JPH07216782A - 耐熱高収縮紙 - Google Patents

耐熱高収縮紙

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JPH07216782A
JPH07216782A JP1350094A JP1350094A JPH07216782A JP H07216782 A JPH07216782 A JP H07216782A JP 1350094 A JP1350094 A JP 1350094A JP 1350094 A JP1350094 A JP 1350094A JP H07216782 A JPH07216782 A JP H07216782A
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紀幸 大沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂或いはワニスを含浸する電気絶縁紙におい
て、電気絶縁紙間や電気絶縁紙と導体との間に空気が取
り込まれて、信頼性が低下する問題やこのために人手を
かけて製造コストが上昇するという問題を解決する。 【構成】芳香族ポリアミドフィブリッドと耐熱性短繊維
と全体に対し20重量%以下5重量%以上のポリエステ
ル短繊維からなり、180℃における熱収縮率が2.0
%以上であること特徴とする耐熱性収縮紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気絶縁用途に使用す
る新規な耐熱高収縮紙に関するものである。更に詳しく
は、高収縮性を利用して製造工程の合理化と信頼性の向
上に寄与し得る電気絶縁用途に有用な耐熱高収縮紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、H種グレ−ドの耐熱性のある電気
絶縁紙としては芳香族ポリアミド紙が使用されている。
また、電気絶縁用途では、例えば、モールドトランスの
ように樹脂含浸や或いは巻線用のようにワニス含浸され
て使用される場合が多い。
【0003】電気絶縁紙を導線に巻く場合は、通常オー
バーラップして多層に巻く場合が多いが、この場合、多
層間で空気層を含まないように製造工程では細心の注意
が必要である。また、樹脂やワニスを含浸させる場合
は、真空含浸法で多層間或いは導体と絶縁紙との間に空
気が取り込まれないように工夫して、製造工程では細心
の注意を払わなければない。電気絶縁紙間や電気絶縁紙
と導体との間に空気が含まれると、高電圧がかかった場
合にコロナ放電が発生し、絶縁破壊の事故の原因となる
ので、製造工程では重要な管理項目となっている。この
ため人手をかけて作業を入念に実施したり、工数をかけ
て十分検査することが必要となり、製造コストの上昇に
つながったり、また、製品の信頼性が落下するといった
問題点があった。
【0004】この問題の解決手段として本発明者らが特
開平4−257398号で提案した耐熱高収縮紙を使用
するという方法がある。この耐熱高収縮紙は250℃と
いった高温度では収縮率は確かに大きいが、そのような
高温度では紙は劣化しないものの樹脂やワニスが劣化し
てしまうという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
或いはワニスが含浸される電気絶縁紙として用いる場合
において、電気絶縁紙間や電気絶縁紙と導体との間に空
気が取り込まれて信頼性が低下する問題や、このために
人手をかけて製造コストが上昇するという問題を解決し
た、新規な耐熱高収縮紙を提供することにある。更に、
現実的に樹脂やワニスが劣化しない温度範囲での使用が
可能な耐熱高収縮紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するものであって、芳香族ポリアミドフィブリッド
(A)と耐熱性短繊維(B)とポリエステル短繊維
(C)とからなり、かつ、ポリエステル短繊維(C)の
混率が5〜20重量%であり、180℃における熱収縮
率が2.0%以上であることを特徴とする耐熱高収縮紙
である。
【0007】以下、本発明に係る耐熱高収縮紙の構成に
ついて詳述する。
【0008】本発明の耐熱高収縮紙は、実質的に芳香族
ポリアミドフィブリッド(A)と耐熱性短繊維(B)及
びポリエステル短繊維(C)にて構成される。
【0009】本発明でいう芳香族ポリアミドとしては、
(a)芳香族環を有するジカルボン酸クロライドと芳香
族環を有するジアミンとの縮合ポリアミド、(b)芳香
族環を有するアミノカルボン酸を縮合してなる縮合ポリ
アミド、および(c)前記(a)(b)を共重合したポ
リアミド、などが挙げられる。
【0010】本発明の高収縮紙を構成する芳香族ポリア
ミドのフィブリッド(A)は、公知のものでよく、例え
ば芳香族ポリアミド溶液を攪拌されつつある水性凝固浴
中にて沈殿させるいわゆる溶液剪断法により得られるパ
ルプ状粒子(特公昭35−11851号公報、特公昭3
7−5732公報参照)である。本発明では特にポリ
(m−フェニレンイソフタラミド)のフィブリットが好
ましい。
【0011】一方、耐熱性短繊維(B)としては、長期
耐熱性が180℃以上のH種グレードのもので導電性の
無いものであれば特に限定されないが、適当な耐熱性短
繊維として芳香族ポリアミド短繊維やポリエーテルエー
テルケトン短繊維等が例示される。耐熱性短繊維として
芳香族ポリアミド短繊維を用いる場合は、ポリ(m−フ
ェニレンイソフタラミド)短繊維が好ましい。短繊維の
形態としては、単糸繊度20デニール以下、繊維長3〜
20mmの範囲のものが好ましい。また、芳香族ポリア
ミド短繊維は、延伸倍率が2.5倍以上で延伸し本質的
な熱セットを施していない配向未結晶化短繊維が有利で
ある。延伸倍率が2.5倍未満であったり、延伸後熱セ
ットして結晶化させたものでは高収縮紙を得ることは難
しい。
【0012】他の耐熱性短繊維として、ポリエーテルエ
ーテルケトン繊維を用いる場合も、延伸倍率が2.5倍
以上で延伸し本質的な熱セットをしていない配向未結晶
化短繊維がよい。この場合も、短繊維の形態としては、
単糸繊度20デニール以下、繊維長3〜20mmの範囲
のものが好ましい。
【0013】一方、ポリエステル短繊維(C)は、公知
の脂肪族ジカルボン酸を二塩基酸成分として脂肪族、脂
環族または芳香族グリコールあるいはポリエチレングリ
コールの如きポリオキシアルキレングリコールをグリコ
ール成分とするポリエステルからなる短繊維である。こ
れら二塩基酸成分またはグリコール成分をそれぞれ1種
あるいは2種以上組み合わせた共重合ポリエステルの繊
維でもよい。特に好ましい例としては、ポリエチレンテ
レフタレート系繊維であって延伸未熱セット短繊維をあ
げることが出来る。また、この繊維は通常の添加剤を含
有してもよい。
【0014】すなわち、ポリエステル短繊維(C)とし
てはポリエチレンテレフタレート短繊維が好ましい。ポ
リエステル短繊維の形態としては、単糸繊度20デニー
ル以下、繊維長3〜20mmの範囲のものが好ましい。
【0015】ポリエステル短繊維としては延伸倍率が
2.5倍以上で延伸した後本質的な熱セットをしていな
い配向未結晶化短繊維がよい。延伸倍率は単糸切れが発
生しない範囲で高い程望ましい。また、ポリエステル短
繊維の重合度は溶融紡糸が可能な範囲で高い程望まし
い。
【0016】本発明では紙を構成する上記の芳香族ポリ
アミドフィブリット(A)、耐熱性短繊維(B)および
ポリエステル短繊維(C)の合計に対するポリエステル
短繊維(C)の割合が5〜20重量%の範囲内であるこ
とが必要である。
【0017】ポリエステル短繊維が20重量%を超える
と紙の耐熱性グレードが低くなり、一方5%重量未満の
場合は紙の180℃における熱収縮率を2.0%以上に
することが困難になる。本発明で好ましいポリエテル短
繊維の混率は5〜15%の範囲である。また、芳香族ポ
リアミドフィブリット(A)、耐熱性短繊維(B)、ポ
リエステル短繊維(C)の混率(重量%)は、(A)が
70〜30%、(B)が10〜65%、(C)が20〜
5%を占めるようにすることが好ましい。換言すれば、
(A)/(B)/(C)=70/10/20〜30/6
5/5の重量比がよい。
【0018】芳香族ポリアミドフィブリットが70重量
%を越える場合は紙の180℃における熱収縮率を2.
0%以上にすることが困難になる。一方、芳香族ポリア
ミドフィブリットが30重量%未満の場合は、得られる
耐熱高収縮紙の強度が小さく実用性が小さい。
【0019】本発明の耐熱高収縮紙は、上記の芳香族ポ
リアミドフィブリット(A)、耐熱性短繊維(B)、ポ
リエステル短繊維(C)を所定割合で混合し、これを水
中に分散させたスラリーを通常の方法で湿式抄造し、し
かるのち乾燥し、必要に応じてカレンダー加工する方法
により製造される。カレンダー加工の温度範囲は150
℃以下、望ましくは100℃以下が採用される。
【0020】かくして得られる本発明の耐熱高収縮紙
は、後述の方法で測定した180℃における熱収縮率が
2.0%以上という特性を有する。
【0021】180℃における熱収縮率が2.0%未満
の場合は、樹脂或いはワニスを含浸してキュアする時の
熱収縮率が小さいため、空気が取り込まれ易く本発明の
効果を発揮出来ない。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る耐熱高収縮紙は次の効果を
有する。即ち、樹脂或いはワニスを含浸される電気絶縁
紙においてキュア製造工程中に受ける熱処理により紙が
収縮しようとする力により紙層間や、紙層と導体との間
の空気が系外に逃げやすくなるため、製造工程の作業性
の向上や製品の信頼性の向上の効果がある。
【0023】かくして、本発明の耐熱高収縮紙は、18
0℃における熱収縮率が2.0%以上で、製造工程の合
理化と樹脂あるいはワニスを含浸工程させた最終製品の
信頼性が高い電気絶縁紙として有用である。
【0024】
【実施例】以下本発明の耐熱高収縮紙の実施例を示す。
ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されないこ
とはいうまでもない。
【0025】実施例における各測定値は以下の方法で評
価したものである。 (1)坪量:JIS P8124に準じて測定した。 (2)厚さ:JIS C2111の7により測定した。 (3)密度:JIS C2111の6.1により測定し
た。 (4)引張強さと伸び:定速伸長型引張試験機を用い、
JIS C2111の7により測定した。 (5)絶縁破壊強さ(BDV):JIS C2111の
18.1により測定した。 (6)熱収縮率:熱風乾燥機の温度を180℃に保ち、
サンプルを熱風乾燥機の内部にフリー状態で60分間放
置し、収縮前後の寸法から次式で計算で算出した。 {(収縮前長さ−収縮後長さ)/収縮前長さ}×100
(%)
【0026】[実施例1〜5]ポリ(m−フェニレンイ
ソフタラミド)から公知の溶液剪断法によりフィブリッ
ドを作成し、このフィブリッドをパルパー、高速離解
機、ディスクリファイナーを使用してスラリー濃度0.
3重量%でカナディアン標準濾水度110mlの水性ス
ラリーを調製した。
【0027】一方、ポリ(m−フェニレンイソフタラミ
ド)短繊維として、湿式紡糸で得られた未延伸糸を冷延
伸法および沸水中で種々の倍率で延伸し、熱セットは行
わずに、単糸繊度3デニール、繊維長6.0mmの短繊
維を得た。
【0028】更に、ポリエチレンテレフタレート短繊維
として、オルソクロロフェノール溶液で測定した極限粘
度が0.95の溶融紡糸で得られた未延伸糸を5.5倍
で延伸し、熱セットは行わず、単糸繊度4デニール、繊
維長5.0mmの短繊維を得た。
【0029】前記フィブリッドスラリーとポリ(m−フ
ェニレンイソフタラミド)短繊維とポリエチレンテレフ
タレート短繊維とを表1に示す割合(固形分の重量%)
で混合し、均一な抄紙用スラリーを調製した。
【0030】次に、タッピー式角型手抄機を用いて該抄
紙用スラリーを抄紙し、ロータリー式乾燥機で100℃
の温度で乾燥し、所定の坪量の乾燥紙を得た。
【0031】得られた乾燥紙をそのまま評価した。更
に、常温でスチール/スチールのニップのカレンダ−
で、線圧200kg/cmでカレンダ−加工を実施し評
価した。その結果をまとめて表1に示す。
【0032】他の実施例として、溶融紡糸して得られた
ポリエーテルエーテルケトン繊維を3.0倍に延伸し未
熱セットで、単糸繊度2.5デニール、繊維長6.0m
mの短繊維を得て、上記と同様な方法でカレンダ−紙を
得た(実施例5)。その結果も表1に併記する。
【0033】
【表1】
【0034】
【比較例1〜5】比較例として芳香族ポリアミドフィブ
リットと芳香族ポアミド短繊維とを混合抄造する以外は
実施例1と同様に実施した場合(比較例1)、実施例1
においてポリエステル短繊維成分を30重量%とした場
合(比較例2)ならびに市販の芳香族ポリメタフェニレ
ンイソフタルアミド紙の抄上紙(比較例3)とカレンダ
−紙(比較例4)について評価した結果を表2に示す。
【0035】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドフィブリッド(A)と
    耐熱性短繊維(B)とポリエステル短繊維(C)とから
    なり、かつ、ポリエステル短繊維(C)の混率が5〜2
    0重量%であって、180℃における熱収縮率が2.0
    %以上であることを特徴とする耐熱高収縮紙。
  2. 【請求項2】 耐熱性短繊維(B)が芳香族ポリアミド
    短繊維の延伸未熱セット短繊維であり、ポリエステル短
    繊維(C)が延伸未熱セットポリエステル短繊維である
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱高収縮紙。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミドフィブリッド(A)と
    耐熱性短繊維(B)とポリエステル短繊維(C)の混率
    (重量%)が、(A)70〜30%、(B)10〜65
    %、(C)20〜5%であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の耐熱高収縮紙。
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