JPH0719252A - 高温高速回転用転がり軸受 - Google Patents
高温高速回転用転がり軸受Info
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- JPH0719252A JPH0719252A JP5159674A JP15967493A JPH0719252A JP H0719252 A JPH0719252 A JP H0719252A JP 5159674 A JP5159674 A JP 5159674A JP 15967493 A JP15967493 A JP 15967493A JP H0719252 A JPH0719252 A JP H0719252A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
- F16C33/62—Selection of substances
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/36—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for balls; for rollers
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
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- C21D9/40—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for rings; for bearing races
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 300°〜400℃の高温で高速回転する転
がり軸受の高温かたさと芯部靱性を確保するとともに、
表面近傍圧縮残留応力を高くして長寿命化を図る。 【構成】 転がり軸の内輪、外輪及び転動体の少なくと
も一つを、0.27≦%C≦2.3 %、Si≦1.0 %、Mn≦
1.0 %、2.0 %≦Cr≦7.0 %、4.07%≦W≦22.0%、
MO ≦10.0%、0.5 %≦V≦6.0 %、Co ≦18.0%、残
部Fe不可避不純物からなる高速度鋼に800℃以上1
200℃未満の温度域で浸炭または浸炭窒化が施され引
き続いて焼入れ焼戻しされた軸受材料により構成する。 【効果】 高速度鋼を1200℃未満の低温で浸炭また
は浸炭窒化することで芯部靱性を確保するとともに、表
面の固溶Cまたは固溶Nを補って高温かたさを高くして
いるので、熱処理後の表面圧縮残留応力が大きくなる。
がり軸受の高温かたさと芯部靱性を確保するとともに、
表面近傍圧縮残留応力を高くして長寿命化を図る。 【構成】 転がり軸の内輪、外輪及び転動体の少なくと
も一つを、0.27≦%C≦2.3 %、Si≦1.0 %、Mn≦
1.0 %、2.0 %≦Cr≦7.0 %、4.07%≦W≦22.0%、
MO ≦10.0%、0.5 %≦V≦6.0 %、Co ≦18.0%、残
部Fe不可避不純物からなる高速度鋼に800℃以上1
200℃未満の温度域で浸炭または浸炭窒化が施され引
き続いて焼入れ焼戻しされた軸受材料により構成する。 【効果】 高速度鋼を1200℃未満の低温で浸炭また
は浸炭窒化することで芯部靱性を確保するとともに、表
面の固溶Cまたは固溶Nを補って高温かたさを高くして
いるので、熱処理後の表面圧縮残留応力が大きくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機ジェットエンジ
ン,ガスタービン等の高温高速回転用軸受として用いら
れる転動用部材用鋼及び該転動用部材を用いて製造され
た外輪,内輪及び転動体からなる転がり軸受に係わり、
該軸受の長寿命化に関するものである。
ン,ガスタービン等の高温高速回転用軸受として用いら
れる転動用部材用鋼及び該転動用部材を用いて製造され
た外輪,内輪及び転動体からなる転がり軸受に係わり、
該軸受の長寿命化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー及び環境問題の観点
から、航空機ジェットエンジン,ガスタービン等の高効
率化が目指され、それに伴い、軸受の使用条件がより一
層厳しくなり、高温高速回転化しつつある。該高温高速
回転用軸受材料として従来セミハイス系のAISIM5
0が用いられてきたが、現状の使用温度200℃では軸
受として必要なかたさHR C60をほぼ確保できるもの
の、それ以上の高温化に対してはかたさが不足してい
る。近い将来、航空機ジェットエンジン,ガスタービン
等の軸受は300℃から400℃で使用されることが予
測されるが、AISIM50ではこの温度範囲ではHR
C55からHR C59のかたさしか得られず、非常に短
寿命となってしまう。また、高温高速回転化すると軸受
自体の精度も向上させなければならず、僅かなくるいが
大きな事故をもたらすが、ジェットエンジンの事故は人
命にかかわり、発電用タービンの事故は大きな社会問題
となるなど安全面でもさらに注意を払わなければならな
い。したがって、軸受表面のわずかな圧痕および割れ等
が直ちに軸受全体の破壊につながるようなことがあって
はならない。すなわち転がり軸受の内輪,外輪及び転動
体等の転動用部材の芯部は靱性が高いことが望ましく、
また、高速回転に伴う高フープ応力に耐えるだけの表面
近傍圧縮応力を備えていることが望ましい。しかしAI
SIM50は巨大炭化物が基地組織中に散在するため靱
性が低く、研磨等の最終表面加工により表面残留圧縮応
力域が存在するが、その深さは非常に浅い。
から、航空機ジェットエンジン,ガスタービン等の高効
率化が目指され、それに伴い、軸受の使用条件がより一
層厳しくなり、高温高速回転化しつつある。該高温高速
回転用軸受材料として従来セミハイス系のAISIM5
0が用いられてきたが、現状の使用温度200℃では軸
受として必要なかたさHR C60をほぼ確保できるもの
の、それ以上の高温化に対してはかたさが不足してい
る。近い将来、航空機ジェットエンジン,ガスタービン
等の軸受は300℃から400℃で使用されることが予
測されるが、AISIM50ではこの温度範囲ではHR
C55からHR C59のかたさしか得られず、非常に短
寿命となってしまう。また、高温高速回転化すると軸受
自体の精度も向上させなければならず、僅かなくるいが
大きな事故をもたらすが、ジェットエンジンの事故は人
命にかかわり、発電用タービンの事故は大きな社会問題
となるなど安全面でもさらに注意を払わなければならな
い。したがって、軸受表面のわずかな圧痕および割れ等
が直ちに軸受全体の破壊につながるようなことがあって
はならない。すなわち転がり軸受の内輪,外輪及び転動
体等の転動用部材の芯部は靱性が高いことが望ましく、
また、高速回転に伴う高フープ応力に耐えるだけの表面
近傍圧縮応力を備えていることが望ましい。しかしAI
SIM50は巨大炭化物が基地組織中に散在するため靱
性が低く、研磨等の最終表面加工により表面残留圧縮応
力域が存在するが、その深さは非常に浅い。
【0003】そこで、AISIM50の粉末焼結鋼化が
行われている。この粉末焼結鋼は、粉末材料の圧粉成形
体を焼結した後、HIP(Hot Isostatic
Pressing)による加圧焼結を行って緻密化処
理したものであり、芯部の靱性は改善されるが、高温か
たさが不足することおよび表面圧縮応力域が非常に浅い
ことは改善されない。また、特開平1−201422で
はAISIM50の炭化物を微細化するために鍛錬比2
以上に加工後1150℃から1220℃で2hr以上の灼
熱を行う高温均質化が提案されていが、やはり高温かた
さが不足することおよび表面圧縮応力域が非常に浅いこ
とは改善されない。特開昭63−62847ではAIS
IM50の介在物量の制限によるクリーンな環境下での
長寿命下が提案されているが、高温かたさは改善されず
高温環境下での寿命延長はほとんど期待できない。ま
た、芯部の靱性および表面圧縮応力域が非常に浅いこと
は改善されない。近年AISIM50のC量を減らし、
組織のバランスを取るためにNiを添加したM50Ni
Lが提案されて使用されつつあるが、芯部の靱性及び表
面圧縮応力域の深さは改善されるものの高温かたさは不
足することは改善されていない。
行われている。この粉末焼結鋼は、粉末材料の圧粉成形
体を焼結した後、HIP(Hot Isostatic
Pressing)による加圧焼結を行って緻密化処
理したものであり、芯部の靱性は改善されるが、高温か
たさが不足することおよび表面圧縮応力域が非常に浅い
ことは改善されない。また、特開平1−201422で
はAISIM50の炭化物を微細化するために鍛錬比2
以上に加工後1150℃から1220℃で2hr以上の灼
熱を行う高温均質化が提案されていが、やはり高温かた
さが不足することおよび表面圧縮応力域が非常に浅いこ
とは改善されない。特開昭63−62847ではAIS
IM50の介在物量の制限によるクリーンな環境下での
長寿命下が提案されているが、高温かたさは改善されず
高温環境下での寿命延長はほとんど期待できない。ま
た、芯部の靱性および表面圧縮応力域が非常に浅いこと
は改善されない。近年AISIM50のC量を減らし、
組織のバランスを取るためにNiを添加したM50Ni
Lが提案されて使用されつつあるが、芯部の靱性及び表
面圧縮応力域の深さは改善されるものの高温かたさは不
足することは改善されていない。
【0004】以上のように、現状では今後の高温高速化
に十分対応できる、芯部靱性が高く、表面残留応力域が
十分に深く、かつ高温かたさがより高い材料は開発され
ていない。
に十分対応できる、芯部靱性が高く、表面残留応力域が
十分に深く、かつ高温かたさがより高い材料は開発され
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来高温高速回転用軸
受材料として用いられてきたAISIM50は基礎組織
中に巨大炭素が存在するため靱性が劣り、今後軸受がよ
り高温で使用されることを考えると高温かたさが不十分
である。また、高温高速回転時に発生するフープ応力に
対しても十分な表面近傍圧縮残留応力を有しない。そこ
で本発明は、AISIM50よりも高温かたさに優れ、
近い将来における予測使用温度である300℃から40
0℃でも軸受の長寿命化に必要なかたさHR C60以上
を確保し、AISIM50の2倍以上の高い芯部靱性を
有し、さらに高い表面圧縮応力域を有し、その領域も深
い高温高速回転用軸受材料を用いた転がり軸受を提供す
ることを目的とする。
受材料として用いられてきたAISIM50は基礎組織
中に巨大炭素が存在するため靱性が劣り、今後軸受がよ
り高温で使用されることを考えると高温かたさが不十分
である。また、高温高速回転時に発生するフープ応力に
対しても十分な表面近傍圧縮残留応力を有しない。そこ
で本発明は、AISIM50よりも高温かたさに優れ、
近い将来における予測使用温度である300℃から40
0℃でも軸受の長寿命化に必要なかたさHR C60以上
を確保し、AISIM50の2倍以上の高い芯部靱性を
有し、さらに高い表面圧縮応力域を有し、その領域も深
い高温高速回転用軸受材料を用いた転がり軸受を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の高温高速回転用転がり軸受は、内輪,外輪
及び転動体の少なくとも一つを、0.2%≦C≦2.3
%,Si≦1.0%,Mn≦1.0%,2.0%≦Cr
≦7.0%,4.0%≦W≦22.0%Mo≦10.0
%,0.5%≦V≦6.0%,Co≦18.0%、残部
Fe及び不可避不純物からなる高速度鋼に800℃以上
1200℃未満の温度域で浸炭または浸炭窒化が施され
引き続いて焼入れ焼戻しされた軸受材料により構成して
いる。
に、本発明の高温高速回転用転がり軸受は、内輪,外輪
及び転動体の少なくとも一つを、0.2%≦C≦2.3
%,Si≦1.0%,Mn≦1.0%,2.0%≦Cr
≦7.0%,4.0%≦W≦22.0%Mo≦10.0
%,0.5%≦V≦6.0%,Co≦18.0%、残部
Fe及び不可避不純物からなる高速度鋼に800℃以上
1200℃未満の温度域で浸炭または浸炭窒化が施され
引き続いて焼入れ焼戻しされた軸受材料により構成して
いる。
【0007】
【作用】本発明者らは、先ず近い将来の予測使用温度範
囲である300℃から400℃という高温においても軸
受に必要とされるHR C60以上のかたさを確保できる
信頼性のある材料という観点から高速度鋼を選択した。
図1に示すように成分を限定すれば高速度鋼は従来高温
高速度軸受用鋼 として用いられてきたAISIM50
及びM50NiLでは得ることのできない400℃でH
R C60という高い高温かたさを確保できる。
囲である300℃から400℃という高温においても軸
受に必要とされるHR C60以上のかたさを確保できる
信頼性のある材料という観点から高速度鋼を選択した。
図1に示すように成分を限定すれば高速度鋼は従来高温
高速度軸受用鋼 として用いられてきたAISIM50
及びM50NiLでは得ることのできない400℃でH
R C60という高い高温かたさを確保できる。
【0008】本発明において高速度鋼及び粉末焼結高速
度鋼について成分組織を限定した理由を述べる。 C:0.2%≦C≦2.3% Cは炭化物を形成し基地をマルテンサイト化することに
より強度を増加させる元素であり本発明では、表面部分
においてはその一部分、とくにマルテンサイトを強化す
るための侵入型固溶元素であるCおよびNの多くの部分
は浸炭あるいは浸炭窒化によって与えられるが、十分な
芯部強度を得るためには0.2%以上必要である。一方
2.3%を超えて含有すると炭化物の量が多くなりす
ぎ、靱性が低下する。 Si:Si≦1.0% Siは脱酸剤として必要であるが、あまり多く含有する
と浸炭性および鍛造性を阻害し、靱性を低下させるので
1.0%以下とした。 Mn:Mn≦1.0% Mnは脱酸剤として必要であり焼入れ性を向上させる
が、多量に添加すると靱性を低下させるので1.0%と
した。 Cr:2.0%≦Cr≦7.0% Crは炭化物を形成し耐摩耗性を向上させるが、その多
くは基地に固溶し焼入れ性を増加させるが、その効果は
2.0%未満では不十分であり7.0%を超えて含有し
ても効果は飽和し、添加効果は上がらない。また、あま
りに多量に含有すると耐焼付き性が低下するので7.0
%以下とした。 W:4.0%≦W≦22.0% Wは硬い炭化物を形成し一部は基地に固溶して焼戻し軟
化抵抗を増大するため高温かたさを増加し、耐摩耗性を
向上させるが、4.0%未満ではその効果は少なく2
2.0%を超えて添加しても効果は飽和して添加効果は
上がらない。 Mo:Mo≦10.0% MoはWと同様の性質を示し、Mo1%はW2%に匹敵
し焼戻し軟化抵抗を著しく増大する。しかしあまりに多
く含有すると脱炭や脱Moが生じやすく、また靱性,耐
摩耗性を低下させるので10.0%以下とした。 V:0.5%≦V≦6.0% Vは焼戻し軟化抵抗を増大し、高硬度炭化物を生成し高
温かたさを増大するが、0.5%未満の含有では効果が
小さい。また、あまりに添加量が多いと研削が困難にな
るので6.0%未満とした。 Co:Co≦18.0% Coは基地に固溶しCの固溶量を増加し高温かたさを増
大するが、あまりに多量に含有すると靱性を低下させる
ので18.0%以下とした。 浸炭及び浸炭窒化温度 該高速度鋼は、焼入れの際に、炭化物が基地に溶解する
ことにより、基地にC、Cr,W,Mo,V等の元素を
多量に固溶させたまま常温に持ち来たらされ、これが5
00℃〜600℃で行われる焼戻しの際に、極微細な合
金炭化物として析出し、二次硬化現象を起こすことを利
用して開発された高い高温かたさを示す鋼種である。し
たがって、C、Cr,W,Mo,V等の元素が多量に添
加されており、これらの元素によって形成された合金炭
化物は安定で容易には基地に溶け込み難い。そこで高速
度鋼は溶融相を生じる温度の少し下の温度である120
0℃〜1350℃の非常に高温から焼入れされる。しか
し、このうように高い温度で焼入れると、図2に示すよ
うにかたは増すがオーステナイト結晶粒が粗大化するこ
とも影響して、塑性が劣化してしまう。したがって,塑
性を重視するならば1200℃未満の温度で焼入れるこ
とが必要であるが、これでは逆に固溶Cが足りずに高温
かたさが低下してしまう。そこで本発明は固溶Cは浸炭
あるいは浸炭窒化で与えることにした。浸炭温度および
浸炭窒化温度は軸受芯部の靱性を確保するために120
0℃未満とした。また、800℃未満では浸炭速度およ
び浸炭窒化速度が非常に遅くなるために1200℃未満
とした。また、800℃未満では浸炭速度及び浸炭窒化
速度が非常に遅くなるため、コスト上昇を招くので浸炭
温度および浸炭窒化温度の下限を800℃とした。ただ
し、浸炭をプラズマ浸炭することにより、更に迅速な浸
炭速度を得ることも可能である。浸炭あるいは浸炭窒化
で固溶Cあるいは固溶Nを与えることにしたため、芯部
と表面の固溶C及び固溶Nの差が大きくなり、熱処理後
の表面圧縮残留応力が大きくなる。また、表面圧縮残留
応力域の深さもAISIM50に比べ非常に大きくな
る。したがって、高温高速回転時に発生する高フープ応
力に対する抵抗力を増大する。
度鋼について成分組織を限定した理由を述べる。 C:0.2%≦C≦2.3% Cは炭化物を形成し基地をマルテンサイト化することに
より強度を増加させる元素であり本発明では、表面部分
においてはその一部分、とくにマルテンサイトを強化す
るための侵入型固溶元素であるCおよびNの多くの部分
は浸炭あるいは浸炭窒化によって与えられるが、十分な
芯部強度を得るためには0.2%以上必要である。一方
2.3%を超えて含有すると炭化物の量が多くなりす
ぎ、靱性が低下する。 Si:Si≦1.0% Siは脱酸剤として必要であるが、あまり多く含有する
と浸炭性および鍛造性を阻害し、靱性を低下させるので
1.0%以下とした。 Mn:Mn≦1.0% Mnは脱酸剤として必要であり焼入れ性を向上させる
が、多量に添加すると靱性を低下させるので1.0%と
した。 Cr:2.0%≦Cr≦7.0% Crは炭化物を形成し耐摩耗性を向上させるが、その多
くは基地に固溶し焼入れ性を増加させるが、その効果は
2.0%未満では不十分であり7.0%を超えて含有し
ても効果は飽和し、添加効果は上がらない。また、あま
りに多量に含有すると耐焼付き性が低下するので7.0
%以下とした。 W:4.0%≦W≦22.0% Wは硬い炭化物を形成し一部は基地に固溶して焼戻し軟
化抵抗を増大するため高温かたさを増加し、耐摩耗性を
向上させるが、4.0%未満ではその効果は少なく2
2.0%を超えて添加しても効果は飽和して添加効果は
上がらない。 Mo:Mo≦10.0% MoはWと同様の性質を示し、Mo1%はW2%に匹敵
し焼戻し軟化抵抗を著しく増大する。しかしあまりに多
く含有すると脱炭や脱Moが生じやすく、また靱性,耐
摩耗性を低下させるので10.0%以下とした。 V:0.5%≦V≦6.0% Vは焼戻し軟化抵抗を増大し、高硬度炭化物を生成し高
温かたさを増大するが、0.5%未満の含有では効果が
小さい。また、あまりに添加量が多いと研削が困難にな
るので6.0%未満とした。 Co:Co≦18.0% Coは基地に固溶しCの固溶量を増加し高温かたさを増
大するが、あまりに多量に含有すると靱性を低下させる
ので18.0%以下とした。 浸炭及び浸炭窒化温度 該高速度鋼は、焼入れの際に、炭化物が基地に溶解する
ことにより、基地にC、Cr,W,Mo,V等の元素を
多量に固溶させたまま常温に持ち来たらされ、これが5
00℃〜600℃で行われる焼戻しの際に、極微細な合
金炭化物として析出し、二次硬化現象を起こすことを利
用して開発された高い高温かたさを示す鋼種である。し
たがって、C、Cr,W,Mo,V等の元素が多量に添
加されており、これらの元素によって形成された合金炭
化物は安定で容易には基地に溶け込み難い。そこで高速
度鋼は溶融相を生じる温度の少し下の温度である120
0℃〜1350℃の非常に高温から焼入れされる。しか
し、このうように高い温度で焼入れると、図2に示すよ
うにかたは増すがオーステナイト結晶粒が粗大化するこ
とも影響して、塑性が劣化してしまう。したがって,塑
性を重視するならば1200℃未満の温度で焼入れるこ
とが必要であるが、これでは逆に固溶Cが足りずに高温
かたさが低下してしまう。そこで本発明は固溶Cは浸炭
あるいは浸炭窒化で与えることにした。浸炭温度および
浸炭窒化温度は軸受芯部の靱性を確保するために120
0℃未満とした。また、800℃未満では浸炭速度およ
び浸炭窒化速度が非常に遅くなるために1200℃未満
とした。また、800℃未満では浸炭速度及び浸炭窒化
速度が非常に遅くなるため、コスト上昇を招くので浸炭
温度および浸炭窒化温度の下限を800℃とした。ただ
し、浸炭をプラズマ浸炭することにより、更に迅速な浸
炭速度を得ることも可能である。浸炭あるいは浸炭窒化
で固溶Cあるいは固溶Nを与えることにしたため、芯部
と表面の固溶C及び固溶Nの差が大きくなり、熱処理後
の表面圧縮残留応力が大きくなる。また、表面圧縮残留
応力域の深さもAISIM50に比べ非常に大きくな
る。したがって、高温高速回転時に発生する高フープ応
力に対する抵抗力を増大する。
【0009】焼入れ温度を低く押えたために炭化物の溶
解量が少なく、固溶金属元素が足りないために二次硬化
量が少ない場合は、該成分範囲内でCr,Mo,W,V
等の含有量に対するCの比率を少なくすればよい。また
粉末焼結化すれば、炭化物が微細化するのでさらに靱性
が増加する。
解量が少なく、固溶金属元素が足りないために二次硬化
量が少ない場合は、該成分範囲内でCr,Mo,W,V
等の含有量に対するCの比率を少なくすればよい。また
粉末焼結化すれば、炭化物が微細化するのでさらに靱性
が増加する。
【0010】
【実施例】表1に示す高速度鋼、粉末焼結高速度鋼およ
び比較鋼であるAISIM50,M50NiLを用いて
表2に示す浸炭等の熱処理を行った。また表2にその結
果得られた特性、すなわち試料表面から深さ0.15m
mの400℃におけるかたさ、軸受芯部靱性に相当する
浸炭及び浸炭窒化が施されない部分の靱性(アイゾット
衝撃試験)、表面近傍平均残留応力を示した。表面近傍
平均残留圧縮応力は、表面から深さ2mmまでを0.2
5mm間隔で9点の残留応力をX線法で測定し、その平
均値である。
び比較鋼であるAISIM50,M50NiLを用いて
表2に示す浸炭等の熱処理を行った。また表2にその結
果得られた特性、すなわち試料表面から深さ0.15m
mの400℃におけるかたさ、軸受芯部靱性に相当する
浸炭及び浸炭窒化が施されない部分の靱性(アイゾット
衝撃試験)、表面近傍平均残留応力を示した。表面近傍
平均残留圧縮応力は、表面から深さ2mmまでを0.2
5mm間隔で9点の残留応力をX線法で測定し、その平
均値である。
【0011】表面近傍平均残留応力は、比較鋼X(AI
SIM50)及び比較鋼Y(M50NiL)がそれぞれ
−82MPa,−218MPaであるのに対し、発明鋼
はすべて−225MPaから−393MPaの間にあ
り、発明鋼は比較鋼に比べて大きな圧縮残留応力を有す
ることが解る。また発明鋼はM50NiLに比べて短時
間浸炭処理でより大きな表面近傍平均残留応力を得られ
ることが解る。
SIM50)及び比較鋼Y(M50NiL)がそれぞれ
−82MPa,−218MPaであるのに対し、発明鋼
はすべて−225MPaから−393MPaの間にあ
り、発明鋼は比較鋼に比べて大きな圧縮残留応力を有す
ることが解る。また発明鋼はM50NiLに比べて短時
間浸炭処理でより大きな表面近傍平均残留応力を得られ
ることが解る。
【0012】表2の軸受芯部靱性と試料表面から深さ
0.15mmの400℃におけるかたさを図3にまとめ
た。比較鋼X(AISIM50)および比較鋼Y(M5
0NiL)がHR C55程度のかたさしか示さないのに
対し、発明鋼はすべて軸受に必要なHR C60のかたさ
を400℃においても維持し、また比較鋼X(AISI
M50)の2倍以上、比較鋼Y(M50NiL)と同等
の軸受の芯部靱性を示すことが解る。
0.15mmの400℃におけるかたさを図3にまとめ
た。比較鋼X(AISIM50)および比較鋼Y(M5
0NiL)がHR C55程度のかたさしか示さないのに
対し、発明鋼はすべて軸受に必要なHR C60のかたさ
を400℃においても維持し、また比較鋼X(AISI
M50)の2倍以上、比較鋼Y(M50NiL)と同等
の軸受の芯部靱性を示すことが解る。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、近い将
来予想される400℃という高温の使用条件にも耐え得
る、400℃でHR C60以上という高い高温かたさを
有し、高い芯部靱性および大きな表面近傍圧縮残留応力
を有する軸受材料を用いた転がり軸受であるため、高温
で高速回転する転がり軸受の長寿命化が達成され、耐事
故性も向上する。
来予想される400℃という高温の使用条件にも耐え得
る、400℃でHR C60以上という高い高温かたさを
有し、高い芯部靱性および大きな表面近傍圧縮残留応力
を有する軸受材料を用いた転がり軸受であるため、高温
で高速回転する転がり軸受の長寿命化が達成され、耐事
故性も向上する。
【図1】従来鋼(AISIM50,M50NiL)と高
速度鋼の高温かたさを示す線図である。
速度鋼の高温かたさを示す線図である。
【図2】高速度鋼(SKH9)の靱性および焼戻しかた
さに及ぼす焼入れ温度の影響を示す線図である。
さに及ぼす焼入れ温度の影響を示す線図である。
【図3】発明鋼と比較鋼の芯部靱性と深さ0.15mm
の400℃におけるかたさを示す図である。
の400℃におけるかたさを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 賢二 神奈川県藤沢市鵠沼神明3−6−10
Claims (1)
- 【請求項1】 内輪,外輪及び転動体からなる転がり軸
受において、前記内輪,外輪及び転動体の少なくとも一
つが、0.2%≦C≦2.3%,Si≦1.0%,Mn
≦1.0%,2.0%≦Cr≦7.0%,4.0%≦W
≦22.0%Mo≦10.0%,0.5%≦V≦6.0
%,Co≦18.0%、残部Fe及び不可避不純物から
なる高速度鋼に800℃以上1200℃未満の温度域で
浸炭または浸炭窒化が施され引き続いて焼入れ焼戻しさ
れた軸受材料により構成されていることを特徴とする高
温高速回転用転がり軸受。
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| JP15967493A JP3241491B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 高温高速回転用転がり軸受 |
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|---|---|---|---|
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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Family
ID=15698861
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|---|---|---|---|
| JP15967493A Expired - Fee Related JP3241491B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 高温高速回転用転がり軸受 |
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- 1993-06-29 JP JP15967493A patent/JP3241491B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-06-28 GB GB9412953A patent/GB2284616B/en not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-07-26 US US08/507,748 patent/US5560787A/en not_active Expired - Fee Related
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