JPH0722021B2 - リン酸型燃料電池用シール材 - Google Patents

リン酸型燃料電池用シール材

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JPH0722021B2
JPH0722021B2 JP63159237A JP15923788A JPH0722021B2 JP H0722021 B2 JPH0722021 B2 JP H0722021B2 JP 63159237 A JP63159237 A JP 63159237A JP 15923788 A JP15923788 A JP 15923788A JP H0722021 B2 JPH0722021 B2 JP H0722021B2
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    • H01M8/02Details
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐リン酸性のシール材に関し、特にリン酸
型燃料電池のガスシール用のパツキング材として好まし
く用いることのできるリン酸型燃料電池用シール材に関
するものである。
〔従来の技術〕
リン酸型燃料電池は周知の通り、外部から供給される燃
料と酸化剤との電気化学反応により発電を行なう装置で
あり、基本的には電解質であるリン酸によつて隔てられ
た二つの電極を備え、150〜220℃の動作温度と、常圧〜
10気圧の動作圧力において運転される。
リン酸型燃料電池においては電池の内外における反応ガ
スの漏洩を阻止することが絶対的に必要かつ重要なこと
であり、漏洩が起こり反応ガスの混合が生じた場合、大
災害につながる危険性がある。
特に電極周縁部は反応ガスを有効かつ信頼性を持つて密
封すべき部位として重要である。また電極周縁部は電極
の厚さの誤差による段差を吸収する機能が要求される。
従来技術として例えば第3図は特開昭63−16565号公
報、特開昭59−184466号公報や特開昭58−166668号公報
などに示されたもので、セル組立後の断面図である。ま
た第4図は組立後の断面図である。
図において、(1)はガス分離板、(2)は反応ガス流路、
(3)は燃料および酸化剤電極、(4)は燃料および酸化剤電
極(3)の触媒層、(5)は電解質マトリツクスである。(6)
は電極(3)周辺のウエツトシールを発揮する部分で電解
液が充填されている。電極(3)は炭素繊維から成る基材
で形成されており、(7)は他の電極(3)周縁に配置された
パツキング材である。パツキング材としてはフツソ系の
樹脂やフツソ系のゴムが多く使用されている。
第3図、第4図では、一方の電極(3)にウエツトシール
(6)を適用し、他方にはパツキング材(7)によるシール方
法を適用した場合を示したが、両電極(3)ともパツキン
グ材(7)によるシール方法を適用する場合もある。
パツキング材(7)によるシールにおいては、パツキング
材(7)の弾性のためパツキング材(7)とガス分離板(1)と
が密着することにより、反応ガスが外部へ洩れるのを防
いでいる。従つて、セルの組立時には、電極(3)の厚さ
よりもパツキング材(7)の厚さを多少厚くしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
フツ素系のゴムによるパツキング材には、熱リン酸に対
する耐食性に問題があり、また面圧をかけた際にパツキ
ング材がセル以外にはみ出したり、電極を破損するなど
の問題点があつた。
一方フツ素系の樹脂としてはポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂(以下、PTFEと略記する)板がパツキング材とし
て用いられているが弾性に乏しいため電極の厚さの誤差
による段差を吸収することができず電極を破損するなど
の問題点があつた。
そこで最近ではシリコンカーバイドの微粒子とPTFEとを
混練してシート化したものがパツキング材として用いら
れている。これは例えば特公昭58−155号公報に記載さ
れている湿潤シールによるガスシール方法であり、シリ
コンカーバイドの微粒子とPTFEで構成された多孔質シー
ルの空孔部に毛細管作用によりリン酸を充填して液膜に
よりガスシールするものである。しかし湿潤シールは動
作温度においてリン酸が非常に流動性を帯びるために移
動しやすくなり差圧が生じるなどした場合に外部に流出
し易くなり、またリン酸が不足した場合にも湿潤シール
部におけるガスシール性が大きく低下するなどの問題点
があり、信頼性に乏しかつた。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、リン酸型燃料電池に適用した場合において
も、電極周縁部において、リン酸の量に影響されずに常
に充分なガスシール性を維持することのできる耐リン酸
性のシール材を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るリン酸型燃料電池用シール材は、耐リン
酸性を有する無機質粒子と、これらの微粒子相互を結着
し得る結着材と、リン酸と反応して体積膨張し得る無機
化合物とを配合し、加工したものである。
〔作用〕
この発明におけるリン酸と反応して体積膨張し得る無機
化合物は、リン酸と反応してリン酸塩化合物となり、そ
の際に体積膨態して、耐リン酸性に優れた無機質の微粒
子間で形成された空孔を閉塞することにより毛細管作用
を持たない、高度な弾性を有する緻密な組織を形成す
る。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例について説明するが、まず、
この発明のポイントとなつている酸化物の微粒子の膨張
という現象から説明する。
TiO2,ZrO2,Nb2O5などの酸化物の微粒子を選び、まず、
電解質保持マトリツクスとして機能するかどうかを調べ
た。その結果これらの微粒子をマトリツクスの材料とし
て用いた場合には初期に急激なオーム損の上昇が起こつ
て特性の急激な低下が起こり、短時間の運転で負荷がと
れなくなることが明らかになつた。この結果については
昭和58年11月30日電気化学協会秋季大会(要旨集F206)
及び昭和59年4月30日電気化学協会第51回大会(要旨集
D315)で発表している。この現象は、これらの微粒子が
リン酸と反応してリン酸塩化合物となりその際に大きく
体積膨張するためにマトリツクスの空孔が閉塞し電解質
の入る余地がほとんど無くなつてプロトン(H+)の移動
が困難になつて急激なオーム損の上昇が起こつていたこ
とが、セル分解後の分析調査で判明した。
次に、このような体積膨張を利用して周縁ガスシールの
パツキング材として使用できるのではないかと考えテス
トしたが、リン酸塩化合物がゲル化しているために面圧
をかけたときのクリープ(厚み減少)が著しくまた弾性
もないため充充分な機能は得られなかつた。
そこで体積膨張をしない耐リン酸性に優れた無機化合
物、例えばシリコンカーバイド、グラフアイトなどの微
粒子と酸化物の微粒子とを混合したものについても同様
の実験を行なつた。その結果マトリツクスとしてはやは
り急激なオーム損の上昇が起こつて使用に耐えなかつた
が、周縁ガスシールのパツキング材としては適度な弾性
があり、クリープもほとんどないため使用可能であるこ
とがわかつた。この発明はかかる知見にもとづいてなさ
れたものであり、以下、この発明の一実施例を図を用い
て詳細に説明する。
即ち、本発明に係るシール材は、耐リン酸性を有する無
機質微粒子と、これらの微粒子相互を結着し得る結着材
と、リン酸と反応して体積膨張し得る無機化合物とを配
合し加工したものである。
上記耐リン酸性を有する無機質微粒子として好ましく用
いることのできるものとしては、例えばSiC,C,B4C,WCの
一種、あるいはこれらの任意の2種以上の混合物などを
挙げることができる。上記結着材としては、特に限定さ
れるものではないが、フツ素樹脂であるPTFEの粉末ある
いは該粉末を水などの液体に分散させたデイスパージヨ
ンなどを好ましく用いることができる。上記デイスパー
ジヨンとしては、例えば「ポリフロンD-1」(ダイキン
工業社、商品名)、「TFE-30J」(三井フロロケミカル
社、商品名)などとして市販されているものをそのまま
用いることもできる。また、上記リン酸と反応して体積
膨張し得る無機化合物として、好ましく用いることがで
きるものとして、例えばTiO2,ZrO2,Nb2O5などの酸化物
の一種ならびにこれらの任意の2種以上の混合物などを
挙げることができる。
また、上記各成分の配合比率は特に限定されるものでは
ないが、耐リン酸性を有する無機質微粒子と、リン酸と
反応して体積膨張し得る無機化合物との酸合比は、前者
が、90〜40重量%に対し、後者が10〜60重量%程度とす
るのが好ましい。前者の配合量が90重量%よりも多い
と、得られるシール材のシール効果が不十分となり、ま
た40重量%よりも少ないと、耐リン酸性が劣るようにな
るので好ましくない。一方、上記フツ素樹脂の配合量
は、無機物の合計量に対し2〜15重量%、特に望ましく
は3〜10重量%の範囲内がよい。フツ素樹脂の配合量が
2%を下まわるときは、バインダーとしての効果が不十
分となり、15%以上ではバインダーとして過剰でありし
かも得られるシール材の耐リン酸性を損なうようになる
ので好ましくない。
本発明のリン酸型燃料電池用シール材は、上記各成分を
上記配合比から選ばれた所望の比率で配合し、例えばカ
レンダーロールなどのプレス機械で所望の形状、寸法に
加工することにより容易に得ることができる。例えばシ
ート状に加工したものを所望の寸法に切断し、リン酸型
燃料電池のシール用パツキングとして用いることができ
る。この場合には、燃料電池に組込んだ後、電解液とし
てのリン酸がシール材中に浸み込むことにより、また同
時に電池のウオーミングアツプによる発熱により、リン
酸と反応して体積膨張する無機化合物がシール材中に浸
入したリン酸と反応して膨張し無機質微粒子相互の空間
を気密に埋める。このように反応の進んだシール材は、
耐リン酸性を有するようになり、しかも適度の弾性とガ
ス,液体シール作用を発現する。
第1図はシリコンカーバイドと酸化チタンを重量比で1:
1で配合したものにPTFE粉末をバインダーとして3重量
%加え、混練してカレンダーロールなどのプレス機械を
用いてシート化したパツキング材の断面の電子顕微鏡写
真を模式的に描いたもので、(11)はシリコンカーバイ
ドの微粒子、(12)は酸化チタンの微粒子(2次粒
子)、(13)はPTFEである。PTFEをバインダーとして結
着されたシリコンカーバイドの「石垣」の間に酸化チタ
ンの微粒子が入つているように見える。
第2図は第1図のシート化したパツキング材に正リン酸
(100重量%)を塗布して浸透させ、さらに4kg/cm2の面
圧をかけた上で190℃で2日間保持したものを炭酸水素
ナトリウムでリン酸を中和、洗浄した後、断面の電子顕
微鏡写真をとつたものを模式的に描いたものである。
シリコンカーバイドの「石垣」のすき間はリン酸塩化し
た酸化チタン(14)でびつしりとうめられていて空間は
ほとんど見出されなかつた。
このシートは実際にリン酸型燃料電池のパツキング材と
して使用し充分なシール性能を長時間維持できることを
確認した。またクリープはほとんどなく、また長時間の
セルの運転後も充分な弾力性を有しており、電極に割れ
なども生じなかつた。
なおクリープがほとんどなかつたのはシリコンカーバイ
ドとPTFEとからなる「石垣」の存在によりリン酸塩化し
た酸化チタンが押しつぶされなかつたためである。
同様の効果は他の成分の組合せについても確認された。
耐リン酸性に優れた無機化合物とリン酸と反応した体積
膨張を起こす微粒子の組み合せであれば上記実施例と同
様の効果が期待される。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば耐リン酸性を有する無機
質の微粒子と、リン酸と反応して体積膨張する化合物の
微粒子及び結着材を配合し、加工するように構成したの
で、体積膨張による空孔の閉塞により耐リン酸性にすぐ
れ、適度の弾性を有し、しかもガスシールし得る信頼性
の高いリン酸型燃料電池用シール材が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はこの発明の一実施例によるシール材を
模式的に示す組織図であり、第1図はリン酸と反応させ
る前の状態、第2図はリン酸と反応させた後の状態を示
す。第3図、第4図は従来のリン酸型燃料電池の構成を
示す断面図であり、第3図は組立前、第4図は組立後の
状態を示す。 図において、(7)はシール材としてのパツキング材、(1
1)は耐リン酸性を有する無機質微粒子としてのシリコ
ンカーバイドの微粒子、(12)はリン酸と反応して体積
膨張し得る無機化合物としての酸化チタンの微粒子、
(13)は結着材(PTFE)、(14)はリン酸と反応して体
積膨張した酸化チタンの微粒子である。 なお図中同一符号は、同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐リン酸性を有する無機質粒子と、これら
    の微粒子相互を結着し得る結着材と、リン酸と反応して
    体積膨張し得る無機化合物とを配合し、加工したもので
    あることを特徴とするリン酸型燃料電池用シール材。
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