JPH07210174A - アクティブ遮音方法 - Google Patents

アクティブ遮音方法

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JPH07210174A
JPH07210174A JP6002800A JP280094A JPH07210174A JP H07210174 A JPH07210174 A JP H07210174A JP 6002800 A JP6002800 A JP 6002800A JP 280094 A JP280094 A JP 280094A JP H07210174 A JPH07210174 A JP H07210174A
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wall
vibration
vibration mode
sound
actuator
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JP6002800A
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Kazuto Sedo
一登 背戸
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KYOWA GOKIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量壁やハニカム構造壁などを用いることな
く、騒音源室と受音室とを仕切る壁の遮音性を高める。 【構成】 騒音源室Aと受音室Bとを仕切る壁1の振動
モードを解析して音の放射に関与する振動モードを特定
し、その振動モードにおける壁1の低次元化モデルを作
成し、得られた低次元化モデルの各質点に対応する壁1
の各点に振動加速度乃至変位を検出するためのセンサ1
2c,12u,12lを配置すると共に壁1の少なくと
も1箇所に壁1に制振力を作用させるためのアクチュエ
ータ4を取り付け、各センサ12c,12u,12lか
らの検出信号に基づいて壁1の振動を抑制すべくアクチ
ュエータ4を駆動する。音の放射に関与しない振動モー
ドの振動を励起することなく、音の放射に関与する振動
のみを対象としてこれを打ち消すように壁の振動を制御
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音源室と受音室とを
仕切る壁の振動特性を考慮し、壁の振動を制御すること
によって遮音性を高めるようにしたアクティブ遮音方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】騒音対策として、騒音源から発せられた
音を空中で打ち消す方法と音の伝搬経路を途中で遮断す
る方法とが考えられる。前者については、騒音源からの
音をマイクロホンで検出し、それと逆位相・同一振幅の
信号をスピーカで生成して騒音検出点付近の音をキャン
セル(相殺)するいわゆるアクティブキャンセラーによ
る騒音制御技術が出現し、ダクト、冷蔵庫、乗用車の社
室内などの騒音低減に応用して成果をあげている。後者
については、騒音源を内蔵する騒音源室と騒音低減を希
望する受音室との間を音響透過損失の大きい壁で仕切る
ことにより騒音を遮蔽する受動的な方法が依然採用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の遮音方
法によって高い遮音性を得るためには、壁に鉛や鉄など
の比重の大きい材料を用いるか、または、ハニカム構造
などの分厚い吸音材等を用いる必要があり、現代のビル
のように軽量化が要求され且つ容積的にも制限のある条
件下においては適用が困難である。
【0004】本発明はこのような事情の下に創案された
ものであり、その目的は、重量壁やハニカム構造壁など
を用いることなく、高い遮音性を得ることのできるアク
ティブ遮音方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアクティブ遮音方法においては、騒音源室
と受音室とを仕切る壁の振動モードを解析して音の放射
に関与する振動モードを特定し、その振動モードにおけ
る壁の低次元化モデルを作成し、得られた低次元化モデ
ルの各質点に対応する壁の各点に振動加速度乃至速度を
検出するためのセンサを配置すると共に壁の少なくとも
1箇所に壁に制振力を作用させるためのアクチュエータ
を取り付け、各センサからの検出信号に基づいて壁の振
動を抑制すべくアクチュエータを駆動する。
【0006】本発明の遮音方法において、上記音の放射
に関与する振動モードとして、その振動モード形が音響
的に非対象であるモードを特定することが望ましい。
【0007】また、本発明の遮音方法において、上記壁
の上記低次元化モデルの質点に対応する箇所に上記アク
チュエータを取り付けることが望ましい。
【0008】
【作用】本発明のアクティブ遮音方法は、騒音源室と受
音室とを仕切る壁が騒音と共振して振動することによっ
て音漏れが発生するという点に着目し、音の放射に関与
する振動のみを対象としてこれを打ち消すように壁の振
動を制御しようとするものである。振動制御に有効な現
代制御理論は制御対象のモデルが特定されなければ活用
できないのであるが、壁は無限自由度の分布定数の特性
を有するために、有限自由度のモデル作成する必要があ
る。しかも、自由度が大きいとコントローラが肥大化
し、センサの数が多く必要であるために、必要最小限に
モデルを低次元化することが望ましい。そのために、本
発明の方法では、まず壁の振動モード解析を行い、遮音
しようとする所定の周波数域内に数多く存在する振動モ
ードの中から音の放射に関与する振動モードを特定し、
その振動モードにおける壁の低次元化モデルを作成す
る。このように制御対象の低次元化モデルを作成するこ
とで、現代制御理論を適用して制御系を設計することが
可能となる。そして、得られた低次元化モデルの各質点
に対応する壁の各点すなわち特定された振動モードの最
大振幅点付近に振動加速度乃至変位を検出するためのセ
ンサを配置しておくことで、制御対象すなわち壁の振動
状態を観測でき、各センサからの検出信号に基づいてア
クチュエータを駆動することにより、壁の振動を効果的
に抑制することができる。
【0009】図5は壁を構成する平板の振動モード解析
例であり、1〜5次の共振周波数と振動モード形が示さ
れている。振動モード形の対称性に着目すると、2〜4
次の振動モード形は音響的に対称、1次と5次の振動モ
ード形は音響的に非対称であり、音響的に対称のモード
の場合音の吐き出しと吸い込みの量が互いにキャンセル
すると仮定すると、音の放射に関与する問題となる振動
モードは音響的に非対称のモードである1次と5次のモ
ードである。このように振動モード形の対称性を調べる
ことによって、音の放射に関与する振動モードを容易に
特定できる。
【0010】このようにして特定された振動モードの最
大振幅点は、音の放射に関与しない他の振動モードの節
にあたる。したがって、この点にアクチュエータを取り
付けておけば、音の放射に関与しない振動モードの振動
を励起することなく、音の放射に関与する振動のみを対
象としてこれを打ち消すように壁の振動を制御すること
ができる。すなわち、本発明のアクティブ遮音方法は、
振動モードの節にアクチュエータを取り付ければ不可制
御、センサを取り付ければ不可観測になることを利用し
て、無視したいモードの節にセンサ、またはアクチュエ
ータを配置して壁の振動を制御するものであり、この方
法によれば構造的にスピルオーバを防止できる制御系を
構築できる。
【0011】
【実施例】次に、本発明のアクティブ遮音方法の実施例
について説明する。
【0012】図1は騒音源室(ピアノ室)Aと受音室
(勉強室)Bとを仕切る壁1に本発明のアクティブ遮音
方法を適用した場合の一例が示されている。騒音源室A
の騒音は壁1を介して受音室Bに伝達されるのであるか
ら、壁1に取り付けた振動センサ12c,12u,12
lからの信号に基づいてアクチュエータ4を駆動して壁
1の振動を効果的に抑制すれば受音室Bの騒音レベルが
大幅に低減する。
【0013】図2に、壁の振動を本発明の手法でアクテ
ィブに制御するためにとられる装置構成の2通りの形態
を示す。同図(a)は、アクチュエータ4を固定面に支
持させて壁1に取り付け、センサ12c,12u,12
lの検出信号に基づいてコントローラ19で作られた制
御量によってアクチュエータ4を制御して壁1に制振力
を作用させる方式であり、同図(b)は、アクチュエー
タ4を弾性体(ここでは支持ばね20でモデル化)を介
して壁1に取り付け、固定面の代りにアクチュエータ4
に設けた補助質量mdの慣性力を反力としてアクチュエ
ータ4の制振力を壁1に作用させる方式である。なお、
同図(a)において、固定面が得られない場合は別途支
持部材によってアクチュエータ4を支える。その場合、
支持構造物の特性を考慮してコントローラ19を設計す
ることが望ましい。
【0014】次に、本発明のアクティブ遮音方法の有効
性を示すために、建築物の壁を構成する平板にこの方法
を適用した場合についてシミュレーションおよび実験に
より示す。
【0015】実験に使用した平板は、1200×1000×3 mm
のベニヤ板である。図3に示すように、この平板18を
垂直壁2に固定された支持枠3に周辺部を固定して取り
付けることにより地面に対して垂直に保持した。そし
て、図4に示すように平板18を120 個の有限要素に分
解し、実験モード解析を行った。この解析結果からこの
平板には 0Hz〜40Hzの間に1次から7次の振動モードが
存在することがわかった。図5は、この場合の1次〜5
次の共振周波数と振動モード形を示したものであり、前
述したように、音響的に対称の振動モードの場合音の吐
き出しと吸い込みの量が互いにキャンセルすると仮定す
ると、ここで問題となる振動モードは1次と5次のモー
ドである。
【0016】次に、上記考察の下に、実験モード解析に
より求まった分布定数系の平板18の振動モード形に基
づき、図4に示した平板18上の位置に3つの質点を指
定して図4のような3質点系モデルを作成する。ここに
各質点の質量をm1 ,m2 ,m3 、各質点をつなぐばね
のばね定数をkij(i,jは各質点の番号)、各質点と
固定面間のばねのばね定数をki (i=1,2,3)と
定義する。ただし、各質点には、各々制御力を含む外力
i (i=1,2,3)が作用するものとする。この3
質点系モデルの運動方程式をたてると次のようになる。
【0017】
【数1】
【0018】この式を行列表示すると、
【0019】
【数2】
【0020】となる。そこでこの式の固有値問題を解い
て得られた固有モード行列を以下のようにおく。
【0021】
【数3】
【0022】一方、物理座標系の質量行列Mの逆行列と
固有モード行列との関係は、
【0023】
【数4】
【0024】加速度連成の無い質量行列の性質より、
A,B,Cは零でなければならない。そこで誤差関数ε
1 ,ε2 を次のように定義し、これらを零に近付けるこ
とを考える。
【0025】
【数5】
【0026】各式に含まれる5つの変数φ11,φ2
1,φ12,φ13,φ23の感度行列を式(7)のよ
うに定義し、さらに補正ベクトル{δφ}を定義すれば
式(8)によって誤差関数を零に近付けることができ
る。
【0027】
【数6】
【0028】式(8)によって式(6)を対角化する固
有モード行列を求め、質量行列を計算すると次のように
求まる。
【0029】
【数7】
【0030】さらに、剛性行列を計算すると次のように
求まる。
【0031】
【数8】
【0032】これらの式から、図4に示した集中定数系
3自由度モデルの物理定数は次のように求まる。
【0033】
【数9】
【0034】実際の実験モード解析で得られた振動モー
ド形と本モデル化法で得られた振動モード形との比較を
図7に示す。同図において、細い実線が実験モード解析
により求められたモード形、太い実線が本モデル化手法
で得られたモード形であり、3つの質点でモードが一致
していることがわかる。
【0035】上記のように作成された低次元化モデルに
対し、各モードの中でも振幅が最大の1次の振動モード
を制御することを重視し、中央の質点(質量m2 )にア
クチュエータを取り付けた場合における制御系の設計を
行う。この中央の点は、2次、3次、4次の振動モード
の節にあたるので、これらのモードの振動を励起いない
点である。また、この点は実際の平板18の中央の点に
相当する。
【0036】この発明のアクティブ遮音方法において使
用されるアクチュエータ4は、スピーカの改良品であ
り、図9に示すように可動芯管5の周囲に巻き付けられ
たムービングコイル6と、これを包囲するリング状磁石
7とを備え、ムービングコイル6への通電を制御するこ
とによりこれに電磁力を作用させて可動芯管3に取り付
けられた振動板8を駆動する仕組みになっている。アク
チュエータ4は、図1に示すように平板18の支持枠2
に互いに平行に掛け渡して設けられた一対の支持部材9
にリング状磁石7のフランジ部7aをボルト10で固定
することによって平板18の中央位置に保持され、平板
18との接続は、振動板8の中央部に突設された先細の
接続子11の先端部を平板18の中央の点に接着などの
方法によって接続することによりなされる。なお、図9
において、リング状磁石7を含む固定側要素に対する振
動板8を含む可動側要素の支持部は、ばね(ばね定数k
s )と減衰要素(減衰係数Cs )とでモデル化して示さ
れている。
【0037】そこで、このアクチュエータ4を平板18
に取り付けた場合の低次元化物理モデルは図8のように
表わされる。なお、この物理モデルは、支持部材9を完
全な剛体として考えており、図2(a)の場合のモデル
に相当する。
【0038】この物理モデルを用いて質量m2 にアクチ
ュエータ4を取り付けた場合の運動方程式を作成し、こ
れを状態方程式で表すと以下のようになる。
【0039】
【数10】
【0040】このように制御系が状態方程式で表された
ならば現代制御理論である最適制御理論が適用できる。
最適制御理論では、次のような状態フィードバックによ
って制御量を決定する。
【0041】
【数11】
【0042】以上の設計値を用いて平板18の振動制御
のシミュレーションを行った。その周波数応答の結果を
図10に示す。同図において、(a)は平板18の中央
の点における周波数応答を示し、(b)は平板18の5
次の振動モードの一方の腹に取り付けられるセンサの点
での応答を示す。(a)に示すようにアクティブ制御を
加えた場合には1次および5次のモードの振動のピーク
が低減しており、有効な遮音効果が期待できる。また
(b)においてはアクチュエータ4の取り付け位置が平
板18の中央であることから2次の振動モードに対して
は不可制御になるが、本シミュレーションの結果から2
次の振動モードのピークに影響を与えずに1次および5
次の振動モードのピークを低減できることがわかる。
【0043】次に、図11にこの周波数応答に対応した
時間応答を示す。平板18の中央の点での時間応答は、
同図(a)に示すように、アクティブ振動制御により急
速に収斂している。また、平板18の上部の点での時間
応答は、同図(b)に示すように、周波数応答と同じく
2次のピークが残留するが、1次、5次のモードは収斂
している。
【0044】次に、図3に示すように、平板18の中央
の点Pc及び5次の振動モードの2つの腹(上部および
下部)の点Pu,Plに各点の変位を検出するための非
接触センサ12c,12u,12lを配置し、アクチュ
エータ4を作動させた場合と非作動の場合のそれぞれの
変位デ−タを測定した。
【0045】この実験で使用したコントローラ19の構
成を図12に示す。この構成において、各非接触センサ
12c,12u,12lからの変位信号はサンプリング
周波数1kHzでA/Dコンバータ13を通してパーソ
ナルコンピュ−タ14に入力される。パーソナルコンピ
ュータ14は、この変位信号の微分により速度信号を算
出し、各状態量を得る。そして得られた状態量に最適制
御理論を用いて決定したフィードバックゲインを乗算す
ることにより制御量を算出する。パーソナルコンピュ−
タ14で算出された制御量はD/Aコンバータ15でア
ナログ信号に変換されたのちアンプ16で増幅されてア
クチュエータ4に入力される。この入力信号によってア
クチュエータ4が駆動して平板18の振動を抑制する。
【0046】図13に、平板18の上部をインパルス加
振し、FFT解析器で得られた周波数応答を示す。同図
において、点線が非制御時の応答、実線が制御時の応答
である。また、(a)は平板18の中心部に取り付けた
センサ12cで検出された応答であり、(b)は平板1
8の上部に取り付けたセンサ12uの点での応答を示し
ている。双方とも非制御時は1次、5次の周波数のピー
クが観測される。この平板18に制御をかけると、1
次、5次のピーク値は大きく低下しており、振動が有効
に制御されていることがわかる。また、図14(b)に
おいては、アクチュエータ4を2次の振動モードの不可
制御点である平板18の中央の点に設けたことにより、
2次のモードの振動が励起されずに観測されている。こ
れはシミュレーションの結果と非常に良く一致してお
り、これにより3質点系モデルの有効性がわかる。ま
た、同時にさらに高次のモードである6次、7次のモー
ドについてもスピルオーバーヲ発生させずに振動を抑制
できることがこの実験結果からわかる。
【0047】したがって、上記制御系の構成を実際の建
築物の騒音源室と受音室とを仕切る壁1に適用すること
により、音の放射に関与する壁の振動を防止でき、重量
壁やハニカム構造壁などを用いることなく高い遮音性を
得ることができる。なお、実際の壁1にこの方法を適用
する場合、図12に示したコントローラ19のパーソナ
ルコンピュータ14をマイコンチップやメモリ素子など
必要最小限度のものにおきかえることができる。
【0048】上記実施例において、アクチュエータ4を
支持する支持部材9の振動を考慮して制御系を設計して
おけば、より効果的に壁の振動を制御でき、上記の例よ
りもさらに高い遮音性を得ることが可能である。この制
御系を設計するための物理モデルは、例えば図14のよ
うに作成される。この物理モデルは、図8に示したモデ
ルにおいてアクチュエータ4のモデル要素と固定面との
間に支持部材9のモデル要素、すなわち支持部材9の集
中質量mc 並びにばね定数kc を加えたものである。
【0049】この物理モデルを用いて運動方程式を作成
し、これを状態方程式で表すと以下のようになる。ただ
し簡単のため、アクチュエータ4の減衰要素Cs は無視
する。
【0050】
【数12】
【0051】この状態方程式に最適制御理論を適用して
制御量を決定することにより、アクチュエータ4の支持
部材9をも含めた制御系を設計することができる。その
場合の制御装置は、コンピュ−タ14に格納するプログ
ラムやデータなどを変更することにより、図12と同じ
構成のものが使用できる。
【0052】なお、本発明のアクティブ遮音方法は以上
の実施例に限定されるものではなく、例えば、アクチュ
エータ4の取り付け箇所は、音の放射に関与する振動モ
ードに制振力を作用させることができ、且つ音の放射に
関与しない振動モードを励起しない箇所であれば平板1
8の中央部以外でもよく、また、平板18の複数の箇所
に取り付けてもよい。アクチュエータ4を複数使用した
場合、制御系は上記の例よりも複雑なものになるが、よ
り遮音性の高い平板18の振動制御が可能である。
【0053】また、上記非接触センサ12c,12u,
12lに代えて加速度センサを使用してもよい。加速度
センサは平板18に直接取り付けて使用できるので、支
持フレーム3などの振動を平板18の振動として誤検出
することがなく、実際の制御系には非接触センサよりも
適している。
【0054】また、本発明のアクティブ遮音方法は、上
記例で示したベニヤ板の他に、鉄板や硝子板、その他種
々の壁材に適用でき、また、乗用車や船舶などの壁にも
有効に適用できる。
【0055】また、騒音室の事例としてはこの実施例に
示したピアノ室の他にも各種演奏室や機関室など種々な
事例が考えられる。さらに、壁を船体の外壁と考えれ
ば、音のパターンで認識される船の特徴を本発明のアク
ティブ遮音方法によって任意に変えることもできる。
【0056】
【発明の効果】以上要するに、本発明のアクティブ遮音
方法によれば以下のごとき優れた効果を発揮できる。
【0057】(1) 請求項1記載の発明によれば、音
の放射に関与する壁の振動モードを特定しこれを打ち消
すように壁の振動を制御するので、重量壁やハニカム構
造壁などの音響透過損失の大きい壁を使用することなく
遮音性の向上を図ることができる。
【0058】(2) 請求項2記載の発明によれば、振
動モード形の対称性を調べることによって、音の放射に
関与する振動モードを容易に特定できる。
【0059】(3) 請求項3記載の発明によれば、音
の放射に関与しない振動モードの振動を励起することな
く、音の放射に関与する振動のみを対象としてこれを打
ち消すように壁の振動を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ遮音方法の一実施例を示す
概念図である。
【図2】本発明のアクティブ遮音を実施するための装置
構成を示す概略図である。
【図3】本発明のアクティブ遮音方法の有効性を示すた
めの実験装置の一例を示す図であり、(a)は正面図、
(b)は(a)のA−A´断面図である。
【図4】壁を構成する平板の構造とその物理モデルの質
量を示す概念図である。
【図5】実験モード解析によって得られた平板の振動モ
ードを示す図である。
【図6】平板の物理モデル(低次元化モデル)を示す図
である。
【図7】実験および計算によって得られた平板の振動モ
ード形とその平板の低次元化モデルを示す図である。
【図8】アクチュエータを取り付けた場合の物理モデル
を示す図である。
【図9】アクチュエータの構造を示す断面図である。
【図10】シミュレーションによる周波数応答の結果を
示す図である。
【図11】図8の周波数応答に対応した時間応答を示す
図である。
【図12】実験に用いたコントローラの構成図である。
【図13】シミュレーションによる周波数応答の結果を
示す図である。
【図14】アクチュエータを取り付けた場合の物理モデ
ルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 壁 4 アクチュエータ 12c センサ 12u センサ 12l センサ A 騒音源室 B 受音室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源を内蔵する騒音源室と騒音低減を
    希望する受音室とを仕切る壁の振動モードを解析して音
    の放射に関与する振動モードを特定し、その振動モード
    における壁の低次元化モデルを作成し、得られた低次元
    化モデルの各質点に対応する壁の各点に振動加速度乃至
    変位を検出するためのセンサを配置すると共に壁の少な
    くとも1箇所に壁に制振力を作用させるためのアクチュ
    エータを取り付け、各センサからの検出信号に基づいて
    壁の振動を抑制すべくアクチュエータを駆動するように
    したことを特徴とするアクティブ遮音方法。
  2. 【請求項2】 上記音の放射に関与する振動モードとし
    て、その振動モード形が音響的に非対象であるモードを
    特定するようにした請求項1記載のアクティブ遮音方
    法。
  3. 【請求項3】 上記壁の上記低次元化モデルの質点に対
    応する箇所に上記アクチュエータを取り付けるようにし
    た請求項1または2記載のアクティブ遮音方法。
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