JPH07198565A - 鋼の偏析の転写方法 - Google Patents

鋼の偏析の転写方法

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JPH07198565A
JPH07198565A JP5335220A JP33522093A JPH07198565A JP H07198565 A JPH07198565 A JP H07198565A JP 5335220 A JP5335220 A JP 5335220A JP 33522093 A JP33522093 A JP 33522093A JP H07198565 A JPH07198565 A JP H07198565A
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一幸 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便な工程により金属の偏析を鮮明に転写す
る方法の提供。 【構成】 金属試料表面を研磨仕上した後、腐食、水
洗、乾燥を行なって腐食状態のマクロ組織を転写するに
あたり、前記処理を施した金属試料表面にグリースとカ
ーボンの微細粒との混合物を塗布し、その後、ある硬さ
の紙を用いて腐食後の凸部に付着した前記混合物を拭き
取ると共に、腐食後の凹部に前記混合物を押し込み、そ
の後、片面に接着剤が塗布されているセロハンテープ
を、前記の試料面に押しつけ、密着させてから剥ぎ取
り、剥ぎ取ったセロハンテープを台紙もしくは台板に張
り付けることを特徴とする鋼の偏析の転写方法。 【効果】 試料の中心部付近縦断面の腐食した偏析模様
の状況を正確に転写することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造片や、イ
ンゴットの偏析評価に利用することが出来る鋼の偏析を
転写する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の偏析を転写する方法として、特公昭
64-2212 号公報、特開昭61-170581 号公報および特開平
1-227943号公報が知られている。特公昭64-2212 号公報
および特開昭61-170581 号公報の方法では、図2のフロ
ーチャートに示すように、腐食、水洗、乾燥後の金属試
料表面に有機性の高粘性液状物質として通常グリースを
塗布し、その後、細粒研磨紙を用いて仕上げ研磨したの
ち、片面に接着剤が塗布されている透明薄膜たとえばセ
ロハンテープを試料表面に押しつけ、密着させてから剥
ぎ取り、剥ぎ取った透明薄膜を台紙もしくは台板に張り
つける。
【0003】この工程のなかで細粒研磨紙を用いて仕上
げ研磨をする目的は、金属試料表面の腐食により生じた
偏析部の凹みに、グリースと研磨紙の砥粒および金属の
研磨かすを押し込むと同時に、偏析部以外の凸部に付着
している余分のグリースを除去し、セロハンテープに転
写された偏析模様が、偏析部とそうでない部分とで明確
に区別できるようにするためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属試料表面
の腐食により生じた偏析部の鮮明な転写模様を得るため
には、細粒研磨紙を用いて研磨作業を入念に行なう必要
があり、大きな金属試料の場合、多大の労苦を必要とす
る。また最初に金属試料表面を研磨した後で、腐食した
金属試料面を再度研磨することになるため、腐食後の偏
析の状況がそのまま維持されない事になり、研磨の強弱
により偏析の模様が変わるため、金属試料の偏析を正確
に転写しにくいという欠点がある。
【0005】特開平1-227943号公報の方法では、腐食後
の金属試料表面に単に透明粘着テープを張り付け、剥が
した後、粘着テープを台紙に張り付ける方法であるが、
この方法では、前述した各方法のように研磨の砥粒、グ
リース金属の研磨かす等を、腐食後の金属の凹部に押し
込む工程が無いため、金属の偏析を鮮明に転写すること
が出来ない。
【0006】本発明は、前記従来技術の問題点を解消
し、簡便な工程によって金属の偏析を鮮明に転写するこ
とが出来る方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、金属試料表
面腐食状態のマクロ組織を転写するのに使用する有機性
の高粘性液状物質(グリース)に適量のカーボンの微細
粒を混合することと、拭き取りに使用する紙の硬さとの
間に密接な関連のあることを知見し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、上記知見に基づいた本発明は、
金属試料表面を研磨仕上した後、腐食、水洗、乾燥を行
なって腐食状態のマクロ組織を転写するにあたり、前記
の処理を施した金属試料表面に有機性の高粘性液状物質
と無機質の微細粒との混合物を塗布し、その後、所定の
硬さを有する紙を用いて腐食後の凸部に付着した前記混
合物を拭き取ると共に、腐食後の凹部に前記混合物を押
し込み、その後、片面に接着剤が塗布されている透明薄
膜を、前記の試料面に押しつけ、密着させてから剥ぎ取
り、剥ぎ取った透明薄膜を台紙もしくは台板に張り付け
ることを特徴とする鋼の偏析の転写方法を要旨としてい
る。
【0009】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明におい
て、鋼の偏析を転写する場合には、図1のフローチャー
トに示すように、腐食、水洗、乾燥後の金属試料表面
に、グリースにカーボンの微細粒を混入したものを塗布
し、その後、ある硬さの紙を用いて腐食後の凸部に付着
したグリースとカーボンの微細粒の混合物を拭き取ると
共に、腐食後の凹部にグリースとカーボンの微細粒の混
合物を押し込む。このあと片面に接着剤が塗布されてい
るセロハンテープを、前記の試料面に押しつけ、密着さ
せてから剥ぎ取り、剥ぎ取ったセロハンテープを台紙も
しくは台板に張り付ける。
【0010】上記の方法(マクロプリント法と呼ぶ)に
より、従来技術で必要とした細粒研磨紙を用いての研磨
作業がなくなり、操作が簡便になると共に、腐食した金
属試料の腐食面を再度研磨することが無いため、腐食後
の偏析の状況を正確に転写することができ、研磨の程度
により偏析模様がバラつくのも防げる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
るが、これによって本発明は何ら限定されるものではな
い。 実施例 鋼の偏析を現出せしめる腐食液として、飽和ピクリン酸
+表面活性剤(市販の商品名:ママレモン)を使用して
被検査面を腐食し、水洗後乾燥する。このあと、有機性
の高粘液状物質としては、10-1〜102 Pa・sの粘度の
グリース、パラフィン、ワセリンのいずれかを使用す
る。この実施例では粘度10Pa・s程度のLNGI No.2号
のグリースを使用した(LNGI No.:National Lubricati
on GreaseInstitute Number)。
【0012】この際、使用するグリースの粘度に関して
は、硬すぎても軟らかすぎても作業がしづらくなる。す
なわち、軟らかすぎると片面に接着剤が塗布されている
セロハンテープへの転写時に流動してシャープな像の転
写ができない。また、硬すぎると被検査面の凹部へ押し
込むことが困難となり、凹部へ十分に行き渡らなくな
る。従って、グリースの粘度に関してはLNGI No.0号か
ら3号が適当である。
【0013】次に、前記のグリースに、黒色もしくは灰
色の微細粒子(カーボン粉末、SiC粉末等)を混入した
ものを被検査面に塗布する。この実施例ではカーボン粉
末を使用した。この時使用するカーボン粉末の粒度につ
いては表1に示すように50〜300 メッシュの範囲のもの
であると、転写された偏析模様のコントラストが優れて
いることが解り、中でも、100 〜250 メッシュのカーボ
ン粉末を使用したものが最も良いコントラストを示し
た。
【0014】これは、カーボン粉末が粗すぎると、被検
査面の細かな凹部にカーボンが残りにくく、逆に細かす
ぎると、転写時にセロハンテープに付着したカーボンの
濃さが薄くなり、十分なコントラストが得られなくなる
からである。
【0015】又、グリースに混入するカーボンの量にも
最適な範囲がある。即ち、グリースに比べカーボン量が
多すぎると、グリースの粘着力が少なくなり、被検査面
腐食後の凹部にグリースが付着しにくくなる。逆にカー
ボンの量が少なすぎるとグリースの黒色度が低下し、転
写時の像のコントラストが不鮮明となる。表2にグリー
ス1g当りのカーボン混入量と、転写像のコントラス
ト、被検査面凹部細部へのグリースとカーボンの残留状
況を示す。これから、グリース1g当りのカーボン混入
量は0.03〜0.30gが適当であり、好ましくは0.05〜0.20
gの範囲が良い。
【0016】次に適度な硬さの紙を用いて、腐食後の凸
部に付着したグリースとカーボンの微細粒の混合物を拭
き取ると共に、腐食後の凹部にグリースとカーボンの微
細粒の混合物を押し込むが、この際、使用する紙の硬さ
が軟らかすぎると腐食後の凸部に付着したグリースとカ
ーボンの微細粒の混合物を完全に拭き取ることができ
ず、表面に残留してコントラストが悪くなる。また、硬
すぎると拭き取りが困難になり、表面にグリースとカー
ボンの微細粒の混合物が残留しやすくなる。このため拭
き取る紙の硬さにも最適な範囲がある。表3に、拭き取
りに使用した紙の硬さと、その紙で表面を10回拭き取
った後のグリースとカーボンの残留状況を示す。
【0017】表3より、拭き取りに使用する紙の硬さは
40.7〜186.1 g/m2 の範囲が良く、好ましくは52.3〜
157.0 g/m2 の範囲が良い。なお、紙の硬さはm2
りの紙の重さで表す。
【0018】紙でカーボンを混入したグリースを拭き取
った後は、片面に接着剤が塗布されている市販の幅10
0mmのセロハンテープを、試料表面に押しつけ密着さ
せてから剥ぎ取り、剥ぎ取った透明薄膜を白色または白
色に近い台紙もしくは台板に張り付ける。連続鋳造鋳片
の中心線にそって切断採取した縦断面の中心部付近の偏
析模様を、前述の方法で転写したものを図3に示す
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、簡便な操作で、鋳片の中心線にそって切断採
取した試料の、中心部付近縦断面の腐食した偏析模様の
状況を正確に転写することが出来るので、産業上極めて
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程図である。
【図2】従来技術の工程図である。
【図3】本発明法により得られた鋼断面の金属組織を示
す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属試料表面を研磨仕上した後、腐食、
    水洗、乾燥を行なって腐食状態のマクロ組織を転写する
    にあたり、前記の処理を施した金属試料表面に有機性の
    高粘性液状物質と無機質の微細粒との混合物を塗布し、
    その後、所定の硬さを有する紙を用いて腐食後の凸部に
    付着した前記混合物を拭き取ると共に、腐食後の凹部に
    前記混合物を押し込み、その後、片面に接着剤が塗布さ
    れている透明薄膜を、前記の試料面に押しつけ、密着さ
    せてから剥ぎ取り、剥ぎ取った透明薄膜を台紙もしくは
    台板に張り付けることを特徴とする鋼の偏析の転写方
    法。
  2. 【請求項2】 高粘性液状物質が、粘度10-1〜102 Pa
    ・sのグリース、パラフィンまたはワセリンのいずれか
    である請求項1記載の鋼の偏析の転写方法。
  3. 【請求項3】 無機質の微細粒が50〜300 メッシュのカ
    ーボン粉末、SiC 粉末のいずれかである請求項1または
    2記載の鋼の偏析の転写方法。
  4. 【請求項4】 高粘性液状物質1g当りの無機質の微細
    粒混入量は 0.03 〜0.30gである請求項1、2または3
    記載の鋼の偏析の転写方法。
  5. 【請求項5】 拭き取りに使用する紙の硬さは40.7〜18
    6.1 g/m2 である請求項1〜4のいずれかに記載の鋼
    の偏析の転写方法。
  6. 【請求項6】 透明薄膜がセロファンテープである請求
    項1〜5のいずれかに記載の鋼の偏析の転写方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100439826B1 (ko) * 2002-05-27 2004-07-12 현대자동차주식회사 산소 및 질소 함량 분석을 위한 시료의 전처리방법
JP2010138436A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Nippon Steel Corp 鋼の凝固組織検出方法
JP2011226992A (ja) * 2010-04-22 2011-11-10 Nippon Steel Corp 鋼の凝固組織の検出方法
JP2011226993A (ja) * 2010-04-22 2011-11-10 Nippon Steel Corp 鋼の凝固組織の検出方法
JP2012247382A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal 鋼の凝固組織の検出方法

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