JPH07189955A - コンプレッサー用ベーン - Google Patents
コンプレッサー用ベーンInfo
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- JPH07189955A JPH07189955A JP33234693A JP33234693A JPH07189955A JP H07189955 A JPH07189955 A JP H07189955A JP 33234693 A JP33234693 A JP 33234693A JP 33234693 A JP33234693 A JP 33234693A JP H07189955 A JPH07189955 A JP H07189955A
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- Japan
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- arc discharge
- layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩素を含まない冷媒ガスを使用しても摺動特
性や耐摩耗性を低下することのないコンプレッサー用ベ
ーンを提供する。 【構成】 ロータリー式コンプレッサー用ベーンの少な
くともローラと接する部分の表面にTi,Zr,Hf,
V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも1種
の金属の炭化物、窒素物および/または炭窒化物からな
る硬質被膜を有する。又は、該硬質被膜を形成する前に
該表面に第1層として窒化層、炭化層、および/または
炭窒化層を有する。
性や耐摩耗性を低下することのないコンプレッサー用ベ
ーンを提供する。 【構成】 ロータリー式コンプレッサー用ベーンの少な
くともローラと接する部分の表面にTi,Zr,Hf,
V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも1種
の金属の炭化物、窒素物および/または炭窒化物からな
る硬質被膜を有する。又は、該硬質被膜を形成する前に
該表面に第1層として窒化層、炭化層、および/または
炭窒化層を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエアーコンディショナー
や冷蔵庫等のロータリー式コンプレッサーの構成部品で
あるベーンに関し、特に摺動特性、耐摩耗性に優れた硬
質被膜を有するコンプレッサー用ベーンに関する。
や冷蔵庫等のロータリー式コンプレッサーの構成部品で
あるベーンに関し、特に摺動特性、耐摩耗性に優れた硬
質被膜を有するコンプレッサー用ベーンに関する。
【0002】
【従来の技術】エアーコンディショナーや冷蔵庫等の冷
媒ガス用として用いられてきた特定フロンであるCFC
(Chloro Fluoro Carbon)−12
やR−502[CFC−115とHCFC(Hydor
o Chloro Fluoro Carbon)−2
2の混合系]は、地球オゾン層を破壊する物質として、
1995年までに全廃することが決定されている。この
結果、家庭用エアーコンディショナーや冷蔵庫もCFC
の主要なターゲットの一つとなっている。このため、家
電メーカーは、家庭用エアーコンディショナーや冷蔵庫
に用いられている冷媒をHCFC−22やさらにHCF
C−22が2020年に全廃に向かっているため、塩素
を含まないHFC(Hydro Fluore Car
bon)−134aに切り替えることを進めている。
媒ガス用として用いられてきた特定フロンであるCFC
(Chloro Fluoro Carbon)−12
やR−502[CFC−115とHCFC(Hydor
o Chloro Fluoro Carbon)−2
2の混合系]は、地球オゾン層を破壊する物質として、
1995年までに全廃することが決定されている。この
結果、家庭用エアーコンディショナーや冷蔵庫もCFC
の主要なターゲットの一つとなっている。このため、家
電メーカーは、家庭用エアーコンディショナーや冷蔵庫
に用いられている冷媒をHCFC−22やさらにHCF
C−22が2020年に全廃に向かっているため、塩素
を含まないHFC(Hydro Fluore Car
bon)−134aに切り替えることを進めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の代替冷媒ガスではコンプレッサーの可動部での潤滑性
が低下するため、コンプレッサーのローラーとベーンの
接触部で著しく摩耗が生じ、家庭用エアーコンディショ
ナーや冷蔵庫の性能を保証期間内に維持できないという
問題が生じた。図1にロータリー式コンプレッサーの回
転軸と垂直方向の断面図を示す。ロータリー式コンプレ
ッサーではシリンダー1内で回転運動するローラー2に
モーターの回転運動を伝達し、ベーン3で区切った部分
で冷媒ガスを圧縮する。摩耗条件が最も厳しいのは、ロ
ーラーとベーンの接触部である。
の代替冷媒ガスではコンプレッサーの可動部での潤滑性
が低下するため、コンプレッサーのローラーとベーンの
接触部で著しく摩耗が生じ、家庭用エアーコンディショ
ナーや冷蔵庫の性能を保証期間内に維持できないという
問題が生じた。図1にロータリー式コンプレッサーの回
転軸と垂直方向の断面図を示す。ロータリー式コンプレ
ッサーではシリンダー1内で回転運動するローラー2に
モーターの回転運動を伝達し、ベーン3で区切った部分
で冷媒ガスを圧縮する。摩耗条件が最も厳しいのは、ロ
ーラーとベーンの接触部である。
【0004】従来の冷媒ガスであるCFC−12の1分
子中には、2個の塩素原子が含まれており、この塩素が
潤滑性を高める働きをしていた。コンプレッサーの構成
部品のベーンには高速度工具鋼(SKH51)が、ロー
ラーには共晶黒鉛鋳鉄が一般に使われている。これらの
鉄原子と塩素原子が反応して、自己潤滑性がある塩化鉄
を形成し、優れた摺動性を示していた。ところが塩素を
全く含まないHFC−134aは、当然この潤滑性は期
待できないという問題点がある。
子中には、2個の塩素原子が含まれており、この塩素が
潤滑性を高める働きをしていた。コンプレッサーの構成
部品のベーンには高速度工具鋼(SKH51)が、ロー
ラーには共晶黒鉛鋳鉄が一般に使われている。これらの
鉄原子と塩素原子が反応して、自己潤滑性がある塩化鉄
を形成し、優れた摺動性を示していた。ところが塩素を
全く含まないHFC−134aは、当然この潤滑性は期
待できないという問題点がある。
【0005】そこで本発明の目的は、HFC−134a
等の塩素を含まない冷媒ガスを使用しても、摺動特性や
耐摩耗性を低下させることのないコンプレッサー用ベー
ンを提供するものである。
等の塩素を含まない冷媒ガスを使用しても、摺動特性や
耐摩耗性を低下させることのないコンプレッサー用ベー
ンを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は第1にロータリー式コンプレッサーの構成
部品であるベーンの少なくともローラーと接する部分の
表面にTi,Zr,Hf,V,Nb,TaおよびCrか
ら選ばれる少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物およ
び/または炭窒化物からなる硬質被膜を有することにあ
る。
に、本発明は第1にロータリー式コンプレッサーの構成
部品であるベーンの少なくともローラーと接する部分の
表面にTi,Zr,Hf,V,Nb,TaおよびCrか
ら選ばれる少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物およ
び/または炭窒化物からなる硬質被膜を有することにあ
る。
【0007】第2に前記ベーンの少なくともローラーと
接する部分の表面に形成した窒化層、炭化層および/ま
たは炭窒化層の第1層と、該第1層上にTi,Zr,H
f,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも
1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒化物か
らなる第2層の硬質被膜を有することを特徴とするコン
プレッサー用ベーンを提供することにある。
接する部分の表面に形成した窒化層、炭化層および/ま
たは炭窒化層の第1層と、該第1層上にTi,Zr,H
f,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも
1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭窒化物か
らなる第2層の硬質被膜を有することを特徴とするコン
プレッサー用ベーンを提供することにある。
【0008】
【作用】本発明で使用されるベーンは、エアーコンディ
ショナーや冷蔵庫のロータリー式コンプレッサーの構成
部品であり、各々の装置により形状が異なっても差し支
えない。
ショナーや冷蔵庫のロータリー式コンプレッサーの構成
部品であり、各々の装置により形状が異なっても差し支
えない。
【0009】本発明に使用されるベーンの材質は、一般
に使用されている鋼系金属で良い。例えば構造用鋼、ば
ね鋼、軸受け鋼、工具鋼、ステンレス鋼等がある。本発
明におけるベーンの少なくともローラーと接する部分の
表面とは、図1において少なくともベーン3表面上のロ
ーラー2との接触部である。摩耗が激しいことから優れ
た摺動特性および耐摩耗性が要求される。
に使用されている鋼系金属で良い。例えば構造用鋼、ば
ね鋼、軸受け鋼、工具鋼、ステンレス鋼等がある。本発
明におけるベーンの少なくともローラーと接する部分の
表面とは、図1において少なくともベーン3表面上のロ
ーラー2との接触部である。摩耗が激しいことから優れ
た摺動特性および耐摩耗性が要求される。
【0010】本発明で用いる硬質被膜としては、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少
なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭
窒化物からなる硬質被膜を挙げることができる。例えば
望ましい硬質被膜として、TiN,ZrN,CrN,T
iC,TiCN膜等のセラミックス被膜が挙げられる。
また場合によっては硬質被膜の内部応力や硬度等を考慮
して、上記硬質被膜の混相を形成しても良い。セラミッ
クス膜は、従来の金属材料に比べて、ビッカース硬度で
1500から3000と高硬度で、かつ低摩擦係数を示
すため優れた耐摩耗性を発揮する硬質被膜である。該硬
質被膜の厚さは2〜5μmが好ましく、通常3μm程度
にすれば良い。膜厚が2μm未満では上記効果が少な
く、また膜厚が5μmを越えるとセラミックスの持つ脆
さが現れ、割れや欠け等が生じ好ましくない。
Zr,Hf,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少
なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および/または炭
窒化物からなる硬質被膜を挙げることができる。例えば
望ましい硬質被膜として、TiN,ZrN,CrN,T
iC,TiCN膜等のセラミックス被膜が挙げられる。
また場合によっては硬質被膜の内部応力や硬度等を考慮
して、上記硬質被膜の混相を形成しても良い。セラミッ
クス膜は、従来の金属材料に比べて、ビッカース硬度で
1500から3000と高硬度で、かつ低摩擦係数を示
すため優れた耐摩耗性を発揮する硬質被膜である。該硬
質被膜の厚さは2〜5μmが好ましく、通常3μm程度
にすれば良い。膜厚が2μm未満では上記効果が少な
く、また膜厚が5μmを越えるとセラミックスの持つ脆
さが現れ、割れや欠け等が生じ好ましくない。
【0011】本発明の硬質被膜は、イオンプレーティン
グ法、CVD法、スパッタリング法等の公知方法を用い
て作製して良いが、成膜時の加熱により窒化層、炭化層
および/または炭窒化層の表面窒化層を失うことがな
く、摺動特性の向上に有効な強固な付着力を示す硬質被
膜の作製が可能なイオンプレーティング法を用いること
が最も望ましい。したがってここでは、例としてイオン
プレーティング法による硬質被膜の形成について以下に
説明する。
グ法、CVD法、スパッタリング法等の公知方法を用い
て作製して良いが、成膜時の加熱により窒化層、炭化層
および/または炭窒化層の表面窒化層を失うことがな
く、摺動特性の向上に有効な強固な付着力を示す硬質被
膜の作製が可能なイオンプレーティング法を用いること
が最も望ましい。したがってここでは、例としてイオン
プレーティング法による硬質被膜の形成について以下に
説明する。
【0012】イオンプレーティング法は一般に金属を蒸
発させ、この蒸発した金属をイオン化し、さらにイオン
化した金属分子を反応性ガス雰囲気下で電界により加速
して、基材表面に付着固定させるものである。
発させ、この蒸発した金属をイオン化し、さらにイオン
化した金属分子を反応性ガス雰囲気下で電界により加速
して、基材表面に付着固定させるものである。
【0013】金属を蒸発させるには、市販のイオンプレ
ーティング装置に備わった抵抗加熱や電子銃加熱等のい
ずれを用いても良い。また、蒸発した金属のイオン化
は、公知のカソードアーク放電、グロー放電、高周波放
電、イオン化電極を用いる方法、ホロカソード法のいず
れでも良い。これらの中でカソードアーク放電型のイオ
ンプレーティング法は金属の蒸発とイオン化を同時に行
う方式のものであり、他の方法に比べて金属のイオン化
効率が高く、高い密着力を持つ硬質被膜を形成する場合
等では特に推奨される。
ーティング装置に備わった抵抗加熱や電子銃加熱等のい
ずれを用いても良い。また、蒸発した金属のイオン化
は、公知のカソードアーク放電、グロー放電、高周波放
電、イオン化電極を用いる方法、ホロカソード法のいず
れでも良い。これらの中でカソードアーク放電型のイオ
ンプレーティング法は金属の蒸発とイオン化を同時に行
う方式のものであり、他の方法に比べて金属のイオン化
効率が高く、高い密着力を持つ硬質被膜を形成する場合
等では特に推奨される。
【0014】また、該硬質被膜の形成に先だって基材の
加熱を行う際にイオン照射による加熱を採用する場合は
金属イオンにて行い、イオン化した金属イオンを加速す
る電界は電圧の値として500Vから2000Vが好ま
しく、さらに好ましくは800Vから1500Vであ
る。
加熱を行う際にイオン照射による加熱を採用する場合は
金属イオンにて行い、イオン化した金属イオンを加速す
る電界は電圧の値として500Vから2000Vが好ま
しく、さらに好ましくは800Vから1500Vであ
る。
【0015】該硬質被膜の作製には、Ti,Zr,H
f,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも
1種の金属を蒸発源に用い、反応性ガスとしてN2 ,N
H3 、炭化水素類または窒素を含んだ有機化合物、例え
ば(CH3 )3 N等が使用できる。反応性ガスの圧力は
用いるガスの種類により異なるが、一般に10-3〜10
-1Torrの範囲で便宜選択すれば良い。硬質被膜を形
成する場合でのイオン化した金属を加速する電圧の値と
して、50Vから700Vが好ましく、さらに好ましく
は100Vから500Vである。
f,V,Nb,TaおよびCrから選ばれる少なくとも
1種の金属を蒸発源に用い、反応性ガスとしてN2 ,N
H3 、炭化水素類または窒素を含んだ有機化合物、例え
ば(CH3 )3 N等が使用できる。反応性ガスの圧力は
用いるガスの種類により異なるが、一般に10-3〜10
-1Torrの範囲で便宜選択すれば良い。硬質被膜を形
成する場合でのイオン化した金属を加速する電圧の値と
して、50Vから700Vが好ましく、さらに好ましく
は100Vから500Vである。
【0016】本第2の発明における硬質被膜および硬質
被膜形成方法も本第1の発明におけると同様である。前
記硬質被膜を設ける前に、基材表面に窒化層、炭化層お
よび/または炭窒化層を設けてから該硬質被膜を形成す
ることにより、基材表面での弾性変形または塑性変形が
殆ど起こらないようにするため、該硬質被膜が基材の弾
性変形および塑性変形に対して追随できず破壊に至ると
いうことがなくなり、従って耐摩耗特性が向上する。
被膜形成方法も本第1の発明におけると同様である。前
記硬質被膜を設ける前に、基材表面に窒化層、炭化層お
よび/または炭窒化層を設けてから該硬質被膜を形成す
ることにより、基材表面での弾性変形または塑性変形が
殆ど起こらないようにするため、該硬質被膜が基材の弾
性変形および塑性変形に対して追随できず破壊に至ると
いうことがなくなり、従って耐摩耗特性が向上する。
【0017】本第2の発明における第1層を形成する方
法は特に限定されず、公知の表面硬化法、すなわち溶融
塩を用いる方法、ガスを用いる方法あるいはイオンを用
いる方法のどれでも良い。溶融塩を用いる方法、一般に
は塩浴窒化法と言われるもので、XCN,XCNO,X
2 CO3 (ここでXはアルカリ金属)で示される化合物
の溶融塩中に被処理物を浸して、これらの化合物が分解
して生じた炭素や窒素を被処理物中に拡散させるもので
ある。ガスを用いる方法は、一般にはガス窒化および浸
炭あるいはガス軟窒化および浸炭と言われるもので、N
H3 やCO等の気相中に被処理物を入れて加熱し、これ
らガスの熱分解により生じた炭素や窒素を被処理中に拡
散させるものである。
法は特に限定されず、公知の表面硬化法、すなわち溶融
塩を用いる方法、ガスを用いる方法あるいはイオンを用
いる方法のどれでも良い。溶融塩を用いる方法、一般に
は塩浴窒化法と言われるもので、XCN,XCNO,X
2 CO3 (ここでXはアルカリ金属)で示される化合物
の溶融塩中に被処理物を浸して、これらの化合物が分解
して生じた炭素や窒素を被処理物中に拡散させるもので
ある。ガスを用いる方法は、一般にはガス窒化および浸
炭あるいはガス軟窒化および浸炭と言われるもので、N
H3 やCO等の気相中に被処理物を入れて加熱し、これ
らガスの熱分解により生じた炭素や窒素を被処理中に拡
散させるものである。
【0018】イオンを用いる方法は、一般にはイオン窒
化あるいは浸炭と言われるもので、NH3 や炭化水素ガ
ス中で、被処理物と装置容器壁の間に直流電圧を印加
し、グロー放電を起こさせてこれらのガスを分解、イオ
ン化し生じた炭素イオンあるいは窒素イオンを電界によ
り被処理物に衝突させる方法である。
化あるいは浸炭と言われるもので、NH3 や炭化水素ガ
ス中で、被処理物と装置容器壁の間に直流電圧を印加
し、グロー放電を起こさせてこれらのガスを分解、イオ
ン化し生じた炭素イオンあるいは窒素イオンを電界によ
り被処理物に衝突させる方法である。
【0019】
【実施例】次に、本発明の好ましい実施例を以下に示
す。 〔実施例1〕材質がSKH51高速度工具鋼(ビッカー
ス硬度Hv=850)、大きさが20×17×3.5m
mでローターとの接触部が曲面であるベーンを、エタノ
ール中で超音波洗浄した後、Tiカソードを備えたカソ
ードアーク方式のイオンプレーティング装置内の所定位
置に設置し、反応容器内を10-5Torrまで排気した
後、基板に1000Vのバイアス電圧を印加し、Tiカ
ソードによりアーク放電を生起させた。この時のアーク
放電電流は70Aであった。赤外放射温度計により基板
表面温度を監視しながら、アーク放電を2分間続け、T
iを蒸発、イオン化させ、基板表面のスパッタクリーニ
ングを行った。アーク放電中最大450℃までベーン表
面温度の上昇が認められた。
す。 〔実施例1〕材質がSKH51高速度工具鋼(ビッカー
ス硬度Hv=850)、大きさが20×17×3.5m
mでローターとの接触部が曲面であるベーンを、エタノ
ール中で超音波洗浄した後、Tiカソードを備えたカソ
ードアーク方式のイオンプレーティング装置内の所定位
置に設置し、反応容器内を10-5Torrまで排気した
後、基板に1000Vのバイアス電圧を印加し、Tiカ
ソードによりアーク放電を生起させた。この時のアーク
放電電流は70Aであった。赤外放射温度計により基板
表面温度を監視しながら、アーク放電を2分間続け、T
iを蒸発、イオン化させ、基板表面のスパッタクリーニ
ングを行った。アーク放電中最大450℃までベーン表
面温度の上昇が認められた。
【0020】さらにTiカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら基
板に400Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
90Aであった。アーク放電は1時間続けた。これによ
りTiNの硬質被膜層が形成された。
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら基
板に400Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
90Aであった。アーク放電は1時間続けた。これによ
りTiNの硬質被膜層が形成された。
【0021】〔実施例2〕実施例1と同様のベーンを用
い、Crカソードを備えたカソードアーク方式のイオン
プレーティング装置内の所定位置にベーンを設置し、反
応容器内を10-5Torrまで排気した後、基板に10
00Vのバイアス電圧を印加し、Crカソードよりアー
ク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は、70
Aであった。赤外放射温度計により基板表面温度を監視
しながら、アーク放電を2分間続け、Crを蒸発、イオ
ン化させ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。
アーク放電中、最大470℃までベーン表面温度の上昇
が認められた。
い、Crカソードを備えたカソードアーク方式のイオン
プレーティング装置内の所定位置にベーンを設置し、反
応容器内を10-5Torrまで排気した後、基板に10
00Vのバイアス電圧を印加し、Crカソードよりアー
ク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は、70
Aであった。赤外放射温度計により基板表面温度を監視
しながら、アーク放電を2分間続け、Crを蒸発、イオ
ン化させ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。
アーク放電中、最大470℃までベーン表面温度の上昇
が認められた。
【0022】さらにCrカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら、
基板に400Vのバイアス電圧を印加し、Crカソード
によりアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電
流は90Aであった。アーク放電は1時間続けた。Cr
Nの硬質被膜が形成された。
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら、
基板に400Vのバイアス電圧を印加し、Crカソード
によりアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電
流は90Aであった。アーク放電は1時間続けた。Cr
Nの硬質被膜が形成された。
【0023】〔実施例3〕実施例1と同様のベーンを用
い、Tiカソードを備えたカソードアーク方式のイオン
プレーティング装置内の所定位置に設置した。反応容器
内を10-5Torrまで排気した後、基板に1000V
のバイアス電圧を印加し、Tiカソードによりアーク放
電を生起させた。この時のアーク放電電流は70Aであ
った。赤外放射温度計により基板表面温度を監視しなが
ら、アーク放電を2分間続け、Tiを蒸発、イオン化さ
せ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。アーク
放電中最大450℃までベーン表面温度の上昇が認めら
れた。
い、Tiカソードを備えたカソードアーク方式のイオン
プレーティング装置内の所定位置に設置した。反応容器
内を10-5Torrまで排気した後、基板に1000V
のバイアス電圧を印加し、Tiカソードによりアーク放
電を生起させた。この時のアーク放電電流は70Aであ
った。赤外放射温度計により基板表面温度を監視しなが
ら、アーク放電を2分間続け、Tiを蒸発、イオン化さ
せ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。アーク
放電中最大450℃までベーン表面温度の上昇が認めら
れた。
【0024】さらにTiカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスとアセチレンガスおよびアル
ゴンガスの混合ガスを流しながら基板に400Vのバイ
アス電圧を印加し、Tiカソードよりアーク放電を生起
させた。この時のアーク放電電流は90Aであった。ア
ーク放電は1時間続けた。TiCNの硬質被膜が形成さ
れた。
し、反応容器内に窒素ガスとアセチレンガスおよびアル
ゴンガスの混合ガスを流しながら基板に400Vのバイ
アス電圧を印加し、Tiカソードよりアーク放電を生起
させた。この時のアーク放電電流は90Aであった。ア
ーク放電は1時間続けた。TiCNの硬質被膜が形成さ
れた。
【0025】〔実施例4〕実施例1と同様のベーンを用
い、イオン窒化装置において、処理温度500℃、ガス
組成N2 :H2 :Ar=1:5:4、全圧40Torr
の条件下で、15分間、イオン窒化法により処理し、ベ
ーン表面に窒素を拡散させた。
い、イオン窒化装置において、処理温度500℃、ガス
組成N2 :H2 :Ar=1:5:4、全圧40Torr
の条件下で、15分間、イオン窒化法により処理し、ベ
ーン表面に窒素を拡散させた。
【0026】次にTiカソードを備えたカソードアーク
方式のイオンプレーティング装置内の所定位置に設置
し、反応容器内を10-5Torrまで排気した後、基板
に1000Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
70Aであった。赤外放射温度計により基板表面温度を
監視しながら、アーク放電を2分間続け、Tiを蒸発、
イオン化させ、基板表面のスパッタクリーニングを行っ
た。アーク放電中最大450℃までベーン表面温度の上
昇が認められた。
方式のイオンプレーティング装置内の所定位置に設置
し、反応容器内を10-5Torrまで排気した後、基板
に1000Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
70Aであった。赤外放射温度計により基板表面温度を
監視しながら、アーク放電を2分間続け、Tiを蒸発、
イオン化させ、基板表面のスパッタクリーニングを行っ
た。アーク放電中最大450℃までベーン表面温度の上
昇が認められた。
【0027】さらにTiカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しならが基
板に400Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
90Aであった。アーク放電は1時間続けた。TiNの
硬質被膜層が形成された。
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しならが基
板に400Vのバイアス電圧を印加し、Tiカソードよ
りアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電流は
90Aであった。アーク放電は1時間続けた。TiNの
硬質被膜層が形成された。
【0028】〔実施例5〕実施例4と同様に高速度工具
鋼のベーンのイオン窒化処理を行った。これを、Crカ
ソードを備えたカソードアーク方式のイオンプレーティ
ング装置内の処置位置にベーンを設置し、反応容器内を
10-5Torrまで排気した後、基板に1000Vのバ
イアス電圧を印加し、Crカソードよりアーク放電を生
起させた。この時のアーク放電電流は、70Aであっ
た。赤外放射温度計により基板表面温度を監視しなが
ら、アーク放電を2分間続け、Crを蒸発、イオン化さ
せ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。アーク
放電中、最大470℃までベーン表面温度の上昇が認め
られた。
鋼のベーンのイオン窒化処理を行った。これを、Crカ
ソードを備えたカソードアーク方式のイオンプレーティ
ング装置内の処置位置にベーンを設置し、反応容器内を
10-5Torrまで排気した後、基板に1000Vのバ
イアス電圧を印加し、Crカソードよりアーク放電を生
起させた。この時のアーク放電電流は、70Aであっ
た。赤外放射温度計により基板表面温度を監視しなが
ら、アーク放電を2分間続け、Crを蒸発、イオン化さ
せ、基板表面のスパッタクリーニングを行った。アーク
放電中、最大470℃までベーン表面温度の上昇が認め
られた。
【0029】さらにCrカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら、
基板に400Vのバイアス電圧を印加し、Crカソード
によりアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電
流は90Aであった。アーク放電は1時間続けた。Cr
Nの硬質被膜が形成された。
し、反応容器内に窒素ガスを導入し、容器内の圧力が3
×10-2Torrを保つように窒素ガスを流しながら、
基板に400Vのバイアス電圧を印加し、Crカソード
によりアーク放電を生起させた。この時のアーク放電電
流は90Aであった。アーク放電は1時間続けた。Cr
Nの硬質被膜が形成された。
【0030】〔実施例6〕実施例4と同様に高速度工具
鋼のベーンのイオン窒化処理を行った。これを、Tiカ
ソードを備えたカソードアーク方式のイオンプレーティ
ング装置内の所定位置に設置した、反応容器内を10-5
Torrまで排気した後、基板に1000Vのバイアス
電圧を印加し、Tiカソードによりアーク放電を生起さ
せた。この時のアーク放電電流は、70Aであった。赤
外放射温度計により基板表面温度を監視しながら、アー
ク放電を2分間続け、Tiを蒸発、イオン化させ、基板
表面のスパッタクリーニングを行った。アーク放電中最
大450℃までベーン表面温度の上昇が認められた。
鋼のベーンのイオン窒化処理を行った。これを、Tiカ
ソードを備えたカソードアーク方式のイオンプレーティ
ング装置内の所定位置に設置した、反応容器内を10-5
Torrまで排気した後、基板に1000Vのバイアス
電圧を印加し、Tiカソードによりアーク放電を生起さ
せた。この時のアーク放電電流は、70Aであった。赤
外放射温度計により基板表面温度を監視しながら、アー
ク放電を2分間続け、Tiを蒸発、イオン化させ、基板
表面のスパッタクリーニングを行った。アーク放電中最
大450℃までベーン表面温度の上昇が認められた。
【0031】さらにTiカソードへの電圧印加を停止
し、反応容器内に窒素ガスとアセチレンガスおよびアル
ゴンガスの混合ガスを流しならが基板に400Vのバイ
アス電圧を印加し、Tiカソードよりアーク放電を生起
させた。この時のアーク放電電流は90Aであった。ア
ーク放電は1時間続けた。TiCNの硬質被膜が形成さ
れた。
し、反応容器内に窒素ガスとアセチレンガスおよびアル
ゴンガスの混合ガスを流しならが基板に400Vのバイ
アス電圧を印加し、Tiカソードよりアーク放電を生起
させた。この時のアーク放電電流は90Aであった。ア
ーク放電は1時間続けた。TiCNの硬質被膜が形成さ
れた。
【0032】〔実施例7〕実施例1〜6にて作製したベ
ーン、および表面処理を全く行わないSKH51高速度
工具鋼のベーンを用い、これらを家庭用冷蔵庫のコンプ
レッサーに設置し、冷媒ガスとして塩素原子を含まない
HFC−134aを充填して、無潤滑でのベーンの耐久
性試験を行った。
ーン、および表面処理を全く行わないSKH51高速度
工具鋼のベーンを用い、これらを家庭用冷蔵庫のコンプ
レッサーに設置し、冷媒ガスとして塩素原子を含まない
HFC−134aを充填して、無潤滑でのベーンの耐久
性試験を行った。
【0033】実施例1〜3の硬質被膜で処理したベーン
は、100時間の運転でもかじりが発生せず、良好な摺
動特性を示した。
は、100時間の運転でもかじりが発生せず、良好な摺
動特性を示した。
【0034】さらに実施例4〜6の硬質被膜で処理した
ベーンは、150時間の運転でもかじりが発生せず、良
好な摺動摩耗特性を示した。
ベーンは、150時間の運転でもかじりが発生せず、良
好な摺動摩耗特性を示した。
【0035】一方、表面処理を行わないSKH51のベ
ーンでは、約30時間の運転でローラーとの接触部でか
じりを生じて運転不能となった。
ーンでは、約30時間の運転でローラーとの接触部でか
じりを生じて運転不能となった。
【0036】
【発明の効果】本発明のロータリー式コンプレッサーの
ベーンの効果を以下に示す。 塩素原子を含まない代替冷媒ガスを用いた場合におい
て、全く表面処理を行わないベーンに比べて、3〜5倍
程度の摺動特性と耐摩耗性を持つ表面処理コンプレッサ
ー用ベーンを提供することができる。
ベーンの効果を以下に示す。 塩素原子を含まない代替冷媒ガスを用いた場合におい
て、全く表面処理を行わないベーンに比べて、3〜5倍
程度の摺動特性と耐摩耗性を持つ表面処理コンプレッサ
ー用ベーンを提供することができる。
【0037】ベーン表面に窒化層、炭化層および/ま
たは炭窒化層を設けてから硬質被膜を形成することによ
り、ベーン表面では弾性変形または塑性変形が殆ど起こ
らないようになるため、硬質被膜の破壊が起こり難くな
り、摺動特性と耐摩耗性がさらに向上する。
たは炭窒化層を設けてから硬質被膜を形成することによ
り、ベーン表面では弾性変形または塑性変形が殆ど起こ
らないようになるため、硬質被膜の破壊が起こり難くな
り、摺動特性と耐摩耗性がさらに向上する。
【図1】本発明の対象となるロータリー式コンプレッサ
ーの回転軸と垂直方向の断面図を示す図である。
ーの回転軸と垂直方向の断面図を示す図である。
1 シリンダー 2 ローラー 3 ベーン
Claims (2)
- 【請求項1】 ロータリー式コンプレッサーの構成部品
であるベーンの少なくともローラーと接する部分の表面
にTi,Zr,Hf,V,Nb,TaおよびCrから選
ばれる少なくとも1種の金属の炭化物、窒化物および/
または炭窒化物からなる硬質被膜を有することを特徴と
するコンプレッサー用ベーン。 - 【請求項2】 ロータリー式コンプレッサーの構成部品
であるベーンの少なくともローラーと接する部分の表面
層が窒化層、炭化層および/または炭窒化層からなる第
1層と、該第1層上にTi,Zr,Hf,V,Nb,T
aおよびCrから選ばれる少なくとも1種の金属の炭化
物、窒化物および/または炭窒化物からなる第2層の硬
質被膜を有することを特徴とするコンプレッサー用ベー
ン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33234693A JPH07189955A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | コンプレッサー用ベーン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33234693A JPH07189955A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | コンプレッサー用ベーン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07189955A true JPH07189955A (ja) | 1995-07-28 |
Family
ID=18253938
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33234693A Pending JPH07189955A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | コンプレッサー用ベーン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07189955A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0714973A1 (en) * | 1994-11-30 | 1996-06-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Refrigerating machine oil composition and compressor using the same |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP33234693A patent/JPH07189955A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0714973A1 (en) * | 1994-11-30 | 1996-06-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Refrigerating machine oil composition and compressor using the same |
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