JPH07185337A - 脱臭用吸着剤及び脱臭用吸着シート - Google Patents

脱臭用吸着剤及び脱臭用吸着シート

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JPH07185337A
JPH07185337A JP5350518A JP35051893A JPH07185337A JP H07185337 A JPH07185337 A JP H07185337A JP 5350518 A JP5350518 A JP 5350518A JP 35051893 A JP35051893 A JP 35051893A JP H07185337 A JPH07185337 A JP H07185337A
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deodorizing
adsorbent
sheet
paper sheet
powder
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Mototaka Ueno
素敬 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の吸着剤よりも格段に、速い吸着速度、大
きな吸着容量、さらに一度吸着したものは排出しない強
い吸着力をもつ脱臭用吸着剤及びこの吸着剤粉体を使用
した脱臭用吸着シートを提供することを目的とする。 【構成】本発明の脱臭用吸着剤は、従来の吸着剤を基材
として、これに、1水塩又は複数の水塩を昇華させた金
属錯体を、混合して成ることを特徴としている。また本
発明の脱臭用吸着シートは、上記の脱臭用吸着剤粉体が
2枚の紙シートの間に挟み込まれて成ることを特徴とす
る。さらに本発明の脱臭用吸着シートにおいては、前記
2枚の紙シートのうちの第1の紙シートは凹凸状に形成
されており、この第1の紙シートの凹状部分と第2の紙
シートとが固定されると共に、この第1の紙シートの凸
状部分と第2の紙シートとの間に上記の脱臭用吸着粉体
が挟み込まれていることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来よりも異臭を吸着
して脱臭するための脱臭用吸着剤及びこの脱臭用吸着剤
の粉体を含む脱臭用吸着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人間の排出する異臭物の匂
い、例えば、トリメチルアミン(魚の腐った匂い)、ア
ンモニア、硫化水素(卵の腐った匂い)、メチールメル
カフテン(玉葱の腐ったような匂い)、インドール、ス
カトール(糞便臭)等による匂いは問題視され、これら
の匂いを除去するために、粉体又は液状の吸着剤を使用
することが行われている。この吸着剤の代表的なものと
しては活性炭が挙げられるが、他にも、活性アルミナ、
シリカゲル、酸化チタン、酸性白土、ケイソウ土、デン
プンなどがよく用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の吸着剤では、例えばその代表的な活性炭で
は、まず吸着速度が遅いため異臭が発生しても早期にそ
れを除去することができない、また吸着容量が少ないた
め異臭成分が多い場合は十分な異臭除去ができない、さ
らに一旦吸着した後でも気温や気圧などの環境の変化に
よって吸着した成分の一部を排出してしまう、などの不
都合がある。これは、活性炭に限らず従来の吸着剤にほ
ぼ共通する問題点である。
【0004】本発明はこのような従来の吸着剤の問題点
に着目してなされたもので、従来の吸着剤よりも格段
に、速い吸着速度、大きな吸着容量、さらに一度吸着し
たものは排出しない強い吸着力をもつ脱臭用吸着粉体及
びこの粉体を使用した脱臭用吸着シートを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の脱臭用吸着剤は、吸着剤の粉体を基材とし
て、これに、1水塩又は複数の水塩を昇華させた金属錯
体(金属錯塩ともいう。以下同じ)粉体を、混合して成
ることを特徴としている。また本発明の吸着剤は、粉体
の状態で使用してもよいし、水で希釈して希釈液の形で
使用してもよい。
【0006】また本発明の脱臭用吸着シートは、第1の
紙シートの上に請求項1の脱臭用吸着剤の粉体が膜状に
付着固定され、この膜状の脱臭用吸着粉体の上にさらに
第2の紙シートが付着固定されて成り、前記第1又は第
2の紙シートの少なくともいずれか一方は通気性を有し
ていることを特徴としている。
【0007】さらに本発明の脱臭用吸着シートは、多数
の小さな凹凸状部分が形成されている通気性をもつ第1
の紙シートと、この第1の紙シートに対向しこの第1の
紙シートの前記凹凸状部分の凹状部分と付着固定された
第2の紙シートと、前記第1の紙シートの前記凹凸状部
分の凸状部分と前記第2の紙シートとの間の隙間に封入
された請求項1の脱臭用吸着剤の粉体と、から成ること
を特徴としている。
【0008】
【作用】上述のように、本発明による脱臭用吸着剤で
は、例えば、吸着剤の粉体に1水塩又は複数の水塩を昇
華させた金属錯体の粉体を混合して成る。異臭物から異
臭成分が揮発されると、その異臭成分は、まず金属錯体
粉体に接触して直ちに吸着されやすい状態に化学変化さ
せられる。そして、この異臭成分は、この吸着されやす
いように化学変化させられた状態で、前記吸着剤粉体に
吸着される。そのため、本発明による脱臭用吸着剤は、
金属錯体を含まない従来の吸着剤の場合に比べて、格段
に、吸着速度、吸着容量、吸着力が向上されるようにな
る。
【0009】また本発明の脱臭用吸着シートは、第1の
紙シートと第2の紙シートの間に脱臭用吸着粉体を膜状
に固定している。したがって、このシートを、粉体の状
態のままでは利用が難しい、壁紙、布団のシート、医療
機関用衣服、医療機関用カレンダー、などにもそのまま
利用できるので、本発明の脱臭用吸着剤の吸着粉体の用
途を格段に広げることができるようになる。また本発明
において、前記第1又は第2の紙シートの少なくともい
ずれか一方は通気性を有しているので、異臭物から発生
した異臭成分を、通気性の紙シートを通して効率的に吸
着できるようになる。
【0010】さらに本発明の脱臭用吸着シートは、多数
の小さな凹凸状部分が形成されている第1の紙シートの
凸状部分と前記第2の紙シートとの間の隙間に、脱臭用
吸着剤の粉体を封入している。したがって、このシート
を、粉体の状態のままでは利用が難しい、壁紙、布団の
シート、医療機関用衣服、医療機関用カレンダー、など
にもそのまま利用できるようになるので、本発明の脱臭
用吸着剤の用途を格段に広げることができるようにな
る。特にこの脱臭用吸着シートでは、通気性をもつ第1
の紙シートに凹凸状部分が多数形成され、これらの多数
の凹凸状部分の存在により空気と接する通気性のある面
積が大きくなっているので、異臭物から発生する異臭成
分の吸着がより一層効率化されるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず本発
明で使用される吸着剤は従来から使用されている様々な
もの(例えば活性炭、活性白土、デンプン、ケイソウ
土、活性アルミニウム、活性ケイ酸など)を使用できる
が、この実施例では、例えばケイ素の粉体を使用してい
る。このケイ素粉体は、公知の方法により、例えば、ケ
イ素ナトリウムに希塩酸を反応させて、塩化ナトリウム
のみを水処理で除去し、ケイ素のみを濾過し乾燥させる
ことなどにより、得ることができる。
【0012】次に、この吸着剤としてのケイ素粉体に混
合する金属錯体について説明する。本発明で使用する金
属錯体には、1水塩(1H2O)又は複数の水塩(H
2O)を昇華により除去できる金属錯体であれば、様々
なものが使用できる。この実施例では、例えば、粗製炭
酸マンガンMnCO2(分子量114.95)に希硫酸
2SO4(10%のH2Oを含む)を反応させて、これ
に過酸化水素H22(V/30W %)を加え、さらに
硫酸マグネシウムMgSO4.7H2Oを加えることによ
って、複塩硫酸マグネシウムマンガンMnCO2SO4
MgSO4+H2O+SO4+7H2Oという金属錯体の粉
体(金属キレート)が生成される。
【0013】そして、本実施例では、以上により得られ
た金属錯体である複塩硫酸マグネシウムマンガンの粉体
を、公知の方法、例えば遠赤外線の放射により高温化
(例えば摂氏100度)された空間中を通過させるとい
う方法により、この金属錯体粉体から1水塩(1H
2O)を昇華させるようにしている。これにより、前記
の複塩硫酸マグネシウムマンガンMnCO2SO4.Mg
SO4+H2O+SO4+7H2Oという金属錯体から、1
水塩(1H2O)がとばされた、MnCO2SO4.Mg
SO4+H2O+SO4+6H2Oの構造をもつ金属錯体が
生成される。なお、ここで、本実施例において、上記の
ような方法により、金属錯体から1水塩(1H2O)を
昇華させているのは、以下に述べる理由による。すなわ
ち、1水塩(1H2O)を昇華させて除去しないままの
金属錯体は、時間の経過と共に外部の水分を取り込んで
固化してしまい、粉体の状態を長期間保つことができな
いが、上記のように1水塩(1H2O)を昇華させた金
属錯体にすることにより長期間粉体の状態を保つことが
できる(粉体の状態だとガスなどを吸着しやすいので粉
体の状態が吸着には望ましい)からである。
【0014】以上により生成された1水塩(1H2O)
を昇華させた複塩硫酸マグネシウムマンガンMnCO2
SO4.MgSO4+H2O+SO4+6H2Oという金属
錯体の粉体を、前記のケイ素粉体に、公知の方法で混合
させる。これにより、本実施例に係る脱臭用吸着剤の粉
体が形成される。
【0015】なお以上は、複塩硫酸マグネシウムマンガ
ンMnCO2SO4.MgSO4+H2O+SO4+6H2
を一例に本実施例の金属錯体の粉体を説明したが、本発
明においては、これ以外に様々な金属錯体が使用できる
ことは勿論である(また、上記の遠赤外線による高温中
を通過させるなどの方法で水塩(H2O)を昇華させる
ことについても、本発明では本実施例のように1水塩
(1H2O)である必要はなく、例えば2水塩(2H
2O)などの複数の水塩を昇華する場合も本発明の範囲
に含まれることはもちろんである)。
【0016】本発明に使用できる金属錯体としては、上
記の複塩硫酸マグネシウムマンガン以外に、例えば、複
塩硫酸マグネシウム亜鉛がある。この複塩硫酸マグネシ
ウム亜鉛は、例えば、硫酸亜鉛と硫酸ナトリウムとを水
中に溶入して濾過したものを合併し、公知の噴霧嵌装装
置を使用して白色の複塩硫酸マグネシウム亜鉛の絶乾物
を微粉末として採集することができる。よって、この複
塩硫酸マグネシウム亜鉛を本発明の脱臭用吸着粉体に使
用できる。また本発明の粉体に使用できる金属錯体とし
ては、以上のもの以外に、複塩酢酸ナトリウム(上記の
高温処理により1水塩を昇華させたもの)、複塩酢酸カ
リウム(1水塩を昇華させたもの)、複塩硫酸ナトリウ
ム亜鉛(2水塩を昇華させたもの)、などの様々な金属
錯体(金属キレート)が使用できる。
【0017】なおここで、前記の本発明の脱臭用吸着粉
体に使用できる複塩硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO4
Na2SO4)の製造について付言しておく。硫酸亜鉛
(ZnSO4・7H2O)は、硫酸アルカリ、例えば硫酸
ナトリウム(NaSO4・10H2O)と複塩を作り複塩
硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO4+NA2SO4・6H
2O)を生じる性質がある。硫酸亜鉛は7分子の結晶水
を含有しており(その内6分子の水分は100度C未満
の低い温度で容易に蒸発除去することができ、残る1分
子の結晶水分は100度Cを超える高熱を与えなければ
除去することができない)、また硫酸ナトリウムは10
分子の結晶水をもっているが、複塩になると結晶水は6
分子となり、150度Cで容易に脱水して無塩水となる
(硫酸亜鉛としては6分子までは150度Cで容易に脱
水するが残りの1分子の結晶水は200度を超えないと
脱水しない)。
【0018】次にここで、本発明の実施例による脱臭作
用を、前記の複塩硫酸ナトリウム亜鉛を金属錯体として
使用した吸着剤の例で説明する。まず、アンモニア臭に
対する作用を説明する。屎尿中の尿素が細菌等によって
分解すると炭酸アンモニアに変化する。 (OCNH22+2H2O=(NH42CO3 そして、これは容易にアンモニアに変化する。 (NH42CO332NH3+H2O+CO2 複塩硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO4・NA2SO4+H2
O+SO4+6H2O)は、複塩から発生した硫酸ブーベ
成分の作用により、前記の炭酸アンモニア(NH4)C
3の発生を防止し無臭とする。 (NH42CO3+H2SO4=(NH42SO4+H2
+CO2 また、複塩硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO4・NA2SO
4+H2O+SO4+6H2O)は、既に屎尿中に遊離する
アンモニアをとらえてその刺激性悪臭を中和し無臭とす
る。 2NH3+H2SO4=(NH4)SO4 次に屎尿中の硫黄を含む蛋白質が腐敗して生じる硫化水
素H2Sに対しても、上記の複塩硫酸ナトリウム亜鉛
は、中和と無臭化する。 ZNSO4+NA2SO4+6H2O+H2S=ZNS+H2
SO4+NASO4+6H2
【0019】図1は上記の本発明による脱臭用吸着粉体
の使用の一例を示すもので、この脱臭用吸着粉体1を、
小さな袋3(例えば縦50〜60ミリメートル、横50
〜70ミリメートル、幅2〜5ミリメートルの袋)に封
入したものである。この袋3は、通気性のある紙2によ
り形成されている。またこの粉体を封入した袋3は、例
えば、病人のベッドの敷布団の下、病人の服の中、遺体
の載置シートの下、など様々な場所に置くことにより、
強力な吸着脱臭効果を発揮させることができる。また本
発明による脱臭用吸着粉体は、以上のような袋に入れな
で粉体のままで、例えば壁在などに粉体として混入させ
ることなどの方法で、利用することもできる。なお、こ
の脱臭用吸着粉体の作用及び効果の詳細は、後述する本
発明の脱臭用吸着シートの実施例の作用効果と併せて後
で説明する。
【0020】次に図2は本発明の脱臭用吸着シートの実
施例を示す斜視図である。この図2の脱臭用吸着シート
6は、第1の紙シート4の上に、前述の脱臭用吸着粉体
1が膜状に付着固定(例えば糊により接着)され、さら
にこの膜状の脱臭用吸着粉体1の上に第2の紙シート5
が付着固定(例えば糊により接着)されて構成されてい
る。また本実施例では、前記第1の紙シート4及び第2
の紙シート5は、いずれも通気性を有する不織布で構成
されている。このように脱臭用吸着粉体1を通気性のあ
る不織布のシート4,5で挟み込んでいるため、異臭物
からの異臭成分を効率的に吸着することが可能となる。
この脱臭用吸着シート6は、粉体のままの状態では利用
が難しい用途、例えば、壁紙、布団のシート、医療機関
用衣服(の一部)などにもそのまま利用できる。
【0021】また本発明では、例えば図2の第1の紙シ
ート4のみを通気性のある不織布シートで形成し、第2
の紙シート5は表面を印刷した通気性の乏しい紙シート
で形成してもよい。この場合は、第2の紙シート5に文
字や絵を印刷することにより、本実施例の脱臭用吸着シ
ート6をカレンダーやポスターなどに利用することが可
能となる。
【0022】次に図3は本発明の脱臭用吸着シートの他
の実施例を示す斜視図である。この図3の脱臭用吸着シ
ート7は、多数の小さい凹凸状部分(例えば、本実施例
では、これらの多数の凹凸状部分の互いの間隔は約2〜
5ミリメートル程度)が一面に均等配置されるように形
成された通気性をもつ第1のシート8と、この第1の紙
シート8に対向しこの第1の紙シート8の前記凹凸状部
分の凹状部分8aと圧着固定された第2の紙シート9
と、前記第1の紙シート8の前記凹凸部分の凸状部分8
bと前記第2の紙シート9との間の隙間に封入された前
記脱臭用吸着粉体1と、から構成されている。この脱臭
用吸着シート7は、図2の脱臭用吸着シート6と同様
に、粉体のままの状態では利用が難しい用途、例えば、
壁紙、布団のシート、医療機関用衣服(の一部)、医療
機関用のカレンダーやポスターなどにもそのまま利用で
きる。また特にこの脱臭用吸着シート7では、通気性を
もつ第1の紙シート8に凹凸状部分(図3の8a及び8
b)が多数形成され、この多数の凹凸状部分により空気
と接する通気性のある面積が大きくなっているので、異
臭物から発生する異臭成分の吸着がより一層効率化され
るようになる。
【0023】次に、以上に説明してきた脱臭用吸着粉体
1又はこの脱臭用吸着粉体1を使用した脱臭用吸着シー
トの異臭成分に対する吸着作用及び吸着効果について説
明する。本実施例による脱臭用吸着粉体1は、前述のよ
うに、例えば、吸着剤としてケイ素の粉体と金属錯体と
しての複塩硫酸マグネシウムマンガンの粉体とを混合す
ることにより形成されている。この混合により形成され
た本実施例の脱臭用吸着粉体1においては、まず、悪臭
原因物質からトリメチルアミンなどの悪臭成分が発生し
た場合、この悪臭成分例えばトリメチルアミンは、まず
本実施例の脱臭用吸着粉体1の金属錯体に接触して直ち
に化学変化しトリメチルアミンではない悪臭の少ない物
質に変質する。またそれとほぼ同時に、悪臭成分例えば
トリメチルアミンは吸着剤としてのケイ素に吸着され
る。このケイ素に吸着される場合、悪臭成分としてのト
リメチルアミンは既に金属錯体により前述のように変質
されているので、ケイ素などの吸着剤に極めて吸着され
やすくなっている。このように、本実施例による脱臭用
吸着粉体1では、吸着剤と金属錯体との相互作用によ
り、吸着剤による吸着効果は、金属錯体を含まないケイ
素単体で使用した場合と比較して、極めて効率化される
ようになり、高い吸着速度、大きい吸着容量、強い吸着
力が発揮されるようになっている。
【0024】本発明の発明者は、以上に説明したような
本実施例の一例を使用した脱臭用吸着粉体を含む脱臭用
吸着シート(以下「本実施例脱臭シート」という)の脱
臭吸着効果、特に吸着速度を測定するために、以下のよ
うに試験を行ったので、その結果を以下に記す。この試
験の内容は以下の通りである。
【0025】(目的)検体におけるトリメチルアミンの
吸着速度の測定を通じての、脱臭効果の比較試験
【0026】(検体・試料)活性炭粉体に上記の複塩硫
酸マグネシウムマンガンの粉体を1:1の割合で混合し
た混合粉体を、2枚の通気性のある紙シートに挟んで構
成した、本実施例脱臭シート 5×5cm2、及び、従
来の活性炭シート(太閤活性炭SHF−10PO50の
加工品)5×5cm2、測定ガス トリメチルアミンガ
【0027】(使用機器)ガス採取器 ガステック、ガ
ステック検知管 ガステック(NO.180アミン類)
【0028】(試験方法)試料シートを5cm×5cm
の大きさに切り取り、内容量5 のテドラーバックデに
入れ、バッグ内をトリメチルアミン標準ガス(10.8
ppm)で満たした。経時的に、バッグ内のガスを採取
し、ガスクロマトグラフ(GC−FTD)を用いて、ト
リメチルアミンガス濃度を求めた。また、対照としてバ
ッグ内にシートを入れずに、同様な操作を行った。
【0029】(試験結果)次の表1に試験結果をまとめ
ている。
【0030】
【表1】
【0031】この試験結果から次のことが言える。すな
わち、活性炭と本実施例脱臭シートとの吸着速度比較は
約240倍である。図4は本実施例脱臭シートについて
の上記試験結果をグラフ化したものである。図4に示す
ように、本実施例の脱臭シートは、活性炭シートと比べ
吸着速度が速く非常に高い脱臭効果があることがわかっ
た。
【0032】また、本発明の発明者は、本実施例脱臭シ
ートと活性炭シートとの吸着容量及び吸着力の比較測定
を行ったので、その結果を以下に記す。この試験の内容
は以下の通りである。すなわち、検体・試料、使用機
器、は前記の試験と同様である。試験方法については、
次のように行った。約25cm2の検体(本実施例脱臭
シート及び活性炭シート)を入れたテドラーバック内
に、約70ppmのトリメチルアミンガスを100 注
入し、ガス検知管により残存濃度(ppm)を測定し
た。そして、その吸着濃度(ppm)を吸着量(g/m
2)に換算し、吸着速度を時間に対する吸着量で表し、
吸着容量もg/m2の形で表した。測定結果について
は、次の表2及び図5のグラフにまとめている。
【0033】
【表2】
【0034】この表2によると、活性炭シートと本実施
例脱臭シートとの吸着容量の比較結果では、本実施例脱
臭シートの方が活性炭シートに比べて約5倍も吸着容量
があることがわかった。また、一般に吸着原理には、化
学吸着と物理吸着の2つがあり、今回測定を行ったシー
トはどちらも物理吸着によるものだが、物理吸着とは、
物質同志が分子問力(物質同志の引力)により吸着する
ため、気温、気圧など環境の変化により、割と簡単に排
出も行ってしまう。その為、今回の実験でも、程度の差
はあれ、いずれのシートも吸着と排出を繰り返してい
る。しかし、図5のグラフを見ると、活性炭シートの方
は、吸着容量の終点付近(図5の符号Aで示す部分)
で、吸着したものの一部を排出しているなど、グラフの
ふらつきが目立つ。これに対し、本実施例脱臭シートの
方は、ほとんどふらつきが見られない。よって、本実施
例脱臭シートは吸着容量が大きいだけでなく、吸着力も
極めて強力で、一度吸着したものは逃しにくいというこ
とがわかる。
【0035】以上の試験から分かるように、本実施例の
脱臭用吸着粉体(又はこれを使用した脱臭シート)によ
れば、異臭成分がまず金属錯体の作用により極めて吸着
されやすい性質に変容されるため、その異臭成分に対す
る吸着剤の吸着作用が極めて効率的に発揮されるように
なり、従来の金属錯体粉体を含まない吸着剤の場合に比
べて、格段に、吸着速度、吸着容量、及び吸着力が向上
されるようになる。
【0036】また、本発明の発明者は、活性炭粉体に上
記の複塩硫酸マグネシウムマンガンの粉体を1:1の割
合で混合し、これを所定量の水で溶かして構成した本実
施例の脱臭用吸着剤液について、その悪臭ガスであるア
ンモニア(NH3)と硫化水素(H2S)に対する吸収状
況を調べる試験を行ったので、以下にその方法と結果を
記載する。
【0037】1.試験内容 上記の吸着剤液に、悪臭ガスであるアンモニア(N
3)と硫化水素(H2S)を通じたときの吸収状況を調
べた。
【0038】2.試料 活性炭粉体に上記の複塩硫酸マグネシウムマンガン(金
属錯体)の粉体を1:1の割合で混合し、これを所定量
の水で溶かして構成した本実施例の脱臭用吸着剤液
【0039】3.試験方法 吸着剤液の一定量をガス洗浄ビンにとる。それに濃度を
調整した上記の悪臭ガスを通じる。洗浄ビン通過後の悪
臭ガス濃度を測定して、吸収率などを求める。実際に
は、NH3、H2S両者について各5回の吸収試験を行っ
た。其の際、各洗浄ビンの中の吸着剤液は5回連続して
使用し、悪臭ガス除去が不能となる点を求めようとし
た。しかし、最終試験時の除去率がNH3で99%以
上、H2Sで92.5%と90%以上の値を保ってい
た。したがって、最大除去能力を決定するには至らなか
った。
【0040】4.使用器具 (a)ガス洗浄ビン 共通すり合わせガス洗浄ビン(ムエンケ式)250ml (b)流量計 (株)草野化学機械製作所 微小流量計(フローメータ
ー)型式番号KG−3 (c)エアーポンプ 日本理化学機械(株)ユニポンプUP2型 (d)ガス検知管 光明理化学工業(株)北川式ガス検知管(真空法) N
3用 No.105b,105c、H2S用 No.1
20A,120B
【0041】5.試験結果 表3及び表4に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の脱臭用吸
着剤によれば、例えば吸着剤の粉体に1水塩又は複数の
水塩を昇華させた金属錯体の粉体を混合して構成してい
る。したがって、異臭物から異臭成分が揮発されると、
その成分は金属錯体粉体に接触して直ちに吸着されやす
い状態に化学変化させられる。そして、この異臭成分
は、この化学変化させられた状態で、前記吸着剤粉体に
吸着され、無臭化される。そのため、本発明の脱臭用吸
着剤では、従来の金属錯体粉体を含まない吸着剤の場合
に比べて、格段に、吸着速度、吸着容量、吸着力が向上
されるようになる。
【0045】具体的には、本発明による脱臭用吸着剤に
は、以下のような特徴がある。すなわち、本発明の吸着
剤は、窒素化合物、硫化物、炭水化物の発酵腐敗物と化
学反応し、消臭する。また本発明の吸着剤は速効性をも
ち、処理後直ちに対象物を無臭化し、しかもその効果は
数日間持続する。また本発明の吸着剤は、プラスチック
類、金属類、陶器類に影響を及ぼさない。また本発明の
吸着剤は、殺虫剤や殺菌剤(オルソ剤)との併用が可能
である。本発明の吸着剤で処理した屎尿には、肥効増大
が期待できる。また本発明の吸着剤では、通常の使用方
法では、人畜に対する毒性はない。本発明の脱臭用吸着
剤は、以上のような優れた特徴を有している。したがっ
て、本発明の吸着剤は、家庭や事業所のトイレ、ゴミ処
理施設、家庭のゴミ箱、動物舎、屠殺場などの異臭物に
対して、異臭を有効に除去するために使用できる。本発
明の吸着剤を使用する場合は、この吸着剤を粉体の状態
で振りかけてもよいし、原液の状態で振りかけてもよい
し、粉体又は原液を水で適当に希釈して散布してもよ
い。
【0046】また本発明の脱臭用吸着シートは、第1の
紙シートと第2の紙シートの間に脱臭用吸着剤の粉体を
膜状に固定している。したがって、このシートを、粉体
の状態では利用が難しい壁紙、布団のシート、医療機関
用衣服、医療機関用カレンダー、などにもそのまま利用
できるので、本発明の脱臭用吸着剤の用途を格段に広げ
ることができるようになる。また本発明において、前記
第1又は第2の紙シートの少なくともいずれか一方は通
気性を有しているので、異臭物から発生した異臭成分
は、通気性の紙シートを通して効率的に吸着されるよう
になる。
【0047】さらに本発明の脱臭用吸着シートでは、多
数の小さな凹凸状部分が形成された第1の紙シートの凸
状部分と前記第2の紙シートとの間の隙間に、脱臭用吸
着剤の粉体が封入されている。したがって、このシート
を、粉体の状態のままでは利用が難しい、壁紙、布団の
シート、医療機関用衣服、医療機関用カレンダー、など
にもそのまま利用できるので、本発明の脱臭用吸着粉体
の用途を格段に広げることができるようになる。また特
にこの脱臭用吸着シートでは、通気性をもつ第1の紙シ
ートに凹凸状部分が多数形成され、これらの多数の凹凸
状部分の存在により空気と接する通気性のある面積が大
きくなっているので、異臭物から発生する異臭成分の吸
着がより一層効率化されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭用吸着剤の一実施例を封入した袋
を示す斜視図である。
【図2】本発明の脱臭用吸着シートの一実施例を示す斜
視図である。
【図3】本発明の脱臭用吸着シートの他の実施例を示す
斜視図である。
【図4】本実施例に係る脱臭用吸着シートと従来の活性
炭シートとの吸着作用の比較試験の結果を示すグラフで
ある。
【図5】本実施例に係る脱臭用吸着シートと従来の活性
炭シートとの吸着作用の比較試験の結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 脱臭用吸着粉体 2,4,5,8,9 紙シート 3 袋 6,7 脱臭用吸着シート 8a 凹部 8b 凸部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次にここで、本発明の実施例による脱臭作
用を、前記の複塩硫酸ナトリウム亜鉛を金属錯体として
使用した吸着剤の例で説明する。まず、アンモニア臭に
対する作用を説明する。屎尿中の尿素が細菌等によって
分解すると炭酸アンモニアに変化する。 (OCNH+2HO=(NHCO そして、これは容易にアンモニアに変化する。 (NHCO32NH+HO+CO 複塩硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO・NASO
O+SO+6HO)は、複塩から発生した硫酸
成分の作用により、前記の炭酸アンモニア(NH)C
の発生を防止し無臭とする。 (NHCO+HSO=(NHSO
+HO+CO また、複塩硫酸ナトリウム亜鉛(ZnSO・NA
+HO+SO+6HO)は、既に屎尿中に遊
離するアンモニアをとらえてその刺激性悪臭を中和し無
臭とする。 2NH+HSO=(NH)SO 次に屎尿中の硫黄を含む蛋白質が腐敗して生じる硫化水
素HSに対しても、上記の複塩硫酸ナトリウム亜鉛
は、中和と無臭化する。 ZNSO+NASO+6HO+HS=ZNS
+HSO+NASO+6HO ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着剤を基材として、これに、1水塩又は
    複数の水塩を昇華させた金属錯体(金属錯塩)を、混合
    して成る脱臭用吸着剤。
  2. 【請求項2】第1の紙シートの上に請求項1の脱臭用吸
    着剤の粉体が膜状に接着され、この膜状の脱臭用吸着粉
    体の上にさらに第2の紙シートが接着されて成り、前記
    第1又は第2の紙シートの少なくともいずれか一方は通
    気性を有している、ことを特徴とする脱臭用吸着シー
    ト。
  3. 【請求項3】多数の小さな凹凸状部分が形成されている
    通気性をもつ第1の紙シートと、この第1の紙シートに
    対向しこの第1の紙シートの前記凹凸状部分の凹状部分
    と付着固定された第2の紙シートと、前記第1の紙シー
    トの前記凹凸状部分の凸状部分と前記第2の紙シートと
    の間の隙間に封入された請求項1の脱臭用吸着剤の粉体
    と、から成ることを特徴とする脱臭用吸着シート。
JP5350518A 1993-12-27 1993-12-27 脱臭用吸着剤及び脱臭用吸着シート Pending JPH07185337A (ja)

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