JPH07217713A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JPH07217713A
JPH07217713A JP1010594A JP1010594A JPH07217713A JP H07217713 A JPH07217713 A JP H07217713A JP 1010594 A JP1010594 A JP 1010594A JP 1010594 A JP1010594 A JP 1010594A JP H07217713 A JPH07217713 A JP H07217713A
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JP
Japan
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braking
wheel
fluid pressure
pulley
continuously variable
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JP1010594A
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Inventor
Yoshihisa Anpo
佳寿 安保
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低μ路面の制動時に発生する車輪速の大きな減
速度に伴い,無段変速機に与えられる慣性トルクの増大
がベルトの回転移動力として作用した結果、当該ベルト
がプーリとの間で滑るのを抑制防止する。 【構成】ブレーキペダルが踏込まれてブレーキペダルス
イッチ等のブレーキセンサ信号がON状態となると、ラ
イン圧調整用電磁弁ソレノイドの制御信号のデューティ
比を0%に変更制御し、これによりピストン化され且つ
相対移動可能なプーリ片に供給されるライン圧を一時的
に増加して当該プーリのベルトを挟持する挟持力を増加
し、前記慣性トルクの増大に伴ってベルトがプーリとの
間で滑るのを抑制防止する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の制御装置に
関するものであり、特に氷雪路面や濡れたタイル路面等
のような低摩擦係数状態(この摩擦係数状態を単にμと
も記す)路面での急制動時に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】ベルトとプーリとの接触点半径を変化さ
せる,所謂プーリ比を変化させることで入出力の変速比
を変更制御するベルト式無段変速機にあっては、その性
能上,昨今のトルクコンバータ及び歯車伝達機構を用い
た自動変速機とその出力側との間に介装されているワン
ウエイクラッチのような動力伝達方向規制手段を介装し
ないのが好ましいとされている。ここでは、ベルト式無
段変速機より上流側,つまり機関(エンジン)側を入力
側,下流側,即ちプロペラシャフトやディファレンシャ
ル装置等の動力伝達系及び車輪側を出力側と定義する。
このようなベルト式無段変速機の前記プーリ比の変更制
御には、通常,流体圧や電子制御された機械的機構等が
用いられており、具体的にはピストン化された可動プー
リ片(可動円錐板)を固定プーリ片(固定円錐板)に対
して相対移動させることで,両者の間に形成されるプー
リ溝の幅を変更制御する。ここで、この種の無段変速機
のうち,本出願人が先に提案した特開昭61−1053
53号公報に記載される無段変速機及びその制御装置を
引用すると、当該無段変速機の変速比を制御するために
は主としてステッピングモータが使用されており、この
ステッピングモータの回転角を制御することで可動プー
リ片(可動円錐板)と固定プーリ片(固定円錐板)との
間に形成されるプーリ溝の幅を変更制御するようにして
いる。その一方で、ピストン化された可動プーリ片(可
動円錐板)には,所定の流体圧,具体的には油圧が付与
されており、この油圧によって両プーリ片(両円錐板)
間に介在し且つ回転移動するベルトを挟持すると共に,
伝達される回転駆動力(トルク)に変動が生じても前記
プーリ溝の幅が変化しないようにしている。なお、更に
前記特開昭61−105353号公報に記載される無段
変速機及びその制御装置に着目すると、入力側及び出力
側のプーリのうち,特に出力側のプーリ(以下,単にセ
カンダリプーリとも記す)の可動プーリ片(可動円錐
板)には,例えば基準となるライン圧に,スロットルバ
ルブの開度(以下,単にスロットル開度とも記す)の大
きさに応じたスロットル圧を加えた流体圧,即ち油圧が
供給されており、入力側から出力側に伝達される回転駆
動力(トルク)に応じて,当該ベルトが滑らないだけの
挟持力が当該セカンダリプーリの両プーリ片間に発生す
るようにしてある。
【0003】一方、一般にこの種の無段変速機では、そ
の変速比を制御するための変速パターンは,車速と機関
回転数又は機関回転速度(以下,これらを総称して機関
回転状態とも記す)とに依存しており、具体的には例え
ば車速と前記スロットル開度等とを変数として変速パタ
ーンを制御している。従って、制動中はスロットル開度
が低減しているから実際の機関回転状態に関わらず,無
段変速機の変速パターンは或る一定の変速比に設定され
続けることも考えられる。なお、このようにスロットル
開度が低減し且つ車速が或る程度大きい場合を、通常の
変速パターンにおいてコースト状態,つまり惰性走行状
態に等しいと考えれば、前記制動中の変速パターンで設
定され続けると考えられる或る一定の変速比とは、実際
の車両の変速比において減速比が最も小さい状態にな
る。
【0004】ここで、通常の乾燥したアスファルト路面
やコンクリート路面のような高摩擦係数状態(以下,単
にμとも記す)路面において、車輪がロックする程度の
急制動,所謂急ブレーキを行った場合を想定する。この
ような高μ路面における急ブレーキでは,通常の回転状
態から車輪がロックするまでの当該車輪の減速度は非常
に大きく、タイヤと路面とのグリップ力が大きいため
に,車体速の減速度も非常に大きく、前記検出される車
速は急激に減少する。従って、前述のように制動直前の
変速比は車両減速比で比較的小さい状態であるから、前
記無段変速機の変速比制御では,その変速比はこの急制
動中に急激に大きくなると考えられる。ところが、この
ように急ブレーキの作動中は無段変速機の変速比が急激
に大きくなり、然る後,アクセルペダルの踏込みを行う
と、駆動輪に急激な駆動力が負荷されるために車両の走
行安定性が損なわれる虞れがある。
【0005】このような問題を解決するために本出願人
は、先に特開平4−254054号公報に記載される無
段変速機の制御装置を提案した。この無段変速機の制御
装置によれば、前述のような急ブレーキ操作が行われる
と、無段変速機の変速比は,その直前の変速比,つまり
比較的小さな変速比に固定され、然る後,急ブレーキ操
作が解除されて駆動輪の回転が開始されるとこの変速比
の固定を解除する。従って、急ブレーキ操作によっても
駆動輪が回転している限り,変速比は小さな変速比に固
定されるから、この急ブレーキ操作の直後にアクセルペ
ダルの踏込みを行って駆動輪に駆動力が付与されても,
少なくともその瞬間に走行安定性が損なわれる虞れがな
い。また、急ブレーキ操作によって車両が停止した後
に,アクセルペダルの踏込みを行って車両を発進させる
と、駆動輪の回転に伴って,前記変速比固定制御が解除
されるから、無段変速機は当該発進直後の車速,つまり
小さな車速に応じた大きな変速比に変速制御され、十分
な回転駆動力を駆動輪に伝達してスムーズな発進を可能
とする。なお、前記変速比固定制御の解除は,単に駆動
輪の回転速度とか回転数といった駆動輪回転状態のみに
応じて実行されると考えてよく、具体的にこの駆動輪回
転状態値が“0”から正方向に増加した瞬間にこの変速
比固定制御が解除される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】それでは、前記特開平
4−254054号公報に記載される無段変速機の制御
装置による変速比制御を,氷雪路面や濡れたタイル路面
等の低μ路面で子細に考察してみる。ここでは、制動系
に既存のアンチスキッド制御装置を搭載しない車両を想
定する。
【0007】このような低μ路面ではタイヤと路面との
間の摩擦係数状態も小さいから、当該低μ路面でタイヤ
に制動力が付与されると車輪はロックし易く、自動車工
学に言うスリップ率が大きくなる。現今のタイヤ特性で
はスリップ率が10〜30%程度の範囲内で操舵や駆動
・制動に関与するタイヤのグリップ力(摩擦力と等価で
ある)は確保されるから、これよりも車輪の実際のスリ
ップ率(以下,単に実スリップ率とも記す)が大きくな
ることは舵取り効果や制動距離の確保が困難になること
になる。逆に言えば、このタイヤのグリップ力を確保で
きる車輪のスリップ率の範囲を目標スリップ率とし、こ
の目標スリップ率に対して,車体速,即ち車速から算出
される当該目標スリップ率を満足する車輪速の範囲を目
標車輪速とすれば、この目標車輪速の範囲内に実際の車
輪速が納まっていることが車両としての舵取り効果や制
動距離を確保できることになる。このとき、実スリップ
率が前記目標スリップ率の範囲を越えて大きいというこ
とは、前述のようにタイヤのグリップ力そのものが低下
していると考えてもよいことになる。
【0008】このことを、前記特開平4−254054
号公報に記載される無段変速機の制御装置において、制
動系の大きな制動力が車輪に付与されている状態にあて
はめてみる。このとき、制動系の車輪への大きな制動力
に抗して,当該車輪を回転させる入力は、アクセルペダ
ルの踏込みがない限り,あくまでも路面にグリップして
いるタイヤが走行慣性による車体速(車速)に追従する
ように車輪を回転させる入力のみである。
【0009】しかし、このような無段変速機の実際の変
速及び動力伝達系の出力側端である車輪を,タイヤのグ
リップ力と車体速とで回転させる場合、この間,前述の
ようにスロットル開度が低減していると共に,当該無段
変速機の変速比は,急制動直前の変速比に固定されてし
まっているために、この車輪を回転させる入力は無段変
速機の入力側にまで回転変動として伝達されてしまう。
ここで、出力側に前記ワンウエイクラッチのような動力
伝達方向規制手段を持たない無段変速機では、車輪を回
転させるために必要な車輪からの入力伝達系は,その末
端に当該無段変速機の回転系が持つ慣性重量を備えてい
ると言える。これを、路面から車輪に入力される回転駆
動力(つまり路面が車輪を回転させる駆動力であること
から車輪への路面回転駆動力とも記す)の入力伝達系で
考えれば、当該路面回転駆動力と制動力との偏差から発
生する駆動輪の車輪速の減速度(厳密には車輪速が減速
すること自体)は,前記変速比固定制御された無段変速
機に対して慣性トルクの変動を付与することになる。こ
れは、前記実車輪速が前記目標車輪速の範囲にあるか,
若しくはそれよりもやや小さい程度の範囲内で、当該車
輪(駆動輪)がロック傾向を示す,即ち車輪速の減速度
が大きくなるに従って,無段変速機に与える慣性トルク
は大きくなると考えてよい。
【0010】ここで、前記路面回転駆動力は,前記変速
比固定制御された無段変速機の出力側から入力側まで伝
達されるから、前記低μ路面での急制動時に駆動輪速の
減速度が大きくなるに従って大きくなる慣性トルクは,
ベルトの回転移動を阻止しようとする大きな回転移動
(阻止)力として作用することになり、しかもスロット
ル開度が低減していると考えられる制動中は,前記特開
昭61−105353号公報に記載される無段変速機の
制御装置で出力側のプーリ(セカンダリプーリ)に与え
られている流体圧も低減していると考えられるから、当
該セカンダリプーリのベルト挟持力よりも前記ベルトに
与えられる回転移動力が大きくなって,当該ベルトがプ
ーリ片間で滑るという問題が発生する。これは、前記セ
カンダリプーリのベルト挟着力はあくまでも無段変速機
の入力側から出力側への回転駆動力(トルク)伝達に必
要な大きさであって、このように路面回転駆動力と制動
力との偏差から生じる駆動輪速減速度の増大によって無
段変速機の慣性トルクが大きくなることを想定していな
いためである。そして、このようにベルトに滑りが発生
すると,当該ベルトの耐久性が低下してしまう。
【0011】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、特に低μ路面での制動時に,車輪速(駆
動輪速)の大きな減速度が発生してもベルト−プーリ間
の滑りを抑制防止し、もってベルトの耐久性を向上する
ことができる無段変速機の制御装置を提供することを目
的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本件発明者は前記諸問題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,以下の知見を得て
本発明を開発した。即ち、前述のように低μ路面での制
動時を含めて,制動中に発生するベルトの滑りを抑制防
止するためには、例えばフットブレーキスイッチ等によ
って,制動系による車輪への制動が実行されたときに、
前記プーリへの供給流体圧を高めてベルトの挟持力を増
大すればよい。このとき、如何なる状況下でもベルトの
滑りを最大限に抑制防止するには、最も単純にあらゆる
制動時にプーリへの供給流体圧を最大限に増加してしま
えばよいことになる。ここで、プーリへの供給流体圧を
最大限まで増加することも,或る意味で当該流体圧を所
定増加量だけ増加することになろう。しかしながら、前
述のようにベルト−プーリ間に滑りが発生するのは,路
面−タイヤ間のグリップ力による回転駆動力(路面回転
駆動力)と制動力との偏差から発生する駆動輪速の減速
度が或る程度以上大きくなった場合だけであると考えれ
ば、如何なる制動時にもプーリへの供給流体圧を増加す
るのはエネルギ損であると言える。そこで、当該駆動輪
の減速度を検出し、この駆動輪速減速度が予め設定され
た所定値より大きい場合にのみ,前記プーリへの供給流
体圧を増加することにすれば、それは低μ路面における
急制動でタイヤがロックする或いはロック傾向にあるこ
とを判定することと等価であり、前記低μ路面での制動
時に発生するベルトの滑りを確実に抑制防止しながら,
エネルギ損を小さくすることができる。また、ベルトを
滑らせる慣性トルクの増大,即ち当該ベルトに与えられ
る回転移動(阻止)力は、前記駆動輪速の減速度の大き
さに依存していることから、前記プーリへの供給流体圧
の所定増加量を当該駆動輪速の減速度の大きさに応じて
設定すれば、当該プーリによるベルトの挟持力を必要な
だけ増大しながら前記エネルギ損を更に小さくすること
ができる。また、この駆動輪速の減速度が,前記路面回
転駆動力と制動力との偏差に依存していることから、具
体的には制動系の制動用流体圧を検出するなどしてこの
制動力の大きさを検出し、この制動力の大きさに応じて
前記プーリへの供給流体圧の所定増加量を設定すれば、
当該プーリによるベルトの挟持力を必要なだけ増大しな
がら前記エネルギ損をより一層小さくすることができ
る。
【0013】而して本発明のうち請求項1に係る無段変
速機の制御装置は図1の基本構成図に示すように、相対
的に移動可能な各対のプーリ片間に供給される流体圧を
増減調整して,当該対をなすプーリ片間に挟持されるベ
ルトの挟持力を変更制御可能な流体圧調整手段を備えた
無段変速機の制御装置であって、制動系による車輪への
制動が実行されたことを検出する制動検出手段と、前記
制動検出手段が制動の実行を検出したときに,前記プー
リ片間に供給される流体圧を所定増加量増加する信号を
前記流体圧調整手段に向けて出力する流体圧増加手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明のうち請求項2に係る無段変
速機の制御装置は図1の基本構成図に示すように、相対
的に移動可能な各対のプーリ片間に供給される流体圧を
増減調整して,当該対をなすプーリ片間に挟持されるベ
ルトの挟持力を変更制御可能な流体圧調整手段を備えた
無段変速機の制御装置であって、制動系による車輪への
制動が実行されたことを検出する制動検出手段と、車輪
回転の減速度を検出する車輪減速度検出手段と、前記制
動検出手段が制動の実行を検出し且つ前記車輪減速度検
出手段で検出された車輪回転減速度検出値が所定車輪回
転減速度値以上のときに,前記プーリ片間に供給される
流体圧を所定増加量増加する信号を前記流体圧調整手段
に向けて出力する流体圧増加手段とを備えたことを特徴
とするものである。
【0015】また、本発明のうち請求項3に係る無段変
速機の制御装置は図1の基本構成図に示すように、前記
請求項1に係る無段変速機の制御装置にあって,車輪回
転の減速度を検出する車輪減速度検出手段を備え、前記
流体圧増加手段は、前記車輪減速度検出手段で検出され
た車輪回転減速度検出値に応じて,前記プーリ片間に供
給される流体圧の所定増加量を設定することを特徴とす
るものである。
【0016】また、本発明のうち請求項4に係る無段変
速機の制御装置は図1の基本構成図に示すように、前記
請求項2に係る無段変速機の制御装置にあって,前記流
体圧増加手段は、前記車輪減速度検出手段で検出された
車輪回転減速度検出値に応じて,前記プーリ片間に供給
される流体圧の所定増加量を設定することを特徴とする
ものである。
【0017】また、本発明のうち請求項5に係る無段変
速機の制御装置は図1の基本構成図に示すように、制動
系の制動力を発生するための流体圧を検出する制動用流
体圧検出手段を備え、前記流体圧増加手段は、前記制動
用流体圧検出手段で検出された制動用流体圧検出値に応
じて,前記プーリ片間に供給される流体圧の所定増加量
を設定することを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明のうち請求項1に係る無段変速機の制御
装置では図1の基本構成図に示すように、例えば前記特
開昭61−105353号公報に記載される無段変速機
の制御装置にあっては,前記プーリ片間に供給される流
体圧のうちのスロットル圧とは個別に,当該プーリ片間
に供給される流体圧のうちのライン圧を増減調整できる
電磁弁等のアクチュエータを流体圧調整手段として設
け、一方、例えばフットブレーキスイッチ等の制動検出
手段で,制動系による車輪への制動が実行されたことを
検出し、この制動検出手段が制動系による車輪への制動
の実行を検出すると、前記流体圧増加手段から前記流体
圧調整手段に向けて前記プーリ片間に供給される流体圧
を所定増加量増加する信号が出力されるため、あらゆる
制動時にプーリへの供給流体圧が増加して当該プーリの
ベルトに対する挟持力が増加し、これにより低μ路面に
おける急制動でタイヤがロックする或いはロック傾向に
ある場合を含めて,前記路面回転駆動力と制動力との偏
差から発生する駆動輪の減速度の大きさがもたらすベル
トの回転移動(阻止)力に抗して、ベルト−プーリ間の
滑りを抑制防止することができる。
【0019】また、本発明のうち請求項2に係る無段変
速機の制御装置では図1の基本構成図に示すように、例
えば前記特開昭61−105353号公報に記載される
無段変速機の制御装置にあっては,前記プーリ片間に供
給される流体圧のうちのスロットル圧とは個別に,当該
プーリ片間に供給される流体圧のうちのライン圧を増減
調整できる電磁弁等のアクチュエータを流体圧調整手段
として設ける。一方、例えばフットブレーキスイッチ等
の制動検出手段で,制動系による車輪への制動が実行さ
れたことを検出し、また、前記車輪減速度検出手段は,
例えば駆動輪の車輪速変化量の微分値から車輪回転の減
速度を検出する。そして、前記流体圧増加手段は、前記
制動検出手段が制動系による車輪への制動の実行を検出
し且つ前記車輪減速度検出手段で検出された車輪回転減
速度検出値が所定車輪回転減速度値以上のときに,例え
ば当該駆動輪の車輪速は前記低μ路面で前記目標スリッ
プ率の範囲を満足する目標車輪速を越えて減速し、その
結果,当該駆動輪はロックする或いはロック傾向にある
と判定し、これに基づいて前記流体圧調整手段に向けて
前記プーリ片間に供給される流体圧を所定増加量増加す
る信号が出力されるため、低μ路面における急制動でタ
イヤがロックする或いはロック傾向にある場合にプーリ
への供給流体圧が増加して当該プーリのベルトに対する
挟持力が増加し、これにより前記路面回転駆動力と制動
力との偏差から発生する駆動輪の減速度の大きさがもた
らすベルトの回転移動(阻止)力に抗して、ベルト−プ
ーリ間の滑りを抑制防止することができると共に,エネ
ルギ損を小さくすることができる。
【0020】また、図1の基本構成図に示すように、特
に請求項3に係る無段変速機の制御装置では,例えば駆
動輪の車輪速変化量の微分値から車輪回転の減速度を検
出する車輪減速度検出手段を設け、本発明のうち請求項
3及び請求項4に係る無段変速機の制御装置では、前記
流体圧増加手段が、前記車輪減速度検出手段で検出され
た車輪回転減速度検出値に応じて,前記プーリ片間に供
給される流体圧の所定増加量を設定することとしたため
に、ベルトを滑らせる慣性トルクの増大,即ち当該ベル
トに与えられる回転移動(阻止)力に抗するだけのベル
ト挟持力をプーリ片間に付与することができ、エネルギ
損を更に小さくすることができる。
【0021】また、本発明のうち請求項5に係る無段変
速機の制御装置では図1の基本構成図に示すように、例
えばマスタシリンダ圧のように,制動系の制動力を発生
するための流体圧を検出する制動用流体圧検出手段を備
え、前記流体圧増加手段が、前記制動用流体圧検出手段
で検出された制動用流体圧検出値に応じて,前記プーリ
片間に供給される流体圧の所定増加量を設定することと
したために、路面回転駆動力と制動力との偏差によって
生じる駆動輪の回転減速度に応じたベルト挟持力をプー
リ片間に付与することができ、エネルギ損を更に小さく
することができる。
【0022】
【実施例】次に本発明の無段変速機の制御装置を実際の
車両に適用した第1実施例を図2〜図10に基づいて説
明する。この第1実施例の基本的な車両構造は,後述す
る無段変速油圧制御回路やコントローラであるマイクロ
コンピュータ等を含めて,本出願人が先に提案した特開
昭61−105353号公報に記載される無段変速機の
制御装置と同等かほぼ同等であり、このうち同等の部分
は夫々各構造の説明部位で同等であることを説明したの
ち,当該公報を参照するものとして詳細な説明を割愛す
ることもある。なお、本実施例では機関(即ちエンジ
ン)の回転駆動力によって回転駆動される駆動輪は前左
右輪である、所謂FF(フロントエンジンフロントドラ
イブ)車両に適用されたものとする。また、各車輪の制
動力は,当該車輪に設けられた流体圧ホイルシリンダに
よって供給されるものとし、各ホイルシリンダへの作動
流体圧は,ブレーキペダルに接続されたマスタシリンダ
内のマスタシリンダ圧が等分されるものとする。また、
基本的には前述のようなアンチスキッド制御装置を搭載
していないものとする。
【0023】図2は無段変速機の動力伝達機構を示すも
のであり、この無段変速機はフルードカップリング1
2,前後進切換機構15,Vベルト式無段変速機構2
9,差動装置56等を有しており、エンジン10の出力
軸10aの回転を所定の変速比及び回転方向で出力軸6
6及び68に伝達することができる。この無段変速機
は、フルードカップリング12(ロックアップ油室12
a,ポンプインペラ12b,タービンライナ12c,ロ
ックアップクラッチ12d等を有している)、回転軸1
3、駆動軸14、前後進切換機構15、駆動プーリ16
(固定円錐部材18,駆動プーリシリンダ室20(室2
0a,室20b),可動円錐部材22,溝22a等から
なる)、遊星歯車機構17(サンギヤ19,ピニオンギ
ヤ21,ピニオンギヤ23,ピニオンキャリア25,イ
ンターナルギヤ27等からなる)、Vベルト24、従動
プーリ26(固定円錐部材30,従動プーリシリンダ室
32,可動円錐部材34等からなる)、従動軸28、前
進用クラッチ40、駆動ギヤ46、アイドラギヤ48、
後進用ブレーキ50、アイドラ軸52、ピニオンギヤ5
4、ファイナルギヤ44、差動装置56(ピニオンギヤ
58,ピニオンギヤ60,サイドギヤ62,サイドギヤ
64等からなる)、出力軸66、出力軸68等から構成
されているが、これらのついての詳細な説明を省略す
る。なお、説明を省略した部分の詳細な構成については
本出願人が先に提案した前記特開昭61−105353
号公報を参照されたい。また、前記従動プーリ26のシ
リンダ室32の受圧面積は前記駆動プーリ16のシリン
ダ室20の各室20a,20bの受圧面積の約1/2程
度に設定してあり、当該従動プーリ26のシリンダ室3
2には後述する油圧制御装置から,共通作動油圧として
のライン圧が供給されており、駆動プーリ16のシリン
ダ室20の各室20a,20bに当該油圧制御装置から
制御された作動油圧が供給されて駆動プーリ16のV字
状プーリ溝の幅を拡狭変更して,Vベルト24と駆動プ
ーリ16との接触位置半径を変更制御すると、このVベ
ルト24に掛かるエンジン10からの回転駆動力に抗し
て当該Vベルト24と従動プーリ26とが滑らないよう
に挟持しながら,且つ駆動プーリ16のV字状プーリ溝
の幅の拡狭変更量に反比例するように当該従動プーリ2
6のV字状溝の幅を拡狭変更して当該従動プーリ26と
Vベルト24との接触位置半径を変更制御し、これによ
り所望する両プーリ16,26間のプーリ比を達成して
これを無段変速機の入出力間の変速比にするように構成
されている。
【0024】図3は本実施例の無段変速機の油圧制御装
置である。この油圧制御装置は、オイルポンプ101、
ライン圧調圧弁102、マニュアル弁104、変速制御
弁106、調整圧切換弁108、ステップモータ11
0、変速操作機構112、スロットル弁114、一定圧
調圧弁116、電磁弁118、カップリング圧調圧弁1
20、ロックアップ制御弁122等を有しており、これ
らは互いに図示のように接続されており、また前進用ク
ラッチ40、後進用ブレーク50、フルードカップリン
グ12、ロックアップ油室12a、駆動プーリシリンダ
室20及び従動プーリシリンダ室32とも図示のように
接続されている。これらの弁等についての詳細な説明は
前記特開昭61−105353号公報に記載されている
ものと同等かほぼ同等であるために,当該公報を参照さ
れるものとしてここでは割愛するが、前記マニュアル弁
104のスプール136の切換え停止位置には,Lレン
ジとDレンジとの間に所謂2レンジを介装して,計6つ
のポジションで当該スプール136が停止するものとし
た。この停止ポジション増加に係る当該油圧制御装置に
おける具体的な作動油圧の変化はなく、後述するマイク
ロコンピュータでの演算処理が若干異なる程度である。
なお、図3中の各参照符号は次の部材を示す。ピニオン
ギヤ110a、リザーバタンク130、ストレーナ13
1、油路132、リリーフ弁133、弁穴134、ポー
ト134a〜134e、スプール136、ランド136
a〜136b、油路138、一方向オリフィス139、
油路140、油路142、一方向オリフィス143、弁
穴146、ポート146a〜146g、スプール14
8、ランド148a〜148e、スリーブ150、スプ
リング152、スプリング154、変速比伝達部材15
8、油路164、油路165、オリフィス166、オリ
フィス170、弁穴172、ポート172a〜172
e、スプール174、ランド174a〜174c、スプ
リング175、油路176、オリフィス177、レバー
178、油路179、ピン181、ロッド182、ラン
ド182a,182b、ラック182c、ピン183、
ピン185、弁穴186、ポート186a〜186d、
油路188、油路189、油路190、弁穴192、ポ
ート192a〜192g、スプール194、ランド19
4a、194e、負圧ダイヤフラム198、オリフィス
199、オリフィス202、オリフィス203、弁穴2
04、ポート204a〜204e、スプール206、ラ
ンド206a,206b、スプリング208、油路20
9、フィルタ211、オリフィス216、ポート22
2、ソレノイド224、プランジャ224a、スプリン
グ225、弁穴230、ポート230a〜230e、ス
プール232、ランド232a,232b、スプリング
234、油路235、オリフィス236、弁穴240、
ポート240a〜240h、スプール242、ランド2
42a〜242e、油路243、油路245、オリフィ
ス246、オリフィス247、オリフィス248、オリ
フィス279、チョーク型絞り弁250、リリーフバル
ブ251、保圧弁252、チョーク型絞り弁253、油
路254、クーラ256、クーラ保圧弁258、オリフ
ィス259、切換検出スイッチ278である。
【0025】また、本実施例では前記スロットル負圧ダ
イヤフラム198と共にスロットル弁114としてのス
ロットル圧を増減調整可能とし,もって駆動プーリシリ
ンダ室20及び従動プーリシリンダ室32に共通油圧と
して供給されるライン圧を変更制御するために、油路2
09のパイロット圧を基圧とし且つ油路140のスロッ
トル圧を調整する電磁弁270が付加されている。ま
た、これに加えて前記調整圧切換弁108の第3ポート
186cと前記油路209とを連通する油路はなくな
り、当該調整圧切換弁108の第3ポート186cは閉
塞されている。なお、後述する用途に基づいて前記電磁
弁118をロックアップ用電磁弁118と記し、前記電
磁弁270をライン圧調整用電磁弁270と記すことに
する。
【0026】前記ライン圧調整用電磁弁270は、前記
スロットル弁114の第7ポート192gと一定圧調圧
弁116の第3ポート204c及びロックアップ制御弁
122の第8ポート240hとを連通する油路209の
うち,前記チョーク型絞り弁253よりもスロットル弁
114側から延設された油路189の端部に設けられて
いる。このライン圧調整用電磁弁270は、前記油路1
89の作動油が,ポート272から排出される量をプラ
ンジャ274aによって調節するものである。このプラ
ンジャ274aは、スプリング275によって前記ポー
ト272を閉塞する方向に付勢されており、ソレノイド
274の励磁によって形成される磁界強度に応じて当該
ポート272を開口する方向に,前記スプリング275
の付勢力に抗して移動される。そして、このソレノイド
274は後述する変速制御装置(マイクロコンピュー
タ)300によってデューティ比制御されているから、
その通電量に比例して油路189の作動油の排出量が増
加し、従って当該油路189,即ち油路209のパイロ
ット圧はこのソレノイド274への通電量に反比例する
ように制御されることになる。
【0027】この作用をスロットル弁114全体のスロ
ットル圧特性として,図4を用いて説明する。前述のよ
うに負圧ダイヤフラム198によって機関(エンジン)
10の吸気負圧の増大と共に油路140への出力油圧が
小さくなるから、油路140へのスロットル弁114か
らのスロットル圧は,この負圧ダイヤフラム198の制
御油圧とライン圧調整用電磁弁170の制御油圧との和
であると考えてよい。ここで、前記ライン圧調整用電磁
弁ソレノイド274への駆動信号のデューティ比が10
0%になると油路209のパイロット圧がなくなるか
ら、スロットル弁114からのスロットル圧は,負圧ダ
イヤフラム198による制御油圧だけとなり、これが付
加されたライン圧が通常走行状態及びクリープ走行状態
におけるライン圧として油路132から変速制御弁10
6を介して駆動プーリシリンダ室20及び従動プーリシ
リンダ室32に供給される。一方、前記ライン圧調整用
電磁弁ソレノイド274への駆動信号のデューティ比が
0%となると油路109のパイロット圧は最大となるか
ら、スロットル弁114からのスロットル圧は,この最
大パイロット圧に応じた最大出力油圧と負圧ダイヤフラ
ム198による制御油圧との和まで増加することができ
る。以上より、駆動プーリシリンダ室20及び従動プー
リシリンダ室32に供給される油路132のライン圧
は,前記ライン圧調整用電磁弁270のソレノイド27
4へのデューティ比で変更制御できることになり、前記
特開昭61−105353号公報に記載されるロックア
ップ用電磁弁118は,後述する変速比制御の演算処理
においてフルードカップリング12によるロックアップ
制御のみを専ら司る電磁弁であることが理解されよう。
【0028】図5は前記ステップモータ110及びソレ
ノイド224の作動を制御する電子制御装置(マイクロ
コンピュータ)300を示すものである。このマイクロ
コンピュータ300は、入力インターフェース311、
基準パルス発生器312、中央演算処理装置(CPU)
313、リードオンリメモリ(ROM)314、ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)315及び出力インターフ
ェース316を有しており、これらはアドレスバス31
9及びデータバス320によって連結されている。この
マイクロコンピュータには、エンジン回転速度センサ3
01、車速センサ302、スロットル開度センサ30
3、シフトポジションスイッチ304、タービン回転速
度センサ305、エンジン冷却水温センサ306、ブレ
ーキセンサ307、切換検出スイッチ298、左駆動輪
速(即ち前左輪速)センサ402、右駆動輪速(即ち前
右輪速)センサ404及びマスタシリンダ圧センサ40
6からの信号が直接又は波形成形器308,309,3
22,412及び414、及びAD変換器310,41
6を介して入力され、一方、増幅器317及び信号線3
17a〜317dを介してステップモータ110へ信号
が出力され、また前記ロックアップ用電磁弁ソレノイド
224及びライン圧調整用電磁弁ソレノイド274へも
信号が出力されるが、これらの詳細な説明は前記特開昭
61−105353号公報に記載されるものと同等又は
ほぼ同等であるので,そちらを参照されるものとして割
愛する。なお、当該公報に記載されていないものとして
は、前述のようにシフトポジションとしてLレンジとD
レンジとの間に2レンジが新たに設けられているため、
前記シフトポジションスイッチ304からはこの2レン
ジを加えた計6つのポジション信号がマイクロコンピュ
ータ300に入力される。また、また左駆動輪速センサ
402及び右駆動輪速センサ404からは,夫々当該駆
動輪速に応じた正弦波出力信号が出力され、夫々,波形
整形器412,414を介して当該駆動輪速に応じたパ
ルス信号からなる車輪速検出値VWL,VWR(これらを統
括して各車輪速とも記し,その場合の符号はVWjとも記
す。従って、jはL又はRに相当する)が入力インター
フェース311を介してマイクロコンピュータ300内
に読込まれる。また、前記マスタシリンダ圧センサ40
6は,制動系のマスタシリンダ圧の大きさに応じた出力
信号を出力するものであり、この出力信号は前記A/D
変換器416を介して,大気圧よりも増加したマスタシ
リンダ圧の増加分に相当するマスタシリンダ圧検出値
(単にマスタシリンダ圧とも記す)Pとして,入力イン
ターフェース311を介してマイクロコンピュータ30
0内に読込まれる。また、ブレーキセンサ307は,所
謂フットブレーキスイッチと同等のものであり、当該ブ
レーキセンサ307からの出力信号がON状態のとき,
ブレーキペダルが踏込まれており、当該ブレーキセンサ
307からの出力信号がOFF状態のとき,ブレーキペ
ダルは踏込まれていないものとする。また、前述のよう
にライン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて,出
力インタフェース316を介して出力される制御信号S
SOL は、マイクロコンピュータ300で設定されたデュ
ーティ比DtSOL を構成するものである。なお、前記追
記したセンサ402,404及び406、波形整形器4
12,414及びA/D変換器416は、本実施例で,
それらを介した各検出値を直接的に使用しないので特に
構成の必須要件としなくともよい。
【0029】そして、前記マイクロコンピュータ300
により前記無段変速機の変速比制御は図6のフローチャ
ートに示す基準演算処理に従って実行される。この演算
処理の基本的なロジック体系は前記特開昭61−105
353号公報に記載されるものとほぼ同等であるが、前
記シフトポジションに2レンジが付加された関係で,検
索される変速パターンとして当該2レンジに相当する変
速パターンが付加される。また、ロックアップ用電磁弁
118とライン圧調整用電磁弁270とが2分された関
係で,ロックアップ制御とライン圧調整制御との双方を
兼任していたソレノイド駆動信号は夫々の電磁弁118
又は電磁弁270に向けて個別に出力される。具体的に
はシフトポジションがD,2,L,Rレンジにあるとき
のデューティ比による制御対象ソレノイドはロックアッ
プ用電磁弁ソレノイド224となり、シフトポジション
がP,Nレンジにあるときのデューティ比による制御対
象ソレノイドはライン圧調整用電磁弁ソレノイド274
となる。
【0030】この変速比制御の基準演算処理について簡
単に説明すれば、図6の演算処理は所定時間(ΔT)毎
のタイマ割込みによって実行され、まずステップ502
で前記シフトポジションスイッチ304からのシフトポ
ジションを読込み、次いでステップ504でシフトポジ
ションがD,2,L,Rレンジであると判定された場合
にはステップ508に移行し、そうでない場合にはステ
ップ506に移行する。前記ステップ508では前記ス
ロットル開度センサ303からの信号に基づいてスロッ
トル開度THを読込み、次いでステップ510で車速セ
ンサ302からの信号に基づいて車速Vを読込み、次い
でステップ512でエンジン回転速度センサ301から
の信号に基づいてエンジン回転速度NE を読込み、次い
でステップ514でタービン回転速度センサ305から
の信号に基づいてタービン回転速度Nt を読込む。次に
ステップ516に移行して,前記エンジン回転速度NE
とタービン回転速度Nt との回転偏差ND を算出し、次
にステップ518で,予め記憶されている制御マップに
従ってロックアップ車速VON及びロップアップオフ車速
VOFF を検索する。
【0031】次にステップ520に移行して、ロップア
ップフラグLUFが設定されている場合にはステップ5
44に移行し、そうでない場合にはステップ522に移
行する。前記ステップ544では、当該車速Vが前記ロ
ックアップオフ車速VOFF よりも小さい場合にステップ
540に移行し、そうでない場合にステップ546に移
行する。一方、前記ステップ522で当該車速Vが前記
ロックアップ車速VONよりも大きいと判定された場合に
はステップ524に移行し、そうでない場合には前記ス
テップ540に移行する。前記ステップ524では、前
記回転偏差NDから第1の目標値Nm1 を減じて回転目
標値偏差eを算出し、次にステップ526で予め記憶さ
れた制御マップから前記回転目標値偏差eに応じた第1
のフィードバックゲインG1 を検索し、次にステップ5
28で前記回転偏差ND が制御系切換閾値N0 よりも小
さい場合にはステップ530に移行し、そうでない場合
にはステップ538に移行する。前記ステップ530で
は、ロックアップ用電磁弁ソレノイド224の前回デュ
ーティ比に微小所定値αを加えて,当該ロックアップ用
電磁弁ソレノイド224の今回デューティ比を設定し、
次にステップ532でこのロックアップ用電磁弁ソレノ
イド224の今回デューティ比が100%より小さいと
判定された場合にはステップ602に移行し、そうでな
い場合にはステップ534に移行する。前記ステップ5
34では、ロックアップ用電磁弁ソレノイド224の今
回ディーティ比を100%に修正し、次にステップ53
6でロップアップフラグLUFを設定して前記ステップ
602に移行する。一方、前記ステップ538では今回
デューティ比を,前記回転目標値偏差e及び第1のフィ
ードバックゲインG1 を変数とする演算式に基づいて算
出し、前記ステップ602に移行する。一方、前記ステ
ップ540ではロックアップ用電磁弁ソレノイド224
の今回デューティ比を0%に設定し、次にステップ54
2でロックアップフラグLUFを算出し、前記ステップ
602に移行する。また、前記ステップ546ではロッ
クアップ用電磁弁ソレノイド224の今回デューティ比
を100%に設定して、前記ステップ602に移行す
る。
【0032】前記ステップ602で、当該車速Vが変速
比制御開始閾値V0 よりも小さいと判定された場合はス
テップ604に移行し、そうでない場合はステップ62
4に移行する。前記ステップ604でスロットル開度T
Hがアイドル判定閾値TH0よりも小さいと判定された
場合はステップ610に移行し、そうでない場合にはス
テップ606に移行する。前記ステップ606では、ロ
ックアップ用電磁弁ソレノイド224の今回デューティ
比を0%に設定し、次にステップ608でステップモー
タ110への目標パルスPD を最大変速比パルスP1 に
設定してステップ630に移行する。一方、前記ステッ
プ506では、ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274
の今回デューティ比を0%に設定して前記ステップ63
0に移行する。
【0033】一方、前記ステップ624ではシフトポジ
ションがDレンジである場合にステップ626に移行
し、当該Dレンジに相当する変速パターンから車速V及
びスロットル開度THに応じた変速比を検索して前記ス
テップ630に移行する。シフトポジションがDレンジ
でない場合にはステップ639に移行して、シフトポジ
ションが2レンジである場合にはステップ640に移行
し、当該2レンジに相当する変速パターンから車速V及
びスロットル開度THに相当する変速比を検索して前記
ステップ630に移行する。シフトポジションが2レン
ジでない場合にはステップ642に移行して、シフトポ
ジションがLレンジである場合にはステップ628に移
行し、当該Lレンジに相当する変速パターンから車速V
及びスロットル開度THに相当する変速比を検索して前
記ステップ630に移行する。またシフトポジションが
Lレンジでない場合にはステップ644に移行して、シ
フトポジションRレンジに相当する変速パターンから車
速V及びスロットル開度THに相当する変速比を検索し
て前記ステップ630に移行する。
【0034】一方、前記ステップ610で,前記切換検
出スイッチ298がオン状態である場合にはステップ6
12に移行し、そうでない場合にはステップ620に移
行する。前記ステップ612では前記回転偏差ND から
第2の目標値Nm2 を減じて回転目標値偏差eを算出
し、次にステップ614で予め記憶された制御マップか
ら前記回転目標値偏差eに応じた第2のフィードバック
ゲインG2 を検索し、次にステップ616でロックアッ
プ用電磁弁ソレノイド224の今回デューティ比を,前
記回転目標値偏差e及び第2のフィードバックゲインG
2 を変数とする演算式に基づいて算出し、次にステップ
618でステップモータ110への現在のパルス数PA
を“0”に設定してステップ636に移行する。一方、
前記ステップ630で現在パルス数PA が目標パルス数
PD に等しいと判定された場合には前記ステップ636
に移行する。また、前記ステップ630で現在パルス数
PAが目標パルス数PD より小さいと判定された場合に
は、ステップ632に移行してステップモータ駆動信号
をアップシフト方向に移動し、次にステップ634で現
在パルス数PA に“1”を加えて新たな現在パルス数P
A として更新記憶した後、前記ステップ636に移行す
る。一方、前記ステップ630で現在パルス数PA が目
標パルス数PD より大きいと判定された場合には、前記
ステップ620に移行してステップモータ駆動信号をダ
ウンシフト方向に移動し、次にステップ622で現在パ
ルス数PA から“1”を減じて新たな現在パルス数PA
として更新記憶した後、前記ステップ636に移行す
る。
【0035】前記ステップ636では、前記ステップモ
ータ駆動信号を出力し、次にステップ638で電磁弁ソ
レノイド駆動信号を出力してから,メインプログラムに
復帰する。本実施例では、前記ステップ644のRレン
ジ相当変速パターン検索を除くステップ626,62
8,640で検索される変速パターンは、凡そ図6のよ
うな変速パターンに従って無段変速機の変速比が設定さ
れると考えてよい。即ち、各変速パターンにおける変速
比は,車速Vとスロットル開度THとを変数とする制御
マップ上で,それらの変数に従って検索すれば一意に設
定される。この図6を,車速Vを横軸,エンジン回転速
度Neを縦軸,スロットル開度THをパラメータとする
変速パターンの総合制御マップであると仮定すれば、原
点を通る傾き一定の直線は変速比が一定であると考えれ
ばよく、例えば変速パターンの全領域において最も傾き
の大きい直線は,車両全体の減速比が最も大きい,即ち
最大変速比CHiであり、逆に最も傾きの小さい直線は,
車両全体の減速比が最も小さい,即ちDレンジ最小変速
比CDLO であり、このDレンジ最小変速比よりも傾きの
大きい車両全体の減速比が2レンジ最小変速比C2LO で
あると考えてよい。従って、具体的には前記Lレンジの
変速パターンは車速V及びスロットル開度THに関わら
ず前記最大変速比CHiに固定され、前記2レンジの変速
パターンは前記最大変速比CHiと2レンジ最小変速比C
2LO との間の領域で車速V及びスロットル開度THに応
じて設定される変速比の経時的軌跡からなる制御曲線と
なり、前記Dレンジの変速パターンは前記最大変速比C
HiとDレンジ最小変速比CDLO との間の領域で車速V及
びスロットル開度THに応じて設定される変速比の経時
的軌跡からなる制御曲線となろう。なお、車速Vが前記
変速比制御開始閾値V0 よりも小さい領域では,各シフ
トポジションのレンジに関係なく,変速比(即ち変速パ
ターン)は前記最大変速比CHiに固定される。つまり、
この変速比制御開始閾値V0 は自動変速機搭載車両で発
生するクリープ状態の制御上限値であると考えればよ
い。ここで、最大変速比CHiにおける変速比制御開始閾
値V0 のときのスロットル開度THを同じく変速比制御
開始閾値TH1 と定義し、この変速比制御開始スロット
ル開度閾値TH1 において2レンジ最小変速比C2LO と
なる車速Vを2レンジ最小変速比車速V21,同じく変速
比制御開始スロットル開度閾値TH1においてDレンジ
最小変速比CDLO となる車速VをDレンジ最小変速比車
速VD1と定義し、これらの各レンジ最小変速比車速
V21,VD1を単にレンジ最小変速比車速Vj1とも記すこ
ととする。
【0036】それでは、このような変速比制御に伴う前
記油路132から駆動プーリシリンダ室20及び従動プ
ーリシリンダ室32に供給されるライン圧の状態を図8
に従って説明する。このとき、変速比が小さくなるほど
伝達すべき回転駆動力(消費される機関からの回転駆動
力と考えれば容易に理解できる)は小さくなると考えて
よいから、エンジン回転速度Neとタービン回転速度N
tとの偏差を一定に保持しようとする前記図6の演算処
理では,無段変速機の変速比が小さくなるほどフルード
カップリング12への供給作動油圧を小さくしてもよい
関係上,ロックアップ用電磁弁118は変速比が小さく
なると油路190からの作動油の排出量を大きくし、こ
れにより変速比が小さくなると油路190,油路188
の作動油圧が小さくなる影響で,油路132の基準ライ
ン圧も小さくなる。従って、前記油路132のライン圧
は,スロットル弁114のスロットル圧に関係なく,無
段変速機の変速比が小さくなると小さくなる。これに、
前記図4に示すスロットル圧特性を加えたものが,変速
比に対する油路132のライン圧となる。従って、負圧
ダイヤフラム198による制御油圧に関わらず,ライン
圧調整用電磁弁270のデューティ比を変更制御すれ
ば、全体のライン圧を増減調整することができ、これに
より駆動プーリシリンダ室20及び従動プーリシリンダ
室32への供給油圧を変更制御して,それらによるベル
ト挟持力を変更制御することができることになる。
【0037】それでは次に、前述のような無段変速機並
びにその変速制御装置を搭載する車両にあって,特に氷
雪路面や濡れたタイル路面等の低μ路面で発生するベル
ト−プーリ間の滑りの問題並びにそれを解決するための
本実施例の基本原理について、簡潔に説明する。こうし
た低μ路面では、タイヤと路面との摩擦係数状態が小さ
いために,急ブレーキ等の急制動では車輪の実スリップ
率は前記舵取り効果や制動距離を確保可能な目標スリッ
プ率,つまり10〜30%のスリップ率の範囲を容易に
越えて、更にタイヤのグリップ力そのものが低下する。
そして、前記特開平4−254054号公報に記載され
る無段変速機の制御装置では当該無段変速機の変速比
は,その急制動開始直前の変速比,つまり比較的小さな
変速比に固定され、運転者がブレーキペダルの踏込みを
解除して正に車輪が回転し始めるときに,この変速比固
定制御が解除されるから、当該無段変速機の変速比は大
きな変速比に設定変更されることになる。
【0038】しかし、出力側に前記ワンウエイクラッチ
のような動力伝達方向規制手段を持たない無段変速機で
は、車輪を回転させるために必要な路面からの入力(即
ち路面回転駆動力である)伝達系は,その末端に当該無
段変速機の回転系が持つ慣性重量を備え、当該路面回転
駆動力と制動力との偏差から発生する駆動輪の車輪速の
減速度が,前記変速比固定制御された無段変速機に対し
て慣性トルクの変動を付与する。この増大する慣性トル
クはベルトの回転移動を阻止しようとする大きな回転移
動(阻止)力として作用することになり、しかもスロッ
トル開度が低減していると考えられる制動中は,前記特
開昭61−105353号公報に記載される無段変速機
の制御装置で出力側のプーリ(セカンダリプーリ,本実
施例の従動プーリ26)に与えられている流体圧も低減
していると考えられるから、当該セカンダリプーリのベ
ルト挟持力よりも前記ベルトに与えられる回転移動力が
大きくなって,当該ベルトがプーリ片間で滑り、結果的
にベルトの耐久性が低下してしまう。
【0039】従って、本実施例ではこのベルト−プーリ
間の滑りを抑制防止するために、最も単純にブレーキペ
ダル踏込みによる制動が開始されたら,その制動中,常
にプーリへの供給流体圧(即ちライン圧である)を最大
値まで増加し、プーリのベルト挟持力を高めることとし
た。この方法には,未だエネルギ損等の解決すべき点も
存在するが、前記マイクロコンピュータ300で実行さ
れる演算負荷を極めて小さくすることができるという利
点もある。
【0040】以上の発明原理に基づいて,実際の車両で
駆動プーリ20及び従動プーリ32への供給ライン圧を
変更制御するための演算処理を図9に示す。この演算処
理は、前記無段変速機の制御装置であるマイクロコンピ
ュータ30で所定時間(ΔT)毎のタイマ割込みによっ
て実行され、ここで算出設定された制御信号SSOL は前
記ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて出力
され、当該ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274は当
該制御信号SSOL に構成されたデューティ比DtSOL に
応じてプランジャ274aの移動量を変更制御する。こ
こで、シフトポジションにPレンジ又はNレンジが選択
されている場合は,本来的に急制動に係る走行中ではな
いはずであることと、前記図6の演算処理による制御信
号とのハンチングを防止するためにライン圧の調整制御
対象としないこととした(問題なのは制動中にNレンジ
が選択された場合であるが、制動中を含めた走行中にN
レンジを選択することは推奨していない)。
【0041】この図9の演算処理では、まずステップS
1で前記シフトポジションスイッチ304からの信号に
基づいてシフトポジションを読込む。次にステップS2
に移行して、前記ステップS1で読込まれたシフトポジ
ションがPレンジ又はNレンジであるか否かを判定し、
当該選択されているシフトポジションがPレンジ又はN
レンジである場合にはメインプログラムに復帰し、そう
でない場合にはステップS3に移行する。
【0042】前記ステップS3では、前記ブレーキセン
サ307の出力信号がOFF状態であるか否かを判定
し、当該ブレーキセンサ307の出力信号がOFF状態
の場合にはステップS4に移行し、そうでない場合には
ステップS5に移行する。前記ステップS4では、前記
ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比
DtSOL を100%に設定してからステップS6に移行
する。
【0043】一方、前記ステップS5では、前記ライン
圧調整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比Dt
SOL を0%に設定してから前記ステップS6に移行す
る。前記ステップS6では、前記ステップS4又はステ
ップS5で設定された各デューティ比DtSOL に応じた
制御信号SSOL を形成し、この制御信号SSOL を前記ラ
イン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて出力して
からメインプログラムに復帰する。
【0044】次に、前記図9の演算処理の作用を説明す
る。この演算処理では、ステップS1〜S3においてシ
フトポジションがD,2,L,Rレンジの何れかに選択
されている状態でブレーキペダルが踏込まれると,路面
のμに関わりなく,同ステップS5,S6でデューティ
比が0%に設定された制御信号SSOL がライン圧調整用
電磁弁270のソレノイド274に向けて出力される。
このとき、特殊なペダル操作を行わない限り,スロット
ル開度は低減しており、前記図4並びに図8において前
記負圧ダイヤフラム198による制御油圧は低減してい
ると考えられる。従って、この制御信号SSOL を入力し
たライン圧調整用電磁弁270の出力油圧,即ち前記油
路140のスロットル圧は,図4に示す前記負圧ダイヤ
フラム198の制御油圧を除く最大限まで増加し、これ
により図8に示す前記油路132のライン圧も,当該変
速比における最大値まで増加される。これにより、駆動
プーリシリンダ室20及び従動プーリシリンダ室32へ
の供給油圧は,当該変速比において負圧ダイヤフラム1
98の制御油圧を除く最大値まで増圧されることにな
り、従って各プーリ16,26間のベルト挟持力は極め
て大きくなる。一方、ブレーキペダルの踏込みが解除さ
れると,デューティ比が100%に設定された制御信号
がライン圧調整用電磁弁270のソレノイド274に向
けて出力されるから、スロットル開度の状態に関わら
ず,当該ライン圧調整用電磁弁270の出力油圧は大気
圧若しくはほぼ大気圧状態まで低減し、その分だけ,図
4に示すスロットル圧も図8に示すライン圧も低減する
が、この状態で駆動プーリシリンダ室20及び従動プー
リシリンダ室32に供給されるライン圧は,機関の回転
駆動力を伝達するに足る十分なベルト挟持力を各プーリ
に発生させるから、勿論プーリ−ベルト間に滑りは発生
しない。
【0045】これを、氷雪路面や濡れたタイル路面等の
低μ路面で、前記特開平4−254054号公報の無段
変速機の制御装置により急制動時に変速比が固定制御さ
れている状況において,図10のタイムチャートを用い
て考察する。同図では、前記低μ路面走行中に,時刻t
1 で急激なブレーキペダルの踏込みによる急制動を開始
し、その後,駆動輪の車輪速VWjは急激に減速して時刻
t3 で目標車輪速V* Wjを下回ってやがて時刻t5 で完
全なロック状態に陥った状態を想定している。このと
き、車速Vは,車輪と路面とのグリップ力が極めて小さ
い状況で殆ど減速されず、従って前記時刻t5 では車体
のみが滑走している状態に移行している。このシミュレ
ートされた駆動輪の車輪速を低μ路面の車輪速VWjLFと
して表し、車速Vには理解を容易化するために前記アン
チスキッド制御装置で採用される疑似車速,即ち最大車
輪速VWHi を採用した。また、前記図6に示す演算処理
による通常の制御ライン圧をPLnで表し、本実施例,即
ち前記図9の演算処理による制御ライン圧をPL で表し
た。また、前記駆動輪の車輪速VWjLOの減速度が及ぼす
前記ベルトの回転移動(阻止)力に抗して当該ベルトを
挟持するために必要な挟持力を,各プーリで発生させる
ために必要なライン圧に換算し、これを必要ライン圧P
LOとして表した。なお、シフトポジションは通常走行レ
ンジであるDレンジ又はエンジンブレーキレンジである
2又はLレンジが選択されているものとする。ちなみ
に、乾燥したアスファルト路面やコンクリート路面等の
高μ路面での車輪速VWjHFは、前記目標車輪速V* Wjを
下回ることはなく、実際の車速Vの減速傾きはもっと大
きなものになると考えられる。
【0046】前記図9の演算処理では,ブレーキペダル
の踏込みと同時にブレーキセンサ信号がON状態となる
から、ステップS1〜S3を経てステップS5,S6で
デューティ比が0%に設定された制御信号SSOL がライ
ン圧調整用電磁弁270のソレノイド274に向けて出
力される。従って、前述のようにブレーキペダルの踏込
みが開始された時刻t1 以後,駆動プーリシリンダ室2
0及び従動プーリシリンダ室32に供給されるライン圧
PL は,前記図8に示す負圧ダイヤフラム298の制御
油圧を除く最大ライン圧PLMAXまで増加し、その後,ブ
レーキペダルの踏込みを解除するまで当該最大ライン圧
PLMAXに維持される。一方、前述のように車輪減速度の
大きさがもたらす無段変速機への慣性トルクは、車輪速
VWjLFが目標車輪速V* Wjの範囲若しくはそれよりもや
や小さい程度の範囲で,当該車輪減速度の大きさに応じ
て増加し、その後,更に車輪速VWjLFが小さくなると次
第に減少する。従って、この慣性トルクの変動に応じて
前記プーリ−ベルト間の滑りを抑制防止するに必要な必
要ライン圧PLOは,図10に示すように時刻t1 以後次
第に増加し、前記車輪が完全にロックする時刻t5 にか
けて次第に減少することになる。ここで、前記図9の演
算処理を実行しない通常ライン圧PLnでは、このように
増減する必要ライン圧PLOが,時刻t2 から時刻t3 ま
での時間当該通常ライン圧PLnを上回ってしまう。つま
り、この時間t2 〜t3 で前記ベルトへの回転移動(阻
止)力は,前記各プーリのベルト挟持力を上回ってしま
うことを意味しており、これによりプーリ−ベルト間に
滑りが発生すると考えられる。その一方で、前記図9の
演算処理を実行したライン圧PL では,前記必要ライン
圧PLOがこのライン圧PL を上回ることはなく、従って
プーリ−ベルト間に滑りは発生しないと考えられ、もっ
てベルトの耐久性を向上することができる。
【0047】なお、前記実施例ではアンチスキッド制御
装置を搭載しない車両についてのみ本実施例の作用を説
明したが、実際にはアンチスキッド制御装置を搭載した
車両にあってもこれと同等の問題が発生する可能性はあ
り、前記図9の演算処理をアンチスキッド制御装置の作
動信号に組合わせて実行させることでほぼ同様に解決す
ることができる。また、この場合には前記車輪加減速度
の判定に合わせてスリップ率を判定要件として設定すれ
ば、より一層確実な構成となる。
【0048】また、前記ライン圧調整用電磁弁270の
ソレノイド274に向けて出力される制御信号SSOL 及
びそのデューティ比DtSOL は、結果的に各プーリのベ
ルト挟持力を増加するために当該プーリに供給される流
体圧,即ちライン圧を増加するものであることから、プ
ーリのベルト挟持力増加量,即ちライン圧増加量は前記
制御信号SSOL のデューティ比DtSOL に依存している
と言える。その一方で、前記無段変速機の慣性トルクの
増加量,即ちベルトへの回転移動(阻止)力は駆動輪の
減速度に依存し、この駆動輪の減速度は,前記路面回転
駆動力と制動力との偏差に依存していることから、例え
ば駆動輪の減速度や制動力に係る制動用流体圧等をパラ
メータとし、これらのパラメータの大きさに応じて前記
制御信号のデューティ比DtSOL ,即ちそれはライン圧
増加量でありプーリのベルト挟持力増加量であるわけだ
が、このデューティDtSOL を大きくするようにすれ
ば、前記プーリ−ベルト間の滑りを抑制防止するに足る
必要十分なベルト挟持力を得ながら,同時に前述したエ
ネルギ損を小さくすることも可能となる。
【0049】以上より本実施例は本発明のうち請求項1
に係る無段変速機の制御装置を実施化したものと考えら
れ、図9の演算処理のステップS3及び前記ブレーキセ
ンサ307が本発明の制動検出手段に相当し、以下同様
に図9の演算処理全体が流体圧増加手段に相当し、前記
ライン圧調整用電磁弁270が流体圧調整手段に相当す
る。
【0050】次に本発明の無段変速機の制御装置を実際
の車両に適用した第2実施例を図11,図12に基づい
て説明する。この第2実施例の基本的な車両構造は,後
述する無段変速油圧制御回路やコントローラであるマイ
クロコンピュータ等を含めて,本出願人が先に提案した
特開昭61−105353号公報に記載される無段変速
機の制御装置と同等かほぼ同等であり、このうち同等の
部分は夫々各構造の説明部位で同等であることを説明し
たのち,当該公報を参照するものとして詳細な説明を割
愛することもある。
【0051】まず、本実施例の無段変速機の動力伝達機
構は、前記第1実施例に相当する図2の無段変速機の動
力伝達機構と同等又はほぼ同等であり、同時にこれが前
記特開昭61−105353号公報に記載されるものと
同等かほぼ同等であるために、ここでは詳細な説明を割
愛する。また、本実施例の無段変速機の油圧制御装置
は、前記第1実施例に相当する図3の無段変速機の油圧
制御装置と同等又はほぼ同等であり、同時にこれが前記
特開昭61−105353号公報に記載されるものと同
等かほぼ同等であるために、ここでは詳細な説明を割愛
する。なお、前記第1実施例で追記したライン圧調整用
電磁弁270及びロックアップ用電磁弁118の関して
も,当該第1実施例と同等かほぼ同等であり、また特に
ライン圧調整用電磁弁270の作用については後述する
変速比制御の演算処理による通常ライン圧制御も含めて
前記図4及び図8に示すものと同等かほぼ同等であるた
めに,その詳細な説明も割愛する。
【0052】また、本実施例の変速制御装置に相当する
コントローラの一部を構成するマイクロコンピュータ
は、前記第1実施例に相当する図5の電子制御装置(マ
イクロコンピュータ)300と同等又はほぼ同等であ
り、同時にこれが前記特開昭61−105353号公報
に記載されるものと同等かほぼ同等であるために、ここ
では詳細な説明を割愛する。
【0053】なお、前記追記したセンサ402,40
4,406、波形整形器412,414、及びA/D変
換器416は、本実施例で,それらを介した各検出値を
直接的に使用するための必須要件である。また、前記マ
イクロコンピュータ300により実行される通常の無段
変速機の変速比制御は、前記図6のフローチャートに示
す基準演算処理に従って前記第1実施例と同等又はほぼ
同等に実施され、同時にこれが前記特開昭61−105
353号公報に記載されるものと同等かほぼ同等である
ために、ここでは詳細な説明を割愛する。なお、前記2
レンジ変速パターン検索に関しては,前記第1実施例と
同等である。従って、Rレンジを除く前記各レンジの変
速パターンによる変速比制御は凡そ図7に示す前記第1
実施例と同等かほぼ同等であるから、その詳細な説明も
割愛する。また、この通常変速比制御に係る変速比と前
記油路132のライン圧との相関,並びに前記ライン圧
調整用電磁弁270を含むスロットル弁114の作用
は、前記図8に示すものと同等かほぼ同等であるために
その詳細な説明を割愛する。
【0054】それでは次に、前述のような無段変速機並
びにその変速制御装置を搭載する車両にあって,特に氷
雪路面や濡れたタイル路面等の低μ路面で発生する車輪
速(特に駆動輪速)の問題並びにそれを解決するための
本実施例の基本原理について、簡潔に説明する。前述の
基本原理に基づいて,本実施例では例えばブレーキペダ
ルの踏込みによって車輪への制動が実行されているとき
に、前記駆動プーリシリンダ室20及び従動プーリシリ
ンダ室32への油路132のライン圧を増加して,各プ
ーリのベルト挟持力を増加させ、これにより駆動輪の減
速度がもたらす無段変速機の慣性トルクによるベルト回
転移動(阻止)力に抗してプーリ−ベルト間の滑りを抑
制防止するのであるが、如何なる制動時にもプーリへの
供給流体圧を増加する,即ち前記ベルト回転移動(阻
止)力が増加していないのにも関わらず前記ベルト挟持
力を増加するのはエネルギ損であると言える。そこで、
当該駆動輪の減速度を検出し、この駆動輪速減速度が予
め設定された或る所定値より大きい場合にのみ,前記プ
ーリへの供給ライン圧を増加することにする。これは低
μ路面における急制動でタイヤがロックする或いはロッ
ク傾向にあることを判定することと等価であり、前記低
μ路面での制動時に発生するベルトの滑りを確実に抑制
防止しながら,エネルギ損を小さくすることができる。
【0055】ここで、この制御がタイマ割込みの演算処
理等によって所定のサンプリング時間ΔT毎に実行され
るとすれば、例えば前記左駆動輪速センサ402及び右
駆動輪速センサ404から読込まれる各車輪速検出値V
Wjと前回演算処理時の各車輪速前回値VWj0 との偏差を
このサンプリング時間ΔTで除したものが,各車輪の減
速度αWjとなり、それは下記1式で与えられる。
【0056】 αWj=(VWj0 −VWj)/ΔT ……… (1) なお、前記1式で算出される車輪減速度には車両前方へ
の車輪加速度も包含されるため、ここでは両者を含めて
車輪加減速度αWjを算出するものとし、車両前方への車
輪加速度を正,車両後方への車輪減速度を負で表す。従
って、前記車輪減速度が或る所定値よりも大きいという
表現は,ここでは車輪加減速度αWjが或る所定値α
W0(負の値)よりも小さいと表記される。但し、各車輪
加減速度αWjを所定値αW0と比較してもよいが、より小
さい車輪加減速度αWj(減速度としてはより大きい)を
所定値αW0と比較する方が,前記低μ路面走行制動中の
判定といった意味からは望ましい。従って、実際の演算
処理では,各車輪加減速度αWjのうち,何れか小さい方
の車輪加減速度をセレクトローにより最小加減速度αW
として算出し、この最小加減速度αW を前記所定値αW0
と比較することにした。なお、前記所定値αW0は、低μ
路面で車輪に大きな制動力が作用し、その結果,当該車
輪速が前記目標スリップ率を満足する車輪速よりも減少
するような場合,つまりロック傾向を示す場合に、この
車輪の減速度,つまり負の車輪加減速度が下回る程度の
値に設定してあり、通常の高μ路面では,急制動を行っ
ても負の車輪加減速度がこの所定値を下回ることのない
程度の大きさに設定してある。
【0057】また、ベルトを滑らせる慣性トルクの増
大,即ち当該ベルトに与えられる回転移動(阻止)力
は、前記駆動輪速の減速度の大きさに依存していること
から、前記プーリへの供給ライン圧の所定増加量を当該
駆動輪速の減速度の大きさに応じて設定すれば、当該プ
ーリによるベルトの挟持力を必要なだけ増大しながら前
記エネルギ損を更に小さくすることができる。また、こ
の駆動輪速の減速度が,前記路面回転駆動力と制動力と
の偏差に依存していることから、具体的には制動系の制
動用流体圧を検出するなどしてこの制動力の大きさを検
出し、この制動力の大きさに応じて前記プーリへの供給
ライン圧の所定増加量を設定すれば、当該プーリによる
ベルトの挟持力を必要なだけ増大しながら前記エネルギ
損をより一層小さくすることができる。ここでは、前記
駆動輪速の減速度として前記最小車輪加減速度の絶対値
|αW |を用い、また前記制動力にはマスタシリンダ圧
Pを用いて、下記2式に従ってライン圧の増加量ΔPL
を算出設定する。
【0058】 ΔPL =K1 ・|αW |+K2 ・P ……… (2) 但し、K1 ,K2 は夫々,予め設定された正の重み付け
制御係数であり、K1+K2 =k1 (k1 は定数)を満
足するものとする。そして、このライン圧増加量ΔPL
を達成するライン圧調整用電磁弁ソレノイド274への
デューティ比DtSOL を算出し、このデューティ比Dt
SOL を形成する制御信号SSOL を前記図4又は図8に示
すライン圧特性図をマップ検索して設定し、当該ライン
圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて出力する。こ
のとき、前記1式及び2式から算出設定されるデューテ
ィ比DtSOL が“0%”より小さくなるという懸念もあ
るが、これは逆に想定される駆動輪の減速度の大きさの
範囲内でライン圧をどこまで増加させなければならない
かを設定し、このライン圧の設定最大値までは前記ライ
ン圧調整用電磁弁ソレノイド274へのデューティ比D
tSOL でのみ変更制御できるようにすることで回避され
よう。
【0059】以上の発明原理に基づいて,実際の車両で
駆動プーリ20及び従動プーリ32への供給ライン圧を
変更制御するための演算処理を図11に示す。この演算
処理は、前記無段変速機の制御装置であるマイクロコン
ピュータ30で所定時間(ΔT)毎のタイマ割込みによ
って実行され、ここで算出設定された制御信号SSOLは
前記ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて出
力され、当該ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274は
当該制御信号SSOL に構成されたデューティ比DtSOL
に応じてプランジャ274aの移動量を変更制御する。
ここで、シフトポジションにPレンジ又はNレンジが選
択されている場合は,本来的に急制動に係る走行中では
ないはずであることと、前記図6の演算処理による制御
信号とのハンチングを防止するためにライン圧の調整制
御対象としないこととした(問題なのは制動中にNレン
ジが選択された場合であるが、制動中を含めた走行中に
Nレンジを選択することは推奨していない)。また、演
算処理中の制御フラグFは“1”のセット状態で,前記
ライン圧増加制御中であることを示し、“0”のリセッ
ト状態で通常のライン圧制御がなされていることを示
す。また、図中の制御フラグやタイマのセット・リセッ
トでは,その都度,RAM315への記憶更新が同時に
実行される。
【0060】この図11の演算処理では、まずステップ
S11で前記左駆動輪速センサ402,右駆動輪速セン
サ404から,夫々,各車輪速検出値(単に車輪速とも
記す)VWjを読込む。次にステップS12に移行して、
前記シフトポジションスイッチ304からの信号に基づ
いてシフトポジションを読込む。
【0061】次にステップS13に移行して、前記ステ
ップS12で読込まれたシフトポジションがPレンジ又
はNレンジであるか否かを判定し、当該選択されている
シフトポジションがPレンジ又はNレンジである場合に
はステップS14に移行し、そうでない場合にはステッ
プS15に移行する。前記ステップS15では、前記ブ
レーキセンサ307の出力信号がOFF状態であるか否
かを判定し、当該ブレーキセンサ307の出力信号がO
FF状態の場合にはステップS16に移行し、そうでな
い場合にはステップS17に移行する。
【0062】前記ステップS17では、制御フラグFが
“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該制御フ
ラグFが“1”のセット状態である場合にはステップS
18に移行し、そうでない場合にはステップS19に移
行する。前記ステップS19では、前記マイクロコンピ
ュータ300のRAM315に記憶されている最新の各
車輪速前回値VWj0 を読込んでからステップS20に移
行する。
【0063】前記ステップS20では、前記ステップS
11で読込まれた車輪速VWjとステップS19で読込ま
れた車輪速前回値VWj0 とを用いて,前記1式に従って
各車輪加減速度αWjを算出してからステップS21に移
行する。前記ステップS21では、前記ステップS20
で算出された各車輪加減速度α Wjのうち,小さい車輪加
減速度αWjをセレクトローにより選択し、この車輪加減
速度αWjを最小車輪加減速度αW として算出設定してか
らステップS22に移行する。
【0064】前記ステップS22では、前記ステップS
21で算出設定された最小車輪加減速度αW が,絶対値
が大きく且つ負の値である予め設定された所定値αW0よ
りも大きいか否かを判定し、最小車輪加減速度αW が所
定値αW0よりも大きい場合には前記ステップS16に移
行し、そうでない場合にはステップS23に移行する。
【0065】前記ステップ23では、制御フラグFを
“1”のセット状態にしてからステップS24に移行す
る。前記ステップS24では、前記マスタシリンダ圧セ
ンサ406からのマスタシリンダ圧Pを読込んでからス
テップS25に移行する。前記ステップS25では、前
記ステップS21で算出された最小車輪加減速度の絶対
値|αW |及び前記ステップS24で読込まれたマスタ
シリンダ圧Pを用い,前記2式に従ってライン圧増加量
ΔPL を算出してからステップ26に移行する。
【0066】前記ステップS26では、前記ステップS
25で算出されたライン圧増加量ΔPL を達成するライ
ン圧調整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比Dt
SOL(%)を算出してからステップS27に移行する。
前記ステップS27では、前記ステップS27で算出さ
れたライン圧調整用電磁弁ソレノイド274のデューテ
ィ比DtSOL (%)を前記RAM315に更新記憶して
から前記ステップS18に移行する。
【0067】前記ステップS18では、RAM315に
更新記憶されている最新のライン圧調整用電磁弁ソレノ
イド274のデューティ比DtSOL (%)を読込んでか
らステップS28に移行する。一方、前記ステップS1
6では、制御フラグFを“0”にリセットしてからステ
ップS29に移行し、このステップS29ではライン圧
調整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比DtSOL
を100%に設定してから前記ステップS28に移行す
る。
【0068】前記ステップS28では、前記ステップS
18又はステップS29で算出設定された各デューティ
比DtSOL に応じた制御信号SSOL を形成し、この制御
信号SSOL を前記ライン圧調整用電磁弁ソレノイド27
4に向けて出力してからステップS30に移行する。一
方、前記ステップS14では、制御フラグFを“0”に
リセットしてから前記ステップS30に移行する。
【0069】そして、前記ステップS30では,前記ス
テップS11で読み込まれた各車輪速VWjを各車輪速前
回値VWj0 としてRAM315に更新記憶してから,メ
インプログラムに復帰する。次に、前記図11の演算処
理の作用を説明する。今、乾燥したアスファルト路面や
コンクリート路面等のようにタイヤとの間に十分な摩擦
係数状態が維持される高μ路面において、アクセルペダ
ルを踏込んで車両が定速状態若しくは加速状態で通常に
走行している状態を想定する。なお、シフトポジション
は通常走行に好適な前記Dレンジに維持されているもの
と想定する。この状態では、ブレーキペダルの踏込みが
なく、その結果,前記図11の演算処理が実行される所
定サンプリング時間毎に,ステップS11で各車輪速検
出値VWjを読込み、ステップS12,S13を経てステ
ップS15からステップS16に移行し、このステップ
S16で制御フラグFを“0”にリセットし、更にステ
ップS29に移行してライン圧調整用電磁弁ソレノイド
274のデューティ比DtSOL を100%に設定し、ス
テップS28で,この100%のデューティ比DtSOL
に設定された制御信号SSOL を形成して当該ライン圧調
整用電磁弁ソレノイド274に向けて出力し、更にステ
ップS30で前記各車輪速VWjを各車輪速前回値VWj0
としてRAM315に更新記憶する。
【0070】従って、前記100%に設定されたデュー
ティ比DtSOL の制御信号SSOL を入力したライン圧調
整用電磁弁270では、前記図4に示すように前記油路
209のパイロット圧作動油を排出するから、油路14
0のスロットル圧は同図の負圧ダイヤフラム198の出
力油圧だけとなり、このスロットル圧が油路132のラ
イン圧に付加されて前記駆動プーリシリンダ室20及び
従動プーリシリンダ室32に供給される。従って、これ
らの各プーリでは,当該変速比における機関の回転駆動
力を伝達するに足る必要十分なベルト挟持力が維持され
る。
【0071】次にこの状態から,同じく高μ路面におい
てシフトポジションを変えることなく,アクセルペダル
の踏込みを解除すると共にブレーキペダルを大きく且つ
速く踏込んで,所謂急ブレーキ,急制動に移行したとす
る。このような高μ路面では,例え急ブレーキによって
各車輪に大きな制動力が作用しても、路面とタイヤとの
大きな摩擦係数状態により当該車輪速が前記目標スリッ
プ率を満足する目標車輪速を大きく下回ることはないと
考えられる。従って、前記図11の演算処理が実行され
るサンプリング時間毎に,ステップS11で各車輪速V
Wjを読込み、ステップS12,S13を経てステップS
15でブレーキセンサ信号がONであるためにステップ
S17に移行し、未だ制御フラグFが“0”のリセット
状態であるためにステップS19に移行するが、このス
テップS19及びステップS20で算出される各車輪加
減速度αWjのうち,ステップS21で選択された最小車
輪加減速度αW は絶対値の相当に大きな或る負の値とな
るが、この最小車輪加減速度αW が,高μ路面での急制
動において前記絶対値が大きく且つ負の値である所定値
αW0を下回ることはないから、前記ステップS22から
ステップS16に移行して制御フラグFを“0”のリセ
ット状態に維持し、次いでステップS29でライン圧調
整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比DtSOL を
100%に設定し、ステップS28で,この100%の
デューティ比DtSOL に設定された制御信号SSOL を形
成して当該ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向
けて出力し、更にステップS30で前記各車輪速VWjを
各車輪速前回値VWj0 としてRAM315に更新記憶す
るフローが,ブレーキペダルを踏込んでいる間中,繰り
返される。
【0072】従って、前記100%に設定されたデュー
ティ比DtSOL の制御信号SSOL を入力したライン圧調
整用電磁弁270では、前記図4に示すように前記油路
209のパイロット圧作動油を排出し、またアクセルペ
ダルの踏込みが解除されていることから負圧ダイヤフラ
ム198の出力油圧も小さくなっているから、油路14
0のスロットル圧は比較的小さく、このスロットル圧が
付加された油路132のライン圧も小さいから、この小
さなライン圧が供給されている前記駆動プーリシリンダ
室20及び従動プーリシリンダ室32により各プーリの
ベルト挟持力は低減していると考えられる。しかしなが
ら、この高μ路面での急制動時に,駆動輪の車輪速が目
標車輪速を大きく下回ってロックする或いはロックする
傾向を示すことはないから、前記車輪加減速度の絶対値
|αWj|が極度に大きくなって無段変速機の慣性トルク
を増加し、これによりベルトの回転移動(阻止)力が増
大してベルト−プーリ間で滑りが発生することはないか
ら、とりたてて各プーリのベルト挟持力を増加する必要
もない。そのような意味からも,高μ路面での制動時,
例えそれが急制動時にあってもライン圧の不必要な増加
制御を行わないことはエネルギ損を小さくすることにな
る。
【0073】一方、前記氷雪路面や濡れたタイル路面等
の低μ路面では,タイヤと路面との摩擦係数状態が小さ
いから、前記急ブレーキを含む制動時には車輪はロック
傾向を示し、その結果,当該車輪速は前記目標スリップ
率を満足する目標車輪速を下回り易くなる。そして、こ
のような低μ路面では,前述のように路面,即ち車体速
が車輪を回転させようとする入力に対して、実際の車輪
速は非常に増速しにくい状態であると考えられるから、
前記車輪速が目標車輪速を下回り始めると,少なくとも
アクセルペダルを踏込んでエンジンの回転駆動力で積極
的に車輪速を増速しない限り、当該車輪速は減速を続
け,比較的短時間後にロックする或いはロックする直前
の状態にまで至るものと考えられる。従って、この低μ
路面での制動時において,前記車輪速が急激に減速し始
めた最初の前記図8の演算処理で、ステップS11で各
車輪速検出値VWjを読込み、次いでステップ12,S1
3を経てステップS15からステップS17に移行す
る。このステップS17では,未だ制御フラグFが
“0”のリセット状態であるからステップS19に移行
する。そして、このステップS19及びステップS20
で算出される各車輪加減速度αWjは絶対値の相当に大き
な負の値となろう。従って、前記図11の演算処理のス
テップS21で算出設定される最小車輪加減速度α
W も,絶対値の相当に大きな負の値となる。そして、前
記図11の演算処理のステップS22で,前記最小車輪
加減速度αW が前記絶対値が大きく且つ負の値に設定さ
れた所定値αW0を下回ると,ステップS23に移行す
る。このステップS23では制御フラグFが“1”にセ
ットされ、次いでステップS24でマスタシリンダ圧P
が読込まれる。次いでステップS25では最小車輪加減
速度の絶対値|αW |及びマスタシリンダ圧Pを用いて
前記2式に従ってライン圧増加量ΔPL が算出される。
そして、このライン圧増加量ΔPL を達成するライン圧
調整用電磁弁ソレノイド274のデューティ比DtSOL
がステップS26で算出され、このデューティ比Dt
SOLがステップS27でRAM315に更新記憶され
る。次いで、ステップS18でこの最新のデューティ比
DtSOL が読込まれ、ステップS28では,当該デュー
ティ比DtSOL に応じた制御信号SSOL を形成して当該
ライン圧調整用電磁弁ソレノイド274に向けて出力
し、更にステップS30で前記各車輪速VWjを各車輪速
前回値VWj0 としてRAM315に更新記憶する。
【0074】そして、同じ制動中のその後は,前記図1
1の演算処理が実行されるサンプリング時間毎に,前記
ステップS15からステップS17に移行し、このステ
ップS17で制御フラグFが“1”のセット状態である
ためにステップS18に移行し、このステップS18で
今回更新記憶された最新のデューティ比DtSOL が読込
まれ、ステップS28では,当該デューティ比DtSOL
に応じた制御信号SSO L を形成して当該ライン圧調整用
電磁弁ソレノイド274に向けて出力し、更にステップ
S30で前記各車輪速VWjを各車輪速前回値VWj0 とし
てRAM315に更新記憶するフローが繰り返される。
【0075】この間、図4に示すスロットル弁114の
スロットル圧は、アクセルペダルの踏込みが解除されて
いることから負圧ダイヤフラム198の出力油圧は小さ
くなっているが、前述のように設定されたデューティ比
DtSOL の制御信号SSOL を入力したライン圧調整用電
磁弁270では、前記油路209のパイロット圧作動油
の排出量が当該デューティ比DtSOL に比例して減少す
るため、油路140のスロットル圧はこの作動油の排出
量の減少に反比例して増加し、結果的に前記図11の演
算処理のステップS25で算出されたライン圧増加量Δ
PL だけ増加する。従って、このように増加したスロッ
トル圧が付加された油路132のライン圧も大きくな
り、この大きなライン圧が供給されている前記駆動プー
リシリンダ室20及び従動プーリシリンダ室32により
各プーリのベルト挟持力は増加する。これにより、この
低μ路面での制動時に,駆動輪の車輪速が目標車輪速を
大きく下回ってロックする或いはロックする傾向を示す
場合に、前記車輪加減速度の絶対値|αWj|が無段変速
機の慣性トルクの増加を招き、これによりベルトの回転
移動(阻止)力が増大してベルト−プーリ間で滑りが発
生しようとするが、前記各プーリのベルト挟持力増加に
よって当該滑りの発生を抑制防止することができる。ま
た、このベルトの回転移動(阻止)力が,駆動輪の車輪
加減速度の絶対値|αWj|(実質的には負の加速度,即
ち減速度のみ)に依存し、駆動輪の車輪加減速度の絶対
値|αWj|が前記路面回転駆動力と制動力,即ちマスタ
シリンダ圧Pとの偏差に依存していることから、前記2
式で算出されたライン圧増加量ΔPL は,各プーリに必
要にして十分なベルト挟持力を付与することになり、当
該ライン圧を常に最大値まで増加することに比してエネ
ルギ損は小さくなる。
【0076】一方、ブレーキペダルの踏込みが解除され
ると、ブレーキセンサ信号がOFF状態となるからステ
ップS15からステップS16に移行し、このステップ
S16で前記制御フラグFを“0”にリセットし、次い
でステップS29でライン圧調整用電磁弁ソレノイド2
74のデューティ比DtSOL を100%に設定し、ステ
ップS28では,当該デューティ比DtSOL に応じた制
御信号SSOL を形成して当該ライン圧調整用電磁弁ソレ
ノイド274に向けて出力し、更にステップS30で前
記各車輪速VWjを各車輪速前回値VWj0 としてRAM3
15に更新記憶する。従って、ブレーキペダルの踏込み
が解除されれば、ライン圧は通常のライン圧に復帰す
る。
【0077】それでは、前記ライン圧増加制御中の作用
を、氷雪路面や濡れたタイル路面等の低μ路面で、前記
特開平4−254054号公報の無段変速機の制御装置
により急制動時に変速比が固定制御されている状況にお
いて,図12のタイムチャートを用いて考察する。同図
では、前記低μ路面走行中に,時刻t11で急激なブレー
キペダルの踏込みによる急制動を開始し、その後,駆動
輪の車輪速VWjは急激に減速して時刻t14で目標車輪速
V* Wjを下回ってやがて時刻t16で完全なロック状態に
陥った状態を想定している。このとき、車速Vは,車輪
と路面とのグリップ力が極めて小さい状況で殆ど減速さ
れず、従って前記時刻t16では車体のみが滑走している
状態に移行している。このシミュレートされた駆動輪の
車輪速を低μ路面の車輪速VWjLFとして表し、車速Vに
は理解を容易化するために前記アンチスキッド制御装置
で採用される疑似車速,即ち最大車輪速VWHi を採用し
た。また、前記図6に示す演算処理による通常の制御ラ
イン圧をPLnで表し、本実施例,即ち前記図11の演算
処理による制御ライン圧をPL で表した。また、前記駆
動輪の車輪速VWjLOの減速度が及ぼす前記ベルトの回転
移動(阻止)力に抗して当該ベルトを挟持するために必
要な挟持力を,各プーリで発生させるために必要なライ
ン圧に換算し、これを必要ライン圧PLOとして表した。
なお、シフトポジションは通常走行レンジであるDレン
ジ又はエンジンブレーキレンジである2又はLレンジが
選択されているものとする。ちなみに、乾燥したアスフ
ァルト路面やコンクリート路面等の高μ路面での車輪速
VWjHFは、前記目標車輪速V* Wjを下回ることはなく、
実際の車速Vの減速傾きはもっと大きなものになると考
えられる。
【0078】前記図11の演算処理では,ブレーキペダ
ルの踏込みと同時にブレーキセンサ信号がON状態とな
るが、前記ステップS11,S19〜S21で算出され
る最小車輪加減速度αW が時刻t12で始めて所定値αW0
よりも小さくなった。従って、前記ステップS25で,
この最小車輪加減速度の絶対値|αW |及びマスタシリ
ンダ圧Pから得られるライン圧増加量ΔPL が算出さ
れ、前記ステップ26でこのライン圧増加量ΔPL を達
成するデューティ比DtSOL が算出され、前記ステップ
S27でこのデューティ比DtSOL がRAM315に更
新記憶される。そして、前記時刻t12以後,ステップS
18,S28で,このデューティ比DtSO L に応じた制
御信号SSOL がライン圧調整用電磁弁270のソレノイ
ド274に向けて出力される。従って、この時刻t12以
後,駆動プーリシリンダ室20及び従動プーリシリンダ
室32に供給されるライン圧PL は、前記図8に示す負
圧ダイヤフラム298の制御油圧を除き,前記ライン圧
増加量ΔPL だけ増加し、その後,ブレーキペダルの踏
込みを解除するまでそのライン圧PL に維持される。一
方、前述のように車輪減速度の大きさがもたらす無段変
速機への慣性トルクは、車輪速VWjLFが目標車輪速V*
Wjの範囲若しくはそれよりもやや小さい程度の範囲で,
当該車輪減速度の大きさに応じて増加し、その後,更に
車輪速VWjLFが小さくなると次第に減少する。従って、
この慣性トルクの変動に応じて前記プーリ−ベルト間の
滑りを抑制防止するに必要な必要ライン圧PLOは,図1
0に示すように時刻t11以後次第に増加し、前記車輪が
完全にロックする時刻t16にかけて次第に減少すること
になる。ここで、前記図9の演算処理を実行しない通常
ライン圧PLnでは、このように増減する必要ライン圧P
LOが,時刻t13から時刻t 15までの時間当該通常ライン
圧PLnを上回ってしまう。つまり、この時間t13〜t15
で前記ベルトへの回転移動(阻止)力は,前記各プーリ
のベルト挟持力を上回ってしまうことを意味しており、
これによりプーリ−ベルト間に滑りが発生すると考えら
れる。その一方で、前記図11の演算処理を実行したラ
イン圧PL では,前記必要ライン圧PLOがこのライン圧
PL を上回ることはなく、従ってプーリ−ベルト間に滑
りは発生しないと考えられ、もってベルトの耐久性を向
上することができる。このとき、前記図11の演算処理
により増加されたライン圧PLが最大ライン圧PLMAXよ
りも小さく且つ前記時刻t12が時刻t11よりも遅いとす
れば、ブレーキペダルの踏込みと同時にライン圧を最大
ライン圧PLMAXまで増加するライン圧制御に比して,図
12に示す両者の面積差分だけエネルギ損を小さくする
ことができることになる。
【0079】なお、前記実施例ではアンチスキッド制御
装置を搭載しない車両についてのみ本実施例の作用を説
明したが、実際にはアンチスキッド制御装置を搭載した
車両にあってもこれと同等の問題が発生する可能性はあ
り、前記図11の演算処理をアンチスキッド制御装置の
作動信号に組合わせて実行させることでほぼ同様に解決
することができる。また、この場合には前記車輪加減速
度の判定に合わせてスリップ率を判定要件として設定す
れば、より一層確実な構成となる。
【0080】以上より本実施例は本発明のうち請求項
2,4,5の全てに係る無段変速機の制御装置を実施化
したものと考えられ、図11の演算処理のステップS1
5及び前記ブレーキセンサ307が本発明の制動検出手
段に相当し、以下同様に図11の演算処理のステップS
11,S19〜S21及び各車輪速センサ402,40
4が車輪減速度検出手段に相当し、図11の演算処理の
ステップS24及び前記マスタシリンダ圧センサ406
が作動用流体圧検出手段に相当し、図11の演算処理全
体が流体圧増加手段に相当し、前記ライン圧調整用電磁
弁270が流体圧調整手段に相当する。
【0081】なお、前記各実施例は,本出願人が先に提
案した特開昭61−105353号公報に記載される無
段変速機の制御装置を基体としたものであるが、本発明
はこれ以外のベルト式無段変速機に広く展開可能である
ことは言うまでもない。また、前記各実施例では、変速
比制御コントローラをマイクロコンピュータで構築した
ものについてのみ詳述したが、これに限定されるもので
はなく、演算回路等の電子回路を組み合わせて構成して
もよいことは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明の無段変速機
の制御装置によれば、前記制動検出手段が制動系による
車輪への制動の実行を検出すると、前記流体圧増加手段
から前記流体圧調整手段に向けて出力された信号により
前記プーリ片間に供給される流体圧が所定増加量増加
し、当該プーリのベルトに対する挟持力が増加するため
に、前記路面回転駆動力と制動力との偏差から発生する
駆動輪の減速度の大きさがもたらすベルトの回転移動
(阻止)力に抗して、ベルト−プーリ間の滑りを抑制防
止することができる。
【0083】また、前記車輪減速度検出手段で検出され
た車輪回転の減速度が予め設定された所定値以上のと
き,前記プーリの挟持力増加制御を行うこととしたため
に、低μ路面における急制動でタイヤがロックする或い
はロック傾向にある場合に発生すると考えられる,前記
路面回転駆動力と制動力との偏差から発生する駆動輪の
減速度の大きさを判定することができ、その分だけエネ
ルギ損を小さくすることができる。
【0084】また、前記車輪減速度検出手段で検出され
た車輪回転減速度検出値に応じて,前記プーリ片間に供
給される流体圧の所定増加量を設定することとしたため
に、必要にして十分なベルト挟持力を当該プーリに付与
しながら、エネルギ損を更に小さくすることができる。
また、前記制動用流体圧検出手段で検出された制動用流
体圧検出値に応じて,前記プーリ片間に供給される流体
圧の所定増加量を設定することとしたために、必要にし
て十分なベルト挟持力を当該プーリに付与しながら、エ
ネルギ損を更に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無段変速機の制御装置の基本構成図で
ある。
【図2】無段変速機の動力伝達機構の一例を示す構成図
である。
【図3】無段変速機の油圧制御装置の一例を示す構成図
である。
【図4】図3のスロットル弁によるスロットル圧の特性
説明図である。
【図5】無段変速機の変速比制御装置に相当するコント
ローラの一例を示す構成図である。
【図6】図5のコントローラで実行される通常の無段変
速機の変速比制御の演算処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図7】図6の演算処理による変速パターンの説明図で
ある。
【図8】図6の演算処理による各プーリへの供給ライン
圧の特性説明図である。
【図9】本発明の無段変速機の制御装置の第1実施例を
示すライン圧増加制御を行う演算処理のフローチャート
である。
【図10】図9の演算処理によるライン圧増加制御の作
用を説明するタイムチャートである。
【図11】本発明の無段変速機の制御装置の第2実施例
を示すライン圧増加制御を行う演算処理のフローチャー
トである。
【図12】図11の演算処理によるライン圧増加制御の
作用を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
16は駆動プーリ(プライマリプーリ) 18は固定円錐板(固定プーリ片) 20は駆動プーリシリンダ室 22は可動円錐板(可動プーリ片) 24はVベルト 26は従動プーリ(セカンダリプーリ) 29は無段変速機構(無段変速機) 30は固定円錐板(固定プーリ片) 32は従動プーリシリンダ室 34は可動円錐板(可動プーリ片) 110はステップモータ 118はロックアップ用電磁弁 224はソレノイド 270はライン圧調整用電磁弁(流体圧調整手段) 274はソレノイド 300はマイクロコンピュータ 302は車速センサ(車速検出手段) 303はスロットル開度センサ 304はシフトポジションスイッチ 402は左駆動輪速センサ(車輪回転減速度検出手段) 404は右駆動輪速センサ(車輪回転減速度検出手段) 406はマスタシリンダ圧センサ(制動用流体圧検出手
段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に移動可能な各対のプーリ片間に
    供給される流体圧を増減調整して,当該対をなすプーリ
    片間に挟持されるベルトの挟持力を変更制御可能な流体
    圧調整手段を備えた無段変速機の制御装置であって、制
    動系による車輪への制動が実行されたことを検出する制
    動検出手段と、前記制動検出手段が制動の実行を検出し
    たときに,前記プーリ片間に供給される流体圧を所定増
    加量増加する信号を前記流体圧調整手段に向けて出力す
    る流体圧増加手段とを備えたことを特徴とする無段変速
    機の制御装置。
  2. 【請求項2】 相対的に移動可能な各対のプーリ片間に
    供給される流体圧を増減調整して,当該対をなすプーリ
    片間に挟持されるベルトの挟持力を変更制御可能な流体
    圧調整手段を備えた無段変速機の制御装置であって、制
    動系による車輪への制動が実行されたことを検出する制
    動検出手段と、車輪回転の減速度を検出する車輪減速度
    検出手段と、前記制動検出手段が制動の実行を検出し且
    つ前記車輪減速度検出手段で検出された車輪回転減速度
    検出値が所定車輪回転減速度値以上のときに,前記プー
    リ片間に供給される流体圧を所定増加量増加する信号を
    前記流体圧調整手段に向けて出力する流体圧増加手段と
    を備えたことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 車輪回転の減速度を検出する車輪減速度
    検出手段を備え、前記流体圧増加手段は、前記車輪減速
    度検出手段で検出された車輪回転減速度検出値に応じ
    て,前記プーリ片間に供給される流体圧の所定増加量を
    設定することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記流体圧増加手段は、前記車輪減速度
    検出手段で検出された車輪回転減速度検出値に応じて,
    前記プーリ片間に供給される流体圧の所定増加量を設定
    することを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の制
    御装置。
  5. 【請求項5】 制動系の制動力を発生するための流体圧
    を検出する制動用流体圧検出手段を備え、前記流体圧増
    加手段は、前記制動用流体圧検出手段で検出された制動
    用流体圧検出値に応じて,前記プーリ片間に供給される
    流体圧の所定増加量を設定することを特徴とする請求項
    1乃至4に記載の無段変速機の制御装置。
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