JPH07220714A - 可融性多孔質膜 - Google Patents

可融性多孔質膜

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JPH07220714A JP6023362A JP2336294A JPH07220714A JP H07220714 A JPH07220714 A JP H07220714A JP 6023362 A JP6023362 A JP 6023362A JP 2336294 A JP2336294 A JP 2336294A JP H07220714 A JPH07220714 A JP H07220714A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウム一次電池及びリチウム二次電池のセ
パレーターとして用いると極めて有用な可融性の多孔質
膜を提供する。 【構成】 本発明に係る多孔質膜は、内部に微細孔を有
するポリメチルペンテン多孔質支持相、及び、該多孔質
支持相の微細孔内部に存在しており、130℃未満の融
点を有する第2のポリマーの可融性相から構成されてお
り、ポリメチルペンテンに対する第2のポリマーの相対
量は、一定温度以上に加熱する前においては第2のポリ
マーが該微細孔を閉塞せしめない状態で存在するが、一
定の温度以上に加熱されると第2のポリマーが溶融して
該微細孔内部を閉塞しその透過性を消失せしめるような
量であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、特にリチウム一
次電池及びリチウム二次電池のセパレーターとして用い
ると極めて有用な可融性の多孔質膜に関するものであ
る。より詳しくは、本発明は、支持相と可融性相とから
構成される多孔質膜であって、特にリチウム電池用のセ
パレーターとして用いると、電池内の温度が所定の温度
を超えて可融性相の融点以上に上昇した場合に、可融性
相が溶融して孔を塞ぎその透過性を消失するが支持相は
変形せずにその形状を保つという性質を有することを特
徴とする多孔質膜に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】バッテリ
ー、リチウム電池、電解コンデンサー等に使用されてい
る電解液セパレーターは、古くはクラフト紙やマニラ麻
等の電解紙が多く用いられていたが、最近では、より強
度が高く、ショート(極間短絡)率が低い不織布や多孔
質ポリオレフィン膜などが使用されるようになってい
る。また、特にリチウム電池の場合には、一般に高密度
の電流を流すように設計されているため、電極間の短絡
が起きた場合などには電池内の温度が急激に上昇する。
これは、短絡によって過電流が流れるためと、かかる過
電流によって陰極における化学反応が加速するためであ
る。この電池内における急激な温度上昇は非常に危険で
あり、保護機構を有しない高速電池においては140℃
を超える温度に迅速に到達し、電解液に使用されている
有機溶媒の蒸気の排出による火災の危険や、電池の爆発
といった危険性を引き起こす。かかる危険性を回避する
ために色々な対策が必要となっており、安全第一の原則
からかかる対策に対する市場の要求が非常に高くなって
いる。
【0003】かかる問題点を解決するための手段として
は、セパレーターとしての強度を保ちつつ、その融点以
上に加熱されると融着する多孔質材料をセパレーターと
して用いることにより、異常加熱時にはセパレーター材
料自体が融着することによりその微細孔が閉塞して膜の
イオン透過性が失われて多孔質膜として機能しなくな
り、これによりイオン、即ち電流の流路を閉ざして過電
流が流れないようにするという方法が考えられている。
かかる目的で用いられる材料としてはポリオレフィン類
が考えられるが、ポリオレフィンは融点が低くなるとそ
の機械的強度も低下するため、現実にセパレーター材料
として用いることのできるものはポリプロピレンや高密
度ポリエチレンなどの溶融温度が130℃以上のもので
ある。一般のリチウム電池においては、かかる機能を有
するセパレーター用材料としては90〜120℃の融点
を有するものが望ましく、上記のような130℃以上の
融点を有するものでは融点が高すぎるという欠点があっ
た。また、ポリプロピレンや高密度ポリエチレンのよう
な130℃以上の融点を有する材料を用いた場合には、
電池内の温度が実際に130℃以上に到達した後もイオ
ンの流路は完全には閉ざされておらず、電流は流れ続け
ている。これでは異常加熱による火災、爆発等の危険性
が高く、とても実用に耐えるものではない。逆に、融点
の低いポリオレフィンを膜材料として用いると、膜の強
度が不十分である、膜が伸びやすい傾向を有する、電池
を構成した場合に電極による圧縮によってセパレーター
の孔がつぶれてしまう傾向があるなどといった問題が生
じる。また、従来のポリオレフィンによる多孔質膜は、
機械的強度の大きい物は空孔率が低く、逆に空孔率が高
いものは機械的強度が小さいという欠点を有している。
更には、これらの一層構造の多孔質膜をセパレーターと
して用いた場合には、電池内の温度が昇温してポリオレ
フィンの融点に達すると孔がつぶれてイオンが透過でき
なくなるのであるが、この時点で電極に残っている残熱
のために更に温度が上昇し、膜自体が破壊されてイオン
が大量に透過し、このために更に温度上昇が続いて、発
火、爆発へと至る可能性があった。これは、電池の安全
性から考えると致命的な欠陥を潜在的に持っていると言
わざるをえない。
【0004】かかる一層構造のセパレーターのほかに、
最近になって、不織布や、あるいはポリエチレン、ポリ
プロピレンのような高い融点を有するポリマーの多孔質
膜を支持層として用い、該支持層上に低い融点を有する
ポリマーの多孔質膜を積層して、該低融点ポリマーの融
点以上の温度においては該低融点ポリマーが溶融して不
透過性の層を形成するという多層構造のセパレーターが
開発されている。かかる構造のセパレーターの例として
は、特開昭62−10857号公報においてポリオレフ
ィン系の多層化した多孔質膜によって構成されている電
池用セパレーターが、また、特開平3−59947号公
報においては架橋ポリエチレンフィルムと未架橋の可融
性ポリエチレンフィルムとを積層した電池用セパレータ
ーが開示されている。米国特許第4,741,979号
においては、不織布上にワックスを被覆した電池用セパ
レーターが開示されている。また、特開平2−7515
2号公報においては、可融性の不織布とヘキストセラニ
ーズ社のポリプロピレン多孔質膜(商品名セルガード2
500)とを熱融着させて多層化した、可融性の多孔質
膜をリチウム電池用のセパレーターとして使用すること
が開示されている。しかしながら、かかる多層化膜をセ
パレーターとして用いる方法においては、多層化したこ
とによって膜厚が不均一になったり、セパレーターの強
度を保つために膜厚が厚くなってしまうといった問題が
ある。
【0005】即ち、リチウム電池等の小型電池において
は市場の要求から、重量、体積当たりのエネルギー密度
を高めるためにセパレーターの膜厚を薄くし、しかもそ
の膜厚を均一にすることが求められるが、上記の多層構
造のものにおいては、多層化したことによってこれらの
要求を満足できなくなるという問題がある。また、これ
ら多層構造のものにおいては、膜の貼り合わせ時に熱収
縮率の違いにより多層化した膜が一方へ湾曲したり、膜
同士が剥がれたりするといったトラブルが多かった。ま
た、温度が上昇する際にも、膜の熱膨張率の違いにより
膜にしわがよったり膜間の剥がれが生じる等、膜の状態
に問題が生じることが多かった。更に、それぞれ溶融温
度の異なる多孔質膜同士を張り合わせる際に、接着の際
の加熱によって膜間にスキン層が生じて微孔が閉塞し、
膜の多孔性が失われてしまうという事態が生じる場合も
あった。更に、所定の膜厚を維持しつつセパレーターと
しての強度を上げるためには、支持層として高分子量の
ポリオレフィンを使用しかつ支持層の膜厚を厚くするこ
とが必要なため、結果として低溶融温度層の膜厚を極め
て薄くする必要があるが、非常に薄い多孔質膜を均一に
張り合わせるということは技術的に極めて困難であっ
た。
【0006】以上のような問題点を克服するために、本
願発明者は、特開平5−247253号において、所定
の溶融温度を有する第1のポリマーにより構成される多
孔質ポリマー層、及び、該多孔質ポリマー層の微細孔内
部に存在しており第1のポリマーの溶融温度よりも低い
所定の溶融温度を有する第2のポリマーから構成されて
おり、一定温度(第2のポリマーの融点)以上に加熱さ
れる前においては該第2のポリマーが該微細孔を閉塞せ
しめない状態で存在してイオンを透過せしめるが、一定
の温度以上に加熱されると該第2のポリマーが溶融して
該微細孔内部を閉塞しイオンの透過を停止することを特
徴とする、単一層構造の多孔質ポリマー膜を開示し、そ
の実施例として第1のポリマーとしてポリプロピレン、
第2のポリマーとして低密度ポリエチレンを用いたもの
を開示した。
【0007】これにより、上述のような従来技術の問題
点を解決した電池用セパレーターが提供されたのである
が、かかる出願において実施例として用いたポリプロピ
レンと低密度ポリエチレンとの組合せでは、実用におい
て未だ問題点を有している。即ち、この2種類のポリマ
ーをそれぞれ第1のポリマー及び第2のポリマーとして
用いて可融性セパレーターを形成した場合、異常電流を
ポリエチレンの融点付近で遮断するのであるが、ポリプ
ロピレン及び低密度ポリエチレンの融点がそれぞれ16
0〜170℃及び90〜120℃程度と比較的近接して
いるため、ポリエチレンが溶融して電流が遮断した後も
電極等に残った残熱によって温度が上昇することによっ
てポリプロピレンが軟化若しくは溶融してしまう可能性
がある。また、例えば製造時における不注意な取扱いに
よりセパレーターに傷があったり、異物が混入していた
りすることによって、異常電流の遮断機能が十分に発揮
できなかった場合、電極間の短絡によって異常電流が流
れ続けて支持層であるポリプロピレンの融点を超えて温
度が上昇する。そして更に温度が上昇して金属リチウム
の融点186℃を超えると、リチウムが溶融し、既に溶
融若しくは軟化状態にあるポリプロピレン支持層がこの
溶融リチウムによって破断されて内部短絡が爆発的に起
こり、発火、電池の爆発などといった極めて危険な状態
を引き起こすおそれがある。即ち、上記特開平5−24
7253号の実施例において開示されているポリプロピ
レンとポリエチレンとの組合せによる単一層構造の可融
性多孔質膜を電池用セパレーターとして用いた場合に
は、製造時や取り扱いの際の不注意による何らかの欠陥
があった場合には極めて重大な危険を招くおそれがあ
る。これは、いままでに公表されている多層化可融性電
池用セパレーターに関してもいえることである。したが
って、製造時や取扱い時の不注意によって発生した欠陥
に対しても潜在的に対応できる可融性電池用セパレータ
ーが望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特開
平5−247253号の実施例において使用されたポリ
プロピレン支持相とポリエチレン可融性相との組合せに
代えて、支持相としてポリメチルペンテンを、可融性相
として130℃未満の融点を有する第2のポリマーを用
いることによって、更に優れた電流遮断性と構造安定性
を有し、製造時や取扱い時の不注意によって発生した欠
陥に対しても潜在的に対応できる可融性電池用セパレー
ターが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、内部に微細孔を有するポ
リメチルペンテン多孔質支持相、及び、該多孔質支持相
の微細孔内部に存在しており、130℃未満の融点を有
する第2のポリマーからなる可融性相から構成されてお
り、ポリメチルペンテンに対する第2のポリマーの相対
量は、一定温度以上に加熱する前においては第2のポリ
マーが該微細孔を閉塞せしめない状態で存在するが、一
定の温度以上に加熱されると第2のポリマーが溶融して
該微細孔内部を閉塞しその透過性を消失せしめるような
量であることを特徴とする単一相構造の可融性多孔質膜
に関するものである。
【0010】図1に、本発明の単一層の可融性多孔質膜
の断面の概略を示す。該図から明らかなように、本発明
に係る可融性多孔質膜においては、該膜を構成するポリ
メチルペンテンによる多孔質ポリマー層の内部に存在す
る微細孔の壁部に、第2のポリマーの相が、該微細孔を
閉塞せしめない程度の量付着せしめられている。通常の
状態においては該微細孔を通してイオンが移動すること
ができるが(図1−a)、温度が異常に上昇して第2の
ポリマー相の融点以上になると、第2のポリマー相が溶
融して流動状態となって微細孔を閉塞し、該微細孔を通
るイオンの移動が遮断される(図1−b)。
【0011】本明細書において用いられる「ポリメチル
ペンテン」という用語は、4−メチルペンテン−1を重
合することによって得られる分子量20,000〜1,
000,000のメチルペンテンホモポリマー、並び
に、4−メチルペンテン−1より誘導される単位を重量
基準で50%より多く含む分子量20,000〜1,0
00,000のメチルペンテンコポリマーをいう。この
ようなメチルペンテンホモポリマー及びメチルペンテン
コポリマーは、ポリエチレンやポリプロピレンのような
一般的なポリオレフィンに比して高い融点を有するとい
う特徴を有する。かかるポリマーの融点は、その分子
量、メチルペンテンと共重合するコモノマーの種類やそ
の共重合割合によって変化するが、一般に200℃以上
であり、本発明においては220〜250℃の融点を有
することが好ましい。ここで、メチルペンテンと共重合
して本発明に係るメチルペンテンコポリマーを形成する
ことのできる他のコモノマーとしては、エチレン、プロ
ピレン、3−メチルブテン−1、n−ヘキサデセン−
1、n−オクタデセン−1などが挙げられる。
【0012】このようなポリメチルペンテンの例として
は、三井石油化学工業(株)製の商品名TPX−RT1
8が挙げられる。このポリマーと、ポリプロピレンの例
として三井石油化学工業(株)製のB200とに関し
て、それらの融点をセイコー電子工業(株)性の示差走
査熱量計DSC220によって測定すると、TPX−R
T18(ポリメチルペンテン)は230℃、B200
(ポリプロピレン)は169℃であった(ピーク温
度)。したがって、ポリメチルペンテンの融点とポリプ
ロピレンの融点とを比較すると、ポリメチルペンテンの
方が約50℃以上も高いことが分かる。また、これら2
種類のポリマーの弾性率の温度分散を(株)レオロジー
社製のDVE−V4 FTレオスペクトラーを用いて測
定すると、ポリプロピレンでは150℃付近から急激に
弾性率の低下が認められるのに対して、ポリメチルペン
テンでは220℃付近から弾性率の低下が認められる。
したがって、これらの物質により構成される多孔質膜を
電池用セパレーターとして用いると、ポリプロピレンの
場合には150℃付近からセパレーターとしての強度が
低下してしまうのに対して、ポリメチルペンテンの場合
には220℃までセパレーターとしての強度が保たれる
ことが分かる。
【0013】本発明に係る可融性多孔質膜において可融
性相を形成する第2のポリマーは、130℃未満、好ま
しくは90〜120℃の融点を有するものであれば、該
多孔質膜をセパレーターとして用いる電池の構成等によ
って幅広いものを用いることができる。また、融点の条
件を満足することを前提に、各種組成の共重合体を用い
ることもできる。かかる第2のポリマーの例としては、
ポリエチレン及びその共重合体、例えば低密度ポリエチ
レン(LDPE)、例えば、三菱化成(株)製の商品名
三菱ポリエチ−LD、三井石油化学工業(株)製のミソ
ラン、住友化学(株)製の商品名スミカセン、三井石油
化学工業(株)製の商品名ウルトゼックス、住友精化
(株)製の商品名フローセン、日本石油化学(株)製の
商品名日石レクスロン等、線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)、例えば、住友化学(株)製の商品名スミカ
セン−L、出光石油化学(株)製の商品名出光ポリエチ
レン−L、日本石油化学(株)製の商品名リニレックス
等、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジ
エン共重合体、エチレン−ペンタジエン共重合体、エチ
レン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−
無水マレイン酸及びその他のモノマーとのターポリマー
等が挙げられる。
【0014】上記のようなポリメチルペンテンと第2の
ポリマーとの組合せを用いて本発明にかかる構造の可融
性多孔質膜を形成すると、支持体相の融点が可融性相の
融点よりも約70℃以上も高いものとなるので、上述の
残熱による問題点が回避される。即ち、特開平5−24
7253号の実施例において開示されているようにポリ
プロピレンとポリエチレンとの組合せを用いて単一層可
融性電池用セパレーターを形成した場合には、支持体相
の融点と可融性相の融点とが比較的近接しているため
に、ポリエチレン相が溶融して異常電流を遮断した後
も、電極等に残った残熱によって温度が上昇することに
よって支持体相が軟化若しくは溶融してしまい、最悪の
場合にはセパレーターの破損を招くという問題がある
が、本発明に係る多孔質膜により形成されたセパレータ
ーにおいては、ポリプロピレンよりもはるかに高い融点
を有するポリメチルペンテンを支持体相として用いるた
めに、支持体相が可融性相の融点よりも十分に高い融点
を有することとなり、異常電流の遮断後に電極内に蓄積
されている残熱によってセパレーター本体の溶融が起こ
ることを防ぐことができる。また、ポリメチルペンテン
の融点は金属リチウムの融点よりも更に高いため、製造
時の欠陥等の原因により、異常電流が流れ続けて負極に
用いられている金属リチウムの溶融が起こるような場合
であっても、セパレーター自体はその形状を保つ。これ
により、セパレーターの破断により短絡が爆発的におこ
って、発火や電池爆発といった自体を招く危険性が回避
される。
【0015】更に、ポリメチルペンテンには官能基が含
まれていないために、電解液との反応が常温及び高温に
おいて起こらない。これに対して、ポリエステル、ナイ
ロン、ポリカーボネートなどの極性基を含むポリマー
は、ポリメチルペンテンよりも更に高い融点を有してい
るが、かかる極性基と電解液とが反応してしまうため、
電池用セパレーターとしては不適当である。
【0016】また、ポリメチルペンテンは、ポリプロピ
レンやポリエチレンよりも比重が軽く(ポリメチルペン
テン:0.83、ポリプロピレン:0.91、ポリエチ
レン:0.91以上)、電池にセパレーターとして組み
込んだ場合に電池の重量を軽減するという効果ももたら
す。
【0017】本発明において用いられるポリメチルペン
テンは、膜にした際に引張強度が高いものが有用であ
る。そのため、本発明の目的から外れない限りにおい
て、ポリメチルペンテンを架橋してその強度、剛性など
を向上させることができる。電池用セパレーターにおけ
る多孔質ポリマー相は、耐熱性を有しかつ強度が高いこ
とが望ましいので、結晶性を高くしたり、分子量を高め
たり、物理的架橋を導入したりすることは好ましいと考
えられる。但し、分子量や架橋度をあまり高くすると、
膜自体に柔軟性がなくなったり、製膜が困難になったり
することがあるので望ましくない。なお、架橋方法とし
ては、公知の電子線や放射線による架橋のほかに、シラ
ンカップリング剤や過酸化物による架橋も有用である。
【0018】本発明に係るポリメチルペンテン及び第2
のポリマーには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の各種
の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加するこ
とができる。また、電池用セパレーターとして用いる際
に電解液との親和性を向上させるために、種々の表面処
理を行うことも、本発明に何の影響も及ぼさない。例え
ば、電子線重合、紫外線重合、プラズマ重合によるカル
ボキシル基、水酸基、スルホン基、アミノ基等の親水性
官能基の導入により表面処理を行うことができる。ま
た、界面活性剤や親水性ポリマーでコーティングして多
孔質膜の臨界表面張力を低下させることができる。
【0019】本発明に係る単一層可融性多孔質ポリマー
膜を構成するポリメチルペンテンと第2のポリマーとの
量比は、通常の状態(温度)においてはポリメチルペン
テンにより構成される多孔質膜の微細孔が第2のポリマ
ーによって閉塞されないが、第2のポリマーの融点以上
に加熱されて第2のポリマーが溶融すると該微細孔が閉
塞されるような量であることが必要である。かかる望ま
しい比は、多孔質膜の厚さ、膜中の微細孔の寸法、形状
等や、多孔質膜の製造方法、第2のポリマーを微細孔中
に導入せしめる方法等によって変化するが、当業者であ
れば、実験等により最適な比を決定することができる。
例えば、ポリメチルペンテン多孔質膜として空孔率50
%、厚さ25μmのものを用いた場合には、ポリメチル
ペンテン対第2のポリマーの比は、41:59〜59:
41(重量比)が望ましい。
【0020】また、ポリメチルペンテンと第2のポリマ
ーとの結着性を高めるために、ポリオレフィンに不飽和
カルボン酸を共重合したポリマー、例えば住友化学
(株)製の商品名ボンダインや三菱油化(株)製の商品
名ユカロン、ポリオレフィンのグラフト体である三井石
油化学(株)製の商品名アドマーや住友化学(株)製の
商品名スミファーム、旭化成工業(株)製の商品名ライ
ネックス等の成分を結着剤として添加してもよい。
【0021】上記のポリメチルペンテン及び第2のポリ
マーにより、本発明に係る単一層可融性多孔質膜を作製
する方法は、当該技術において公知の種々の方法を用い
ることができる。以下に、本発明に係る単一層可融性多
孔質膜を製造するための種々の方法の例を示すが、これ
らは代表例に過ぎず、これ以外にも本発明の単一層可融
性多孔質膜を製造するために幅広い種々の方法を用いる
ことができる。
【0022】ポリメチルペンテンと第2のポリマーから
本発明に係る可融性多孔質膜を製造する第1の方法は、
第2のポリマーの溶液をポリメチルペンテンの多孔質膜
に含浸させてから溶剤を除去し、単一相の多孔質膜を得
る方法である。この方法によれば、まず、ポリメチルペ
ンテンの多孔質膜を作製し、第2のポリマーをトルエ
ン、キシレン等の溶剤に加熱溶解した溶液を、ポリメチ
ルペンテン多孔質膜に含浸して、孔の内部に第2のポリ
マーの溶液を満たす。次に、孔の内部に第2のポリマー
の溶液を満たしたポリメチルペンテン多孔質膜を、送風
乾燥機で乾燥して孔内部の溶剤を除去し、更に膜表面の
付着物を除去することによって単一層の多孔質膜が得ら
れる。
【0023】ポリメチルペンテンと第2のポリマーから
本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第2の方
法としては、無機充填剤の溶解除去による方法が挙げら
れる。この方法によれば、ポリメチルペンテンペレット
と第2のポリマーのペレットとの混合物に、微細に粉砕
した無機充填剤をよく混合し、ポリメチルペンテンの融
点以上の温度で混合物を溶融混練し、製膜した後、酸、
アルカリ等を用いて充填剤を除去することによって目的
とする単一層の多孔質膜が得られる。かかる方法に用い
ることのできる無機充填剤としては、アルミナ、シリ
カ、酸化チタンなどの金属酸化物や、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど
の無機炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム
などの金属水酸化物、カーボン、タルク、燐酸カルシウ
ムなどが挙げられる。また、充填剤の除去に用いること
のできる酸又はアルカリとしては、塩酸、硫酸、燐酸、
硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げら
れる。
【0024】ポリメチルペンテンと第2のポリマーから
本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第3の方
法としては、有機溶剤の抽出によって単一層多孔質膜を
製造する方法が挙げられる。この方法によれば、まず、
ポリメチルペンテンと第2のポリマーに対して良溶媒で
ある高沸点有機溶剤にこれらのポリマーを溶解して溶液
を調製する。次に、この溶液をTダイ法、インフレーシ
ョン法、プレス法、キャスト法等の公知の方法で製膜す
る。続いて、フィルムに残留する有機溶剤をポリメチル
ペンテン及び第2のポリマーに対する低沸点の貧溶媒を
用いて完全に抽出した後、乾燥して低沸点溶媒を除去す
ることにより、本発明にかかる単一層多孔質膜が得られ
る。この方法において用いることのできる、ポリメチル
ペンテン及び第2のポリマーに対して良溶媒である高沸
点有機溶剤としては、流動パラフィン、キシレン、デカ
リン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フタル
酸エステル、セバシン酸エステル、オレイン酸エステ
ル、トリメリット酸エステルなどが挙げられる。また、
ポリメチルペンテン及び第2のポリマーに対する低沸点
の貧溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エ
チル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピ
オン酸エチル、酪酸エチル等のエステル類、アセトン、
ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、1,1,
1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチ
レン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等の塩素系溶剤及び沸点100℃以下
の直鎖及び脂環式炭化水素などを用いることができる。
【0025】次にポリメチルペンテンと第2のポリマー
から本発明に係る単一層可融性多孔質膜を製造する第4
の方法としては、延伸による方法が挙げられる。この方
法によれば、ポリメチルペンテン及び第2のポリマーを
溶融混練し、混合物をTダイ法、インフレーション法、
プレス法、キャスト法等の公知の方法によって製膜す
る。次に、この膜を機械方向に一軸延伸することによっ
て、機械方向に楕円の孔をもつ本発明に係る単一層の多
孔質膜が得られる。
【0026】ポリメチルペンテンと第2のポリマーから
本発明に係る可融性多孔質膜を製造する第5の方法とし
ては、ポリメチルペンテンと第2のポリマー、及び、更
にこれらに相溶しない第3のポリマーとを溶融混合して
膜を形成した後に第3のポリマーのみを抽出除去するこ
とによる方法が挙げられる。この方法によると、まず、
ポリメチルペンテン、第2のポリマー、及び、これらの
ポリマーに相溶しない第3のポリマーを溶融混練し、こ
れを公知の方法で製膜することにより、ポリマー同士が
相互に絡み合った連続層をもつ熱可塑性IPN(interp
enetratingpolymer network)構造を有するポリマー膜
を得る。次に、第3のポリマーのみを溶解する溶剤を用
いて第3のポリマーのみを抽出、除去することにより、
本発明の構造に係る単一層多孔質膜を製造することがで
きる。この方法によれば、極めて簡単に本発明に係る単
一層多孔質ポリマー膜を得ることができる。なお、熱可
塑性IPN構造に関しては、ポリマーアロイ第2版(東
京化学同人出版、高分子学会編)第57頁に詳しく説明
されている。参考までに、熱可塑性IPN構造の概念図
を図2に示す。図2−aは2種類のポリマーが熱可塑性
IPN構造を形成する場合の概念を示し、図2−bは熱
可塑性IPN構造を形成しているポリマーの一つを抽出
除去した後の構造の概念を示している。
【0027】かかる方法に用いる第3のポリマー材料と
しては、本発明のセパレーターを形成する多孔質膜を構
成する2種類のポリマーのいずれにも相溶せず、しかも
これらのポリマーと熱可塑性IPN構造を形成し、か
つ、特定の溶剤によってそれのみを抽出除去することの
できるポリマーであればいかなるものを用いることもで
きる。ここで、特定の溶剤とは、所定の温度、例えば5
0℃においてポリメチルペンテン及び第2のポリマーを
溶解することなく第3のポリマーのみを溶解することの
できる溶剤をいう。当業者であれば、ポリメチルペンテ
ン及び第2のポリマーの特定の組合せに対して用いるこ
とのできる第3のポリマー及び該組合せに用いることの
できる溶剤を、実験的、経験的に決定することができ
る。ここで、第3のポリマーとして用いることのできる
ものの具体例としては、スチレン・水添ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体(SEBS)、例えばシェル化
学(株)製のクレイトンG(商品名)や、スチレン・水
添イソプレン・スチレン及びスチレン・水添イソプレン
ブロック共重合体(SEPS)、例えばクラレ(株)製
のセプトン(商品名)、スチレン・水添1,2結合イソ
プレン・スチレンブロック共重合体、例えばクラレ
(株)製のハイブラーHVS−3(商品名)などが挙げ
られる。これらSEBS、SEPS、ハイブラーHVS
−3は、ポリメチルペンテンやポリエチレンなどのポリ
オレフィンと溶融混練すると熱可塑性IPN構造を形成
し、かかる混練物を用いて製膜した後に特定の溶剤でこ
れら第3のポリマーのみを抽出することにより、貫通孔
を有する多孔質膜を作製することができる。該方法にお
いて第3のポリマーのみを抽出するのに用いることので
きる特定の溶剤として、トルエン、キシレン、シクロヘ
キサン、ノルマルヘキサン、メチルシクロヘキサン、メ
チルエチルケトン、四塩化炭素、クロロホルムなどが挙
げられる。更に、これらの溶剤の他に、溶解度パラメー
ターの値が7.2〜9.3の溶剤がおおよそこの目的に
合致する溶剤と考えられる。
【0028】上記のような方法によって得られる本発明
に係る単一層多孔質膜の強度を向上させるために、製造
工程において膜の延伸を行うこともできる。例えば、所
定の製膜法によって製造したフィルムを、ポリメチルペ
ンテンのガラス転移点以上でかつ融点よりも低い温度で
延伸し、その後、必要に応じて延伸時の温度よりも高い
温度でアニーリングすることによってフィルム内部の残
留応力を緩和し、続いて溶剤を用いて第3のポリマーの
みを抽出除去することにより強度の高い多孔質膜を形成
させることができる。この際の延伸倍率は、1.1倍〜
10倍、特に1.1倍〜3倍が望ましい。
【0029】本発明の単一層可融性多孔質ポリマー膜の
空孔率は、25〜80%が好ましく、40〜70%が特
に好ましい。空孔率が25%以下では、電池用セパレー
ターとして用いた場合に電解液の保持性が低下してドラ
イアップする可能性が大きくなり、また空孔率が80%
をこえると膜の強度が急激に低下し、電池用セパレータ
ーとして実際の使用に耐えなくなる。さらに、空孔率が
80%を超えると、第2のポリマーの溶融によって多孔
質層の微細孔を閉塞せしめるためには第2のポリマーの
量を多くしなければならず、ポリメチルペンテン支持体
相と第2のポリマーとの組成バランスが完全に崩れてし
まい、大部分が第2のポリマーから構成されるようにな
ってしまう。これでは多孔質膜の強度が得られず、負極
に発生するデンドライトによる突き破りや押し付けによ
る電極間の短絡が発生し易くなる。
【0030】多孔質膜の空孔率は、配合中の第3のポリ
マーの添加量で調節する。これは、第3のポリマーが膜
形成後に抽出除去されてその後に空孔を形成するためで
ある。ここで、第3のポリマーは、ポリメチルペンテン
及び第2のポリマーの合計量に対して0.5倍量から9
倍量まで添加して多孔質膜を得ることが望ましい。第3
のポリマーの量がポリメチルペンテン及び第2のポリマ
ーの合計量に対して0.5倍量以下では空孔率が低くな
って所望の空孔率が得られず、また第3のポリマーの量
がポリメチルペンテン及び第2のポリマーの合計量に対
して9倍量を超えると多孔質膜としての強度が保てず、
実用的でない。
【0031】また、ポリメチルペンテン、第2のポリマ
ー及び第3のポリマーから構成される膜を第2のポリマ
ーの溶融温度以下の温度でアニールすることによって、
アニールしないものに比べて空孔率を上げることができ
る。これは、膜をアニールすることにより各々のポリマ
ーの製膜時のストレスを緩和し、膜から第3のポリマー
を抽出除去した後の厚み方向の収縮を減少させることが
できるからである。
【0032】また、本発明に係る単一層多孔質膜の望ま
しい平均空孔径は、0.05μm〜10μmが好まし
く、0.05μm〜3μmが更に好ましい。平均空孔径
が0.05μmよりも小さいと、電池用セパレーターと
して用いた場合に等価直列抵抗が大きくなり電池の性能
を十分に発揮できなくなってしまい、また10μmより
大きいとデンドライトの発生により電極間短絡の発生率
が飛躍的に増大してしまう。該多孔質膜の空孔径は、溶
融混練時にポリメチルペンテンと第2のポリマーの混合
物に対して第3のポリマーがどの程度細かく分散される
かで決定される。則ち、各々のポリマーの分離相の構造
周期を如何に小さくするかで空孔径が決定する。これ
は、第3のポリマーが膜形成後に抽出除去されてその後
に空孔を形成するためである。したがって、多孔質膜の
空孔径は、溶融混練時の温度及び剪断応力、ポリメチル
ペンテン、第2のポリマー及び第3のポリマーの溶融粘
度を変化させることによって調整することができる。例
えば、ポリメチルペンテン、第2のポリマー及び第3の
ポリマーをニーダーで溶融混練する際に、混練温度を下
げて各ポリマーの溶融粘度が高い状態で溶融混練を行う
ことによって本発明の多孔質膜の空孔径を小さくするこ
とができる。逆に溶融混練時の温度を上げると得られる
多孔質膜の空孔径は大きくなる。また、溶融混練時の剪
断応力を強くすると得られる多孔質膜の空孔径は小さく
なり、逆に弱くすると得られる多孔質膜の空孔径は大き
くなる。また、第3のポリマーとして分子量の高いもの
を使用して溶融粘度を上昇させると、空孔径の小さな多
孔質膜が得られる。逆に第3のポリマーとして分子量の
小さいポリマーを使用して溶融粘度を下げると空孔径の
大きな多孔質膜が得られる。これらの事象を組み合わせ
ることによって、得られる多孔質膜の空孔径を容易に変
化させることができる。
【0033】また、本発明に係る単一相多孔質膜の膜厚
は、15〜300μmが好ましく、特に20μm〜25
0μmが好ましい。膜厚が15μmよりも薄いと、電池
用セパレーターとして用いた場合にセパレーターの強度
が著しく低下してデンドライトの押し付けや突き破りに
よる電極間短絡のトラブルが発生し易くなり、また、膜
厚が300μmよりも厚いと電池内部でのセパレーター
の占有体積が大きくなり、小型化、高エネルギー密度化
等の市場の要求に合致しなくなる。
【0034】本発明の単一層多孔質膜を電池用セパレー
ターとして用いて各種の電池を製造することができる。
特に、電池内部の温度が一定の温度以上に異常上昇した
場合に電流の流路を遮断して火災や爆発の危険を防止す
ることが求められている電池において本発明のセパレー
ターを用いると極めて有用である。
【0035】この意味で、現在のところ、有機電解液を
用いるリチウム電池において本発明に係る多孔質膜の有
用性が最も効果的に発揮されると考えられる。かかるリ
チウム電池における、陽極材料、陰極材料及び電解液等
の組合せは当該技術において周知のものであり、これら
構成要素の任意の組合せに対して本発明のセパレーター
を用いることができる。かかるリチウム電池において用
いることのできる好ましい有機電解液としては、炭酸プ
ロピレン及び1,2−ジメトキシエタンの混合液に過塩
素酸リチウムを溶解したものが挙げられる。また、その
他の溶媒と電解質の好ましい組合せとしては、溶媒とし
てブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジメトキシエタ
ン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシプロパン又は通常リチウム負極を有する電池の形
成に用いられているその他の任意の有機溶媒が、該溶媒
中に溶解するリチウム塩としてリチウムトリフルオロメ
タスルホネート(CF3SO3Li)、LiAsF6、LiB
4、LiClO4などが例示される。また、有用な負極材
料としては、金属リチウム、リチウム−アルミニウム合
金、リチウム−珪素合金、リチウム−ホウ素合金及び1
A及び2A族の金属などが挙げられる。集電体及び支持
体として用いることのできる金属としてはニッケル、ス
テンレス、アルミニウム及びチタン等が挙げられる。ま
た、広範囲の各種陽極活性材料を用いることができ、例
としてはMnO2、TiS2、FeS2、FeS、MoS2、Cu
O、V613、Bi23及び各種形態のポリフルオロカー
ボン等が挙げられる。
【0036】勿論、本発明のセパレーターを上記の構成
のもの以外のリチウム電池や、リチウム電池以外の他の
電池においても用いることができることは上記した通り
である。
【0037】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0038】以下の実施例において用いた種々の試験の
詳細を以下に示す。
【0039】膜厚はダイヤルゲージで測定したものであ
り、平均孔径は走査型電子顕微鏡により得られた表面及
び断面の写真から求めたものであり、また、空孔率は、
20mm×20mmに切り取った多孔質ポリマー膜試料
をn−ブチルアルコールを用いて含浸させた時の重量と
該試料を絶対乾燥状態にしたときの重量をそれぞれ求
め、以下の式により得られた値である。
【0040】 空孔率=(空孔容積/多孔質膜容積)×100 [ここで、 空孔容積= (含n-ブチルアルコール多孔質膜重量−絶対乾燥多孔質
膜重量)/0.81 である] また、第2のポリマーの溶融による多孔質膜の微細孔内
部の閉塞の状態は、イオンの透過性によって調べた。則
ち、得られた多孔質膜を、所定温度で所定時間加熱した
後、図3に示す装置に配置してイオンの透過を調べた。
図3に示す装置は、二つの容器の間に多孔質膜を配置で
きるようになっており、一方の容器には純水を、他方の
容器には塩化ナトリウムの1%溶液に界面活性剤を添加
して表面張力を多孔質膜の臨界表面張力より下げた溶液
を、それぞれ50ccずつ入れた。二つの溶液間におい
て濃度差があるために、多孔質膜を介してイオンが純水
の方に移行していく。この純水中に移行するイオンの流
れを導電率計で経時的に測定し、加熱前のイオン透過量
と比較して、加熱後にイオンの透過が阻止されるかどう
かによって、第2のポリマーが溶融し多孔質膜の微細孔
内部が閉塞したかどうかを判断した。また、所定温度で
所定時間の加熱の前後の多孔質膜の試料を液体窒素中で
割り、その断面を走査型電子顕微鏡によって観察して、
その形状の変化からポリマーが溶融しているかどうかを
判断した。
【0041】
【実施例1】融点240℃(カタログ値)のポリメチル
ペンテン(三井石油化学工業(株)製、商品名TPX−
RT18)12g、融点109℃の低密度ポリエチレン
(日本石油化学(株)製、商品名日石レクスロンL50
1)12g、スチレン・水添イソプレン(1,2結合)
・スチレンブロックポリマー((株)クラレ製、商品名
ハイブラーHVS−3)16gを、CSI−MAXミキ
シングエクストルーダーを用いて250〜260℃で十
分に溶融混練し、紐状の溶融混合物を調製した。これを
5mm幅に切断し、220℃、200kgf/cm2
条件で30秒間プレスしてフィルムを作製した。得られ
たフィルムをノルマルヘキサン中に浸漬して、スチレン
・水添イソプレン・スチレンブロックポリマーを完全に
抽出・除去し、更に新しいノルマルヘキサンでフィルム
の表面を洗浄して、ポリメチルペンテンとポリエチレン
とで構成される単一相の多孔質膜を得た。このフィルム
は、抽出の前後での重量変化によって、スチレン・水添
イソプレン・スチレンブロックポリマー相当分の重量減
少を示した。得られた単一相の多孔質膜は、孔径0.7
μm、膜厚250μm、空孔率38.9%であった。ま
た、IR分析によっても、この多孔質膜にはスチレン・
水添イソプレン・スチレンブロックポリマーが含まれて
おらず、ポリメチルペンテン及びポリエチレンで構成さ
れる単一相の多孔質膜が得られたことが分かった。この
膜に関するイオン透過性試験の結果を表1に示す。表1
の結果から、膜が120℃に加熱されるとイオン透過性
が失われることが分かった。120℃で加熱した1時間
後の導電率は、加熱前の3.7%しかなく、第2のポリ
マーが支持体相の孔内で溶融して孔を十分に閉塞してい
ることが示された。
【0042】また、加熱前と120℃で5分間加熱した
後の多孔質膜の断面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図4−
a及び図4−bに示す。これらの写真を比べると多孔質
膜の孔が加熱後に閉塞していることが示される。
【0043】
【表1】 表1:導電率の時間変化 加熱条件 導電率 0分後 30分後 1時間後 未加熱 1.41 90.5 250 110℃ 5分 1.04 66.2 176.5 120℃ 5分 1.2 5.29 9.22
【発明の効果】上記に説明したように、本発明に係る単
一層の多孔質膜は、常温におけるイオン透過性は良好で
あるが、所定の温度以上に加熱されると、その内部の微
細孔が閉塞してイオン透過性を失い電流の流路を遮断す
るという性質を有しており、例えばリチウム二次電池用
の対異状加熱安全性を有するセパレーターとして極めて
有用である。また、従来この目的で用いられている多層
構造の膜と比較しても、これら従来のものが包含する種
々の問題点を解決するものであり、また、所定温度にお
ける電気抵抗値の上昇が極めてシャープであるので、極
めて有用なものである。更に、特開平5−247253
号の実施例において用いられているポリマーの組合せに
よる本発明と同様の構造の単一層多孔質膜と比較して、
異常加熱時においてセパレーター本体の強度の低下を防
ぎ、セパレーターの破断による急激な短絡を原因とする
発火や電池爆発という事態を防ぐという点で、より安全
性が高い。したがって、本発明に係る電池用セパレータ
ーは、一定温度以上で電流を遮断することが所望される
種々の電池、特にリチウム電池において極めて有用であ
り、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単一層可融性多孔質ポリマー膜の
断面の構造の概略を示す図である。図1−aは所定温度
に加熱する前の通常の状態を示すものであり、図1−b
は所定温度に加熱した後の微細孔が閉塞した状態を示す
ものである。
【図2】熱可塑性IPN(interpenetrating polymer n
etwork)構造の概念を示す図である。図2−aは2種類
のポリマーが熱可塑性IPN構造を形成する場合の概念
を示し、図2−bは熱可塑性IPN構造を形成している
ポリマーの一つを抽出除去した後の構造の概念を示して
いる。
【図3】イオンの透過を測定し、多孔質膜が閉塞したか
どうかを判断するための装置の概略図である。
【図4】実施例1において得られた本発明の単一層多孔
質膜の形状を示す倍率5000倍及び2000倍の電子
顕微鏡写真である。図4−aは当該多孔質膜を120℃
に加熱する前、図4−bは当該多孔質膜を120℃に5
分間加熱した後における膜の形状を示す電子顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 有一 神奈川県横浜市金沢区釜利谷南3−21−2 −4

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に微細孔を有するポリメチルペンテ
    ン多孔質支持相、及び、該多孔質支持相の微細孔内部に
    存在しており、130℃未満の融点を有する第2のポリ
    マーの可融性相から構成されており、ポリメチルペンテ
    ンに対する第2のポリマーの相対量は、一定温度以上に
    加熱する前においては第2のポリマーが該微細孔を閉塞
    せしめない状態で存在するが、一定の温度以上に加熱さ
    れると第2のポリマーが溶融して該微細孔内部を閉塞し
    その透過性を消失せしめるような量であることを特徴と
    する単一相構造の多孔質膜。
  2. 【請求項2】 ポリメチルペンテンと第2のポリマーと
    の重量比が41:59〜59:41の範囲である請求項
    1に記載の多孔質膜。
  3. 【請求項3】 ポリメチルペンテン、130℃未満の融
    点を有する第2のポリマー、及びポリメチルペンテン及
    び第2のポリマーに相溶しない第3のポリマーを溶融混
    練して製膜することにより、ポリマー同士が相互に絡み
    合った熱可塑性IPN構造を有するポリマー膜を製造
    し、次に第3のポリマーのみを溶解する溶剤を用いて第
    3のポリマーのみを抽出・除去することを特徴とする請
    求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多孔質膜を電池用セパ
    レーターとして具備することを特徴とする電池。
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