JPH07201030A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07201030A
JPH07201030A JP35247993A JP35247993A JPH07201030A JP H07201030 A JPH07201030 A JP H07201030A JP 35247993 A JP35247993 A JP 35247993A JP 35247993 A JP35247993 A JP 35247993A JP H07201030 A JPH07201030 A JP H07201030A
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Japan
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JP35247993A
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English (en)
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Kunihiro Ueda
国博 上田
Masashi Higo
政志 比護
Koji Kobayashi
康二 小林
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非磁性基体上に、酸化防止剤を含むアンダー
コート層を塗設し、この上に強磁性金属薄膜磁性層を設
け、さらにこの上に、下記化3で表わされる化合物と極
性基を有するパーフルオロポリエーテルとを含むトップ
コート層を塗設した磁気記録媒体とする。 【化3】 【効果】 保存性、特に耐食性が向上する。また、耐久
性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性金属薄膜を有す
る磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着、スパッタ等の真空薄膜形成法によ
って強磁性金属薄膜が基体上に形成された、磁性金属薄
膜型の磁気記録媒体は、保磁力や残留磁束密度が高いば
かりでなく、磁性層である強磁性金属薄膜の厚さが極め
て薄くなることから、記録減磁や厚み損失が小さくな
る。また、磁性材料の充填密度も高くなる。従って、高
密度記録が可能となり、短波長記録にも適したものとな
る。
【0003】このように、強磁性金属薄膜型の磁気記録
媒体は優れた特性を有するものであるが、強磁性金属薄
膜磁性層の表面性に走行性や耐久性が影響されやすい。
このため、非磁性支持体ないし基体の表面性を改善する
ことにより磁性層の表面性を改善し、走行性や耐久性の
向上を図ることが提案されている(特開昭60−179
924号)。さらに、走行性や耐久性のみならず、高密
度記録化、短波長記録化の進展に伴って、電磁変換特性
に与える表面性の影響も無視できなくなり、走行性や耐
久性と電磁変換特性とを両立させるものとして、非磁性
支持体上にエマルジョンの塗膜等で形成された下塗層を
設けることが提案されている(特開平2−265011
号、特開平2−267718号、特開平2−26771
9号、特開平2−267720号等)。
【0004】上記のように非磁性支持体上に下塗層を設
けることによって、電磁変換特性(Y−C/N)、スチ
ル耐久性、シャトル耐久性などの点が改善されるもの
の、上記のような下塗層のみでは磁性層に対する水分や
酸素の侵入を防止することができない。このため、耐食
性や耐久性などの保存性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、保存性に優れた磁気記録媒体、特に耐食性および耐
久性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)によって達成される。 (1)非磁性基体上に、アンダーコート層を有し、この
アンダーコート層上に強磁性金属薄膜磁性層を有し、さ
らにこの強磁性金属薄膜磁性層上にトップコート層を有
する磁気記録媒体において、前記アンダーコート層が酸
化防止剤を含む塗膜であり、前記トップコート層が下記
化2で表わされる化合物と極性基を有するパーフルオロ
ポリエーテルとを含む塗膜である磁気記録媒体。
【0007】
【化2】
【0008】[化2において、Aはリン酸基、ホスホン
酸基、ホスフィン酸基、カルボン酸基およびこれらのエ
ステルのうちの1つを表わす。Lはアルキレン基、アル
ケニレン基またはアルキニレン基を表わす。R1 、R2
およびR3 は、それぞれフッ素原子またはパーフルオロ
アルキル基を表わす。] (2)前記トップコート層における前記化合物の前記パ
ーフルオロポリエーテルに対する比、前記化合物/前記
パーフルオロポリエーテルが、重量比で、0.05/1
〜1/1である上記(1)の磁気記録媒体。 (3)前記トップコート層の厚さが10〜50A である
上記(1)または(2)の磁気記録媒体。 (4)前記アンダーコート層における前記酸化防止剤の
含有量が15wt% 以上である上記(1)ないし(3)の
いずれかの磁気記録媒体。 (5)前記アンダーコート層が、さらに高硬度樹脂微粒
子およびセラミック微粒子のうちの少なくとも1種を含
み、この微粒子をバインダー中に分散させたものである
上記(1)ないし(4)のいずれかの磁気記録媒体。 (6)前記微粒子の平均粒径が40A 以上であり、前記
アンダーコート層におけるバインダーの含有量が20wt
% 以上であり、前記微粒子を250万〜1100万個/m
m2の面密度で含有する上記(5)の磁気記録媒体。 (7)前記アンダーコート層の厚さが、前記微粒子の平
均粒径値の20〜50%に相当するものである上記
(6)の磁気記録媒体。 (8)前記強磁金属薄膜が、Coを主成分とし、斜め蒸
着法によって形成された上記(1)ないし(7)のいず
れかの磁気記録媒体。
【0009】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0010】本発明の磁気記録媒体は、強磁性金属薄膜
を磁性層として有する、いわゆる金属薄膜型の磁気記録
媒体、具体的には磁気テープであり、非磁性基体上にア
ンダーコート層を有し、この上に強磁性金属薄膜磁性層
が形成され、さらにこの上にトップコート層が形成され
たものである。
【0011】上記において、アンダーコート層には酸化
防止剤が含まれており、トップコート層には化2で表わ
される化合物(以下、「化2の化合物」ともいう。)と
極性基を有するパーフルオロポリエーテルとが含まれて
いる。
【0012】このように、強磁性金属薄膜磁性層の上下
を挟みこむようにして上記のアンダーコート層およびト
ップコート層を設けることにより、磁性層の上方および
下方からの水分と酸素とを遮断することができ、耐食性
および耐久性を向上させることができる。これに対し、
アンダーコート層およびトップコート層のいずれか一方
のみでは耐食性が不十分である。特にアンダーコート層
のみでトップコート層がないときは、これに加え、さら
に摩擦特性が悪化する。
【0013】また、アンダーコート層が設けられていて
も酸化防止剤が含まれていないと耐食性が不十分とな
り、さらには保存によるドロップアウトの増加を招く。
このドロップアウトの増加は、酸化防止効果が十分でな
いと、アンダーコート層側表面から強磁性金属薄膜が酸
化されるため、薄膜の厚さ方向に体積が増加して膨張し
て磁性層表面に異常突出部を形成することに起因すると
考えられる。そして、このようにして形成された磁性層
表面の異常突出部が、磁気ヘッドとの摺接時にドロップ
アウトを引き起こしたり、さらに異常突出部が剥離し、
この剥離部分や剥離物がドロップアウトを引き起こした
りする。
【0014】さらには、トップコート層が設けられてい
ても化2の化合物が含まれていないと耐食性が不十分と
なり、アンダーコート層の場合と同様の理由で保存によ
るドロップアウトが増加する。すなわち、トップコート
層側表面から強磁性金属薄膜が酸化されるため、アンダ
ーコート層の場合と同様に磁性層表面に異常突出部を形
成することによると考えられる。
【0015】また、極性基を有するパーフルオロポリエ
ーテルが含まれていないと摩擦特性が悪化する。
【0016】なお、特開平2−265011号には、強
磁性金属薄膜の耐食性や走行性を向上させるために、潤
滑剤や防錆剤等を含んだ保護層を形成してもよい旨が記
載されている。しかし、本発明のように、化2の化合物
とパーフルオロポリエーテルとを選択して用いることに
ついては示唆すらされていない。
【0017】次に、本発明の磁気記録媒体のアンダーコ
ート層について述べる。
【0018】アンダーコート層は、酸化防止剤を含む。
酸化防止剤としては、通常の酸化防止剤が用いられる。
具体的には、1)リン系、2)フェノール系、3)アミ
ン系、4)有機酸、アルコール、エステル系、5)キノ
ン系、6)無機酸、無機塩素のように分類される酸化防
止剤が挙げられる。
【0019】さらに、各系列毎に具体例を示す。
【0020】1)リン系酸化防止剤としては、リン酸エ
ステル部分のRとしてはアルキル基、アルキルフェニル
基、その他酸化エチレン、酸化プロピレンを含有し、そ
のRとしてCが1〜26が好ましく、さらに好ましいの
は1〜22である。リン酸エステルとしてはモノ、ジ、
トリのものが含まれ、モノあるいはジの成分が多いもの
であってもよく、トリタイプのものはカットされていて
もよい。またリン酸エステルはNH4 タイプのものおよ
びメタクリレートタイプ、アクリレートタイプのものも
含まれる。具体的にはトリフェニルホスファイト、トリ
オクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、
トリラウリルトリチオホスファイト等の亜リン酸エステ
ルや、トリフェニルホスフェート、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミド、ブチルホスフェート、セチルホスフ
ェート、ブトキシエチルホスフェート、2−エチルヘキ
シルホスフェート、β−クロロエチルホスフェート、ブ
トキシエチルホスフェートジエチルアミン塩、ジ(2−
エチルヘキシル)ホスフェート、エチレングリコールア
シッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタク
リレート・ホスフェート、ブチルヒドロキシメタクリレ
ート・ホスフェート、カプリルヒドロキシメタクリレー
ト・ホスフェート、ミリスチルヒドロキシメタクリレー
ト・ホスフェート、ステアリルヒドロキシメタクリレー
ト・ホスフェート、セチルヒドロキシメタクリレート・
ホスフェート、ブチルフェニルヒドロキシメタクリレー
ト・ホスフェート、アミルフェニルヒドロキシメタクリ
レート・ホスフェート、ノニルフェニルヒドロキシメタ
クリレート・ホスフェートおよびこれらのアクリレート
タイプ、その他のアルコール、およびノニルフェニル等
のフェニルホスフェート、バナジウム系酸性リン酸エス
テル等のリン酸エステルが挙げられる。
【0021】2)フェノール系酸化防止剤としては、
2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ
−第三ブチル−p−フェノール、2,4−ジ−メチル−
5−第三ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソ
ール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)、テト
ラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−第三ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第
三ブチルフェニル)ブタン、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、没食子酸プロピル、ノルジヒドログアヤレチン酸等
がある。放射線硬化型としてはモノグリコールサリチレ
ート、2,5−ジ−第三ブチルハイドロキノン、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒド
ロキシブチロフェノン、ハイドロキノン等のメタクリレ
ート、アクリレートタイプが挙げられる。
【0022】3)アミン系酸化防止剤としては、フェニ
ル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,
N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェ
ノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジ
アミンの他、アルカノールアミン、リン脂質等が挙げら
れる。アミン系でもジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、アクリレート等の放射線硬化可能のものが放射線硬
化型として挙げられる。
【0023】4)有機酸、アルコール、エステル系酸化
防止剤としては、ソルビトール、グリセリン、プロピレ
ングリコール、アジピン酸、クエン酸、アスコルビン酸
等が挙げられ、これらの放射線硬化型であってもよい。
【0024】5)キノン系酸化防止剤としては、ヒドロ
キノン、トコフェロール等があり、これらの中で放射線
硬化型であってもよい。
【0025】6)無機酸、無機塩系酸化防止剤として
は、リン酸がその代表例として挙げられる。
【0026】上記の酸化防止剤の中でも、1)リン系、
2)フェノール系、3)アミン系および4)有機酸、ア
ルコール、エステル系のうち、特にアルコール系等が好
ましい。具体的には、 1)リン系としては、トリフェニルホスファイト、(2
−ヒドロキシエチル)メタクリレート・ホスフェート、
ミリスチルヒドロキシメタクリレート・ホスフェート、
ステアリルヒドロキシメタクリレート・ホスフェート、
トリフェニルホスフェート、 2)フェノール系としては、2,6−ジ−第三ブチル−
p−クレゾール、2,6−ジ−第三ブチル−p−フェノ
ール、モノグリコールサリチレートアクリレート、 3)アミン系としては、フェノチアジン、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、 4)アルコール系としては、ソルビトール、プロピレン
グリコール等が挙げられる。
【0027】さらに、これらのうちでも1)リン系が、
磁性層との親和性が良く、例えばメチルエチルケトン、
トルエン、シクロヘキサノン等の多用する溶媒に容易に
溶解し、製造工程における取り扱いが容易な点で特に好
ましい。
【0028】酸化防止剤のアンダーコート層全体に対す
る含有量は、15wt% 以上、さらには20wt% 以上とす
ることが好ましい。このような含有量とすることにより
耐食性が向上する。これに対し、この含有量が少なすぎ
ると本発明の実効がなくなる。また多すぎると他の組成
成分の含有量の低下を招き好ましくないので、上限は通
常60wt% 程度とする。
【0029】本発明におけるアンダーコート層には、高
硬度樹脂微粒子およびセラミック微粒子のうちの少なく
とも1種を含ませることが好ましい。
【0030】このような微粒子を含ませることにより、
磁気記録媒体の表面性を良好にすることができ、走行
性、耐久性、電磁変換特性に優れたものとすることがで
きる。
【0031】このような微粒子としては、平均粒径が4
0A 以上、好ましくは40〜500A であり、より好ま
しくは50〜400A であり、特に100〜350A が
好ましい。平均粒径が小さくなると、磁気記録媒体表面
の摩擦係数が高くなり、耐久走行性が低下し、走行時に
テープが走行ガイドや回転シリンダ等に貼り付いたりす
る。また平均粒径の最大値は、後述する微粒子の面密
度、用いる微粒子の材質、酸化防止剤やバインダの含有
量、さらにアンダーコート層厚により異なるが、大きす
ぎると磁気記録媒体の表面のRmax が高くなりすぎ、平
滑性が悪化して電磁変換特性が低下しやすくなる。
【0032】これら微粒子は、粒状であっても、破砕片
状であってもよく、その形状は、球状、半球状、楕円
状、針状、紡錘状、棒状、板状、星型等と形容される形
のいずれでもよく、また不定形であってもよく、特に制
限はない。なお、上記における平均粒径とは、後述する
アンダーコート層用塗料に混合して非磁性支持体上に塗
布後の微粒子が、アンダーコート層の厚さ方向に有する
径とする。すなわち、一般に球状ないし星型等の形状の
微粒子は、平均の最大粒子径が平均粒径とほぼ一致す
る。一方、半球状、楕円状、針状、紡錘状、棒状または
板状の形状をもつ微粒子は長軸と短軸とをもち、さらに
厚さをもつものもある。これらの形状を持つ粒子は、前
記長軸長(すなわち最大粒子径)がアンダーコート層厚
より十分大きい場合、非磁性支持体上に塗布することに
よって、非磁性支持体表面と長軸とがほぼ平行となるよ
うに配向する。したがって、このような形状をもつ粒子
では、非磁性支持体上に塗布後の微粒子が、アンダーコ
ート層厚さ方向に有する径とは、その微粒子形状により
異なるが、短軸長あるいは厚さをいう。このような場
合、長軸長(最大粒子径)には特に制限はないが、通常
短軸長あるいは厚さの10倍以下程度である。
【0033】本発明に用いる微粒子の材質としては、前
記のようにセラミックスおよび高硬度樹脂が好ましい。
これらのうち、好ましいセラミックスとしては、硬度
が、ビッカース硬度により表わしたとき1000kg/mm2
以上程度である。好ましいセラミックスとしては、具体
的にはアルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、窒
化ホウ素および窒化チタンが挙げられる。
【0034】また、高硬度樹脂としては、Tgが室温よ
り高く、非水溶性であり、重量平均分子量Mw=10万
〜30万程度であり、数平均分子量Mnに対する重量平
均分子量Mwの比、Mw/Mn=3以下、粒度分布が±
10%程度のものが好ましい。さらに、このような高硬
度樹脂に含まれる重合開始剤等の不純物は、5wt%以下
であることが好ましい。
【0035】このような好ましい高硬度樹脂の材質とし
ては、具体的にはアクリル樹脂、カーボネート系樹脂、
スチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン)樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂およびフ
ェノール系樹脂のうち、前記条件を満たすものを挙げる
ことができる。
【0036】これらの微粒子のうちではシリカ、アルミ
ナ、アクリル樹脂、カーボネート系樹脂等が、取り扱い
が容易で粒度分布が狭いものが得やすく、かつ安価なた
め量産に適しており、特に好ましい。
【0037】これらの微粒子は通常1種のみ用いるが、
2種以上を併用してもよい。
【0038】このような微粒子の含有量は、アンダーコ
ート層中での面密度(個/mm2 )により決定すればよ
い。微粒子の面密度としては、250〜1100万個/
mm2 、好ましくは400〜700万個/mm2 、より好ま
しくは550〜650万個/mm2 である。微粒子の面密
度が低くなりすぎてもまた高くなりすぎても、摩擦係数
が高くなり、耐久走行性が低下してくる。微粒子の面密
度の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)により行えば
よい。
【0039】アンダーコート層用塗料中への微粒子の具
体的な添加量は、添加する微粒子量を変化させた塗料を
調製し、予め添加量と面密度との関係を求めておき、こ
の関係から実験的に求めることができる。
【0040】アンダーコート層は、酸化防止剤を含み、
バインダー、好ましくは樹脂バインダーに上記微粒子を
分散したものであるが、このとき用いる樹脂バインダー
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および放射線硬
化性樹脂もしくはこれらの混合物等いずれであってもよ
い。
【0041】熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレ
ングリコールテレフタレートのようなポリエステル樹
脂、アクリル酸エステル−アクリロニトリル系共重合
体、メタクリル酸エステル−エチレン系共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体
(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース等)およびアミノ樹脂の
熱可塑性樹脂などをあげることができる。これらは一種
単独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0042】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステル樹脂と
イソシアネートプレポリマーとの混合物、メタクリル酸
塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーとの混合
物、尿素ホルムアルデヒド樹脂およびポリアミン樹脂等
が挙げられる。これらは一種単独で使用してもよく、ま
た、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】また、このような樹脂には架橋剤を併用し
てもよく、架橋剤としては、各種ポリイソシアナート、
特にジイソシアナートを用いることができ、特に、トリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、メチレンジイソシアナートの1種以上が好ましい。
これらの架橋剤は、トリメチロールプロパン等の水酸基
を複数有するものに変性した架橋剤またはジイソシアネ
ート化合物3分子が結合したイソシアヌレート型の架橋
剤として用いることが特に好ましく、樹脂に含有される
官能基等と結合して樹脂を架橋する。架橋剤の含有量は
樹脂100重量部に対し、10〜30重量部とすること
が好ましい。
【0044】このような、熱硬化性樹脂を硬化するに
は、一般に加熱オーブン中で50〜70℃にて12〜4
8時間加熱すればよい。
【0045】放射線硬化性樹脂としては、放射線硬化性
化合物を硬化したものも好適である。放射線硬化性化合
物の具体例としては、例えば無水マレイン酸タイプ、ウ
レタン(メタ)アクリルタイプ、エポキシ(メタ)アク
リルタイプ、ポリエステル(メタ)アクリルタイプ、ポ
リエーテル(メタ)アクリルタイプ、ポリウレタン(メ
タ)アクリルタイプ、ポリアミド(メタ)アクリルタイ
プ等の不飽和プレポリマー;エーテル(メタ)アクリル
タイプ、ウレタン(メタ)アクリルタイプ、エポキシ
(メタ)アクリルタイプ、燐酸エステル(メタ)アクリ
ルタイプ、アリールタイプおよびハイドロカーボンタイ
プ等の多官能モノマー等があげられる。これらは一種単
独で使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用
してもよい。放射線硬化する場合の放射線量は、放射線
として通常電子線(EB)が使用されることから、この
線量で表わして1M 〜5M Rad とすることが好ましい。
【0046】このような樹脂の中でもポリエチレングリ
コールテレフタレートのようなポリエステル樹脂とエポ
キシ樹脂のように、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混
合することが好ましく、混合比としては、熱可塑性樹脂
/熱硬化性樹脂が3/1〜1/1の範囲が望ましい。こ
のように混合した樹脂を用いる場合、アンダーコート層
の適度な柔軟性を保つために、硬化処理を施してもよ
い。上記いかなる樹脂を用いても、非磁性支持体がカー
ルしない条件で制御する。
【0047】上記のような樹脂バインダーの含有量はア
ンダーコート層の20wt% 以上、さらには25wt% 以上
とすることが好ましい。このような含有量とすることに
より、アンダーコート層における各成分の結合性が良化
する。バインダーの含有量は、用いる微粒子の比重等か
ら、最適な含有量を決定すればよい。バインダーの含有
量が少ないと、微粒子や酸化防止剤を固定する効果が低
下し、走行による微粒子や酸化防止剤さらには磁性層の
欠落の原因となり、ドロップアウトが増加する。また、
含有量が多すぎるとアンダーコート層に含有される他の
組成成分の含有量を低下させ、それらの成分の効果を低
下させる。したがって、含有量の上限としては通常はア
ンダーコート層の60wt%程度以下である。
【0048】本発明におけるアンダーコート層は、酸化
防止剤、好ましくは上記のような微粒子、必要に応じて
樹脂バインダーを所定量の溶剤に所定量含有させた塗料
を用いて形成される。
【0049】この場合に用いられる溶剤としては特に制
限はなく、バインダー、その他の組成成分の溶解性や相
溶性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ギ酸エチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、イソプロピルエーテル、エチルエーテル、ジオキサ
ン等のエーテル類、テトラヒドロフラン、フルフラール
等のフラン類、ジメチルフォルムアミド、ビニルピロリ
ドン等の希釈剤ないし溶剤が挙げられる。これらの溶剤
を単一溶剤またはこれらの混合溶剤として用いればよ
い。また、アンダーコート層中の溶剤の含有量や溶剤の
混合比率等に特に制限はなく、塗料の組成、調製方法あ
るいは塗布方法等を考慮して適宜決定すればよく、これ
らの組成成分と溶剤等を混合する方法にも特に制限はな
い。
【0050】上記のような塗料を用いて塗膜を形成する
際の塗布法には特に制限はなく、グラビアコート、リバ
ースコート、ダイノズルコート等のいずれであってもよ
いが、乾燥後の表面平滑性を考慮するとリバースコー
ト、ダイノズルコート等が好ましい。
【0051】上記のような塗料を用いて塗膜を形成した
後は、熱硬化性樹脂の場合は前記と同条件で熱硬化させ
ればよく、また放射線硬化性樹脂の場合は前記と同条件
で放射線硬化させればよい。
【0052】硬化乾燥後のアンダーコート層の厚さは、
用いる前記微粒子の平均粒径値の20〜50%、好まし
くは35〜45%である。アンダーコート層の厚さと前
記微粒子の平均粒径との関係をこのように保つことで、
前記微粒子により磁性層の優れた表面性が得られ、優れ
た電磁変換特性や耐久走行性が得られる。アンダーコー
ト層が厚すぎると、添加した微粒子がアンダーコート層
中に埋没する部分が多くなり、耐久走行性の改善効果が
得られない。一方薄すぎると、Rmax 値が大きくなりす
ぎるため、磁性層の表面性が悪化し、電磁変換特性が低
下し、さらに酸化防止剤の含有量が減少するため、磁性
層に対する酸化防止効果が低下して保存性が低下する。
また、用いる前記微粒子の平均粒径にかかわらず、アン
ダーコート層が厚すぎると、塗設後の乾燥処理により非
磁性支持体がカールする傾向が強まり、強磁性金属薄膜
層の成膜時に障害となりやすく、さらに磁気記録媒体と
しての厚さも厚くなりすぎるため、通常は200A 以
下、好ましくは150A 以下である。
【0053】アンダーコート層の硬化乾燥後の表面粗さ
は、JIS B 0601によるRmax で表示して20
0〜500A 、さらには250〜450A 程度とするこ
とが好ましい。このようなRmax をもつアンダーコート
層を設けることで、優れた走行性や電磁変換特性が得ら
れる。Rmax が大きくなりすぎると電磁変換特性が低下
しやすくなり、小さすぎると摩擦係数が高くなり、耐久
走行性が劣化しやすくなる。
【0054】次にトップコート層について述べる。
【0055】本発明におけるトップコート層は、化2の
化合物と極性基を有するパーフルオロポリエーテルとを
含む。
【0056】化2の化合物について記す。化2におい
て、Aはリン酸基(−PO42 )、ホスホン酸基(−
PO32 )、ホスフィン酸基(−PO22 )、カル
ボン酸基(−COOH)およびこれらのエステル[−P
4 H(R)、−PO4 (R)2 、−PO3 H(R)、
−PO3 (R)2 、−PO2 H(R)、−PO2 (R)
2 、−COOR;ここでRはアルキル基(メチル、エチ
ル等)を表わす。]のうちの1つを表わす。なかでも、
リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、カルボン酸
基およびこれらのメチルないしエチルのモノエステル等
のうちの1つであることが好ましい。
【0057】Lはアルキレン基、アルケニレン基または
アルキニレン基を表わし、これらはフッ素原子等で置換
されていてもよい。アルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基の炭素原子数は1〜4であり、直鎖状であ
ることが好ましい。具体的には、−CH2 −、−CH2
−CH2 −、−(CH23 −、−CH=CH−、−C
≡C−等が好ましいものとして挙げられる。
【0058】R1 、R2 およびR3 はそれぞれフッ素原
子またはパーフルオロアルキル基を表わす。R1 で表わ
されるパーフルオロアルキル基としては、直鎖状でも分
枝を有するものであってもよく、炭素原子数1〜3のも
のが好ましく、具体的には−CF3 等がある。R1 とし
ては、−F、−CF3 等が好ましい。R2 、R3 で表わ
されるパーフルオロアルキル基としては、直鎖状でも分
枝を有するものであってもよく、炭素原子数1〜5のも
のが好ましく、具体的には−CF3 、−C25 、−C
F(CF32 、−C(CF33 等が好ましい。R
2 、R3 としては、−F、−CF3 、−C25 、−C
F(CF32 、−C(CF33 等が好ましく、特に
−C25 、−CF(CF32 、−C(CF33
が好ましい。R2 とR3 とは通常同一であるが、異なっ
ていてよい。
【0059】化2の化合物の具体例を以下に示す。表中
には、化2におけるA、L、R1 〜R3 の組み合わせで
示している。
【0060】
【表1】
【0061】化2の化合物は、1種のみを用いても2種
以上を併用してもよい。
【0062】化2の化合物は、トップコート層におい
て、Aで表わされる、極性基であるリン酸基等が強磁性
金属薄膜磁性層側に位置して磁性層との接着性を高め、
一方R1 〜R3 で表わされる含フッ素基が表面側に位置
して外部から侵入する水分等と遮断するものと考えられ
る。従って、化2の化合物をトップコート層に用いるこ
とによって、耐食性が格段に向上する効果が得られる。
このような効果は化2の化合物を用いてはじめて得られ
るものであり、通常の防錆剤を用いて得られるものでは
ない。
【0063】化2の化合物とともにトップコート層に用
いられる極性基を有するパーフルオロポリエーテルは、
極性基としてヒドロキシ基、エステル基、カルボキシ基
等を有し、特に極性基としてはヒドロキシ基、エステル
基等が好ましく、数平均分子量が3000〜5000の
ものが好ましい。この場合、極性基はポリマー中の末端
基として存在するが、例えば線状のポリマーなどでは、
極性基は両末端に存在しても一方の末端に存在していて
もよい。このものは市販品をそのまま用いればよく、例
えばAM2001、Z−DOL(モンテジソン社製)、
SA1、SY3(ダイキン工業社製)の商品名のものが
挙げられる。このような化合物は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。
【0064】トップコート層における化2の化合物と極
性基を有するパーフルオロポリエーテルは、化2の化合
物/極性基を有するパーフルオロポリエーテルの重量比
で0.05/1〜1/1程度となるようにすればよい。
【0065】化2の化合物と極性基を有するパーフルオ
ロポリエーテルとを上記のように用いることによって耐
食性および摩擦特性を向上させることができる。また、
保存によるドロップアウトの増加もない。これに対し、
化2の化合物が少なすぎたり、パーフルオロポリエーテ
ルが多すぎたりすると、耐食性が不十分となり、保存に
よるドロップアウトが増加しやすくなる。また、化2の
化合物が多すぎたり、パーフルオロポリエーテルが少な
すぎると、走行時の張り付きが生じたり、高摩擦となっ
たりして走行性や摩擦特性が悪化しやすくなる。
【0066】トップコート層には、化2の化合物と極性
基を有するパーフルオロポリエーテルのみを含有させる
ことが好ましいが、このほか、トップコート層には、非
極性パーフルオロポリエーテルや長鎖カルボン酸等を含
有させてもよい。
【0067】このようなトップコート層は、化2の化合
物と極性基を有するパーフルオロポリエーテルとを所定
量の溶剤に所定量含有させた塗料を用いて形成される。
【0068】この場合に用いられる溶剤としては、フッ
素系溶剤、あるいはフッ素系溶剤を主成分とする混合溶
剤(フッ素系溶剤60vol%以上)が好ましい。フッ素系
溶剤としては、E−90(モンテソジン社製)やEFL
−150(ダイキン工業社製)の商品名等のものを用い
ることができる。
【0069】このようなトップコート層用塗料における
化2の化合物と極性基を有するパーフルオロポリエーテ
ルとの合計含有量は、全溶剤量に対し0.1〜1wt% 、
さらには0.2〜0.5wt% とすることが好ましい。こ
のような溶剤量とすることにより、塗膜の膜厚のコント
ロールが容易となり、良好な塗膜を形成することができ
る。
【0070】塗膜を形成する際の塗布法には特に制限は
なく、グラビアコート、リバースコート、ダイノズルコ
ート等のいずれであってもよい。
【0071】トップコート層の塗膜形成後は乾燥する。
【0072】トップコート層の厚さは、10〜50A と
することが好ましい。このような厚さとすることによっ
て、耐食性が向上し、摩擦特性および耐久性が向上す
る。これに対し、トップコート層が薄すぎると本発明の
実効が得られず、厚すぎると効果の向上が望めなくなる
ばかりでなくスペーシングロスの問題が生じやすくな
る。
【0073】本発明において、アンダーコート層上に形
成される強磁性金属薄膜磁性層は、CoまたはCoを主
成分とする合金から構成される。Coを主成分とする合
金としてはCo−Ni、Co−Fe、Co−Cr、Co
−Ni−Cr、Co−Pt、Co−Ta−Crなどが挙
げられる。特に、Niを含有するCo−Ni合金である
ことが好ましく、特にモル比でCoを約80%以上、N
iを20%以下含有する合金が好適である。また、必要
に応じてCrを10%以下含有していてもよく、特開昭
63−10315号公報等に記載されている各種金属や
その他の金属成分を含有していてもよい。
【0074】このような強磁性金属薄膜は真空薄膜形成
法によって形成する。なかでも、蒸着法によることが好
ましく、特に斜め蒸着法によることが好ましい。
【0075】斜め蒸着法は、例えば、供給ロールから繰
り出された長尺フィルム状のアンダーコート層を形成し
た非磁性基体を回転する冷却ドラムの表面に添わせて送
りながら、一個以上の定置金属源から斜め蒸着をし、巻
き取りロールに巻き取るものである。合金薄膜を形成す
る場合は、融点が近い金属であれば合金の金属源を用い
てよく、融点の異なるものでは金属源を複数用いた多元
蒸着とすればよい。
【0076】この際、成膜時の強磁性金属成分の入射角
と基体法線との角度をθとしたとき、θは変化し、初期
のθmax から、最終のθmin の範囲で蒸着が行われる。
そして、強磁性薄膜蒸着時のθmax は80〜90度であ
ることが好ましく、θmin は10〜60度であることが
好ましい。さらに、磁化容易軸が非磁性支持体に対して
30度方向になるように成膜することが好ましい。
【0077】蒸着金属粒子の入射角は蒸着初期のθmax
から最終のθmin まで連続的に変化し、非磁性基体上の
アンダーコート層表面に、好ましくはCoを主成分とす
る強磁性金属の柱状結晶粒子を弧状一方向に成長させ、
整列させるものである。磁性層を多層構成とする場合
は、この工程を繰り返し行う。
【0078】磁性層は、強磁性金属薄膜を1層のみで構
成しても、2層以上の多層構成としてもよい。
【0079】さらに、必要に応じて少量の酸素を各層の
表面層に含有させたり、このほか非磁性層を介在させた
りして、耐食性等を向上させることができる。
【0080】特に、磁性層の最上層となる強磁性金属薄
膜の表面部の層(以下、「表面層」という。)に酸素を
含有させ、この薄膜を構成する金属の酸化物を含有させ
ることが好ましい。これにより磁性層が酸化されにくく
なる。このような酸化物を含有する表面層は、蒸着の際
の雰囲気の酸素分圧を制御することなどによって形成す
ればよく、表面層の厚さは表面から50〜210A 程度
とすることが好ましい。この表面層における酸素の平均
含有率は、磁気特性、強度などの点で、40〜70at%
程度とすることが好ましく、含有される金属酸化物は必
ずしも化学量論的な関係を満たすものでなくてもよい。
酸素の含有率が少なくなると耐酸化性が不十分となり、
強度の低下を招く。また多すぎると磁気特性が低下しや
すくなる。
【0081】このような表面分析はオージェ(Auger) 分
光分析法等によればよい。
【0082】磁性層全体の厚さは、1200〜3000
A 程度であることが好ましい。このとき出力とC/Nと
のバランスがよくなる。薄すぎると出力が低下しやす
く、厚すぎるとノイズ成分が増加するためC/Nが低下
しやすくなる。
【0083】このほか、強磁性金属薄膜磁性層は、スパ
ッタ法やイオンプレーティング法等によって形成しても
よい。スパッタ法ではAr雰囲気下、10-3Torr程度の
圧力にて放電させて金属(合金を含む。)薄膜を形成す
る。イオンプレーティング法は、基本的には蒸着法と同
じであり、蒸発させた金属または金属の多元成分をRF
(ラジオ波)などの高周波にてイオン化してバイアス印
加された非磁性基体のアンダーコート層上に金属薄膜を
形成する。このとき、通常は、絶縁物上にバイアスを印
加できないが、交番バイアスを印加することによりバイ
アス電位を発生させることが可能となる。
【0084】本発明に用いる非磁性基体の材質に特に制
限はなく、強磁性金属薄膜形成時の熱に耐える各種フィ
ルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル
類、ポリイミド、アラミド、ポリサルフォンおよびポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK)などの各種樹脂を
用いることができる。
【0085】本発明では、非磁性基体の磁性層形成側面
と反対側の面にバックコート層を形成することが好まし
い。このバックコート層の組成には、特に制限はない
が、前記のアンダーコート層と同様とすることもでき
る。
【0086】バックコート層の厚さは25〜2000A
程度とする。このようなバックコート層を設けることに
よって走行安定性が得られる。
【0087】このほか、本発明では必要に応じて、非磁
性支持体と磁性層との間に、前記アンダーコート層の他
に非磁性支持体と磁性層との接着力の向上を目的とする
下地層や、さらに別の中間層等の構成を付加してもよ
い。また、アンダーコート層を形成する前に、非磁性支
持体のアンダーコート層形成面に例えばアルゴンArや
酸素O2 等を用いるグロー処理や、コロナ処理等の前処
理を施しても良く、さらに、強磁性金属薄膜層を設層す
る前に、アンダーコート層表面に同様の処理を施しても
よい。
【0088】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0089】実施例1 (1)下記組成のアンダーコート層用塗料を調製した。
【0090】アンダーコート層用塗料No. 1 ポリエチレングリコールテレフタレート 0.2重量部 エポキシ樹脂 0.1重量部 微粒子(シリカ:球状:平均粒径250A )0.2重量
部 シクロヘキサノン/メチルエチルケトン(重量比1/
1)混合溶剤100重量部
【0091】アンダーコート層用塗料No. 2 アンダーコート層用塗料No. 1において、酸化防止剤と
してトリフェニルフォスファイトをアンダーコート層の
10wt% に相当するように添加するほかは同様に調製し
た。
【0092】アンダーコート層用塗料No. 3〜No.5 アンダーコート層用塗料No. 2において、トリフェニル
フォスファイトの量をアンダーコート層の20wt% 、ア
ンダーコート層の30wt% 、アンダーコート層の40wt
% にそれぞれ相当するように各々かえるほかは同様にし
てアンダーコート層用塗料を調製した。これらの塗料を
順にアンダーコート層用塗料No. 3〜No. 5とする。
【0093】アンダーコート層用塗料No. 7〜No. 17 アンダーコート層用塗料No. 4において、酸化防止剤を
フェノチアジン、トリフェニルホスフェート、ミリスチ
ルヒドロキシメタクリレートホスフェート、ソルビトー
ル、2,6−ジ−第三ブチルフェノール、(2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)、ステアリルヒドロキシメ
タクリレート、モノグリコールサリチレートアクリレー
ト、2,6−第三ブチル−p−クレゾール、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、プロピレングリコールに各
々かえるほかは同様にしてアンダーコート層用塗料を調
製した。これらの塗料を順にアンダーコート層用塗料N
o.7〜No. 17とする(いずれもアンダーコート層の3
0wt% に相当する添加量)。
【0094】なお、上記のアンダーコート層用塗料No.
1〜No. 17における微粒子の添加量は、面密度600
万個/mm2 に相当する添加量となるように適宜調整し
た。
【0095】 (2)下記組成のトップコート層用塗料を調製した。トップコート層用塗料No. 1 ポリフルオロポリエーテル[極性基−OH、極性基数1、数平均分子量350 0、商品名SA1(ダイキン工業社製)] 1重量部 フッ素系溶剤[E−90(モンテジソン社製)] 200重量部
【0096】トップコート層用塗料No. 2 化合物No. 2−1(化2) 0.1重量部 フッ素系溶剤[E−90(モンテジソン社製)] 200重量部
【0097】トップコート層用塗料No. 3 化合物No. 2−1(化2) 0.1重量部 ポリフルオロポリエーテル[極性基−OH、極性基数1、数平均分子量350 0、商品名SA1(ダイキン工業社製)] 1重量部 フッ素系溶剤[E−90(モンテジソン社製)] 200重量部
【0098】(3)表2〜4に示すようなアンダーコー
ト層とトップコート層との組み合わせで、磁気テープサ
ンプルを作製した。
【0099】厚さ7μm のポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、アンダーコート層用塗料No.
1〜No. 5、No. 7〜No. 17を表2〜4に示すように
用いて表2に示すようなアンダーコート層を塗設した。
塗布はダイノズルコート法により行い、塗膜形成後乾燥
した。
【0100】アンダーコート層の表面粗さを下記のよう
にして求めた。表面粗さは、JISB601の定義によ
るRmax で表示している。
【0101】このようなアンダーコート層を形成したポ
リエチレンテレフタレートフィルムを、10-4PaのAr
雰囲気で、供給ロールから繰り出して、回転する円筒状
冷却ドラムの周囲に添わさせて移動させ20at% Ni−
Co合金を斜め蒸着して強磁性金属薄膜を形成し、巻き
取りロールに巻き取った。
【0102】次いで、この巻き取りロールを供給ロール
とし、PETフィルム表面の法線方向を挟んで上記斜め
蒸着時の入射方向と交差する入射方向にて強磁性金属を
斜め蒸着して、2層構成の磁性層を設層した。磁性層の
全体厚は2000A であった。
【0103】なお、この場合、最上層の強磁性金属薄膜
の表面層の形成に際し、雰囲気中の酸素分圧を制御し表
面層に酸素を含有させ、金属酸化物を含有する表面層と
した。表面層の厚さは表面から200A とし、この表面
層における酸素の含有量は65at% であった。このよう
な分析はオージェ分光分析法によった。
【0104】さらに、磁性層上にトップコート層用塗料
No. 1〜No. 3を表2〜4に示すように用いて表2〜4
に示すようなトップコート層を塗設した。塗布はダイノ
ズルコート法により行い、その後乾燥した。さらに30
A (乾燥膜厚)のバックコート層を塗設した。
【0105】8mm巾に裁断した上記の磁気サンプルを8
mmビデオデッキ(ソニー社製S900)に装填し、下記
の評価を行った。なお、表面粗さの求め方も下記に示
す。
【0106】<表面粗さ>テーラー・ホブソン社製の触
針型表面形状測定器、TALYSTEPシステムを使用
し、JIS B0601に記載されている方法により測
定値を得た。測定条件は、針圧:5mg、使用針:ダイア
モンド、スキャンスピード:0.3mm/10sec、スキャン
長さ:0.3mmとする。得られた結果よりRmax を求め
た。
【0107】<摩擦特性>180°のピン摩擦試験機で
の1パス時点における動摩擦係数μを測定することによ
った。
【0108】<耐久摩擦特性>180°のピン摩擦試験
機での200パス時点におけるμを測定することによっ
た。
【0109】<耐食性(耐酸化性)>60℃、90%R
Hにて1週間保存後の飽和磁化量φmを測定し、初期の
φmに対する差を求めることによった。
【0110】<ドロップアウト(DO)増加数>60
℃、90%RH雰囲気中3日間保存し、保存後のドロッ
プアウト(DO)を測定した。なお、DOは、供試テー
プにカラーバー信号を記録し、シバソク製VH01BZ
型ドロップアウトカウンターを用いて再生し、60秒間
に−16dBの出力低下が15μsec 以上継続した回数を
計測して求めた。なお、作製直後のものについても測定
し、保存による増加数を求めた。
【0111】結果を表2〜表4に示す。
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】上記結果から、本発明の効果は明らかであ
る。なお、作製直後のサンプルについてもドロップアウ
トを測定したが、いずれのサンプルでも作製直後は問題
のないレベルであった。しかし、比較のサンプルでは、
ドロップアウトが保存により格段と増加することがわか
った。
【0116】さらに、表中のサンプルNo. 7〜No. 23
について電磁変換特性として出力、C/Nを以下のよう
にして調べたところ、出力は標準テープの出力から±
0.5dB、C/Nは標準テープのC/Nから±0.7dB
以内の範囲にありいずれも良好であった。
【0117】<出力>SONY(株)社製S1500デ
ッキを用い、7MHz の信号にて記録再生を行い、その出
力を標準テープ[TDK(株)製、Hi−8規格MEテ
ープ、P6−120(NTSC方式用)]のものと比較
した。
【0118】<C/N>スペクトラムアナライザにて6
MHz /7MHz の信号の比を比較し、C/Nとし、その値
を上記と同じ標準テープのものと比較した。
【0119】なお、上記において、アンダーコート層が
あまり厚く(700A 超)なると、カッピングが生じや
すくなり、使用に適さないことがわかった。
【0120】また、表中のサンプルNo. 7〜No. 23に
おいて、化2の化合物として表1に示される他の化合物
や、表1中の化合物を2種以上用いて、あるいは極性基
を有するパーフルオロポリエーテルとして他の化合物
[例えば極性基としてエステル基を有するもの]やこれ
らを2種以上用いて、サンプルを種々作製し、同様に評
価したところ、各サンプルに応じ同等の結果が得られ
た。さらに、上記において、化2の化合物/極性基を有
するパーフルオロポリエーテルの重量比を0.5/1と
しても、各サンプルに応じ同等の結果が得られた。
【0121】なお、サンプルNo. 9において、化合物N
o. 2−1のかわりに、通常の防錆剤(例えばジラウリ
ルチオジプロピオネート)を用いるほかは同様にしてサ
ンプルを作製し、同様に評価したところ、特性がサンプ
ルNo. 9に比べ格段に劣るものであった(例えばΔφm
=25%)。
【0122】実施例2 実施例1のサンプルNo. 9において、シリカ微粒子のか
わりに、高硬度樹脂(アクリル樹脂:球状:平均粒径2
50A )を用いるほかは同様にしてサンプルを作製し、
同様に評価したところ、サンプルNo. 9と同等の結果を
示した。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、保存性に優れ、特に保
存によるドロップアウトの発生がないなど、耐食性に優
れたものとなる。また、耐久性にも優れ、電磁変換特性
も良好となる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に、アンダーコート層を有
    し、このアンダーコート層上に強磁性金属薄膜磁性層を
    有し、さらにこの強磁性金属薄膜磁性層上にトップコー
    ト層を有する磁気記録媒体において、 前記アンダーコート層が酸化防止剤を含む塗膜であり、 前記トップコート層が下記化1で表わされる化合物と極
    性基を有するパーフルオロポリエーテルとを含む塗膜で
    ある磁気記録媒体。 【化1】 [化1において、Aはリン酸基、ホスホン酸基、ホスフ
    ィン酸基、カルボン酸基およびこれらのエステルのうち
    の1つを表わす。Lはアルキレン基、アルケニレン基ま
    たはアルキニレン基を表わす。R1 、R2 およびR3
    は、それぞれフッ素原子またはパーフルオロアルキル基
    を表わす。]
  2. 【請求項2】 前記トップコート層における前記化合物
    の前記パーフルオロポリエーテルに対する比、前記化合
    物/前記パーフルオロポリエーテルが、重量比で、0.
    05/1〜1/1である請求項1の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記トップコート層の厚さが10〜50
    A である請求項1または2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記アンダーコート層における前記酸化
    防止剤の含有量が15wt% 以上である請求項1ないし3
    のいずれかの磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記アンダーコート層が、さらに高硬度
    樹脂微粒子およびセラミック微粒子のうちの少なくとも
    1種を含み、この微粒子をバインダー中に分散させたも
    のである請求項1ないし4のいずれかの磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記微粒子の平均粒径が40A 以上であ
    り、前記アンダーコート層におけるバインダーの含有量
    が20wt% 以上であり、前記微粒子を250万〜110
    0万個/mm2の面密度で含有する請求項5の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 前記アンダーコート層の厚さが、前記微
    粒子の平均粒径値の20〜50%に相当するものである
    請求項6の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記強磁金属薄膜が、Coを主成分と
    し、斜め蒸着法によって形成された請求項1ないし7の
    いずれかの磁気記録媒体。
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JP2009258570A (ja) * 2007-05-08 2009-11-05 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

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JP2009258570A (ja) * 2007-05-08 2009-11-05 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

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