JPH07210209A - 神経回路を用いた制御装置 - Google Patents
神経回路を用いた制御装置Info
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- JPH07210209A JPH07210209A JP6022211A JP2221194A JPH07210209A JP H07210209 A JPH07210209 A JP H07210209A JP 6022211 A JP6022211 A JP 6022211A JP 2221194 A JP2221194 A JP 2221194A JP H07210209 A JPH07210209 A JP H07210209A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高精度な制御を行うことができ、しかも、高
い信頼性が得られる制御装置を提供する。 【構成】 制御理論に基づく従来の一般的な制御を行う
第1の制御部10と、学習機能をもった神経回路網に基
づく制御を行う異なる複数の神経回路網制御ユニット2
1〜24から構成される第2の制御部20と、を相補的
に用いる。学習範囲判断部30は、各ユニットの出力が
一致した場合には、第2の制御部20が学習範囲内の正
しい制御動作をしたと判断し、この一致した出力を出力
信号bとして出力するが、一致しない場合には、学習範
囲外のデタラメな制御動作をしたと判断し、何ら信号を
出力しない。出力選択部40は、出力信号bが出力され
ているときには、これを制御信号として制御対象50に
与え、出力信号bが出力されていないときには、第1の
制御部10の出力信号aを制御信号として制御対象50
に与える。
い信頼性が得られる制御装置を提供する。 【構成】 制御理論に基づく従来の一般的な制御を行う
第1の制御部10と、学習機能をもった神経回路網に基
づく制御を行う異なる複数の神経回路網制御ユニット2
1〜24から構成される第2の制御部20と、を相補的
に用いる。学習範囲判断部30は、各ユニットの出力が
一致した場合には、第2の制御部20が学習範囲内の正
しい制御動作をしたと判断し、この一致した出力を出力
信号bとして出力するが、一致しない場合には、学習範
囲外のデタラメな制御動作をしたと判断し、何ら信号を
出力しない。出力選択部40は、出力信号bが出力され
ているときには、これを制御信号として制御対象50に
与え、出力信号bが出力されていないときには、第1の
制御部10の出力信号aを制御信号として制御対象50
に与える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は神経回路を用いた制御装
置、特に、高精度で高い信頼性をもった制御を行うこと
ができる制御装置に関する。
置、特に、高精度で高い信頼性をもった制御を行うこと
ができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】制御対象に所定の操作量を与えることに
より所望の目標値を得る自動制御の技術は、古くから研
究されてきており、これまでに種々の制御理論が確立さ
れてきている。現在では、比例制御、微分制御、積分制
御などを組み合わせた制御が一般的に行われており、
C,L,Rなどの回路要素を組み合わせた制御回路が組
まれている。
より所望の目標値を得る自動制御の技術は、古くから研
究されてきており、これまでに種々の制御理論が確立さ
れてきている。現在では、比例制御、微分制御、積分制
御などを組み合わせた制御が一般的に行われており、
C,L,Rなどの回路要素を組み合わせた制御回路が組
まれている。
【0003】このような従来の制御理論に基づく制御回
路に代わって、近年、神経回路を用いた新たな制御方法
が確立されつつある。神経回路を用いた制御装置は、学
習機能を有するため、具体的な制御対象モデルに置き換
えることが困難な複雑な制御対象についても高精度な制
御が可能になる。たとえば、特開平4−252308号
公報には、車両の走行路のパターン認識を神経回路を用
いた装置で行う技術が開示されている。このような神経
回路を用いた制御装置では、複数の神経細胞と、これら
相互を接続するシナプスと、が定義され、情報は神経細
胞から別な神経細胞へと、シナプスを伝達することによ
って伝わることになる。入力層となるいくつかの神経細
胞に所定の入力情報を与えると、情報は中間層となるい
くつかの神経細胞を経て、出力層となるいくつかの神経
細胞へと伝えられ、この出力層の神経細胞から最終的な
出力情報(すなわち、制御対象に与える操作量)が得ら
れることになる。各シナプスには、情報の伝達効率が設
定されており、この伝達効率の設定を適宜変えることに
より、同じ入力情報を与えても、最終的に得られる出力
情報は種々異なるものになる。このように、各シナプス
の伝達効率の設定を変えるプロセスが、学習のプロセス
になる。具体的には、たとえば、ある特定の入力情報を
与えたときに最終的に得られる出力情報が、理想的な出
力情報に近付くように、各伝達効率の設定を変えてゆく
という誤差逆伝播学習により、学習を進めてゆけばよ
い。このように、具体的な制御対象に対して実際の制御
を行いながら学習が行われてゆくため、学習完了時に
は、その具体的な制御対象に適合した非常に高精度な制
御が可能になる。
路に代わって、近年、神経回路を用いた新たな制御方法
が確立されつつある。神経回路を用いた制御装置は、学
習機能を有するため、具体的な制御対象モデルに置き換
えることが困難な複雑な制御対象についても高精度な制
御が可能になる。たとえば、特開平4−252308号
公報には、車両の走行路のパターン認識を神経回路を用
いた装置で行う技術が開示されている。このような神経
回路を用いた制御装置では、複数の神経細胞と、これら
相互を接続するシナプスと、が定義され、情報は神経細
胞から別な神経細胞へと、シナプスを伝達することによ
って伝わることになる。入力層となるいくつかの神経細
胞に所定の入力情報を与えると、情報は中間層となるい
くつかの神経細胞を経て、出力層となるいくつかの神経
細胞へと伝えられ、この出力層の神経細胞から最終的な
出力情報(すなわち、制御対象に与える操作量)が得ら
れることになる。各シナプスには、情報の伝達効率が設
定されており、この伝達効率の設定を適宜変えることに
より、同じ入力情報を与えても、最終的に得られる出力
情報は種々異なるものになる。このように、各シナプス
の伝達効率の設定を変えるプロセスが、学習のプロセス
になる。具体的には、たとえば、ある特定の入力情報を
与えたときに最終的に得られる出力情報が、理想的な出
力情報に近付くように、各伝達効率の設定を変えてゆく
という誤差逆伝播学習により、学習を進めてゆけばよ
い。このように、具体的な制御対象に対して実際の制御
を行いながら学習が行われてゆくため、学習完了時に
は、その具体的な制御対象に適合した非常に高精度な制
御が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た神経回路を用いた制御装置において、考えられるあら
ゆる入力パターンについての学習を、すべて行うことは
非常に困難である。たとえば、入力層の神経細胞が10
個存在し、各神経細胞に与える入力信号が、0〜9の1
0通りの整数のいずれか1つをとる、という比較的小規
模な神経回路を考えてみる。この場合であっても、考え
られるあらゆる入力パターンの数は、1010通りとい
う膨大な数になる。また、誤差逆伝播学習では、学習が
収束するまでの学習必要回数が、入力パターン数に対し
て指数関数的に増大してゆき、入力パターンの数が10
10通りという膨大な数になると、現実的には、有限時
間内で学習を収束させることは不可能である。そこで、
通常の神経回路を用いた制御装置は、一部の入力パター
ンについての学習を終えた時点で学習完了とし、これを
実際の制御に用いるのが一般的である。
た神経回路を用いた制御装置において、考えられるあら
ゆる入力パターンについての学習を、すべて行うことは
非常に困難である。たとえば、入力層の神経細胞が10
個存在し、各神経細胞に与える入力信号が、0〜9の1
0通りの整数のいずれか1つをとる、という比較的小規
模な神経回路を考えてみる。この場合であっても、考え
られるあらゆる入力パターンの数は、1010通りとい
う膨大な数になる。また、誤差逆伝播学習では、学習が
収束するまでの学習必要回数が、入力パターン数に対し
て指数関数的に増大してゆき、入力パターンの数が10
10通りという膨大な数になると、現実的には、有限時
間内で学習を収束させることは不可能である。そこで、
通常の神経回路を用いた制御装置は、一部の入力パター
ンについての学習を終えた時点で学習完了とし、これを
実際の制御に用いるのが一般的である。
【0005】上述したように、神経回路を用いた制御装
置は学習機能を有するため、従来の制御理論に基づいた
制御回路に比べて、非常に高精度な制御が可能であると
いうメリットを有するが、これは学習範囲内の入力パタ
ーンが与えられた場合を前提とした話である。逆に言え
ば、学習範囲外の入力パターンが与えられた場合の出力
は、正しい制御信号になるかどうか全く保証されていな
いのである。すなわち、学習範囲外の入力に対しては、
いわば「デタラメ」の制御信号を出力するおそれがあ
り、しかも、出力された制御信号が「デタラメ」である
かどうかは、制御対象側からは判断できないのである。
このため、神経回路を用いた制御装置は、信頼性に欠け
るという問題がある。
置は学習機能を有するため、従来の制御理論に基づいた
制御回路に比べて、非常に高精度な制御が可能であると
いうメリットを有するが、これは学習範囲内の入力パタ
ーンが与えられた場合を前提とした話である。逆に言え
ば、学習範囲外の入力パターンが与えられた場合の出力
は、正しい制御信号になるかどうか全く保証されていな
いのである。すなわち、学習範囲外の入力に対しては、
いわば「デタラメ」の制御信号を出力するおそれがあ
り、しかも、出力された制御信号が「デタラメ」である
かどうかは、制御対象側からは判断できないのである。
このため、神経回路を用いた制御装置は、信頼性に欠け
るという問題がある。
【0006】結局、制御理論に基づく制御を行う従来の
制御装置は、全くデタラメな制御を行うことはないの
で、信頼性は高いということができるが、何らかの制御
対象モデルに近似した制御を行うために、個々の具体的
な制御対象についての高精度な制御は期待できない。こ
れに対して、神経回路を用いた制御装置は、学習範囲内
であれば高精度な制御が可能であるが、学習範囲外につ
いては全くデタラメな制御を行うおそれがあり、信頼性
に欠けるのである。これは、たとえば車両の自動走行制
御などの安全性が重視される制御対象に用いる場合には
致命的な欠陥になる。
制御装置は、全くデタラメな制御を行うことはないの
で、信頼性は高いということができるが、何らかの制御
対象モデルに近似した制御を行うために、個々の具体的
な制御対象についての高精度な制御は期待できない。こ
れに対して、神経回路を用いた制御装置は、学習範囲内
であれば高精度な制御が可能であるが、学習範囲外につ
いては全くデタラメな制御を行うおそれがあり、信頼性
に欠けるのである。これは、たとえば車両の自動走行制
御などの安全性が重視される制御対象に用いる場合には
致命的な欠陥になる。
【0007】そこで本発明は、高精度な制御を行うこと
ができ、しかも、高い信頼性が得られる制御装置を提供
することを目的とする。
ができ、しかも、高い信頼性が得られる制御装置を提供
することを目的とする。
【0008】
(1) 本発明の第1の態様は、神経回路を用いた制御装
置において、制御理論に基づく制御を行う第1の制御部
と、学習機能をもった神経回路網に基づく制御を行う第
2の制御部と、第2の制御部の制御動作が、学習範囲内
のものか、あるいは学習範囲外のものか、を判断する学
習範囲判断部と、この学習範囲判断部により、学習範囲
外との判断がなされたときには、第1の制御部からの出
力を選択し、学習範囲内との判断がなされたときには、
第2の制御部からの出力を選択し、選択した出力を制御
対象に与える出力選択部と、を設けたものである。
置において、制御理論に基づく制御を行う第1の制御部
と、学習機能をもった神経回路網に基づく制御を行う第
2の制御部と、第2の制御部の制御動作が、学習範囲内
のものか、あるいは学習範囲外のものか、を判断する学
習範囲判断部と、この学習範囲判断部により、学習範囲
外との判断がなされたときには、第1の制御部からの出
力を選択し、学習範囲内との判断がなされたときには、
第2の制御部からの出力を選択し、選択した出力を制御
対象に与える出力選択部と、を設けたものである。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、上述した第
1の態様に係る神経回路を用いた制御装置において、第
2の制御部に、互いに異なる複数の神経回路網制御ユニ
ットを設け、学習範囲判断部が、これら複数の神経回路
網制御ユニットの出力相互の一致度に基づいて判断を行
うようにしたものである。
1の態様に係る神経回路を用いた制御装置において、第
2の制御部に、互いに異なる複数の神経回路網制御ユニ
ットを設け、学習範囲判断部が、これら複数の神経回路
網制御ユニットの出力相互の一致度に基づいて判断を行
うようにしたものである。
【0010】
【作 用】本発明に係る制御装置は、制御理論に基づく
従来の制御を行う第1の制御部と、学習機能をもった神
経回路網に基づく第2の制御部と、が互いに補間し合う
構成をとる。すなわち、学習範囲内の入力パターンが与
えられた場合には、第2の制御部の出力を選択して制御
対象に与えることにより、高精度の制御が行われる。一
方、学習範囲外の入力パターンが与えられた場合には、
第1の制御部の出力を選択して制御対象に与えることに
より、精度は低いが正しい制御が行われる。こうして、
高い信頼性を確保しつつ、高精度の制御が可能になる。
従来の制御を行う第1の制御部と、学習機能をもった神
経回路網に基づく第2の制御部と、が互いに補間し合う
構成をとる。すなわち、学習範囲内の入力パターンが与
えられた場合には、第2の制御部の出力を選択して制御
対象に与えることにより、高精度の制御が行われる。一
方、学習範囲外の入力パターンが与えられた場合には、
第1の制御部の出力を選択して制御対象に与えることに
より、精度は低いが正しい制御が行われる。こうして、
高い信頼性を確保しつつ、高精度の制御が可能になる。
【0011】また、本発明では、第2の制御部の制御動
作が、学習範囲内のものか、あるいは学習範囲外のもの
か、を判断するために、第2の制御部に、互いに異なる
複数の神経回路網制御ユニットを設けている。入力パタ
ーンが学習範囲内のものであれば、複数の神経回路網制
御ユニットがいずれもほぼ同じ制御信号を出力するはず
であり、出力信号は相互にほぼ一致するはずである。逆
に、入力パターンが学習範囲外のものであれば、複数の
神経回路網制御ユニットがそれぞれデタラメな制御信号
を出力するため、出力信号は相互に不一致になるはずで
ある。したがって、これら複数の神経回路網制御ユニッ
トの出力相互の一致度に基づいて、入力パターンが学習
範囲内のものであったか、学習範囲外のものであったか
を判断することができる。
作が、学習範囲内のものか、あるいは学習範囲外のもの
か、を判断するために、第2の制御部に、互いに異なる
複数の神経回路網制御ユニットを設けている。入力パタ
ーンが学習範囲内のものであれば、複数の神経回路網制
御ユニットがいずれもほぼ同じ制御信号を出力するはず
であり、出力信号は相互にほぼ一致するはずである。逆
に、入力パターンが学習範囲外のものであれば、複数の
神経回路網制御ユニットがそれぞれデタラメな制御信号
を出力するため、出力信号は相互に不一致になるはずで
ある。したがって、これら複数の神経回路網制御ユニッ
トの出力相互の一致度に基づいて、入力パターンが学習
範囲内のものであったか、学習範囲外のものであったか
を判断することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。はじめに、一般的な神経回路を用いた制御装置
の基本原理を説明しておく。図1に示す神経回路網制御
ユニット1は、このような制御装置の一例である。この
制御ユニット1には、入力層A,中間層B,出力層Cの
3つの層が形成されており、各層はそれぞれ5つずつの
神経細胞A1〜A5,B1〜B5,C1〜C5から構成
されている。入力層Aの各神経細胞A1〜A5から中間
層Bの各神経細胞B1〜B5には、図に矢印をもった直
線で示すシナプスが接続されている。また、中間層Bの
各神経細胞B1〜B5から出力層Cの各神経細胞C1〜
C5にも、図に矢印をもった直線で示すシナプスが接続
されている。情報は、1つの神経細胞から別な神経細胞
に向かって、シナプスを通って図の矢印の方向へ伝播さ
れる。
明する。はじめに、一般的な神経回路を用いた制御装置
の基本原理を説明しておく。図1に示す神経回路網制御
ユニット1は、このような制御装置の一例である。この
制御ユニット1には、入力層A,中間層B,出力層Cの
3つの層が形成されており、各層はそれぞれ5つずつの
神経細胞A1〜A5,B1〜B5,C1〜C5から構成
されている。入力層Aの各神経細胞A1〜A5から中間
層Bの各神経細胞B1〜B5には、図に矢印をもった直
線で示すシナプスが接続されている。また、中間層Bの
各神経細胞B1〜B5から出力層Cの各神経細胞C1〜
C5にも、図に矢印をもった直線で示すシナプスが接続
されている。情報は、1つの神経細胞から別な神経細胞
に向かって、シナプスを通って図の矢印の方向へ伝播さ
れる。
【0013】いま、制御対象2からの制御量と目標値と
の偏差を、動作信号として入力層Aの所定の神経細胞A
1〜A5に与えると、各神経細胞A1〜A5は、それぞ
れ入力された信号値に所定の関数を作用させて新たな信
号値を生成し、これを出力する。この信号値は、各シナ
プスを伝わって中間層Bの各神経細胞B1〜B5に伝達
されるが、その過程において、各シナプスごとに設定さ
れた所定の伝達効率値が乗ぜられる。同様に、中間層B
の神経細胞B1〜B5は、それぞれ入力された信号値
(神経細胞A1〜A5の出力信号値に、各シナプスにつ
いて設定された伝達効率値を乗じた値)に所定の関数を
作用させ、新たな信号値を出力する。このようにして情
報は、最終的に出力層Cの神経細胞C1〜C5まで伝達
され、これら神経細胞C1〜C5の出力する信号値が、
制御信号(操作量)として制御対象2に与えられること
になる。神経回路網制御ユニット1は、このような原理
で、制御対象2に対する制御を行う。なお、この例で
は、動作信号として、制御量と目標値との偏差をフィー
ドバックするフィードバック制御を行っているが、偏差
を戻さないフィードフォワード制御を行うことも可能で
ある。
の偏差を、動作信号として入力層Aの所定の神経細胞A
1〜A5に与えると、各神経細胞A1〜A5は、それぞ
れ入力された信号値に所定の関数を作用させて新たな信
号値を生成し、これを出力する。この信号値は、各シナ
プスを伝わって中間層Bの各神経細胞B1〜B5に伝達
されるが、その過程において、各シナプスごとに設定さ
れた所定の伝達効率値が乗ぜられる。同様に、中間層B
の神経細胞B1〜B5は、それぞれ入力された信号値
(神経細胞A1〜A5の出力信号値に、各シナプスにつ
いて設定された伝達効率値を乗じた値)に所定の関数を
作用させ、新たな信号値を出力する。このようにして情
報は、最終的に出力層Cの神経細胞C1〜C5まで伝達
され、これら神経細胞C1〜C5の出力する信号値が、
制御信号(操作量)として制御対象2に与えられること
になる。神経回路網制御ユニット1は、このような原理
で、制御対象2に対する制御を行う。なお、この例で
は、動作信号として、制御量と目標値との偏差をフィー
ドバックするフィードバック制御を行っているが、偏差
を戻さないフィードフォワード制御を行うことも可能で
ある。
【0014】このような神経回路網制御ユニット1を学
習させるには、次のようにする。まず、入力層Aを構成
する神経細胞A1〜A5に、所定の動作信号を与え、そ
のとき、出力層Cを構成する神経細胞C1〜C5から得
られる出力信号が、所定の教師信号に一致するように、
所定のアルゴリズムに従って各シナプスの伝達効率値の
設定を修正する。ここで、教師信号は、入力した動作信
号に対する理想的な制御信号(操作量)を示すものであ
る。このような学習動作を何回も繰り返し行い、各シナ
プスの伝達効率値を逐次修正してゆくと、過去に学習し
た入力パターンを動作信号として与えたときに、理想的
な制御信号が出力されるようになる。ただ、前述したよ
うに、考えられるあらゆる入力パターンについての学習
を、すべて行うことは現実的に不可能である。したがっ
て、実際には、所定の有限回数の学習を終えた段階で、
学習を完了し、実用に供することになる。ところが、こ
うして実用に供したときに、たまたま過去に学習したこ
とのない予期せぬ入力パターンが動作信号として与えら
れた場合、神経回路網制御ユニット1から、どのような
制御信号が出力されるかは全く保証されていない。別言
すれば、全くデタラメな制御信号が出力される可能性が
ある。このため、このような神経回路網制御ユニット1
は、車両の走行制御のような安全性が重視される制御対
象に対しては、信頼性の面で採用することが困難であっ
た。
習させるには、次のようにする。まず、入力層Aを構成
する神経細胞A1〜A5に、所定の動作信号を与え、そ
のとき、出力層Cを構成する神経細胞C1〜C5から得
られる出力信号が、所定の教師信号に一致するように、
所定のアルゴリズムに従って各シナプスの伝達効率値の
設定を修正する。ここで、教師信号は、入力した動作信
号に対する理想的な制御信号(操作量)を示すものであ
る。このような学習動作を何回も繰り返し行い、各シナ
プスの伝達効率値を逐次修正してゆくと、過去に学習し
た入力パターンを動作信号として与えたときに、理想的
な制御信号が出力されるようになる。ただ、前述したよ
うに、考えられるあらゆる入力パターンについての学習
を、すべて行うことは現実的に不可能である。したがっ
て、実際には、所定の有限回数の学習を終えた段階で、
学習を完了し、実用に供することになる。ところが、こ
うして実用に供したときに、たまたま過去に学習したこ
とのない予期せぬ入力パターンが動作信号として与えら
れた場合、神経回路網制御ユニット1から、どのような
制御信号が出力されるかは全く保証されていない。別言
すれば、全くデタラメな制御信号が出力される可能性が
ある。このため、このような神経回路網制御ユニット1
は、車両の走行制御のような安全性が重視される制御対
象に対しては、信頼性の面で採用することが困難であっ
た。
【0015】本発明は、従来の神経回路を用いた制御装
置におけるこのような問題を克服するためのものであ
る。図2は、本発明の一実施例に係る制御装置の基本構
成を示すブロック図である。この制御装置の主たる構成
要素は、第1の制御部10と、第2の制御部20と、学
習範囲判断部30と、出力選択部40と、であり、制御
対象50に対するフィードバック制御を行うことができ
る。
置におけるこのような問題を克服するためのものであ
る。図2は、本発明の一実施例に係る制御装置の基本構
成を示すブロック図である。この制御装置の主たる構成
要素は、第1の制御部10と、第2の制御部20と、学
習範囲判断部30と、出力選択部40と、であり、制御
対象50に対するフィードバック制御を行うことができ
る。
【0016】第1の制御部10は、制御理論に基づく従
来の制御を行う機能を有し、具体的には、比例制御、微
分制御、積分制御などの制御を行うために、C,L,R
などの素子を組み合わせた制御回路である。この制御回
路は、制御対象50を理論的な制御対象モデルに置き換
え、このモデルについて従来の一般的な制御理論を適用
することにより得られる回路であり、このような制御理
論に基づく具体的な制御回路は種々のものが公知である
ため、ここでは詳しい説明は省略する。制御対象50が
複雑な系になると、理論的な制御対象モデルをそのまま
適用することが困難になるため、この第1の制御部10
によって高精度の制御を行うことはできなくなる。しか
しながら、どのような動作信号が入力された場合であっ
ても、マクロ的には正しい制御信号を出力するため、信
頼性は高い。
来の制御を行う機能を有し、具体的には、比例制御、微
分制御、積分制御などの制御を行うために、C,L,R
などの素子を組み合わせた制御回路である。この制御回
路は、制御対象50を理論的な制御対象モデルに置き換
え、このモデルについて従来の一般的な制御理論を適用
することにより得られる回路であり、このような制御理
論に基づく具体的な制御回路は種々のものが公知である
ため、ここでは詳しい説明は省略する。制御対象50が
複雑な系になると、理論的な制御対象モデルをそのまま
適用することが困難になるため、この第1の制御部10
によって高精度の制御を行うことはできなくなる。しか
しながら、どのような動作信号が入力された場合であっ
ても、マクロ的には正しい制御信号を出力するため、信
頼性は高い。
【0017】一方、第2の制御部20は、この実施例の
場合、4つの神経回路網制御ユニット21〜24によっ
て構成されている。いずれも、学習機能をもった神経回
路網に基づく制御を行う機能を有し、図1に示す神経回
路網制御ユニット1と同等のものである。ただ、この4
つの神経回路網制御ユニット21〜24は、いずれも同
一のものではなく、どこかが異なっている。たとえば、
各層における神経細胞の構成数が異なったり、各シナプ
スごとに設定された伝達効率値が異なったり、するもの
を4種類用意すればよい。したがって、各神経回路網制
御ユニット21〜24に同一の動作信号を与えた場合、
個々の制御ユニットから出力される制御信号は、必ずし
も同一になるとは限らない。なお、この実施例では、4
種類の神経回路網制御ユニットを用意しているが、少な
くとも2種類あれば足りる。
場合、4つの神経回路網制御ユニット21〜24によっ
て構成されている。いずれも、学習機能をもった神経回
路網に基づく制御を行う機能を有し、図1に示す神経回
路網制御ユニット1と同等のものである。ただ、この4
つの神経回路網制御ユニット21〜24は、いずれも同
一のものではなく、どこかが異なっている。たとえば、
各層における神経細胞の構成数が異なったり、各シナプ
スごとに設定された伝達効率値が異なったり、するもの
を4種類用意すればよい。したがって、各神経回路網制
御ユニット21〜24に同一の動作信号を与えた場合、
個々の制御ユニットから出力される制御信号は、必ずし
も同一になるとは限らない。なお、この実施例では、4
種類の神経回路網制御ユニットを用意しているが、少な
くとも2種類あれば足りる。
【0018】学習範囲判断部30は、第2の制御部20
の制御動作が、学習範囲内のものか、あるいは学習範囲
外のものか、を判断する処理を行う。具体的には、4つ
の神経回路網制御ユニット21〜24の出力信号が、所
定の範囲内で一致していた場合には、第2の制御部20
は学習範囲内の制御動作を行ったと判断し、所定の範囲
内での一致をみなかった場合には、第2の制御部20は
学習範囲外の制御動作を行ったと判断する。このよう
に、複数の神経回路網制御ユニットの出力相互の一致度
に基づいて判断を行うのは、次のような理由に基づいて
いる。すなわち、第2の制御部20に与えられた動作信
号が、学習範囲内のものであったとしたら、4つの神経
回路網制御ユニット21〜24は、いずれも高精度の制
御信号を出力することが可能であるから、各出力信号は
ほぼ一致したものになるはずである。そこで、各出力信
号が所定の範囲内で一致した場合には、学習範囲内の制
御動作が行われたものと推定するのである。一方、第2
の制御部20に与えられた動作信号が、学習範囲外のも
のであったとしたら、4つの神経回路網制御ユニット2
1〜24は、いずれも予期せぬ制御動作を行うことにな
り、それぞれが全く予期していない制御信号を出力する
ことになり、各出力信号は一致をみないことになる。そ
こで、各出力信号が所定の範囲内で一致をみない場合に
は、学習範囲外の制御動作が行われたものと推定するの
である。一致か不一致かの判断基準は、適宜設定可能で
ある。たとえば、4つの出力信号の値すべてが所定の誤
差範囲内に入った場合にのみ一致と取り扱うこともでき
るであろうし、3つの出力信号の値が所定の誤差範囲内
に入っていた場合も一致と取り扱うようにすることもで
きるであろう。
の制御動作が、学習範囲内のものか、あるいは学習範囲
外のものか、を判断する処理を行う。具体的には、4つ
の神経回路網制御ユニット21〜24の出力信号が、所
定の範囲内で一致していた場合には、第2の制御部20
は学習範囲内の制御動作を行ったと判断し、所定の範囲
内での一致をみなかった場合には、第2の制御部20は
学習範囲外の制御動作を行ったと判断する。このよう
に、複数の神経回路網制御ユニットの出力相互の一致度
に基づいて判断を行うのは、次のような理由に基づいて
いる。すなわち、第2の制御部20に与えられた動作信
号が、学習範囲内のものであったとしたら、4つの神経
回路網制御ユニット21〜24は、いずれも高精度の制
御信号を出力することが可能であるから、各出力信号は
ほぼ一致したものになるはずである。そこで、各出力信
号が所定の範囲内で一致した場合には、学習範囲内の制
御動作が行われたものと推定するのである。一方、第2
の制御部20に与えられた動作信号が、学習範囲外のも
のであったとしたら、4つの神経回路網制御ユニット2
1〜24は、いずれも予期せぬ制御動作を行うことにな
り、それぞれが全く予期していない制御信号を出力する
ことになり、各出力信号は一致をみないことになる。そ
こで、各出力信号が所定の範囲内で一致をみない場合に
は、学習範囲外の制御動作が行われたものと推定するの
である。一致か不一致かの判断基準は、適宜設定可能で
ある。たとえば、4つの出力信号の値すべてが所定の誤
差範囲内に入った場合にのみ一致と取り扱うこともでき
るであろうし、3つの出力信号の値が所定の誤差範囲内
に入っていた場合も一致と取り扱うようにすることもで
きるであろう。
【0019】この実施例では、学習範囲判断部30は、
学習範囲の内外の判断を行うだけでなく、次のような出
力制御機能をも有している。すなわち、第2の制御部2
0が学習範囲内の制御動作を行い、4つの神経回路網制
御ユニット21〜24の出力信号が「一致した」と判断
した場合には、その一致した信号(所定の誤差がある場
合には、たとえば、平均した信号)を出力信号bとして
出力する。一方、第2の制御部20が学習範囲外の制御
動作を行い、4つの神経回路網制御ユニット21〜24
の出力信号が「不一致」と判断した場合には、何ら信号
を出力しない。したがって、学習範囲判断部30から出
力信号bが出力されている場合は、常に第2の制御部2
0が学習範囲内の制御動作を行っており、この出力信号
bは高精度の正しい制御信号である。また、学習範囲判
断部30から何ら信号が出力されていない場合には、第
2の制御部20では正しい制御動作は行われていなかっ
たことを意味することになる。このように、第2の制御
部20が学習範囲外の制御動作を行ってデタラメの信号
を出力した場合であっても、そのようなデタラメな信号
出力は、学習範囲判断部30によって阻止されることに
なる。
学習範囲の内外の判断を行うだけでなく、次のような出
力制御機能をも有している。すなわち、第2の制御部2
0が学習範囲内の制御動作を行い、4つの神経回路網制
御ユニット21〜24の出力信号が「一致した」と判断
した場合には、その一致した信号(所定の誤差がある場
合には、たとえば、平均した信号)を出力信号bとして
出力する。一方、第2の制御部20が学習範囲外の制御
動作を行い、4つの神経回路網制御ユニット21〜24
の出力信号が「不一致」と判断した場合には、何ら信号
を出力しない。したがって、学習範囲判断部30から出
力信号bが出力されている場合は、常に第2の制御部2
0が学習範囲内の制御動作を行っており、この出力信号
bは高精度の正しい制御信号である。また、学習範囲判
断部30から何ら信号が出力されていない場合には、第
2の制御部20では正しい制御動作は行われていなかっ
たことを意味することになる。このように、第2の制御
部20が学習範囲外の制御動作を行ってデタラメの信号
を出力した場合であっても、そのようなデタラメな信号
出力は、学習範囲判断部30によって阻止されることに
なる。
【0020】出力選択部40は、学習範囲判断部30に
より、学習範囲外との判断がなされたときには、第1の
制御部10からの出力信号aを選択し、学習範囲内との
判断がなされたときには、第2の制御部20からの出力
信号bを選択し、選択した出力信号を制御信号(操作
量)として制御対象に与える機能を有する。この実施例
の場合、上述したように、学習範囲判断部30に出力制
御機能が備わっているので、この出力選択部40の動作
は非常に単純である。すなわち、両出力信号a,bのう
ち、常に出力信号bを優先的に選択して出力する動作を
行えばよい。第2の制御部20が学習範囲内の制御動作
を行ったのであれば、学習範囲判断部30から出力信号
bが出力されるので、この出力信号bが出力信号aより
優先されて出力されることになる。一方、第2の制御部
20が学習範囲外の制御動作を行ったのであれば、学習
範囲判断部30からは何ら信号は出力されないので、出
力信号bに代わって、出力信号aが出力されることにな
る。
より、学習範囲外との判断がなされたときには、第1の
制御部10からの出力信号aを選択し、学習範囲内との
判断がなされたときには、第2の制御部20からの出力
信号bを選択し、選択した出力信号を制御信号(操作
量)として制御対象に与える機能を有する。この実施例
の場合、上述したように、学習範囲判断部30に出力制
御機能が備わっているので、この出力選択部40の動作
は非常に単純である。すなわち、両出力信号a,bのう
ち、常に出力信号bを優先的に選択して出力する動作を
行えばよい。第2の制御部20が学習範囲内の制御動作
を行ったのであれば、学習範囲判断部30から出力信号
bが出力されるので、この出力信号bが出力信号aより
優先されて出力されることになる。一方、第2の制御部
20が学習範囲外の制御動作を行ったのであれば、学習
範囲判断部30からは何ら信号は出力されないので、出
力信号bに代わって、出力信号aが出力されることにな
る。
【0021】以上の説明から、制御対象50には、常に
正しい信頼性のある制御信号が操作量として与えられる
ことが理解できよう。すなわち、動作信号として、学習
範囲内の入力パターンが与えられている通常の場合に
は、第2の制御部20からの出力信号bが制御信号とし
て制御対象50に与えられ、高精度の制御が行われる。
また、たまたま、学習していない入力パターンが動作信
号として与えられた場合には、第1の制御部10からの
出力信号aが制御信号として制御対象50に与えられ、
精度は低くても信頼性のある制御が行われる。
正しい信頼性のある制御信号が操作量として与えられる
ことが理解できよう。すなわち、動作信号として、学習
範囲内の入力パターンが与えられている通常の場合に
は、第2の制御部20からの出力信号bが制御信号とし
て制御対象50に与えられ、高精度の制御が行われる。
また、たまたま、学習していない入力パターンが動作信
号として与えられた場合には、第1の制御部10からの
出力信号aが制御信号として制御対象50に与えられ、
精度は低くても信頼性のある制御が行われる。
【0022】図3は、神経回路網制御ユニットの学習プ
ロセスを説明するブロック図である。この学習プロセス
では、第1の制御部10と神経回路網制御ユニット21
とが並列に設けられ、両者の出力信号の和が制御信号と
して制御対象50に与えられる。そして、制御対象50
からの制御量と目標値との偏差がフィードバックされ
る。学習は、第1の制御部10の出力信号を学習用誤差
信号として取り出し、この学習用誤差信号に基づいて、
神経回路網制御ユニット21内の各シナプスの伝達効率
値の設定を修正することにより行われる。最終的に、学
習用誤差信号の値が0になれば、この制御系において第
1の制御部10は不要になり、神経回路網制御ユニット
21単独で制御対象50に対する制御動作を行うことが
可能になる。すなわち、学習完了である。なお、この例
では、神経回路網制御ユニット21のみを単独で学習さ
せているが、複数の神経回路網制御ユニットに対して同
時に学習を行ってもかまわない。
ロセスを説明するブロック図である。この学習プロセス
では、第1の制御部10と神経回路網制御ユニット21
とが並列に設けられ、両者の出力信号の和が制御信号と
して制御対象50に与えられる。そして、制御対象50
からの制御量と目標値との偏差がフィードバックされ
る。学習は、第1の制御部10の出力信号を学習用誤差
信号として取り出し、この学習用誤差信号に基づいて、
神経回路網制御ユニット21内の各シナプスの伝達効率
値の設定を修正することにより行われる。最終的に、学
習用誤差信号の値が0になれば、この制御系において第
1の制御部10は不要になり、神経回路網制御ユニット
21単独で制御対象50に対する制御動作を行うことが
可能になる。すなわち、学習完了である。なお、この例
では、神経回路網制御ユニット21のみを単独で学習さ
せているが、複数の神経回路網制御ユニットに対して同
時に学習を行ってもかまわない。
【0023】最後に、本発明に係る制御装置を具体的な
制御対象に適用した例を述べておく。この例は、倒立振
子システムに本発明を適用したものであり、実験は、計
算機上でのシミュレーションとして行った。まず、倒立
振子システムの概要を図4に基づいて説明する。台車5
1の上面には、振子52が回動自在に取り付けられてお
り、台車51はベルト53の一部に固着されている。ベ
ルト53は、両側においてプーリ54に掛っており、図
の左右方向に張られた状態になっている。プーリ54
は、直流モータ55によって両方向に回転駆動させら
れ、直流モータ55には、パワーアンプ56から直流電
力が供給される。ここで、パワーアンプ56の入力端子
に所定の電圧uを供給すると、この電圧の極性および大
きさに応じた電流が直流モータ55に供給され、プーリ
54が所定方向に所定角度だけ回転する。このため、台
車51は図の左右方向に所定距離だけ駆動されることに
なる。ここでは、台車51の位置を、図示するように左
端からの距離rで表すことにする。振子52は、台車5
1の上面に回動自在に取り付けられているため、台車5
1の受ける加速度に基づいて、図の左右方向に角度θを
もって揺動する。
制御対象に適用した例を述べておく。この例は、倒立振
子システムに本発明を適用したものであり、実験は、計
算機上でのシミュレーションとして行った。まず、倒立
振子システムの概要を図4に基づいて説明する。台車5
1の上面には、振子52が回動自在に取り付けられてお
り、台車51はベルト53の一部に固着されている。ベ
ルト53は、両側においてプーリ54に掛っており、図
の左右方向に張られた状態になっている。プーリ54
は、直流モータ55によって両方向に回転駆動させら
れ、直流モータ55には、パワーアンプ56から直流電
力が供給される。ここで、パワーアンプ56の入力端子
に所定の電圧uを供給すると、この電圧の極性および大
きさに応じた電流が直流モータ55に供給され、プーリ
54が所定方向に所定角度だけ回転する。このため、台
車51は図の左右方向に所定距離だけ駆動されることに
なる。ここでは、台車51の位置を、図示するように左
端からの距離rで表すことにする。振子52は、台車5
1の上面に回動自在に取り付けられているため、台車5
1の受ける加速度に基づいて、図の左右方向に角度θを
もって揺動する。
【0024】このような制御対象において、台車51の
位置rと、振子52の揺動角θとを所定の目標値に維持
する制御を行うことを考える。ここでは、所定の目標値
として、r=rc(両プーリ間の中心位置),θ=0°
を設定する。すなわち、台車51を図の中央位置にもっ
てゆき、振子52を垂直に立てた状態に保つような制御
が行われることになる。図2に示すブロック図では、制
御対象50から検出される制御量は、台車51の位置r
と振子52の揺動角θということになる。このような制
御量を得るためには、図4に示すシステムにおいて、適
当な場所にポテンショメータなどを取り付け、位置rと
揺動角θとを検出するようにすればよい。この検出値
と、目標値であるr=rc,θ=0°との偏差Δr,Δ
θが、動作信号として第1の制御部10および第2の制
御部20に与えられることになる。一方、出力選択部4
0から制御対象50に与えられる制御信号(操作量)
は、パワーアンプ56の入力端子に供給する電圧uとい
うことになる。したがって、この制御装置は、動作信号
としてのΔr,Δθを入力し、制御信号としての電圧値
uを出力する動作を行うことになる。
位置rと、振子52の揺動角θとを所定の目標値に維持
する制御を行うことを考える。ここでは、所定の目標値
として、r=rc(両プーリ間の中心位置),θ=0°
を設定する。すなわち、台車51を図の中央位置にもっ
てゆき、振子52を垂直に立てた状態に保つような制御
が行われることになる。図2に示すブロック図では、制
御対象50から検出される制御量は、台車51の位置r
と振子52の揺動角θということになる。このような制
御量を得るためには、図4に示すシステムにおいて、適
当な場所にポテンショメータなどを取り付け、位置rと
揺動角θとを検出するようにすればよい。この検出値
と、目標値であるr=rc,θ=0°との偏差Δr,Δ
θが、動作信号として第1の制御部10および第2の制
御部20に与えられることになる。一方、出力選択部4
0から制御対象50に与えられる制御信号(操作量)
は、パワーアンプ56の入力端子に供給する電圧uとい
うことになる。したがって、この制御装置は、動作信号
としてのΔr,Δθを入力し、制御信号としての電圧値
uを出力する動作を行うことになる。
【0025】第1の制御部10にこのような制御動作を
行わせるために、従来の一般的な制御理論により、次の
ような式に基づいて供給電圧uを出力する制御系を構築
した。 u=k1*r+k2*(r−r0)+k3*θ+k4*
(θ−θ0) ここで、rは現在の台車の位置(単位m)、r0は一時
刻前の台車の位置(単位m)、θは現在の振子の揺動角
(単位rad)、θ0は一時刻前の振子の揺動角(単位
rad)である。また、k1〜k4は所定の定数であ
り、制御周期を20msとすると(すなわち、一時刻前
は20ms前の時点になる)、k1=3.5823,k
2=12.2448,k3=507.3,k4=18
2.7となる。
行わせるために、従来の一般的な制御理論により、次の
ような式に基づいて供給電圧uを出力する制御系を構築
した。 u=k1*r+k2*(r−r0)+k3*θ+k4*
(θ−θ0) ここで、rは現在の台車の位置(単位m)、r0は一時
刻前の台車の位置(単位m)、θは現在の振子の揺動角
(単位rad)、θ0は一時刻前の振子の揺動角(単位
rad)である。また、k1〜k4は所定の定数であ
り、制御周期を20msとすると(すなわち、一時刻前
は20ms前の時点になる)、k1=3.5823,k
2=12.2448,k3=507.3,k4=18
2.7となる。
【0026】一方、第2の制御部20としては、次のよ
うな構成のものを用意した。まず、神経回路網制御ユニ
ットは3種類のものを用意し、各神経回路網制御ユニッ
トとしては、入力層Aと出力層Bとからなる神経回路網
を用いた。ここで、入力層Aとしては、現在の台車の位
置、一時刻前の台車の位置、二時刻前の台車の位置、現
在の振子の揺動角、一時刻前の振子の揺動角、二時刻前
の振子の揺動角、という6つの情報を入力するために6
つの神経細胞により構成し、出力層Cとしては、パワー
アンプ56に対する供給電圧uを出力するために1つの
神経細胞により構成した。各神経細胞は、いずれも線形
出力を行う細胞とし、学習は、図3に示すような系を用
い、初期状態として、台車の位置:0.1m、振子の揺
動角:+5°を与え、20秒間の制御動作を行った後、
再び初期状態からの制御動作を繰り返し行った。
うな構成のものを用意した。まず、神経回路網制御ユニ
ットは3種類のものを用意し、各神経回路網制御ユニッ
トとしては、入力層Aと出力層Bとからなる神経回路網
を用いた。ここで、入力層Aとしては、現在の台車の位
置、一時刻前の台車の位置、二時刻前の台車の位置、現
在の振子の揺動角、一時刻前の振子の揺動角、二時刻前
の振子の揺動角、という6つの情報を入力するために6
つの神経細胞により構成し、出力層Cとしては、パワー
アンプ56に対する供給電圧uを出力するために1つの
神経細胞により構成した。各神経細胞は、いずれも線形
出力を行う細胞とし、学習は、図3に示すような系を用
い、初期状態として、台車の位置:0.1m、振子の揺
動角:+5°を与え、20秒間の制御動作を行った後、
再び初期状態からの制御動作を繰り返し行った。
【0027】このように学習を行った第2の制御部20
と、前述した式に基づく従来の制御を行う第1の制御部
10とにより、図2に示すような本発明の制御装置を構
築し、この倒立振子システムに対する制御を行った結
果、良好な制御が可能になった。
と、前述した式に基づく従来の制御を行う第1の制御部
10とにより、図2に示すような本発明の制御装置を構
築し、この倒立振子システムに対する制御を行った結
果、良好な制御が可能になった。
【0028】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、
第2の制御部20を構成する神経回路網制御ユニットの
数は、複数であればいくつ設けてもかまわない。また、
上述の実施例では、いずれもフィードバック制御を行う
制御装置に本発明を適用した例であるが、フィードフォ
ワード制御を行う制御装置に対しても本発明を適用する
ことが可能である。更に、上述の実施例では、学習範囲
の内外についての判断を、複数の神経回路網制御ユニッ
トの出力の一致度に基づいて行っているが、この他の方
法で判断を行ってもかまわない。たとえば、学習を行う
たびに、学習した入力パターンを記録しておき、動作信
号が記録済みの入力パターンであるか否かチェックする
ことにより、学習範囲の内外の判断を行うこともでき
る。
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、
第2の制御部20を構成する神経回路網制御ユニットの
数は、複数であればいくつ設けてもかまわない。また、
上述の実施例では、いずれもフィードバック制御を行う
制御装置に本発明を適用した例であるが、フィードフォ
ワード制御を行う制御装置に対しても本発明を適用する
ことが可能である。更に、上述の実施例では、学習範囲
の内外についての判断を、複数の神経回路網制御ユニッ
トの出力の一致度に基づいて行っているが、この他の方
法で判断を行ってもかまわない。たとえば、学習を行う
たびに、学習した入力パターンを記録しておき、動作信
号が記録済みの入力パターンであるか否かチェックする
ことにより、学習範囲の内外の判断を行うこともでき
る。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る神経回路を
用いた制御装置によれば、制御理論に基づく従来の制御
を行う第1の制御部と、学習機能をもった神経回路網に
基づく第2の制御部と、を相補的に用いるようにしたた
め、高精度な制御を行うことができ、しかも、高い信頼
性が得られる。
用いた制御装置によれば、制御理論に基づく従来の制御
を行う第1の制御部と、学習機能をもった神経回路網に
基づく第2の制御部と、を相補的に用いるようにしたた
め、高精度な制御を行うことができ、しかも、高い信頼
性が得られる。
【図1】一般的な神経回路を用いた制御装置の基本構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る制御装置の基本構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図3】図1に示す制御装置に対する学習プロセスを説
明するブロック図である。
明するブロック図である。
【図4】図2に示す制御装置の適用対象となる具体的な
倒立振子システムを説明する図である。
倒立振子システムを説明する図である。
1…神経回路網制御ユニット 2…制御対象 10…第1の制御部 20…第2の制御部 21〜24…神経回路網制御ユニット 30…学習範囲判断部 40…出力選択部 50…制御対象 51…台車 52…振子 53…ベルト 54…プーリ 55…直流モータ 56…パワーアンプ A1〜A5…入力層の神経細胞 B1〜B5…中間層の神経細胞 C1〜C5…出力層の神経細胞
Claims (2)
- 【請求項1】 制御理論に基づく制御を行う第1の制御
部と、 学習機能をもった神経回路網に基づく制御を行う第2の
制御部と、 前記第2の制御部の制御動作が、学習範囲内のものか、
あるいは学習範囲外のものか、を判断する学習範囲判断
部と、 前記学習範囲判断部により、学習範囲外との判断がなさ
れたときには、前記第1の制御部からの出力を選択し、
学習範囲内との判断がなされたときには、前記第2の制
御部からの出力を選択し、選択した出力を制御対象に与
える出力選択部と、 を備えることを特徴とする神経回路を用いた制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の制御装置において、 第2の制御部に、互いに異なる複数の神経回路網制御ユ
ニットを設け、学習範囲判断部が、これら複数の神経回
路網制御ユニットの出力相互の一致度に基づいて判断を
行うようにしたことを特徴とする神経回路を用いた制御
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6022211A JPH07210209A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 神経回路を用いた制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6022211A JPH07210209A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 神経回路を用いた制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07210209A true JPH07210209A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=12076473
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6022211A Pending JPH07210209A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 神経回路を用いた制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07210209A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019087374A1 (ja) * | 2017-11-06 | 2019-05-09 | 株式会社日立製作所 | 制御装置 |
| JP2019159767A (ja) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | オムロン株式会社 | 演算装置、演算方法、及びそのプログラム |
| JP6813231B1 (ja) * | 2019-10-21 | 2021-01-13 | 株式会社エイシング | 制御装置、方法、プログラム及びシステム |
| JP2021068458A (ja) * | 2019-10-21 | 2021-04-30 | 株式会社エイシング | 制御装置、方法、プログラム及びシステム |
| EP3767399A4 (en) * | 2018-03-12 | 2021-11-17 | Omron Corporation | CONTROL DEVICE, CONTROL SYSTEM, CONTROL PROCESS, AND CONTROL PROGRAM |
| JP2021179840A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | 株式会社日立製作所 | 推論方法、機械学習推論システム及びコンピュータプログラム |
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| JP2024125314A (ja) * | 2020-07-09 | 2024-09-18 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | 人工ニューラルネットワークを使用する動き制御 |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP6022211A patent/JPH07210209A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2019087374A1 (ja) * | 2017-11-06 | 2019-05-09 | 株式会社日立製作所 | 制御装置 |
| US11507032B2 (en) | 2017-11-06 | 2022-11-22 | Hitachi, Ltd. | Control device using artificial intelligence |
| US11892819B2 (en) | 2018-03-12 | 2024-02-06 | Omron Corporation | Control device, control system, control method, and computer-readable storage medium |
| EP3767399A4 (en) * | 2018-03-12 | 2021-11-17 | Omron Corporation | CONTROL DEVICE, CONTROL SYSTEM, CONTROL PROCESS, AND CONTROL PROGRAM |
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