JPH07201558A - 乾式成形フェライト磁石およびその製造方法、ならびに乾式成形装置 - Google Patents

乾式成形フェライト磁石およびその製造方法、ならびに乾式成形装置

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JPH07201558A
JPH07201558A JP35368193A JP35368193A JPH07201558A JP H07201558 A JPH07201558 A JP H07201558A JP 35368193 A JP35368193 A JP 35368193A JP 35368193 A JP35368193 A JP 35368193A JP H07201558 A JPH07201558 A JP H07201558A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 径方向の異方性を有する円弧状フェライト磁
石を乾式成形を用いて製造する際に、磁石両端部での配
向の乱れを防ぐ。 【構成】 縦軸のBdの最大値が横軸の測定領域長(内
周面の周方向長さ)の60%となるように内周面のBd
分布曲線をプロットし、測定領域中央部60%を評価領
域としたとき、評価領域内において、Bd分布曲線上の
任意の2点を通る直線と横軸とのなす角度θが45°以
下であり、評価領域内において、Bdの最大値αとBd
の最小値βとの関係が(α−β)/α≦0.2であり、
内周面のBd分布曲線と横軸とが囲む面積をBdiと
し、外周面のBd分布曲線と横軸とが囲む面積をBdo
としたとき、Bdi/Bdo=1.4〜1.9である乾
式成形フェライト磁石。成形には、配向用強磁性体を型
枠に内蔵する成形装置を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式成形法を用いて製
造され、径方向に異方性を有する円弧状フェライト磁石
およびその製造方法と、前記乾式成形法に用いる成形装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】家電製品や自動車の電装用などに用いら
れるモータには、高性能、かつ小型、軽量であることが
求められている。このようなモータは直流モータであ
り、磁石には、乾式成形による異方性円弧状フェライト
磁石や、乾式成形による異方性リング磁石が用いられて
いる。これらのモータ用磁石は径方向が磁化容易軸とな
るように異方性化されている。これらの磁石には、内周
面側の表面磁束密度が強く、しかも、内周面側の表面磁
束密度が周方向において均一であることが要求される。
内周面の周方向において表面磁束密度の変動が大きいと
コギングが生じ、良好なモータ特性が得られない。
【0003】異方性円弧状フェライト磁石は、乾式成形
または湿式成形を用いて製造される。湿式成形は、配向
性は良好であるが、製造コストが高くなる。一方、乾式
成形では、円弧状磁石の両端部において配向が乱れやす
く、良好なモータ特性が得られにくい。
【0004】特公平2−12726号公報には、凹状湾
曲面を有する上パンチと凸状湾曲面を有する下パンチに
より圧縮成形する装置において、上パンチの成形空間側
表面に断面弓形状の非磁性体を嵌着して設けるととも
に、この非磁性体部分の厚みを非磁性体の外周面円弧中
心点と内周面円弧中心点を偏心させ、中央部を厚くした
ものが記載されている。同公報では、この成形装置を用
いることにより磁石内周面の磁気特性を大幅に向上させ
ることができるとしている。この成形装置は湿式成形用
である。また、特公平2−13452号公報にも、断面
弓形状の非磁性体を設けた成形装置が記載されている
が、この成形装置も湿式成形用である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、径方向の異方性を有する円
弧状フェライト磁石を乾式成形を用いて製造する際に、
磁石両端部での配向の乱れを防ぐことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1)断面が円弧状であり、その径方向に異方性を有す
る弓形の乾式成形フェライト磁石であって、横軸を測定
領域長(周面の周方向長さ)、縦軸をBd(表面磁束密
度)としたBd分布グラフにおいて、縦軸のBdの最大
値が横軸の測定領域長(内周面の周方向長さ)の60%
となるように内周面のBd分布曲線をプロットし、測定
領域中央部60%を評価領域としたとき、前記評価領域
内において、Bd分布曲線上の任意の2点を通る直線と
横軸とのなす角度θが45°以下であり、前記評価領域
内において、Bdの最大値αとBdの最小値βとの関係
が (α−β)/α≦0.2 であり、前記Bd分布グラフにおいて、内周面のBd分
布曲線と横軸とが囲む面積をBdiとし、外周面のBd
分布曲線と横軸とが囲む面積をBdoとしたとき、 Bdi/Bdo=1.4〜1.9 であることを特徴とする乾式成形フェライト磁石。 (2)角度θが42°以下であり、 (α−β)/α≦0.18 であり、 Bdi/Bdo=1.5〜1.9 である上記(1)の乾式成形フェライト磁石。 (3)断面が円弧状の成形空間内にフェライト磁石の原
料粉末を充填して、磁場中で乾式成形することにより弓
形成形体を形成するための成形装置であって、それぞれ
少なくとも一部が強磁性体から構成される上型および下
型、非磁性体から構成される型枠、ならびに2個の配向
用強磁性体を有し、前記成形空間の凸状面が下側となる
ように、上型、下型および型枠により前記成形空間が形
成されており、成形空間の径方向に磁界を印加するため
の磁界印加手段を有し、2個の配向用強磁性体が、前記
成形空間の周方向の両側にそれぞれ型枠を介して設けら
れており、加圧開始時の下型の上端と、各配向用強磁性
体の上端とがほぼ一致することを特徴とする乾式成形装
置。 (4)前記下型が、成形空間に面する下部非磁性体を、
強磁性体から構成される下パンチの上側に設けたもので
ある上記(3)の乾式成形装置。 (5)前記上型が、成形空間に面する上部非磁性体を、
強磁性体から構成される上パンチの下側に設けたもので
ある上記(4)の乾式成形装置。 (6)上記(3)〜(5)のいずれかの乾式成形装置を
用いて上記(1)または(2)の乾式成形フェライト磁
石を製造することを特徴とする乾式成形フェライト磁石
の製造方法。
【0007】
【作用および効果】本発明では、上記のような配向用強
磁性体を設けた乾式成形装置を用いることにより、異方
性方向が径方向に揃った成形体が得られる。このため、
表面磁束密度分布曲線からわかるように、内周面側の表
面磁束密度が大きくかつその分布が均一な円弧状フェラ
イト磁石が得られる。したがって、本発明の磁石を用い
たモータは、強力であり、しかもコギングトルクが小さ
い。また、従来、磁石両端部での配向の乱れを原因とし
て、焼結時に内周面の両端部付近にクラックが多発して
いたが、本発明では磁石両端部での配向の乱れが著しく
少なくなるため、このようなクラックが激減する。
【0008】ところで、特公平3−32892号公報に
は、断面弓形で円弧面の半径方向に異方性を有し、円弧
内周面が強磁性面でかつ外周面が弱磁性面からなる異方
性フェライト磁石が記載されている。同公報の第1図
(A)には、周方向に測定した内周面および外周面の表
面磁束分布図が記載されている。しかし、この表面磁束
分布図について本発明と同様な測定を行なうと、角度θ
は約58°、(α−β)/αが約0.16、Bdi/B
doが約1.73であり、角度θが本発明範囲を外れて
いる。しかも、同公報には湿式成形についての記述しか
みられず、乾式成形に関する記述はない。
【0009】また、実開昭57−10729号公報に
は、断面が弧状の異方性フェライト磁石の成形用磁気回
路が開示されている。この成形用磁気回路は、ダイス
(型枠)の一部に強磁性体を設けたものであるが、強磁
性体と下パンチとの位置関係が本発明の乾式成形装置と
は異なる。実際、同公報第1図(b)に示される表面磁
束分布図について本発明と同様な測定を行なうと、角度
θが約47°、(α−β)/αが約0.22、Bdi/
Bdoが約1.48であり、角度θおよび(α−β)/
αが本発明範囲を外れている。
【0010】すなわち、角度θ、(α−β)/αおよび
Bdi/Bdoのすべてを満足する乾式成形フェライト
磁石は、従来、知られていない。
【0011】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を説明する。
【0012】本発明の磁石は、断面が円弧状であり、そ
の径方向に異方性を有する弓形の乾式成形フェライト磁
石であり、いわゆる異方性セグメント磁石と称されるも
のである。本発明の磁石は、乾式成形法を用いて製造さ
れる。
【0013】本発明の磁石は、内周面の周方向にわたっ
て測定したBd(表面磁束密度)分布に特徴を有し、ま
た、内周面の前記Bd分布と、外周面の周方向にわたっ
て測定したBd分布との関係にも特徴を有する。外周面
および内周面の周方向のBd分布は、図2および図3に
示す手順で測定する。まず、非磁性のケースに組み込ん
だ磁石を、図2に示す内面着磁ヨークを使用して内面フ
ル着磁する。Bd測定に際しては、着磁した磁石の周面
付近にホール素子を配置する。このときのホール素子
は、周面の高さ方向(図3の上下方向)中央部に位置さ
せて、周面に接触させるか、できるだけ接近させて配置
する。そして、磁石を周方向に回転させることにより、
周面の周方向の一端Aから他端BにかけてのBd分布を
測定することができる。なお、磁石の回転は、ホール素
子と周面との距離が変動しないように行なう。
【0014】このようにして測定されたBd分布を、横
軸を測定領域長(周面の周方向長さ)、縦軸をBdとし
たBd分布グラフにプロットし、図1に示すようなBd
分布曲線グラフとする。図1において、縦軸の内周面の
Bdの最大値Bdmは、横軸の測定領域長AB(図3に
おいて、内周面に沿って測ったAB間距離)の60%で
ある。そして、測定領域中央部60%を評価領域とした
とき、この評価領域内において、Bd分布曲線上の任意
の2点を通る直線と横軸とのなす角度θ(その最大値
は、領域内でのBd分布曲線の接線の傾きの最大値とな
る。)は、45°以下、好ましくは42°以下、より好
ましくは35°以下である。θが大きすぎると、磁石を
モータに適用したときにコギングトルクが大きくなって
しまう。
【0015】本発明では、図1のBd分布グラフの評価
領域内において、Bdの最大値αとBdの最小値βとの
関係が、 (α−β)/α≦0.2、 好ましくは (α−β)/α≦0.18、 より好ましくは (α−β)/α≦0.15 である。(α−β)/αが大きすぎると、磁石をモータ
に適用したときにトルク変動が大きくなってしまう。
【0016】本発明では、Bd分布グラフにおいて、内
周面のBd分布曲線と横軸とが囲む面積をBdiとし、
外周面のBd分布曲線と横軸とが囲む面積をBdoとし
たとき、 Bdi/Bdo=1.4〜1.9、 好ましくは Bdi/Bdo=1.5〜1.9、 より好ましくは Bdi/Bdo=1.7〜1.9 である。Bdi/Bdoが小さすぎる磁石は内周面側の
磁気特性が不足する。一方、1.9を超えるBdi/B
doを得ようとすると、成形体の内周面と外周面とで密
度差を著しく大きくしなければならない。このため、焼
成時にクラックが多発し、成形が不可能となることもあ
る。
【0017】上述したBd分布に特徴を有する有する磁
石を、乾式成形法を用いて製造するためには、以下に説
明する本発明の乾式成形装置を用いることが好ましい。
【0018】本発明の成形装置は、断面が円弧状の成形
空間内にフェライト磁石の原料粉末を充填して、磁場中
で乾式成形することにより弓形成形体を形成するための
ものである。本発明の成形装置は、それぞれ少なくとも
一部が強磁性体から構成される上型および下型、非磁性
体から構成される型枠、ならびに2個の配向用強磁性体
を有する。そして、上型、下型および型枠により成形空
間が形成されており、成形空間の凸状面は下側に存在す
る。
【0019】図4に本発明の乾式成形装置の好ましい構
成例を示す。図4(a)に示す乾式成形装置は、上部パ
ンチ1、下部パンチ2、型枠3、上部非磁性体4、下部
非磁性体5および2個の配向用強磁性体61、62を有
し、さらに、成形空間7の径方向に磁界を印加するため
のコイル8を有する。この成形装置では、上部パンチ1
と上部非磁性体4とが上型を構成し、下部パンチ2と下
部非磁性体5とが下型を構成する。成形空間7は、その
凸状面が下側となるように、上部非磁性体4、下部非磁
性体5および型枠3により包囲されている。配向用強磁
性体61、62は、成形空間7の周方向の両側にそれぞ
れ型枠3を介して設けられている。なお、図4(a)
は、成形空間7の円弧状断面が現われる断面図であり、
図4(b)は、上部パンチ1を取り去ったときの成形装
置の上面図である。
【0020】このような成形装置では、以下のようにし
て成形が行なわれる。まず、上部パンチ型枠から上げた
状態で、型枠内に原料粉末を充填する。原料粉末は、通
常、型枠上面まで充填する。原料粉末充填後、上部パン
チを下降させることにより、成形空間を形成して原料粉
末を加圧成形する。すなわち、加圧時に下部パンチは移
動しない。加圧成形終了後、上部パンチを上昇させ、さ
らに下部パンチを上昇させて、型枠から成形体を取り出
す。その後、下部パンチを下降させて、原料粉末の充填
に備える。このような成形装置において、原料粉末の充
填深さとは、型枠上面から測定した成形空間最低位置の
深さである。
【0021】配向用強磁性体61、62は、その上端が
加圧開始時(原料粉末充填時)の下型の上端(図4では
下部非磁性体4の上端)とほぼ一致するように、好まし
くは、配向用強磁性体の上端と下型の上端とのずれ量
が、成形空間最大高さの30%以下となるように配置さ
れる。配向用強磁性体が成形空間7に対して前記範囲よ
り上側に位置していると、原料粉末の充填が困難とな
る。これは、原料粉末充填時にも配向磁界が印加されて
おり、この磁界によって原料粉末が型枠内に吸引される
ようにして充填が行なわれるため、配向用強磁性体が前
記範囲より上側であると、このような吸引作用が困難と
なるからである。一方、この範囲より下側に位置してい
ると、配向用強磁性体を設けたことによる効果が十分に
実現しなくなる。
【0022】配向用強磁性体61、62は、通常、図4
に示すように直方体状とされる。配向用強磁性体の寸法
は、以下の範囲であることが好ましい。まず、図4に示
す断面において、直方体状の配向用強磁性体61、62
の高さをh、幅をwとし、奥行をdとする。
【0023】hは充填深さと同等であることが好まし
く、具体的には、充填深さをHとしたとき、 0.5≦h/H であることが好ましい。h/Hが小さすぎると、配向用
強磁性体を設けたことによる効果が十分に実現しなくな
る。なお、h/Hを大きくしても、配向用強磁性体の位
置が適切であれば悪影響は殆どないが、h/Hが1.5
を超える大きさとしても効果は大きくならない。
【0024】また、図4に示す断面における成形空間7
の幅をWとしたとき w/W≧0.3 であることが好ましい。w/Wが小さすぎると、配向用
強磁性体を設けたことによる効果が十分に実現しなくな
る。なお、w/Wの上限は特になく、配向用強磁性体が
型枠内に収まる寸法とすればよいが、通常、w/Wは
1.5以下である。
【0025】また、図4に示す成形空間7の奥行をDと
したとき、dは、Dと同等かやや大きいことが好まし
く、具体的には、 0.7≦d/D≦1.3 であることが好ましい。d/Dが小さすぎると、配向用
強磁性体を設けたことによる効果が十分に実現しなくな
る。一方、d/Dが大きすぎると、成形空間の四隅付近
で配向が乱れやすくなる。
【0026】配向用強磁性体と成形空間との距離、すな
わち、両者間に介在する型枠の厚さは、成形の際の破損
を避け、かつ配向用強磁性の効果への影響を抑えるため
に、通常、2〜10mm程度の厚さとされる。
【0027】下部非磁性体5は、図示の断面において中
央部が両端部よりも厚いことが好ましい。下部非磁性体
5の断面形状をこのようにすることにより、成形体端部
付近の配向がより中央を向いて径方向の配向度が良好と
なり、磁気特性が向上する。また、磁性体から構成され
る下部パンチ2と原料粉末との間に透磁率の低い非磁性
体が存在することになるので、急激な磁束変化が避けら
れ、焼成時の割れ発生が防止されて歩留りが向上する。
【0028】上部非磁性体4は、図示の断面において中
央部が両端部よりも薄いことが好ましい。上部非磁性体
4の断面形状をこのようにすることにより、成形体端部
付近の配向がより中央を向いて径方向の配向度が良好と
なり、磁気特性が向上する。また、磁性体から構成され
る上部パンチ1と原料粉末との間に透磁率の低い非磁性
体が存在することになるので、急激な磁束変化が避けら
れ、焼成時の割れ発生が防止されて歩留りが向上する。
【0029】下部非磁性体5を、中央部が両端部よりも
厚くする場合、図示例のように中央部付近に平坦部を設
け、中央部が厚くなりすぎるのを防ぐ構成とすることが
好ましいが、下部非磁性体5の断面形状を、上縁と下縁
がそれぞれ円弧状であってこれらが偏心しているもの、
あるいは上縁と下縁とで曲率半径が異なるように構成し
てもよい。上部非磁性体4についても、同様である。
【0030】なお、上部非磁性体4および下部非磁性体
5は必須ではないが、より良好な配向性を得るためには
少なくとも下部非磁性体5を設けることが好ましく、さ
らに上部非磁性体4を設ければ、配向性はいっそう向上
する。また、これらの非磁性体を設けることにより、上
部パンチおよび下部パンチの寿命も長くなる。
【0031】下部非磁性体や上部非磁性体の構成材料は
特に限定されず、通常、非磁性ステンレス鋼や非磁性ス
テライトなどから適宜選択される。また、上部パンチ、
下部パンチ、配向用強磁性体は、S45C等の磁性材料
から構成すればよい。型枠は非磁性超硬材等から構成す
ればよい。
【0032】成形条件は特に限定されず、成形時の圧力
や磁場強度などの各種条件は、通常の乾式成形法と同様
であってよい。
【0033】本発明の乾式成形装置は、通常、厚さ(内
周面と外周面との距離)が3〜15mm程度の円弧状磁石
の製造に用いられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0035】<実施例1>図4に示される構成の乾式成
形装置を用いて、フェライト磁石サンプルを作製した。
この成形装置は、 h/H=0.93、 w/W=0.41、 d/D=1.05 であり、いずれも本発明における好ましい範囲内であっ
た。また、各配向用強磁性体と成形空間との距離は、2
mmとした。なお、両配向用強磁性体は、その上端が原料
粉末充填時の下部非磁性体5の上端と一致する高さとな
るように配置した。
【0036】この乾式成形装置の成形空間内に、フェラ
イト磁石の原料粉末を充填し、磁場中で加圧成形して、
径方向に異方性を有する円弧状の成形体を得た。次い
で、成形体を焼結し、円弧状の異方性フェライト磁石と
した。磁石の寸法は、外周面の曲率半径が11.8mm、
内周面の曲率半径が8.5mm、径方向を含む断面におけ
る幅が20.4mm、長さ(奥行)が18mmであった。こ
の磁石を本発明サンプルNo. 1−1とする。
【0037】比較のために、配向用強磁性体を設けない
以外は図4と同様な構成の乾式成形装置を用い、上記本
発明サンプルNo. 1−1と同様にして円弧状フェライト
磁石サンプルを作製した。このサンプルを、比較サンプ
ルNo. 1−2とする。
【0038】これらのサンプルに対して前述した方法に
より内面フル着磁を行なった後、前述した方法により、
Bdを測定した。測定個数は、各サンプルにつき5個と
した。図5に、本発明サンプルNo. 1−1の内周面およ
び外周面のBd分布曲線を示す。ただし、図5のグラフ
は、内周面のBdの最大値が内周面の周方向長さの60
%とはなっていない。Bd測定結果から、前述した方法
により角度θ、(α−β)/αおよびBdi/Bdoを
求めた。この結果、本発明サンプルNo. 1−1では θ=32°、 (α−β)/α=0.14、 Bdi/Bdo=1.8 であり、いずれも本発明範囲内であったが、比較サンプ
ルNo. 1−2では θ=40°、 (α−β)/α=2.3、 Bdi/Bdo=1.2 であり、(α−β)/αとBdi/Bdoとが本発明範
囲を外れていた。すなわち、配向用強磁性体を設けなか
った場合、内周面の絶対的な磁気特性が低下すると共
に、内周面の磁気特性の均一性も低下することがわか
る。
【0039】また、配向用強磁性体を設けずに上部非磁
性体の形状および寸法を最適化した乾式成形装置を用い
て磁石を作製したところ、Bdi/Bdoが1.4以上
となって内周面の絶対的な磁気特性は向上したが、角度
θが50°を超えてしまった。
【0040】次に、サンプルNo. 1−1および1−2に
ついて、トータルフラックスΦを測定した。この結果、
本発明サンプルNo. 1−1ではΦ=7280MXであり、
比較サンプルNo. 1−2に対して+3.7%もの大幅な
向上が認められた。なお、トータルフラックスの3.7
%の増加は、湿式成形法に匹敵するものである。
【0041】次に、本発明サンプルNo. 1−1を研削し
て厚さを3%減じ、比較サンプルNo. 1−2とトータル
フラックスを同等にした。研削後の磁石を本発明サンプ
ルNo. 1−3とする。この本発明サンプルNo. 1−3と
比較サンプルNo. 1−2とをそれぞれモータに組み込
み、磁石とロータとの吸引バランスによって生じるトル
クをトルクメータにより測定して、それぞれのコギング
トルクを測定した。この結果、本発明サンプルNo. 1−
3ではコギングトルクが22.14g・cm、比較サンプル
No. 1−2では27.64g・cmであり、本発明によりコ
ギングトルクが20%も減少することがわかった。
【0042】なお、トータルフラックスを同等にしてコ
ギングトルクを比較したのは、トータルフラックスが大
きくなるとコギングトルクが著しく増加するためであ
る。ただし、本発明ではBd分布曲線が極めて滑らかに
なるので、トータルフラックスが3.7%も増加してい
るにもかかわらず、本発明サンプルNo. 1−1を用いた
場合のコギングトルクは29.63g・cmであり、比較サ
ンプルNo. 1−2より約7%増加しただけであった。こ
の結果から、本発明により、実用的な高トルクモータが
実現することが明らかである。
【0043】<実施例2>図4に示される構成の乾式成
形装置を用いて、フェライト磁石サンプルを作製した。
この成形装置は、 h/H=1.00、 w/W=0.48、 d/D=1.02 であり、いずれも本発明における好ましい範囲内のもの
であった。また、各配向用強磁性体と成形空間との距離
は、2mmとした。なお、両配向用強磁性体は、その上端
が原料粉末充填時の下部非磁性体5の上端と一致する高
さとなるように配置した。
【0044】この乾式成形装置を用いて、実施例1と同
様にして円弧状の異方性フェライト磁石を作製した。磁
石の寸法は、外周面の曲率半径が11.5mm、内周面の
曲率半径が7.9mm、径方向を含む断面における幅が1
7.0mm、長さ(奥行)が16.6mmであった。この磁
石を本発明サンプルNo. 2−1とする。
【0045】比較のために、配向用強磁性体を設けない
以外は図4と同様な構成の乾式成形装置を用い、上記本
発明サンプルNo. 2−1と同様にして円弧状フェライト
磁石サンプルを作製した。このサンプルを、比較サンプ
ルNo. 2−2とする。
【0046】これらのサンプルに対して、実施例1と同
様にしてBdを測定した。測定個数は、各サンプルにつ
き5個とした。図6に、本発明サンプルNo. 2−1の内
周面および外周面のBd分布曲線を示す。ただし、図6
のグラフは、内周面のBdの最大値が内周面の周方向長
さの60%とはなっていない。Bd測定結果から、前述
した方法により角度θ、(α−β)/αおよびBdi/
Bdoを求めた。この結果、本発明サンプルNo. 2−1
では θ=40°、 (α−β)/α=0.18、 Bdi/Bdo=1.53 であり、いずれも本発明範囲内であったが、比較サンプ
ルNo. 2−2では θ=47°、 (α−β)/α=0.21、 Bdi/Bdo=0.85 であり、すべてが本発明範囲を外れていた。
【0047】次に、これらのサンプルをそれぞれモータ
に組み込み、外部駆動によりロータを回転させたときの
起電力Ecを測定した。起電力Ecは、モータ特性の指
標となる値である。この結果、本発明サンプルNo. 2−
1ではEc=3.816 Vであり、比較サンプルNo. 2
−2に対して+3.1%もの大幅な向上が認められた。
なお、起電力Ecの3.1%の増加は、湿式成形法に匹
敵するものである。
【0048】なお、上記各実施例で作製した各サンプル
を大量に製造したときに、本発明サンプルでは、クラッ
クの発生した磁石個数が比較サンプルより40%以上も
少なかった。このクラックとは、図7に示すように、磁
石内周面の両端部付近に生じるものであり、成形体の端
部付近の配向の乱れを主因とするものである。
【0049】以上の結果から、本発明の効果が明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】角度θおよび(α−β)/αを説明するBd分
布グラフである。
【図2】着磁方法の説明図である。
【図3】Bd測定方法の説明図である。
【図4】(a)は、本発明の乾式成形装置の構成例の断
面図であり、(b)は、上部パンチ1を取り去ったとき
の成形装置の上面図である。
【図5】実施例における本発明の磁石のBd分布曲線を
示すグラフである。
【図6】実施例における本発明の磁石のBd分布曲線を
示すグラフである。
【図7】磁石のクラックを説明するための斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 上部パンチ 2 下部パンチ 3 型枠 4 上部非磁性体 5 下部非磁性体 61、62 配向用強磁性体 7 成形空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が円弧状であり、その径方向に異方
    性を有する弓形の乾式成形フェライト磁石であって、 横軸を測定領域長(周面の周方向長さ)、縦軸をBd
    (表面磁束密度)としたBd分布グラフにおいて、 縦軸のBdの最大値が横軸の測定領域長(内周面の周方
    向長さ)の60%となるように内周面のBd分布曲線を
    プロットし、測定領域中央部60%を評価領域としたと
    き、前記評価領域内において、Bd分布曲線上の任意の
    2点を通る直線と横軸とのなす角度θが45°以下であ
    り、 前記評価領域内において、Bdの最大値αとBdの最小
    値βとの関係が (α−β)/α≦0.2 であり、 前記Bd分布グラフにおいて、内周面のBd分布曲線と
    横軸とが囲む面積をBdiとし、外周面のBd分布曲線
    と横軸とが囲む面積をBdoとしたとき、 Bdi/Bdo=1.4〜1.9 であることを特徴とする乾式成形フェライト磁石。
  2. 【請求項2】 角度θが42°以下であり、 (α−β)/α≦0.18 であり、 Bdi/Bdo=1.5〜1.9 である請求項1の乾式成形フェライト磁石。
  3. 【請求項3】 断面が円弧状の成形空間内にフェライト
    磁石の原料粉末を充填して、磁場中で乾式成形すること
    により弓形成形体を形成するための成形装置であって、 それぞれ少なくとも一部が強磁性体から構成される上型
    および下型、非磁性体から構成される型枠、ならびに2
    個の配向用強磁性体を有し、前記成形空間の凸状面が下
    側となるように、上型、下型および型枠により前記成形
    空間が形成されており、成形空間の径方向に磁界を印加
    するための磁界印加手段を有し、 2個の配向用強磁性体が、前記成形空間の周方向の両側
    にそれぞれ型枠を介して設けられており、加圧開始時の
    下型の上端と、各配向用強磁性体の上端とがほぼ一致す
    ることを特徴とする乾式成形装置。
  4. 【請求項4】 前記下型が、成形空間に面する下部非磁
    性体を、強磁性体から構成される下パンチの上側に設け
    たものである請求項3の乾式成形装置。
  5. 【請求項5】 前記上型が、成形空間に面する上部非磁
    性体を、強磁性体から構成される上パンチの下側に設け
    たものである請求項4の乾式成形装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかの乾式成形装置
    を用いて請求項1または2の乾式成形フェライト磁石を
    製造することを特徴とする乾式成形フェライト磁石の製
    造方法。
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