JPH07194979A - 炭化水素油の水素化処理用触媒 - Google Patents

炭化水素油の水素化処理用触媒

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JPH07194979A
JPH07194979A JP5352640A JP35264093A JPH07194979A JP H07194979 A JPH07194979 A JP H07194979A JP 5352640 A JP5352640 A JP 5352640A JP 35264093 A JP35264093 A JP 35264093A JP H07194979 A JPH07194979 A JP H07194979A
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健太郎 石田
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茂徳 中静
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細孔径と比表面積が同等で、細孔容積の大き
い水素化処理用触媒を提供する。 【構成】 触媒基準で、酸化亜鉛1〜15重量%を含有
するアルミナ担体に、周期律表第VIB族金属成分を酸
化物として5〜30重量%、および周期律表第VIII
族金属成分を酸化物として1〜10重量%担持し、平均
細孔径が50〜200Å、全細孔容積が0.45cm
/g以上である。担体は、アルミナゲルに、硝酸亜鉛、
硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ば
れる一種類以上の粉末を混練した後、成型、焼成したも
のか、アルミナゲルと、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜
鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ばれる一種類以上の
金属塩とを用い、共沈法により調製したものが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素油を水素化処
理する際に適した触媒に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】原油
を常圧蒸留あるいは減圧蒸留することによって得られる
軽油、常圧残油、減圧軽油、減圧残油などには、多くの
硫黄化合物が含まれており、その含有量は、原油の種類
によって異なる。これらの炭化水素油を燃焼に供した場
合、硫黄酸化物などの有害物質を発生し、燃焼炉を腐蝕
し、さらには大気を汚染する原因となる。
【0003】また、これら炭化水素油の軽質化や高品質
化などのための高次処理の際には、該油中に含まれる硫
黄化合物や窒素化合物、さらには金属などが、触媒を不
活性化させ、該油を有効利用するための高次処理操作を
妨げる大きな原因となっている。
【0004】このため、従来から、多量の硫黄化合物や
金属を含有する炭化水素油を、周期律表第VIB族金属
(以下、単に「第VIB族金属」と記す)のMo、Cr
あるいはWと、周期律表第VIII族金属(以下、単に
「第VIII族金属」と記す)のFe、Ni、Coある
いはPtとを、アルミナあるいはアルミナ含有担体に担
持させた触媒と、水素加圧下で接触させ、硫黄および金
属を除去する操作が行われている。しかし、この触媒で
は、硫黄化合物の除去は充分であっても、金属の除去が
充分に行われないことがある。
【0005】また、常圧残油、減圧残油、減圧留出油の
水素化処理においては、特公昭49−18763号公報
に示されるように、細孔分布の異なる複数の触媒を用い
ることが効果的であるとされている。この方法は、固定
床の反応器において、処理対象油の入口側に大孔径を有
する金属許容量の大きな触媒を配し、次いで中程度の細
孔径で中程度の脱硫活性を有する触媒を配し、出口側に
細孔径が小さく脱硫性能の高い触媒を配して、入口側で
処理対象油中に含まれる金属を取り除き、出口側の金属
による細孔閉塞を起こし易い小細孔径で高脱硫活性の触
媒を保護することが基本となっている。
【0006】しかし、この方法でも、未だ充分満足する
結果は得られていない。すなわち、入口側に配されてい
る大細孔径で金属許容量の大きな触媒では、処理油中に
含まれる金属を完全に捕捉することができず、結果とし
て次に配されている中程度の細孔径で中程度の脱硫活性
を有する触媒や、小細孔径高脱硫性能の触媒に金属が堆
積してしまい、触媒の寿命を短くしている。
【0007】そこで、全体としての触媒寿命を長くする
ために、大孔径を有する金属許容量の大きな触媒の量を
多くすることが考えられるが、大孔径触媒は、表面積が
小さいため、充分な脱硫活性を示さず、したがって脱硫
効率が低下してしまう。また、中程度の細孔径の触媒
や、小細孔径高脱硫性能の触媒は、細孔容積が小さいた
め、金属許容量を増加することが困難である。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、細孔径と比表面積が同等で、金属許
容量がより大きい、言い換えれば、細孔径と比表面積が
同等で、細孔容積の大きい、水素化処理用触媒を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を重ねた結果、(1)酸化亜鉛を
含有したアルミナ担体に、第VIB族金属と第VIII
族金属とを担持した触媒が、同一細孔径で、比表面積を
低下させることなく、細孔容積を増加させ得ること、
(2)アルミナに含有させる酸化亜鉛の前駆体として、
硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛を
用い、しかも混練法や共沈法によりアルミナに含有させ
て得られるものが、細孔容積の増加が顕著であること、
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、酸化亜鉛1〜15重
量%を含有するアルミナ担体に、第VIB族金属5〜3
0重量%、および第VIII族金属1〜10重量%を担
持してなり、平均細孔径が50〜200Å、全細孔容積
が0.45cm/g以上であることを特徴とする炭化
水素油の水素化処理用触媒を要旨とする。
【0011】上記の担体は、アルミナゲルに、硝酸亜
鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から
選ばれる一種類以上の粉末を混練した後、成型、焼成し
たものか、あるいはアルミナゲルと、硝酸亜鉛、硫酸亜
鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ばれる一
種類以上の金属塩とを用い、共沈法により調製したもの
が好ましい。
【0012】以下、本発明の触媒を詳細に説明する。本
発明の触媒の担体は、アルミナに酸化亜鉛を含有させた
ものである。このアルミナとしては、γ−アルミナ、χ
−アルミナ、η−アルミナのいずれか1種またはこれら
の混合物が好適に使用できる。
【0013】アルミナに含有させる酸化亜鉛の含有量
は、触媒の重量を基準として、1〜15重量%とする。
1重量%未満であると、金属許容量の向上の効果が現れ
ず、15重量%を超えると、比表面積の低下が著しく、
細孔径と比表面積を同等に保った状態で細孔容積を大き
くするという目的から外れてしまう。
【0014】この触媒基準で酸化亜鉛を1〜15重量%
含有するアルミナ担体は、通常の方法により得ることが
できるが、本発明では、アルミナ源としてのアルミニウ
ムの水溶性化合物、具体的には、アルミニウムの硫酸
塩、塩化物、アルカリ金属アルミン酸塩、アルミニウム
アルコキシド、その他の無機酸塩や有機酸塩の中から選
ばれる1種以上と、酸化亜鉛の前駆体としての種々の亜
鉛塩、好ましくは硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化
亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ばれる1種以上とを使用し、
混練法あるいは共沈法により得ることが好ましい。
【0015】具体的に示せば、混練法の場合は、酸性ア
ルミニウム水溶液(濃度0.3〜2モル/リットル)
(以下、リットルを「L」と記し、ミリリットルを「m
L」と記し、ノルマルリットルを「NL」と記す)およ
びアルミン酸アルカリ溶液に、水酸化アルカリ溶液を添
加し、pH6.0〜11.0、好ましくは8.0〜1
0.5の範囲で、ヒドロゲルあるいはヒドロゾルを生成
させるか、あるいはアンモニア水、硝酸あるいは酢酸な
どを適宜添加し、pHを調整しながら、この懸濁液を5
0〜90℃に加熱して、少なくとも2時間保持する。次
いで、沈澱物をフィルターで濾別し、炭酸アンモニウム
および水で洗浄して不純物イオンを除去する。この後、
酸化亜鉛の前駆体を添加し、混練すればよい。
【0016】共沈法の場合は、上記のpH調整前のアル
ミナ原料水溶液中に、酸化亜鉛の前駆体の水溶液を混合
しておけばよい。
【0017】なお、本発明の触媒の平均細孔径を50〜
200Å、全細孔容積を0.45cm/g以上とする
ためには、アルミナ担体あるいは酸化亜鉛含有アルミナ
担体の平均細孔径や全細孔容積を、上記のアルミナある
いは酸化亜鉛前駆体含有アルミナの水和物を沈澱させる
際あるいは該沈澱物を熟成させる際の温度や時間などを
調節することによって、適宜調整しておくことが好まし
い。
【0018】以上のようにして得られる酸化亜鉛前駆体
を含有したアルミナゲルは、次いで押出成型機にて所望
の形状に成型される。この成型は、本発明の触媒の平均
細孔径と全細孔容積とを上記のようにするために、成型
圧力を調整しつつ行う。成型物は、100〜140℃で
数時間乾燥し、さらに200〜700℃で数時間焼成し
て担体に仕上げる。
【0019】上記の形状は、種々のものであってよい
が、円柱状のもの、断面が小円を二つ連ねたダンベル型
のもの、小円を三つ葉状あるいは四つ葉状に重ねたもの
などが好ましく、これらの小円は、真円である必要はな
く、長円形、あるいは長方形、正方形、ひし形に近いも
のでも差し支えない。また、断面が中空の柱状のもの
や、断面がT、I、C、E、口形のような文字型の柱状
のものであってもよい。さらに、断面が3角、4角、5
角、6角、8角形のハニカム状あるいは柱状のものでも
よい。
【0020】以上の担体に担持させる第VIB族金属
は、Cr、Mo、Wのうちの1種または2種以上が好ま
しく、特に好ましくはMoである。第VIII族金属
は、Fe、Co、Ni、Pd、Pt、Os、Ir、R
u、Rhのうちの1種または2種以上であり、好ましく
はNi、Coのいずれか1種または両者である。
【0021】上記の第VIB族金属および第VIII族
金属は、酸化物あるいは硫化物として担持させることが
好適である。このような金属成分の担持量は、酸化物と
して、触媒基準で、第VIB族金属が5〜30重量%、
好ましくは7〜25重量%、より好ましくは10〜20
重量%であり、第VIII族金属成分が1〜10重量
%、好ましくは2〜8重量%である。
【0022】第VIB族金属成分が5重量%未満では、
好ましい活性が得られず、30重量%を超えると、分散
性が低下すると同時に、第VIII族金属成分の助触媒
効果が発揮され難くなる。第VIII族金属成分が1重
量%未満では、充分な効果が得られず、10重量%を超
えると、担体と結合しない遊離の第VIII族金属成分
が増加してしまう。
【0023】また、所望に応じて、上記の第VIB族金
属成分、第VIII族金属成分の他に、第3の金属成分
を担持することも可能である。この第3の金属成分とし
ては、ホウ素、リンなどがある。
【0024】これらの金属成分を、上記の担体に担持す
るには、通常の含浸法や浸漬法などによって行われる。
担持する順序は、第VIB族金属と第VIII族金属の
どちらが先でもよいし、同時でもよいが、第VIII族
金属を先に担持させると、第VIII族金属とアルミナ
とが複合酸化物を形成し、水素化処理用触媒の活性点と
して作用しない第VIII族金属が多くなってしまうた
め、第VIB族金属を先にするのが好ましい。第3の金
属成分を担持する場合は、第VIB族金属と第VIII
族金属とを担持させた後に担持すればよい。
【0025】これらの含浸法や浸漬法においては、第V
IB族金属成分は、上記のCr、Mo、Wの水溶液とな
り得る化合物として使用され、特に重クロム酸アンモニ
ウム((NHCr)、パラモリブデン酸ア
ンモニウム4水和物((NHMo24・4H
O)、タングステン酸(HWO)が好ましく、中
でもパラモリブデン酸アンモニウム4水和物が低コスト
で、しかも焼成時に発生するガスの安全性が高いという
点から好ましい。
【0026】また、第VIII族金属成分は、上記のF
e、Co、Ni、Pd、Pt、Os、Ir、Ru、Rh
の水溶液となり得る化合物として使用され、特に硝酸コ
バルト、硝酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、
炭酸コバルト、炭酸ニッケル、塩化コバルト、塩化ニッ
ケルなどが好ましく、中でも硝酸コバルト、硝酸ニッケ
ルが水素化活性が高いため好ましい。
【0027】さらに、第3の金属成分は、上記のホウ
素、リンの水溶液となり得る化合物として使用され、好
ましくはホウ酸(HBO)、リン酸(HPO
であり、特に好ましくはホウ酸である。
【0028】このようにして金属成分を担持した担体
は、含浸あるいは浸漬溶液から分離した後、水洗し、乾
燥、焼成を行う。乾燥、焼成条件は、上記した担体の場
合と同一の条件でよい。
【0029】以上のようにして得られる本発明の触媒の
平均細孔径は、50〜200Åであることが重要であ
る。50Å未満であると、炭化水素油を処理した場合、
処理油中に含まれる金属などにより、触媒の細孔閉塞が
起こり易く、200Åを超えると、比表面積が低下し、
触媒調製上、充分な比表面積を得るのが困難になるから
である。
【0030】この平均細孔径は、次のようにして求めら
れる。先ず、表面積を、窒素吸着等温線からBET法に
より求める。一方、細孔分布を、相対圧0.967まで
の窒素吸着脱離等温線(−196℃)を測定し、これか
らBJH法もしくはD−H法により半径200Å以下の
細孔についての分布を求める。次いで、これらの結果か
ら、平均細孔径を算出する。なお、このとき、平均細孔
径の代表値としては、細孔容積を、それ以上の径の部分
と、それ以下の径の部分に均等に2分する細孔直径、す
なわち細孔容積の細孔直径に関する分布のメディアン値
が示される。
【0031】また、本発明の触媒の全細孔容積は、0.
45cm/g以上であることが必要である。全細孔容
積が0.45cm/g未満であると、一定量の触媒が
活性低下をもたらさない範囲で捕捉できる金属量(金属
許容量)が小さくなり、結果として水素化処理装置の長
期(例えば1年)連続運転が不可能になるからである。
【0032】なお、全細孔容積の上限は、特に限定はし
ないが、全細孔容積をあまり大きくすると、触媒の機械
的強度(側面破壊強度)が小さくなり、実用上問題とな
るため、0.9cm/g程度とすることが好ましい。
【0033】さらに、本発明の触媒は、比表面積が20
0〜400m/g、かさ密度が0.5〜1.0g/m
L、側面破壊強度が0.8〜3.5Lbs/mmである
ものが、重質炭化水素油の水素化処理用触媒として良好
である。
【0034】以上の本発明の触媒は、炭化水素油の水素
化処理に使用するに先立ち、予備硫化を行うことが好ま
しい。予備硫化は、炭化水素油の水素化処理を行う反応
塔のその場において行うことができる。すなわち、本発
明の触媒を、含硫炭化水素油(例えば、含硫留出油)
と、温度150〜400℃、圧力(全圧)15〜150
Kg/cmG、液空間速度0.3〜8.0hr
−1で、50〜1500L/Lガス/油比の水素含有ガ
スの存在下において接触させ、この処理の終了後、上記
の含硫留出油を水素化処理対象油に切替え、該処理対象
油の脱硫に適当な運転条件に設定して、運転を開始す
る。
【0035】このような方法の他に、硫化水素、その他
の硫黄化合物を、直接、本発明の触媒と接触させるか、
あるいはこれらの硫黄化合物を適当な留出物に添加した
ものを、本発明の触媒と接触させる方法などによって
も、本発明の触媒の予備硫化を行うことができる。
【0036】上記の水素化処理対象油は、原油の常圧蒸
留あるいは減圧蒸留によって得られる軽油、常圧蒸留残
渣油、減圧蒸留残渣油、減圧留出油であり、もちろん、
コーカー軽油、溶剤脱瀝油、タールサンド油、シェール
オイル、石炭液化油をも包含するものである。
【0037】また、本発明の触媒を使用する場合の水素
化処理条件は、処理対象油の種類、脱硫率などにより適
宜選択することができるが、一般には、温度300〜5
00℃、水素分圧50〜200Kg/cmG、水素含
有ガス/油比50〜10000L/L、液空間速度0.
1〜10hr−1とすることが好ましい。この水素含有
ガス中の水素濃度は、60〜100%の範囲が好まし
い。
【0038】なお、本発明における水素化処理とは、上
記したように、炭化水素油と水素との接触による処理を
総称し、反応条件の苛酷度の比較的低い水素化精製、苛
酷度の比較的高い若干の分解反応を伴う水素化精製、水
添異性化、水素化脱アルキル化、その他の水素の存在下
における炭化水素油の反応を包含するものである。具体
的には、常圧蒸留あるいは減圧蒸留の留出液あるいは残
渣油などの水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化脱金属、
水素化分解を含み、また灯油留分、軽油留分、ワック
ス、潤滑油留分の水素化精製などをも包含する。
【0039】本発明の水素化処理用触媒において、担持
されているNiなどの第VIII族金属成分は、助触媒
として有効に機能するが、炭化水素油の水素化処理に際
してVとともに除去されるNiは、担持されているNi
とは異なり、助触媒効果を有さない。これは炭化水素油
から除去されるNiは、担持されているNiとは異なっ
た状態で触媒中に存在するためであり、助触媒効果を示
さないのみならず、触媒中の細孔を閉塞して炭化水素油
の触媒中への進行を阻害し、触媒活性を低下させる一因
となる。
【0040】
【実施例】
〔触媒の調製例〕 実施例1 50Lのイオン交換水の中に、29.8kgのアルミン
酸ナトリウム溶液(Alとして23重量%含む)
と、38.0kgの硫酸アルミニウム溶液(Al
として7.9重量%含む)とを、ゆっくり滴下した。滴
下の後、残っているアルミン酸ナトリウム溶液を加え、
最終的に溶液のpHを11とした。以上の操作により生
成したアルミナスラリーを濾過し、濾別された沈澱物
(アルミナゲル)を、先ずアンモニアを加えてpHを9
に調整した水で繰り返し洗浄し、次いで硝酸を加えてp
Hを6に調整した水で再び繰り返し洗浄して、アルミナ
ケーキを得た。
【0041】このアルミナケーキを噴霧乾燥して得たア
ルミナ粉末に、再びイオン交換水を加えて調湿した。こ
れに、1.9kgの硝酸亜鉛6水和物を加え、ニーダー
で充分均一になるまで混練した。これを押出成型機で、
必要な触媒直径に合うように押出成型した。この押出成
型物を、120℃で一昼夜乾燥し、次いで730℃で4
時間焼成した。このようにして調製された担体を1kg
採取して、次のようにして第VIB族金属成分と第VI
II族金属成分とを担持させた。
【0042】230gのパラモリブデン酸アンモニウム
4水和物を精製水に完全に溶解し、全量を1050cc
にした。次いで、この水溶液を注意深く、上記の担体に
滴下した。全ての水溶液を滴下させた後、1時間静置
し、乾燥空気で乾燥した。その後、480℃で4時間焼
成して、モリブデンを担持した。
【0043】一方、121.6gの硝酸ニッケル6水和
物と、121.4gの硝酸コバルトとを、精製水に溶解
し、全量を1050ccとした。この水溶液を、上記の
モリブデンを担持した触媒に、注意深く滴下した。全て
の水溶液を滴下させた後、1時間静置し、乾燥空気で乾
燥した。その後、480℃で4時間焼成して、ニッケル
を担持した。以上のようにして得られた触媒の性状を表
1および表2に示した。
【0044】実施例2 1.9kgの硝酸亜鉛6水和物に代えて1.8kgの硫
酸亜鉛7水和物とした以外は、実施例1と同様にして触
媒を調製した。得られた触媒の性状を表1および表2に
併せて示した。
【0045】実施例3 1.9kgの硝酸亜鉛6水和物に代えて0.9kgの炭
酸亜鉛とした以外は、実施例1と同様にして触媒を調製
した。得られた触媒の性状を表1および表2に併せて示
した。
【0046】実施例4 1.9kgの硝酸亜鉛6水和物に代えて0.8kgの塩
化亜鉛とした以外は、実施例1と同様にして触媒を調製
した。得られた触媒の性状を表1および表2に併せて示
した。
【0047】実施例5 1.9kgの硝酸亜鉛6水和物に代えて1.4kgの酢
酸亜鉛2水和物とした以外は、実施例1と同様にして触
媒を調製した。得られた触媒の性状を表1および表2に
併せて示した。
【0048】実施例6 押出成型物の焼成温度を680℃とした以外は、実施例
1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を
表1および表2に併せて示した。
【0049】実施例7 押出成型物の焼成温度を780℃とした以外は、実施例
1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を
表1および表2に併せて示した。
【0050】実施例8 硝酸亜鉛6水和物を0.7kgとした以外は、実施例1
と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を表
1および表2に併せて示した。
【0051】実施例9 硝酸亜鉛6水和物を3.1kgとした以外は、実施例1
と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を表
1および表2に併せて示した。
【0052】実施例10 硝酸亜鉛6水和物を4.9kgとした以外は、実施例1
と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を表
1および表2に併せて示した。
【0053】実施例11 50Lのイオン交換水の中に、29.8kgのアルミン
酸ナトリウム溶液(Alとして23重量%含む)
と、38.0kgの硫酸アルミニウム溶液(Al
として7.9重量%含む)と、硝酸亜鉛6水和物1.9
kgを含む硝酸亜鉛溶液とをゆっくりと滴下した以外
は、実施例1と同様にして触媒を調製した。得られた触
媒の性状を表1および表2に併せて示した。
【0054】比較例1 230gのパラモリブデン酸アンモニウム4水和物を精
製水に完全に溶解し全量を1000ccにしたもの、お
よび121.6gの硝酸ニッケル6水和物と121.4
gの硝酸コバルトとを精製水に溶解し全量を1000c
cとしたものを使用した、また調湿したアルミナ粉末を
ニーダーで混練する手順を省略した以外は、実施例1と
同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を表1
および表2に併せて示した。
【0055】比較例2 押出成型物の焼成温度を680℃とした以外は、比較例
1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を
表1および表2に併せて示した。
【0056】比較例3 押出成型物の焼成温度を780℃とした以外は、比較例
1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の性状を
表1および表2に併せて示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】〔触媒の性能評価例1〕以上の実施例およ
び比較例で得られた触媒の性能を、表3に示す条件の水
素化脱硫の相対活性評価試験で評価した。結果は、表4
に示す。
【0060】
【表3】
【0061】水素化脱硫の相対活性評価試験の評価方式
は、表3の条件下で水素化脱硫反応を行い、90日目の
反応生成物の残留硫黄分(重量%)、バナジウム(pp
m)およびニッケル(ppm)分を求め、数1に示す計
算式により反応速度定数を求めることで行った。
【0062】
【数1】
【0063】なお、上記の相対脱硫活性は、(Ks)
/(Ks)で表される。ここで、Aは対象触媒を示
し、Bは比較するときの基準触媒を示す。
【0064】
【表4】
【0065】〔触媒の性能評価例2〕以上の実施例およ
び比較例で得られた触媒の性能を、表5に示す条件の相
対金属許容量評価試験で評価した。結果は、表6に示
す。
【0066】
【表5】
【0067】相対金属許容量試験の評価方式は、表5の
条件下で水素化処理を行い、脱硫率20%(残留硫黄濃
度3.57%)のときの触媒基準金属堆積量を金属許容
量として評価することとした。この結果は、表6に示
す。
【0068】
【表6】
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、担体に酸化亜鉛を
含有する本発明の触媒によれば、細孔径と比表面積が同
等であるにも関わらず、細孔容積が増加しており、その
結果、金属許容量を約10%大きくできるという利点を
有する。したがって、本発明の触媒を用いて、常圧残
油、減圧残油、減圧留出油などを対象として水素化処理
を実施した場合、脱硫活性を低下させることなく、触媒
寿命の向上、言い換えればより長期にわたる連続運転が
可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 薄井 一司 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒基準で、酸化亜鉛1〜15重量%を
    含有するアルミナ担体に、周期律表第VIB族金属成分
    を酸化物として5〜30重量%、および周期律表第VI
    II族金属成分を酸化物として1〜10重量%担持して
    なり、 平均細孔径が50〜200Å、全細孔容積が0.45c
    /g以上であることを特徴とする炭化水素油の水素
    化処理用触媒。
  2. 【請求項2】 担体が、アルミナゲルに、硝酸亜鉛、硫
    酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ばれ
    る一種類以上の粉末を混練した後、成型、焼成したもの
    であることを特徴とする請求項1記載の炭化水素油の水
    素化処理用触媒。
  3. 【請求項3】 担体が、アルミナゲルと、硝酸亜鉛、硫
    酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛の中から選ばれ
    る一種類以上の金属塩とを用い、共沈法により調製した
    ものであることを特徴とする請求項1記載の炭化水素油
    の水素化処理用触媒。
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