JPH07227281A - ペプチダーゼ及びその製造法 - Google Patents

ペプチダーゼ及びその製造法

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JPH07227281A
JPH07227281A JP4202794A JP4202794A JPH07227281A JP H07227281 A JPH07227281 A JP H07227281A JP 4202794 A JP4202794 A JP 4202794A JP 4202794 A JP4202794 A JP 4202794A JP H07227281 A JPH07227281 A JP H07227281A
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pro
peptidase
proline
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JP4202794A
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Susumu Maruyama
進 丸山
Hideoki Tanaka
秀興 田中
Hidekatsu Maeda
英勝 前田
Tsutomu Kobayashi
勉 小林
Takashi Omori
丘 大森
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
NH Foods Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Nippon Meat Packers Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロリン・リッチ・タンパク質などのプロリ
ン含有ペプチドを加水分解できる新規なペプチダーゼ及
びその製造法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のペプチダーゼは、牛脳などから取得
することができる新規なペプチダーゼである。哺乳動物
の生体内においては、ある種の疾患はプロリン・リッチ
・タンパク質に起因することが推察され、本発明のペプ
チダーゼはプロリン・リッチ・タンパク質を加水分解す
る作用を有するので、プロリン・リッチ・タンパク質が
関与する疾患の予防・治療用医薬やかかる疾患を検査す
るための臨床診断用試薬として、又は当該タンパク質の
機能を解明するための生化学試薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なペプチダーゼ及び
その製造法に関する。より詳細には、哺乳動物の脳その
他の生体内に存在するプロリン含有生理活性ペプチド、
オリゴプロリン、プロリン・リッチ・タンパク質などを
加水分解するペプチダーゼ及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内にイミノ基を有するプロリンは、
ペプチド形成の際に他のアミノ酸と酸イミド結合を形成
する。ペプチド鎖は一般にプロリンの存在部位で折れ曲
がり、プロリンが多数つながった場合には特異なヘリッ
クス構造をとることなどから、ペプチドのプロリン周辺
やプロリンを多く含むタンパク質(プロリン・リッチ・
タンパク質)は通常のプロテアーゼによる分解を受ける
ことが少ない。そのため、プロリンは多くの生理活性ペ
プチドに含有されており、またプロリン・リッチ・タン
パク質は植物の細胞壁や動物の細胞間に多量に存在して
生体組織の構造維持などに重要な機能を果たしている。
特に哺乳動物においては、組織の構造維持や細胞接着に
関与するコラーゲンが古くから知られていたが、最近に
なって、ヒト転写促進因子CTF1の酸性ドメイン(J.
Biol. Chem.、 268巻、20866頁、1993年)、神経系にお
いて神経伝達物質の放出を制御するシナプシン(Scienc
e、 259巻、780頁、1993年)、マウスの中枢神経系の形
成時に発現が特異的に制御されるNDPP−1(Bioche
m. Biophys.Acta、1132巻、240頁、1992年)など、重要
な機能を持つプロリン・リッチ・タンパク質の発見が相
次いでなされている。
【0003】しかし、このようなプロリン含有ペプチド
やプロリン・リッチ・タンパク質も生体内では個々のア
ミノ酸にまで加水分解されることから、プロリンに特異
的な酵素の存在が予測され、これまでにプロリルエンド
ペプチダーゼなど種々のプロリン特異的酵素が報告され
てきた(Mol. Cell. Biochem.、30巻、111頁、1980年、F
EBS Letters、 234巻、251頁、1988年)。このうち、Pro
-Pro結合に対する分解能を持つ酵素としては、N末端側
から作用するプロリンイミノペプチダーゼ(EC 3.4.11.
5)とアミノペプチダーゼP(EC 3.4.11.9)の2種類が知
られているが、アミノペプチダーゼPのPro-Proに対す
る分解活性は非常に低い(Eur. J. Biochem.、198巻、45
1頁、1991年、Eur. J. biochem.、210巻、93頁、1992
年)。また、ラット脳、ラット腎臓、ヒト肝臓から精製
したプロリンイミノペプチダーゼの諸性質を検討したと
ころ、ロイシンアミノペプチダーゼ(EC 3.4.11.1)と同
種の酵素であったことがTurzynskiやMatsushimaらによ
って明らかにされた(Eur. J. Biochem.、190巻、509
頁、1990年、Biochem. Biophys. Res. Commun.、178
巻、1459頁、1991年、Biomed. Res.、12巻、323頁、199
1年)。このことから、哺乳類にプロリンイミノペプチダ
ーゼが存在するかどうかは現在のところ不明である。ロ
イシンアミノペプチダーゼは広い基質特異性を持ち、N
末端のプロリンを遊離させることができるが、Pro-Pro
結合には作用しない。C末端側からPro-Pro結合を切る
酵素としては、放線菌から分離されたプロリン特異的ジ
ペプチジルカルボキシペプチダーゼ(J. Biochem.、112
巻、253頁、1992年)があるが、哺乳動物では確認されて
いない。
【0004】前述したように哺乳動物の生体内における
プロリン・リッチ・タンパク質の存在とその機能の解明
が近年急速に進み、神経伝達系の制御や中枢神経系の形
成等、特に脳におけるプロリン・リッチ・タンパク質の
重要性が高まりつつある。そこで本発明者らは、かかる
プロリン・リッチ・タンパク質の作用を阻害したり、そ
の機能を解明する上で有用である、プロリンの周辺を切
断する酵素(特にPro-Pro結合に対する分解活性を持つ
プロリン特異的酵素)について鋭意研究を重ねてきたと
ころ、牛の脳に当該酵素を見出し、それを精製・単離す
ることにより本発明を完成させた。即ち、本発明はPro-
Pro結合に対する分解活性を持つ新規ペプチダーゼ及び
その製造法を提供することを目的とし、当該ペプチダー
ゼは代謝改善薬、試薬等としての用途が期待される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のペプチダーゼ
は、下記の理化学的性質及び生理活性を有することから
なる。 1)推定分子量:ゲル濾過法で約140kDaである。 2)至適pH:約7.5−8.0 3)Pro-Pro-Pro-Pro、Pro-Pro-Pro及びPro-Proを加水
分解し、またペプチドのN末端から2残基目に存在する
プロリンを認識してN末端のアミノ酸を遊離させる。 4)酵素活性は、塩化マンガンで賦活化される。 5)酵素活性は、o−フェナントロリン及び2−メルカ
プトエタノールで阻害を受け、一方、PCMB(p-chlo
romercuribenzoate)、ヨードアセトアミド、ペプスタ
チンA及びベスタチンではほとんど阻害を受けない。 また、本発明のペプチダーゼの製造法は、牛脳から上記
の理化学的性質及び生理活性を有するペプチダーゼを取
得することからなる。
【0006】本発明のペプチダーゼは、例えば、次ぎの
ようにして製造することができる。原料としては、本発
明のペプチダーゼを含有する材料であれば特に限定はさ
れないが、好適には哺乳類の組織、臓器など、例えば、
脳、肺、腎臓、脾臓、肝臓などが用いられる。かかる生
体材料からの本発明ペプチダーゼの製造は、基本的には
生体物質から蛋白質類を単離・精製するための一般的な
方法、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフ
ィー、吸着クロマトグラフィー、塩析、透析、遠心分
離、限外濾過、凍結乾燥、電気泳動などの方法を適宜組
み合わせて実施することができる。
【0007】特に好ましい操作法の一例を具体的に説明
すると、まず原料、例えば牛脳を、生理食塩水を加えな
がらホモジナイズした後、4℃、20,000×gの条
件で20分間遠心分離し、上清にアセトンを加えること
により沈殿させ、更に、硫安分画、Q−Sepharo
se陰イオン交換クロマトグラフィー、Superde
x200ゲル濾過クロマトグラフィー、Mono Q陰
イオン交換クロマトグラフィー、TSK−GEL G3
000SWゲル濾過クロマトグラフィーを順次行うこと
により精製し、本発明ペプチダーゼを得ることができ
る。また本発明ペプチダーゼは、市販の牛脳アセトンパ
ウダー(シグマ社などより市販されている)を材料と
し、上記の方法に準じて精製することによっても得るこ
とができる。
【0008】上記の方法により本発明ペプチダーゼが得
られ、当該ペプチダーゼは前記の特性により特定され、
かかる特性は後記実施例により支持される。即ち、本発
明ペプチダーゼは、Pro-Pro-Pro-Pro、Pro-Pro-Pro、Pr
o-Proなどのオリゴプロリンをプロリンに加水分解する
ほか、ペプチドのN末端から2残基目に存在するプロリ
ンを認識してN末端の任意のアミノ酸を遊離させる。ま
た脳内生理活性ペプチドであるブラジキニン、ニューロ
ペプチドYのN末端アミノ酸を遊離させる。本発明ペプ
チダーゼの推定分子量は、ゲル濾過法で約140kDa
である。至適pHは約7.5−8.0であり、9.0以
上7.0以下で急激に活性が低下する。また、本発明ペ
プチダーゼは塩化マンガンで賦活化され、金属酵素阻害
剤のo−フェナントロリンの他、2−メルカプトエタノ
ールで阻害を受ける。一方、システイン酵素阻害剤(P
CMB、ヨードアセトアミド)、アスパラギン酸酵素阻
害剤(ペプスタチンA)、アミノペプチダーゼ阻害剤
(ベスタチン)ではほとんど阻害を受けない。
【0009】なお、ペプチドのN末端から2残基目に存
在するプロリンに特異性を示す酵素としてはアミノペプ
チダーゼP(EC 3.4.11.9)とジペプチジルアミノペプチ
ダーゼIV(EC 3.4.14.5)の2種類が知られているが、後
者はプロリンのカルボキシル基側を切断して、N末端ジ
ペプチドを遊離させ、また、Pro-Pro結合に対する分解
能を持たないため、本発明ペプチダーゼとは明らかに異
なる酵素である。一方、前者は本発明ペプチダーゼと同
様にN末端のアミノ酸を遊離させ、若干の、Pro-Pro結
合分解能を持つことから、本発明ペプチダーゼはアミノ
ペプチダーゼP様の酵素であると推定される。アミノペ
プチダーゼPは、バクテリア、酵母、魚類、哺乳類等に
存在することが確認され、哺乳類ではラット(脳)、ウ
シ(肺)、ブタ(腎臓)、ヒト(白血球)等からの精製
例が報告されている。
【0010】本発明ペプチダーゼの分子量は、TSK−
GEL G3000SWで約140kDaと推定された
が、ゲル濾過により推定した分子量はラット脳やヒト白
血球由来のアミノペプチダーゼPと近い値(非変性条件
で約140kDa)を示し、また、至適pHも約7.5
−8.0で、他の哺乳類由来アミノペプチダーゼPの値
(pH6.0−8.0)に近いものである。更に、これ
までに報告されたアミノペプチダーゼPは、Mn2+で活
性化され、金属酵素阻害剤、システイン酵素阻害剤で阻
害されるという共通の性質を持っており、本発明ペプチ
ダーゼにおいても金属酵素阻害剤のo−フェナントロリ
ンで阻害され、Mn2+で賦活化されることが確認され
た。しかしながら、本発明ペプチダーゼは、PCMB、
ヨードアセトアミド等のシステイン酵素阻害剤による阻
害はみられず、SH基保護剤の2−メルカプトエタノー
ルにより阻害を受けることがわかった。また、ラット脳
由来アミノペプチダーゼPでは、ブラジキニンの分解活
性に対するPro-Pro-Proの相対活性が0.6%であるの
に対し、本発明ペプチダーゼでは8.4%と、約14倍
の差が認められた。更に、Pro-Pro-Pro-Pro及びPro-Pro
に対しては、Pro-Pro-Proの2倍から7倍の分解活性を
示した。これらのことから、本発明ペプチダーゼのオリ
ゴプロリンに対する分解活性が有意に高いと判断でき
る。以上の結果から、本発明ペプチダーゼは他の哺乳類
アミノペプチダーゼPとは異なるものであることが示さ
れた。
【0011】
【発明の効果】前述のように、哺乳動物の生体内におい
ては、ある種の疾患はプロリン・リッチ・タンパク質な
どのプロリン含有タンパク質に起因することが推察さ
れ、本発明のペプチダーゼはプロリン・リッチ・タンパ
ク質を加水分解する作用を有するので、プロリン・リッ
チ・タンパク質が関与する疾患の予防・治療用医薬やか
かる疾患を検査するための臨床診断用試薬として、又は
当該タンパク質の機能を解明するための生化学試薬とし
て有用である。特に、脳におけるプロリン・リッチ・タ
ンパク質は神経伝達系の制御や中枢神経系の形成などに
関与しており、本発明のペプチダーゼは、ブラジキニ
ン、ニューロペプチドYなどの脳内生理活性ペプチドを
分解し不活性化する作用を有するので、脳内生理活性ペ
プチドの代謝異常による疾患を予防・治療するための医
薬あるいは脳機能解明のための試薬として利用できる。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1ペプチダーゼの活性測定 酵素活性の測定は、基質としてLeu-Pro-Pro-Proを用い
て行った。より詳細には、希釈酵素液20μl、50m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)50μl、10m
M塩化マンガン/1mMベスタチン混合溶液10μlを
混合し、20分間氷冷した後、37℃で10分間予熱し
た。1mM Leu-Pro-Pro-Pro 20μlを混合し、37
℃で20分間反応させた後、1N塩酸100μlを加え
て反応を停止させ、上清10μlを逆相HPLCカラム
に負荷して反応液中に残存するLeu-Pro-Pro-Proのピー
クを検出した。活性の強さは反応液と対照のピークの高
さを比較することにより求めた。HPLCの条件を以下
に示す。 カラム:μ Bondasphere C8-300Å (3.9×150mm、日本
ミリポア社) 溶出液:0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリ
ル/蒸留水 (7/93-63/37, v/v)の直線濃度勾配 流速: 1 ml/min 検出: 210 nm この系を標準の活性測定系とした。下記の精製工程にお
いて、この測定系を用いてカラム溶出液の酵素活性を測
定し、活性ピークを検出した。
【0013】実施例2本発明ペプチダーゼの精製 破砕した牛脳400gに十分に冷却した20mMトリス
−塩酸緩衝液(pH7.5、4℃)を加え、容器を氷冷
しながらワーリングブレンダーでホモジナイズした。ホ
モジネートに同様の緩衝液を加え、ポリトロンを用いて
更に細かくホモジナイズした後、4℃、30,000×
gで20分間の遠心分離を行い、得られた上清を粗酵素
液とした。粗酵素液に十分に冷却したアセトン(4℃)
を、終濃度50%(v/v)になるようにスターラーで
撹拌しながら滴下した。低温室で一夜静置して沈殿を熟
成させた後、4℃、20,000×gで20分間の遠心
分離を行い、活性画分の沈殿を得た。
【0014】次いで、上記の沈殿を20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.5)に溶解させた後、30%飽和と
なるように硫安を加え低温室で一夜静置した後、22,
000×gで20分間遠心分離し、沈殿を除去した。得
られた30%飽和溶液に50%飽和となるように更に硫
安を加えた後に同様の操作を行い、活性画分の沈殿を得
た。得られた沈殿を1mM塩化マンガンを含む10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解した後、YM
−30膜(排除限界:30,000 Da、アミコン
社)を用いた限外濾過で硫安を除去し、60mlの活性
画分を得た。この試料を次のステップに供した。
【0015】1mM塩化マンガンを含む10mMトリス
−塩酸緩衝液(pH7.5)に懸濁したQ−Sepha
rose(ファルマシア社)をカラム(1.6×60c
m)に充填し、同様の緩衝液をベッド体積の3倍以上流
して平衡化し、上記試料を負荷した後、再び同様の緩衝
液をカラムのベッド体積の3倍以上流した。流速1ml
/minで吸着タンパク質は0.2−0.8Mの塩化ナ
トリウムの直線濃度勾配で溶出し9mlずつ分画し、実
施例1の方法で測定した活性フラクションを回収し次の
ゲル濾過クロマトグラフィーを行った。即ち1mM塩化
マンガン、200mM塩化ナトリウムを含む50mMト
リス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したSupe
rdex 200カラム(1.6×60cm、ファルマ
シア社)に前ステップで得られた試料を負荷し、同様の
緩衝液で溶出し5mlずつ分画し、活性画分(Frc.22-2
4)を回収した。
【0016】次いで、前ステップで得られた活性画分を
セントリコン30(アミコン社)を用いて脱塩した後、
1mM塩化マンガンを含む10mMクエン酸−水酸化ナ
トリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したMonoQ
HR5/5カラム(0.5×5cm、ファルマシア
社)に負荷した。流速1ml/minで0−0.6Mの
NaClの直線濃度勾配により溶出し、1mlずつ分画
し、活性画分(Frc.41-43)を回収した。最後に、前ステ
ップで得られた活性画分をセントリコン30(アミコン
社)を用いて濃縮した後、1mM塩化マンガンを含む5
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した
TSK−GEL G3000SWカラム(0.5×30
cm:東ソー社)に負荷し、同様の緩衝液で溶出した。
流速は0.5ml/minで、0.5mlずつ分画し、
各画分の酵素活性を測定して活性フラクションを分離し
た。こうして得られた活性フラクションを、本発明ペプ
チダーゼの精製標品とした。
【0017】実施例3本発明ペプチダーゼの牛脳アセトンパウダーからの精製 牛脳アセトンパウダー(シグマ社より購入)50gを、
1mM塩化マンガンを含む10mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.5)に溶解し、マグネチックスターラーで1
時間撹拌して抽出した。不溶物を22,000×gで2
0分間遠心分離し、沈殿に緩衝液を加えて更に1時間抽
出した後同様の操作を行った。以上の操作によって得ら
れた上清765mlを粗酵素液とし、以下実施例2と同
様の硫安分画、各種クロマトグラフィーにより精製し、
精製標品を得た。
【0018】実施例4本発明のペプチダーゼの諸性質の検討 ゲル濾過法による分子量の測定 TSK−GEL G3000SWのゲル濾過における、
分子量マーカー(Gel Filtration Standards, バイオラ
ッド社)と本発明ペプチダーゼのカラムへの相対保持時
間との関係から、本発明ペプチダーゼの分子量は約14
0kDaと推定された。
【0019】至適pHの測定 標準の活性測定系において、緩衝液を各pHのものに置
き換えて活性測定をすることにより求めた。pHの調整
には、100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.0−
9.0)、100mMクエン酸−水酸化ナトリウム緩衝
液(pH4.0−6.5)、100mMホウ酸ナトリウ
ム−塩酸(pH8.5−9.0)、100mMホウ酸ナ
トリウム−水酸化ナトリウム(pH9.5−10.0)
の各種の緩衝液を使用した。その結果を図1に示す。図
1に示されるように、至適pHは約7.5−8.0であ
り、9.0以上7.0以下で急激に活性が低下した。
【0020】金属イオン及び阻害剤の影響 金属イオン及び阻害剤の本発明ペプチダーゼに対する影
響は、標準の活性測定系(実施例1参照)における10
mM塩化マンガン/1mMベスタチン混合溶液を、各種
金属塩溶液あるいは阻害剤溶液に置き換えて活性を測定
することにより求めた。その結果を表1に示す。金属塩
あるいは阻害剤の代わりに50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.5)を加えたものをコントロールとし、その
値を100%とした相対活性で表した。金属塩では、塩
化ニッケルでコントロールの約16%に阻害され、硫酸
亜鉛で完全に阻害された。また、塩化マンガンで約14
0%に賦活化されることが確認された。化学試薬の影響
を調べたところ、金属酵素阻害剤のo−フェナントロリ
ンで約85%、2−メルカプトエタノールで約67%の
阻害を受けた。セリン酵素阻害剤(DFP、PMS
F)、システイン酵素阻害剤(PCMB、ヨードアセト
アミド)、アスパラギン酸酵素阻害剤(ペプスタチン
A)、アミノペプチダーゼ阻害剤(ベスタチン)ではほ
とんど阻害を受けなかった。以上の結果から、本発明ペ
プチダーゼがMn2+依存性の金属プロテアーゼであるこ
とが推定された。そこで次に、Mn2+濃度の活性に及ぼ
す影響を調べた。標準の活性測定系における10mM塩
化マンガン/1mMベスタチン混合溶液を各濃度の塩化
マンガン溶液に置き換えて活性を測定することにより求
めた。その結果、塩化マンガン1〜10mMの添加によ
り最も賦活化された。
【0021】
【表1】
【0022】基質特異性の検討 プロリンを含む各種合成ペプチド及び生理活性ペプチド
を基質とした加水分解反応を行い、本発明ペプチダーゼ
の基質特異性を調べた。合成ペプチドは固相法により合
成し、生理活性ペプチド(ニューロペプチドY、サブス
タンスP、ブラジキニン、脳利尿ペプチド−32、ガス
トリン放出ペプチド)は株式会社ペプチド研究所より購
入した標品を使用した。酵素反応は、標準の活性測定系
(実施例1参照)において基質を各種ペプチドに置き換
えて行った。合成ペプチドの分解率は逆相HPLCでの
反応液と対照のピークの高さを比較することにより求
め、生理活性ペプチドの分解率はニンヒドリン法による
アミノ酸分析(日立835形高速アミノ酸分析計)で求
めた。その結果を表2に示す。表2に示されるように、
本発明ペプチダーゼはN末端から2残基目にプロリンが
存在するペプチドに作用してN末端のアミノ酸を遊離さ
せた。オリゴプロリンに対する分解活性は、Leu-Pro-Pr
o-Proとの相対比で、Pro-Pro-Pro-Pro 27%、Pro-Pro
-Pro 11%、Pro-Pro 66%であった。生理活性ペプ
チドの分解では、ブラジキニンに対する分解活性が際立
って高く、ニューロペプチドYに対しても比較的高い分
解活性を示した。
【0023】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】各pHにおける本発明ペプチダーゼの相対活性
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀興 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 前田 英勝 東京都日野市東豊田3丁目7番1号 (72)発明者 小林 勉 茨城県那珂郡大宮町東野1727 (72)発明者 大森 丘 茨城県つくば市緑ケ原3丁目3番 日本ハ ム株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質及び生理活性を有
    することからなるペプチダーゼ。 1)推定分子量:ゲル濾過法で約140kDaである。 2)至適pH:約7.5−8.0 3)Pro-Pro-Pro-Pro、Pro-Pro-Pro及びPro-Proを加水
    分解し、またペプチドのN末端から2残基目に存在する
    プロリンを認識してN末端のアミノ酸を遊離させる。 4)酵素活性は、塩化マンガンで賦活化される。 5)酵素活性は、o−フェナントロリン及び2−メルカ
    プトエタノールで阻害を受け、一方、PCMB(p-chlo
    romercuribenzoate)、ヨードアセトアミド、ペプスタ
    チンA及びベスタチンではほとんど阻害を受けない。
  2. 【請求項2】 牛脳から、請求項1記載の理化学的性
    質及び生理活性を有するペプチダーゼを取得することか
    らなるペプチダーゼの製造法。
JP4202794A 1994-02-15 1994-02-15 ペプチダーゼ及びその製造法 Pending JPH07227281A (ja)

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