JPH07224052A - 2−オキセタノンの精製方法 - Google Patents

2−オキセタノンの精製方法

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JPH07224052A
JPH07224052A JP1456694A JP1456694A JPH07224052A JP H07224052 A JPH07224052 A JP H07224052A JP 1456694 A JP1456694 A JP 1456694A JP 1456694 A JP1456694 A JP 1456694A JP H07224052 A JPH07224052 A JP H07224052A
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oxetanone
recrystallization
molecular weight
polymerization
dehydration
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JP1456694A
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Norikazu Hattori
憲和 服部
Mitsuhiro Yamashita
光弘 山下
Haruo Nishida
治男 西田
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ジエチルエーテル、メタノール等の可
溶性有機溶剤に溶解した後再結晶化する工程と、(b)
モレキュラシーブス、塩化カルシウム等の乾燥剤を用い
た方法を代表例とする脱水工程とからなることを特徴と
する2−オキセタノンの精製方法。 【効果】 本発明の精製方法は、多種の不純物を含む2
−オキセタノンを確実に、かつ簡便な操作で高純度化し
得る方法である。本発明の精製法により精製した2−オ
キセタノンを用いることによって、フィルム形成や繊維
形成能を有する物性の優れた高分子量ポリエステルを安
定的に、かつ容易に得る事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルの重合原
料(単量体)あるいは有機薬品の合成中間体として利用
される2−オキセタノンの精製方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】2−オキセタノンは、ポリエステルの重
合原料(単量体)あるいは有機薬品の合成中間体として
重要な化合物である。特に、これを重合して得られるポ
リエステル、例えばポリ(2−オキセタノン)は、自然
環境中の微生物によって分解されるという機能を有する
高分子体であることが知られており、今後、ますます重
要となる高分子材料である。
【0003】2−オキセタノンは、一般にケテンとホル
ムアルデヒドより合成されており、その製造後の粗合成
物のなかには、不純物としてケテンの合成原料に由来す
るアセトンや酢酸、無水酢酸、ケテンの2量体であるジ
ケテン、そして2−オキセタノンの開環物や低重合体、
及び水分などが多数含まれている。これら不純物の種
類、量などは、製造原料や製造方法により種々異なって
いる。これらの不純物は、2−オキセタノンを重合させ
る際、重合度や重合速度を低下させる作用を示すため、
重合時間が長くなるばかりでなく、物性的にも脆弱なポ
リエステルしか得られない。従って、物性のよい高重合
度のポリエステルを、より短時間で効率的に合成するた
めには、これらの不純物を除去することが不可欠であ
る。
【0004】従来、2−オキセタノンの精製について
は、多くの検討が為されている。例えば、米国特許-260
2802には、アルコールによる無水酢酸の分解除去方法、
米国特許-2759003には、水酸化ナトリウムによる酢酸お
よび無水酢酸の除去方法、英国特許-1018559には、ポリ
リン酸、イソシアネートおよび水素化カルシウムによる
水、酸成分の除去方法、英国特許-904341 およびドイツ
特許-1239287には、水による無水酢酸の分解除去方法、
ドイツ特許-1954719および特公昭46-21377には、金属酸
化物および非金属酸化物による酸性物質の除去方法、ド
イツ特許-2135190および特公昭50-13260には、アルカリ
土類金属の水酸化物による酸性物質の除去方法、および
フランス特許-1341074には、水素化カルシウム、シリカ
ゲル、モレキュラシーブスおよびイソシアネートによる
水、酸成分の除去方法が示されている。
【0005】これらの精製法が酸や酸無水物及び水の除
去に効果を示すことは明かであるが、2−オキセタノン
の中に含まれる多種の不純物成分をすべて除去すること
は不可能である。さらに、2−オキセタノンは、塩基性
化合物と必要以上に接触処理を行うと、開環等の分解反
応を起こしてしまう場合がある。
【0006】上記のように、主に酸性不純物を除去する
ことを目的とした精製法が数多く報告されているが、特
に水分を除去することが重合性を高める上で重要である
ことを示唆した報告もある。シオタらの報告〔T.shiot
a,Jounal of Applied ScienceVOL.11,753-771(1967)〕
には、塩化カルシウムで脱水した2−オキセタノンは、
未脱水のものに比べて重合度が約10倍高くなることが
示されている。しかし、脱水だけでは、充分な分子量の
重合体を得るには至っていない。
【0007】以上のようなことから、未だ物性の良い高
分子量のポリエステルを安定的に得ることが難しいのが
現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
2−オキセタノンの精製技術は、フィルム形成や繊維形
成能を有する高分子量のポリエステルを安定的にかつ容
易に合成する上で、未だ問題点を残している。従って、
2−オキセタノンを更に、確実にかつ簡便な操作で高純
度にすることのできる精製方法が要望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の精製工程を
組み合わせることにより、2−オキセタノン中の多種の
不純物を除去でき、高分子量のポリエステルを安定的に
かつ容易に製造しうる高純度の2−オキセタノンを得る
ことができることを見いだし、本発明を完成するに到っ
た。
【0010】即ち、本発明は、(a)可溶性有機溶剤を
用いて再結晶化する工程、並びに(b)脱水工程とから
なることを特徴とする2−オキセタノンの精製方法であ
る。
【0011】本発明の精製方法は、あらゆる不純物組成
及び含有量の粗2−オキセタノンに対して適用可能であ
るが、酢酸などの低分子量有機酸の含有量の少ない種類
の粗2−オキセタノンに適用した場合に、最も好ましい
結果が得られる。
【0012】本発明の再結晶化工程において使用する可
溶性有機溶剤としては、2−オキセタノンを溶解し、該
有機溶剤の蒸発或いは温度降下により2−オキセタノン
が結晶化するものであれば特に制限はない。望ましく
は、2−オキセタノン中の不純物成分である酢酸、およ
び、無水酢酸、ジケテン、アセトン、アクリル酸、2−
オキセタノンの開環物、2−オキセタノンの低重合体な
どの少なくとも1種類を溶解することができ、融点が2
−オキセタノンより低く、さらに、2−オキセタノンに
対して顕著な化学的作用を示さないような有機化合物が
好適に用いられる。
【0013】具体的には、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;テ
トラヒドロフラン、1,3ージオキサンなどの環状エーテル
類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
プロピルケトンなどのケトン類;ジクロロメタン、クロ
ロホルム、ジブロモメタン、1,2-ジメトキシエタン、ヨ
ウ化メチルなどのハロゲン化合物;トルエン、m-キシレ
ン、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素;そのほか、
アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、
二硫化炭素などが好適に使用される。
【0014】上記可溶性有機溶剤の中でも、2−オキセ
タノンとの分離の容易さから、沸点が100℃以下であ
る有機溶剤、即ち、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテルテトラヒドロフラン、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジメトキシエタ
ン、アセトニトリル、酢酸エチル、二硫化炭素などが特
に好適に使用される。更に、経済性、作業性等を考慮に
入れると、ジエチルエーテル、メタノール、エタノー
ル、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸エ
チル等が最も好ましい。
【0015】可溶性有機溶剤を用いた2−オキセタノン
の再結晶化の方法としては、特に制限なく従来公知の再
結晶方法、即ち、再結晶溶液の冷却、溶媒の蒸発、或は
難溶性溶媒の添加等による溶解度の減少を利用した結晶
の析出方法が採用され得るが、2−オキセタノンの融点
は−31.2℃であるから再結晶時の温度はそれ以下に
保つ必要がある。本発明においては、再結晶溶液の冷却
による再結晶化方法が好適に採用される。結晶化速度
は、溶液濃度、結晶化温度によって調節することが可能
である。但し、急速な再結晶化は、結晶中に不純物を包
含したまま結晶となるため好ましくないし、一方、非常
に緩慢な結晶化は時間的な損失が大きい。
【0016】好ましい結晶化条件は、2−オキセタノン
の融点である−31.2℃から−100℃の温度範囲、
および、2−オキセタノンが20から95vol%の濃
度範囲である。このような温度を達成する手段として
は、液化ガスの気化熱を用いる方法など、公知の冷却方
法が何等制限なく利用され得る。再結晶化をより効率的
に行うため、種結晶の添加や、繰り返し再結晶化の際に
種結晶を残しておくなどの方法が好適に採られ得る。
【0017】再結晶化は、単一の可溶性有機溶剤のみで
も可能であるが、多種の不純物を除くためには、複数の
可溶性有機溶剤を用いて数回行うことが望ましい。複数
の可溶性有機溶剤を用いる場合、2−オキセタノンより
も極性の大きい可溶性有機溶剤と、より小さい可溶性有
機溶剤とを組み合わせて用いることが有効である。例え
ば、2−オキセタノンより極性の小さいジエチルエーテ
ルから再結晶を行うことにより極性の小さい不純物を除
去し、次に、2−オキセタノンより極性の大きいメタノ
ールから再結晶を行うことにより極性の大きい不純物を
除くことができる。ここで、極性の目安となる物性値と
しては、誘電率や溶解性パラメーターなどが一般的に用
いられる。
【0018】再結晶化の回数が多いほど、2−オキセタ
ノンの純度は向上するが、逆に回収率が低下するため、
一つの可溶性有機溶剤で1回から6回の範囲が適当であ
る。
【0019】再結晶化の後に、可溶性有機溶剤と該有機
溶剤に溶解した不純物は、デカンテーション、濾過、及
び必要に応じて蒸留により、2−オキセタノンより分離
することができる。しかし、この段階では厳密に分離す
る必要はないので、デカンテーションを行えば充分であ
る。
【0020】再結晶化の工程を充分に行えば、殆どの有
機不純物成分は除去される。しかし、水分は完全には除
去できない場合が多い。水分は例え微量でも含まれてい
ると重合速度を低下させる要因となる不純物であるた
め、再結晶化工程に加えて脱水工程を行うことが必須で
ある。
【0021】脱水工程においては、2−オキセタノンに
顕著な化学的変化を起こさない、従来公知の有機化合物
の脱水方法が制限なく使用できる。具体的には、乾燥剤
を使用する方法、分留による方法、共沸蒸留による方法
等がある。この中でも、簡便かつ確実であるという理由
から、乾燥剤と接触処理する方法が最も好適に用いられ
る。
【0022】乾燥剤としては、2−オキセタノンに顕著
な化学的変化を起こさない、従来公知のものが制限なく
用いることができる。具体的には、モレキュラーシー
ブ、活性アルミナ、シリカゲルなどの吸着性多孔質物質
や、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化カルシウムなどの中性もしくは中性に近い吸水
性の塩が好適である。この中でも、短時間で効率よく脱
水できる、モレキュラシーブ、塩化カルシウム、硫酸マ
グネシウムが最も好適に使用される。
【0023】乾燥剤との接触処理としては、乾燥剤と2
−オキセタノンあるいは2−オキセタノンを溶解した可
溶性有機溶剤溶液とを混合攪拌する方法、乾燥剤を充填
したカラム中を2−オキセタノンあるいは2−オキセタ
ノンの有機溶剤溶液を流通させる方法などが好適に行わ
れる。乾燥剤で接触処理した後の2−オキセタノンの分
離は、濾過あるいは蒸留によって行われる。カラム処理
の場合、分離操作が不要であるため、より好ましい処理
方法である。
【0024】(a)可溶性有機溶剤を用いて再結晶化す
る工程と(b)脱水工程とは、基本的に、特に順序を規
定されるものでは無い。しかしながら、再結晶化の工程
は少なくとも−31.2℃以下の温度で行われるため、
気相部分を介して系外からの水分が系内に入りやすい。
従って、(a)の工程の後に(b)の工程を行う方が好
ましく有利な方法である。ただし、完全に水分を除外し
た雰囲気下で(a)の工程を行う限りにおいては、
(a)の工程と(b)の工程が前後しても、何等問題が
無い。
【0025】本発明は、従来多数報告されている2−オ
キセタノンの精製方法に見られるような、塩基性化合物
との接触処理工程を含まないものである。そのため、過
剰な処理による2−オキセタノンの分解等の問題が発生
しない。
【0026】本発明の精製方法による2−オキセタノン
の精製の度合いは、液体クロマトグラフィーあるいはガ
スクロマトグラフィーにより、通常の分析条件によって
確認できる。2−オキセタノンは、熱により重合、アク
リル酸への変化などを起こすため、分析は低温で液体ク
ロマトグラフィーにより行うことが望ましい。また、脱
水の度合については、カールフィッシャー法などの公知
の水分測定法によって確認できる。
【0027】
【発明の効果】本発明の精製方法は、多種の不純物を含
む2−オキセタノンを確実に、かつ簡便な操作で高純度
化し得る方法である。また、塩基性化合物との接触処理
工程を含まないので、過剰な処理による2−オキセタノ
ンの分解等の問題が発生しない。
【0028】本発明の2−オキセタノンの精製方法は、
(a)可溶性有機溶剤を用いて再結晶化する工程と、
(b)脱水工程とからなっており、(a)の再結晶化工
程は、2−オキセタノンが常温で液体であることもあっ
て、2−オキセタノンの精製法としてこれまで何人も着
目しなかった新たな方法である。(a)と(b)の両工
程は、単独でも、2−オキセタノンの精製にある程度の
効果を示す。しかしながら、多種の不純物を含む2−オ
キセタノンを、確実に、安定的に高純度にすることは難
しい。ところが、(a)および(b)工程を組み合わせ
ることによって、著しい精製効果が現れる。
【0029】本発明の精製法により精製した2−オキセ
タノンを用いることによって、フィルム形成や繊維形成
能を有する物性の優れた高分子量のポリエステルを安定
的に得る事ができる。
【0030】
【実施例】本発明を、実施例により、さらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0031】実施例1 (1)2−オキセタノンの再結晶 300mlフラスコ中に、粗2−オキセタノン(グラン
ドラボラトリーズ社製、lot.780170-7)40mlとメタ
ノール40mlを入れ、ドライアイス/エタノール浴
(−72℃)中で冷却し、2−オキセタノンを結晶化さ
せた。結晶化後、不純物成分を含むメタノール相はデカ
ンテーションにより分離除去した。次に、結晶にジエチ
ルエーテル40mlを加え、室温下溶解させた。2−オ
キセタノンの結晶が完全に溶解する前に、ドライアイス
/エタノール浴中で冷却し、未溶解分の結晶を種結晶と
して再結晶化を行った。同様の再結晶化操作を、ジエチ
ルエーテルを用いて更に4回繰り返した。
【0032】(2)再結晶化後の2−オキセタノンの脱
水 ジエチルエーテル相を除去した後、結晶を室温まで昇温
し融解させた。融解した2−オキセタノンに、モレキュ
ラシーブス4Aを2g加え、室温で10時間攪拌するこ
とにより乾燥した。モレキュラシーブスを濾別し、濾液
から残存するジエチルエーテルを減圧下気化させた後、
蒸留を行った。2−オキセタノンは、約30℃/3mm
Hgの溜分として得られた。総回収率は、70%であっ
た。
【0033】2−オキセタノンの純度は、液体クロマト
グラフィーを用いて評価した。
【0034】〔液体クロマトグラフィーの条件〕 カラム; ODSカラム 30cmx1 + 15cm
x1 温 度; 40℃ 移動相; アセトニトリル:水:リン酸=300ml:
700ml:1g 流 速; 1ml/min 検 出; UV検出器 (206nm) 液体クロマトグラフィーによって得られた純度は、表1
に示した。再結晶−脱水処理によって、殆どの有機不純
物が除去された。
【0035】(3)重合 再結晶化−脱水処理によって精製した2−オキセタノン
2gを重合用試験管に採り、次に開始剤としてテトラメ
チルアンモニウムアセテート/アセトニトリル溶液5μ
l(2−オキセタノン:開始剤=30,000:1 モ
ル比)を加え、40℃で重合を行った。20時間後、重
合系にクロロホルムを加え、生成したポリエステルを溶
解した。重合反応物のクロロホルム溶液を用いて、サイ
ズ排除クロマトグラフィーから、生成したポリエステル
部分の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。残
った大部分のクロロホルム溶液は、大過剰のメタノール
中に注ぎ、ポリエステルを析出・沈澱させた。沈澱した
ポリエステルを乾燥後、秤量し、重合率を求めた。
【0036】数平均分子量、重量平均分子量、および重
合率の結果は表1に併記した。
【0037】比較例1 粗2−オキセタノン(グランドラボラトリーズ社製、lo
t.780170-7)を、再結晶化せず、実施例1における
(2)と同様に脱水処理を行い蒸留した。次いで、該精
製物を実施例1の(3)と同様にして重合を行った。結
果を表1に併記した。比較例2 実施例1における(1)の再結晶化のみを行った後に蒸
留した2−オキセタノンを、実施例1の(3)と同様に
して重合を行い、その結果を表1に併記した。
【0038】表1の結果から、再結晶化と脱水処理を両
方行った場合にのみ、高分子量のポリ(2−オキセタノ
ン)が生成されることが分かる。表1に示した2−オキ
セタノンの純度は、前述の測定条件における液体クロマ
トグラフィーの結果上の数値であるから、この条件で検
出されない水分等の不純物の含有量は、この数値には表
されていない。従って、比較例2のように、再結晶化工
程のみで純度が100%に達しても、純度測定では検出
されない微量の水分が作用したために、高分子量のポリ
(2−オキセタノン)が得られなかったと推察される。
この事実から、再結晶化と脱水処理を組み合わせること
の必然性が明きらかである。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2〜4 (1)2−オキセタノンの再結晶化 300mlフラスコ中に、粗2−オキセタノン(グラン
ドラボラトリーズ社製、lot.780170-7)40mlと表2
に示した各種溶剤40mlを入れ、ドライアイス/エタ
ノール浴(−72℃)中で冷却し、2−オキセタノンを
再結晶化させた。結晶化後、不純物成分を含む溶剤相は
デカンテーションにより分離除去した。同様の再結晶化
操作を、単一あるいは複数の溶剤を用いて表2に併記し
た回数で行った。
【0041】(2)再結晶化後の2−オキセタノンの脱
水処理 デカンテーション後の結晶を室温まで昇温し融解させた
後、モレキュラーシーブ4Aを充填した直径2cm,高
さ30cmのカラム内を流下させることにより脱水し
た。カラムを通過した液体中に残存している溶媒を減圧
下気化させた後、蒸留を行った。2−オキセタノンは、
30℃/3mmHgから52℃/13mmHgの範囲の
溜分として得られた。
【0042】2−オキセタノンの純度は、実施例1の
(2)と同様に、液体クロマトグラフィーを用いて評価
した。液体クロマトグラフィーによって得られた純度
は、表2に併記した。
【0043】(3)重合 上記の再結晶−脱水処理により精製した2−オキセタノ
ンを、実施例1の(3)と同様にして重合を行った。生
成したポリエステルの数平均分子量、重量平均分子量、
および重合率の結果は表2に併記した。
【0044】比較例3 粗2−オキセタノン(グランドラボラトリーズ社製、lo
t.780170-7)を、再結晶化せず、実施例2における
(2)と同様に脱水処理を行い蒸留した。次いで、該精
製物を実施例1の(3)と同様にして重合を行った。結
果を表2に併記した 。比較例4 実施例4における(1)の再結晶化のみを行った後に蒸
留した2−オキセタノンを、実施例1の(3)と同様に
して重合を行い、その結果を表2に併記した。表2の結
果から、再結晶化と脱水処理を両方行った場合にのみ、
高分子量のポリ(2−オキセタノン)が生成されること
が分かる。比較例4では、比較例2と同様、再結晶化工
程のみで純度が99.6%に達しても純度測定では検出
されない微量の水分が作用したために、高分子量のポリ
(2−オキセタノン)が得られなかったと推察される。
この事実から、再結晶化と脱水処理を組み合わせること
の必然性が明きらかである。
【0045】
【表2】
【0046】実施例5、6 (1)2−オキセタノンの再結晶 300mlフラスコ中に、粗2−オキセタノン(グラン
ドラボラトリーズ社製、lot.780170-7)40mlとメタ
ノール40mlを入れ、ドライアイス/エタノール浴
(−72℃)中で冷却し、2−オキセタノンを結晶化さ
せた。結晶化後、不純物成分を含むメタノール相はデカ
ンテーションにより分離除去した。同様の結晶化操作
を、メタノールを用いて1回、ジエチルエーテルを用い
て4回繰り返した。
【0047】(2)再結晶化後の2−オキセタノンの脱
水処理 ジエチルエーテル相を除去した後、結晶を室温まで昇温
し融解させた。融解した2−オキセタノンに、表3に示
した乾燥剤を2g加え、室温で同表に示した時間攪拌す
ることにより乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液から残存
するジエチルエーテルを減圧下気化させた後、蒸留を行
った。2−オキセタノンは、約30℃/3mmHgの溜
分として得られた。
【0048】2−オキセタノンの純度は、実施例1の
(2)と同様に、液体クロマトグラフィーを用いて評価
した。液体クロマトグラフィーによって得られた純度
は、表3に併記した。
【0049】(3)重合 上記の再結晶−脱水処理により精製した2−オキセタノ
ンを、実施例1の(3)と同様にして重合を行った。生
成したポリエステルの数平均分子量、重量平均分子量、
および重合率の結果は表3に併記した。
【0050】比較例5 粗2−オキセタノン(グランドラボラトリーズ社製、lo
t.780170-7)を、再結晶化せず、実施例5おける(2)
と同様に脱水処理を行い蒸留した。次いで、該精製物を
実施例1の(3)と同様にして重合を行った。結果を表
3に併記した。
【0051】比較例6 実施例5における(1)の再結晶化処理を行った後、ジ
エチルエーテル相を除去し、結晶を室温まで昇温し融解
させた。融解した2−オキセタノンに、塩基性化合物で
ある水素化カルシウム2g加え、室温で48時間攪拌し
た。その後、水素化カルシウムを濾別し、実施例5にお
ける(2)の脱水処理を行った。次いで該精製物を実施
例1の(3)と同様にして重合を行った。結果を表3に
併記した。
【0052】表3の結果から明らかなように、比較例6
では、塩基性化合物との過剰な接触処理によって一部分
解し、その分解物により重合が阻害されている。
【0053】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)可溶性有機溶剤を用いて再結晶化
    する工程、並びに(b)脱水工程とからなることを特徴
    とする2−オキセタノンの精製方法。
JP1456694A 1994-02-08 1994-02-08 2−オキセタノンの精製方法 Pending JPH07224052A (ja)

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