上述の様に
速度比に応じて決定されるので、エンジン回転数Neと
駆動輪速度V1,ギヤ位置rを用いて演算されるトラン
スミッション5における回転数とから、ストールトルク
比が算出できる。
【0031】次に、S214では、スリップ率を所定の
範囲に納めるために、従動輪及び駆動輪の車輪速度V
1,V2,車輪加速度dV1,dV2と推定ブレーキ圧力P
bとから、下記式(1)〜(3)を用いて、目標駆動ト
ルクTE2を算出する。尚、ここでは、目標駆動トルクT
E2の算出方法については、現在のサブスロットルバルブ
を用いた制御を例にとって説明するが、本実施例のスロ
ットル開度θの場合も同様である。
【0032】 △TH =K1(V1−V2)+K2(dV1−dV2)+K3・Pb…(1) THn=THn-1+△TH …(2) TE2 =F(THN) …(3) 上式では、まず、現在のスリップ状態及び推定ブレーキ
圧力Pbを考慮した、サブスロットルバルブの制御量△
THを算出する。この制御量△THを前回のサブスロッ
トル開度THn-1に加えることによって、今回の目標と
するサブスロットル開度位置THnを算出する。この算
出されたサブスロットル開度位置THnから、目標のマ
ップあるいは演算式に従って目標とする駆動トルクTE2
を算出する。尚、この目標駆動トルクTE2は、実際に駆
動輪に加えられるべき駆動トルクを示すものである。
【0033】続くS216では、(1−TE2/TE1)の
値を駆動トルクの基本低減率として求め、一旦本処理を
終了する。ここで、S216で求める基本低減率は、駆
動輪における目標駆動トルクTE2と推定駆動トルクTE1
に基づくものであるが、基本低減率は現在の駆動トルク
をどの程度低減すれば目標駆動トルクTE2に近づくかを
示すものであるため、この基本低減率に従ってエンジン
1の駆動トルクを低減率すれば、結果として、駆動輪に
おける駆動トルクも目標駆動トルクTE2に近づくことに
なる。
【0034】つまり、本処理は、エンジン回転数Ne,
駆動輪速度(平均値)V1,スロットル開度θ,ギヤ位
置rを用い、推定駆動トルクTE0から正確な推定実駆動
トルクTE1を算出し、この値を用いて適切なエンジン1
の駆動トルクの基本低減率を求めるための処理である。
【0035】尚、上述の実施例では、推定駆動トルク及
び目標駆動トルクを駆動輪における駆動トルクとして算
出した後に比較する様にしている。しかし、目標駆動ト
ルクに対してストールトルク比を用いて補正を行い、エ
ンジンにおける目標駆動トルクとして、この目標駆動ト
ルクとエンジンにおける推定駆動トルクとを比較して、
エンジンの駆動トルクの基本低減率を求めることも可能
である。
【0036】次に、前記S230のトラクション制御補
正量算出ルーチンについて、図7のフローチャートと図
10及び図11の説明図とに基づいて説明する。まず、
S232では、前記S150にて得られた水温Thに基
づいて、水温Thが(所定値以下の)低温状態であるか
否かを判定する。ここで、肯定判断されるとS234に
進み、一方否定判断されるとS238に進む。
【0037】このS238では、常温であるので、常温
時制御として駆動トルク低減率補正2を行う。即ち、図
10(b)に示す様に、(点線で示す)要求される駆動
トルク基本低減率にできるだけ一致する様に、実際の駆
動トルク低減率を(実線で示す様に)階段状に設定す
る。
【0038】尚、本実施例では、駆動トルクの低減率が
小さい場合には、点火遅角によって駆動トルクを減じる
が、低減率が大きい場合には、燃料カット気筒数を調節
することによって駆動トルクを減じる。従って、駆動ト
ルクの低減率が大きい場合、燃料カット気筒数の調節に
より、駆動トルクの低減率は段階的にならざるをえな
い。このため、駆動トルクの基本低減率と実行される駆
動トルクの低減率とには差が生じる場合は発生する。更
に、例えば、スロットル開度が大きくかつエンジン回転
数が低い様な、エンジンの過負荷の状態では、燃料カッ
トを行うことで、燃料消費量の悪化や排ガス濃度の上昇
等が生じる。この様に、車両の運転状態や走行状態如何
によっては、燃料カット自体が制限されたり不可能であ
ることがあるので、これによっても駆動トルクの基本低
減率と実行される駆動トルクの低減率とに差が生じる。
【0039】続くS239では、前記駆動トルク基本低
減率と実際の駆動トルク低減率との差を補正するため
に、目標ブレーキ油圧補正2を行う。即ち、図10
(c)に示す様に、その差に相当する分をブレーキ油圧
のオフセット量として設定し、図10(d)に示す様
に、通常の(点線で示す)ブレーキ油圧に、オフセット
量を上乗せした(実線で示す)ブレーキ油圧を設定し、
一旦本処理を終了する。
【0040】一方、S234では、低温であるので、低
温時制御としてエンストを防止するために駆動トルク低
減率補正1を行う。即ち、図11(b)に示す様に、
(点線で示す)常温時の駆動トルク基本低減率よりはる
かに小さな(実線で示す)駆動トルク低減率、つまり1
回の制御量が小さく制御間隔も長くなる様に設定する。
【0041】続くS236では、低温時の目標ブレーキ
油圧補正1を行う。即ち、図11(c)に示す様に、常
温時の(点線で示す)油圧よりはるかに小さくかつ傾斜
が緩やかな(実線で示す)ブレーキ油圧を設定し、一旦
本処理を終了する。つまり、本処理は、常温時は、大き
な駆動トルク低減率及びブレーキ油圧を設定するととも
に、駆動トルク低減率では制御しきれない分をブレーキ
油圧のオフセット量で補って制御する処理である。ま
た、低温時には、小さなトルク低減率及び小さくかつ傾
斜の緩やかなブレーキ油圧を設定することにによって、
エンストの発生を防止する処理である。
【0042】この様に、本実施例では、推定駆動トルク
TE0の算出の際に、エンジン回転数Ne等のパラメータ
とともに新たにトルクコンバータ3のストールトルク比
を用いているので、実際に駆動輪側に伝達される駆動ト
ルクを正確に求めることができる。それによって、加速
スリップ防止のための適切な駆動トルク低減率を設定で
きるので、従来の様に駆動トルク低減率が不足気味に設
定されることがなく、スリップの収束遅れが生じること
がないという顕著な効果を奏する。
【0043】また、前記推定駆動トルクTE0の算出の際
には、ストールトルク比とともに制御中における実際の
スロットル開度θも使用しているので、エンジン出力の
適性化及び出力増加タイミングの適性化を実現できる。
それとともに、例えばアクセル27が戻された様な場合
には、必要とされるエンジン出力よりも過度にエンジン
出力を低減することがなく、よって、加速不良やエンス
トの発生を防止することができる。
【0044】更に、本実施例では、冷却水が常温の場合
には、駆動トルクの調節だけでは制御しきれない部分
を、ブレーキ油圧の増加によって制御しているので、制
御量が不足することがなく、よって、どの様な運転状態
においても適切に加速スリップ防止の制御を行うことが
できるという特長がある。一方、冷却水が低温の場合に
は、常温における駆動トルクの低減率よりも少ない低減
率に設定するとともに、ブレーキ油圧を少ない油圧に設
定しているので、エンストの発生を未然に防止できると
いう利点がある。
【0045】尚、前記本発明の実施例について説明した
が、本発明はこの様な実施例に何等限定されるものでは
なく、各種の態様で実施できることは勿論である。例え
ば前記実施例では、水温に応じて補正量を設定したが、
それ以外にも、例えば吸入空気温等によってエンストが
発生し易いか否かを判定し、この条件に応じて補正量を
変更してもよい。
【0046】また、上述の実施例では、点火遅角及び燃
料カット気筒数の調節によってエンジンの駆動トルクを
低減する例について説明したが、スロットルバルブの開
度を調節することによって駆動トルクを低減するもので
も、本発明は同様に適用可能である。この場合、スロッ
トルバルブの開度に制限がないものは、基本低減率通り
にエンジンの駆動トルクを低減できるため、ブレーキに
よる制動トルクでその差分を補償する必要はない。ただ
し、メインスロットルに対してサブスロットルを設ける
ものは、一般的にサブスロットルは最も閉じた位置でも
所定の開度を有しているので、それよりも駆動トルクを
低減したい場合には、上記制動トルクによる補償制御が
有効になる。
【0047】尚、フューエルカットを使用したシステム
においては、フューエルカット気筒数−駆動トルク低減
率のマップ(図12参照)よりフューエルカット数を算
出することができる。また、サブスロットルを使用した
システムにおいては、駆動トルク低減率,メインスロッ
トル開度,エンジン回転数から、図8に示すマップより
サブスロットル開度を算出することができる。
【0048】更に、前述の実施例では、本発明をトラク
ション制御装置に適用した例について説明したが、本発
明の適用例はこれに限定されるものではなく、例えばリ
ンクレススロットルを有する車両において、そのスロッ
トル開度を制御する様な場合にも適用可能である。この
場合には、例えばエンジンの状態,運転者のアクセル操
作やステアリング操作及び路面の摩擦状態から、車両の
走行に最適な目標とする駆動トルクを求める。そして、
トルクコンバータのストールトルク比を用いて、実際の
駆動トルクを推定し、これを目標値に近づける様にスロ
ットル開度を制御する。
【0049】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1の発明で
は、エンジン回転数とスロットル開度とに基づいてエン
ジンの駆動トルクを推定し、車両の走行状態に基づいて
駆動輪における目標とする駆動トルクを設定する。そし
て、この推定駆動トルクと目標駆動トルクとのトルク差
を、ストールトルク比を用いることによって、駆動輪も
しくはエンジンにおけるトルク差として演算するととも
に、このトルク差を減少するようにエンジンの駆動力調
節要素を制御するので、従来より正確に駆動輪に加わる
駆動トルクを推定して、スリップの収束遅れがない好適
なトラクション制御を実現することができる。
【0050】請求項2の発明では、例えば水温が低い場
合の様なエンストの発生し易い状態を検出し、この状態
である場合には、駆動トルクの低減を緩和するので、エ
ンストの発生を防止することができる。請求項3の発明
では、推定駆動トルクと目標駆動トルクとのトルク差を
ブレーキ油圧のオフセット量としてブレーキ制動トルク
を補正するので、どの様な運転状態であっても、適切に
トラクション制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示する概略構成図である。
【図2】 エンジントルクと車速との関係を示すグラフ
である。
【図3】 実施例の車両のトラクション制御装置のシス
テム構成を示すブロック図である。
【図4】 トラクション制御装置の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 トラクション制御処理のメインルーチンを示
すフローチャートである。
【図6】 駆動トルク基本低減率算出処理を示すフロー
チャートである。
【図7】 TRC制御量補正処理を示すフローチャート
である。
【図8】 駆動トルクとスロットル開度との関係を示す
グラフである。
【図9】 ストールトルク比と速度比との関係を示すグ
ラフである。
【図10】 常温時の制御を示す説明図である。
【図11】 低温時の制御を示す説明図である。
【図12】 フューエルカット気筒数と駆動トルク低減
率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン 3…トルクコン
バータ 5…トランスミッション 11,11R,
11L…ブレーキ 13…燃料噴射弁 17…電子制御
装置(ECU) 19,19R,19L…転動輪速度センサ 21,21R,21L…駆動輪速度センサ 23…エンジン回転数センサ 25…水温セン
サ 31…スロットル開度センサ 33…ギヤ位置
センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動トルクをトルクコンバー
    タを介して駆動輪に伝達する車両に適用される車両の駆
    動トルク制御装置であって、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、 スロットル開度を検出する開度検出手段と、 前記トルクコンバータのストールトルク比を算出する算
    出手段と、 前記エンジン回転数とスロットル開度とに基づいて、前
    記エンジンの駆動トルクを推定する駆動トルク推定手段
    と、 車両の走行状態に基づいて、前記駆動輪における目標と
    する駆動トルクを設定する目標駆動トルク設定手段と、 前記推定駆動トルクと目標駆動トルクとのトルク差を、
    前記ストールトルク比を用いることによって、前記駆動
    輪もしくは前記エンジンにおけるトルク差として演算す
    るとともに、このトルク差を減少するように前記エンジ
    ンの駆動力調節要素を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする車両の駆動トルク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標駆動トルク設定手段が、前記駆
    動輪にスリップが発生したときに、少なくともそのスリ
    ップの大きさに応じて駆動トルクを減少するように目標
    駆動トルクを設定するものである請求項1記載の車両の
    駆動トルク制御装置において、 車両の運転状態がエンストの恐れがある状態か否かを判
    定するエンスト判定手段と、 該エンスト判定手段によってエンストの恐れがあると判
    定された場合には、前記目標駆動トルクによる駆動トル
    クの減少量を小さく補正する補正手段と、 を備えることを特徴とする車両の駆動トルク制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標駆動トルク設定手段が、前記駆
    動輪にスリップが発生したときに、少なくともそのスリ
    ップの大きさに応じて駆動トルクを減少するように目標
    駆動トルクを設定するものである請求項1記載の車両の
    駆動トルク制御装置において、 駆動輪のブレーキ制動トルクを調節する制動トルク調節
    手段と、 前記制御手段による推定駆動トルクと目標駆動トルクと
    のトルク差の減少制御において当該トルク差が解消でき
    ない場合に、その解消できないトルク差を前記ブレーキ
    制動トルクのオフセット量として補正制御する制動トル
    ク補正制御手段と、 を備えることを特徴とする車両の駆動トルク制御装置。
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