JPH07174225A - 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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JPH07174225A
JPH07174225A JP17903693A JP17903693A JPH07174225A JP H07174225 A JPH07174225 A JP H07174225A JP 17903693 A JP17903693 A JP 17903693A JP 17903693 A JP17903693 A JP 17903693A JP H07174225 A JPH07174225 A JP H07174225A
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JP
Japan
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shift
clutch
slip
slip control
control
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Application number
JP17903693A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Toru Matsubara
亨 松原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時のショックを抑制しつつロックアップ
クラッチの熱負荷を軽減する。 【構成】 ステップR4,R5が共にYESの場合、す
なわち変速の前後でスリップ制御を行う場合には、ステ
ップR3で変速出力が為された後イナーシャ相の終了を
判断するステップR7がYESとなるまでフラグF1を
「1」とし、ロックアップクラッチを強制的に完全係合
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用ロックアップクラ
ッチのスリップ制御装置に係り、特に、変速時の制御に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機を有するオートマチック車両
においては、トルクコンバータ等の流体式伝動装置を介
して自動変速機に機関出力を伝達するようになっている
が、流体式伝動装置と並列にロックアップクラッチを設
け、燃費向上やトルク変動の吸収等を目的としてそのロ
ックアップクラッチを係合若しくはスリップ係合させる
ことが、例えば特開昭62−297567号公報,特開
平2−80857号公報等に記載されている。また、上
記自動変速機が複数の変速段を有し、連続した複数の変
速段でロックアップクラッチを係合制御する場合に、変
速の前後で係合若しくはスリップ係合させる時には、変
速ショックを緩和するために変速時に一時的にロックア
ップクラッチを解放するようにしているのが普通である
が、スロットル弁開度が小さい定常走行時には、ロック
アップクラッチの解放に伴う機関の吹き上がりや、ロッ
クアップクラッチの再係合時の機関回転速度の低下など
に起因するショックを感じ易いことから、変速中もロッ
クアップクラッチの係合またはスリップ係合状態を維持
することが、例えば特開平1−131371号公報等で
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに変速中もスリップ係合状態を維持した場合には、変
速中にスリップ量が大きくなってロックアップクラッチ
の熱負荷が増大し、クラッチ寿命が大幅に損なわれると
いう問題があった。すなわち、かかるスリップ制御は、
一般に、ロックアップクラッチの入力側と出力側との回
転速度差が所定の目標回転速度差となるようにクラッチ
係合油圧等をフィードバック制御しているのであるが、
変速に伴う流体式伝動装置の出力側回転速度変化に対す
る追従遅れによって回転速度差が拡大するのである。フ
ィードバック制御のゲインを上げて追従性を高めると、
変速終了に伴って出力側回転速度変化が小さくなった時
に、クラッチ係合油圧が高過ぎてロックアップクラッチ
が一時的に完全係合してしまうことがあるため、回転速
度差の拡大は避けられないのであり、また、変速終了後
に回転速度差を目標回転速度差まで収束させる際にも、
ショックを回避するために時間を掛けて滑らかに行う必
要がある。図12は、入力側回転速度としてのエンジン
回転速度NE,出力側回転速度としてのタービン回転速
度Nt,それ等の目標回転速度差NslipT ,および駆動
トルクについて、パワーONアップシフト時にスリップ
制御を行った場合の変化の一例を示すタイムチャートで
あり、時間ta 〜tb は変速期間で、時間tb 〜tc
回転速度差の収束期間である。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、変速時のショックを
抑制しつつロックアップクラッチの熱負荷を軽減するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、変速時にロックアップクラッチを完全係合させ
るようにすれば良く、本発明は、図1のクレーム対応図
に示すように、(a)流体式伝動装置と並列に設けられ
て複数の変速段を有する自動変速機に機関出力を伝達す
るロックアップクラッチと、(b)連続した複数の変速
段において所定のスリップ制御条件を満足する場合に前
記ロックアップクラッチをスリップ係合させるスリップ
制御手段とを備えた車両用ロックアップクラッチのスリ
ップ制御装置において、(c)前記自動変速機の変速段
が切り換えられる変速時か否かを検出する変速検出手段
と、(d)その変速検出手段によって検出された変速の
前後でスリップ制御を行う場合には、その変速時に前記
ロックアップクラッチを完全係合させるスリップ制限手
段とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用】このようなスリップ制御装置においては、変速
検出手段によって変速時か否かが検出されるとともに、
その変速の前後でスリップ制御を行う場合には、スリッ
プ制限手段によって変速時にロックアップクラッチが完
全係合させられる。このため、変速時にロックアップク
ラッチを解放する場合のように、解放時の機関の吹き上
がりや再係合時の機関回転速度の低下などに起因するシ
ョックを生じることがないとともに、変速時もスリップ
係合状態を維持する場合に比較してロックアップクラッ
チの熱負荷が軽減される。スリップ制御は、一般に低ス
ロットル弁開度,低車速領域で行われるため、変速に伴
う回転速度変化は小さく、変速時にロックアップクラッ
チを完全係合させても大きな変速ショックを生じること
はない。なお、スリップ制御中の変速時にロックアップ
クラッチを完全係合させる前提として、スロットル弁開
度や車速が所定値以下であることなどの条件を課すこと
も可能である。
【0007】
【発明の効果】このように、本発明のスリップ制御装置
によれば、変速時のショックを抑制しつつロックアップ
クラッチの熱負荷を軽減でき、クラッチ寿命が向上する
のである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2において、内燃機関であるエンジン
10の出力は、流体式伝動装置としてのトルクコンバー
タ12および自動変速機14から、図示しない差動歯車
装置などを経て駆動輪へ伝達される。トルクコンバータ
12は、内燃機関10のクランク軸16と連結されてい
るポンプ翼車18と、自動変速機14の入力軸20に連
結されたタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介
して非回転部材であるハウジング26に固定されたステ
ータ翼車28と、ダンパを介して上記入力軸20に連結
されたロックアップクラッチ32とを備えている。ロッ
クアップクラッチ32は、トルクコンバータ12内の係
合側油室34よりも解放側油室36内の油圧が高められ
ると非係合状態となり、トルクコンバータ12の入出力
回転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される一方、
解放側油室36よりも係合側油室34内の油圧が高めら
れると係合状態となり、ロックアップクラッチ32を介
してクランク軸16から入力軸20へエンジン出力が伝
達される。
【0009】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置40,42,44
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置42のキャリヤお
よび遊星歯車装置44のリングギヤに連結された出力軸
46とを備えている。遊星歯車装置40,42,44の
構成要素の一部は互いに一体的に連結されているととも
に、他の一部は3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によっ
て互いに選択的に連結され、或いは4つのブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に選択
的に連結されるようになっている。また、3つの一方向
クラッチF0 ,F1,F2 によってその回転方向により
相互に若しくはハウジング26と係合させられるように
なっている。なお、トルクコンバータ12および自動変
速機14は軸線に対して対称的に構成されているため、
図2では下側を省略して示してある。
【0010】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路50から作動油が供給されるようにな
っている。油圧制御回路50は多数の切換バルブ等を備
えており、コントロールユニット52からの信号に従っ
てソレノイドS1,S2の励磁,非励磁がそれぞれ切り
換えられることにより、油圧回路が切り換えられて上記
クラッチCおよびブレーキBが選択的に係合制御される
と、図3に示されているように前進4段のうちの何れか
の変速段が成立させられる。シフトポジション「D」,
「2」,「L」は運転席のシフトレバーの操作レンジで
あり、「D」レンジでは1stからO/Dまでの4段で
変速制御が行われ、「2」レンジでは1stから3rd
までの3段で変速制御が行われ、「L」レンジでは1s
tおよび2ndの2段で変速制御が行われる。また、上
記シフトレバーの操作に従ってマニュアルシフトバルブ
が切り換えられることにより、「2」レンジおよび
「L」レンジの2nd、「L」レンジの1stでは、そ
れぞれブレーキB1 ,B3 が係合させられてエンジンブ
レーキが効くようになっている。
【0011】上記油圧制御回路50はまた、例えば図4
および図5に示すロックアップ制御用の回路を備えてい
る。図4のロックアップリレーバルブ54は、所定圧以
上のロックアップ制御油圧Pslが油室56に作用させら
れることにより、図の右半分に示すON状態となり、エ
ンジン10の出力トルクに対応して変化するように調圧
されたセカンダリ油圧PL2を、入力ポート58からポ
ート60を介して前記係合側油室34に作用させる一
方、解放側油室36をポート62,64を介してロック
アップコントロールバルブ66のポート68に連通させ
る。ロックアップコントロールバルブ66は、係合側油
室34内の係合油圧Ponが作用させられる油室70、解
放側油室36内の解放油圧Poff が作用させられる油室
72、前記ロックアップ制御油圧Pslが作用させられる
油室74、およびスプール弁子76を油室72,74側
へ付勢するスプリング77を備えており、それ等の油圧
に応じてスプール弁子76が移動させられ、前記ポート
68がドレーンポート78またはセカンダリ油圧PL2
が作用している加圧ポート80に連通させられて解放油
圧Poff が調圧されることにより、係合油圧Ponと解放
油圧Poff との差圧ΔPがロックアップ制御油圧Pslに
応じて調整される。すなわち、ロックアップ制御油圧P
slが十分に高い場合には、解放油圧Poff が低圧とされ
て差圧ΔPが大きくなり、ロックアップクラッチ32は
完全係合状態となるが、ロックアップ制御油圧Pslが低
くなると、それに伴って解放油圧Poff は高圧となり、
差圧ΔPが小さくなってロックアップクラッチ32はそ
の差圧ΔPに対応する係合力でスリップ係合させられ
る。ロックアップ制御油圧Pslが更に低くなると、ロッ
クアップリレーバルブ54がOFF状態となり、入力ポ
ート58とポート62とが連通してセカンダリ油圧PL
2が解放側油室36に作用させられる一方、前記ポート
60と排出ポート82とが連通して係合側油室34内の
作動油がオイルクーラー等へ排出され、ロックアップク
ラッチ32は解放状態となる。
【0012】上記ロックアップ制御油圧Pslは、図5の
リニアソレノイドバルブ84によって調圧される。リニ
アソレノイドバルブ84は、一定のモジュレータ油圧P
mの作動油が供給される入力ポート86、ロックアップ
制御油圧Pslを出力する出力ポート88、ドレーンポー
ト90、ロックアップ制御油圧Pslが作用させられるフ
ィードバック油室92、スプール弁子94をソレノイド
SL側へ付勢するスプリング96を備えており、スプー
ル弁子94をスプリング96側へ付勢するソレノイドS
Lに供給される励磁電流が前記コントロールユニット5
2によってデューティ制御され、スプール弁子94が移
動させられて出力ポート88が入力ポート86またはド
レーンポート90に連通させられることにより、励磁電
流のデューティ比SLUに対応して変化するロックアッ
プ制御油圧Pslが出力される。この実施例では、デュー
ティ比SLUが大きい程ロックアップ制御油圧Pslは高
くなり、前記差圧ΔP更にはロックアップクラッチ32
の係合力が大きくなる。上記出力ポート88は、ソレノ
イドリレーバルブ100の入力ポート102に接続され
ており、前記ブレーキB2 を係合させるB2 油圧が油室
104に作用させられて、スプール弁子106がスプリ
ング108の付勢力に抗して図の左半分に示すON位置
へ移動させられると、上記ロックアップ制御油圧Pslに
調圧された作動油が出力ポート110から前記ロックア
ップリレーバルブ54,ロックアップコントロールバル
ブ66に供給される。B2 油圧がOFF、すなわち前記
図3から明らかなように2nd,3rd,或いはO/D
変速段以外の変速段では、スプール弁子106はスプリ
ング108の付勢力に従って図の右半分に示すOFF位
置へ移動させられ、出力ポート110はドレーンポート
112に連通させられてロックアップクラッチ32の係
合制御が不能となる。上記リニアソレノイドバルブ84
のソレノイドSLは、Dレンジの2nd,3rd,或い
はO/D変速段、2レンジの2nd或いは3rd変速段
の時にのみ、所定の係合条件を満足する場合に励磁電流
が供給され、ロックアップクラッチ32を係合またはス
リップ制御する。
【0013】図2に戻って、前記コントロールユニット
52は、CPU,RAM,ROM,入出力インタフェー
ス回路などを備えており、RAMの一時記憶機能を利用
しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号
処理を行い、前記ソレノイドS1,S2の励磁,非励磁
を切り換えて自動変速機14の変速段を変更するととも
に、前記ソレノイドSLに供給する励磁電流をデューテ
ィ制御してロックアップクラッチ32を係合またはスリ
ップ制御する。コントロールユニット52には、一対の
回転速度センサ120,122から入力軸20すなわち
タービン翼車22の回転速度Nt,出力軸46の回転速
度Noを表す回転速度信号SNt,SNoが供給される
とともに、マニュアルシフトバルブに配設されたニュー
トラルスタートスイッチ124から前記「D」,
「2」,「L」等のシフトレンジを表すシフトレンジ信
号SRが供給される。また、エンジン10に設けられた
回転速度センサ126からエンジン回転速度NEを表す
回転速度信号SNEが供給されるとともに、エンジン1
0の吸入空気量を調整するスロットル弁に設けられたス
ロットルセンサ128からスロットル弁開度θを表すス
ロットル弁開度信号Sθが供給されるようになってい
る。
【0014】次に、上記コントロールユニット52によ
って行われるロックアップ制御について、図6,図7の
フローチャートを参照しつつ具体的に説明する。
【0015】図6は通常のロックアップ制御に関するも
ので、自動変速機14の変速段が2nd,3rd,また
はO/D変速段の時にのみ実行される。自動変速機14
の変速段は、例えばソレノイドS1,S2に対する励磁
電流の出力状態で判断される。図6のステップS1で
は、図7のステップR6で「1」とされステップR8で
「0」とされるフラグF1が「0」か否かを判断し、F
1=0の場合はステップS2以下を実行するが、F1=
1の場合はステップS8を実行する。ステップS8では
デューティ比SLUを100%とし、そのデューティ比
SLUでソレノイドSLの励磁電流を出力することによ
り、前記ロックアップ制御油圧Pslを高圧としてロック
アップクラッチ32を完全係合させる。ステップS2で
は、図7のステップR10で「1」とされステップR8
で「0」とされるフラグF2が「0」か否かを判断し、
F2=0の場合はステップS3以下を実行するが、F2
=1の場合はステップS9を実行する。ステップS9で
はデューティ比SLUを0%とし、ロックアップ制御油
圧Pslを低圧としてロックアップリレーバルブ54をO
FF状態とすることにより、ロックアップクラッチ32
を解放状態とする。
【0016】フラグF1,F2が何れも「0」の場合に
実行するステップS3では、車両の走行状態が完全係合
領域か否かを判断し、完全係合領域でなければステップ
S4においてスリップ制御領域か否かを判断する。これ
等の完全係合領域,スリップ制御領域は、例えばスロッ
トル弁開度θおよび出力軸回転速度Noをパラメータと
して変速段毎に図8に示すように定められ、予めRAM
等の記憶手段に記憶されている。スリップ制御領域は、
大きなトルクを必要としない低スロットル弁開度,低車
速(出力軸回転速度Noに対応)領域に定められてお
り、このスロットル弁開度θおよび出力軸回転速度No
に関する条件は所定のスリップ制御条件に相当する。そ
して、完全係合領域の場合には、前記ステップS8を実
行してロックアップクラッチ32を完全係合させ、スリ
ップ制御領域の場合には、ステップS5以下を実行して
ロックアップクラッチ32をスリップ係合させ、完全係
合領域でもスリップ制御領域でもない場合、すなわち解
放領域の場合には、前記ステップS9を実行してロック
アップクラッチ32を解放状態とする。
【0017】スリップ制御領域の場合に実行するステッ
プS5では、例えば図9に示すようにスロットル弁開度
θおよびタービン回転速度Ntをパラメータとして予め
RAM等に記憶されたデータマップから、目標スリップ
状態が得られるデューティ比SLUのフィードフォワー
ド制御値FWDをマップ補間により算出する。目標スリ
ップ状態は、エンジン回転速度NEとタービン回転速度
Ntとの回転速度差Nslip(=NE−Nt)が例えば5
0rpm程度の一定の目標回転速度差NslipTとなるス
リップ状態であっても良いが、スロットル弁開度θやタ
ービン回転速度Ntの値に応じて異なる目標回転速度差
NslipT が定められても良い。上記フィードフォワード
制御値FWDのデータマップは、回転速度差Nslipが目
標回転速度差NslipT となるデューティ比SLUを、ス
ロットル弁開度θおよびタービン回転速度Ntをパラメ
ータとして予め実験等により求めたものである。次のス
テップS6では、現在の回転速度差Nslipと目標回転速
度差NslipT との偏差ΔN(=Nslip−NslipT )に基
づいて、その偏差ΔNを小さくするためのフィードバッ
ク補正値FBをPID動作などのフィードバック制御式
に従って算出する。そして、ステップS7において、上
記フィードフォワード制御値FWDにフィードバック補
正値FBを加算してデューティ比SLUを求め、そのデ
ューティ比SLUでソレノイドSLの励磁電流をデュー
ティ制御することにより、ロックアップ制御油圧Pslを
調圧する。このようにロックアップ制御油圧Pslが調圧
されることにより、回転速度差Nslipが目標回転速度差
NslipT となるようにロックアップクラッチ32がスリ
ップ制御される。
【0018】なお、完全係合からスリップ制御への移行
時や、スリップ制御から完全係合への移行時には、エン
ジン回転速度NEの変動による違和感を運転者に生じさ
せないように、目標回転速度差NslipT を徐々に変化さ
せてスリップ状態を滑らかに変化させるようになってい
る。
【0019】一方、図7は自動変速機14の変速時にお
けるロックアップ制御に関するもので、先ずステップR
1において、例えば図10に示すようにスロットル弁開
度θおよび車速V(出力軸回転速度Noに対応)をパラ
メータとして予めRAM等に記憶された変速マップに基
づいて変速判断を行う。ステップR2では、ステップR
1で変速すべき旨の判断が為されたか否かを、例えば次
変速段が設定されているか否かを表すフラグ等で判断
し、変速すべき旨の判断が為された場合にはステップR
3以下を実行する。ステップR3では、前記ソレノイド
S1およびS2を励磁する励磁電流の出力状態を前記図
3に従って切り換えることにより、自動変速機14の変
速段をステップR1で設定された次変速段へ切り換え
る。励磁電流の出力状態が切り換えられた後、前記クラ
ッチCやブレーキBの係合油圧が変化して自動変速機1
4の変速段が実際に切り替わるまでには相当時間を要
し、その間にステップR4以下を実行する。
【0020】ステップR4では、変速後の新たな変速段
でスリップ制御領域か否かを、変速段毎に定められた前
記図8の設定領域に基づいて判断し、スリップ制御領域
でなければステップR9以下を実行するが、スリップ制
御領域であればステップR5以下を実行する。ステップ
R9ではイナーシャ相が始まったか否かを、例えばター
ビン回転速度Ntと出力軸回転速度Noとの比が変速前
の変速段の変速比iaと略一致するか否かなどによって
判断し、イナーシャ相が始まったらステップR10にお
いてフラグF2を「1」とする。フラグF2が「1」に
なると、前記図6のステップS2の判断はNOとなり、
ステップS9でロックアップクラッチ32が解放状態と
される。続くステップR7では、例えばタービン回転速
度Ntと出力軸回転速度Noとの比が変速後の変速段の
変速比ib と略一致するか否かなどによってイナーシャ
相が終了したか否かを判断し、イナーシャ相が終了する
とステップR9でフラグF2を「0」とする。これによ
り、変速後にスリップ制御領域でない場合は、イナーシ
ャ相の間すなわち自動変速機14の変速期間中だけフラ
グF2=0とされ、ロックアップクラッチ32が強制的
に解放状態とされる。
【0021】変速後にスリップ制御領域の場合に実行す
るステップR5では、現在スリップ制御中か否かを例え
ば前記図6のステップS7実行中を表すフラグやデュー
ティ比SLUの内容などから判断し、現在スリップ制御
中であればステップR6でフラグF1を「1」とし、ス
リップ制御中でなければ前記ステップR10でフラグF
2を「1」とする。フラグF1が「1」になると、前記
図6のステップS1の判断はNOとなり、ステップS8
でロックアップクラッチ32が完全係合させられる一
方、フラグF2が「1」になると、上記のようにステッ
プS9でロックアップクラッチ32は解放状態とされ
る。フラグF1,F2は、イナーシャ相が終了してステ
ップR7の判断がYESになるとステップR8で「0」
とされ、イナーシャ相の間すなわち自動変速機14の変
速期間中だけ「1」とされる。これにより、変速前後に
おいてスリップ制御を行う場合には、変速期間中だけフ
ラグF1が「1」となってロックアップクラッチ32が
完全係合状態され、変速前は完全係合または解放状態で
あるが変速後はスリップ制御を行う場合には、フラグF
2が「1」となってロックアップクラッチ32が解放状
態とされる。
【0022】このように、本実施例のロックアップ制御
においては、変速の前後でスリップ制御を行う場合に、
変速期間中だけロックアップクラッチ32を完全係合さ
せるようになっているため、変速時にロックアップクラ
ッチ32を解放する場合のように、解放時のエンジン1
0の吹き上がりや再係合時のエンジン回転速度NEの低
下などに起因するショックを生じることがないととも
に、変速時もスリップ係合状態を維持する場合に比較し
てロックアップクラッチ32の熱負荷が軽減され、クラ
ッチ寿命が向上する。また、スリップ制御領域は、大き
なトルクを必要としない低スロットル弁開度,低車速領
域に設定されているため、変速に伴うエンジン回転速度
NEやタービン回転速度Ntの変化幅は小さく、変速時
にロックアップクラッチ32を完全係合させても大きな
変速ショックを生じることはない。
【0023】図11は、パワーONアップシフト時に変
速の前後で本実施例に従ってスリップ制御を行った場合
におけるエンジン回転速度NE,タービン回転速度N
t,目標回転速度差NslipT ,および駆動トルクの変化
の一例を示すタイムチャートで、時間t2 〜t3 は変速
期間すなわちイナーシャ相の時間であり、ロックアップ
クラッチ32は完全係合させられている。時間t1 〜t
2 ,t3 〜t4 は、それぞれスリップ制御から完全係合
への移行時、完全係合からスリップ制御への移行時に、
スリップ状態の変更に伴うエンジン回転速度NEの変動
に起因して運転者に違和感を生じさせることを防止する
ため、目標回転速度差NslipT を徐変させている期間で
ある。これに対し、図12はスリップ制御のまま変速を
行った場合のタイムチャートで、変速時にエンジン回転
速度NEとタービン回転速度Ntとの回転速度差Nslip
が増大し、ロックアップクラッチ32の熱負荷が大きく
なる。
【0024】本実施例では、コントロールユニット52
による一連の信号処理のうち図6のステップS4,S
5,S6,S7を実行する部分が、リニアソレノイドバ
ルブ84等と共にスリップ制御手段を構成している。ま
た、図7のステップR2,R7を実行する部分は変速検
出手段に相当し、図7のステップR4,R5,R6,お
よび図6のステップS1,S8を実行する部分はスリッ
プ制限手段に相当する。
【0025】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0026】例えば、前記実施例では変速の前後でロッ
クアップクラッチ32を完全係合させる場合、ステップ
R4に続いてステップR9以下が実行されることによ
り、イナーシャ相の間だけフラグF2が「1」とされて
ロックアップクラッチ32が一時的に解放されるが、ス
ロットル弁開度θが所定値以下の場合など、特定の条件
下ではロックアップクラッチ32を完全係合させたまま
変速が行われるようにしても良い。変速前が完全係合で
変速後がスリップ係合の場合や、変速前がスリップ係合
で変速後が完全係合の場合も、変速中スリップ係合させ
たり完全係合させたりすることが可能である。
【0027】また、前記実施例では総ての変速時にステ
ップR4以下を実行するようになっているが、例えばア
クセルが踏込み操作されているパワーONアップシフト
の場合にのみステップR4以下を実行するようにしても
良い。
【0028】また、前記実施例では図8の完全係合領域
やスリップ制御領域が変速段毎に設定されていたが、変
速段の種類に拘らず一定のスロットル弁開度θおよび出
力軸回転速度Noの領域で完全係合させたりスリップ制
御を行ったりすることも可能で、その場合には変速前後
でロックアップ制御に変化はないため、変速後スリップ
制御領域か否かを判断する必要はなく、変速前にスリッ
プ制御中であれば変速時にロックアップクラッチ32を
完全係合させれば良い。
【0029】また、前記実施例では変速前後でスリップ
制御を行う場合には常に変速時にロックアップクラッチ
32を完全係合させるようになっていたが、スロットル
弁開度θや車速Vが所定値以下であるなどの他の実行条
件を設定することも可能で、条件を満足しない場合には
スリップ状態のまま変速を行ったり、変速時に解放状態
としたりするようにしても良い。
【0030】また、前記実施例ではスロットル弁開度θ
およびタービン回転速度Ntをパラメータとするデータ
マップからフィードフォワード制御値FWDが求められ
るようになっていたが、スロットル弁開度θの代わりに
吸入空気量や吸気背圧など機関出力に対応する他のパラ
メータを用いることもできるし、アクセル操作量の変化
速度や車速Vの変化速度などで補正することも可能であ
る。ファジー推論などでフィードフォワード制御値FW
Dを求めることもできる。
【0031】また、前記実施例では偏差ΔNに応じてデ
ューティ比SLUをフィードバック制御するようになっ
ていたが、偏差ΔNの正負に応じてデューティ比SLU
を一定値ずつ増減するなど、デューティ比SLUの補正
方法は適宜定められる。
【0032】また、ロックアップクラッチ32をスリッ
プ制御するための図4,図5に示す油圧回路やバルブ類
はあくまでも一例で、差圧ΔPを制御可能な種々の回路
構成を採用できる。ロックアップクラッチ32そのもの
の構成についても、必要に応じて適宜変更することが可
能である。
【0033】また、前記実施例ではトルクコンバータ1
2が用いられていたが、フルードカップリングなどの他
の流体式伝動装置を用いることもできる。
【0034】また、前記実施例では前進4段の自動変速
機14を備えていたが、この自動変速機14はあくまで
も一例で変速段の数や構成は適宜変更され得る。
【0035】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例であるスリップ制御装置を有
する車両用動力伝達装置の一例を示す図である。
【図3】図2の自動変速機の各変速段を成立させるため
のクラッチおよびブレーキの係合作動を説明する図であ
る。
【図4】図5と共に、図2のロックアップクラッチを制
御する油圧回路を示す回路図である。
【図5】図4と共に、図2のロックアップクラッチを制
御する油圧回路を示す回路図である。
【図6】図2の実施例においてロックアップクラッチを
制御する際の作動を説明するフローチャートである。
【図7】図2の実施例において自動変速機の変速時の作
動を説明するフローチャートである。
【図8】図6のステップS3,S4で判断される完全係
合領域,スリップ制御領域の一例を説明する図である。
【図9】図6のステップS5でフィードフォワード制御
値FWDを算出する際に用いるデータマップの一例を説
明する図である。
【図10】図7のステップR1で変速判断を行う際に用
いる変速マップの一例を説明する図である。
【図11】図6および図7のフローチャートに従ってロ
ックアップクラッチを制御した場合の各部の変化を示す
タイムチャートの一例である。
【図12】変速中もロックアップクラッチをスリップ制
御した場合のタイムチャートで、図11に対応する図で
ある。
【符号の説明】
10:エンジン(機関) 12:トルクコンバータ(流体式伝動装置) 14:自動変速機 32:ロックアップクラッチ 52:コントロールユニット 84:リニアソレノイドバルブ ステップS1,S8,R4〜R6:スリップ制限手段 ステップS4〜S7:スリップ制御手段 ステップR2,R7:変速検出手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体式伝動装置と並列に設けられて複数
    の変速段を有する自動変速機に機関出力を伝達するロッ
    クアップクラッチと、 連続した複数の変速段において所定のスリップ制御条件
    を満足する場合に前記ロックアップクラッチをスリップ
    係合させるスリップ制御手段とを備えた車両用ロックア
    ップクラッチのスリップ制御装置において、 前記自動変速機の変速段が切り換えられる変速時か否か
    を検出する変速検出手段と、 該変速検出手段によって検出された変速の前後でスリッ
    プ制御を行う場合には、該変速時に前記ロックアップク
    ラッチを完全係合させるスリップ制限手段とを有するこ
    とを特徴とする車両用ロックアップクラッチのスリップ
    制御装置。
JP17903693A 1993-07-20 1993-07-20 車両用ロックアップクラッチのスリップ制御装置 Pending JPH07174225A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231787A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Honda Motor Co Ltd トルクコンバータにおけるロックアップクラッチの保護制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011231787A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Honda Motor Co Ltd トルクコンバータにおけるロックアップクラッチの保護制御装置

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