JPH07207221A - 缶内面被覆用水性樹脂組成物 - Google Patents

缶内面被覆用水性樹脂組成物

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JPH07207221A
JPH07207221A JP460894A JP460894A JPH07207221A JP H07207221 A JPH07207221 A JP H07207221A JP 460894 A JP460894 A JP 460894A JP 460894 A JP460894 A JP 460894A JP H07207221 A JPH07207221 A JP H07207221A
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JP
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epoxy resin
coating
carboxyl group
resin composition
resin
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JP460894A
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Hiroaki Shimada
博彰 島田
Yuji Kishiwada
裕次 岸和田
Kazufumi Uechi
一文 植地
Yoshio Ito
義男 伊藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホモポリマーのTgが300度K以下のエス
テル結合を有するビニル単量体に基ずく重合部分を樹脂
中に2重量パーセント以下含有するカルボキシル基含有
自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂を塩基の存在
下に水性媒体中に分散せしめた缶内面被覆用水性樹脂組
成物。 【効果】 缶内面用の塗装剤として用いると、水蒸気透
過性ならびにフレーバー保持性に優れ、しかも、熱水処
理後の加工性も良好な塗膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる缶内
面被覆用水性樹脂組成物に関する。さらに詳細には、特
定のビニル重合体の使用量を限定することから成る、特
に缶内面用塗料として、水蒸気透過性ならびにフレーバ
ー保持性などに優れ、しかも、熱水処理後の加工性の良
好な塗膜を形成することができる、改良された缶内面被
覆用水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶素材としては、アルミニュ
ウム、ブリキ、ティンフリースチールなどの金属が用い
られている。これらの金属は、その腐食を防止するため
に、通常、缶の内外面には塗膜が形成されている。
【0003】缶内面用塗料としては、密着性および防食
性の面で優れている処から、通常、エポキシ/フェノー
ル樹脂系、エポキシ/アミノ樹脂系または塩ビオルガノ
ゾル系などの塗料が用いられている。
【0004】しかしながら、上述したような塗料は、有
機溶剤を含有するため、特に大気汚染、作業環境の悪化
ならびに火災や爆発の危険性を有しており、これらの問
題点を回避する手段として、エポキシ樹脂をアクリル系
重合体で変性せしめることによって、乳化力のあるセグ
メントを分子中に導入した、いわゆる自己乳化性エポキ
シ樹脂を、水中に分散させる方法が、種々、提案されて
いる。
【0005】たとえば、特開昭53−1228号公報に
は、エポキシ樹脂の存在下に、ベンゾイルパーオキサイ
ドなどのフリーラジカル発生剤を用いて、カルボキシル
基含有ビニルモノマーを含むモノマー混合物を重合する
ことによって得られる、グラフト化されたエポキシ樹脂
を、塩基を含む水性媒体中に安定に分散せしめるという
方法が開示されている。
【0006】特開昭55−75460号公報および特開
昭56−109243号公報には、それぞれ、アクリル
系重合体と比較的高分子量の芳香族エポキシ樹脂とを反
応させたカルボキシル基過剰の部分反応物を、アンモニ
アもしくはアミンの存在下で、水性媒体中に分散せしめ
るという方法が開示されている。
【0007】特開昭55−3481号公報および特開昭
55−3482号公報には、それぞれ、カルボキシル基
含有ビニルポリマーを、アミン系エステル化触媒の存在
下で、エポキシ樹脂とエステル化させた、実質上、エポ
キシ樹脂のオキシラン基を有しない、カルボキシル基含
有ビニル重合体変性エポキシ樹脂を、塩基で中和して水
中に分散せしめるという方法が開示されている。
【0008】そして、特開昭57−105418号公報
および特開昭58−198513号公報には、それぞ
れ、芳香族エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を部分反
応させて得られる一分子中にエポキシ基とアクリロイル
基とを併有する低分子化合物と、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸を含むモノマー混合物を共重合させ、この共
重合体を塩基で中和して水中に分散せしめるという方法
が開示されている。
【0009】しかしながら、これらの水性樹脂組成物
は、食品衛生面では優れているという反面で、フレーバ
ー保持性や水蒸気透過性などに劣るものであるし、しか
も、熱水処理後の加工性も劣っているというものであっ
た。また、これらのアクリル系重合体変性エポキシ樹脂
の硬化皮膜は水蒸気透過性が大きく、さらに缶内容物の
フレーバー成分を多く収着するためフレーバー保持性も
劣り、又熱水処理後の加工性が著しく劣化する問題点が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、フレー
バー保持性や水蒸気透過性が良好で、かつ、塗膜の熱水
処理後の加工性などに優れた水性樹脂組成物は、目下の
処、見い出されていないのが実状である。
【0011】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、まさしく、従来提案されてきた水性型塗料の密着
性ならびに加工性を保有し、しかも、安全衛生性を有す
ることはもちろん、食品、化粧品ならびに医療品類など
の各種の容器として、就中、加熱殺菌処理後において
も、塗膜の加工耐食性に優れ、内容物フレーバー成分の
収着量が少なく、極めて実用性の高い缶内面被覆用水性
樹脂組成物を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
ビニル重合体変性エポキシ樹脂の欠点を改善すべく、鋭
意、検討した結果、ここに、特定のビニル単量体成分の
種類と量を特定化することにより水蒸気透過性が小さ
く、缶内容物のフレーバー成分の収着量の少ない、さら
に熱水処理後の加工性も非常に良好な缶内面被覆用水性
樹脂組成物を見い出すに及んで、本発明を完成するに到
った。
【0013】すなわち、本発明は、ホモポリマーのTg
が300度K以下のエステル結合を有するビニル単量体
に基ずく重合部分を樹脂中に2重量パーセント以下含有
するカルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エ
ポキシ樹脂を塩基の存在下に水性媒体中に分散せしめた
ことを特徴とする缶内面被覆用水性樹脂組成物を提供し
ようとするものである。
【0014】つまり、本発明は、かかるカルボキシル基
含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂として、
特定のビニル重合体の使用量をコントロールすることか
ら成る、改良された缶内面被覆用水性樹脂組成物を提供
しようとするものである。
【0015】本発明で使用するエポキシ樹脂としては、
特にエポキシ当量が2,000以上10,000未満で
あり、数平均分子量が3,000以上12,000未満
である芳香族系エポキシ樹脂を用いることが好ましく、
例えば、ビスフェノールA(またはF)/エピクロルヒ
ドリン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、こ
れらのエポキシ樹脂を脂肪酸及び/またはフェノール系
化合物で変性した変性エポキシ樹脂を挙げることが出
来、特に、これらの芳香族エポキシ樹脂の中でも、エポ
キシ当量が好ましくは2,000以上で10,000未
満のもの、より好ましくは、3,000以上で8,00
0未満のものであり、かつ、数平均分子量が好ましくは
3,000以上で12,000未満のもの、特に好まし
くは、4,000以上で10,000未満のものを指称
する。
【0016】この数平均分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリ
スチレン換算で求めたものである。
【0017】市販品としては、例えば、油化シェルエポ
キシ株式会社製のエピコート1009,エピコート10
10,大日本インキ化学工業株式会社製のエピクロン9
050等が挙げられる。
【0018】エポキシ樹脂のエポキシ当量が10,00
0以上であると、どうしても、硬化性が劣って、熱水処
理後における塗膜が白化するという現象が見られるし、
一方、2,000より小さいと、どうしても、硬化し過
ぎる処となって、加工性が悪くなる。
【0019】他方、エポキシ樹脂の数平均分子量が1
2,000以上である場合には、加工性が良好となるも
のの、密着性が劣るようになり、また、数平均分子量が
3,000未満である場合には、加工性が劣るようにな
る処から、缶内面被覆用の樹脂に使うことには適切では
なくなる。
【0020】このように、缶内面被覆用の樹脂として
は、それぞれ、最適なるエポキシ当量と数平均分子量の
範囲を持った芳香族系エポキシ樹脂を用いることが好ま
しい。
【0021】本発明においては、前記の芳香族系エポキ
シ樹脂を単独で用いることはもちろん、硬化度の調節、
Tgの調節等、最適な塗膜物性を付与する目的などで、
二種以上の芳香族系エポキシ樹脂を組み合わせて用いる
こともできる。
【0022】本発明において用いられる、前記したカル
ボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹
脂〔以下、これを樹脂(A)ともいう。〕は、カルボキ
シル基を有し、別途、乳化剤を用いなくとも、水性媒体
中に乳化することが出来るものを指称する。
【0023】この樹脂(A)は、エポキシ樹脂をエチレ
ン性不飽和カルボン酸を必須成分として含有する共重合
性ビニル単量体混合物、またはカルボキシル基含有アク
リル系重合体で変性する事により得られる。たとえば、
次のような製造方法で調製された樹脂を、必要に応じ
て、塩基性化合物で中和したものが、とくに代表的なも
のとして挙げられる。
【0024】(1) 芳香族系エポキシ樹脂(a−1)
の存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸を必須の成分
として含有する共重合性ビニル単量体の混合物を、重合
開始剤の存在下で、有機溶媒中で、共重合せしめるとい
う方法、
【0025】(2) 芳香族系エポキシ樹脂(a−1)
と、エチレン性不飽和カルボン酸を必須の成分として含
有する共重合性ビニル単量体混合物を重合開始剤の存在
下で有機溶媒中で共重合させることによって得られるカ
ルボキシル基含有アクリル系重合体(a−2)とを別途
用意し、(a−1)のエポキシ基に対して(a−2)の
カルボキシル基が過剰となる反応基濃度において有機溶
媒中でジメチルアミノエタノール等のエステル化触媒を
用いてエステル化反応せしめるという方法、あるいは、
【0026】(3) 芳香族系エポキシ樹脂(a−1)
の水酸基を反応点として、無水(メタ)アクリル酸を付
加させ、(メタ)アクリロイル基を導入した芳香族系エ
ポキシ樹脂と、エチレン性不飽和カルボン酸化合物を必
須の成分として含有する共重合性ビニル単量体混合物と
を重合開始剤の存在下で有機溶媒中で共重合せしめると
いう方法などが、特に代表的なものである。
【0027】勿論、これら以外の方法によって得られ
る、カルボキシル基含有の自己乳化性ビニル重合体変性
エポキシ樹脂、つまり、カルボキシル基含有のビニル重
合体で変性したエポキシ樹脂もまた、使用することがで
きる。
【0028】ところで、前記目的に用いられるエチレン
性不飽和カルボン酸化合物を必須成分として含有する共
重合性ビニル単量体としては、水性化のために必要なエ
チレン性不飽和カルボン酸化合物の他に、樹脂の硬度や
共重合性等を調節する目的で、その他の共重合性ビニル
単量体が用いられているのであるが、これらその他の共
重合性ビニル単量体より形成される特定のビニル重合体
成分の種類及び含有量が、缶内面被覆用水性樹脂組成物
に基ずく被覆物の、内容物フレーバー成分の収着や水蒸
気透過性に、さらには熱水処理後の加工性に大きく関与
しているので、本発明を構成する具体的な要件となる。
【0029】本発明でエチレン性不飽和カルボン酸とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸
またはフマル酸などである。
【0030】また、マレイン酸モノメチル、フマル酸モ
ノエチル、イタコン酸モノn−ブチル如き、各種のエチ
レン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類
を、かかるエチレン性不飽和カルボン酸の代わりに用い
てもよいことは、勿論である。
【0031】又、その他の共重合性ビニル単量体として
特に代表的なもののみを例示するに止めれば、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸オクタデシルの如き、各種の(メ
タ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロルスチレン、2,4−ジブロ
ムスチレンの如き、各種のエチレン性不飽和芳香族単量
体(芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリルの
如き、各種のエチレン性不飽和ニトリル;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニルの如き、各種のビニルエステル;塩
化ビニリデン、臭化ビニリデンの如き、各種のビニリデ
ンハライド;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチルの如き、各種のエチレン性不飽和カル
ボン酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル
酸グリシジルの如き、各種のエチレン性不飽和カルボン
酸グリシジルエステル;または(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド
の如き、各種の(メタ)アクリルアミド誘導体などの、
いわゆるラジカル重合可能な化合物である。
【0032】本発明では前記各種共重合性ビニル単量体
を用いることは可能であるが、特にホモポリマーのTg
が300度K以下のエステル結合を有する単量体(以
下、特定エステル型単量体という。)は樹脂中に2重量
パーセント以下になるように用いる必要がある。特定エ
ステル型単量体は、使用しなくともよいが、使用すると
すれば一般に0.1重量%〜2重量%使用すればよい。
特定エステル型単量体の使用量を2重量%以下とするこ
とは、Tgが低い樹脂成分は内容物のフレーバー成分を
多く収着したり、又水蒸気透過性を大きくすること、さ
らにエステル結合が、缶内容物の加熱殺菌工程において
加水分解を受け、その結果加工性が著しく劣化するため
である。かかる特定エステル型単量体としては、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸2エチルヘキシル等のアクリル酸エステルを
例示することができる。
【0033】前記した(1)、(2)および(3)なる
各種の製造方法における、エチレン性不飽和カルボン酸
の使用量は、共重合性ビニル単量体の合計重量を100
重量部とした時、25重量部〜65重量部とすることが
好ましい。
【0034】エチレン性不飽和カルボン酸の使用量が2
5重量部〜65重量部なる範囲内にある場合には、水性
媒体中における樹脂の分散安定性をはじめ、塗装した塗
膜の、それぞれ、金属に対する密着性、耐溶剤性ならび
に缶内面用に使用した場合における衛生性などが、いず
れも良くなる傾向があるので、好ましい。
【0035】前記(1)、(2)および(3)なる、そ
れぞれの製造方法における、芳香族系エポキシ樹脂(a
−1)と、前掲した如き各種の共重合性ビニル単量体の
混合物、あるいは、カルボキシル基含有アクリル系重合
体(a−2)の使用割合は、それらの合計重量を100
重量部としたとき、固形分重量比で、(a−1)/(a
−2)=50/50〜90/10なる範囲内が好まし
く、エポキシ基に対して、カルボキシル基が過剰となる
ような反応基濃度範囲が好ましい。
【0036】芳香族系エポキシ樹脂(a−1)の使用割
合が50〜90重量部である場合には、塗膜の金属に対
する密着性に優れるし、しかも、得られる樹脂(A)の
分散安定性が向上する傾向にあるので、好ましい。
【0037】前記(3)の製造方法における芳香族系エ
ポキシ樹脂(a−1)と無水(メタ)アクリル酸との使
用割合は、それらの合計重量を100重量部としたと
き、固形分重量比で、樹脂/無水酸=90/10〜 9
9.95/0.05成る範囲内が好ましい。
【0038】前記したそれぞれの反応で用いる重合開始
剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、アゾ
ビスイソブチロニトリルやベンゾイルパーオキサイドな
どの、通常の重合開始剤が特に代表的なものとして挙げ
られる。
【0039】これらの重合開始剤の使用量は、特に限定
されるものではないが、共重合性単量体の合計重量の
0.01〜20重量%の範囲が好ましい。
【0040】有機溶媒として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、se
c−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、メチルセロソルブアセテートまたは
エチルセロソルブアセテートなどをはじめ、ジオキサ
ン、ジメチルホルムアミドまたはダイアセトンアルコー
ルのような、各種の親水性有機溶媒;酢酸エチル、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、トルエンまたはキシレンの如き、各種の親油性
有機溶媒などである。
【0041】これらは単独使用でも2種以上を併用して
もよく、必要に応じて、水とこれらの有機溶媒とを併用
してもよい。
【0042】前記した(1)〜(3)の方法で得られる
樹脂(A)のカルボキシル基の中和に使用できる塩基性
化合物としては、通常の無機塩基および有機塩基が、い
ずれも使用できる。
【0043】そのうち、無機塩基として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど
が、他方、有機塩基として特に代表的なもののみを例示
するに止めれば、アンモニアをはじめ、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミンもしくはブチルアミンの如きアル
キルアミン類:ジメチルアミノエタノール、ジエタノー
ルアミンもしくはアミノメチプロパノールの如きアルコ
ールアミン類;またはモルホリンなどである。また、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミンの如き多価アミ
ンも使用できる。
【0044】前記した塩基性化合物としては、アンモニ
アや揮発性のアミン類は、塗膜中に残留せずに、耐水性
を良くする傾向があるので、好ましい。
【0045】塩基性化合物の使用量としては、分散体の
pHが5以上となるような量が好ましい。
【0046】特に、本発明で用いるカルボキシル基含有
自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂(A)中のカ
ルボキシル基の少なくとも一部を、塩基性化合物で中和
し、水性媒体中に分散させたのち、この樹脂分散体を加
熱することにより、微小な粒子の中で残存するエポキシ
基とカルボキシル基との反応を行なわせ、三次元網目構
造を有するミクロゲル粒子を得ることができる。
【0047】ただし、かかるカルボキシル基含有自己乳
化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂(A)の合成方法
(2)のときには、エポキシ基を残すように、部分エス
テル化反応せしめる必要がある。
【0048】このミクロゲル粒子を得る反応は、当該カ
ルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ
樹脂(A)の合成に用いた溶媒を含有する樹脂分散体の
状態で行うこともできるし、また、溶媒を蒸留によって
留去したのちに行うこともできる。
【0049】この反応は、通常、50〜95℃で 0.
5〜100時間のあいだ行われる。
【0050】このようなミクロゲル粒子化した当該エポ
キシ樹脂(A)は、特に高温短時間の、あるいは、低温
での焼付けが行なわれる場合の、硬化不足に対して良好
な改良効果を示す。
【0051】つまり、加工性ならびに密着性は勿論のこ
と、衛生性の面でも、水抽出分を少なくし、ひいては、
水フレーバー性を良くする利点を持つ。
【0052】カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合
体変性エポキシ樹脂(A)は、テトラヒドロフランの如
き、各種のエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドもしくは
ジメチルスルホキシドの如き、各種の非プロトン性極性
溶媒などに可溶性の非ゲル状の樹脂であるが、水分散化
したのち、加熱処理することによって、溶媒に不溶性の
三次元網目構造のミクロゲル体となる。
【0053】この反応の反応率の測定は、反応生成物が
ミクロゲル体となって、溶媒に対して不溶性となる処か
ら、エポキシ基の残存量を追跡する方法によっては不可
能であるが、便宜的には、水性媒体が濁った状態での酸
価を追跡すればよく、これによって反応率を推定するこ
とができる。
【0054】こうした方法によれば、ほぼ、反応系に残
存するエポキシ基に相当するカルボキシル基の消費が認
められ、その後の酸価は一定になる。
【0055】アミンを含む水中での反応であるにも拘ら
ず、エポキシ基はカルボキシル基と反応することによっ
て、実質的に、完全に消費される。
【0056】本発明において水性媒体とは、少なくとも
10重量%以上が水である、水単独あるいは、親水性有
機溶剤との混合物を意味する。
【0057】本発明で用いることが出来る親水性有機溶
剤として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、te
rt−ブタノール、イソブタノールの如きアルキルアル
コール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロ
ピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソル
ブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチル
カルビトールの如きグリコールエーテル類;またはメチ
ルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート
の如きグリコールエーテルエステル類などであり、ジオ
キサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトン、ダイアセトンアルコールなどであ
る。
【0058】必要に応じて、親油性有機溶剤を用いるこ
とは、何ら、差し支えがない。
【0059】かくして得られる水性樹脂組成物から、そ
こに含有される有機溶剤を減らす必要がある場合には、
カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキ
シ樹脂(A)を製造するさいに、沸点が低く、水と共沸
するよな有機溶剤、たとえば、アセトン、メチルエチル
ケトン、n−ブタノールまたはブチルセロソルブなど
を、水と併用して水性媒体中に分散せしめたのち、常圧
もしくは減圧にて蒸留すれば、安定的に、有機溶剤の含
有率の低い水性樹脂組成物を、容易に得ることができ
る。
【0060】本発明の缶内面被覆用水性樹脂組成物に
は、さらに、必要に応じて、塗膜の密着性や硬化性など
を高めるために、硬化剤として、フェノール樹脂を添加
してもよい。
【0061】かかるフェノール樹脂として特に代表的な
もののみを例示するに止めれば、ビスフェノールAまた
はビスフェノールFの如き、各種の4官能性のフェノー
ル化合物、石炭酸、m−エチルフェノール、3,5−キ
シレノール、m−メトキシフェノールの如き3官能のフ
ェノール化合物もしくはp−クレゾール、o−クレゾー
ル、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェ
ノール、2,3−キシレノール、m−メトキシフェノー
ルの如き、各種の2官能性のフェノールと、ホルムアル
デヒドとを、アルカリ触媒の存在下で、合成したもので
ある。
【0062】また、フェノール樹脂に含有されるメチロ
ール基の一部ないしは全部を、炭素数が1〜12なるア
ルコール類によってエーテル化した形のものを使用する
こともできる。
【0063】本発明の水性樹脂組成物には、必要に応じ
て、塗装性を改良するための溶剤、界面活性剤、または
消泡剤など各種助剤を加えることもまた、可能である。
【0064】また、本発明の缶内面被覆用水性樹脂組成
物に、加工時の塗膜の傷付きを防ぐ目的で、滑剤であ
る、公知慣用の各種のワックス類を添加することも可能
である。
【0065】ここで用いるワックスは単独で用いること
はもちろんであるが、耐摩擦摩耗性を考慮して25℃で
の針入度が10以下の硬いワックスと針入度が10より
大きい軟らかいワックスを併用する事ことがさらに有効
である。さらに、本発明の缶内面被覆用水性樹脂組成物
はワックスとの親和性が低いため、少量の使用量でも塗
膜表面に浮上し良好な耐摩擦摩耗性を示す。
【0066】本発明の水性樹脂組成物は、アルミニュー
ム、錫メッキ鋼板、あるいは、前処理した金属、さらに
は、スチールの如き、各種の金属素材または製品への被
覆用として有用であるが、木材の如き、他の素材や加工
品への被覆剤として用いてもよいことは、勿論である。
【0067】最も好ましい用途としては、飲食物などに
用られる、各種の金属容器への内面塗装に使用すること
であって、塗膜には耐水性があり、塗膜から缶内容物へ
の低分子化合物の溶出がなく、加えて、非常に塗膜の不
浸透性が高いので、缶内部に貯蔵する飲食物の、天然の
味または香りを変質させないと共に、加工性にも優れて
いる被覆品が得られる。
【0068】さらに、本発明の缶内面被覆用水性樹脂組
成物は、高温短時間の焼付け条件においても発泡するこ
とがなく、かつ、厚膜塗装が可能であると共に、加工性
ならびに耐食性が良好である処から、溶接缶の溶接部補
正塗料としても有用である。
【0069】本発明の水性樹脂組成物の塗装方法として
は、エアースプレー、エアレススプレーまたは静電スプ
レーの如き、各種のスプレー塗装が好ましいが、浸漬塗
装、ロールコーター塗装ならびに電着塗装なども可能で
ある。
【0070】また、焼付け条件としては、120〜28
0℃で、10秒〜30分間なる範囲内が好ましい。
【0071】本発明の水性樹脂組成物は、用途に応じ
て、それぞれ、適当な防錆剤、顔料、充填剤などを配合
して、防錆プライマー、印刷インキ、あるいは、防食防
錆塗料などに使用することもできる。
【0072】
【実施例】次に、本発明を実施例により、一層、具体的
に説明する。以下において、特に断りのない限り、部お
よび%は、すべて重量基準であるものとする。
【0073】実施例1 (カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂の調製例) (1) n−ブタノール 120部 (2) エピコート1010 150部 (3) メタクリル酸 25部 (4) スチレン 11部 (5) エチルアクリレート 1部 (6) 過酸化ベンゾイル 3部 (7) n−ブタノール 10部
【0074】窒素ガス置換した4つ口フラスコに、
(1)と(2)とを仕込み、加熱溶解した。この溶液
に、(3)〜(7)なる、それぞれの原料成分を均一に
混合したものを、フラスコ内を110℃に保ちながら、
攪拌しつつ、2時間かけて、徐々に、滴下した。
【0075】滴下終了後も、さらに同温度で4時間攪拌
し、固形分が58%なるカルボキシル基含有自己乳化性
ビニル重合体変性エポキシ樹脂溶液を得た。
【0076】ここで用いたエピコート1010は油化シ
ェルエポキシ(株)のビスフェノールA型エポキシ樹脂
である。
【0077】 (当該カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂の水分散化) (8) 上記カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂溶液 100部 (9) ジメチルエタノールアミン 4部 (10)イオン交換水 260部
【0078】窒素ガスを封入した4つ口フラスコに
(8)を仕込み、これを100℃まで加熱し、(9)と
(10)との混合液を、攪拌しながら、10分かけて滴
下し、目的とする樹脂の水性分散体を得た。
【0079】さらに、減圧下にて、n−ブタノールと水
とを共沸蒸留によって130部留去し、不揮発分が25
%なる、溶剤を含まない目的樹脂の水性分散体を得た。
【0080】(塗料化) (15)上記水性分散体 100部 (16)フェノール樹脂 0.6部 (17)ヘキシルセロソルブ 6部 (15)〜(17)を混合し、充分攪拌することにより
塗料を得た。
【0081】ここで用いたフェノール樹脂は、「EP−
560」(米国モンサント社製のレゾール型フェノール
樹脂)であり、部分的にブチルエーテル化されているも
のであって、不揮発分が72%なるものであった。
【0082】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに、次記のビ
スフェノールF型エポキシ樹脂を用いるように変更した
以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。
【0083】ここで用いたビスフェノールF型エポキシ
樹脂は、数平均分子量が6,800で、エポキシ当量が
5,700であって、かつ、Mw/Mnが4.8であっ
た。
【0084】以後も、実施例1と同様にして塗料化を行
った。
【0085】実施例3 (カルボキシル基含有アクリル樹脂の合成) (a) n−ブタノール 670部 (b) スチレン 250部 (c) エチルアクリレート 10部 (d) メタクリル酸 190部 (e) 過酸化ベンゾイル 5部
【0086】まず、(a)を窒素ガス置換した4つ口フ
ラスコに仕込み、攪拌溶解しながら100℃に保って、
この中に、(b)〜(e)を混合溶解したものを、2時
間かけて徐々に滴下した。
【0087】滴下終了後も、さらに同温度で3時間攪拌
し、固形分が40%なる、カルボキシル基含有アクリル
樹脂溶液を得た。
【0088】 (カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂の合成) (f) エピコート1010 150部 (e) 前記カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液 125部 (h) n−ブタノール 130部 (i) ジメチルエタノールアミン 12部
【0089】まず、(f)〜(h)を窒素ガス置換した
4つ口フラスコに仕込み、100℃で2時間攪拌するこ
とによって完全に溶解したのちに、80℃に冷却した。
【0090】この溶液に、(i)を仕込んで1時間攪拌
することによって、固形分が48%なる、カルボキシル
基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂の溶液
を得た。
【0091】この時点で、エポキシ基は56%反応し、
非ゲル状の樹脂反応物の酸価は、固型分換算で61であ
った。
【0092】 (カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂の水分散化) (j) 前記自己乳化性エポキシ樹脂溶液 100部 (k) イオン交換水 194部
【0093】窒素ガスを封入した4つ口フラスコに、
(j)を仕込んで、これを50℃まで加熱し、攪拌しな
がら、(k)を30分かけて滴下し、固形分が16.3
%なるカルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性
エポキシ樹脂の水性分散体を得た。
【0094】さらに、減圧下にて、n−ブタノールと水
とを、共沸蒸留によって留去し、不揮発分が25%な
る、溶剤を含まないカルボキシル基含有自己乳化性ビニ
ル重合体変性エポキシ樹脂の水性分散体を得た。
【0095】さらに、実施例1と同様にして塗料化し
た。
【0096】実施例4 実施例1で得られた、カルボキシル基含有自己乳化性ビ
ニル重合体変性エポキシ樹脂の水性分散体を80℃に保
って攪拌を続けた処、5時間後には、テトラヒドロフラ
ンに不溶性のミクロゲル体が生成し、水性媒体が濁った
状態での酸価を測定すると、87.0であった。
【0097】その後も、ミクロゲル体は増加し、逆に、
酸価は低下して、10時間以降の酸価は85.0で一定
となった。
【0098】15時間保持後に冷却して、ミクロゲル体
を含有する水性樹脂分散体を得た。
【0099】以後は、実施例1と同様にして塗料化を行
った。
【0100】実施例5 実施例3で得られたカルボキシル基含有自己乳化性エポ
キシ樹脂の水性分散体を、80℃に保って攪拌を続ける
ことよって、ミクロゲル体を含有する水性樹脂分散体を
得た。
【0101】以後は、実施例1と同様にして塗料化を行
った。
【0102】実施例6 (メタアクリロイル基を導入したエポキシ樹脂の合成) (イ)エピコート1010 100部 (ロ)無水メタクリル酸 1部 (ハ)メチルエチルケトン 125部
【0103】まず、(イ)、(ハ)を窒素置換した4つ
口フラスコに仕込み、85℃で攪拌しながら完全に溶解
させた後、(ロ)を仕込み、そのまま同温度で4時間攪
拌を続けることにより、固形分が44.5%なる、メタ
アクリロイル基を導入した芳香族エポキシ樹脂溶液を得
た。
【0104】 (カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂の合成) (ニ)前記メタアクリロイル基含有芳香族系エポキシ樹脂溶液 226部 (ホ)メタクリル酸 18部 (ヘ)スチレン 15部 (ト)エチルアクリレート 1部 (チ)パーブチルO 1部 (リ)メチルエチルケトン 76部
【0105】前記(ニ)〜(リ)を均一に混合した後、
その混合液の70部を窒素ガス置換した4つ口フラスコ
に仕込み80℃に加熱し、その温度に保ちつつ残りの混
合液を3時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後も、さら
に同温度で4時間攪拌することにより固形分が40%の
カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂溶液を得
た。
【0106】ここで用いたパーブチルOは日本油脂
(株)製の重合開始剤である、t−ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサネート)である。
【0107】 (当該カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂の水分散化) (ヌ)前記カルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂溶液 100部 (ル)ジメチルエタノールアミン 2.5部 (ヲ)イオン交換水 260部
【0108】窒素ガスを封入した4つ口フラスコに
(ヌ)を仕込み、これを80℃まで加熱し、(ル)と
(ヲ)の混合液を攪拌しながら10分かけて滴下し、目
的とする樹脂の水性分散体を得た。
【0109】さらに、減圧下にてメチルエチルケトンと
水を共沸蒸留によって200部留去し、不揮発分が25
%の溶剤を含まない水性分散体を得た。
【0110】さらに、実施例1と同様にして塗料化し
た。
【0111】比較例1 実施例1で用いた共重合性単量体の量を次のように変更
した以外は、実施例1と同様にして、対照用の水性分散
体を得た。
【0112】さらに、実施例1と同様にして塗料化を行
った。
【0113】 (カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂の調製) (1) n−ブタノール 120部 (2) エピコート1010 150部 (3) メタクリル酸 20部 (4) スチレン 2部 (5) エチルアクリレート 15部 (6) 過酸化ベンゾイル 3部 (7) n−ブタノール 10部
【0114】比較例2 実施例3で合成したカルボキシル基含有アクリル樹脂の
共重合性単量体の量を次の様に変更した以外は、実施例
3と同様にして、対照用の水性分散体を得た。
【0115】さらに、実施例1と同様にして塗料化を行
った。
【0116】(カルボキシル基含有アクリル樹脂の合
成) (a) n−ブタノール 670部 (b) スチレン 110部 (c) エチルアクリレート 150部 (d) メタクリル酸 190部 (e) 過酸化ベンゾイル 5部
【0117】次に、実施例1〜5ならびに比較例1およ
び2で得られた、それぞれの塗料についての評価を、下
記するような方法によって行なった。それらの結果は、
まとめて、表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】〔試験用塗装板の作成〕厚さが0.32m
mなるアルミニウム板上に、乾燥塗膜の重量が60mg
/dm2となるように、バーコーターを用いて、各実施
例及び比較例で得られた、それぞれの塗料を塗布し、2
00℃のオーブン中で150秒間焼き付けたのち、室温
まで冷却して、試験用塗装板とした。
【0120】〔密着性〕試験用塗装板に形成された塗膜
に、カッターで1×1mmの碁盤目を100個作成し、
この試料片を125℃で30分間熱水処理した。その後
碁盤目部分に、粘着テープを貼ったのち、粘着テープを
急速に剥離し、塗膜の剥離状態を観察し、次に示すよう
な3段階によって評価した。 ○………剥離が全くない。 △………全体の1〜30%が剥離した。 ×………全体の31〜100%が剥離した。
【0121】〔加工性〕特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試
験器を用い、下部に置いた二つ折りにした試料の間に無
塗装のアルミニウム板を2枚挟み、接触面が平らな重さ
1Kgの鉄の重りを高さ50cmから落下させ、折り曲
げた試料片を作成した後、この試料片を125℃、30
分間熱水処理した。その後折り曲げ加工部の塗膜の損傷
の程度を調べるために、折り曲げ面を対象として、エナ
メルレーター(通電試験機)を用い、1%食塩水の電解
液を介して、電流値を測定し、次に示すような3段階に
よって評価した。 ○………電流値が10mA未満である。 △………電流値が10〜50mAである。 ×………電流値が50mA以上である。
【0122】〔溶出試験〕100ミリリットルの精製水
中に、160cm2なる、試験用塗装版を浸漬し、12
5℃で0.5時間の熱水処理を行ったのちの、精製水の
過マンガン酸カリウム消費量を測定し、次に示すような
3段階によって評価した。 ○………消費量が5ppm以下である。 △………消費量が5ppmを超えるが、10ppm以下
である。 ×………消費量が10ppmを超える。
【0123】〔フレーバー収着性試験〕リモネンを2p
pm添加した精製水300mlに160cm2なる、試
験用塗装板を浸漬後、密封して室温で二週間遮光保存し
た後、試験用塗装板をエーテルに浸漬することでリモネ
ンを抽出し、ガスクロマトグラフィーにて定量分析を行
なった。
【0124】仕込量に対する塗膜への収着量を、次に示
すような3段階によって評価した。 ○………塗膜への収着率が5パーセント以下である。 △………塗膜への収着率が5〜10パーセントである。 ×………塗膜への収着率が10パーセント以上である。
【0125】〔水蒸気透過性試験〕この試験では遊離塗
膜を作成する必要があるため、試験用塗装板の作成と同
様な方法でブリキ板上に200mg/dm2となる塗装
板を作成し後、水銀を用いて塗膜を剥離する。その後、
水を入れた直径3cmの透湿性測定用カップにこの塗膜
を張り付け、室温で放置し、水の蒸発量を経時的に測定
する。この蒸発量を次に示すような3段階によって評価
した。 ○………蒸発量が20mg/day以下である。 △………蒸発量が20〜30mg/dayである。 ×………蒸発量が30mg/day以上である。
【0126】
【発明の効果】本発明の缶内面被覆用水性樹脂組成物
は、火災や公害の心配が小さく、安全衛生性に優れる
し、塗膜の密着性に優れるし、熱水処理後の加工性もま
た、著しく良好である。加えて、内容物フレーバー成分
を収着しにくいとともに水蒸気透過量も少ない処から、
食品容器に用いる塗装剤として、著しく優れている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホモポリマーのTgが300度K以下の
    エステル結合を有するビニル単量体に基ずく重合部分を
    樹脂中に2重量パーセント以下含有するカルボキシル基
    含有自己乳化性ビニル重合体変性エポキシ樹脂を塩基の
    存在下に水性媒体中に分散せしめたことを特徴とする缶
    内面被覆用水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ホモポリマーのTgが300度K以下の
    エステル結合を有するビニル単量体が、アクリル酸エチ
    ルである請求項1に記載された缶内面被覆用水性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ホモポリマーのTgが300度K以下の
    エステル結合を有するビニル単量体が、アクリル酸2エ
    チルヘキシルである請求項1に記載された缶内面被覆用
    水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重
    合体変性エポキシ樹脂が、アクリル系重合体変性エポキ
    シ樹脂である請求項1、請求項2または請求項3に記載
    された缶内面被覆用水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重
    合体変性エポキシ樹脂がミクロゲル化したものである請
    求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載され
    た缶内面被覆用水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重
    合体変性エポキシ樹脂を構成するエポキシ樹脂が、エポ
    キシ当量が2000以上10000未満であり、数平均
    分子量が3000以上12000未満である芳香族系エ
    ポキシ樹脂である請求項1、請求項2、請求項3、請求
    項4または請求項5に記載された缶内面被覆用水性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 カルボキシル基含有自己乳化性ビニル重
    合体変性エポキシ樹脂のほかに、さらにフェノール樹脂
    を含有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、
    請求項5または請求項6に記載された缶内面被覆用水性
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002293881A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂組成物、及びプライマー層付金属板

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