JPH07221265A - パワー半導体モジュール - Google Patents

パワー半導体モジュール

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JPH07221265A
JPH07221265A JP6008503A JP850394A JPH07221265A JP H07221265 A JPH07221265 A JP H07221265A JP 6008503 A JP6008503 A JP 6008503A JP 850394 A JP850394 A JP 850394A JP H07221265 A JPH07221265 A JP H07221265A
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JP
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plate
module
heat diffusion
diffusion plate
power semiconductor
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JP6008503A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Koike
義彦 小池
Ryuichi Saito
隆一 斉藤
Shigeki Sekine
茂樹 関根
Hideya Kokubu
秀弥 国分
Shinya Koike
信也 小池
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Hitachi Ltd
Minebea Power Semiconductor Device Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Haramachi Electronics Ltd
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Publication date
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Priority to EP19940309433 priority patent/EP0661748A1/en
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2101/00Articles made by soldering, welding or cutting
    • B23K2101/36Electric or electronic devices
    • B23K2101/40Semiconductor devices

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  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】信頼性が高い内部絶縁型のパワー半導体モジュ
ールを提供すること 【構成】半導体チップ111を、応力緩衝板113と熱
拡散板114、それに絶縁板116を介して、モジュー
ル支持基板118に接合したパワー半導体モジュールに
おいて、熱拡散板114の周辺に座ぐり加工などにより
部薄肉部114aを形成したもの。 【効果】薄肉部114aの存在により、半田層112、
115、117のそれぞれに掛る応力のバランスを図る
ことができるので、これら複数の半田層に掛る応力の内
の最大値を抑えることができ、長寿命化が可能になり、
高い信頼性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IGBT、ダイオー
ド、GTO、パワートランジスタなどの半導体装置に係
り、特に、インバータ装置などに好適なパワー半導体モ
ジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、IGBT(絶縁ゲート・バイ
ポーラ・トランジスタ)、ダイオード、GTO(ゲート・
ターンオフ・トランジスタ)、パワートランジスタなど
各種のパワー半導体スイッチング素子を絶縁容器内に密
封して構成したパワー半導体モジュールが知られてい
る。
【0003】そして、これらの素子は、その耐圧や電流
容量に応じて各種インバータ装置などに応用されている
が、中でもIGBTは電圧制御素子であるため、制御が
容易で大電流の高周波動作が可能であるなどの利点を有
しているため、特に注目されている素子である。
【0004】ところで、これらIGBTなどのパワー半
導体モジュールは、通常、モジュール取付け基板部と電
流通電部が電気的に絶縁されている構造となっている。
すなわち、半導体素子と電極などが半田などの金属ろう
材によって接合ないし金属ワイヤ接続された電流通電部
が、Al23(アルミナ)或いはAl N(窒化アルミニウ
ム)などのセラミックからなる絶縁板を介して、Cu(銅)
板などからなる支持基板部上に接合された構造となって
いる。
【0005】このような構造のパワー半導体モジュール
は、多くの場合、モジュール支持基板を放熱用のフィン
やヒートパイプ等の冷却媒体に直接接触させて積極的に
冷却されるようになっているが、動作中は、スイッチン
グ条件などにより半導体チップの発熱量が変化し、半導
体モジュール全体の温度が変化してしまう。また、パワ
ー半導体モジュール内部でも、半導体チップとモジュー
ル支持基板部との間に介在する各板材の熱抵抗、熱拡が
りの違いに応じて温度差が生じてしまう。
【0006】このことから、パワー半導体モジュールの
寿命を決める要因の一種として、前記温度差による周期
的な熱疲労により、各部材を接合している半田にクラッ
クが生じ、熱抵抗が増加してしまう現象を挙げることが
できる。つまり、熱抵抗が増加すると半導体チップから
モジュール支持基板に至る熱伝達経路での温度勾配が大
きくなり、チップの温度が上昇する。そうすると、チッ
プの損失が増加するので、更にチップの温度が上昇する
結果となり、半田にかかる熱応力も増加するからであ
る。
【0007】そして、このように、ひとたびモジュール
の劣化が始まると、以後は相乗効果で急激に劣化が進行
し破壊に至ってしまう。そこで、初期での劣化の発生を
極力押さえることが重要になる。
【0008】ここで、半田などの接合材を用いたパワー
半導体モジュールの長寿命化の為には、熱疲労による接
合材の亀裂が、モジュールの熱抵抗に影響を及ぼす部分
に達するまでの時間を極力遅らせてやればよい。特に、
半導体チップの直下にある半田接合部では、ここでの亀
裂進展による熱抵抗の増加が直接モジュールの劣化につ
ながるため、例えばSi(シリコン)半導体チップの下に
は熱膨張係数差が比較的小さいMo(モリブデン)板やW
(タングステン)板(熱膨張係数;Si:2.6×10~6
℃、Mo:4.9×10~6/℃、W:4.6×10~6
℃、Cu:16.5×10~6/℃)などの板材を使う方法
が一般的に知られており、さらには半田の材質や、モジ
ュール内部に使われる部材の材質や厚さを適正化するこ
とによって信頼性を向上させる方法がとられてきた。
【0009】また、この外、半田層の厚さも熱疲労寿命
を決定する要因の一つであり、半田が薄いと応力集中が
起り、半田寿命が低下する。このため半田層の層厚を、
熱抵抗が許容される範囲で厚くし、かつ均一にする方法
がある。具体的には、半田層の中に必要な厚さを持った
網や球状の物体を混入させたり、接合される板材の面形
状によって、半田層の厚さを確保する方法などが知られ
ている。
【0010】なお、これらの技術に関するものとして
は、特開昭59−46036号、特開昭60−2571
41号、特開昭61−237456号、特開昭60−1
837号の各公報を挙げることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、半田の
熱疲労による劣化を低減させるため、半田にかかる応力
が最少値になるように、半導体チップの直下の構造を工
夫することにより最適化していた。例えば特開昭61−
237456号公報では、モジュール内部で使用される
各部材の線膨張係数と縦弾性係数を規定することで、応
力が小さくなるようにしている。
【0012】一方、モジュール内部で使用する各板材の
厚さを適正化する方法として、例えば特開昭59−46
036号公報では、モジュール内部で使用される絶縁板
の厚さを0.15〜0.35mmに規定することでモジュ
ールの放熱性を向上させ、かつ耐ヒートサイクル性を向
上させている。
【0013】また、特開昭60−257141号公報で
は、金属ベース上に半田を介して順次絶縁板、端子板、
応力緩衝板、半導体チップを搭載し、このうち応力緩衝
板の厚さを端子板より厚くすることで半田にかかる応力
を低減させている。
【0014】しかし、実際のモジュールでは半導体チッ
プから支持基板に向かってモジュール内部で積層された
板の大きさが変わるため、半田層に応力を及ぼす板材は
半導体チップ直下部とその他の部分で異なる。また、半
田にかかる応力は外周部で最大となり、そこから熱疲労
による半田の亀裂が進展するため、チップ直下での応力
と周辺部での応力のバランスが重要になる。
【0015】このため、それぞれの部分の積層構造によ
ってその最適厚さを検討する必要があるが、前記従来技
術では、各層の板厚さは面内で均一で、各積層構造の最
適化に関しては何も考慮されていなかった。
【0016】ところで、前記特開昭59−46036号
公報では、モジュール作成時、熱膨張係数差によって接
合された部材に反りが生じることについては、一応考慮
されており、半田層にかかる応力を小さくし、かつ接合
された複合材の反り量を低減させるような方法が取られ
ていた。
【0017】しかし、この従来技術では、接合プロセス
が複数回になった場合、先に接合した複合材の反り形状
が次のプロセスでの接合時の挙動を変化させることによ
り半田の接合強度が低下する場合に関しては何も考慮さ
れていなかった。
【0018】さらに、接合材の厚さを確保する方法とし
て、例えば特開昭60−1837号公報では、半導体片
とろう付けされる金属支持板に、ろう材の厚さを規定す
る突起と、半導体片の横方向の移動を阻止する突起を設
けることにより、厚さと位置の正確なろう付けを行う方
法が開示されている。
【0019】しかし、この従来技術では、半田付け中に
熱膨張係数の異なる物質が混入或いは混在していること
になり、この結果、熱サイクルによる局部的な膨張係数
差が生じて半田が劣化するため、それらを熱抵抗に影響
を及ぼさない位置にすることが重要となるが、その点に
ついては何も考慮されていなかった。
【0020】本発明の目的は、パワー半導体モジュール
の内部構造として、大きさの異なる複数の板材を積層さ
せた場合でも、高い信頼性が確保できるようにしたパワ
ー半導体モジュールを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の1では、半導体チップを、絶縁性の板材を
含む複数枚の順次大きさの異なる導電性板材を介して金
属ろう材で導電性支持基板に接合することにより、上記
半導体チップと上記導電性支持基板との間での絶縁が保
たれるようにした内部絶縁型のパワー半導体モジュール
において、上記導電性板材と導電性支持基板の内の少な
くとも1枚が、その小さい方の板材との接合部部分の周
辺部の少なくとも一部に、その中央部よりも板厚寸法が
減少している部分を設けたものである。
【0022】同じく本発明の2では、上記内部絶縁型の
パワー半導体モジュールにおいて、上記応力緩衝板を上
記熱拡散板の一方の面に積層し接合した段階で、該熱拡
散板の他方の面の形状が平面又は凸面の一方になるよう
に加工したものである。
【0023】同じく本発明の3では、上記内部絶縁型の
パワー半導体モジュールにおいて、上記熱拡散板の上記
絶縁板との接合面又は上記モジュール支持基板の上記絶
縁板との接合面の少なくとも一方の面に、所定の高さ寸
法を有する複数の突起を設けたものである。
【0024】
【作用】本発明1においては、その板厚寸法が減少して
いる部分により、各部材の積層接合部分の周辺部での応
力が緩和されるので、金属ろう材に掛る応力が少なくな
り、金属ろう材の周辺からの亀裂進展が抑えられるよう
になり、モジュールの長寿命化が図れる。
【0025】本発明の2においては、熱拡散板の他方の
面の形状が平面又は凸面の一方になるように加工したこ
とにより、以後の積層接合工程での熱変形が、接合部の
周辺部での残留応力が減少する方向に現われるようにで
き、この結果、金属ろう材に掛る応力が少なくなり、金
属ろう材の周辺からの亀裂進展が抑えられので、モジュ
ールの長寿命化が図れる。
【0026】また、この熱変形の結果、金属ろう材は中
央から周辺に向かって押し拡げられるため、ろう材内部
でのボイドの発生が抑えられるので、熱抵抗が増加する
虞れがなく、従って、放熱効果が向上するので、この点
でもモジュールの長寿命化が図れる。
【0027】本発明の3においては、熱拡散板又はジュ
ール支持基板に設けられている突起が、接合加工時での
金属ろう材の厚さを規定するように働くので、ろう材の
膜厚のばらつきが抑えられ、この結果、金属ろう材の厚
さが減少したことによる応力の増加が防止でき、モジュ
ール寿命の安定化が図れる。
【0028】
【実施例】以下、本発明によるパワー半導体モジュール
について、図示の実施例により詳細に説明する。
【0029】図1と図2は、本発明の一実施例で、この
実施例は、本発明を、IGBTとダイオードをワンパッ
ケージに搭載した、インバータ装置の主回路素子などに
好適なパワー半導体モジュールに適用したものである。
【0030】図1に示すように、8個のSi半導体チッ
プ111のうち、図で上側の6個はIGBTチップ11
1aで、下側の2個はダイオードチップ111bであ
る。そして、これらのSi半導体チップ111は、図2
に示すように、金属ろう材層、例えば5%アンチモン−
0.6%ニッケル−0.05%リン−錫(5Sb−0.6N
i−0.05P−Sn:以下5Sb−Snと略す)からな
る錫ベースでアンチモン入りの半田の層112により、
Mo製の応力緩衝板113の上面に積層接合されてい
る。
【0031】一方、このMo製の応力緩衝板113は、
80%Au−Sn半田(金と錫の半田)層121により、
予じめCu材の熱拡散板114に接合されている。な
お、このMo応力緩衝板113が接合されたCu熱拡散
板114を、以下、複合板123と称する。そして、こ
の複合板123は、例えば40%Pb−Sn半田(鉛と
錫の半田)層115、117により、Al23(アルミ
ナ)からなる絶縁板116を介して、Cu材のモジュー
ル支持基板118に接合されている。
【0032】コレクタ共通電極端子142は、図示され
てないが、半田層115と同じ材質の半田層により、I
GBTチップ111aのコレクタ電極を兼ねている熱拡
散板114に接合されている。一方、IGBTチップ1
11aのエミッタ電極とダイオードチップ111bのア
ノード電極は、Al(アルミニウム)ワイヤ134によ
り、エミッタ電極端子135に接続(ワイヤボンディン
グ)されている。そして、このエミッタ端子135は、
5Sb−Sn半田層133により、Al23からなる端
子用絶縁板132に接合されている。さらに、この端子
用絶縁板132も5Sb−Sn半田層131により、コ
レクタ共通電極を兼ねた熱拡散板114に接合されてい
る。
【0033】図3は、図1、図2の実施例におけるCu
熱拡散板114の周辺部を拡大し、Cu熱拡散板114
の周辺部の構造が、本発明の特徴に従って最適化されて
いる状態を詳細に示したもので、図示のように、Cu熱
拡散板114の周辺部で、Si半導体チップ111が搭
載されていない部分をCu部とし、この周辺部の内側部
分をMo部、そして、Cu熱拡散板114の周辺部から
絶縁板116が露出されている部分をAO部としてあ
る。
【0034】そして、この図3から明らかなように、こ
の実施例では、Cu熱拡散板114の板厚をt1とする
と、そのCu部が座ぐり加工されて、板厚寸法がt2
薄くされている薄肉部114aが形成してある。この結
果、この実施例では、Mo部とCu部で、Cu熱拡散板
114に現われる熱応力が変えられ、この結果、上記し
た最適化構成が与えられるようになっている。
【0035】次に、このようなモジュール内での熱抵抗
と各部材との関係について説明すると、Si半導体チッ
プ111の直下の半田層112は、そのSi半導体チッ
プ111から発生された熱を、ほぼ全面を介して支持基
板118側に伝達しているため、熱疲労による亀裂が進
展した場合、モジュールの熱抵抗は亀裂長さに応じて上
昇し、Si半導体チップ上で、例えば1ウエファからチ
ップごとに分割するための切りしろとなっている部分の
ように、素子が形成されず直接発熱していないごくわず
かな領域以上に亀裂が進展すると熱抵抗は急激に増加す
る。
【0036】一方、アルミナの絶縁板116を介して、
Cu熱拡散板114と基板118を接合している半田層
115、117は、半田層全面が熱伝達に寄与している
訳ではないので、半田層の一部に亀裂が進展した場合で
も、熱抵抗の増加には影響しない領域がある。例えば、
図3に示すCu部の幅を、熱拡散板114の厚さt1
上に広くした場合は、この広くした部分にある半田層1
15に亀裂が進展しても、熱抵抗はほとんど変化しな
い。同様に、絶縁板116内では、面方向にはほとんど
熱が広がらないため、半田117のAO部に亀裂が進展
しても、熱抵抗はほとんど変化しない。
【0037】表1は、上記実施例において、熱疲労によ
り半田に亀裂が進展した場合の熱抵抗変化率を示したも
のであるが、これから明らかなように、半田層117で
は、AO部の全面に渡って亀裂が進展した場合でも、熱
抵抗は変化しない。そして、半田層115、117のC
u部全周に亀裂が進展した場合でも、熱抵抗は118%
に上昇するだけである。
【0038】
【表1】
【0039】次に、モジュールの寿命について説明す
る。いま、モジュールの熱抵抗が120%以上に増加し
た場合をモジュールの寿命とすると、Si半導体チップ
111の上に素子が形成されていない領域(約1mm)以
上の亀裂が半田層112に進展するか、半田層115、
117の少なくとも一方のCu部全面以上に亀裂が進展
するまでの長さになる。
【0040】さらに、モジュールを、その支持基板11
8よりも大きな冷却フィンに取り付けてある場合は、こ
の基板内での熱の拡がりも冷却の大きな要素となり、支
持基板118の厚さが熱拡散板114より厚い場合は、
熱拡散板114で熱が十分広がらなくても、支持基板1
18内で熱が広がり、基板全体の面積でモジュールが冷
却されるため、モジュールの熱抵抗はほとんど変化しな
い。すなわち、この場合には、亀裂許容長さを長くでき
ることになる。
【0041】従って、モジュール全体としての熱抵抗の
増加を抑えるためには、Si半導体チップ111下の半
田層112にかかる応力を極力小さくし、かつCu部、
AO部での半田層115、117にかかる応力のバラン
スを取り、各半田層の全ての寿命が所定寿命を下回らな
いようにする必要があることが判る。つまり、モジュー
ルの寿命は、半田層の内で、最も寿命の短い半田層の寿
命で決められてしまうからである。
【0042】そこで、この実施例では、図3に示したよ
うに、薄肉部114aを形成することによりMo部での
Cu熱拡散板114の板厚t1に対して、Cu部での板
厚寸法、つまり薄肉部114aでの厚さをt2と薄く
し、これにより、応力のバランスが最適な状態に収める
ことができるように、Mo部とCu部で、Cu熱拡散板
114を接合している半田層116にかかる熱応力を変
えられるようにしたものである。
【0043】図4は、Mo部での各部材の板厚と、これ
に対する半田層の寿命の関係を示したもので、Mo応力
緩衝板113の厚さを1.3mm、Cu熱拡散板114
の厚さを3.0mm、アルミナ絶縁板116の厚さを
0.64mmとした場合のCuモジュール支持基板11
8の厚さによる各半田層の寿命の変化を示している。
【0044】この場合、図から明らかなように、モジュ
ール内の半田層の内で最も寿命の短くなる条件は、チッ
プ下の半田層112と、絶縁板上の半田層115の寿命
の交点となり、Cuモジュール支持基板118の板厚が
10mmのところにくる。しかし、このように、Mo部
では最適な板厚でも、熱拡散板114にSi半導体チッ
プとMo板が接合されていないCu部では、寿命が最適
な状態にはならない。
【0045】図5は、上記実施例において、熱拡散板1
14のCu部での厚さを変えた場合の特性で、図4で示
したMo部で最適な厚さのままにした場合、すなわち、
薄肉部114aを無くし、図3で、厚さt1=t2(=3m
m)とした場合には、この図5から明らかなように、半田
層117の寿命と、半田層115の寿命のバランスが取
れず、半田層117の寿命は増加するが、半田層115
の寿命は大きく低下してしまう。
【0046】これは、熱膨張係数の小さなSi/Mo板
が半田層材により連続して接合しているMo部の場合、
複合材の効果により絶縁板上の半田層115に接してい
たCu熱拡散板114の線膨張係数は小さくふるまうの
に比べ、Cu部では、上部の部材が無くなることでCu
本来の線膨張係数となり、この結果、応力のバランスが
崩れてしまうためである。
【0047】モジュール全体の寿命を考えた場合、チッ
プ下半田層の寿命と他の半田層の熱抵抗が上昇するまで
の寿命のバランスを取る必要があるため、Mo部の縦方
向の構造を変えずに、絶縁板116上にある半田層11
5の寿命を向上させることが必要になる。そこで、この
実施例では、Cu熱拡散板114に薄肉部114aを形
成し、熱拡散板114の厚さを、Mo部ではt1とした
まま、周辺部、つまりCu部の厚さだけをt2と薄くし
て最適化が得られるようにしたものである。
【0048】そして、この実施例の場合は、図5から明
らかなように、Cu熱拡散板114の薄肉部114aの
厚さt2を1.2mmとしたとき、絶縁板116の上下に
ある半田層115、117の寿命のバランスが取れ、モ
ジュールの寿命を最大にすることができることが判る。
従って、この実施例によれば、熱拡散板の厚さを部分的
に変えるという簡単な構成で、接合部での寿命バランス
の最適化が容易に確保できるので、信頼性の高いパワー
半導体モジュールをローコストで提供することができ
る。
【0049】次に、本発明において、Mo部でのCu熱
拡散板114の板厚t1と、Cu部での板厚t2を変える
ための他の実施例について説明する。板厚を変える加工
方法は、各板材の板厚やCu熱拡散板114の上部の構
造などに応じて任意に選択できるが、既に説明したよう
に、上記図3の実施例では、Mo板113とCu熱拡散
板114を接合した後、フライス加工などによる座ぐり
加工により、Cu熱拡散板114の周辺部全面に薄肉部
114aを形成する方法が採用されている。この座ぐり
加工による方法は、加工が比較的簡単で、Cu熱拡散板
114が薄い場合でも容易に適用できるという利点があ
る。
【0050】次に、図6の実施例は、Mo応力緩衝板1
13とCu熱拡散板114を接合した後、周辺部の一方
の面から厚さ方向に溝付加工してCu熱拡散板114の
周辺の一部を薄くし、薄肉部114bを形成したもので
ある。従って、この実施例によれば、Cu熱拡散板11
4の上に配置接合させるための、外部電極取り出し端子
用絶縁板などの部材を、固定し易いように加工すること
ができ、この結果、組立加工が容易になるという利点が
ある。
【0051】また、この実施例によれば、溝付加工の結
果、部品接合プロセス時でのCu熱拡散板114上の接
合部以外への半田の流れを防止することや、Cu熱拡散
板114を接合する半田層115からの半田のはい上が
りを防止することができ、この結果、半田層の厚さを均
一にでき、端子部分の寿命を安定化させることができる
という効果もある。
【0052】次に、図7の実施例は、Mo応力緩衝板1
13とCu熱拡散板114を接合した後、Cu熱拡散板
114の周辺部の端面から、面とほぼ平行に、内部に向
かって切り込み加工し、切り込み114cを形成し、こ
れにより、半田層115に対しては、Cu熱拡散板11
4の周辺全面を薄くしたことと同じ効果が与えられるよ
にしたものである。
【0053】従って、この実施例によれは、Cu熱拡散
板114の周辺に外部取り出し用の端子を配置し、この
外部取り出し端子の絶縁を、絶縁板の厚さ方向で取る構
造を採用した場合、半導体チップ高さと、端子部の高さ
の差を小さくすることができるという利点がある。
【0054】また、これにより、絶縁板の厚さを薄くで
きるため、端子部の接合材に掛る応力が小さくできるの
で、端子部での接合材の寿命を延ばすことができ、且
つ、応力が大きく掛ることによる絶縁板の割れも防止で
きる。さらに、この実施例では、半田層115で、熱拡
散板114を絶縁板116に接合する際、この半田層1
15からの半田のはい上がりを、切り込みにより防止で
きるという効果がある。
【0055】ところで、以上の実施例は、熱拡散板11
4の周辺部を薄くする方法として、Cu熱拡散板114
の上面、つまりMo熱緩衝板113が接合されている方
の面で、その周辺部、又はCu熱拡散板114の端面に
加工した例であるが、同じく熱拡散板114の周辺部を
薄くする方法として、この熱拡散板114の下面、つま
り熱拡散板114のMo熱緩衝板113が接合されてい
ない方の面の端面を加工した場合の本発明の実施例につ
いて説明する。
【0056】図8は、何れも熱拡散板114のMo熱緩
衝板113が接合されていない方の面の端面を斜め切削
加工した本発明の実施例であるが、このとき、図8(a)
は曲線による切削加工を施した例で、同図(b)は直線に
よる斜め切削加工した例であるが、いずれの実施例も、
厚さt1の熱拡散板114の最外周部を切削加工して厚
さをt2にしたものでり、これにより、亀裂の入り始め
を遅らせることができるようにし、モジュールの長寿命
化が得られるようにしたものである。
【0057】また、これらの実施例では、熱拡散板11
4の周辺部では、半田層115の膜厚が増加されるの
で、この部分では半田層115にかかる応力が厚さ方向
に分散される結果となり、亀裂の進展が一層遅くなり、
従って、さらにモジュールの長寿命化を得ることができ
る。なお、この実施例で、熱拡散板114の厚さt
1は、図3で示したMo部で最適化しているので、斜め
切削加工する範囲がCu部の領域に限定されるようにし
た方がより長寿命化できる。
【0058】次に、半田層117について説明すると、
この半田層117は、図3に示すAO部では、絶縁板1
16とモジュール支持基板118だけを接合している。
つまり、このMO部では、1層の半田層117で、半導
体チップ111とMo熱緩衝板113、それにCu熱拡
散板114の3種類の部材による歪の影響を受けること
になるが、AO部では前記3相の部材の影響はほとんど
受けない。
【0059】そして、この場合でも、熱疲労による半田
の亀裂進展は半田層の周辺から起こるため、モジュール
寿命向上のためには、最外周であるAO部での歪の発生
を低減して半田層の寿命を向上させることが必要要件と
なる。
【0060】図9は、各板材の厚さを前記した実施例と
同一にした場合での、Mo部、Cu部、AO部の各部分
における半田117の寿命と、亀裂長との関係を示した
もので、3種類のうち、チップ下での歪の発生が極小に
なるようにしたMo部で半田層117の寿命が最長とな
り、Cu部、AO部の順に寿命が低下している。この結
果、上記した実施例の構造での亀裂進展は、図9中に太
線で示すように3種類の構造の中間を進展し、最終的に
Mo部での構造に収束する。
【0061】そして、Mo部での構造(厚さ)は、モジュ
ールの寿命に一番敏感なチップ下半田層で最適化される
ようにしてあるので、この部分での構造を(厚さ)変えな
いようにしたとすると、半田層117の長寿命化には、
AO部での歪の発生を低減させ、亀裂の入り始めを遅ら
せるのが最も効果的であることが判る。
【0062】図10は、このように、AO部での応力を
低減させ、歪の発生が抑えられるようにした本発明の一
実施例で、図示のように、この実施例は、モジュール支
持基板118のCu熱拡散板114が接合される部分を
含む中央部分に厚肉部を形成し、周辺部を薄くして薄肉
部としたものであり、さらに、この実施例では、厚肉部
の周端面に切り込み118aを設けたものであり、従っ
て、この実施例によれば、半田層117での長寿命化が
得られることになり、さらにモジュールの寿命を長くす
ることができる。
【0063】また、図9の特性から、図3に示した熱拡
散板114の周辺を薄くする加工により絶縁板下半田1
17の亀裂進展がCu部に達するまで絶縁板上半田11
5に亀裂が起こらないようにしなければ、熱拡散板11
4より上側の板材の影響が無くなる。つまり、Cu部で
も連続して接合されていないためAO部の構造となり、
亀裂の進展を遅らせる効果がなくなる。
【0064】しかして、こうなると、モジュールの寿命
は低下してしまうが、本発明によれば、図6に示したよ
うに、Cu部での寿命のバランスを取ることができるの
で、絶縁板116の下側の半田層117だけ、先に亀裂
が進展しまうことは無く、亀裂進展が遅らされることに
よる長寿命化が図れる。
【0065】ところで、以上の実施例では、本発明を、
Si半導体チップ111と、Mo応力緩衝板113、C
u拡散板114、それにCuモジュール支持基板118
からなる、いわゆるSi−Mo−Cu−Al23−Cu
積層構成のモジュールに適用した場合について説明した
が、本発明は、これに限らず、応力バランスを取るため
に、さらにCu基板を付加した、Si−Mo−Cu−A
23−Cu−Cu積層構造としたモジュールの場合
や、Mo応力緩衝板を除いたSi−Cu−Al23−C
u積層構造のモジュールなどに適用した場合でも、同様
にチップ直下と断面構造が変化した領域の板厚を変える
ことで、モジュールの長寿命化が達成できる。
【0066】次に、本発明のさらに別の実施例について
説明する。まず、図11は、応力緩衝板を熱拡散板の一
方の面に積層し接合した段階で、熱拡散板の他方の面の
形状が平面又は凸面の一方になるように加工し、これに
よりモジュールの長寿命化が得られるようにした実施例
に関するもので、この実施例によれば、熱拡散板の他方
の面の形状が平面又は凸面の一方になるように加工した
ことにより、以後の積層接合工程での熱変形が、接合部
の周辺部での残留応力が減少する方向に現われるように
でき、この結果、金属ろう材に掛る応力が少なくなり、
金属ろう材の周辺からの亀裂進展が抑えられので、モジ
ュールの長寿命化が図れるのである。
【0067】この図11は、応力緩衝板と熱拡散板を接
合する工程から、接合した部材をモジュールに組み込む
までの工程を、従来技術による場合と対照させて示した
もので、まず、同図(a)に示すように、応力緩衝板と熱
拡散板をセットした状態で、Cu材からなる熱拡散板1
14の上に、比較的溶融点の低い硬ろう半田、例えば8
0%金−錫(80Au−Sn)半田121と、Mo応力緩
衝板112とを配置し、加熱して半田121を溶融さ
せ、冷却して、同図(b)に示すように接合する。こうし
て、Mo応力緩衝板112が接合されたCu熱拡散板1
14を複合板122と記す。
【0068】そうすると、この複合板Cu板122は、
同図(b)に示すように、Mo応力緩衝板113とCu熱
拡散板114の線膨張係数差から、Cu熱拡散板114
の裏面(下面)が凹んだ状態に変形してしまう。そして、
このときの変形量dX1は、板厚などによって定まる。
【0069】次に、このようにして、予めMo応力緩衝
板113が接合されたCu熱拡散板114からなる複合
板122を、さらに絶縁板116を介してモジュール支
持基板118に積層し、モジュールに組み込むのであ
る。しかして、今度は、接合用として、応力緩衝板11
3と熱拡散板114の接合に使用した接合材の溶融温度
より低い融点の接合材を使う必要があり、このため、上
記したように、例えば、半田層115として、40Pb
−Sn半田を使用する。
【0070】そうすると、このとき、図11(e)に示す
ように、従来技術では、この変形したままの複合板12
2を、そのまま絶縁板116を介してモジュール支持基
板118に接合するので、半田層115が溶融温度状態
のときに、複合材122の裏面形状は、一旦は僅かに変
形量が減少するが、依然として図示のように凹面状態の
ままであり、その後、凝固時に常温に戻るにつれて元の
変形量dX1を有する凹面に戻る。
【0071】この結果、従来技術では、接合後、半田層
115の中央部には引っ張り方向の応力が残り、且つ、
その周辺部分では厚さが減少してしまうので、接合後に
亀裂が入り易くなって、前述のように、モジュールの寿
命が短くなってしまうことになる。
【0072】そこで、この本発明の実施例では、複合材
122の裏面の形状が、接合時には温度上昇により一
旦、凸面に変形されるが、その後、接合材が凝固して常
温に戻ったときには、その凸面の変形量が減少して平面
に戻る方向の変化が与えられるようにし、これにより、
接合材の残留応力が接合部の周辺部で減少する方向に現
われるようにし、この結果、半田など金属ろう材からな
る接合材に掛る応力が少なくなり、金属ろう材の周辺か
らの亀裂進展が抑えられ、モジュールの長寿命化が図れ
るようにしたものである。
【0073】そして、その方法の一例として、この実施
例では、複合材122を作成後、フライス加工などの切
削加工により、図11(c)の左側に示すように、裏面が
平面化された複合板123に成形するか、図11(c)の
右側に示すように、平面板など、適当な面の上に複合板
122を配置してプレス加工するなどの塑性加工によ
り、裏面が平面化された複合板124に成形した後、同
図(d)に示すように、例えばアルミナ絶縁板116を介
して、Cuモジュール支持基板118に、40Pb−S
n半田層115、117によりモジュール支持基板11
8に、それぞれ接合するのである。
【0074】この結果、これらの実施例の場合には、半
田溶融時の高温度状態のときに、複合板122の裏面形
状は、図示のように、一旦は変形量dX2の凸面になる
が、その後、凝固時に低温を経て常温に戻るにつれ、元
の平面に戻る。従って、これらの実施例によれば、半田
層115、117に掛る応力が少なくなり、且つ、周辺
部で半田層115の厚みが減少する虞れがないので、半
田層の周辺からの亀裂進展が抑えられ、モジュールの長
寿命化が得られるのである。
【0075】そして、これら実施例のうち、図11(c)
の左側に示した切削加工による複合板123を用いた実
施例では、前記した熱拡散板の周辺の厚さを薄くする実
施例と同じ構造となるので、これによる半田層への亀裂
の入り始めを遅らせる効果もある。
【0076】また、複合板123の熱拡散板114上に
部品を接合する場合は、接合温度にまで温度を上げたと
き、裏面側(下側)が表面側に比べ大きく膨張するため、
表面側は平面に近づく方向に反る。
【0077】従って、複合板123を用いた実施例で
は、上記した熱拡散板114の反りにより、接合すべき
部品との形状の差を小さくすることができるので、部品
接合用の半田層内でのボイドの発生を低減することがで
きる。
【0078】一方、図11(c)の右側に示したプレス加
工による複合板124を用いた実施例では、熱拡散板1
14の裏面全体の反りは容易に矯正できるが、個々のM
o板に対応した局部的な凹凸の矯正は難しい。特に半導
体チップが複数個で、Mo板が複数個になった場合は難
しく、この凹凸は、半田層115による接合に際して、
半田溶融でのガスの溜り場となり、ボイドとして残って
しまう確率が高い。
【0079】そこで、この対策として、プレス加工後、
さらに切削加工して裏面を局部的にも平面化しておく方
がよい。この場合には、機械的に切削することにより、
プレスによる部分的に加工硬化を起こした表面のCu材
を除去して、硬度を均一化することができるので、半田
寿命のばらつきを低減することができる。
【0080】複合板122は、80Au−Sn半田12
1の溶融温度まで加熱され、Mo応力緩衝板113と、
Cu熱拡散板114が独立に膨張した後、温度が半田1
21の融点(280℃)以下になって、半田121が凝固
し、これらMo応力緩衝板113とCu熱拡散板114
が互いに拘束されたとき、膨張係数の大きなCu熱拡散
板114側の収縮量が大きいことから、上記したよう
に、この熱拡散板114側が凹面となるように変形す
る。
【0081】図12は、半田接合時での複合板122の
裏面の変形量を測定した結果を示したもので、Mo応力
緩衝板112の厚さを1.3mm、Cu熱拡散板114
の板厚さを3.0mmとしたとき、この図から明らかな
ように、室温では約0.45mmとなる。
【0082】そして、その間での変形状態は、図示のよ
うに、直線的な変化となるので、複合板122を、その
ままの形状で温度を上げても、半田121の融点以上の
温度にならなければ、凹面の形状は変化しない。
【0083】そこで、本発明の実施例においては、裏面
を平面化した場合、温度を上げれば複合板123、12
4の裏面の形状は凸になり、従って、複合板123、1
24をモジュールに組み込む場合、半田層115の融点
(183℃)では、裏面の形状は凸面のままで、冷却固化
の過程でその凸量が減少する方向に変化する。
【0084】従って、半田層115の厚み方向に掛る応
力は圧縮方向となって残るため、半田による接合として
は理想的な状態となり、半田層に働く剪断応力を少なく
できるので、接合強度が向上し信頼性が高まる。
【0085】一方、図11の右側に示したように、複合
板122のままでモジュールを組立た場合には、半田層
115が溶融された状態でも、複合板122の裏面の形
状は凹のままで、その後、半田層115が冷却して固化
する過程では、その凹面の凹み量が増加する方向に変化
する。
【0086】従って、このときには、半田層115に厚
み方向に掛る応力は引っ張り方向となり、半田層115
が凝固したとき接合強度が低下したり、半田層中に欠陥
が発生したりすることになり、半田層の剪断強度が低下
してしまう。
【0087】なお、このとき、変形量が小さくできれ
ば、半田層に掛る引っ張り応力を低減させ、接合強度を
向上させることが可能になるが、この場合でも、裏面が
平面化された複合板123、124を用いた本発明の実
施例のように、圧縮応力が掛るようにした場合よりも高
い接合強度を得るのは、極めて難しい。
【0088】ところで、上記本発明の実施例のように、
半田層に圧縮応力が残るようにした場合でも、変形量d
2の値については、極力小さく抑えるようにするのが
望ましい。何故なら、この変形量dX2が少なければ、
モジュールとして組み立てるとき、先に接合した半田層
112、121、さらにはSi半導体チップに掛る応力
を低減できるからであり、この結果、半田接合部分での
寿命の向上、及びSi半導体チップでの割れの発生を防
止できるからである。また、他の部品をセットするとき
での、組立ての容易性も向上する。
【0089】この変形量を小さくする方法としては、熱
拡散板114として、Cu材の代りにヤング率の大きな
Cu合金を使用する方法や、熱拡散板114に溝加工
し、溝により変形を吸収する方法などが考えられる。こ
のうち、Cu合金を採用したときには、電気伝導度や熱
抵抗率を考慮して、1%Cr−Cu合金や1%Cr−
0.1%Zr−Cu合金、或いは0.2%Ag−Cuなど
の合金を使用すれば良い。
【0090】また、溝加工を採用したときには、図13
(a)、(b)に示すように、熱拡散板114の裏面側に複数
本の溝114dを形成する方法、或いは図14(a)、(b)
に示すように、熱拡散板114の表面側のMoの配置さ
れていない場所に複数本の溝114eを形成する方法な
どがあり、何れの方法でも変形を充分に吸収することが
できる。なお、図13で、(a)は側断面図、(b)は裏面
(下面)図であり、図14の(a)は側断面図、(b)は表面
(上面)図である。
【0091】そして、これらの溝114d、114eの
形状や寸法、それに本数などは、接合されるMo応力緩
衝板113の厚さ、数量、配置によって所定の状態に定
めれることができるが、図示のように、Mo応力緩衝板
113の全ての周辺に設ける必要は必ずしも無い。
【0092】次に、本発明のさらに別の実施例について
説明する。この以下に説明する実施例は、接合加工時で
の半田などの金属ろう材の厚さを規定し、これにより半
田層の厚みのばらつきを抑え、この結果、半田層の厚さ
が減少してしまうことによる応力の増加を防止し、モジ
ュール寿命の安定化を図るようにしたもので、まず、図
15の実施例は、熱拡散板114の裏面で半田層114
が接合される面に複数個の突起114fを残して加工
し、これにより、接合時、半田層115が溶融され固化
した後、半田層115の厚みの減少が抑えられ、その厚
さが所定値に規定されるようにしたものである。なお、
この図15で、(a)は側断面図、(b)は裏面(下面)図であ
る。
【0093】ここで、これらの突起114fは、上記し
たCu部に位置するようにし、モジュール寿命に最も敏
感なMo部での半田の厚さやCu熱拡散板114の厚さ
は変化しないようにし、これにより、半田層の寿命のば
らつきだけが低減させるようにしている。
【0094】そして、この実施例では、Cu熱拡散板1
14の裏面の切削加工に際して、フライス加工を用い、
円形に切削しているので、この切削加工の途中で、切削
深さを変えて加工することにより突起114fを形成す
るようにしてあり、従って、工程数の低減も兼ねて、突
起114fの平面形状にはR(アール)が持たせてある
が、本発明の実施例としては、とにかく熱拡散板114
の裏面の角部に4個以上の突起が形成してあれば、それ
らの平面形状を問わず有効なことは、言うまでもない。
ただし、突起が存在する部分では半田層の厚みか薄くな
ってしまうので、それらの面積は極力少なくなるように
した方が有利である。
【0095】次に、図16は、同じく半田層115の厚
さを確保するために、モジュール支持基板118に突起
部118gを残して加工した場合の実施例で、図におい
て、(a)は側断面図、(b)は表面(上面)図である。この図
16の実施例では、突起部118gの位置をAO部に
し、Cu部、Mo部での半田層の厚さやCu熱拡散板の
厚さには変化が生じないようにし、これにより、半田層
の寿命のばらつきだけが低減できるようにしている。
【0096】また、この実施例の場合は、モジュール支
持基板118については、その表面裏面共に切削加工し
ている。従って、この実施例によれば、素材から、この
モジュール支持基板118の大きさに加工するまでに与
えられていた、圧延加工やプレス工程などによる残留歪
が除去され、この結果、モジュール支持基板118内の
物性を均一化することができるので、半田寿命のばらつ
きを更に低減することができる。
【0097】ところで、以上の実施例では、応力緩衝板
としてはモリブデン材、絶縁板としてはアルミナ材を用
いた場合について説明したが、応力緩衝板として熱伝導
率がモリブデンよりも良好なタングステン(W)を、絶縁
板として熱膨張係数がシリコンにより近い窒化アルミニ
ウム(Al N)を用いても問題無く、モジュールの形状や
使用目的、用途などに応じてそれぞれの材質を選択し、
それらの厚さを最適化して使用することができる。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、半導体モジュール内部
で、半田などの金属ろう材で連続して接合されている部
分での、断面構造が異なるそれぞれの領域で、モジュー
ル内部に使用する部材の板厚を変えるようにしたので、
これにより各部の半田層に掛る応力を極小化することが
できる。また、本発明によれば、応力緩衝板と熱拡散板
を接合した複合板の裏面を平面加工したので、複合板接
合時に接合材に圧縮応力が掛るようすることができる。
さらに本発明によれば、熱拡散板の裏面又はモジュール
支持基板の半田接合面に突起を付けたので、半田層の膜
厚を確保することができ、モジュールを長寿命化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパワー半導体モジュールの一実施
例を示す平面図である。
【図2】図1に示した実施例の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の一部を拡大して示した断面
図である。
【図4】半田層の寿命とモジュール支持基板の厚さとの
関係を示す特性図である。
【図5】半田層の寿命と熱拡散板の厚さとの関係を示す
特性図である。
【図6】本発明の他の一実施例の一部を拡大して示した
断面図である。
【図7】本発明の更に別の一実施例の一部を拡大して示
した断面図である。
【図8】本発明の一実施例における複合板の形状を説明
するための断面図である。
【図9】半田層での亀裂の長さと寿命の関係を示す特性
図である。
【図10】本発明の他の一実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の更に別の一実施例の説明図である。
【図12】複合板の温度変化による変形量を示す特性図
である。
【図13】本発明の一実施例における複合板の裏面に対
する溝付け加工の説明図である。
【図14】本発明の一実施例における複合板の表面に対
する溝付け加工の説明図である。
【図15】本発明の一実施例における複合板に対する突
起加工の説明図である。
【図16】本発明の一実施例におけるモジュール支持基
板に対する突起加工の説明図である。
【符号の説明】
111 Si半導体チップ 111a IGBTチップ 111b ダイオードチップ 112 錫べ−スでアンチモン入りの半田 113 Mo応力緩衝板 114 コレクタ電極兼用Cu熱拡散板 115、117 鉛と錫で構成された半田層 116 絶縁板 118 Cuモジュール支持基板 121 金と錫で構成された半田層 122 応力緩衝板と熱拡散板を接合した複合板 123 裏面を切削した複合板 124 プレス加工した複合板 131、133 錫べ−スでアンチモン入りの半田層 132 端子用絶縁板 134 ワイヤ 135 エミッタ電極端子 136 ゲート電極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 茂樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 国分 秀弥 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 原町電子工業株式会社内 (72)発明者 小池 信也 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップを、絶縁性の板材を含む複
    数枚の順次大きさの異なる導電性板材を介して金属ろう
    材で導電性支持基板に接合することにより、上記半導体
    チップと上記導電性支持基板との間での絶縁が保たれる
    ようにした内部絶縁型のパワー半導体モジュールにおい
    て、上記導電性板材と導電性支持基板の内の少なくとも
    1枚が、その小さい方の板材との接合部部分の周辺部の
    少なくとも一部に、その中央部よりも板厚寸法が減少し
    ている部分を有するように成形加工されていることを特
    徴とするパワー半導体モジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、上記成形加工
    が、座ぐり加工、溝付加工、それに切り込み加工の一種
    であることを特徴とするパワー半導体モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1の発明において、上記成形加工
    が、曲面による斜め切削加工又は平面による斜め切削加
    工の一方であることを特徴とするパワー半導体モジュー
    ル。
  4. 【請求項4】 1個以上のシリコン半導体チップを、こ
    のシリコン半導体チップのそれぞれに対応した大きさを
    有する1枚以上のモリブデン材又はタングステン材の一
    方からなる応力緩衝板と、銅材又は銅合金材の一方から
    なる熱拡散板と、アルミナ又は窒化アルミニウムの一方
    からなる絶縁板とを介して、銅材又は銅合金材の一方か
    らなるモジュール支持基板に順次積層し接合した内部絶
    縁型のパワー半導体モジュールにおいて、上記熱拡散板
    が、その中央部に対して周辺部で板厚寸法が減少した形
    状に作られていることを特徴とするパワー半導体モジュ
    ール。
  5. 【請求項5】 請求項4の発明において、上記板厚寸法
    が減少した形状が、曲面による斜め切削加工又は平面に
    よる斜め切削加工の一方で与えられていることを特徴と
    するパワー半導体モジュール。
  6. 【請求項6】 1個以上のシリコン半導体チップを、こ
    のシリコン半導体チップのそれぞれに対応した大きさを
    有する1枚以上のモリブデン材又はタングステン材の一
    方からなる応力緩衝板と、銅材又は銅合金材の一方から
    なる熱拡散板と、アルミナ又は窒化アルミニウムの一方
    からなる絶縁板とを介して、銅材又は銅合金材の一方か
    らなるモジュール支持基板に順次積層し接合した内部絶
    縁型のパワー半導体モジュールにおいて、上記応力緩衝
    板を上記熱拡散板の一方の面に積層し接合した段階で、
    該熱拡散板の他方の面の形状が平面又は凸面の一方にな
    るように加工されていることを特徴とするパワー半導体
    モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項6の発明において、上記熱拡散板
    の加工が切削加工又は塑性加工の一方であることを特徴
    とするパワー半導体モジュール。
  8. 【請求項8】 1個以上のシリコン半導体チップを、こ
    のシリコン半導体チップのそれぞれに対応した大きさを
    有する1枚以上のモリブデン材又はタングステン材の一
    方からなる応力緩衝板と、銅材又は銅合金材の一方から
    なる熱拡散板と、アルミナ又は窒化アルミニウムの一方
    からなる絶縁板とを介して、銅材又は銅合金材の一方か
    らなるモジュール支持基板に順次積層し接合した内部絶
    縁型のパワー半導体モジュールにおいて、上記熱拡散板
    の上記応力緩衝板が積層接合される部分の周辺部に、板
    厚寸法が減少している部分が形成されていることを特徴
    とするパワー半導体モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項8の発明において、上記熱拡散板
    に形成されている板厚寸法が減少している部分が、斜め
    切削加工、溝切り加工、ざぐり加工の少なくとも一種の
    加工方法により形成されていることを特徴とするパワー
    半導体モジュール。
  10. 【請求項10】 1個以上のシリコン半導体チップを、
    このシリコン半導体チップのそれぞれに対応した大きさ
    を有する1枚以上のモリブデン材又はタングステン材の
    一方からなる応力緩衝板と、銅材又は銅合金材の一方か
    らなる熱拡散板と、アルミナ又は窒化アルミニウムの一
    方からなる絶縁板とを介して、銅材又は銅合金材の一方
    からなるモジュール支持基板に順次積層し接合した内部
    絶縁型のパワー半導体モジュールにおいて、上記熱拡散
    板の上記絶縁板との接合面又は上記モジュール支持基板
    の上記絶縁板との接合面の少なくとも一方の面に、所定
    の高さ寸法を有する複数の突起が設けられていることを
    特徴とするパワー半導体モジュール。
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