JPH07207958A - 中庭付き建物、導光路付き建物、反射壁面付き建物、反射壁面、および、ガラスタイル - Google Patents

中庭付き建物、導光路付き建物、反射壁面付き建物、反射壁面、および、ガラスタイル

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JPH07207958A
JPH07207958A JP2722794A JP2722794A JPH07207958A JP H07207958 A JPH07207958 A JP H07207958A JP 2722794 A JP2722794 A JP 2722794A JP 2722794 A JP2722794 A JP 2722794A JP H07207958 A JPH07207958 A JP H07207958A
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JP
Japan
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building
courtyard
wall surface
space
wall
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Yukimasa Yokomoto
横本  幸昌
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数階層の建物空間で囲まれた中庭の日陰部
分に太陽光を導いて照明させる中庭付き建物に関し、高
密度に住戸を配置しても、各住戸で採光と通風を確保で
き、建設や維持管理に要する資源とエネルギーを節約し
つつも、快適な住環境が可能な中庭付き建物を提供す
る。 【構成】 複数階層の建物空間12は中庭11を囲み、
中庭に面した壁面13に鏡面を配置して反射壁面を構成
し、中庭11の地表に太陽光の反射光を到達させる構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数階層の建物で囲ま
れて太陽光の直射を得られない日陰の部分に太陽光の反
射光を導く形式の建物構造、すなわち、中庭付き建物、
導光路付き建物、反射壁面付き建物に関する。また、こ
れらの建物構造に共通に利用できる反射壁面、および、
ガラスタイルに関する。
【0002】
【従来の技術】欧州、中近東、北アフリカ等の都市にお
ける伝統的な集合住宅の形式の1つが中庭付き建物であ
る。中庭付き建物は、中庭を囲んで中〜高層の建物空間
を配置し、中庭に面した住戸は、中庭空間を通じて採光
と通風を確保する。いくつかの都市の商業地区では、狭
い街路を挟んで高層建物を配置し、地上階層を外壁面か
ら後退させて、外壁面の内側に歩道空間を形成してい
る。中庭を確保できない高層建物では、建物を垂直方向
に貫通して一方を低層階に至らせ、他方を屋上空間に連
通させた導光路を配置する。建物の外壁に開口を確保で
きない内側の居室では、導光路に対して開口を設けて採
光と通風を確保する。狭い街路に面した2〜3階建て建
物の壁面を白色に塗装して太陽光を乱反射させ、直射日
光が終日及ばない谷底の街路面を明るく保つ工夫もされ
る。このような都市構造は、限られた地域内に不燃性の
住戸や公共空間を高密度に詰め込む要請に答えていた。
【0003】現在では、通信や交通手段の発達が都市域
を野放図に拡大している。都心に働き、都心の商業施設
を利用する都市住民も、中心部を離れた郊外に住戸を求
めている。郊外には、商業施設や労働施設を排除した単
調な住宅地が形成される。郊外型住宅は、採光、通風、
広い居住スペース、プライバシー等を優先し、広い直線
的な道路、小規模な公園や緑地、広い駐車スペースを配
した合理的な設計である。
【0004】現在、建物の素材には、骨材をセメントで
結合したコンクリートを鉄筋で補強した鉄筋コンクリー
トが多用される。鉄筋は、周囲のコンクリートのアルカ
リ雰囲気によって防錆され、コンクリートに作用した引
張り力に鉄筋が抵抗して建築構造に必要な強度を与え
る。しかし、コンクリートは、大気中の炭酸ガスや亜硫
酸ガスによって次第に中性化して防錆機能を喪失する。
そして、腐食による鉄筋のやせ細りが鉄筋コンクリート
の構造強度を減じ、また、発錆した鉄筋が膨張してコン
クリートにひび割れを発生する。そこで、鉄筋コンクリ
ート構造では、十分な厚さのコンクリート層で鉄筋を埋
め込むとともに、表面に緻密な塗装やタイル貼りを施し
て中性化の進行を遅らせ、建築構造物の寿命を確保して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】必要な職場、店舗、公
共空間等が住戸の徒歩圏に配置される古い高密度な都市
構造は現在でも魅力を保つ。生活に自動車を必要とせ
ず、住戸や下水道等の基盤施設の建設と維持に要する1
人当たりの負担も低く、消費する合計の資源やエネルギ
ーも少なくて済む。しかし、高密度な住戸の配置は、各
住戸における採光や通風を損なわせ、特に、多湿な気候
の下では劣悪な住環境を生む。狭い街路を挟んで対向す
る中高層の建物は、谷底の路面に太陽光を十分に到達さ
せない。中庭や地表の温度は上がらず、冬の低層階では
終日の照明や暖房が必要となる。暖房に起因した大気汚
染も深刻となる。一日中日陰となる中庭や街路では植物
が成長できず、殺伐とした都市景観や湿った不衛生な住
環境を避けるには、高価な機械装置が必要となり、その
維持管理にも高い費用を必要とする。一方、夏場の過熱
された鉄筋コンクリート構造は、高層階の住戸に耐え難
い酷暑を形成し、ヒートポンプによる冷房は外気温を不
必要に高めて都市の蒸し暑さを増大する。
【0006】一方、自動車の所有を前提とした郊外の住
宅地は、採光や植物栽培に不自由は無いが、わずかな買
い物や休養にも大量のガソリンと時間を消費し、都心の
ような活動的な魅力を欠くばかりか、交通機関の途絶え
る夜間は陸の孤島と化す。郊外に無計画に分散した住宅
地は、都心に日々通う人口を増大して、交通渋滞や電車
の著しい混雑を引き起こしている。また、都市の周囲の
農地や森林が急速に失われて河川水量の制御が困難にな
り、都心住民の自然に接する機会も非日常的となってい
る。職場や商業施設から住戸を地域的に分離した新しい
都市構造は、住戸と基盤施設の建設やその維持管理に要
する1人当たりの負担が大きく、日々の活動に資源やエ
ネルギーを大量に消費させるとともに、住民に時間的、
肉体的な苦痛を強いてもいる。
【0007】本発明は、高密度に住戸を配置しても、各
住戸で採光と通風を確保でき、従来の建物構造において
屋上面や南側壁面を無駄に照射していた太陽光を積極的
に地上に還元して、直射日光を望めない都市の狭い空き
地等でも低コストの植物栽培が可能であり、しかも、建
設やその維持管理に要する資源とエネルギーを節約しつ
つも、快適な住環境を実現できる建物構造、すなわち、
中庭付き建物、導光路付き建物、反射壁面付き建物を提
供することを目的とする。また、これらの建物構造に共
通に利用して、鉄筋コンクリート外壁の寿命を延長でき
る反射壁面、および、ガラスタイルを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の基本的
な構成の説明図である。図中、(a)は中庭付き建物、
(b)は導光路付き建物を示す。ここでは、反射壁面を
設けた導光路を通じて、低層階の建物空間や地表に太陽
光を導く。反射壁面は鏡面で構成され、地表に向かって
太陽光を無駄なく案内する。
【0009】図1(a)において、複数階層の建物空間
12が中庭11を囲んで中庭付き建物を構成する。中庭
11に面した壁面13に鏡面を配置して反射壁面を構成
し、中庭11を導光路化して地表に太陽光の反射光を到
達させる。
【0010】図1(b)において、複数階層の建物16
をほぼ垂直方向に貫通して屋上空間に達する導光路15
の壁面を高反射率に形成する。導光路15から建物16
の内部空間17に光を導く照明窓18を導光路15の壁
面に設ける。太陽光を反射して導光路15に落とし込む
集光面19を建物16の屋上空間に設ける。
【0011】
【作用】図1(a)において、中庭11の空間が構成す
る導光路は、本来なら終日日陰となる中庭11の北側部
分や低層階の建物空間にも反射光を供給する。反射光と
して射出させた分だけ南側の壁面や屋上面を無駄に加熱
する太陽光は減る。白色に塗装した壁面は、鏡面に匹敵
する高い反射率を有するが、反射光が乱反射による散乱
光となるため、上半分の立体角を通じて上空に反射光が
逃げる。その分だけ中庭11の照明効率が低くなる。鏡
面であれば、多少反射率は低くても無駄なく下向きに反
射光が案内される。鏡面は、可視光〜赤外光の波長域を
幅広く高い効率で反射できることが望ましい。ガラス成
形板の裏面にアルミニウム、銀等を蒸着して鏡面を形成
できる。ガラス素材の光学的な反射面(界面の全反射に
よる)を利用してもよい。中庭11を囲む壁面13のう
ち、少なくとも南側の壁面に鏡面を配置する。中庭11
の広さに対して建物12の高さが高く、反射光が底面
(中庭11)をカバーできなければ、その他の壁面にも
鏡面を配置して二重反射、三重反射で中庭11全体に太
陽光を到達させる。なお、中庭11を囲む壁面をそれぞ
れ東西南北に配置する必要は無く、中庭11を長方形等
に限定する必要も無い。中庭11の方向や形状に適合さ
せて反射壁面の面積や配置が設計される。
【0012】屋上面を無駄に照射する太陽光を中庭11
に集光する1つの形式は、追加的な反射面14である。
反射面14は、中庭11に面した北側の壁面に沿って配
置され、南側の壁面よりも高く突出しており、東西少な
くとも一方の側の壁面の一部についても連続させて配置
してもよい。反射面14は、専用の板状構造としてもよ
く、また、建物12の屋上空間に突出させた階段室や住
戸の壁面を利用してもよい。反射面14を中庭11の上
空側に傾けて、垂直方向により近い反射光が得られるよ
うにしてもよい。
【0013】鏡面で構成される反射壁面の好ましい構造
は、中庭11に向かって水平方向に凸な曲面状反射面を
並べた構造である。円柱状、または、かまぼこ状の反射
面を採用できる。水平方向に凸な曲面は反射光を水平方
向に拡散して、反射面を直視した際のまぶしさを抑制す
る。また、どの角度方向に太陽が位置しても、光が照射
したすべての曲面から線状の太陽像が観察され、直接の
反射光が得られる。反射壁面は、表面研磨した金属板、
ガラス基板の表面に形成したクロム等の金属蒸着層、透
明材料でシールした金属表面等でも構成できる。
【0014】中庭に面した壁面のより多くを反射壁面に
割り当てるための好ましい住戸の構造は、中庭を囲む壁
面から開口間口以上、例えば、2m以上の奥行で建物空
間側にバルコニー空間を設け、バルコニー空間の3壁面
に居室の開口部を配置する構造である。中庭を挟んで対
向する住戸のバルコニーは、互い違いに配置してプライ
バシーを確保する。人工的な景観を避けるため、地上階
(最下層)の壁面は反射壁面としないことが望ましい。
また、中庭11を囲む壁面を建物空間側に後退させて、
中庭11に沿った歩道空間を確保してもよい。
【0015】図1(b)において、導光路15は、好ま
しくは、ガラス蓋を配置して採光面からの雨の降り込み
を遮断する。導光路15の内部空間を屋上空間に連通す
る排気口は別に設ける。導光路15の壁面は、好ましく
は、平坦な鏡面とし、各種配管の設置スペースを兼ねて
も良い。導光路15は、内側に向かって鏡面を形成した
円管で構成してもよい。集光面19は、本来なら建物1
6の屋上面を無駄に照射する太陽光を反射して集め、導
光路15に入射させる。導光路15に設けた照明窓18
を通じて、建物16の内部空間17に太陽光が導かれ
る。
【0016】中高層の建物が狭い街路を挟んで対向する
場合、谷底の街路を図1(a)の中庭11のように扱っ
て太陽光の反射光を到達させる。本発明の反射壁面付き
建物では、街路に面した外壁面に反射壁面が配置され
る。街路という公共空間に反射光を照射するため、外側
に向かって水平方向に凸な曲面状の反射面を並べて反射
壁面を構成し、反射光を水平方向に拡散させる。このよ
うな反射壁面によれば、街路上から反射面に丸い太陽像
を直視してまぶしく感じる事態が起きず、平坦な反射面
では陰となる部分にも反射光を十分に到達させ得る。た
だし、一日中直射日光が当たらない壁面については、平
坦な反射面でよい。
【0017】本発明の反射壁面付き建物では、拡散され
た反射光とは言え、街路上では直射日光にさらされるた
め、人為的に日陰を形成した歩道空間を街路に沿って配
置することが望ましい。そこで、地上階層の建物空間を
外壁面から後退させて、2階の外壁面よりも内側に歩道
空間を形成する。
【0018】鉄筋コンクリート構造の反射壁面を形成す
るための1つの形式は、反射面を形成したガラス板材を
鉄筋コンクリート外壁面に一体化させて、鉄筋コンクリ
ート層にガラスの皮膚を形成する構造である。ガラスの
皮膚は、外気からコンクリート層を遮断し、炭酸ガスや
亜硫酸ガスの拡散とコンクリート層の中性化の進行を抑
制する。ガラス板材を鉄筋コンクリート外壁面に一体化
させる手法の1つは、内側面にガラス板材を配置した型
枠にコンクリートを流し込んでそのまま固化させる工法
である。別の手法は、鉄筋コンクリートの躯体に後から
ガラス板材(ガラスタイル)を貼りつける工法である。
【0019】
【実施例】図2は第1実施例の中庭付き建物の説明図、
図3は中庭付き建物の集合配置の説明図である。図2
中、(a)は平面図、(b)は縦断面図を示す。図3
中、(a)は街路を挟んだ配置例、(b)は密集させた
配置例を示す。ここでは、中庭を囲む4つの外壁面の2
階以上の高さに、図6に示す反射壁面を設けている。
【0020】図2(a)において、中庭21を囲んで4
つの住戸22A、22B、22C、22Dが配置され
る。住戸22Aは、住戸22Dと階段室24Aを共有
し、階段25Aを降りて中庭21に通じる。住戸22A
のバルコニー23Aは、開口間口23Wに匹敵する奥行
を持つ。バルコニー23Aの3つの壁面に、住戸22A
の複数の居室の開口(窓や通路)が配置される。住戸2
2Aのバルコニー23Aは、住戸22Cのバルコニー2
3Cに対し、中庭21を挟んだ対角位置を占める。開口
間口23Wを狭くして奥行を大きくしたバルコニー23
Aの構造は、導光路を形成する反射壁面の面積を増大す
るとともに、他の住戸22B、22C、22Dのバルコ
ニー23B、23C、23Dとの間におけるプライバシ
ーの干渉を避けさせる。
【0021】図2(b)において、建物の躯体20は、
鉄筋コンクリート構造を用いて、外側の外壁、中庭に面
した外壁、間仕切り、床構造、階段、階段室等を一体に
形成している。住戸22Aは、躯体20の床構造から浮
かせた床面22Fを有する。地上階の住戸22Gは、外
側の外壁27Wを内側に後退させ、外壁27Wに沿った
歩道空間27を形成している。歩道空間27の天井は、
紙面の垂直方向に多数配列した列柱27Rが支持する。
階段室24Aに採光するための開口24Wも必要最小限
の大きさに留め、導光路の反射壁面の面積を確保してい
る。
【0022】地上階の住戸(店舗や事業所に優先的に割
り当てる)は、床を高くして、床下に通風空間を確保す
る。床を設けず高い天井高さを利用してもよい。床下の
通風空間(または住戸空間そのもの)を中庭21に通じ
る通風口27Vは、4つの壁面に複数個づつ配置され
る。屋上には、中庭21により多くの太陽光を導くため
の集光壁28が配置される。集光壁28は、中庭21の
南側壁面の全長と東西側壁面の1/3を占めて、中庭2
1の内側に上方でせりだす斜めの反射面を形成する。斜
めの反射面は、太陽光を少ない反射回数で中庭21に到
達させる。
【0023】図2の中庭付き建物は、複数個を自由に配
置して一体に連続できる。街路や公共空間に接する外壁
には、適当な間隔で窓が配置される。一方、他の中庭付
き建物に接する外壁は、他の中庭付き建物の住戸との間
の間仕切りとなる。この外壁に通路を開口させて、2つ
の中庭付き建物の住戸同士を連通させてもよい。
【0024】図3(a)において、28棟の中庭付き建
物30が中央の広場32の周囲に2重に配置される。中
庭付き建物30の間隔には、街路33A、33B、34
A、34B、34C、34Dが配置され、街路33A、
33B、34A、34B、34C、34Dに面した外壁
には、適当な密度で窓が配置される。行き止りの街路3
5A、35B等の奥からは、中庭付き建物30の中庭3
1を通って他の街路に通り抜けできる。例えば、街路3
5Aから点線の階段室を経由して街路34Aに達する。
大通り33A、33B、広場32等を囲んで、点線のよ
うに歩道空間が配置される。中庭付き建物31の地上階
は、工場、事務所、金融機関、役所、商業施設、公共施
設等に割り当てられ、歩道空間を含む中庭付き建物31
には、商業施設や飲食店を優先的に配置する。
【0025】図3(b)において、15棟の中庭付き建
物30が密集して配置される。隣接する2棟の中庭付き
建物30の地上階の歩道空間は一体となって、点線で示
す碁盤状のアーケードを形成する。4棟の中庭付き建物
30の隣接点(碁盤の目)には屋上空間から太陽光を導
く導光路36が配置される。導光路36に接する住戸の
外壁には開口が形成され、導光路36を通じた採光と通
風が確保される。
【0026】図4は第2実施例の反射壁面付き建物の説
明図、図5は集光装置の説明図である。図4中、(a)
は正面図、(b)は平面図、(c)は屋上面、(d)は
側面図を示す。図5中、(a)は斜視図、(b)は縦断
面図、(c)は別の集光装置を示す。ここでは、建物の
外壁に円柱面状の反射面を配列して街路面に、また、建
物の内部空間に導光路を配置して廊下に、それぞれ太陽
光を導いている。
【0027】図4(a)において、建物40の外壁に
は、円柱面状の反射面を配列した反射壁面が形成され
る。反射壁面は、対向する建物の反射壁面と協働して、
間の街路の谷底まで太陽光を導く導光路を構成する。建
物の街路に面した地上階には、建物空間側に外壁を後退
させて天井部分を多数の列柱42Rで支持した歩道空間
42が設けてある。歩道空間42に面して商業施設や飲
食店が配置され、2〜5階には住宅が配置される。2〜
5階の住宅に通じる階段室には、図4(d)に示す建物
40の側面から入る。屋上面には、建物40の内部空間
を垂直に貫通する導光路(45)に太陽光を集光して落
とし込む反射壁45Q、45Rが配置される。
【0028】図4(b)において、建物40の住戸44
は、バルコニー41を囲んで複数の居室を配置する。バ
ルコニー41は、外壁の開口間口を狭くして、建物40
の反射壁面の占有面積を損なわせない。また、開口間口
以上の奥行を持たせ、対向する建物のバルコニー41と
は交互に配置して、真正面に向き合わせない。住戸44
の各居室の開口は、なるべく、バルコニー41、階段室
47、導光路45に対して設け、図4(a)の外壁の窓
43は、最小限の開口面積と個数に抑制して、反射壁面
の占有面積を確保している。図4(d)に示すように、
建物40の両方の側面に階段室47が配置され、階段室
47の階段48を上って各階の住戸44に到達する。階
段室47の外壁に設けた採光用の開口を通じて廊下46
の両端部分が照明される。一方、廊下46の中央部分
は、導光路45に設けた開口を通じて照明される。1組
の導光路45が廊下を挟んで配置され、一方は午前中の
照明、他方は午後からの照明に利がある。
【0029】図4(c)において、手前の導光路45に
は、導光路45の南側と西側の面を占める反射壁45R
が配置される。奥側の導光路45には、導光路45の南
側と東側の面を占める反射壁45Qが配置される。反射
壁45Q、45Rは、導光路45の上空に部分的に覆い
被さって斜めの反射面を形成しており、少ない反射回数
で太陽光を低層階にまで導く。なお、外壁の反射壁面の
場合と異なり、導光路45の内面は平坦である。
【0030】図4(d)において、街路を挟んで両側に
歩道空間42が配置される。歩道空間42に面した店舗
空間49の天井部分には、反射器45Dが配置され、導
光路45を通じて導かれた太陽光を天井面に照射する。
導光路45に閉じ込められた太陽光は、廊下46を照明
するとともに、開口45Mを通じて隣接する居室にも採
光を確保させる。奥行のあるバルコニー41を囲む3つ
の壁面に設けた開口を通じて、バルコニー41に隣接す
る居室の採光を確保する。街路のバルコニー41の直下
位置には、植木を配して万一の落下物に備える。
【0031】図5(a)において、屋上面に突出させた
コンクリート製の枠体51Dは、導光路51の入射口を
構成する。枠体51Dの南側に反射壁51Cが配置さ
れ、反射壁51Cが屋上面に日陰を形成する分だけ、導
光路51により多くの太陽光を集めて落とし込む。枠体
51Dの水平な開口部分、または、反射壁51Cの斜め
の開口部分に透明なガラス板が配置され、太陽光の入射
を許す一方で、雨の降り込みや鳥の侵入を妨げる。導光
路51は、建物の内部空間の通風路を兼ねるとともに、
ガス、水道、排水、調理排気等の管路の設置スペースと
しても機能する。通風路としての機能は、枠体51Dの
側面から、反射壁51Cに隣接させた通風口52にバイ
パスして確保する。排気ダクト53、水道配管54も同
様に、枠体51Dの側面から取り出される。
【0032】図5(b)において、反射壁51Cで集光
されてガラス板51Gを透過した太陽光は、導光路51
の内側に閉じ込められて建物の内部空間を下層階に向か
って案内され、開口51Eを通じて各階の住戸55に分
配される。開口51Eに対応させて適当な大きさと角度
の反射面による分配器51Fを配置してもよい。通風口
52の上方には雨よけ52Aが配置され、導光路51内
に開口させたダクト構造52Rが枠体51を貫通して通
風口52に接続される。水道配管54は、導光路51内
で分岐54Aを形成して、各階の住戸55に分配され
る。
【0033】図5(c)において、内側に鏡面を形成し
た円管状の導光路58の北側には、黄道に対向して導光
路58を取り囲む形式で固定反射面56が配置される。
導光路58の上空には、時計じかけで太陽を追って刻々
と角度を変化させる回転鏡57が配置される。固定反射
面56で補足された太陽光は、回転鏡57に反射して導
光路58に入射する。
【0034】図6は第3実施例の反射壁面の説明図であ
る。図中、(a)は斜視図、(b)は型枠構造を示す。
ここでは、ガラス反射材で内面を覆った型枠にコンクリ
ートを直接に打ち込んで、鉄筋コンクリートの外壁に反
射壁面を形成する。
【0035】図6(a)において、鉄筋コンクリート層
62の外壁面に波状のガラス反射材61が皮膚を形成し
て、鉄筋コンクリート層62を外気から遮断する。鉄筋
コンクリート層62の外壁面側における炭酸ガスの拡散
と中性化は、ガラス反射材61によって阻止され、ガラ
ス反射材61の継ぎ合わせの隙間やひび割れを通じたご
く限定された規模でしか進行しない。
【0036】図6(b)において、ガラス反射材61
は、ガラスの基板層61Aと表面層61Bの間に反射層
61Hを挟み込んで形成される。例えば、波打ち状に予
め成形した表面層61Bの一方の面にアルミニウムをス
パッタリング蒸着して反射面を形成する。そして、アル
ミニウム層の上に石英保護膜を形成した後に、波打ち状
に予め成形した基板層61Aを重ねて接着材で接合す
る。あるいは、反射層61Hを挟んで基板層61Aと表
面層61を一体に融着させた後に、加熱状態のまま全体
を波打ち状に成形する。
【0037】ガラス反射材61を鉄筋コンクリート層6
2に一体化させるために、従来のタイル打ち込み工法を
応用している。合板製の仮枠材64の内側に、ガラス反
射材61の表面形状を倣わせたガイド材65を固定し、
ガイド材65にガラス反射材61を保持させる。また、
ガラス反射材61の表面側には、粘着性の保護シートが
貼りつけてあり、コンクリート打ち込み時のセメントペ
ーストの回り込みによる表面汚損を防止し、搬送中、施
工中にガラス反射材61が割れた場合にも、破片が分散
しないようにしている。保護シートは施工後に除去され
る。ガラス反射材61の接合する部分には、内側からシ
リコンゴムでシールを施している。工場で予めガラス反
射材61を装着した型枠が建築現場に運び込まれて組み
立てられる。内壁面の型枠と仮枠材64は、鉄筋を挟ん
で対向して配置され、通しボルト66Bで位置決めさ
れ、ナット66Nで相互の位置関係を固定する。各階層
の型枠が完成した後に、内壁面の型枠と仮枠材64の間
にコンクリートが流し込まれ、ガラス反射材61の凹凸
を充填して一体に固化する。
【0038】ガラス反射材61の内側面に、多数の突起
を設けて鉄筋コンクリート層62との結合を確実にして
もよい。しかし、特別な突起無しでも波打ち状のガラス
反射材61と鉄筋コンクリート層62の間には十分な接
合強度を確保でき、両者の素材の熱膨張率を極端に異な
らせない限り容易には分離しない。ただし、コンクリー
トの配合を誤って、打ち込み時にガラス反射材61の表
面に水膜が形成されると、ガラス反射材61と固化した
鉄筋コンクリート層62の接合が不十分になる可能性が
ある。そこで、工場で型枠を製作する際に、予めガラス
反射材61の内側面に砂とセメントペーストの混合物を
塗布して固化させ、接合層を形成しておけばよい。
【0039】図7は第4実施例の反射壁面の説明図であ
る。図中、(a)は斜視図、(b)はガラスタイル、
(c)はパネル工法を示す。ここでは、ガラスタイルを
用いて鉄筋コンクリートの外壁に反射壁面を形成する。
【0040】図7(a)において、鉄筋コンクリート層
72の外壁面にガラスタイル71が配置され、鉄筋コン
クリート層72を外気から遮断する。ガラスタイル71
は、平板状のガラス層の中間に波打ち状の反射面を形成
している。ガラスタイル71を鉄筋コンクリート層72
に一体化させる工法としては、出来上がった鉄筋コンク
リート躯体(72)の表面に、後からガラスタイル71
を1枚づつモルタル接着する工法や、図6と同様なタイ
ル打ち込み工法を採用できる。タイル打ち込み工法とし
ては、タイルシート工法、目地ます工法、桟木工法があ
る。タイルシート工法は、ベースシートに多数のガラス
タイル71を並べて接着したタイルシートを型枠の表面
に固定してコンクリートの打ち込みを行なう。目地ます
工法は、型枠の表面に固定した目地ます材にガラスタイ
ルを保持させる。桟木工法は、比較的に大型のガラスタ
イルに適し、型枠に固定した桟木にガラスタイルを釘等
で固定する。目地には後からモルタルを詰めてシリコン
ゴムでシールする。
【0041】図7(b)において、ガラスタイル71
は、透明な表面層71Bの波打ち面にアルミニウムを蒸
着して反射面71Hを形成し、アルミニウム層の表面に
石英保護膜、低融点ガラスを順番に蒸着し、低融点ガラ
スを蒸着した基板層71Aの波打ち面を重ねて加熱し
て、低融点ガラス層を相互に融着して接合している。エ
ポキシ系の接着材で接着してもよい。反射面71Hの中
央部分では、基板層71Aを少し後退させ、周囲の帯状
の一周について接合面を確実に密着させる。周囲部分は
精密に融着されて気密を保ち、長年月を経ても反射面を
劣化させない。ガラスタイル中央部分の表面層71Aと
基板層71Bの間に、意図的に空気層や真空層を形成し
て、ガラスタイルの71の断熱性能を高めてもよい。こ
の場合、表面層71Bと基板層71Aの周囲の帯状部分
を平坦な接合面として残し、表面層71Bの中央部分に
接合面から後退した波打ち面を形成して、中央部分に限
定した反射面71Hを形成してもよい。接合面に金属層
は不要だからである。基板層71Aの背面には、鉄筋コ
ンクリート層に埋め込まれて根を構成する脚部71Kが
形成される。U字型の脚部71Kは、コンクリートを打
ち込んだ際の気泡や遊水の上昇を妨げず、高く突出させ
ても折れない強度を約束する。
【0042】図7(c)において、ガラスタイル71は
PCコンクリートパネル構造にも応用できる。工場でガ
ラスタイル71をパネル77に一体に打ち込んだ鉄筋コ
ンクリート製品として、PCコンクリートパネル76が
提供される。現場に運び込まれたPCコンクリートパネ
ル76は、出来上がった鉄筋コンクリート躯体75の表
面に設けたアンカー部材に引っ掛ける形式で固定され
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の中庭付き建物によれば、中庭自
体はもちろん、中庭を囲む建物空間における採光が確保
され、明るく清潔な住環境が確保される。中庭に面した
北側の壁面を南側の壁面よりも高く形成すれば、採光性
能はさらに高まる。北側の壁面に連続する東側の壁面は
夕日の採光に有効であり、西側の壁面は朝日の採光に有
効である。反射壁面を、中庭に向かって水平方向に凸な
曲面状反射面を並べて形成すれば、反射壁面の太陽像を
直視しても、まぶしさが軽減され、平面状の鏡面では不
可能な部分にも反射光を導くことができる。深い奥行で
間口を狭くしたバルコニー空間は、中庭を挟んで対向す
るバルコニー空間同士の独立性(プライバシー)を高
め、バルコニー空間を囲む居室に、直射による強い日差
しを避けた快適な採光を約束する。
【0044】本発明の導光路付き建物によれば、街路や
中庭からの採光を確保しにくい内部空間に対しても太陽
光による熱や光を提供できる。集光面は、導光路への入
射光量を高めて内部空間の照明効化を高める。本発明の
反射壁面付き建物によれば、中高層の建物に挟まれた狭
い街路の底を明るく清潔に保ち得る。地上階層に設けた
歩道空間は、反射光の直射を避けた快適な散歩や商品デ
ィスプレイを可能にして、都市景観を人間的なものに
し、街路の活気を高める。
【0045】これらの建物構造を採用すれば、建物の屋
上面や南側の壁面を無駄に照射し加熱していた太陽光を
有効利用するだけであるから、人工照明やヒートポンプ
を使用した場合のようにエネルギーを消費することが無
く、都市廃熱を高めることもない。壁面、屋根、床構造
を共有することにより、天井高さを高くして住戸の容積
を大きく確保しても1戸当たりの建築材料は少なくて済
む。全住戸の合計の外表面積を減少させて冬場の放熱
量、夏場の受熱量を抑制できる。暖房用の燃料や照明電
力を節約して、都市の大気汚染を軽減できる。高密度な
住戸配置でも住環境は損なわれず都心に済む魅力が高ま
る。必要な職場や商業施設を徒歩圏に共存させた、自動
車が無くても生活できる活気に満ちた都市を形成でき
る。都市域をコンパクトにまとめて、身近に田園や森林
を共存させ得る。
【0046】本発明の反射壁面によれば、鉄筋コンクリ
ートの中性化を遅らせて建物の寿命を長くする。空間側
に向かって凸に湾曲させた円柱面を並べた形状の反射壁
面は垂直方向の高い導光性能を維持したまま(=上空に
反射光を逃がさない)、水平方向に反射光を拡散させ
て、平面状では不可能な角度位置の隅々にまで反射光を
分配する。反射面の太陽像を直視してもまぶしさはさほ
どでなく、直射による不快感も少ない。本発明のガラス
タイルによれば、反射壁面を比較的に低い材料費と工事
費用で提供できる。金属反射面を露出して使用する場合
に比較して、ガラスで保護された分だけ長寿命となり、
防錆等の維持管理のコストも低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成の説明図である。
【図2】第1実施例の中庭付き建物の説明図である。
【図3】中庭付き建物の集合配置の説明図である。
【図4】第2実施例の反射壁面付き建物の説明図であ
る。
【図5】集光装置の説明図である。
【図6】第3実施例の反射壁面の説明図である。
【図7】第4実施例の反射壁面の説明図である。
【符号の説明】
11 中庭 12 建物空間 13 中庭に面した壁面 14 反射面 15 導光路 16 建物 17 内部空間 18 照明窓 19 集光面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中庭(11)を囲んで複数階層の建物空
    間(12)を配置した中庭付き建物において、前記中庭
    に面した壁面(13)に鏡面を配置して、前記中庭(1
    1)の底面にまで太陽光を導く導光路を形成したことを
    特徴とする中庭付き建物。
  2. 【請求項2】 請求項1の中庭付き建物において、前記
    中庭に面した北側の壁面を南側の壁面よりも高く形成
    し、前記北側の壁面に連続させて、東西少なくとも一方
    の側の壁面の一部についても南側の壁面よりも高く形成
    したことを特徴とする中庭付き建物。
  3. 【請求項3】 請求項1の中庭付き建物において、前記
    鏡面は、前記中庭に向かって水平方向に凸な曲面状反射
    面を並べて形成されることを特徴とする中庭付き建物。
  4. 【請求項4】 請求項1の中庭付き建物において、中庭
    を囲む壁面から開口間口以上の奥行で前記建物空間側に
    形成したバルコニー空間を設け、前記バルコニー空間の
    3壁面に居室の開口部を配置したことを特徴とする中庭
    付き建物。
  5. 【請求項5】 複数階層の建物(16)をほぼ垂直方向
    に貫通して屋上空間に達する導光路(15)の壁面を高
    反射率に形成し、前記導光路(15)から建物の内部空
    間(17)に光を導く照明窓(18)を前記壁面に設
    け、太陽光を反射して前記導光路(15)に落とし込む
    集光面(19)を前記屋上空間に突出させて設けたこと
    を特徴とする導光路付き建物。
  6. 【請求項6】 外側に向かって水平方向に凸な曲面状の
    反射面を並べて形成される外壁面を有することを特徴と
    する反射壁面付き建物。
  7. 【請求項7】 請求項6の反射壁面付き建物において、
    地上階層の建物空間を前記外壁面から後退させて、前記
    外壁面に沿った歩道空間を形成したことを特徴とする反
    射壁面付き建物。
  8. 【請求項8】 反射面を形成したガラス板を鉄筋コンク
    リート外壁面に一体化させたことを特徴とする反射壁
    面。
  9. 【請求項9】 請求項8の反射壁面において、前記反射
    面は、空間側に向かってほぼ水平方向に凸に湾曲させた
    円柱面を並べた形状に形成されることを特徴とする反射
    壁面。
  10. 【請求項10】 建物の外壁面に取り付け可能なガラス
    基板と、前記ガラス基板の前面を覆う透明なガラス板と
    で金属反射面を挟み込んで構成されることを特徴とする
    ガラスタイル。
JP2722794A 1994-01-14 1994-01-14 中庭付き建物、導光路付き建物、反射壁面付き建物、反射壁面、および、ガラスタイル Pending JPH07207958A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014044878A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Daiwa House Industry Co Ltd 建物の採光構造
CN116697292A (zh) * 2023-01-13 2023-09-05 河南大学 一种室内装饰用导光建筑板材
CN120292451A (zh) * 2025-04-16 2025-07-11 华南理工大学 一种适用于极窄街谷的自然采光优化提升装置及建筑系统

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