JPH07219559A - 適応形能動消音装置 - Google Patents

適応形能動消音装置

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JPH07219559A
JPH07219559A JP6009172A JP917294A JPH07219559A JP H07219559 A JPH07219559 A JP H07219559A JP 6009172 A JP6009172 A JP 6009172A JP 917294 A JP917294 A JP 917294A JP H07219559 A JPH07219559 A JP H07219559A
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JP
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signal
sound
noise
control
component
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JP6009172A
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Inventor
Susumu Saruta
進 猿田
Yasuyuki Sekiguchi
康幸 関口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適応形能動制御を行ってダクト内の騒音を消
音する場合に必要となるスピーカと評価用マイクロホン
との間の音響伝達特性を消音動作実行状態の伝達特性と
同じ条件となるようにして同定できるようにする。 【構成】 ノイズ発生器33からランダムノイズ信号を
スピーカ25,適応フィルタ34,42に与える。音源
用マイクロホン24および評価用マイクロホン26によ
りスピーカ25から出力されるランダムノイズを検出す
る。抽出回路37,45は、マイクロホン26,24の
検出信号のうち直接音成分を抽出して適応フィルタ3
4,42に与え、A−O間およびA−S間の音響伝達特
性を同定する。このとき、音響伝達特性は直接音成分の
みに基づいて同定しているので、ダクト21の開口部2
1aで反射する成分がなくなる消音動作状態の伝達特性
として同定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝播経路内の騒音に対
して同振幅で逆位相の音を発生させて音波干渉を起こす
ことより消音するようにした適応形能動消音装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、空調用の送風ダクト内の
騒音に対して、その騒音と同振幅且つ逆位相の音を発生
させることにより音波干渉を起こして積極的に消音し、
送風ダクトの外に漏れる騒音を極力低減させるようにし
た能動消音装置が注目されている。
【0003】このような能動消音装置に適用される能動
消音技術は、エレクトロニクスの応用技術、中でも音響
データの処理回路及び音響の干渉を利用して騒音低減を
行うもので、基本的には、騒音源からの音を送風ダクト
内に設けた受音器(例えばマイクロホン)にて電気信号
に変換すると共に、この電気信号を演算器により加工し
た信号に基いて制御用発音器(例えばスピーカ)を動作
させることにより、制御対象点において原音(騒音源か
らの音)と逆位相で且つ同一振幅となる人工音を制御用
発音器から発生させ、この人工音と原音とを干渉させる
ことによって原音を減衰させようというものである。
【0004】これにより、低周波の消音周波数帯域にお
いては10dB以上の消音効果が期待でき、しかも、従
来のような消音器と異なり圧力損失がほとんどないた
め、例えば、コンサートホールなどにおいては、このよ
うな装置を導入することで、空調用送風ダクトから発生
する騒音を極力低減して静粛な視聴空間を形成すること
ができるものである。
【0005】また、このような能動制御を実現するにあ
たっては、その消音のための信号系を構成する部品の経
時変化による特性変動及び周囲温度による特性変動に対
応して調整する必要がある。このため、実用化にあたっ
ては、消音能力の変動に追従させて前記演算器の演算係
数(音響伝達関数)を調整していくことが行われてい
る。すなわち、前記制御用発音器による消音効果をモニ
タする評価用受音器(例えばマイクロホン)を設け、こ
の評価用受音器によるモニタ結果が所定の許容範囲を外
れていた場合に、演算器の演算係数を変化させて前記モ
ニタ結果が前記許容範囲内に入るように制御する適用制
御手段を設け、これにより能動制御時おける消音能力を
特性の変動に応じて常に最適に保つという所謂適応制御
を行うようにしている。
【0006】このような能動消音装置の一例を図7ない
し図9に示す。図7において、一端が開放されているダ
クト1内部の奥(図中左端)に空調装置等の騒音源2が
設けられ、その騒音源2から発生する騒音がダクト1の
開口部1aから外部に出るのを防止するように能動消音
装置3が配設されている。ダクト1内には、騒音の伝播
経路(図中ダクト1内の左から右に向かう方向)に沿っ
て、騒音を検出する音源用マイクロホン4がS点に,干
渉音を出力するスピーカ5がA点に、そして評価用マイ
クロホン6が開口部1a近傍のO点に順次設けられてい
る。
【0007】制御部7は、S点で音源用マイクロホン4
により検出した騒音源の検出信号を、開口部1a側の評
価用マイクロホン6の位置に相当するO点で音波干渉に
より音圧がゼロとなるように信号処理して制御音として
スピーカ5から出力する。スピーカ5からダクト1の開
口部1aに向けて制御音が出力されると、O点において
音の壁を形成し、騒音をダクト1の中に閉じ込めて外部
の放出されることを防止し、騒音を消音するようになっ
ている。また、制御部7は、評価用マイクロホン6から
開口部1aの消音点Oにおける消音量の検出信号が与え
られると、これに基づいて適応制御を行うようになって
いる。
【0008】この場合、適応制御は、常に消音効果を十
分に発揮させるために、制御音を作り出すにあたって、
音源用マイクロホン4やスピーカ5の経時変化や気温等
の変化によるダクト1内における音響伝達特性の変動を
考慮し、これに対処して自動調整できる機能として設け
られたものである。そして、この適応形能動消音制御シ
ステムにおいては、消音点であるO点に配置した評価用
マイクロホン6により、制御音により消音されずに残っ
た音を検出しその検出量が最小になるように制御部7に
フィードバックをかけて消音効果を高い状態に維持させ
ようとするものである。
【0009】図8は、このような適応形の能動消音シス
テムにおける制御部7の内部構成を示す一例である。音
源用マイクロホン4の検出信号は演算器8を介してFI
Rフィルタ9および伝達特性GAOが設定されたフィルタ
10に入力される。フィルタ10の伝達特性GAOは、ス
ピーカ5からダクト1内を介して評価用マイクロホン6
に至る伝達経路の音響伝達特性GAOと同じ伝達特性であ
る。
【0010】FIRフィルタ9は、生成した制御信号を
スピーカ5に与えると共に伝達特性GASが設定されたキ
ャンセルフィルタ11を介して演算器8の減算入力端子
に与える。キャンセルフィルタ11の伝達特性GASは、
スピーカ5からダクト1内を介して音源用マイクロホン
4に至る伝達経路の音響伝達特性GASと同じ伝達特性で
ある。適応フィルタ12は、フィルタ10から信号が与
えられると共に評価用マイクロホン6から消音点Oにお
ける検出信号が与えられるようになっており、周知のF
ilterd−X LMSアルゴリズムに基づいて評価
用マイクロホン6から与えられる検出信号がゼロになる
ようにFIRフィルタ9の演算係数を調整する。
【0011】上記構成によれば、騒音源2から発せられ
た騒音がダクト1内を開口部1aに向けて伝播するとき
に、制御部7においては、音源用マイクロホン4により
S点における騒音を検出し、この検出信号に基づいて消
音点O点にて騒音と干渉を起こして消音するための制御
信号をFIRフィルタ9にて演算してスピーカ5に与え
る。このとき、制御信号はキャンセルフィルタ11を介
して演算器8にも与えられる。これは、スピーカ5から
出力した制御音がダクト1内を上流側に伝播してS点に
て音源用マイクロホン4により検出されると、ハウリン
グを起こすことがあるために、音源用マイクロホン4の
検出信号から制御音による検出成分をキャンセルするた
めのものである。
【0012】そして、スピーカ5から出力される制御音
は、消音点O点において騒音源2から伝播してきた騒音
の振幅と同振幅で且つ逆位相となって騒音と干渉を起こ
して打ち消し合うことにより消音されるようになる。し
たがって、この消音点O点では、評価用マイクロホン6
により検出される音の信号は理想的にはゼロとなるはず
であるが、実際には、音源用マイクロホン4やスピーカ
5の経時変化や気温等の変化によるダクト1内における
音響伝達特性の変動があるために、ゼロとならない場合
がある。
【0013】そこで、この評価用マイクロホン6による
検出信号がゼロとなるように適用フィルタ12によりF
IRフィルタ9の演算係数を調整する。適用フィルタ1
2には、FIRフィルタ9に入力される検出信号と同じ
信号がフィルタ10を介して入力されると共に、評価用
マイクロホン6からの検出信号が与えられる。この場
合、フィルタ10が介在されているのは、評価用マイク
ロホン6により検出した信号は、スピーカ5からダクト
1内を伝播して消音点O点に至る経路の音響伝達特性G
AOを考慮しているものである。
【0014】したがって、このような構成とすることに
より、音源用マイクロホン4やスピーカ5の経時変化や
気温等の変化によるダクト1内の音響伝達特性の変動に
対応して常に消音点O点における消音効果を最大となる
ように維持して消音動作を行うことができるのである。
【0015】ところで、上述のような適応形能動消音制
御を行う場合に、その制御動作に先立って、上述したフ
ィルタ10の音響伝達特性GAOやキャンセルフィルタ1
1の音響伝達特性GASを設定するためには、ダクト1内
における実際の音響伝達特性GAOおよびGASをあらかじ
め測定しておく必要がある。つまり、これらの音響伝達
特性が正確に設定されていることが上述の適応能動制御
を行うことの前提となているのであるからであり、十分
な消音効果を得るための条件であるからである。そし
て、これらの音響伝達特性を同定するための構成を図9
に示している。
【0016】ノイズ発生器13はホワイトノイズなどの
ランダムノイズ信号を出力するもので、その出力端子は
スピーカ5に接続され、ダクト1内にホワイトノイズを
出力させる。音響伝達特性GAO同定用の適応フィルタ1
4は、同定回路15および演算器16から構成されるも
ので、同定回路15にはノイズ発生器13からランダム
ノイズ信号が与えられると共に演算器16の出力信号が
与えられ、同定回路15の出力は演算器16に減算入力
される。同定回路15は、サンプリング信号をデジタル
処理してGAOの同定処理を実行し、その出力信号と評価
用マイクロホン6からの検出信号との差の信号として演
算器16から与えられる信号に基づいてさらに同定処理
を進めていくことにより音響伝達特性GAOを同定する。
【0017】音響伝達特性GAS同定用の適応フィルタ1
7は、同定回路18および演算器19から構成されるも
ので、上述の適応フィルタ14と同様に信号処理を行う
ことにより音響伝達特性GASを同定する。
【0018】上記構成により、ノイズ発生器13からホ
ワイトノイズ信号を出力してスピーカ5によりホワイト
ノイズをダクト1内に出力し、ダクト1内を伝播して音
源用マイクロホン4および評価用マイクロホン6により
検出される信号に基づいて、それぞれ適応フィルタ14
および17により音響伝達特性GAOおよびGSAを同定す
る。この結果得られた音響伝達特性GAOおよびGSAをそ
れぞれフィルタ10およびキャンセルフィルタ11の伝
達特性として設定すれば良い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に消音動作を行う場合に、スピーカ5と音源用マイクロ
ホン4および評価用マイクロホン6との間の音響伝達特
性GSOおよびGAOを測定して同定したものをそのまま適
用すると、次に示すような不具合が生ずる。
【0020】すなわち、同定時にスピーカ5からホワイ
トノイズなどを出力すると、そのノイズ音はダクト1内
を伝搬して評価用マイクロホン6に直接到達する直接波
成分とダクト1の開口部(右端)1a部分で反射して評
価用マイクロホン6に到達する反射波成分(図9中破線
の矢印で示す)との両者が評価用マイクロホン6により
検出されることになる。
【0021】そして、これらの検出されるノイズ音に基
づいて音響伝達特性が同定されることになるのである
が、実際の消音動作時においては、消音動作が開始され
て安定した状態になると、スピーカ5から出力される制
御音は、ダクト1内を伝搬して評価用マイクロホン6の
位置O点で騒音源の騒音と干渉して消音され、その位置
に音響の壁が生成されるため、消音動作を行うことによ
り消音点O点よりも開口部1a側の音響特性が変化する
ことになり、ダクト1の開口部1aに達する音の成分が
なくなって評価用マイクロホン6に戻る反射音の成分も
なくなってしまうことになる。
【0022】したがって、同定時に得られた音響伝達特
性GAOあるいはGSAは実際の消音動作時の音響伝達特性
とずれてしまい、これが原因となってスピーカ5から忠
実な制御音を出力して消音動作ができなくなって十分な
消音効果が得られなくなったり、場合によっては、計算
誤差が蓄積するなどして制御が発散してしまう不具合が
起こり得る。
【0023】そして、このような反射波の成分により発
生する不具合の状況は、反射音の量や反射してくるまで
の時間によって変化するため、消音装置の前後の音響環
境によって異なる性質を示す。例えば、空調ダクトなど
に設置した場合には、その据付場所によってダクト前後
での音響特性が異なるために消音効果もその据付場所に
応じて変動するので、消音機としての消音効果をあらか
じめ見積もることができず、静音設計に支障を来すよう
になる。また、冷蔵庫などのコンプレッサの騒音発生を
防止するために設置する場合においても、その設置場所
が設計段階で特定することができない場合には、上述と
同様にして消音効果をあらかじめ見積もることができな
いため、同様の不具合を生ずることになる。
【0024】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、周囲の音響環境に左右されることなく
騒音の伝播経路内の音響特性を同定して消音動作時に対
応した音響伝達特性を正確に同定することができて、消
音効果をより向上させることができるようにした適応形
能動消音装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の適応形能動消音
装置は、上記課題を解決するために、騒音の伝播経路に
設けられた第1の受音手段と、前記騒音の伝播経路に前
記第1の受音手段より下流側の位置に設けられ前記騒音
に対する干渉音を出力する制御用発音器と、前記騒音の
伝播経路に前記制御用発音器より下流側の位置に設けら
れた第2の受音手段と、前記第1の受音手段の検出信号
に基いて演算加工を行うことにより制御信号を生成して
前記制御用発音器に前記干渉音を出力させる制御手段
と、この演算手段により生成される制御信号が入力され
前記制御用発音器と前記第1の受音手段との間の音響伝
達特性でフィルタリングしてキャンセル信号として出力
するキャンセル手段と、前記第1の受音手段の検出信号
から前記キャンセル手段のキャンセル信号を減じて前記
制御手段に与える演算手段と、この演算手段の出力信号
を前記制御用発音器と前記第2の受音手段との間の音響
伝達特性でフィルタリングして参照信号として出力する
信号変換手段と、前記第2の受音手段の検出信号および
前記信号変換手段からの参照信号に基いて前記制御用発
音器による消音量が最大となるように前記制御手段の演
算係数を調整する適応制御手段と、前記制御用発音器か
らランダムノイズを出力するためのノイズ発生手段と、
前記制御用発音器から出力されるランダムノイズに対す
る前記第2の受音手段の検出信号に基づいて前記制御用
発音器から出力されるランダムノイズが該第2の受音手
段に最短時間で到達する成分を抽出する抽出手段と、こ
の抽出手段からの抽出信号と前記ノイズ発生手段からの
ランダムノイズ信号とに基づいて前記信号変換手段に設
定すべき前記制御用発音器と前記第2の受音手段との間
の音響伝達特性を同定する同定手段とを設けて構成した
ところに特徴を有する。
【0026】また、上記構成において、前記抽出手段
を、前記第2の受音手段の検出信号を所定時間遅延させ
る信号遅延手段と、前記第2の受音手段の検出信号とこ
の遅延手段により遅延された検出信号とに基づいて前記
制御用発音器からのランダムノイズのうちの前記第2の
受音手段に最短時間で到達しない反射成分を同定するこ
とにより前記制御用発音器から出力されるランダムノイ
ズが該第2の受音手段に最短時間で到達する成分を出力
する抽出用適応フィルタとを設けて構成することができ
る。
【0027】さらに、上記構成において、前記ノイズ発
生手段からのランダムノイズ信号を所定時間遅延させる
遅延手段と、前記ノイズ発生手段から出力される前記ラ
ンダムノイズ信号と前記遅延手段により遅延されたラン
ダムノイズ信号とに基づいてそのランダムノイズ信号か
ら周期性を有する成分を除去してランダムノイズ信号と
して前記制御用発音器に出力する信号調整手段とを設け
て構成することもできる。
【0028】そして、前記構成において、前記ノイズ発
生手段から出力されるランダムノイズ信号から周期性を
有する成分を抽出する周期成分抽出手段と、前記抽出手
段により前記第2の受音手段による前記ランダムノイズ
の検出信号から第2の受音手段に最短時間で到達する成
分を抽出する際に前記周期成分抽出手段により抽出され
た周期成分に基づいて前記ランダムノイズ信号に含まれ
ている周期成分を除去するように補正する補正手段とを
設けて構成しても良い。
【0029】
【作用】請求項1記載の適応形能動消音装置によれば、
制御手段および適応フィルタによる消音制御動作に必要
となる信号変換手段に設定すべき音響伝達特性すなわち
制御用発音器と第2の受音手段との間の音響伝達特性は
次のようにして同定される。
【0030】まず、制御用発音器に対してノイズ発生手
段からホワイトノイズなどのランダムノイズ信号を出力
すると、ランダムノイズが騒音の伝播経路に出力され
る。伝播経路内に出力されたランダムノイズは空間を伝
播することにより第2の受音手段により検出されるが、
その検出される音の成分は、制御用発音器から伝播経路
の空間を伝播して直接到達する音の成分つまり直接音成
分と、これに加えて、第2の受音手段の側部を通過して
伝播経路の出口側で反射した後その上流側に戻って到達
する音の成分つまり反射音成分とを含んだ信号となって
いる。この場合、反射音成分は直接波成分に比べて反射
してくる時間だけ第2の受音器に到達するまでの時間が
長くなっている。
【0031】そして、抽出手段は、第2の受音手段から
の検出信号に基づいて、第2の受音手段により検出され
たランダムノイズのうちの制御用発音器から最短時間で
到達した音の成分つまり直接音成分を抽出して同定手段
に与えるようになる。同定手段は、抽出手段から与えら
れるランダムノイズの直接音成分に基づいて制御用発音
器と第2の受音手段との間の音響伝達特性を同定するよ
うになる。したがって、この場合に同定される音響伝達
特性は、制御用発音器と第2の受音手段との間の伝播経
路の最短の空間を伝播するランダムノイズの音響伝達特
性に相当しており、制御用発音器から第2の受音手段よ
りも下流側に伝播して反射してから第2の受音手段に到
達した反射音成分の音響伝達特性を含まないものとして
同定することができるようになる。
【0032】さて、このように同定された音響伝達特性
が信号変換手段に設定されると、制御手段は、伝播経路
に伝播している騒音を第1の受音手段により検出してそ
の検出信号に基づいて制御信号を生成し、制御用発音器
から干渉音を出力するようになる。これにより、騒音と
同一振幅で逆位相の干渉音とが互いに打ち消し合って消
音されるようになる。
【0033】この場合、消音動作が進んで定常状態にな
ると、制御用発音器から出力される干渉音により第2の
受音手段の位置に音響の壁ができて、それよりも下流側
の伝播経路には騒音が伝播しないようになる。したがっ
て、第2の受音手段には、音響伝達特性の同定を行った
ときのように、下流側から反射してくる騒音の成分がな
くなるので、上述した同定時に得られた制御用発音器と
第2の受音手段との間の直接波成分に対応して同定した
音響伝達特性と一致した状態となることにより、正確な
消音動作を実施できるようになる。
【0034】なお、上述の第1の受音手段による騒音の
検出において、キャンセル手段を設けているのは、制御
用発音器からの干渉音が第1の受音手段により検出され
て騒音の検出信号と混合されるのを防止するためであ
り、制御用発音器から伝播経路を介して第1の受音手段
に至る経路の音響伝達特性をキャンセル手段に設定して
制御手段からの制御信号をキャンセルすることにより、
騒音のみを検出して制御信号を生成するためである。
【0035】請求項2記載の適応形能動消音装置によれ
ば、上述した抽出手段による直接音成分の抽出過程にお
いて、抽出用適応フィルタは、第2の受音手段から出力
される検出信号と、信号遅延手段により所定時間遅延さ
せた信号とに基づいて、第2の受音手段により検出され
るランダムノイズ信号のうちの反射音成分を同定し、こ
のとき同定されない直接音成分を出力するようになる。
【0036】この場合、第2の受音手段により検出され
るランダムノイズ信号に含まれる直接音成分よりも遅れ
て到達している反射音成分は、信号遅延手段により所定
時間遅延された直接音成分により同定することができる
ので、抽出用適応フィルタにより順次同定されるように
なってフィルタ特性を設定することができるようになる
が、第2の受音手段から信号遅延手段を介さずに出力さ
れる直接音成分はその成分と参照する信号がないので同
定することができず、そのまま出力されることになる。
【0037】つまり、この抽出用適応フィルタにより同
定できない音の成分が第2の受音手段により検出された
ランダムノイズの検出信号のうちの直接音成分に相当す
る信号となるのである。したがって、この抽出用適応フ
ィルタの出力信号に基づいて同定手段により同定を行う
ことにより、前述のように制御用発音器から第2の受音
手段に至る直接音が伝播する伝播経路の音響伝達特性を
同定することができるようになるのである。
【0038】請求項3記載の適応形能動消音装置によれ
ば、同定手段により同定を行う際に、信号調整手段によ
り、ノイズ発生器から出力されるランダムノイズ信号の
周期成分を除去するので、ノイズ発生器により人工的に
ノイズ信号を生成する際に、短い周期の音の成分が含ま
れてしまう場合でも、その周期成分を除去したランダム
ノイズ信号として制御用発音器に与えることができるよ
うになり、同定手段による音響伝達特性の同定をより正
確に行うことができるようになり、この結果、制御手段
による消音動作を的確に実施することができて消音効果
を向上させることができる。
【0039】請求項4記載の適応形能動消音装置によれ
ば、同定手段により同定を行う際に、ノイズ発生手段か
らのランダムノイズ信号を制御用発音器に与えてランダ
ムノイズを伝播経路に出力すると共に、このランダムノ
イズ信号を周期成分抽出手段に与えてその周期性を有す
る成分を抽出するようになる。そして、抽出手段により
第2の受音手段により検出されるランダムノイズの検出
信号から直接音成分を抽出する際に、検出信号に含まれ
るランダムノイズ信号の周期成分を補正手段により補正
することにより除去して同定手段に与えるようになる。
【0040】これにより、前述のようにしてノイズ発生
手段から出力されるノイズ信号に周期性があったり自己
相関が有る場合にその周期成分を除去して制御用発音器
に与えようとするとその出力のレベルが低下してしまう
ような場合に、出力のレベルを低下させないようにして
制御用発音器からランダムノイズを出力して第2の受音
手段により検出することができるようになり、また、こ
の場合でも、ランダムノイズ信号に含まれる周期性を有
する成分による検出誤差を排除して正確に音響伝達特性
を同定することができるようになる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を空調ダクトに適用した場合の
第1の実施例について図1ないし図4を参照して説明す
る。すなわち、能動消音装置のブロック構成を示す図2
において、一端が開放されている騒音の伝播経路として
のダクト21内部の奥(図中左端)に空調装置等の騒音
源22が設けられ、空調運転による空調空気が図中左方
(上流側)から右方(下流側)に向けて送風されると共
に、空調運転により発生する騒音が同様にして伝播され
るようになっている。
【0042】消音装置23は、その騒音源22から発生
する騒音がダクト21の開口部21aから外部に出るの
を防止するように配設されている。ダクト21内には、
騒音の伝播経路に沿って(図中ダクト21内の左から右
に向かう方向に沿って)、上流側のS点に騒音を検出す
る第1の受音手段としての音源用マイクロホン24が配
設され、その下流側のA点に干渉音を出力する制御用発
音器としてのスピーカ25が配設され、さらに下流側の
O点に第2の受音手段としての評価用マイクロホン26
が配設されている。
【0043】制御部27は、S点で音源用マイクロホン
24により検出した騒音源の検出信号を、ダクト21の
開口部21a側の評価用マイクロホン26の位置に相当
するO点で音波干渉により音圧がゼロとなるように信号
処理して制御音としてスピーカ25から出力する。スピ
ーカ25からダクト21の開口部21aに向けて制御音
が出力されると、O点において音の壁を形成し、騒音を
ダクト21の中に閉じ込めて外部の放出されることを防
止し、騒音を消音するようになっている。また、制御部
27は、評価用マイクロホン26から開口部21aの消
音点Oにおける消音量の検出信号が与えられると、これ
に基づいて適応制御を行うようになっている。
【0044】この場合、適応制御は、常に消音効果を十
分に発揮させるために、制御音を作り出すにあたって、
音源用マイクロホン24やスピーカ25の経時変化や気
温等の変化によるダクト21内における音響伝達特性の
変動を考慮し、これに対処して自動調整できる機能とし
て設けられたものである。そして、この適応形能動消音
制御システムにおいては、消音点であるO点に配置した
評価用マイクロホン26により、制御音により消音され
ずに残った音を検出しその検出量が最小になるように制
御部27にフィードバックをかけて消音効果を高い状態
に維持させようとするものである。
【0045】音源用マイクロホン24の検出信号は演算
手段としての演算器28を介して制御手段としてのFI
Rフィルタ29および伝達特性GAOが設定された信号変
換手段としての信号変換フィルタ30に入力される。信
号変換フィルタ30の伝達特性GAOは、スピーカ25か
らダクト21内を介して評価用マイクロホン26に至る
伝達経路の音響伝達特性GAOと同じ伝達特性が設定され
るもので、後述のようにして同定処理を行って実際の音
響伝達特性を同定して求めた上で、設定するものであ
る。
【0046】FIRフィルタ29は、生成した制御信号
をスピーカ25に与えると共に伝達特性GASが設定され
たキャンセル手段としてのキャンセルフィルタ31を介
して演算器28の減算入力端子に与える。キャンセルフ
ィルタ31の伝達特性GASは、スピーカ25からダクト
21内を介して音源用マイクロホン24に至る伝達経路
の音響伝達特性GASと同じ伝達特性である。そして、こ
の音響伝達特性GASについても後述のようにして同定処
理を行って実際の音響伝達特性を同定して求めた上で、
設定するようになっている。
【0047】適応制御手段としての適応フィルタ32
は、信号変換フィルタ30から信号が与えられると共に
評価用マイクロホン26から消音点Oにおける検出信号
が与えられるようになっており、周知のLMSアルゴリ
ズムに基づいてデジタル演算を行うことにより評価用マ
イクロホン26から与えられる検出信号がゼロとなるよ
うにFIRフィルタ29の演算係数を調整するようにな
っている。
【0048】次に、図1は、上述した信号変換フィルタ
30およびキャンセルフィルタ31に設定される音響伝
達特性GAOおよびGASを同定するための構成を示すもの
で、制御部27に代えて次のような同定用の回路が設け
られている。ノイズ発生手段としてのノイズ発生器33
は、ホワイトノイズなどのランダムノイズ信号を人工的
に生成して出力するもので、その出力端子はスピーカ2
5に接続され、ダクト21内にホワイトノイズを出力さ
せる。
【0049】音響伝達特性GAO同定用の同定手段として
の適応フィルタ34は、同定回路35および演算器36
から構成されるもので、同定回路35にはノイズ発生器
33からランダムノイズ信号が参照信号として与えられ
ると共に演算器36の出力信号が与えられ、同定回路3
5の出力は演算器36に減算入力される。同定回路35
は、サンプリング信号をデジタル処理してGAOの同定処
理を実行し、その出力信号と評価用マイクロホン26か
らの検出信号との差の信号として演算器36から与えら
れる信号に基づいてさらに同定処理を進めていくことに
より音響伝達特性GAOを同定する。
【0050】抽出手段としての抽出回路37は、評価用
マイクロホン26が検出したホワイトノイズの検出信号
から自己相関関数を同定することにより直接音成分を抽
出して出力するもので、信号遅延手段としての遅延回路
38および抽出用適応フィルタ39から構成されてい
る。また、抽出用適応フィルタ39は、反射音同定用の
同定回路40と演算器41とから構成されている。
【0051】そして、評価用マイクロホン26の出力端
子は遅延回路38の入力端子に接続されると共に演算器
41の加算入力端子に接続されている。遅延回路38
は、入力される信号を所定時間遅延させて出力するもの
で、その出力端子は同定回路40の入力端子に接続され
ている。同定回路40は、評価用マイクロホン26の検
出信号と演算器41からの演算出力信号に基づいて、評
価用マイクロホン26の検出信号から反射音成分を同定
するもので、その出力端子は演算器41の減算入力端子
に接続され、演算器41の出力端子は前述の適応フィル
タ34の演算器36の加算入力端子に接続されている。
【0052】音響伝達特性GAS同定用の適応フィルタ4
2は、同定回路43および演算器44から構成されるも
ので、同定回路43にはノイズ発生器33からランダム
ノイズ信号が参照信号として与えられると共に演算器4
4の出力信号が与えられ、同定回路43の出力は演算器
44に減算入力される。同定回路43は、サンプリング
信号をデジタル処理してGAOの同定処理を実行し、その
出力信号と音源用マイクロホン24からの検出信号との
差の信号として演算器36から与えられる信号に基づい
てさらに同定処理を進めていくことにより音響伝達特性
GAOを同定するようになっている。
【0053】抽出回路45は、音源用マイクロホン24
が検出したホワイトノイズの検出信号から直接音成分を
抽出して出力するもので、遅延回路46および抽出用適
応フィルタ47から構成されている。また、抽出用適応
フィルタ47は、反射音同定用の同定回路48と演算器
49とから構成されている。
【0054】そして、音源用マイクロホン24の出力端
子は遅延回路46の入力端子に接続されると共に演算器
49の加算入力端子に接続されている。遅延回路46
は、入力される信号を所定時間遅延させて出力するもの
で、その出力端子は同定回路48の入力端子に接続され
ている。同定回路48は、音源用マイクロホン24の検
出信号と演算器49からの演算出力信号に基づいて、音
源用マイクロホン24の検出信号から反射音成分を同定
するもので、その出力端子は演算器49の減算入力端子
に接続され、演算器49の出力端子は前述の適応フィル
タ42の演算器44の加算入力端子に接続されている。
【0055】次に、本実施例の作用について、図3およ
び図4をも参照して説明するに、まず、(1)能動消音
制御および適応制御の原理と動作について説明し、続い
て、(2)音響伝達特性を同定する同定処理について説
明する。
【0056】(1)能動消音の動作原理説明と消音動作 いま、図2に示すように、ダクト1内における騒音の検
出点である音源用マイクロホン24の位置S点,消音の
実現点である評価用マイクロホン26の位置O点および
干渉音の出力点であるスピーカ25の位置A点のそれぞ
れの点間の音響伝達特性を、次のように定義する。すな
わち、A点からS点に至る伝播経路の音響伝達特性をG
AS,A点からO点に至る伝播経路の音響伝達特性をGA
O,S点からO点に至る伝播経路の音響伝達特性をGSO
とする。
【0057】すると、これら3つの音響伝達特性の関係
は次式のように表せる。 GSO=GSA・GAO …(1) したがって、FIRフィルタ29に必要なフィルタ特性
Gは、上述のS点とA点との間の音響伝達特性GSAに対
して逆位相となる伝達特性とすれば良いから、上記
(1)式から、 G=−GSA =−GSO/GAO …(2) となる。つまり、FIRフィルタ29のフィルタ特性G
を(2)式のように設定すれば、評価用マイクロホン2
6の位置でスピーカ25から出力する制御音で騒音を消
音できることがわかる。
【0058】次に、適応制御について述べる。いま、音
源用マイクロホン24に達する騒音の検出信号をx,開
口部21a(O点)にて受けられる音の検出信号をyと
すると、 y=GSO・x …(3) という関係が成り立つ。そして、この開口部21a(O
点)における検出信号yをゼロとするためには、検出信
号yと逆位相となる信号−yを開口部21aにて重ね合
わせれば良い。そこで、スピーカ25から出力する制御
音信号をaとすると、 −y=GAO・a …(4) であるから、FIRフィルタ29のフィルタ特性をGと
おくと、 a=G・x =−GSO/GAO・x …(5) y=(−G)・GAO・x …(6) であるから、評価用マイクロホン26の検出信号yと音
源用マイクロホン24の検出信号xを音響伝達特性GAO
の信号変換フィルタ30で処理した信号GAO・xとか
ら、適応フィルタ32により−Gを同定して求め、符号
反転してFIRフィルタ29のフィルタ特性を求める。
この処理をデジタルフィルタを使って行う場合は、特性
はフィルタ係数として得られるので、符号反転は、各タ
ップ係数値をゼロから引き算することで得られる。
【0059】また、空間の音響伝達特性GSOが環境の変
化等によりGSO′にずれて、FIRフィルタ29のフィ
ルタ特性の最適値Gnew が現状の消音フィルタ特性Gol
d よりΔGだけずれることにより、 Gnew =Gold −ΔG …(7) になった場合には、消音し残した開口部21aでの検出
信号をy′とすると、 y′=x・G・GAO+x・GSO′ …(8) であるから、最適消音時の関係は、 x(G−ΔG)・GAO+x・GSO′=0 …(9) となる。したがって、式(8),(9)よりGSO′を消
去すると、 y′=x・G・GAO−x・(G−ΔG)・GAO =(x・GAO) ・ΔG …(10) の関係が得られる。
【0060】これにより、式(6)の場合と同様に、評
価用マイクロホン26の検出信号y′と、音源信号xを
信号変換フィルタ30にてフィルタ特性GAOで処理した
信号GAO・xとから、適応フィルタ32によりGのずれ
成分であるΔGを同定して求めることができる。これに
より、式(7)によってFIRフィルタ29の新たな最
適消音フィルタ特性を求めることができる。
【0061】なお、式(6)と式(7),(10)を比
べると、最初に求めるFIRフィルタ29の音響伝達特
性Gは式(7)で、Gold =0とおいた場合の式の値に
相当することがわかるので、FIRフィルタ29の特性
の初期値を「0」として式(10)で表される適応過程
と式(7)で表される係数更新過程の繰り返しにより、
消音を最適な状態に持っていくことができる。
【0062】この場合、実際には、係数更新は式(7)
よりも、ΔGにフィードバックゲインパラメータμをか
けて、 Gnew =Gold −μΔG として表したほうが、フィードバックゲインパラメータ
μにより収束速度や安定性を改善したり調節することが
できて都合が良くなる場合が多い。
【0063】さて、このような消音原理に基づいて、次
のようにして消音動作が行われる。騒音源22から発せ
られた騒音がダクト21内を開口部21aに向けて伝播
するときに、制御部23においては、音源用マイクロホ
ン24によりS点における騒音を検出し、この検出信号
に基づいて消音点O点にて騒音と干渉を起こして消音す
るための制御信号をFIRフィルタ29にて演算してス
ピーカ25に与える。このとき、制御信号はキャンセル
フィルタ31を介して演算器28にも与えられる。これ
は、スピーカ25から出力した制御音がダクト21内を
上流側に伝播してS点にて音源用マイクロホン24によ
り検出されると、ハウリングを起こすことがあるため
に、音源用マイクロホン24の検出信号から制御音によ
る検出成分をキャンセルするためのものである。
【0064】そして、スピーカ25から出力される制御
音は、消音点O点において騒音源22から伝播してきた
騒音の振幅と同振幅で且つ逆位相となって騒音と干渉を
起こして打ち消し合うことにより消音されるようにな
る。したがって、この消音点O点では、評価用マイクロ
ホン26により検出される音の信号は理想的にはゼロと
なるはずであるが、実際には、音源用マイクロホン24
やスピーカ25の経時変化や気温等の変化によるダクト
21内における音響伝達特性の変動があるために、ゼロ
とならない場合がある。
【0065】そこで、この評価用マイクロホン26によ
る検出信号がゼロとなるように適用フィルタ32により
FIRフィルタ29の演算係数を調整する。適用フィル
タ32には、FIRフィルタ29に入力される検出信号
と同じ信号が信号変換フィルタ30を介して入力される
と共に、評価用マイクロホン26からの検出信号が与え
られる。この場合、信号変換フィルタ30が介在されて
いるのは、評価用マイクロホン26により検出した信号
は、スピーカ25からダクト21内を伝播して消音点O
点に至る経路の音響伝達特性GAOを考慮しているもので
ある。
【0066】したがって、このような構成とすることに
より、音源用マイクロホン24やスピーカ25の経時変
化や気温等の変化によるダクト21内の音響伝達特性の
変動に対応して常に消音点O点における消音効果を最大
となるように維持して消音動作を行うことができるので
ある。
【0067】なお、このように適応形能動制御により消
音動作を行う場合に、FIRフィルタ29,信号変換フ
ィルタ30,キャンセルフィルタ31のそれぞれに設定
すべき伝達特性を、ダクト21の音響伝達特性に応じて
正確に同定しておくことが肝要となる。特に、この場合
のように適応制御を行う構成では、前述したような理由
から、信号変換手段としての信号変換フィルタ30に設
定する音響伝達特性GAOを消音動作時に対応する伝達特
性として同定する必要となるのである。
【0068】(2)音響伝達特性GAO,GASの同定処理 そこで、図1を参照して音響伝達特性の同定処理の内容
について述べる。まず、ノイズ発生器33からランダム
ノイズ信号としてのホワイトノイズ信号を出力してスピ
ーカ25によりホワイトノイズをダクト21内に出力す
る。このホワイトノイズはダクト21内を伝播して音源
用マイクロホン24および評価用マイクロホン26によ
り検出される。この音源用マイクロホン24の検出信号
に基づいて抽出回路45においては、自己相関関数を同
定することにより、スピーカ25からダクト21内を介
して音源用マイクロホン24に最短時間で到達する音の
成分つまり直接音成分を抽出して出力し、評価用マイク
ロホン26の検出信号に基づいて抽出回路37において
はスピーカ25からダクト21内を介して評価用マイク
ロホン26に最短時間で到達する音の成分つまり直接音
成分を抽出して出力する。
【0069】この抽出回路37および45における直接
音の抽出過程の動作について抽出回路37の動作を代表
として説明する。すなわち、評価用マイクロホン26に
よる検出信号には、スピーカ25からダクト21内を介
して直接検出された直接音成分と、評価マイクロホン2
6の近傍を通過してダクト21の開口部21a部分で一
部反射されて評価用マイクロホン26に戻る反射音成分
(図1中破線の矢印で示す部分)とが含まれたものとな
っている。
【0070】遅延回路38は、評価用マイクロホン26
から与えられる検出信号を所定遅延時間だけ遅らせて同
定回路40に出力する。同定回路40は演算器41から
出力される誤差信号がゼロとなるように同定処理を実行
する。このとき、評価用マイクロホン26から演算器4
1に与えられる検出信号は、前述のように直接音成分と
これよりも一定時間遅れて検出される反射音成分とが重
なった信号となっているので、直接音成分が演算器41
に入力される時点では、まだ同定回路40側に遅延回路
38から直接音成分に対応する検出信号が入力されてい
ないので、この直接音成分を同定することができず、常
に、直接音成分はそのまま適応フィルタ34の演算器3
6に与えることになる。一方、遅延回路38から直接音
成分に相当する信号が同定回路40に入力される時点に
おいては、評価用マイクロホン26から演算器41に対
して反射音成分の検出信号が与えられるようになるの
で、演算器41は、これらの検出信号の差を演算して出
力するようになり、したがって、同定回路40において
は、反射音成分に対する同定処理が進められることにな
る。この結果、抽出回路37を経ることにより、評価用
マイクロホン26からの検出信号のうち直接音成分の信
号のみを抽出して適応フィルタ34に与えることができ
るようになるのである。
【0071】なお、上述の遅延回路38に設定される遅
延時間は、消音システムの設計時にサンプリング周期と
ダクト21内に設けるマイクロホン24,26およびス
ピーカ25の位置によて決まり、その値は、およそ直接
音と反射音との時間差以下に設定される。
【0072】そして、適応フィルタ34においては、抽
出回路37から与えられる評価用マイクロホン26の検
出信号のうちの直接音成分と参照信号としてノイズ発生
器33から与えられるホワイトノイズ信号とに基づい
て、両者の信号がゼロとなるように同定回路35のフィ
ルタ係数を設定するようになる。この場合、同定回路3
5において設定されるフィルタ係数は、ノイズ発生器3
3から出力されたホワイトノイズ信号が音としてスピー
カ25から出力されてダクト21内を介して評価用マイ
クロホン26に至る伝播経路を経て得られた検出信号と
の差を同定した値となる。つまり、このスピーカ25か
ら評価用マイクロホン26に至る伝播経路の音響伝達特
性GAOが、求めるべき音響伝達特性であり、信号変換フ
ィルタ30に設定すべき伝達特性GAOである。
【0073】また、抽出回路45および適応フィルタ4
2においては、上述と同様な同定処理を行うことによ
り、スピーカ25と音源用マイクロホン24との間の音
響伝達特性GASを同定することができ、これがキャンセ
ルフィルタ31に設定すべき伝達特性となるのである。
【0074】なお、発明者らは、上記実施例のようにし
て評価用マイクロホン26の検出信号から直接音だけを
抽出した検出信号および従来に相当する評価用マイクロ
ホン26の検出信号そのものつまり反射音も含まれた検
出信号のそれぞれについて同定処理を行ったところ、そ
れぞれ、図3(a)および(b)に示すような結果が得
られた。すなわち、直接音のみを抽出して同定を行った
場合の結果である同図(a)には、反射音による悪影響
が発生していないが(図中Aで示す領域)、反射音も含
む状態で同定した場合の結果である同図(b)には、そ
の反射音による悪影響が発生している(図中aで示す領
域)。
【0075】また、このようにして同定された音響伝達
特性GAOおよびGASをそれぞれ信号変換フィルタ30お
よびキャンセルフィルタ31に設定して消音動作を行っ
たところ(制御オン時)、消音動作を実施しない場合
(制御オフ時)に比べて、図4(a)に示すような消音
効果が得られることがわかった。この結果、従来の制御
における結果(同図(b)参照)に比べても、例えば2
50Hz以上の周波数領域(図中B,bで示す領域)に
おいて大きな消音効果の向上が図れていることがわかっ
た。
【0076】このような本実施例によれば、信号変換フ
ィルタ30およびキャンセルフィルタ31のそれぞれに
設定すべき音響伝達特性GAOおよびGASを消音制御に先
立って同定処理を行う場合に、抽出回路37,45をそ
れぞれ設けて、音源用マイクロホン24,評価用マイク
ロホン26のそれぞれにより検出したランダムノイズの
検出信号から反射音成分を除去して直接音成分のみを抽
出して適応フィルタ34あるいは42に与えるようにし
たので、それぞれの音響伝達特性を直接音成分のみに基
づいて同定することができ、消音動作状態のダクト21
内の音響伝達特性を正確に同定して設定することができ
るようになり、消音動作時の音響伝達特性に応じた正確
な干渉音をスピーカ25から出力して消音効果を向上さ
せることができると共に、装置を据え付けた場所の音響
環境に左右されることなく、常に一定の消音効果を得る
ことができるようになる。
【0077】また、本実施例によれば、抽出回路37
を、遅延回路38および適応フィルタ39から構成し
て、評価用マイクロホン26からの検出信号の自己相関
関数を同定することにより直接音成分を抽出するように
したので、簡単な構成としながら、信号変換フィルタ3
0に設定すべき音響伝達特性GAOを上述のようにして同
定することができるようになる。
【0078】図5は本発明の第2の実施例を示すもの
で、第1の実施例と異なるところは、ノイズ発生器33
から出力されるランダムノイズ信号を周期成分除去回路
50を介してスピーカ25,同定回路35,43に与え
る構成としたところである。
【0079】すなわち、この実施例においては、ノイズ
発生器33により生成されるランダムノイズ信号に周期
成分が含まれたりあるいはノイズ信号自身に自己相関特
性がある場合に、その周期成分を除去した周期性のない
ランダムノイズ信号として利用しようとするものであ
る。同定処理に用いるランダムノイズ信号としては、周
期性が存在しないかあるいはM系列ノイズのように周期
性があってもその周期が信号処理を扱うときのレスポン
スの長さより十分長いものを使用することが理想的であ
るが、実際に使用するノイズ発生器の特性としては必ず
しもこの条件を満たさない場合がある。
【0080】この場合、ランダムノイズ信号に短い周期
成分が含まれていると、第1の実施例における抽出回路
37,45にて直接音成分を抽出する際に、自己相関が
生じることによる悪影響が発生し、精度良く直接音成分
を抽出できなくなる不具合が生じてしまう。
【0081】また、同定処理において消音対象となる周
波数帯域のみのランダムノイズ信号を用いて音響伝達特
性を同定するために、ランダムノイズ信号をバンドパス
フィルタなどを介して帯域制限して出力する場合に、そ
のランダムノイズ信号が完全なランダムとなっていて
も、フィルタのインパルスレスポンスとの畳込みで、相
関のある信号が時間差をもって重なったようになり、直
接音の抽出に悪影響を及ぼす場合が生ずる。
【0082】この実施例は、このような不具合に対処す
るためのもので、周期成分除去回路50は、遅延手段と
しての遅延回路51および信号調整手段としての周期成
分同定用適応フィルタ52とから構成され、その周期成
分同定用適応フィルタ52は、同定回路53および演算
器54から構成されている。この構成は、第1の実施例
にて説明した抽出回路37あるいは45と略同様の処理
過程を実行することにより、ノイズ発生器33から出力
されるランダムノイズ信号から周期成分を同定し、同定
ができない成分を出力することによりランダムノイズ信
号をランダム化して利用するものである。
【0083】したがって、このような第2の実施例によ
れば、ノイズ発生器33により生成するランダムノイズ
信号のランダム度合が不完全である場合でも、十分なラ
ンダム性を有するランダムノイズ信号として利用するこ
とができるようになり、直接音の抽出を確実に行なわせ
ることができるようになる。
【0084】図6は本発明の第3の実施例を示すもの
で、これは、第2の実施例のようにして、周期成分除去
回路50によりノイズ発生器33から出力されるランダ
ムノイズ信号から周期成分を除去すると、その出力信号
のパワーが大幅に減少してしまう場合に対応して構成さ
れたものである。
【0085】すなわち、ノイズ発生器33の出力端子は
ランダムノイズ信号は消音対象となる周波数帯域を通過
帯域とするバンドパスフィルタ(BPF)55を介して
スピーカ25および同定回路35,43に接続されると
共に、周期成分抽出手段としての周期成分抽出回路56
に接続されている。周期成分抽出回路56は、遅延回路
57および適応フィルタ58から構成され、その適応フ
ィルタ58は補正手段としての同定回路59および演算
器60から構成されている。
【0086】上記構成において、適応フィルタ58は、
抽出回路37と同様の処理過程を実施することにより、
ノイズ発生器33からBPF55を介して与えられるラ
ンダムノイズ信号から周期成分を同定するようになって
おり、同定回路59にて同定された周期成分の自己相関
データを抽出回路37,45の同定回路40,48に与
え、抽出回路37,45にて直接音成分の抽出を行う際
に、その係数更新動作を止めてフィルタ係数を補正す
る。
【0087】これにより、適応フィルタ34,42にお
いては直接音成分の検出信号に基づいて音響伝達特性の
同定処理を行うことができるようになる。また、このよ
うにBPF55を介して帯域制限を行う場合に、このよ
うに補正を行うことにより、同定した音響伝達特性のイ
ンパルスレスポンスの振幅が遮断周波数付近で強調され
てしまう不具合を防止することができる。
【0088】本発明は、上記実施例のみに限定されるも
のではなく、次のように変形または拡張できる。騒音源
22とその騒音の伝播経路21は、冷蔵庫のコンプレッ
サとその排気ダクトの組み合わせの構成であっても良
い。スピーカ25は複数設けることができる。
【0089】ランダムノイズ信号はホワイトノイズに限
らず、M系列ランダムノイズなどでも良い。同定手段4
2は、スピーカ25からダクト21内を介して音源用マ
イクロホン24に至る伝播経路の音響伝達特性を同定す
る同定手段として機能し、抽出回路45は、音源用マイ
クロホン24の検出信号から直接音成分を抽出する抽出
手段として機能する。
【0090】
【発明の効果】請求項1記載の適応形能動消音装置によ
れば、制御手段および適応制御手段により適応形能動消
音動作を行う際に必要な信号変換手段に設定する制御用
発音器と第2の受音手段との間の音響伝達特性を同定す
るにあたり、抽出手段を設け、第2の受音手段によるノ
イズ発生手段からのランダムノイズの検出信号のうちか
ら最短時間で到達する成分つまり直接音成分のみを抽出
して同定手段により同定を行うようにしたので、同定手
段は、抽出手段から与えられるランダムノイズの直接音
成分に基づいて制御用発音器と第2の受音手段との間の
音響伝達特性を同定することができる。
【0091】これにより、適応形能動消音制御の実行時
に、消音動作の定常状態において制御用発音器から出力
される干渉音により第2の受音手段の位置に形成される
音響の壁でそれよりも下流側の伝播経路には騒音が伝播
しない状態となったときの音響伝達特性と同じ音響伝達
特性が信号変換手段に設定されていることになるので、
定常状態において正確な消音動作を実施できるようにな
るという優れた効果を奏する。
【0092】請求項2記載の適応形能動消音装置によれ
ば、抽出手段を信号遅延手段と抽出用適応フィルタとに
より構成し、第2の受音手段からの検出信号に対して、
抽出用適応フィルタにより、第2の受音手段から出力さ
れる検出信号と、信号遅延手段により所定時間遅延させ
た信号とに基づいて、第2の受音手段により検出される
ランダムノイズ信号のうちの反射音成分を同定し、この
とき同定されない直接音成分を出力することにより直接
音成分を抽出するようにしたので、簡単な構成としなが
ら、信号変換手段に設定すべき音響伝達特性の同定を消
音動作時の状態に合わせたものとして正確な同定処理を
実施することができるという優れた効果を奏する。
【0093】請求項3記載の適応形能動消音装置によれ
ば、信号調整手段を設け、同定手段により同定を行う際
に、信号調整手段により、ノイズ発生器から出力される
ランダムノイズ信号の周期成分を除去するので、ノイズ
発生器により人工的にノイズ信号を生成する際に、短い
周期の音の成分が含まれてしまう場合でも、その周期成
分を除去したランダムノイズ信号として制御用発音器に
与えることができるようになり、同定手段による音響伝
達特性の同定をより正確に行うことができるようにな
り、この結果、制御手段による消音動作を的確に実施す
ることができて消音効果を向上させることができるとい
う優れた効果を奏する。
【0094】請求項4記載の適応形能動消音装置によれ
ば、同定手段により同定を行う際に、ノイズ発生手段か
らのランダムノイズ信号を制御用発音器に与えてランダ
ムノイズを伝播経路に出力すると共に、このランダムノ
イズ信号を周期成分抽出手段に与えてその周期性を有す
る成分を抽出し、抽出手段により第2の受音手段が検出
したランダムノイズの検出信号から直接音成分を抽出す
る際に、検出信号に含まれるランダムノイズ信号の周期
成分を補正手段により補正することにより除去して同定
手段に与えるようにしたので、前述のようにしてノイズ
発生手段から出力されるノイズ信号から周期成分を除去
して制御用発音器に与えようとするとその出力のレベル
が低下してしまうような場合に、出力のレベルを低下さ
せないようにして制御用発音器からランダムノイズを出
力して第2の受音手段により検出することができるよう
になり、また、この場合でも、ランダムノイズ信号に含
まれる周期性を有する成分による検出誤差を排除して正
確に音響伝達特性を同定することができるようになると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す同定時のブロック
構成図
【図2】適応形能動消音を行うときのブロック構成図
【図3】直接音のみを抽出して同定した場合(a)と反
射音を含んで同定した場合(b)の音響伝達特性GAOの
インパルスレスポンス測定結果図
【図4】直接音のみを抽出して同定した場合(a)と反
射音を含んで同定した場合(b)の音響伝達特性GAOを
用いて消音効果を測定した結果の周波数特性図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図7】従来例を示す能動消音の概略構成図
【図8】図2相当図
【図9】図1相当図
【符号の説明】
21はダクト(騒音の伝播経路)、22は騒音源、23
は消音装置、24は音源用マイクロホン(第1の受音手
段)、25はスピーカ(制御用発音器)、26は評価用
マイクロホン(第2の受音手段)、27は制御部、28
は演算器(演算手段)、29はFIRフィルタ(制御手
段)、30は信号変換フィルタ(信号変換手段)、31
はキャンセルフィルタ(キャンセル手段)、32は適応
フィルタ(適応制御手段)、33はノイズ発生器(ノイ
ズ発生手段)、34は適応フィルタ(同定手段)、35
は同定回路、36は演算器、37は抽出回路(抽出手
段)、38は遅延回路(信号遅延手段)、39は抽出用
適応フィルタ、40は同定回路、41は演算器、42は
適応フィルタ、43は同定回路、44は演算器、45は
抽出回路、46は遅延回路、47は抽出用適応フィル
タ、48は同定回路、49は演算器、50は周期成分除
去回路、51は遅延回路(遅延手段)、52は周期成分
同定用適応フィルタ(信号調整手段)、53は同定回
路、54は演算器、55はバンドパスフィルタ、56は
周期成分抽出回路(周期成分抽出手段)、57は遅延回
路、58は適応フィルタ、59は同定回路(補正手
段)、60は演算器である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音の伝播経路に設けられた第1の受音
    手段と、 前記騒音の伝播経路に前記第1の受音手段より下流側の
    位置に設けられ前記騒音に対する干渉音を出力する制御
    用発音器と、 前記騒音の伝播経路に前記制御用発音器より下流側の位
    置に設けられた第2の受音手段と、 前記第1の受音手段の検出信号に基いて演算加工を行う
    ことにより制御信号を生成して前記制御用発音器に前記
    干渉音を出力させる制御手段と、 この演算手段により生成される制御信号が入力され前記
    制御用発音器と前記第1の受音手段との間の音響伝達特
    性でフィルタリングしてキャンセル信号として出力する
    キャンセル手段と、 前記第1の受音手段の検出信号から前記キャンセル手段
    のキャンセル信号を減じて前記制御手段に与える演算手
    段と、 この演算手段の出力信号を前記制御用発音器と前記第2
    の受音手段との間の音響伝達特性でフィルタリングして
    参照信号として出力する信号変換手段と、 前記第2の受音手段の検出信号および前記信号変換手段
    からの参照信号に基いて前記制御用発音器による消音量
    が最大となるように前記制御手段の演算係数を調整する
    適応制御手段と、 前記制御用発音器からランダムノイズを出力するための
    ノイズ発生手段と、 前記制御用発音器から出力されるランダムノイズに対す
    る前記第2の受音手段の検出信号に基づいて前記制御用
    発音器から出力されるランダムノイズが該第2の受音手
    段に最短時間で到達する成分を抽出する抽出手段と、 この抽出手段からの抽出信号と前記ノイズ発生手段から
    のランダムノイズ信号とに基づいて前記信号変換手段に
    設定すべき前記制御用発音器と前記第2の受音手段との
    間の音響伝達特性を同定する同定手段とを具備したこと
    を特徴とする適応形能動消音装置。
  2. 【請求項2】 前記抽出手段は、 前記第2の受音手段の検出信号を所定時間遅延させる信
    号遅延手段と、 前記第2の受音手段の検出信号とこの遅延手段により遅
    延された検出信号とに基づいて前記制御用発音器からの
    ランダムノイズのうちの前記第2の受音手段に最短時間
    で到達しない反射成分を同定することにより前記制御用
    発音器から出力されるランダムノイズが該第2の受音手
    段に最短時間で到達する成分を出力する抽出用適応フィ
    ルタとを具備していることを特徴とする請求項1記載の
    適応形能動消音装置。
  3. 【請求項3】 前記ノイズ発生手段からのランダムノイ
    ズ信号を所定時間遅延させる遅延手段と、 前記ノイズ発生手段から出力される前記ランダムノイズ
    信号と前記遅延手段により遅延されたランダムノイズ信
    号とに基づいてそのランダムノイズ信号から周期性を有
    する成分を除去してランダムノイズ信号として前記制御
    用発音器に出力する信号調整手段とを具備したことを特
    徴とする請求項1または2記載の適応形能動消音装置。
  4. 【請求項4】 前記ノイズ発生手段から出力されるラン
    ダムノイズ信号から周期性を有する成分を抽出する周期
    成分抽出手段と、 前記抽出手段により前記第2の受音手段による前記ラン
    ダムノイズの検出信号から第2の受音手段に最短時間で
    到達する成分を抽出する際に前記周期成分抽出手段によ
    り抽出された周期成分に基づいて前記ランダムノイズ信
    号に含まれている周期成分を除去するように補正する補
    正手段とを具備したことを特徴とする請求項1または2
    記載の適応形能動消音装置。
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