JPH07216478A - タングステン合金の製造方法 - Google Patents

タングステン合金の製造方法

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JPH07216478A
JPH07216478A JP1283994A JP1283994A JPH07216478A JP H07216478 A JPH07216478 A JP H07216478A JP 1283994 A JP1283994 A JP 1283994A JP 1283994 A JP1283994 A JP 1283994A JP H07216478 A JPH07216478 A JP H07216478A
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tungsten
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Masao Nakai
將雄 中井
Nobuyoshi Okato
信義 岡登
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タングステン含有量の比較的低い範囲までも
包含する組成のタングステン合金で、ゴルフクラブ、特
にパターのヘッド材等として好適なタングステン合金の
製造方法を提供する。 【構成】 少なくとも、40重量%以上100重量%未
満のタングステンと、不可避不純物として含有され得る
量を超える量のニッケルと、を含むタングステン合金
を、非酸化性雰囲気下で、100℃/分未満、好ましく
は80℃/分以下の昇温速度で固相焼結温度まで昇温し
て固相焼結する。固相焼結温度は、ニッケルの含有量を
XNi重量%、銅の含有量をYCu重量%、鉄の含有量をZ
Fe重量%とする時、関係式:T=(1510×XNi−5
00×YCu−65×ZFe)/XNi、より求まる温度Tよ
りも低い温度である。 【効果】 ゴルフクラブ、特にパターのヘッド材等とし
て好適なタングステン合金を固相焼結により容易に製造
し、提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タングステン合金の製
造方法に関し、例えばゴルフクラブ、特にパターのヘッ
ド材として好適なタングステン合金の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、タングステン合金は弾心材などに
使われており、その製造方法として原料粉を圧縮成形し
た圧粉体を液相焼結する方法が公知である。弾心材に用
いられるタングステン合金は主にW(タングステン)−
Ni(ニッケル)−Fe(鉄)系の合金であり、タング
ステンの含有量は90〜98重量%程度である。ニッケ
ルや鉄は、焼結時に液相を生成して固相のタングステン
粒同士の接触粒界に侵入し、結合材として作用する。そ
れにより、焼結性や、得られた焼結体の機械的特性の向
上などに寄与する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記液
相焼結によるタングステン合金の製造は、タングステン
の含有量が90〜98重量%と高い場合には好適である
が、本発明者がゴルフクラブのヘッド材として開発を進
めているタングステン合金の場合には、以下の理由によ
り、不適である。
【0004】即ち、上記ヘッド材用のタングステン合金
は、少なくとも、40重量%以上100重量%未満のタ
ングステンと、不可避不純物として含有され得る量を超
える量のニッケルと、を含む組成である。従って、タン
グステンの含有量が40重量%のような比較的低い組成
で液相焼結を行なうと、生成する液相の量が多すぎて圧
粉体の成形形状を保持することができず、変形してしま
うからである。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、タングステン
含有量の比較的低い範囲までも包含する組成のタングス
テン合金で、ゴルフクラブ、特にパターのヘッド材等と
して好適なタングステン合金の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、液相焼結に代えて固相焼結を行なうこ
とが有効であると考え、タングステンとニッケルの組成
比を変えて固相焼結を行い得る焼結条件の検討を行っ
た。その結果、固相焼結を効果的に行い得る焼結温度範
囲が明らかとなった。また、焼結時に液相を生成させな
いためには、固相焼結温度までの昇温速度を速くし過ぎ
ないことが重要であるとの知見も得た。さらに、タング
ステン合金の硬さを下げる作用のある銅(Cu)や鉄を
添加する場合のために、それらの添加量に応じて変化す
る液相生成温度を容易に推定し得る関係式があると便利
であると考え、関係式の導出を行った。
【0007】本発明は、上記知見等に基づき成されたも
ので、少なくとも、40重量%以上で且つ100重量%
未満の含有量のタングステンと、不可避不純物として含
有され得る量を超え且つ60重量%以下の含有量のニッ
ケルと、を含んでなるタングステン合金を焼結により製
造するにあたり、非酸化性雰囲気下で固相焼結温度に保
持して焼結することを特徴とする。
【0008】また、0.1重量%以上で且つ3.0重量
%以下の含有量となる銅及び0.1重量%以上で且つ
1.0重量%以下の含有量となる鉄の少なくとも一方を
添加して焼結してもよい。
【0009】さらに、前記固相焼結温度に達するまでの
昇温速度が100℃/分未満であることを特徴とする。
【0010】さらにまた、ニッケルの含有量をXNi重量
%、銅の含有量をYCu重量%、鉄の含有量をZFe重量%
とする時、前記固相焼結温度は、次式: T=(1510×XNi−500×YCu−65×ZFe)/XNi ・・・・(1) より求まる温度Tよりも低い温度であることを特徴とす
る。ここで、Tは推定される液相生成温度である。但
し、本発明に係る製造方法により製造されるタングステ
ン合金は銅や鉄を含有しない場合もあるので、YCuやZ
Feは“0”になる場合もあり、そのような場合でも上記
(1)式は有効である。
【0011】本発明に係る製造方法により製造されるタ
ングステン合金が上記組成であるのは、以下の理由によ
る。即ち、本発明に係るタングステン合金は、タングス
テンとニッケルの割合を変えることにより合金の比重が
パターのヘッド材として好適な11.3〜19.2の範
囲内で任意に調整され得るものである。従って、タング
ステンの含有量が40重量%に満たないと、合金の比重
が上記好適な範囲よりも小さくなってしまうからであ
る。一方、タングステンの含有量が100%であると、
焼結性が極めて悪くなってしまう。また、ニッケルが不
可避不純物量を超えて含有されていればよいのは、その
含有量が微量であっても、焼結温度を工業上採用可能な
温度、タングステンとニッケルとの共晶温度である15
10℃よりも低温に設定することができるからである。
【0012】また、銅や鉄を添加するのは、その添加に
よりタングステン合金の硬さの低下がもたらされ、切削
や機械研磨等の加工性が改善されるからである。それら
銅又は鉄の含有量は、特に限定されないが、好ましくは
0.1重量%以上3重量%以下であり、より好ましくは
鉄の含有量は1重量%以下であるとよい。銅や鉄の含有
量が下限値に満たない場合には、タングステン合金の硬
さが殆ど低下しないからである。銅の含有量が上限値を
超えると焼結時の緻密化が妨げられ、また鉄の含有量が
上限値を超えると錆が生じる虞があるからである。
【0013】固相で焼結を行なうのは、焼結時の変形を
防ぐためである。そして、固相焼結を実施するには、焼
結温度を液相生成温度よりも数℃から十数℃程度低く設
定するとともに、固相焼結温度に達するまでの昇温速度
を上記範囲の速度とする必要がある。即ち、昇温速度が
上記範囲から逸脱して速くなると、昇温過程で液相が生
成してしまうからである。本発明者の行った実験によれ
ば、昇温速度が100℃/分の時に液相の生成が起こり
(後述する比較例3に相当)、80℃/分の時には液相
の生成が起こらない(後述する実施例4に相当)という
結果が得られており、昇温速度の適正範囲はその実験結
果に基づいて決められている。
【0014】また、固相焼結を行なう際の非酸化性雰囲
気とは、水素雰囲気、アルゴン(Ar)等の不活性雰囲
気、真空雰囲気など、焼結時にタングステン合金を酸化
させない雰囲気のことである。
【0015】上記(1)式の導出にあたっては、合金の
液相生成温度は、銅や鉄を含まない場合には約1510
℃(タングステンとニッケルの共晶温度)であり、銅や
鉄を含む場合には、ニッケルに対する銅や鉄の添加量の
割合に応じて液相生成温度が下がると仮定した。そし
て、タングステンの含有量を一定にし、銅の添加量を
0.1〜3.0重量%で変化させ、残りをニッケルとし
て実験を行い、実際の液相生成温度を求めた(後述する
実施例11〜14に相当)。同様にして、鉄の添加量を
0.1〜1.0重量%で変化させて実験を行い(後述す
る実施例15,16に相当)、さらに、銅と鉄の両方を
含む場合についても実験を行い(後述する実施例17,
18に相当)、それらの結果より、ニッケルに対する銅
の添加量や鉄の添加量の各係数を算出し、上記(1)式
を得た。
【0016】なお、本発明者の行った他の実験によれ
ば、焼結温度が1300℃の時には、上述した範囲内の
比重(11.3〜19.2)を得るのに焼結を100時
間行わなければならず(後述する比較例2に相当)、工
業的な生産には長すぎて不適であるとの結果が得られて
いる。一方、焼結温度が1350℃の時には、20時間
の焼結で済み(後述する実施例8に相当)、工業的な生
産に適しているとの結果も得られており、それらを考慮
すると、焼結温度は1300℃を超えていればよいが、
好ましくは1350℃以上であるのがよい。
【0017】
【作用】上記した手段によれば、上記組成のタングステ
ン合金を固相焼結温度に保持して焼結するため、焼結時
に液相を生じることなく、タングステンとニッケルとそ
の他の銅や鉄元素は相互に固相拡散するので、液相焼結
では焼結時に変形してしまうような比較的タングステン
の含有量の低い合金を、その形状を保持したまま焼結す
ることができる。
【0018】また、焼結を行なう際に、固相焼結温度に
達するまでの昇温速度を上記適正範囲内の速度にするこ
とにより、昇温過程で液相が生成するのが防止され、固
相状態で焼結が行われる。
【0019】さらに、上記(1)式より、タングステン
とニッケルの他に銅や鉄を含む種々の組成の合金におけ
る液相生成温度Tが推定される。固相焼結温度は、その
推定される液相生成温度Tよりも低ければよいので、固
相焼結温度の上限値を容易に知ることができる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴とするところを明らかとする。各実施例及び各比較
例においては、先ず、タングステン粉末(純度:99.
99%)、ニッケル粉末、銅粉末、及び鉄粉末の中か
ら、所望の組成を成すタングステン合金の焼結体が得ら
れるように、適当量の粉末を選択してミキサーで混合し
た。そして、各混合粉末を冷間等方圧成形(CIP成
形)法により2.0ton/cm2の圧力で圧縮成形し、得ら
れた各成形体を非酸化性雰囲気中で固相焼結して各焼結
体を得た。得られた各焼結体について、比重(アルキメ
デス法)とビッカース硬さ(JIS Z 2244)を測
定するとともに、水道水に1週間浸漬して耐食性を調べ
た。
【0021】(実施例1〜18)表1に、実施例1〜1
8で得られた各焼結体の組成、焼結温度までの昇温速
度、上記(1)式から求まる液相生成温度Tの算出温
度、実際の焼結温度、焼結時間(前記焼結温度に保持し
ていた時間)、焼結時の雰囲気、比重、ビッカース硬
さ、及び得られた焼結体の形状状態を示す。
【表1】
【0022】表1より、本発明に係る製造方法により製
造した実施例1〜18の各焼結体においては、何れも比
重が11.3〜19.2の適正範囲に納まっているとと
もに、硬さも適度であり、さらに焼結後の形状も変形せ
ずに良好であることがわかる。
【0023】また、実施例2〜4より、還元性の水素雰
囲気、不活性なアルゴン雰囲気又は真空雰囲気の何れの
雰囲気であっても、焼結直後の焼結体に錆の発生は認め
られず、また比重や硬さへの影響もなく、焼結時の雰囲
気として好適であることがわかる。なお、焼結直後に錆
が発生していないのは、実施例2〜4に限らず、その他
の実施例及び比較例においても同じである。
【0024】さらに、実施例4より、焼結温度までの昇
温速度が80℃/分であっても焼結体の形状は良好であ
るため、焼結時に液相の生成が起こらず、固相焼結を行
なうことができるのがわかる。
【0025】さらにまた、実施例6では焼結温度150
0℃の時の焼結時間が1時間であり、実施例7では焼結
温度1400℃の時の焼結時間が5時間であり、実施例
8では焼結温度1350℃の時の焼結時間が20時間で
あることから、焼結温度が1350℃以上であれば工業
的な生産に適した焼結時間、例えば20時間以内で焼結
を行なうことができるのがわかる。
【0026】(比較例1〜6)表2に、得られた各焼結
体の組成、焼結温度までの昇温速度、上記(1)式から
求まる液相生成温度Tの算出温度、実際の焼結温度、焼
結時間、焼結時の雰囲気、比重、ビッカース硬さ、及び
得られた焼結体の形状状態を示す。
【表2】
【0027】比較例1では、焼結温度が1520℃であ
り、上記(1)式から求まる液相生成温度Tの算出温度
1510℃を超えているため、焼結時に液相が生成して
しまい、焼結体は変形してしまった。
【0028】比較例2では、焼結温度が1300℃であ
り、上記(1)式から求まる液相生成温度Tの算出温度
1510℃に対して低すぎるため、焼結体が緻密化し難
く、適当な比重を得るのに極めて長時間を要してしま
い、工業的な生産には不適であった。
【0029】比較例3では、昇温速度が100℃/分で
あり、適正な速度よりも速すぎるため、昇温過程におい
て液相が生じてしまい、実際には液相焼結となって焼結
体は変形してしまった。
【0030】比較例4では、タングステンの含有量が3
0.0重量%であり、パターのヘッド材として好適な比
重範囲である11.3〜19.2を得るのに適したタン
グステン含有量よりも低すぎるため、得られた焼結体の
比重が小さすぎ、パターのヘッド材としては不適であっ
た。
【0031】比較例5では、銅の含有量が10.0重量
%であり、適正量よりも多すぎるため、焼結時に緻密化
が妨げられて得られた焼結体の比重が小さすぎるだけで
なく、焼結時間も長すぎ、不適であった。
【0032】比較例6では、鉄の含有量が10.0重量
%であり、適正量よりも多すぎるため、上述したように
水道水に焼結体を浸漬して腐食試験を行った結果、錆が
発生してしまった。なお、本比較例6を除く他の実施例
1〜18及び比較例1〜5では、腐食試験の結果、錆の
発生は認められなかった。
【0033】以上、詳述したように、上記実施例1〜1
8及び比較例1〜6より、タングステンの含有量が40
重量%以上100重量%未満で残りがニッケル、或はそ
れに銅や鉄を添加したタングステン合金を、非酸化性雰
囲気下で、昇温過程で液相が生成しないような適正な昇
温速度で固相焼結温度まで昇温して保持することによ
り、固相状態で焼結することができるのがわかる。従っ
て、タングステンの含有量が比較的低い合金でもその形
状を保持したまま焼結することができる。
【0034】なお、本発明は、上記各実施例により何等
制限されるものではない。例えば、タングステンの含有
量は40重量%以上で且つ100重量%未満であり、ニ
ッケルの含有量は不可避不純物として含有され得る量を
超え且つ60重量%以下であればよい。また、銅や鉄や
モリブデンの含有量も上記各実施例の量に限定されない
のはいうまでもない。
【0035】さらに、固相焼結温度までの昇温速度も1
00℃/分未満、好ましくは80℃/分以下であり、昇
温過程において液相が生成されなければ、上記各実施例
の速度に限定されないのはいうまでもない。
【0036】さらにまた、本発明に係る製造方法により
製造されるタングステン合金は、パターに限らず、アイ
アンなどの他のゴルフクラブのヘッド材にも適用可能で
あるし、ゴルフクラブ以外にも他のスポーツ用品や文房
具や機械部品や建設資材など、金属製品一般の材料とし
ても有用であるのは勿論である。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るタングステン合金の製造方
法によれば、昇温過程で液相が生成しないような適正な
昇温速度で固相焼結温度まで昇温し、固相焼結温度で保
持してタングステン合金を固相焼結するため、比較的タ
ングステンの含有量の低い合金でもその形状を保持した
まま焼結することができる。また、銅や鉄を含む場合の
液相生成温度が上記(1)式より推定されるので、それ
ら銅や鉄を添加した合金の固相焼結温度を容易に決める
ことができる。
【0038】従って、タングステン含有量の比較的低い
範囲までも包含する組成のタングステン合金で、ゴルフ
クラブ、特にパターのヘッド材等として好適なタングス
テン合金を容易に製造し、提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、40重量%以上で且つ10
    0重量%未満の含有量のタングステンと、不可避不純物
    として含有され得る量を超え且つ60重量%以下の含有
    量のニッケルと、を含んでなるタングステン合金を焼結
    により製造するにあたり、非酸化性雰囲気下で固相焼結
    温度に保持して焼結することを特徴とするタングステン
    合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 0.1重量%以上で且つ3.0重量%以
    下の含有量となる銅及び0.1重量%以上で且つ1.0
    重量%以下の含有量となる鉄の少なくとも一方を添加し
    て焼結することを特徴とする請求項1記載のタングステ
    ン合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記固相焼結温度に達するまでの昇温速
    度が100℃/分未満であることを特徴とする請求項1
    又は2記載のタングステン合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 ニッケルの含有量をXNi重量%、銅の含
    有量をYCu重量%、鉄の含有量をZFe重量%とする時、
    前記固相焼結温度は、次式: T=(1510×XNi−500×YCu−65×ZFe)/
    XNi より求まる温度Tよりも低い温度であることを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載のタングステン合金の製造方
    法。
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