JPH07174700A - 半導体基板の積層構造評価方法及び積層構造評価装置 - Google Patents

半導体基板の積層構造評価方法及び積層構造評価装置

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JPH07174700A
JPH07174700A JP32034493A JP32034493A JPH07174700A JP H07174700 A JPH07174700 A JP H07174700A JP 32034493 A JP32034493 A JP 32034493A JP 32034493 A JP32034493 A JP 32034493A JP H07174700 A JPH07174700 A JP H07174700A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ナノメートル・オーダの超高分解能で量子構造
を測定可能とする半導体基板の積層構造評価方法及び積
層構造評価装置を提供する。 【構成】積層構造を有する半導体基板6にトンネル電流
2を利用してエネルギーの異なる電子を注入し、前記半
導体基板6に注入された電流2値を注入エネルギー毎に
測定し、エネルギーの異なる電子を注入する時に得られ
る前記半導体基板6からの発光8量を注入エネルギー毎
に測定し、 注入エネルギー毎に得られた発光8量を半
導体基板6に注入された電流2値で除算することによ
り、異なる深さにおかれた量子構造7からの規格化され
た発光強度を測定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、探針から半導体基板へ
注入した電子により、前記半導体基板の表面下深部に埋
設された積層構造内の極微小領域で生じた発光を測定
し、あるいは前記電子の注入位置を走査しながら、各電
子注入位置における電子の注入エネルギーと発光量を検
出することにより、量子構造の厚み分布をナノメータ・
オーダの高空間分解能で測定することを可能にする、半
導体基板の積層構造評価方法及びその実施に直接使用す
る積層構造評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体結晶の成長・加工技術の進
展により電子波長サイズの積層構造(=量子構造)が作
製可能になってきている。量子構造内では、電子は顕著
な量子効果を発現し、この効果を制御・利用することに
より新しい機能を持つデバイス(=量子デバイス)が実
現する可能性がある。
【0003】量子デバイスでは電子波長サイズと同程度
のナノメートル・オーダの構造ゆらぎがデバイス特性に
大きく影響するため、デバイス特性の向上には、量子構
造をナノメートル・オーダの空間分解能で評価すること
が必要となる。
【0004】従来の量子構造の評価手段としては、外部
から光または電子を量子構造内に注入し、生成した励起
子が再結合する際の発光(=励起子発光)を利用するも
のがある。
【0005】励起子は電子とほぼ同じ10nm前後のサ
イズであり、また発光エネルギーが量子構造のわずかな
変化に対して敏感に変化するので、励起子発光の測定に
より量子構造の様子を極めて高い精度で知ることができ
る。
【0006】実際の測定方法としては、電子・正孔対を
生成させる手段として光を用いるフォトルミネッセンス
(以下、「PL」と略記する)と高エネルギー電子を用
いるカソードルミネッセンス(以下、「CL」と略記す
る)がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
PL及びCLにおいては、以下に述べるように励起子拡
散長とプローブ径(=励起ビーム径)の問題があり、空
間分解能を劣化させている。
【0008】まず、励起子拡散の影響について述べる。
PL,CLいずれの場合も、励起子は生成してから発光
するまでの時間内に、生成した場所から遠方へ拡散す
る。拡散する範囲はサブミクロン程度以上の広がりを持
ち、PL,CLの空間分解能の向上を困難にしている。
【0009】また、励起子は生成した場所よりもエネル
ギーが低い(=厚い量子構造)領域へ拡散する特性があ
るため、厚い量子構造からの発光が必然的に強くなり、
発光量分布が必ずしも厚み分布を正確に反映しない問題
があった。
【0010】次に励起ビーム径の影響について述べる。
PLでは励起光として通常、可視光あるいはそれよりも
長波長の赤外光を用いるが、これらの光の波長は1ミク
ロン程度である。
【0011】励起光のスポットサイズは光の波長より小
さくできず、また他の装置構成上の要因で生じる広がり
も考慮すると、実際にはビーム径をミクロン・オーダ以
下にすることは困難である。
【0012】また、CLでは、電子エネルギーが高いた
めに試料内で広範囲に散乱され、散乱後の電子も電子・
正孔対を生成するので、例え電子ビーム径を細くして
も、電子・正孔対を生成する領域(=生成体積)を小さ
くすることは難しい。
【0013】このように、これらの手法では、励起子の
拡散長や励起ビーム径が大きいので、空間分解能をサブ
ミクロン・オーダより改善することが困難であり、ナノ
メータ・オーダの極微小領域の測定には適用できなかっ
た。
【0014】なお、ナノメータ・オーダの高分解空間能
を有する光学的評価手段として、光STM及びフォトン
走査顕微鏡があるが、いずれの方法も測定領域は試料表
面に限定され、表面下深部に埋設された構造の評価は、
原理的に不可能である。
【0015】以上、述べたように、表面下深部に埋設さ
れた量子構造の厚み分(=閉じ込めエネルギー)をナノ
メータ・オーダの空間分解能で測定可能な装置は、現在
のところ存在しない。
【0016】ここにおいて本発明は、ナノメートル・オ
ーダの超高分解能で量子構造を測定可能とする積層構造
評価方法及び積層構造評価装置を提供せんとするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手法及び手段を採用
することにより達成される。すなわち、本発明方法の第
1の特徴は、まず、積層構造を有する半導体基板にトン
ネル電流を利用してエネルギーの異なる電子を注入し、
次いで、前記半導体基板に注入された電流値を注入エネ
ルギー毎に測定し、引続き、エネルギーの異なる電子を
注入時に得られる前記半導体基板からの発光量を注入エ
ネルギー毎に測定し、さらに、注入エネルギー毎に得ら
れた発光量を半導体基板に注入された電流値で除算する
ことにより、異なる深さにおかれた量子構造からの規格
化された発光強度を測定してなる積層構造評価方法であ
る。
【0018】本発明方法の第2の特徴は、前記本発明方
法の第1の特徴における半導体基板にエネルギーの異な
る電子の注入が、まず、当該注入点を制御しながら変化
させ、次いで、各注入点での発光量を注入エネルギー毎
に測定して半導体基板に注入された電流値で除算するこ
とにより異なる深さにおかれた量子構造からの規格化さ
れた発光強度を測定し、引続き、当該規格化された発光
強度を各注入点の位置毎に対応させて表示することによ
り半導体基板の量子構造の厚みの空間分布を測定してな
る半導体基板の積層構造評価方法である。
【0019】本発明装置の第1の特徴は、積層構造を有
する半導体基板にエネルギーの異なる電子を注入する探
針と、前記探針と前記半導体基板との間に前記探針が前
記半導体基板に対して正電位となるようバイアス電圧を
印加する可変バイアス電源と、前記探針と前記半導体基
板との間に流れるトンネル電流を測定するトンネル電流
検出器と、前記半導体基板からの発光量を測定する光検
出器と、前記光検出器の測定信号と前記トンネル電流検
出器の測定信号とで演算・表示・記録を行う信号処理装
置とを有してなる半導体基板の積層構造評価装置であ
る。
【0020】本発明装置の第2の特徴は、前記装置の第
1の特徴における探針が、信号処理装置の指令を受けた
制御装置により半導体基板表面を走査駆動する探針駆動
機構を備えてなる半導体基板の積層構造評価装置でる。
【0021】
【作用】本発明は、前記のような新規な手法及び手段を
講ずるので、所定のエネルギーで電子を探針から試料内
に注入し、注入電流と、試料表面下深部に埋設された量
子構造に達した電子により生じた発光の光量またはエネ
ルギーを測定することにより、当該量子構造の厚みをナ
ノメートル・オーダの超高空間分解能で測定することを
可能とする。
【0022】
【実施例】
(装置例)本発明の装置例を、量子構造の中の井戸構造
を評価する場合について図面を参照して説明する。図1
は本装置例の概略構成を示す図である。図中、Aは本装
置例の積層構造評価装置、Pは測定点、1は探針、2は
トンネル電流、3はトンネル電流検出器、4は可変バイ
アス電源、5は空間、6は試料、6aは試料表面、7は
試料6に内在し上下障壁層7aと当該上下障壁層7aに
挟まれた中間井戸層7bからなるサンドイッチ状の量子
構造、8は電子・正孔対の再結合により生成した発光、
9は試料6内から外部に放出される発光8を受光する分
光器及び光電変換器等からなる光検出器、10はトンネ
ル電流検出器3及び光検出器9からの出力測定信号S
1,S2を処理・表示及び記録する信号処理装置、11
は例えばピエゾ素子等を用いた探針駆動機構、12は信
号処理装置10からの動作指令信号S3を受け探針駆動
機構11を制御する制御操作信号S4を発する制御装置
である。
【0023】本装置例の積層構造評価装置Aはこのよう
な具体的実施態様を呈するが、次にその動作原理につき
説明する。まず、探針1を試料6表面6aの極く近傍に
設置し、探針1と試料6表面6aとの間に探針1が試料
6表面6aに対して正電位となるように可変バイアス電
源4によりバイアス電圧を加える。
【0024】バイアス電圧を調節して、注入エネルギー
を障壁層7aのポテンシャル・エネルギーより低い範囲
内で設定する。これにより探針1先端から試料6表面6
aに向かって、空間5を通してトンネル電流2が放射さ
れる。
【0025】バイアス電圧で定められた注入エネルギー
を得て試料6内に注入されたトンネル電流2の多くは試
料6内である程度の距離をエネルギーを失うことなく直
進する。
【0026】この、固体内でエネルギーを失うことなく
移動する電子を、「弾道電子」と呼ぶ。また、電子がエ
ネルギーを失うことなく進む距離の平均値を、「平均自
由行程」と呼ぶ。
【0027】試料6の表面6aから平均自由行程内に量
子構造7があれば、弾道電子は量子構造7に注入エネル
ギーを保持したまま到達する。量子構造7に弾道電子と
共鳴するエネルギー準位がある時には、発光強度が増大
する。
【0028】文献[L. D. Bell and W. J. Kaiser, Phy
s. Rev. Let. 61, 2368 (1988)]によれば、ポテンシャ
ルが変化する領域(以下、「ポテンシャル境界」とす
る)では進行方向がポテンシャル境界に対して垂直から
一定角度以上はずれた電子はポテンシャル境界を通過で
きないので、ポテンシャル領域を透過できる電子はそれ
以前に散乱を受けていない弾道電子であると考えて良
い。ポテンシャル境界を透過した弾道電子の横方向広が
りは極めて狭く、ナノメートル・オーダまで抑えられ
る。
【0029】本装置例Aにおいては、障壁層7a(ポテ
ンシャル境界とみなせる)を透過し量子構造7の井戸層
7bに達した弾道電子のエネルギーが電子・正孔対のエ
ネルギーに一致する場合には、多数の電子・正孔対が生
成される。電子・正孔対が生成する領域の大きさは、弾
道電子ビームの直径程度のナノメートル・オーダであ
り、極めて狭い。
【0030】生成した電子・正孔対は、励起子を形成
後、再結合して発光する。発光8量は量子構造7の井戸
層7bに達した弾道電子が創生した電子・正孔対の個数
に比例する。発光8量と弾道電子エネルギーとの関係を
測定することにより量子構造7の井戸層7bの厚みを測
定することができる。
【0031】ところで、トンネル電流2は試料6表面6
aの状態に極めて敏感であり、表面状態のわずかな変化
でトンネル電流2が大きく変化する。この変化は測定対
象たる試料6の量子構造7とは無関係であり、結果的に
測定誤差となるので、トンネル電流2変動の影響を取り
除くために、信号処理装置10において発光8量をトン
ネル電流2で規格化(単位トンネル電流あたりの発光量
に換算)する。この値を、以下本願においては、「規格
化した発光強度」と呼ぶ。
【0032】本装置例の積層構造評価装置Aにおいて
も、電子・正孔対は発光消滅するまでに、従来のPLや
CLで生じるのと同様に、量子構造7内を拡散する。し
かし、積層構造評価装置Aでは、従来のCLのような電
子・正孔対が拡散した後に発光した場所のエネルギーで
はなく、電子・正孔対が生成した場所のエネルギーを測
定しているので、電子・正孔対が生成する位置の量子構
造7の情報を拡散長とは無関係に測定することが可能で
ある。
【0033】電子・正孔対が生成する位置の広がりは、
ほぼ弾道電子ビームの直径程度であり、これはナノメー
トル・オーダであって、従来のPLやCLと比較して著
しく狭い。すなわち、本装置例の積層構造評価装置Aで
は、電子・正孔対等の拡散の影響を排除でき、ビーム径
をナノメートル・サイズにできることから測定の最終的
な空間分解能をナノメートル・オーダまで高めることが
可能である。
【0034】(方法例)次に、前記装置例に適用した本
発明の方法例の実行手順を述べる。まず、量子構造7中
の井戸層7bの厚みを求める手順を述べる。積層構造の
試料6上の測定点Pに探針1を位置決めし、試料6外に
放出されて来る発光8を検出できるように分光器等の光
検出器9を設定する。次いで、電子の注入エネルギーを
可変バイアス電源4によりバイアス電圧を制御して変化
させ、発光8の量と注入トンネル電流2を測定し、信号
処理装置10で「規格化した発光強度」を求める。
【0035】以降、同様に、バイアス電圧を制御して注
入エネルギーを変化させながら、各注入エネルギーごと
に発光8量とトンネル電流2を測定し、「規格化した発
光強度」と注入エネルギーとの関係を求める。
【0036】発光8量がピークとなるときの注入エネル
ギーが測定点Pにおける量子構造7の厚みを表すので、
これにより当該測定点Pにおける量子構造7の井戸層7
bの厚みが求められる。
【0037】ここで、量子構造7の井戸層7bの厚みの
空間分布を測定する場合について述べる。さらに、可変
バイアス電源4により探針1のバイアス電圧を制御し
て、測定対象の量子構造7の閉じ込めエネルギーに相当
する値に電子の注入エネルギーを設定する。引続き、こ
の注入エネルギーを保持したまま、信号処理装置10の
動作指令信号S3を受けた制御装置12の次の測定点P
のプロット制御操作信号S4の指示に従って探針1を試
料6上で探針駆動機構11により走査する。
【0038】その上、各測定点Pで発光8量とトンネル
電流2を測定し、発光量8をトンネル電流2で「規格化
した発光強度」を求める。加えて、この「規格化した発
光強度」をプロットした各測定点Pの位置に対応させて
表示すると、測定対象たる試料6の量子構造7の井戸層
7bの厚みの空間分布が最終的に得られる。
【0039】以上の実施例においては、量子井戸構造を
持った半導体基板の評価に関して説明を行ったが、他の
量子構造、例えば、量子細線構造、量子箱構造等の評価
に関しても同様に本願の方法例及び装置例を用いて評価
を行えば、従来よりも数段優れた精度で評価を行えるこ
とはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層構造評価方
法及び積層構造評価装置によれば、トンネル電流の注入
エネルギーとトンネル電流で「規格化した発光量」を検
出することにより、表面下深部にある量子構造の厚みを
ナノメートル・オーダの超高空間分解能で測定すること
が可能となる等優れた有用性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置例及び方法例を説明する概略構成
模式図である。
【符号の説明】
A…積層構造評価装置 P…測定点 S1,S2…測定信号 S3…動作指令信号 S4…制御操作信号 1…探針 2…トンネル電流 3…トンネル電流検出器 4…可変バイアス電源 5…空間 6…試料 6a…試料表面 7…量子構造 7a…障壁層 7b…井戸層 8…発光 9…光検出器 10…信号処理装置 11…探針駆動機構 12…制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】まず、積層構造を有する半導体基板にトン
    ネル電流を利用してエネルギーの異なる電子を注入し、 次いで、前記半導体基板に注入された電流値を注入エネ
    ルギー毎に測定し、 引続き、エネルギーの異なる電子を注入時に得られる前
    記半導体基板からの発光量を注入エネルギー毎に測定
    し、 さらに、注入エネルギー毎に得られた発光量を半導体基
    板に注入された電流値で除算することにより、異なる深
    さにおかれた量子構造からの規格化された発光強度を測
    定することを特徴とする半導体基板の積層構造評価方
    法。
  2. 【請求項2】半導体基板にエネルギーの異なる電子の注
    入は、まず、当該注入点を制御しながら変化させ、 次いで、各注入点での発光量を注入エネルギー毎に測定
    して半導体基板に注入された電流値で除算することによ
    り異なる深さにおかれた量子構造の規格化された発光強
    度を測定し、 引続き、当該規格化された発光強度を各注入点の位置毎
    に対応させて表示することにより半導体基板の量子構造
    の厚みの空間分布を測定することを特徴とする請求項1
    記載の半導体基板の積層構造評価方法。
  3. 【請求項3】積層構造を有する半導体基板にエネルギー
    の異なる電子を注入する探針と、 前記探針と前記半導体基板との間に前記探針が前記半導
    体基板に対して正電位となるようバイアス電圧を印加す
    る可変バイアス電源と、 前記探針と前記半導体基板との間に流れるトンネル電流
    を測定するトンネル電流検出器と、 前記半導体基板からの発光量を測定する光検出器と、 前記光検出器の測定信号と前記トンネル電流検出器の測
    定信号とで演算・表示・記録を行う信号処理装置と、 を有することを特徴とする半導体基板の積層構造評価装
    置。
  4. 【請求項4】探針は、信号処理装置の指令を受けた制御
    装置により半導体基板表面を走査駆動する探針駆動機構
    を備えることを特徴とする請求項3記載の半導体基板の
    積層構造評価装置。
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