JPH072081B2 - チーズ製造工程における切断時機制御方法とその装置 - Google Patents

チーズ製造工程における切断時機制御方法とその装置

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JPH072081B2
JPH072081B2 JP2097378A JP9737890A JPH072081B2 JP H072081 B2 JPH072081 B2 JP H072081B2 JP 2097378 A JP2097378 A JP 2097378A JP 9737890 A JP9737890 A JP 9737890A JP H072081 B2 JPH072081 B2 JP H072081B2
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隆二 手島
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健介 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、チーズの製造工程において、凝乳タンク内で
のチーズカードの最適形成時にこれを切断し攪拌する切
断装置の制御を行うチーズ製造工程における切断時機制
御方法と装置に関するものである。
(従来の技術) チーズ製造はまず凝乳タンクに殺菌処理した牛乳を入
れ、高速攪拌しながらこれに乳酸菌スターター及び凝乳
酵素(例レンネット)を添加し、攪拌を制御しながら牛
乳の凝固物であるカードを形成させる。次いでこのカー
ドを一定の粒子となるまで低速で切断し、緩慢な攪拌や
加温処理等によってカードから水分を遊離させ(シネリ
シス変化)所定水分量となったカード粒を形成させる。
さらに上記遊離水(ホエー)とカード粒の混合物から分
離回収したカード粒を圧搾処理等によって最終水分に調
整するとともに、一定の形状に成形し、最後に加塩処理
を経て熟成させ、最終チーズ製品を得る。
チーズ製造において、チーズの品質や歩留りに最も大き
く影響する単位操作は凝固処理工程であり、特にカード
切断時機の具体的判定方法は製造上のノウハウとして伝
承されており、従来はこれを人間の五感と経験に頼るも
のであった。
しかし、工業規模でチーズを生産する場合は、大型かつ
密閉式の凝乳タンクを用いて製造する場合が多く、この
場合人間の五感による計測が困難となり、歩留り及び製
品品質上最適な凝乳処理工程の管理が実現できなかっ
た。
これを解決するため特公昭47−661号では牛乳とホエー
との混合物を用いて迅速に操作が可能な方法と装置を提
供しており、ホエーの酸性化を酸性化電解透析器をもち
いて把握し、小粒のカード状態でカード回収を行ってい
るが、機器の洗浄が困難であること、透析時間によって
カードの回収率が変化することカードの水分管理が困難
で品質に影響を与えることなどから実用的方法としては
製造現場に広く普及するには至らなかった。そのため、
実質的な製造工程上の進歩はバッチ処理を基本とするチ
ーズバット方式がタンク方式に変化した程度である。
しかし、カード管理が機器制御によって可能になればバ
ッチ処理でも充分にチーズ製造における自動化が可能と
なる。
このため本出願人は特開昭61−169742号でチーズカード
の凝固状態を測定する装置について提案している。
この提案は試料を取り出して振動式測定機器に投入し凝
固状態を測定するものであるが、測定においてカード破
壊されるという問題があり、連続計測を前提とするイン
ライン計測には不向きであった。
そこで本出願人は特公昭63−41535号にて乳と熱的に接
触する線状発熱体の加熱時の平衡温度を測定し、同発熱
体表面における熱伝達率と一対一の対応関係にある線状
発熱体の加熱時平衡温度の変化から乳凝固開始時機をイ
ンラインで直接計測し、カード切断時機を判定するカー
ドメーキング工程の自動計測管理方法について提案し
た。
しかし、当該発明では測定方法に関するもので、製造に
おける制御システムについて具体的に開示されていな
い。
(発明が解決しようとする課題) 以上のごとく従来技術はチーズ製造工程を人間の五感と
経験を用いて管理するものであり、乳凝固変化をインラ
インで計測できるセンサーを用いたチーズ製造工程全体
の自動化システムに関する提案はなかった。本願発明は
本出願人が先に提案した特公昭63−41535号の方法に関
して、凝乳タンクに取付けた粘度測定センサーの信号を
利用して、凝乳タンクの攪拌及び切断装置の制御を最適
かつ自動的に実現せしめるチーズ製造工程におけるカー
ドの切断時機制御方法と装置を提供するものである。
(課題を解決するための手段) そこで、乳と熱的に接触する測定センサーの温度と該測
定センサーもしくは別個の温度検出センサーで測定した
乳の温度との差に基づいて凝乳タンクに供給される乳の
粘性変化を熱伝達率の変化として連続的に検出し、こて
に基づいて演算処理装置において凝固した乳の切断時機
を判定して凝乳タンクの攪拌・切断装置を制御すること
を特徴とするチーズ製造工程における切断時機制御方法
を構成した。
又、演算処理装置においては、乳と熱的に接触する測定
センサーの温度と、該測定センサーもしくは別個の温度
検出センサーで測定した乳の温度との差に基づいて演算
処理部で信号を熱伝達率に演算し、比較処理部で熱伝達
率の変化を監視し、かつ予め多くの比較データを記憶し
た記憶装置から該当する出力結果を導き、センサー出力
演算部及びその出力部で比較処理部の出力結果により熱
的に乳と接触する測定センサーへん電流供給を制御し、
攪拌・切断装置出力演算部及びその出力部で比較処理部
の出力結果から攪拌・切断装置の回転駆動を指令するこ
とを特徴とするチーズ製造工程における切断時機制御方
法を構成した。
そして、以上のような方法に好適に使用されるものとし
て、乳と熱的に接触する測定センサーと、該測定センサ
ーもしくは別個の温度検出センサーと演算処理装置とか
らなり、前記両センサーの検出温度から凝乳タンクに供
給される乳の粘性変化を熱伝達の変化として連続的に検
出し、凝固した乳の切断時機を判定する演算部と該熱伝
達率の変化を監視し、かつ予め多くの比較データを記憶
する記憶装置から該当する出力結果を導く比較処理部
と、該比較処理部の出力結果により熱的に乳と接触する
各測定センサーへの電流供給を制御するセンサー出力演
算部及びその出力部と、前記比較処理部の出力結果から
攪拌切断装置の回転駆動を指令する攪拌・切断装置出力
演算部及びその出力部と、周辺機器への入出力部とで構
成されるチーズ製造工程における切断時機制御装置なる
ものを構成した。
(発明の効果) 本発明によれば、チーズ製造において凝乳タンク内の乳
の粘性変化を乳の構造を破壊することはなくインライン
で連続計測し、かつ最適時機におけるカードの切断処理
を人間の五感や経験による判断を要することなく自動的
に行うことができ、チーズの品質、及び歩留り向上に大
きく貢献し得るものである。
さらに本発明により人間の判断ミスや、個人差を無くし
た自動化が可能で、バッチ製造におけるバッチごとの品
質の差を無くし、また複数の凝乳タンクを配置し、各凝
乳タンクの粘性測定センサーの信号をタイムシェアリン
グに演算処理する一台の演算処理装置で複数の凝乳管理
を行うことによって、自動化された大規模工程を構成す
ることが可能である。
(実施例) 本発明を具体的に実施する例を図面に基づいて説明す
る。
第3図は本発明に利用される凝乳タンク(1)の一例を
示すものであって、タンク(1)の左方の側壁には牛乳
の供給・排出口(2)が下部にあり、タンク上部には2
つの攪拌・切断機(3)をもつ攪拌・切断装置の駆動部
(4)を構成するモーター及び減速機と、それらを移動
自在に懸吊支持するレール(5)が配置されている。
実施例のタンク上部は開放型のものを記載しているが、
現在では密閉型のものもある。
第4図に示すように攪拌・切断機(3)には、多数の攪
拌・切断羽根(6)が設けられていて、これら攪拌・切
断羽根(6)の前面は鋭角を有する切断刃(7)、背面
は平坦な攪拌面(8)になっている(第5図参照)。し
かして、攪拌・切断機(3)は、逆転時は攪拌装置とな
り正転時は切断装置となるもので、その回転駆動部
(4)であるモーターと減速器が上部レール(5)に沿
って、タンク(1)の片端から一方端まで往復移動する
ことにより、攪拌・切断機(3)も一緒に移動して、タ
ンク内全体で攪拌・切断を行うようになっている。
なお、該攪拌・切断機は一方が切断刃を構成し、一方が
攪拌機を構成するものを2つ一組みで構成したものでも
かまわない。
タンク(1)の前方側壁の適当な箇所には凝乳状態を粘
性変化で検知する測定センサー(S)、もしくは該セン
サー(S)と乳温測定用センサー(S′)が取付けられ
ている。
ジャケット(9)は加温冷却のための温水、冷水、蒸気
などを供給する場所である。
以上のような凝乳タンク(1)において、牛乳を供給し
たのち混合攪拌しながら塩化カルシウム、スタータ乳酸
菌及び凝乳酸素キモシンを含有するレンネット等を添加
する。次いで、攪拌を停止して酵素反応に引き続いて起
こる凝固変化をインラインで計測し、最適凝固状態に至
った時点で切断装置を駆動させてカードを切断する。
さらに、加温しながら攪拌を継続しカード粒からの水分
(ホエー)分離を促進させ、カード粒中の水分が所定の
値に達した時点でカード粒とホエーの混合物からなる内
容物を排出し、カードをホエーと分離したのち、成形機
によって一定の形状とし、その後加塩処理及び熟成変化
を経て、最終チーズ製品を得る。
以下に2つの凝乳タンク(1a)(1b)を用いたチーズ製
造工程を基にして本発明による制御の一例を説明する。
第1図は2つの凝乳タンク(1a)(1b)の各測定センサ
ー(Sa)(Sb)からインターフェース(10)を経て演算
処理装置(11)に信号をマルチタスクで入力し、演算処
理ののち測定センサー(Sa)(Sb)の電流制御出力信号
及び凝乳タンク(1a)(1b)の切断装置(3)の駆動制
御出力信号を駆動部(4)の各機器に指示するように構
成した本発明の実施例を表すフローチャートである。
なお、本発明は以上のような2つの凝乳タンクを制御す
る場合に限られないことはもちろんであり、凝乳タンク
が1個、もしくは3つ以上あるような場合でも同様に実
施できる。また、第1図における各測定センサーの信号
は熱的に乳と接触する測定センサー(Sa)(Sb)の温度
と、該測定センサー(Sa)(Sb)で測定されるかもしく
は別個の温度センサー(S′a)(S′b)で測定され
る乳温度である。そして、乳温測定に別個のセンサー
(S′a)(S′b)を用いる時はさらに該温度をイン
ターフェースを介して演算処理装置に入力するように構
成する。
このフローチャートにおいて演算処理装置(11)は第2
図のごとく入力されるデーターを熱伝達率等の粘度指標
値に換算する演算処理部(12)と、該熱伝達率を過去の
熱伝達率と比較し変化状態を把握するとともに、予め設
定される出力条件を記憶装置(13)内のデーターから呼
び出す比較処理部(14)と、比較処理部(14)の結果か
ら、乳と熱的に接触する測定センサー(Sa)(Sb)もし
くは(S′a)(S′b)の発熱量を一定とするための
電流を制御する出力指示を演算し、出力するセンサー出
力演算部(15)とその出力部(16)、及び攪拌・切断装
置(4a)(4b)のカード水分や凝固状況の各状況に沿う
ような速度で駆動を制御する出力指示を演算し、出力す
る攪拌・切断機出力演算部(17)とその出力部(18)で
構成されている。
各測定センサー(Sa)(Sb)もしくは(S′a)(S′
b)の温度変化もしくは演算処理される熱伝達率は経時
的に記憶装置(13)へ記憶されるとともにディスプレー
(19)に表示され、凝乳タンク内部の粘性変化状況が連
続的にかつ直接監視できるようになっているとともに、
プリンター(20)でプリントアウト出力を指示すること
によって記録を残せる状態となっている。
該記憶装置(13)は図示していないがさらにセンサー出
力状況や切断装置駆動制御状況を記憶しており、いつで
もデーターの推移と各制御装置の駆動状況を確認できる
ようになっている。また、該状況の確認から検討される
熱的に乳と接触する測定センサー(S)の制御方法や、
攪拌・切断装置の回転速度、駆動時機等の制御方法を入
力装置(21)を介して変更指示できるようになってい
る。
記憶装置(13)には熱伝達率等の粘度指標値や各センサ
ーの温度データーの記憶ばかりでなく、この他にも各演
算プログラムやデーターに対応する出力条件などが記憶
されており、必要に応じて入出力されている。
また、以上で構成される演算処理装置は、複数の粘性測
定センサーの信号をタイムシェアリングに処理できるも
のであるが、粘性測定センサーに対して1台ずつ、若し
くは数個のセンサーに対して1台の対応で複数台設けて
もかまわない。
複数の種類のチーズを複数の凝乳タンクで同時に製造す
るときは、チーズの種類毎に演算処理装置を構成した方
が良い。
この場合、周辺機器(ディスプレイ・記憶装置等)を対
応するよう各々に設けても良いし、1式の周辺機器と複
数の演算処理装置をパラレルに接続し、周辺機器を共有
してもかまわない。
さて、本発明で用いられる各センサーには、本出願人が
先に開示した特開昭62−200673号に示したような金属細
線で構成される発熱体センサーなどを好適に利用するこ
とができる。しかして、本発明は乳の温度及び発熱体セ
ンサーの温度を検出し、その温度差もしくは発熱体温度
の変化を継時的に比較し、それらの変化から乳の粘度変
化を検知するようにしたものであって、乳の粘度が変化
すると発熱体センサーから乳への伝熱量に変化がおき、
発熱体の温度を変化せしめることから、逆に発熱体セン
サーの温度の変化を検出し、乳の粘度変化を検出しよう
とするものである。
即ち、熱伝達率αは、次式 α=Q/S(Θ−Θ∞) Q :センサー発熱量 S :センサー表面積 Θ:センサー表面温度 Θ∞:乳温度 の関係があることが知られており、センサーの温度差と
熱伝達率は逆数の関係がある。また、センサーの温度差
と粘度とは所定の比例関係にあることが知られている。
従って、第6図のごとく、発熱体センサー温度を経時的
に計測することによって切断時機を判定することが可能
になる。
なお、センサー表面温度Θは、本出願人が特開昭62−
51520号で開示したように、発熱体センサーの抵抗値か
ら容易に算出される発熱体センサーの温度と一定の関数
関係にあることから、知ることができる。
こうして求められる温度差や熱伝達率から乳凝固の開始
時機を判断し、攪拌・切断装置の駆動を制御する。
第6図は、本発明で測定される発熱体センサー温度の経
時的推移をグラフ表示したもので、結果的に前述により
凝乳タンクでの粘度変化状況をインラインで連続計測し
たものを示していることとなる。
このグラフに示したように、タンク内の発熱体センサー
温度の変化を連続的に計測して、該温度から乳の粘度変
化を検知し、各変化に合わせて攪拌・切断装置や加熱冷
却の制御を自動的に指示すれば、チーズ製造工程全体の
自動化が可能となる。
なお、粘性変化は、発熱体センサー温度と乳の温度との
差によっても知ることが出来ることは言うまでもない
し、また、熱伝達率として演算した値によって知ること
が出来る。
以上によって、凝乳タンクにおける乳凝固変化のインラ
イン計測に基づく工程の自動化が可能になり、人間の五
感や経験にたよる判断を介在することなく乳の粘性変化
に応じた最適の切断・攪拌装置の駆動を制御可能とし、
自動的にチーズ製造プロセスを制御する手段が構成さ
れ、製造工程の大規模化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すフローチャート、第2図は
演算処理部のフローチャート、第3図は凝乳タンクの斜
視図、第4図は攪拌・切断機の部分拡大図第5図は攪拌
・切断羽根の拡大横断面図、第6図は凝乳タンク内の発
熱体センサーの温度変化を継時的に示したグラフであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳と熱的に接触する測定センサーの温度と
    該測定センサーもしくは別個の温度検出センサーで測定
    した乳の温度との差に基づいて凝乳タンクに供給される
    乳の粘性変化を熱伝達率の変化として連続的に検出し、
    こてに基づいて演算処理装置において凝固した乳の切断
    時機を判定して凝乳タンクの攪拌・切断装置を制御する
    ことを特徴とするチーズ製造工程における切断時機制御
    方法。
  2. 【請求項2】演算処理装置においては、乳と熱的に接触
    する測定センサーの温度と、該測定センサーもしくは別
    個の温度検出センサーで測定した乳の温度との差に基づ
    いて演算処理部で信号を熱伝達率に演算し、比較処理部
    で熱伝達率の変化を監視し、かつ予め多くの比較データ
    を記憶した記憶装置から該当する出力結果を導き、セン
    サー出力演算部及びその出力部で比較処理部の出力結果
    により熱的に乳と接触する測定センサーへの電流供給を
    制御し、攪拌・切断装置出力演算部及びその出力部で比
    較処理部の出力結果から攪拌・切断装置の回転駆動を指
    令することを特徴とする請求項(1)のチーズ製造工程
    における切断時機制御方法。
  3. 【請求項3】乳と熱的に接触する測定センサーと、該測
    定センサーもしくは別個の温度検出センサーと演算処理
    装置とからなり、前記両センサーの検出温度から凝乳タ
    ンクに供給される乳の粘性変化を熱伝達の変化として連
    続的に検出し、凝固した乳の切断時機を判定する演算部
    と、該熱伝達率の変化を監視し、かつ予め多くの比較デ
    ータを記憶する記憶装置から該当する出力結果を導く比
    較処理部と、該比較処理部の出力結果により熱的に乳と
    接触する各測定センサーへの電流供給を制御するセンサ
    ー出力演算部及びその出力部と、前記比較処理部の出力
    結果から攪拌・切断装置の回転駆動を指令する攪拌・切
    断装置出力演算部及びその出力部と、周辺機器への入出
    力部とで構成されるチーズ製造工程における切断時機制
    御装置。
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