JPH07207596A - カチオン性で熱硬化性のポリアミド−エピクロロヒドリン湿潤紙力増強用樹脂の製造方法 - Google Patents

カチオン性で熱硬化性のポリアミド−エピクロロヒドリン湿潤紙力増強用樹脂の製造方法

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JPH07207596A
JPH07207596A JP13890292A JP13890292A JPH07207596A JP H07207596 A JPH07207596 A JP H07207596A JP 13890292 A JP13890292 A JP 13890292A JP 13890292 A JP13890292 A JP 13890292A JP H07207596 A JPH07207596 A JP H07207596A
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ロック・リム・チャン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的に減少した量の有機塩素汚染物を含有
し,且つその湿潤強度特性が市販のポリアミド−エピク
ロロヒドリン樹脂と同等であるような,熱硬化性のポリ
アミド−エピクロロヒドリン湿潤紙力増強用樹脂の製造
方法を提供する。 【構成】 前記汚染物の減少は,エピクロロヒドリンを
ポリアミドに数回に分けて加える際に,常にエピクロロ
ヒドリンの全量未満の量をポリアミドに加えてエピクロ
ロヒドリンの実質的に全てをポリアミドと反応させつ
つ,エピクロロヒドリンの2つの官能価の一部を保持さ
せて樹脂に熱硬化性の湿潤強度を付与することによって
達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は,実質的に減少した量の有機塩素
汚染物を含有し,その湿潤強度特性が市販のポリアミド
−エピクロロヒドリン樹脂と本質的に同等であるよう
な,カチオン性で熱硬化性のポリアミド−エピクロロヒ
ドリン湿潤紙力増強用樹脂の製造方法に関する。
【0002】紙の湿潤強度とは,紙が水で湿潤したとき
に裂開や崩壊を起こしにくい性質であると定義される。
未処理のセルロース繊維から製造された紙は,水中に浸
漬された後においては,その最初の強度を殆ど保持する
ことがない。相当量の紙が水,風雨,及び湿度への暴露
を含んだ条件下で使用されるので,このことは大きな欠
点である。
【0003】アミノプラスチック樹脂(特に尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂)が湿潤紙力増強用樹脂として使用さ
れている。このタイプの樹脂は,他の種類の樹脂に比
べ,有効性と経済性の点で利点を有する。しかしなが
ら,尿素−ホルムアルデヒド湿潤紙力増強用樹脂の有効
な硬化を起こさせるには,4.5〜5.5という低いp
Hが必要とされる。このことにより,酸による分解が促
進され,そしてさらに紙製造機の腐食速度が速まる。
【0004】現在,エポキシ化ポリアルキレンアミン−
ポリアミド(本明細書では単に,エポキシ化ポリアミド
又はポリアミド−エピクロロヒドリンとも呼ぶ)が,中
性硬化の湿潤紙力増強用樹脂として広く使用されてい
る。該樹脂は水溶性でカチオン性の樹脂であり,セルロ
ース繊維に対してかなり多く使用されている。通常の紙
製造プロセスにおいて適用される温度で4〜10のpH
範囲にて該樹脂を効果的に硬化させて,最終的に得られ
る紙に湿潤強度を付与することができる。該樹脂は,尿
素−ホルムアルデヒド樹脂の場合のように,紙の剛性を
増大させたり,あるいは水の吸収性を低下させたりする
傾向はない。
【0005】エポキシ化ポリアルキレンアミン−アミド
湿潤紙力増強用樹脂を製造するために,多くの方法が使
用されている。しかし一般には,これらの方法には2つ
の工程が含まれる。以下の構造単位−NH〔(CH2
n NH〕x −CORCO−(式中,nとxは2以上の小
さな整数であり,Rは飽和していても不飽和であっても
よいジカルボン酸の二価炭化水素基である)を含有した
プレポリマーであるポリアルキレンアミン−アミドが先
ず最初に作製される。第2の工程は,本プレポリマーの
エポキシ化を含む(通常はエピクロロヒドリンとの反応
による)。従来技術において報告されている種々の方法
では,プレポリマーの作製に対しては異なった反応物又
は異なった化学反応を使用するが,エポキシ化は本質的
に同じである。例えば,ジカルボン酸,ジカルボン酸無
水物,ジアルデヒド,アミノ酸,及びラクタム等を使用
し,これらをポリアルキレンアミンと反応させてプレポ
リマーを形成させ,その後エピクロロヒドリンによって
エポキシ化する。
【0006】これら従来技術の特許のいくつかを使用し
てポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂が作製されてお
り,これらの樹脂は工業的にも受け入れられている〔例
えばG.ケイム(Keim)による米国特許第2,92
6,154号,及びチャン(Chan)らによる米国特
許第3,887,510号〕。本明細書ではケイムの特
許を使用して,関与している化学と反応工程を説明して
いくこととする。第1の工程は,ジカルボン酸とポリア
ルキレンアミンとの縮合重合を含み,これにより構造単
位中に少なくとも1つの第二級アミンを有するポリアミ
ドが得られる。例えば,アジピン酸とジエチレントリア
ミンとの縮合反応は下記の反応(1)で示される。
【0007】 第2の工程はエピクロロヒドリンの添加を含み,このエ
ピクロロヒドリンが第1の工程で作製されたポリアミド
と反応する。
【0008】熱硬化性ポリアミド−エピクロロヒドリン
の形成をもたらす化学反応は,以下のように記載するこ
とができる。
【0009】 エピクロロヒドリンの量は変えてもよい。例えば米国特
許第2,926,154号は,充分な量のエピクロロヒ
ドリンを使用して,第二級アミン基の全てを第三級アミ
ン基に転化すべきであると説明している。一般には,ポ
リアミドの第二級アミン基1つに対して約0.5モル〜
約1.8モルのエピクロロヒドリンを使用すると満足で
きる結果が得られる。有効な湿潤紙力増強用樹脂を得る
ためには,好ましい量のエピクロロヒドリンは樹脂1モ
ル当たり約1.0モル〜約1.5モルである。
【0010】さらに,エピクロロヒドリンは水および酸
と反応して加水分解反応を起こし,1,3−ジクロロ−
プロパン−2−オール(DCP)と3−クロロ−プロパ
ンジオール(CDP)を含んだ加水分解副生物を生じ
る,ということも知られている。この種の加水分解は一
般には,上記(2)の架橋反応や湿潤強度特性に影響を
及ぼすことはない。従って,これらの加水分解副生物に
ついては,従来技術において取り扱われていない。
【0011】流出水中に有機ハロゲン類(特に有機塩素
物質)が存在すると,重大な環境上の問題を引き起こ
す。環境分析においては,これらの物質は吸着可能有機
ハロゲン(AOX)又は全有機ハロゲン(TOCL)と
して測定される。例えば,西独流出水規制法(21.N
eufassung des Abwasserabg
abengesetzes vom 05. Marz
1987,Bundesgesetzblatt
1,page 880)は,1リットル当たり100マ
イクログラムの限界値,及びAOXに関して10kgの
全排出量を設定している。有機ハロゲン化合物の殆どは
パルプ製造プロセスにおいて形成されるが,紙製造の際
にポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂中に“CDP”
や“DCP”が存在すると,“AOX”や“TOCL”
の量が増大することとなる。
【0012】“CDP”や“DCP”(特に“DC
P”)が存在すると,ポリアミド−エピクロロヒドリン
樹脂の有害性の点で問題となる。例えば,ヨーロッパ経
済共同体は,1991年6月7日から0.1%以上の
“DCP”を含有した生成物すべてについて発癌性の標
識を付けるべきことを要求している,と報告されてい
る。固形分が12.5%の通常の市販ポリアミド−エピ
クロロヒドリン湿潤紙力増強用樹脂は,ガスクロマトグ
ラフィーによる分析にて約1.7〜1.2%の“DC
P”を含有している。しかしながら,本発明の方法によ
り作製した固形分が12.5%のポリアミド−エピクロ
ロヒドリン樹脂は,わずか約0.03〜0.08%の
“DCP”と“CDP”(すなわち0.1%より明らか
に少ない)を含有しているにすぎない。加水分解による
副生物が少なくなることの他に,本発明に従って作製し
た樹脂の湿潤強度効率は,従来技術に記載の方法に従っ
て作製した市販のポリアミド−エピクロロヒドリン湿潤
紙力増強用樹脂によって与えられる湿潤強度効率と同等
である。
【0013】従来技術 G.ケイムによる1960年2月23日付け米国特許第
2,926,154号に従って作製した最初の工業用ポ
リアミド−エピクロロヒドリン樹脂においては,ジカル
ボン酸(アジピン酸)とポリアルキレンアミン(ジエチ
レントリアミン)を使用して水溶性のポリアミドを生成
させ,次いでこのポリアミドをエピクロロヒドリンと反
応させている。
【0014】最近,ケイムの特許の譲受人(すなわちハ
ーキュレス社)は,キメン(Kymene)557LX
という名称の製品を市場に出している。ハーキュレス社
の説明によれば,この新製品は,“本品は,酸性又はア
ルカリ性の紙製造条件下で機能する高効率でカチオン性
の湿潤紙力増強用樹脂である。主として湿潤強度を付与
するために使用されるけれども,紙製造において他のい
くつかの用途も有する。本品は,製紙工場の流出液及び
最終的な紙製品中に塩素化有機化合物が形成されること
にあまり寄与しないという点において,中性硬化による
他の市販湿潤紙増強用樹脂を凌ぐ顕著な利点を有す
る。”とのことである。伝えられるところによると,キ
メン557LXは,固形分が12.5%に対して0.1
%未満のDCP副生物とCDP副生物を含有する。発明
者らは,この新製品に関してその製造方法を知らない。
【0015】他の工業的に使用しうるポリアミド−エピ
クロロヒドリン樹脂が,1975年6月3日付けのチャ
ンらによる米国特許第3,887,510号に従って製
造されている。チャンらの特許においては,ジカルボン
酸エステルをポリアルキレンアミンと反応させて水溶性
のポリアミド樹脂を得る。次いでこのポリアミドをエピ
クロロヒドリンと反応させてカチオン性の熱硬化性樹脂
を形成させる。
【0016】加水分解生成物(すなわちDCPとCD
P)の問題については,これらの特許には記載されてい
ない。本明細書の実施例4に示されているように,これ
ら2つの特許に従って製造したポリアミド−エピクロロ
ヒドリンは,本発明に従って製造したポリアミド−エピ
クロロヒドリンより15〜20倍多いDCPとCDPを
含有している。
【0017】ケイムの特許及びチャンらの特許は,エピ
クロロヒドリンとポリアミドの第二級アミン基とのモル
比を0.5〜1.8(好ましくは1〜1.5)の範囲で
変えることができ,またエピクロロヒドリンの量は反応
速度を調節する範囲内で変えることができる,と述べて
いる。しかしながら,エピクロロヒドリンの添加方法を
変えることによって,ポリアミド−エピクロロヒドリン
樹脂の熱硬化特性を変えることができるという点につい
ては触れられていない。
【0018】1967年7月4日付けのストラジンズ
(Strazdins)による米国特許第3,329,
657号は,エピクロロヒドリンが実質的に,二官能的
に,そして完全に反応して水溶性の架橋ポリマーを生成
するようエピクロロヒドリンを少量ずつ加えることによ
って,上記のケイムとチャンらの特許の反応条件を変え
ている。しかしながら,ストラジンズの特許に従って製
造した樹脂は,熱硬化性ではなく,紙製品に対しそれほ
ど大きくはない湿潤強度を付与するにすぎない。ストラ
ジンズはエピクロロヒドリンを少量ずつ加えることを重
視しており,少量ずつ加えることにより,エピクロロヒ
ドリンは実質的に,二官能的に,そして完全に反応し,
ポリアミド−エピクロロヒドリンは非熱硬化性で水溶性
の貯蔵可能なカチオン性樹脂となる。さらにストラジン
ズは,ストラジンズの特許による樹脂を紙の製造におい
て使用すると,それほどの湿潤強度を与えることなく,
保持剤や水切り剤として作用すると述べている。
【0019】ヘンケル社のD.I.デボー(Devor
e),S.A.フィッシャー,及びN.S.クランジョ
ン(Clungeon)による“ポリアミノアミド−エ
ピクロロヒドリン樹脂における全有機塩化物汚染物の減
少”と題する文献(ワシントン州シアトルでの1991
年度ペーパーメーカーズ・コンファランスの議事録に掲
載)がある。本文献は,ポリアミドに対するエピクロロ
ヒドリンのモル比を変えることの影響について説明して
いる。温度,濃度,反応時間,及び“許容しうる”湿潤
強度を保持しつつ有機塩素汚染物の量を減少させるため
の供給速度等も含めた種々のプロセス変数が記載されて
いる。しかしながら,記載されているこれらのプロセス
変数の影響や最適条件については,文献中に説明されて
いないようである。
【0020】本発明は,エポキシ化ポリアミド湿潤紙力
増強用樹脂の製造方法,及び紙に湿潤強度を付与するた
めにこうした樹脂を使用することに関する。
【0021】本特許出願の発明においては,エピクロロ
ヒドリンとポリアミドとの反応を容易にするためにエピ
クロロヒドリンが少量ずつ加えられる。すなわち,水溶
液中におけるエピクロロヒドリンの消失をできるだけ速
く起こさせ,これにより加水分解の可能性を実質的に減
少させる。得られるポリアミド−エピクロロヒドリンが
熱硬化性となり,且つ効率的な湿潤紙力増強用樹脂とな
るよう,エピクロロヒドリンを完全に二官能的には反応
させないようにする。
【0022】本発明に従って製造される樹脂のもう1つ
の特徴は,エピクロロヒドリン対第二級アミンの低いモ
ル比が使用されても,湿潤強度は市販の湿潤紙力増強用
樹脂(例えば,上記のケイムの特許とチャンらによる特
許に記載の樹脂──これらの樹脂はエピクロロヒドリン
/アミンのより高いモル比で製造されている)と同等で
ある,という点である。
【0023】本発明は,実質的により少ない量のエピク
ロロヒドリン加水分解副生物を含有し;従来技術にて製
造された樹脂の場合と実質的に同等の湿潤強度特性を紙
に効率良く与え;そしてカチオン性の熱硬化性樹脂であ
るようなポリアミド−エピクロロヒドリン系の湿潤紙力
増強用樹脂の製造方法を提供する。
【0024】ポリアルキレンアミン−アミドを製造する
のに使用される二塩基酸もしくはそのエステル及びポリ
アルキレンポリアミンについては,モル比を決定する際
には従来法が使用される。しかしながらエポキシ化反応
の場合,発明者らは,滴定可能なアミンを生じるのに使
用されるポリマーの重量がグラム分子量として使用され
るよう,ポリアルキレンアミン−アミドの第二級アミン
と第三級アミンのそれぞれに注目している。従来技術の
特許からわかるように,このことは当業界においては一
般に行われていることである。
【0025】本発明において使用されるポリアミドは,
ポリアルキレンアミン−アミドの一般構造 (式中,n,x,y,及びzは反復構造単位の数であ
る)で表わすことができる。
【0026】本発明の重要な部分は,エピクロロヒドリ
ンをポリアミドと反応させる仕方である。常に一度にエ
ピクロロヒドリンの使用量の約半分以下を,ポリアルキ
レンアミン−アミドの水溶液に加える。このことは,反
応温度を約60℃未満に調節しつつポリアミドとの反応
により水性媒体から遊離のエピクロロヒドリンを速やか
に消失させるような反応条件下にて,水溶液中に別々に
して加えることによって,あるいは少量のエピクロロヒ
ドリンを連続的に計量することによって行うことができ
る。このエポキシ化においてエピクロロヒドリンがポリ
アミドと反応するけれども,エピクロロヒドリンは二官
能価のために完全には反応しない。従ってエピクロロヒ
ドリンはさらにポリマーを架橋するのに利用することが
でき,湿潤紙力増強用樹脂として使用されると熱硬化性
となる。ポリアミドのエポキシ化反応に対する適切な調
節は,一度に加えるエピクロロヒドリンの量を調節する
こと,ポリアミド固形分のパーセントを調節すること,
及び冷却することにより反応媒体中で行われる。本発明
によれば,エピクロロヒドリンの全使用量を少量の計量
された部分に分けるのが好ましい。これらの各部分がポ
リアミド溶液に加えられ,別の部分が加えられる前に所
望の反応程度にまで反応する。反応は,得られるポリア
ミド−エピクロロヒドリンが熱硬化性となるよう仕方で
進行する。
【0027】エピクロロヒドリンは二官能価である。な
ぜなら,エピクロロヒドリンはエポキシ基とクロロ基の
両方において反応できるからである。水性反応媒体中に
おける遊離のエピクロロヒドリンは,先ずエポキシ基を
開くことによってポリアミドに結合する,と考えられ
る。この反応により,水溶液からエピクロロヒドリンが
消失する。ポリマーの架橋とその熱硬化特性は,主とし
てクロロ基の反応によって起こると考えられる。
【0028】少ない量のDCPとCDPを含有した熱硬
化性のポリアミド−エピクロロヒドリンを製造するの
に,ポリアミドに対するエピクロロヒドリンの量を減ら
すことによって従来技術のいくつかの方法を利用でき
る,と考えられる。しかしながら,このような仕方で
は,湿潤強度特性が大幅に低下することとなる。
【0029】ポリアルキレンアミン−アミドの製造 本発明においては,反復構造単位 (式中,nとxは2以上の整数であり,Rはジカルボン
酸の二価炭化水素基である)を有するいかなる水溶性の
ポリアルキレンアミン−アミドも使用することができ
る。Rは飽和炭化水素であっても不飽和炭化水素であっ
てもよい。適切なポリアルキレンアミン−アミドの例と
しては,アジピン酸のような飽和ジカルボン酸とジエチ
レントリアミンのようなポリアルキレンアミンとの反応
生成物がある(米国特許第2,926,154号に記
載)。イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸とジエチ
レントリアミンとを反応させることによって得られるポ
リアルキレンアミン−アミド(米国特許第3,125,
552号に記載)も使用することができる。一般には,
ポリアルキレンアミン−アミドは,2つのアミド基の間
に少なくとも1つの第二級アミン基を有する構造単位を
含んでいる限り,従来技術において知られているいかな
る方法によっても製造することができる。
【0030】好ましいジカルボン酸ジエステルとして
は,マロン酸ジメチル,マロン酸ジエチル,コハク酸ジ
メチル,コハク酸ジイソプロピル,グルタル酸ジメチ
ル,グルタル酸ジイソブチル,アジピン酸ジメチル,ア
ジピン酸ジ−n−プロピル,アジピン酸メチルエチル,
又はアジピン酸ジメチルとグルタル酸ジエチルとの混合
物がある。好ましいジエステルはグルタル酸ジメチルで
ある。
【0031】ジエステルはC3 〜C6 のジカルボン酸か
ら形成されるのが好ましいが,3個より少ない炭素原子
を有する酸(例えばシュウ酸),6個より多い炭素原子
を有する酸(例えば,ピメリン酸,スベリン酸,アゼラ
イン酸,及びセバシン酸等),ならびにマレイン酸やフ
マル酸等の不飽和酸のエステルも使用することができ
る。
【0032】ポリアルキレンアミン−アミドを製造する
のに使用されるポリアルキレンポリアミンとしては,2
つの第一級アミン基と少なくとも1つの第二級アミン基
を有するポリアルキレンポリアミンがある。適切なポリ
アルキレンポリアミンとしては,ジエチレントリアミ
ン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミ
ン,ジプロピレントリアミン,及びジヘキシレントリア
ミン等がある。好ましいポリアミンはジエチレントリア
ミンである。
【0033】ポリアルキレンアミン−アミドは,グルタ
ル酸ジメチルとジエチレントリアミンとの縮合重合によ
って製造するのが好ましい。ジエステル対ポリアルキレ
ンポリアミンのモル比は,約0.9/1〜約1.2/1
であるのが好ましい。この重合の詳細については,チャ
ンらによる米国特許第3,887,510号に説明され
ている。この重合は本明細書の実施例1に示されてい
る。
【0034】エピクロロヒドリン−ポリアルキレンアミ
ン−アミド樹脂の製造方法 水溶液中にてエピクロロヒドリンをポリアルキレンアミ
ン−アミドと反応させる。常に一度にエピクロロヒドリ
ンの使用量の約半分以下をポリアルキレンアミン−アミ
ドに加える。ポリアルキレンアミン−アミドに加えられ
るエピクロロヒドリンの全量は,一般には2〜5回の別
々の添加で行われる。各添加におけるエピクロロヒドリ
ン対アミンのモル比は,0.1:1〜0.4:1の範囲
であるが,エピクロロヒドリン対アミンの好ましいモル
比は0.2:1である。加える水の量は,反応熱による
初期の発熱が冷却操作により約60℃未満に容易に制御
できる範囲内に全反応物の濃度が保持されるような量で
ある。通常は,ポリアルキレンアミン−アミドに約20
〜30%の固形分を与えるに足る量の水を加えることが
適切であるが,反応前におけるポリアルキレンアミン−
アミドの好ましい固形分は25%である。エピクロロヒ
ドリンをいくつかの段階で加える場合,エピクロロヒド
リンとポリアミド中のアミンとの全モル比が約0.3:
1〜0.8:1にて許容しうる範囲を与えるが,エピク
ロロヒドリン対アミンの好ましい全モル比は約0.6:
1である。
【0035】反応温度と反応物の濃度は,当業者により
反応速度が制御できるように決定することができる。必
要とされる縮合の程度及び反応時における反応物の濃度
に応じて,約30〜60℃の反応温度を使用するのが好
ましい。重合度は,最終生成物の湿潤強度特性に影響を
及ぼす。例えば,固形分13%にて20〜100cps
のブルックフィールド粘度(LVF2/60rpm/2
5℃)を有する樹脂が満足できる結果を与える。
【0036】エピクロロヒドリン−ポリアルキレンアミ
ン−アミド樹脂を製造するための好ましい方法において
は,ポリアルキレンアミン−アミドに加えるエピクロロ
ヒドリンの全量を少量ずつの計量された部分に分ける。
エピクロロヒドリンは,水溶液中においてエピクロロヒ
ドリン対アミンのモル比が0.2:1にてポリアルキレ
ンアミン−アミドと反応させるのが好ましい。この反応
段階において,反応が望ましい速度で進行するよう,存
在する適切な量の水により,ポリアルキレンアミン−ア
ミドの濃度が約25%に調節される。反応は,約55℃
で10分間行うのが好ましい。次いでこのバッチを25
〜30℃に冷却するのが好ましい。エピクロロヒドリン
対アミンが0.2:1という同じモル比にてさらなる量
のエピクロロヒドリンを加え,上記の手順を繰り返し
た。同じ量のエピクロロヒドリンを合計3回加えた。ト
ータルのエピクロロヒドリン対アミンのモル比は0.
6:1であるのが好ましい。3回の別個の工程にてエピ
クロロヒドリンを加えることは好ましい操作である。エ
ピクロロヒドリンを全て加えた後,バッチを約40〜5
0℃に加熱して反応を完了させる。反応を完了させるに
は,さらに約1〜2時間の加熱が必要とされる。重合速
度は,反応温度と反応固体の量を調節することにより操
作される。硫酸のような酸を使用して最終生成物のpH
を約3.0に調節し,これにより固形分が約13%の樹
脂を安定化させる。この樹脂の典型的な物理特性は次の
通りである:ブルックフィールド粘度(LVF/60r
pm/25℃),30〜50cps;固形分,13+/
−0.5%;25℃におけるpH,3.0+/−0.
1;25℃における比重,1.037〜1.047;及
びガードナーカラー,0〜4。
【0037】使用方法 本明細書に記載の湿潤紙力増強用樹脂は,従来のエポキ
シ化ポリアミド樹脂と同じ方法で適用することができ
る。従って,本発明の湿潤紙力増強用樹脂は,必要に応
じてタブアプリケーション(tub applicat
ion)によって紙に施すことができる。この湿潤紙力
増強用樹脂は,部分的又は完全に乾燥した紙を,その水
溶液中に浸漬するかあるいはその水溶液を噴霧し,次い
で高温(例えば105℃)で適切な時間(最大約1時
間)乾燥もしくはキュアーすることによって施すことが
できる。
【0038】本発明の樹脂は,充分なミキシングが行わ
れている紙製造システムにおいてパルプスラリーに加え
られる。使用する樹脂の量は,最終的に得られる紙製品
に必要とされる湿潤強度の程度に応じて,乾燥パルプの
0.1〜2重量%である。一般には,紙の湿潤強度がそ
の乾燥強度の約15%より大きくなるよう,上記0.1
〜2%の範囲内の湿潤紙力増強用樹脂が加えられる。紙
製造時におけるシステムのpHは約6〜8が好ましい。
【0039】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
特に明記しない限り,部とパーセントは重量基準であ
る。ブルックフィールド粘度に関して,略号LVFは装
置モデルを表わしており,その次の数字(例えば2又は
3)はスピンドルの大きさを表わしており,そして温度
の前の数字は1分当たりのスピンドルの回転数を表わし
ている。
【0040】実施例1 ポリアルキレンアミン−アミドの製造 本実施例では,チャンらによる米国特許第3,887,
510号に記載の手順に従ってグルタル酸ジメチルとジ
エチレントリアミンからポリアルキレンアミン−アミド
を製造することについて説明する。
【0041】39.91部のグルタル酸ジメチルと2
6.33部のジエチレントリアミンを反応器中に仕込ん
で混合した。本混合物を,80〜105℃で2〜3時間
加熱した。メタノールを留去し,47.82部の水を反
応器に加えて混合した。こうして得られたポリアルキレ
ンアミン−アミド水溶液は,49〜51%の固形分,及
び260〜380cpsのブルックフィールド粘度(L
VF3/60rpm/25℃)を有する。
【0042】実施例2 従来のエピクロロヒドリン−ポリアルキレンアミン−ア
ミド湿潤紙力増強用樹脂の製造 本実施例では,米国特許第3,887,510号に従っ
て製造される,固形分が20%の従来のエピクロロヒド
リン−ポリアルキレンアミン−アミド湿潤紙力増強用樹
脂の製造について説明する。実施例1で製造した24.
7部のポリアミド溶液,16.8部の水,及び8.9部
のエピクロロヒドリンを反応器中に仕込んだ。本溶液を
加熱し50〜55℃に保持した。溶液のブルックフィー
ルド粘度が400cps(LVF2/60rpm/25
℃)に達したときに,水を加え,そして硫酸を使用して
pHを4.0に調節した。本生成物の固形分は20%,
ブルックフィールド粘度(LVF2/60rpm/25
℃)は90〜100cpsであった。
【0043】実施例3 本発明の熱硬化性湿潤紙力増強用樹脂の製造 本実施例では,本発明による固形分13%の熱硬化性湿
潤紙力増強用樹脂の製造について説明する。機械的撹拌
機,還流冷却器,温度計,及びサンプリング器具を取り
つけた三つ口フラスコ中に,実施例1で製造した180
gのポリアミド溶液を加えた。187.7gの水を加え
て撹拌した。次いで,9.1gのエピクロロヒドリンを
加えた。本バッチを50〜55℃に加熱し,この温度範
囲にて10〜15分間保持した。次いで本バッチを15
分間で25℃に冷却した。9.1gのエピクロロヒドリ
ンを加えた。本バッチを50〜55℃に加熱し,この温
度範囲にて10〜15分間保持した。本バッチを再び上
記のように25℃に冷却した。さらに9.1gのエピク
ロロヒドリンを加え,次いで201.1gの水を加え
た。反応全体に対して適度な反応速度を得るために,温
度と固形分を調整した。本バッチが35〜40℃にて6
5〜75cpsのブルックフィールド粘度を有するよう
になるまで,重合を継続させた。水を加えて反応を停止
させた。硫酸を使用してpHを3.0に調節した。こう
して得られた樹脂は次のような特性を有していた:固形
分,13.5%;ブルックフィールド粘度(LVF2/
60rpm/25℃),35cps;25℃でのpH,
3.0;及び25℃での比重(S.G.),1.04
8。
【0044】実施例4 従来の市販エポキシ化ポリアルキレンアミン−アミド樹
脂と本発明の樹脂との湿潤強度性能の比較 本実施例では,実施例3で製造した本発明の樹脂と従来
の市販エポキシ化ポリアルキレンアミン−アミド湿潤紙
力増強用樹脂との湿潤強度性能の比較について説明す
る。本発明の湿潤紙力増強用樹脂は,湿潤強度性能が市
販の樹脂と同等であることが判明した。
【0045】本発明の方法により得られる樹脂の有用性
を明らかにするために,実施例3にて製造した樹脂を以
下のような標準法に従って試験した。
【0046】漂白済み軟材クラフトパルプと漂白済み硬
材クラフトパルプの50/50ブレンド物(コンシステ
ンシー,1.6%)を叩解して,約500mlのカナデ
ィアン・スタンダード・フリーネス(Canadian
Standard Freeness)にした。次い
でこのスラリーを希釈して,0.25%のコンシステン
シーにした。硫酸を使用してpHを7.0に調節し,こ
うして得られたパルプスラリーを樹脂添加のための素材
として使用した。0.25%濃度溶液の樹脂10mlを
1リットルアリコートの素材スラリーに加えた。これ
は,絶乾パルプに基づいて1.0%の樹脂固体を加える
ことと同等である。この0.25%樹脂溶液の異なる量
を加えることによって,異なる樹脂レベルを得ることが
できる。樹脂で処理されたスラリーを5分間撹拌し,ウ
イリアムズ・ハンドシート・モールド(William
s handsheet mold)中に移し,補給水
で希釈して12リットルにした。この補給水は,pHを
7.0に調節した水から得た。ウイリアムズ油圧プレス
を使用して,湿潤ハンドシートを吸取紙間にてプレスし
た。次いでエマーソン・ドライヤー(Emerson
Dryer)中230°F(110℃)にて乾燥して,
水分を5〜6%にした。こうして得られたハンドシート
をブルー“M”フォース・エアーオーブン(Blue
“M” Force Air Oven)中105℃で
5分間キュアーした。キュアーしたハンドシートを,試
験前に,温度72°F(23℃)及び相対湿度50%に
て一晩状態調節した。
【0047】インストロン型引張試験機(モデル番号1
123)を使用して,湿潤引張強さと乾燥引張強さを測
定した。このとき引張強さは幅15mm当たりのkg値
で表示する。湿潤引張強さは,試験片を1ppmのトリ
トン(Triton)X−100溶液(メーカーではオ
クチルフェノキシポリエトキシエタノールとして識別さ
れている市販の湿潤剤)で湿潤した直後に測定した。各
試験条件下において,各樹脂に対して少なくとも15個
の試験片を使用した。これらの結果は,試験片に対する
実測値の平均値を示している。代表的な試験結果が表1
にまとめられており,種々の量の従来技術の樹脂と本発
明の樹脂を使用して作製された紙の引張強さが記載され
ている。
【0048】表1 表1のデータから,同じ重量の湿潤紙力増強用樹脂が使
用されるとき,これら3種の湿潤紙力増強用樹脂のそれ
ぞれから作製される紙はほぼ同等の湿潤強度を有するこ
とがわかる。
【0049】実施例5 実施例3における本発明の樹脂と同じエピクロロヒドリ
ン対アミンのモル比(但し,全てのエピクロロヒドリン
を一度に加える)を使用した湿潤紙力増強用樹脂の製造 本実施例では,実施例3における本発明の樹脂と同じエ
ピクロロヒドリン対アミンのモル比を使用したときの湿
潤紙力増強用樹脂の製造(但し,従来法のように全ての
エピクロロヒドリンを一度に加えて製造する)について
説明する。機械的撹拌機,還流冷却器,温度計,及びサ
ンプリング器具を取りつけた三つ口フラスコ中に,18
0gのポリアミド溶液(実施例1で製造したもの),及
び184.1gの水を加えた。そして次に27.1gの
エピクロロヒドリンを加えた。本バッチを50℃に加熱
した。実施例3のように,反応全体にわたって適切な反
応速度が得られるよう,温度と固形分を調整した。実施
例3の場合と同じ終点に達するまで(すなわち,同じ固
形分において35〜40℃で65〜75cpsのブルッ
クフィールド粘度となるまで)重合反応を行った。水を
加えて反応を停止させ,硫酸を使用してpHを調節し
た。得られた樹脂の特性は次の通りであった:固形分,
13.4%;ブルックフィールド粘度(LVF2/60
rpm/25℃),42cps;25℃におけるpH,
3.0;及び25℃における比重,1.046。
【0050】実施例6 エピクロロヒドリンの複数回添加にて製造した本発明の
樹脂とエピクロロヒドリンの1回添加にて製造した樹脂
との湿潤強度性能の比較 本実施例では,実施例3にて製造した本発明の樹脂の湿
潤強度性能と,同じエピクロロヒドリン対アミンモル比
を使用しているが実施例5のようにエピクロロヒドリン
を一度に全て加えた場合に得られる樹脂の湿潤強度性能
とを比較する。紙の試験条件は実施例4の場合と同じ条
件を使用した。実施例3にて製造した本発明の樹脂の湿
潤引張性能は,実施例5にて製造した樹脂より約15%
高いことが判明した。本実施例の結果を表2に示す。
【0051】表2 実施例7 湿潤紙力増強用樹脂中のエピクロロヒドリン加水分解生
成物のガスクロマトグラフィー(GC)による分析 本実施例では,エポキシ化ポリアミド中のエピクロロヒ
ドリン加水分解生成物である1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール(1,3−DCP)及び3−クロロ−1,2
−プロパンジオール(3−CPD)の量をガスクロマト
グラフィー(GC)によって分析する方法について説明
する。実施例3において製造した本発明の樹脂,及び実
施例2において製造した従来の市販エポキシ化ポリアル
キレンアミン−アミド湿潤紙力増強用樹脂を,以下に記
載の手順に従ってGCを使用して分析した。
【0052】水中における既知濃度の2種の検体(1,
3−DCPと3−CDP)を含有した標準を,再現性の
あるレスポンスが得られるまでガスクロマトグラフに注
入した。次いで,希釈した樹脂(希釈液10ml当たり
約1g)を再現性のあるレスポンスが得られるまで注入
した。そして次に最初の標準を繰り返し注入した。
【0053】 上記の算出は2種の検体について行った。
【0054】以下にクロマトグラフィー分析の詳細を記
載する。
【0055】カラム: DB1701,60mX 0.
331mm,厚さ1.0μm,J&Wサイエンティフィ
ック,パート#1230763温度 : カラム−120℃等温,サンプル注入後5分間
で250℃になるようプログラム化 インジェクター−200℃ 検出器−250℃/F.I.D.サンプル量 : 1μl保持時間 : 1,3−DCP──9分 3−CPD──14分ガス : 検出器(空気300ml/分,水素30ml/
分) キャリヤー(ヘリウム2〜3ml/分) 補給(窒素30ml/分) これとは別に,6フィート×1/4インチのSSカラム
を用い,クロモソーブ(Chromosorb)T40
/60に対して5%カーボワックスを使用してこの分析
を行うこともできるが,その再現性はDB1701カラ
ムの場合ほど良好ではない。
【0056】インジェクター: 220℃カラム : 170℃検出器 : 250℃流量 : 40ml/分 ヘリウム 下記の表3は,本発明の樹脂(実施例3)及び従来の市
販湿潤紙力増強用樹脂におけるエピクロロヒドリン加水
分解生成物の分析結果を示している。
【0057】表3 表3から,従来の市販湿潤紙力増強用樹脂と比較する
と,本発明の樹脂におけるエピクロロヒドリン加水分解
生成物のトータル量は約95%減少していることがわか
る。
【0058】実施例8 湿潤紙力増強用樹脂中におけるエピクロロヒドリン加水
分解生成物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
による分析 本実施例では,エポキシ化ポリアミド樹脂中におけるエ
ピクロロヒドリン加水分解生成物である1,3−ジクロ
ロ−2−プロパノール(1,3−DCP)と3−クロロ
−1,2−プロパンジオール(3−CPD)の量を高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析する
方法について説明する。以下に記載の手順に従い,HP
LCを使用して,実施例3にて製造した本発明の樹脂と
従来の市販エポキシ化ポリアルキレンアミン−アミド湿
潤紙力増強用樹脂を分析した。
【0059】4.5gの樹脂サンプルをビーカーに加え
た。10mlのイソプロパノールを撹拌しながら10分
間で徐々に加えた。本混合物を5分間静置した。上層か
ら3〜4mlの溶液を抜き取り,0.45μmのシリン
ジフィルターに通して濾過した。次いでこの溶液2ml
を,1mlのHPLCグレードの水,及び10%メタノ
ール/90%水(w/w)で10mlに希釈した。
【0060】各加水分解生成物の約0.05g(正確に
秤量)を10mlのHPLCグレード水に加えることに
よって,加水分解生成物の標準溶液を調製した。これら
の溶液を樹脂の場合と同様に処理し,上記のようにサン
プルを調製した。比較のため,2つの標準溶液を作製し
た。調製した各樹脂溶液又は標準溶液に対し,再現性良
く分析を行うためには50μlの注入を少なくとも2回
行うべきである。
【0061】以下にクロマトグラフィー分析の詳細を記
載する。
【0062】システム : ポンプ── ウォーターズ 6
000A インジェクター── ウォーターズ U6K DRI── ウォーターズ R401 データ── ウォーターズ 745Bカラム : RCM 8×10溶媒 : 10%メタノール/90%水(w/w)流量 : 1.2ml/分カラム温度 : 30℃サンプル量 : 50μl保持時間 : 3−CDP 4.2〜4.5分 1,3−DCP 11.0〜12.0分 下記の表4は,種々のエポキシ化ポリアルキレンアミン
−アミド樹脂におけるエピクロロヒドリン加水分解生成
物の分析結果を示している。
【0063】表4 表4の結果から,HPLCは,従来の市販湿潤紙力増強
用樹脂におけるエピクロロヒドリン加水分解生成物を分
析するのに使用することができるが,その感度が,本発
明の樹脂における少量のエピクロロヒドリン加水分解生
成物を分析できるほど充分ではないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 73/02 NTC

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約0.1重量%未満の1,3−ジクロロ
    −プロパン−2−オール及び3−クロロ−プロパンジオ
    ールを含有したカチオン性で熱硬化性のポリアルキレン
    アミン−アミド−エピクロロヒドリン湿潤紙力増強用樹
    脂の水溶液を製造する方法であって,2つのアミド基の
    間に少なくとも1つの第二級アミン基を有するポリアル
    キレンアミン−アミドポリマーの水溶液とエピクロロヒ
    ドリンとを約30〜60℃の温度で接触させることを含
    み,このときどんな場合でもエピクロロヒドリンの量が
    前記ポリマー水溶液の半分を越えないようにエピクロロ
    ヒドリンを前記ポリマー水溶液に加え,エピクロロヒド
    リンの実質的に全てを前記ポリマーと反応させつつ,こ
    れにより得られた樹脂に熱硬化性湿潤強力紙用添加剤と
    しての特性を付与するに足る量の,エピクロロヒドリン
    の未反応官能価を保持させることにより,エピクロロヒ
    ドリンと前記ポリマーにおける第二級アミン基と第三級
    アミン基の総和とのモル比が約0.3:1〜0.8:1
    となるような量にて接触させる,前記方法。
  2. 【請求項2】 水溶液中における前記ポリマーの固形分
    が,前記水溶液の重量を基準として約20〜30重量%
    である,請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記湿潤紙力増強用樹脂水溶液が,樹脂
    固体濃度が水溶液の重量を基準として13重量%である
    ときに,ブルックフィールドLVF粘度計により2号ス
    ピンドルを使用して25℃,60rpmでの測定にて約
    20〜100cpsのブルックフィールド粘度を有する
    ことを特徴とする,請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーが,ポリアルキレンポリア
    ミンと脂肪族ポリカルボン酸ジエステルとの反応生成物
    である,請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーが,ポリアルキレンポリア
    ミンと脂肪族ジカルボン酸ジエステルとの反応生成物で
    ある,請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 カチオン性で熱硬化性のエポキシ化ポリ
    アルキレンアミン−アミド湿潤紙力増強用樹脂の水溶液
    を製造する方法であって,2つのアミド基の間に少なく
    とも1つの第二級アミン基を有する1モルのポリアルキ
    レンアミン−アミドポリマーと約0.3〜0.8モルの
    エピクロロヒドリンとを反応させることを含み,このと
    き前記ポリマーは,前記反応が,エピクロロヒドリンを
    前記ポリマーに2〜5回に分けて連続した形で添加して
    行われるよう水溶液の形態をとっており,各添加におけ
    るエピクロロヒドリン対前記ポリマーのモル比は約0.
    1:1〜0.4:1であり,そして反応は,前記湿潤紙
    力増強用樹脂水溶液における樹脂固体濃度が13%であ
    るときに,ブルックフィールドLVF粘度計により2号
    スピンドルを使用して25℃,60rpmでの測定にて
    約20〜100cpsの粘度を有するポリマーが得られ
    る程度にまで行われる,前記方法。
  7. 【請求項7】 前記反応の温度が約60℃未満に保持さ
    れる,請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応において生成される1,3−ジ
    クロロ−プロパン−2−オールと3−クロロプロパンジ
    オールの総和量が,湿潤紙力増強用樹脂水溶液の重量を
    基準として約0.1重量%未満である,請求項7記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記水溶液中におけるポリアルキレンア
    ミン−アミドポリマー固体の初期濃度が,前記水溶液の
    重量を基準として約20〜30重量%である,請求項8
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 カチオン性で熱硬化性のエピクロロヒ
    ドリン−ポリアルキレンアミン−アミド湿潤紙力増強用
    樹脂を製造する方法であって,ポリアルキレンアミン−
    アミドポリマーの水溶液とエピクロロヒドリンとを接触
    させることを含み,このときエピクロロヒドリンを前記
    水溶液中に約60℃未満の温度にて徐々に加えてエピク
    ロロヒドリンの実質的に全てを前記ポリマーと反応さ
    せ,そしてエピクロロヒドリン対前記アミドのモル比が
    約0.3:1〜0.8:1となるようにしつつ,エピク
    ロロヒドリンの2つの官能価の一部を未反応のまま残存
    させて前記樹脂に熱硬化性を付与する,前記方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の方法によって製造さ
    れた湿潤紙力増強用樹脂。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の方法によって製造さ
    れた樹脂を湿潤紙力増強用添加剤として配合することを
    含む,湿潤強力紙の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の方法によって製造され
    た樹脂を紙に加えることを含む,紙の湿潤強度を改良す
    る方法。
JP13890292A 1991-05-29 1992-05-29 カチオン性で熱硬化性のポリアミド−エピクロロヒドリン湿潤紙力増強用樹脂の製造方法 Pending JPH07207596A (ja)

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