JPH07178492A - 摺動面の作成方法 - Google Patents

摺動面の作成方法

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JPH07178492A
JPH07178492A JP5322447A JP32244793A JPH07178492A JP H07178492 A JPH07178492 A JP H07178492A JP 5322447 A JP5322447 A JP 5322447A JP 32244793 A JP32244793 A JP 32244793A JP H07178492 A JPH07178492 A JP H07178492A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動面自身の耐摩耗性が高く、かつ、摺動の
相手側の部材を摩耗させる量も少ない摺動面を作成す
る。 【構成】 マトリックス12中に硬質粒子14を含有す
る素材からなる面(20)に対して、ローラ30を押圧
しつつ転動させることによって、摺動に適した面20を
作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、摺動に適した面を作
成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質粒子が分散した金属材料に摺
動に適した面を作成する方法として、砥石等で研摩する
のみのものがある。また、耐摩耗性を有する面の作成方
法としては、特開平4−294931号公報に開示され
ているものがある。その製造方法は、硬質粒子を含有す
る金属母材(マトリックス)を圧縮加工し、所望の寸法
となるように機械加工した後に、その表面を硬質粒子よ
りも金属母材の方が腐食しやすい条件下でエッチング処
理して硬質粒子の一部を露出させるものである。この方
法によると、圧縮加工によって金属組織が緻密になって
硬度が高くなるとももに、エッチング処理によって硬質
粒子の一部が突出するようにして露出するため、その耐
摩耗性が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
単に研摩するのみの場合においては次のような欠点があ
る。すなわち、自身の強度向上のためにマトリックス中
に硬質粒子を含有する素材を用いて、その面を研摩して
摺動面を作成した場合は、図1に示すように、軟らかい
マトリックス12が優先的に研摩されるので、マトリッ
クス12の表面12aから硬質粒子14が突出した状態
となる。その際、硬質粒子14の突出部分16の表面の
うち前面部16aはもちろんのことそれ以外の部分(脇
部)16bも露出した状態であって、硬質粒子14の角
部も露出した状態となり、摺動の際に摺動の相手側の部
材を大きく摩耗させてしまうこととなる。また、上記公
報記載の方法でも、その面自身の耐摩耗性は向上する
が、単に研摩するのみの場合以上に硬質粒子が露出して
突出することとなり、摺動面に適用させると、単に研摩
するのみの場合以上に摺動の相手側の部材を摩耗させて
しまうこととなる。
【0004】そこで、本発明は、摺動面自身の耐摩耗性
が高く、かつ、摺動の相手側の部材を摩耗させる量、す
なわち相手攻撃性も少ない摺動面を作成する方法を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明に係る摺動面の作成方法は、金属マトリック
ス中に硬質粒子を含有する素材からなる面に対して、ロ
ーラを押圧しつつ転動させることによって、摺動に適し
た面を作成することを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明においては、マトリックスよりも硬質粒
子の方が降伏強度が大きいため、摺動面に対するローラ
の押圧転動によって、硬質粒子が弾性圧縮されつつマト
リックスが塑性圧縮されて硬質粒子がマトリックスに若
干埋まるようになり、その後ローラによる押圧が解除さ
れると、硬質粒子の弾性圧縮が復元するとともに、硬質
粒子の脇側に位置していたマトリックスも硬質粒子に引
きずられるようにして復元方向に移動する。これが繰り
返されることによって、硬質粒子のうちのマトリックス
の表面からの突出部分の表面のうちの前面部以外の部分
(脇部)が、マトリックスに滑らかに覆われた構造とな
り、硬質粒子の角部(エッジ部)もマトリックスに覆わ
れることとなる。そのため、摺動の相手側の部材に対し
ても穏やかに接触することとなる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、この摺動部材10は、マト
リックス12中に硬質粒子14が含有されている。マト
リックス12としては、アルミニウムを6%,バナジウ
ムを4%含むチタン合金を使用した。また、硬質粒子1
4としては、ほう化チタン(TiB)が分散されてい
る。硬質粒子14のマトリックス12に対する割合は、
体積率で約10%である。
【0008】そして、まず砥石等によって、摺動部材1
0の摺動面20が10点平均粗さで3〜10μmRz程
度の滑らかさになるまで、摺動面20を研摩する(図1
はその研摩後の状態である)。すると、硬質粒子14は
硬いため研摩されにくく、マトリックス12は硬質粒子
14と比べて柔らかいため研摩されやすいことから、摺
動面20は、マトリックス12の表面12a上から硬質
粒子14が一部露出した状態となる。マトリックス12
の表面12aはほぼ平面状であり、硬質粒子14につい
ては、マトリックス12の表面12aから突出した突出
部分16の表面のうちの前面部16aはもちろんそれ以
外の部分(脇部)16bも露出した状態となる。そのた
め、硬質粒子14の角部(エッジ部)も露出した状態で
ある。なお、面粗さが粗い場合、マトリックス12の表
面12aが平面状とはならず、波立った状態となり、一
部の硬質粒子14がマトリックス12に埋まった状態と
なることはある。しかし、ラップ仕上げ等を行うと図1
のような状態となる。
【0009】そして、次に、図2に示すように、摺動面
20に対してローラ30を押圧しつつローラ30を転動
させる(バニッシュ加工)。これを何度も繰り返させ
る。すると、マトリックス12よりも硬質粒子14の方
が降伏強度が大きいため、マトリックス12は塑性変形
を起こす。すなわち、ローラ30による押圧によって硬
質粒子14が弾性圧縮しつつ、マトリックス12(特に
硬質粒子14の背後側の部分)が塑性圧縮されて硬質粒
子14がマトリックス12に若干埋まるようになる。そ
して、その後ローラ30による押圧が解除されると、硬
質粒子14の弾性圧縮が復元するとともに、硬質粒子1
4が埋まっていた際に硬質粒子14の側面部16bに位
置していたマトリックス12が、硬質粒子14の弾性復
元に伴って復元方向へ移動する。これが繰り返されるこ
とによって、図3に示すように、硬質粒子14のうちの
マトリックス12の表面12aからの突出部分16のう
ちの脇部16bは、マトリックス12に滑らかに覆われ
た構造となる。このため、硬質粒子14の角部(エッジ
部)はマトリックス12に覆われることとなる。そのた
め、摺動面20は、摺動の相手側の部材に対しても穏や
かに接触することとなり、摺動の相手側の部材を摩耗さ
せる量が低く抑えられることとなるのである。
【0010】次に、図4(a),(b) に基づいて、上記の方
法を応用して軸材70(直径6mm,長さ90mm)の側面
71を加工する方法を説明する。その際には、図示の工
具72を用いる。工具72は、円筒状の本体部74を有
し、本体部74の内側面75に対して、それぞれの径が
6mmの6つのローラ76が、本体部74と平行に設けら
れている。各ローラ76は各自の中心軸線を中心に回転
可能に設けられており、かつ、各ローラの側面77の一
部は、本体部74の内側面75から少し突出している。
その内径は軸材70の外径より小さくされており、その
差がバニッシュ量となり、本実施例では50μmであ
る。そして、工具72を軸回り方向に回転させながら
(800rpm)、工具72を軸材70に嵌合させた状態で、
工具72を軸材70の一端から他端へと約5秒間で通過
させる。すると、相対的に、軸材70の側面71がロー
ラ76によって押圧転動されたこととなり、前述の方法
と同様に、軸材70の側面71(摺動面)の加工が行わ
れるのである。
【0011】次に、その実験結果を示す。図5に示すよ
うに、鋳鉄FC20からなる長さ45mm,内径6mmの円
筒状の軸受材50を、円筒形の内側面52aを有する支
持部材52内にセットする。また、前述したチタン合金
(アルミニウムを6%,バナジウムを4%含むもの)の
マトリックス中にほう化チタンの硬質粒子が分散した材
料からなる直径6mmの丸棒状の軸材54を軸受材50に
挿入し、軸受材50の内側面50aと軸材54の外側面
54a(摺動面)との間に潤滑油(米国自動車技術会が
定める粘度分類7.5W−30のエンジンオイル)を滴
下し、オイルシール56を施す。そして、支持部材52
の側面に対して150Nの押圧力を加えた状態で、軸材
54を1分間に1200回のペースで往復摺動させる。
すなわち、軸受材50の内側面50aと軸材54の外側
面が、圧力が加わった状態で摺動する。そして、その後
の軸材54の外側面54a(摺動面)と、軸受材50の
内側面50aの摩耗度合いを測定する。各部材の摩耗度
合いは、各部材とも複数箇所の摩耗度合いを測定してそ
の平均をとる。軸受材50の測定箇所は、オイルシール
56との接触面からの距離で5mm,10mm,20mm,3
0mm,40mmの5点である。軸材54はストローク10
mmで往復動させるので、長さ90mmのうち中央部の65
mmが摺動部となるが、摺動部の両端から各5mmの位置
と、中央部の3ヶ所で軸径を測定している。この実験の
場合、軸受材50の内側面50aは単に研摩しただけの
ものを用い、軸材54の外側面54a(摺動面)は、単
にラップ研摩しただけの場合(従来品1)と、上記の加
工を施した場合(本実施例)とを用いた。なお、軸材5
4の外側面54a(摺動面)は、従来品1も本実施例
も、ともに、10点平均表面粗さは0.5μmRzであ
り、マトリックスの表面からの硬質粒子の突出量は0.
1μmであった。また、ラップ研摩条件を変えて10点
平均表面粗さを0.5μmRzとして、マトリックスの
表面からの硬質粒子の突出量を0.02μmとしたもの
を従来品2とした。その結果、図6のグラフに示すよう
に、本実施例の軸受部の内側面50a(摺動の相手側)
の摩耗量は従来品1,2に比べて格段に減少しているこ
とがわかる。また、軸材54の外側面54aの摩耗量も
従来品1,2と比べて減少していることがわかる。な
お、グラフの縦軸は従来品1の軸材の摩耗量を1とした
ときの摩耗量の比である。
【0012】また、表面粗さが同じ程度となるまで加工
する際に要する時間を比較しても、本実施例は従来の方
法と比較して優れており、短時間で優れた摺動特性が得
られることがわかった。すなわち、10点平均表面粗さ
がともに0.5μmRzとなるまで加工する際、従来の
方法では、例えばまず10点平均表面粗さが10μmR
zとなるまで粗研摩し、ついで3μmRzとなるまで中
研摩し、ついで1μmRzとなるまで精研摩し、さらに
0.5μmRzとなるまでラップ仕上げする必要があっ
た。それに比べ、本実施例では、従来の方法と同様に粗
研摩及び中研摩して10点平均表面粗さがともに3μm
Rzとなった後に、上述のバニッシュ加工をすればよ
い。そのため、その各方法の加工時間をグラフにする
と、図7のように、本実施例では従来の方法と比べて加
工時間が短かくて済むことがわかる(図7では本実施例
の場合を1として示す)。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
によれば、硬質粒子のうちのマトリックスの表面からの
突出部分の表面のうちの前面部以外の部分(脇部)は、
マトリックスに滑らかに覆われた構造となり、硬質粒子
の角部(エッジ部)もマトリックスに覆われることとな
る。そのため、硬質粒子を含有することによって自身の
強度が向上するとともに、その硬質粒子を含む摺動面が
摺動の相手側の部材に対しても穏やかに接触することと
なり、摺動の相手側の部材を摩耗させる量が減少される
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による摺動面の作成の途中の
状態を示す断面図である。砥石による研摩後であって、
ローラによって押圧転動される前の状態を示す。また、
従来の研摩の例をも示す。
【図2】図1の状態の後において、ローラによって押圧
転動される状態を示す断面図である。
【図3】図2の加工が終了した後の状態を示す断面図で
ある。
【図4】軸材に対して加工する方法を示す図である。
(a) はその加工に用いる工具の平面図であり、(b) はそ
の実際の加工を示す斜視図である。
【図5】本実施例の効果を確認する実験方法を説明する
図である。
【図6】本実施例及び比較例(従来品)の摩耗量につい
ての実験結果のグラフを示す図である。
【図7】本実施例及び比較例(従来方法)の加工時間に
ついての実験結果のグラフを示す図である。
【符号の説明】
12 マトリックス 14 硬質粒子 20 摺動面 30 ローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属マトリックス中に硬質粒子を含有す
    る素材からなる面に対して、ローラを押圧しつつ転動さ
    せることによって、摺動に適した面を作成することを特
    徴とする摺動面の作成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155328A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Oiles Ind Co Ltd 摺動部材用アルミニウム合金
JP2002155327A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Oiles Ind Co Ltd 摺動部材用アルミニウム合金
JP2002155330A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Oiles Ind Co Ltd 摺動部材用アルミニウム合金
JP2002155329A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Oiles Ind Co Ltd 摺動部材用アルミニウム合金

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JP2002155329A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Oiles Ind Co Ltd 摺動部材用アルミニウム合金

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