JPH07230908A - 絶縁皮膜を有する電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

絶縁皮膜を有する電磁鋼板及びその製造方法

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JPH07230908A
JPH07230908A JP13327594A JP13327594A JPH07230908A JP H07230908 A JPH07230908 A JP H07230908A JP 13327594 A JP13327594 A JP 13327594A JP 13327594 A JP13327594 A JP 13327594A JP H07230908 A JPH07230908 A JP H07230908A
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wax
steel sheet
amount
organic resin
insulating film
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Tadayoshi Kamigaki
忠義 上垣
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の無機・有機混合皮膜(クロム酸系有機
混合皮膜)よりなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板に比し、
加工時に剥離し難く、密着性に優れた絶縁皮膜を有する
電磁鋼板及びその製造方法の提供。 【構成】 有機樹脂:10〜50wt%及び軟化点50℃以上の
ワックス:5〜20wt%を両合計量:60wt%以下にして含
有するクロム酸系有機樹脂及びワックス混合皮膜よりな
る絶縁皮膜を有する電磁鋼板、及び、クロム酸塩又は/
及び重クロム酸塩を含有する無機系水溶液に有機還元
剤、有機樹脂エマルジョン及び軟化点50℃以上のワック
スを添加し含有させた処理液を、鋼板に塗布した後、焼
付けることにより鋼板表面に絶縁皮膜を形成させる絶縁
皮膜を有する電磁鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁皮膜を有する電磁
鋼板及びその製造方法に関し、詳細には、加工時に剥離
し難く、密着性に優れた絶縁皮膜を表面に有する電磁鋼
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用電気製品等のモータ、トランス等
の鉄心に用いられる電磁鋼板には、通常、渦電流損を低
減するために絶縁皮膜の被覆処理が施されている。即
ち、これら鉄心用電磁鋼板としては、絶縁皮膜を表面に
有する電磁鋼板が使用される。
【0003】この電磁鋼板は次のような工程により鉄心
に組立てられる。先ず、電磁鋼板をスリットラインで所
定幅にスリットした後、所定形状に打抜き、次に、歪取
り焼鈍を行った後、複数枚を積層し、その端面をTIG 溶
接し、鉄心に組立てられる。尚、上記歪取り焼鈍は行わ
ない場合もある。
【0004】かかる電磁鋼板において、その表面の絶縁
皮膜には電気絶縁性をはじめ、密着性、耐食性、打抜き
性、耐熱性、耐冷媒性(フロン等の冷媒に対する絶縁皮
膜の安定性)等が優れていることが要求される。
【0005】従来、絶縁皮膜を有する電磁鋼板の製造方
法としては、クロム酸塩又は/及びリン酸塩を含有する
無機系水溶液を、鋼板に塗布した後、焼付けることによ
り鋼板表面に絶縁皮膜を形成させる方法(以降、無機系
皮膜形成法という)、又は、クロム酸塩(クロム酸塩又
は/及び重クロム酸塩)を含有する無機系水溶液に有機
還元剤及び有機樹脂エマルジョンを添加し含有させた処
理液を、鋼板に塗布した後、焼付けることにより鋼板表
面に絶縁皮膜を形成させる方法(以降、無機・有機混合
皮膜形成法という)が採用されている。ここで、前者の
無機系皮膜形成法では無機系皮膜よりなる絶縁皮膜を有
する電磁鋼板が得られ、後者の無機・有機混合皮膜形成
法では無機・有機混合皮膜(即ち、クロム酸系有機混合
皮膜)よりなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板が得られる。
【0006】これら従来の電磁鋼板の中、無機系皮膜よ
りなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板は打抜き性及び耐食性
に劣るという欠点がある。これを改善したものが無機・
有機混合皮膜(クロム酸系有機混合皮膜)よりなる絶縁
皮膜を有する電磁鋼板であり、この電磁鋼板は広く実用
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
無機・有機混合皮膜(クロム酸系有機混合皮膜)よりな
る絶縁皮膜を有する電磁鋼板においては、絶縁皮膜の密
着性に劣るものが多く、鉄心への組立て工程においてし
ばしば下記の如きトラブルが発生している。
【0008】即ち、電磁鋼板をスリットラインで所定幅
にスリットする際に、スタビライザーによって絶縁皮膜
の表面が擦られ、絶縁皮膜の一部が剥離し易いという問
題点がある。この絶縁皮膜の剥離は、電磁鋼板自体の品
質を低下させる他、剥離した皮膜(粉状)がテンション
ロール、テンションパット等に付着すると共に堆積し、
その結果スリットラインの操業停止を余儀無くされると
いうトラブルの発生に繋がる。
【0009】又、電磁鋼板のスリットコイルを連続打抜
きプレスでモーターコアー等に打抜く際にも、コイルガ
イド等により絶縁皮膜の表面が擦られ、絶縁皮膜の一部
が剥離し、ピンチロール及び打抜き金型に剥離皮膜粉が
付着し、操業停止等のトラブルが発生し、更には、打抜
きコアーに剥離皮膜粉が付着し、占積率の低下を来すと
いう問題点等が生じている。
【0010】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は上記の如き問題点を解消し、
前記従来の無機・有機混合皮膜(クロム酸系有機混合皮
膜)よりなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板に比し、加工時
に剥離し難く、密着性に優れた絶縁皮膜を有する電磁鋼
板及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は次のような構成の絶縁皮膜を有する電磁
鋼板及びその製造方法としている。即ち、請求項1記載
の絶縁皮膜を有する電磁鋼板は、有機樹脂及び軟化点50
℃以上のワックスを含有するクロム酸系有機樹脂及びワ
ックス混合皮膜よりなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板であ
って、前記皮膜中における有機樹脂の含有量が10〜50wt
%、ワックスの含有量が5〜20wt%であると共に、前記
有機樹脂及びワックスの含有量の合計が60wt%以下であ
ることを特徴とする絶縁皮膜を有する電磁鋼板である。
【0012】請求項2記載の絶縁皮膜を有する電磁鋼板
の製造方法は、クロム酸塩又は/及び重クロム酸塩を含
有する無機系水溶液に有機還元剤、有機樹脂エマルジョ
ン及び軟化点50℃以上のワックスを添加し含有させた処
理液を、鋼板に塗布した後、焼付けることにより鋼板表
面に絶縁皮膜を形成させる電磁鋼板の製造方法であっ
て、前記無機系水溶液への有機還元剤の添加量が無機系
水溶液中のクロム量のCrO3換算量100 重量部に対して10
〜40重量部、有機樹脂エマルジョンの添加量が絶縁皮膜
中での有機樹脂量換算量で10〜50wt%、ワックスの添加
量が絶縁皮膜中でのワックス量換算量で5〜20wt%に調
整されると共に、該絶縁皮膜中での有機樹脂量換算量及
びワックス量換算量の合計が60wt%以下に調整されるこ
とを特徴とする絶縁皮膜を有する電磁鋼板の製造方法で
ある。
【0013】請求項3記載の絶縁皮膜を有する電磁鋼板
は、前記絶縁皮膜の量を片面当り0.5 〜5g/m2とした請
求項1記載の絶縁皮膜を有する電磁鋼板である。
【0014】
【作用】本発明は、前記従来の無機・有機混合皮膜形成
法により得られる無機・有機混合皮膜よりなる絶縁皮膜
を有する電磁鋼板での問題点(皮膜の密着性不良)を解
決すべく研究を行った結果、従来の無機・有機混合皮膜
に軟化点50℃以上のワックスを含有させることにより、
皮膜の密着性が向上するという知見を得、この知見に基
づき完成されたものである。
【0015】即ち、従来の無機・有機混合皮膜(クロム
酸系有機混合皮膜)に軟化点50℃以上のワックスを10wt
%含有させると、皮膜の密着性が向上し、このとき、上
記ワックスの含有量を50wt%以下にすると共に、有機樹
脂の含有量を10〜50wt%とし、同時に有機樹脂及びワッ
クスの含有量の合計を60wt%以下にすることにより、従
来の無機・有機混合皮膜が本来有する優れた特性(打抜
き性等)を損なうことなく、皮膜の密着性を向上し得る
という知見が得られた。
【0016】又、かかるワックスを含有するクロム酸系
有機混合皮膜(クロム酸系有機樹脂及びワックス混合皮
膜)は、クロム酸塩又は/及び重クロム酸塩を含有する
無機系水溶液に、有機還元剤、有機樹脂エマルジョン及
び軟化点50℃以上のワックスを上記皮膜組成になる量に
調整して添加し含有させた処理液を、鋼板に塗布した
後、焼付けることにより得られるという知見が得られ
た。
【0017】そこで、本発明に係る絶縁皮膜を有する電
磁鋼板は、有機樹脂及び軟化点50℃以上のワックスを含
有するクロム酸系有機樹脂及びワックス混合皮膜よりな
る絶縁皮膜を有する電磁鋼板であって、前記皮膜中にお
ける有機樹脂の含有量が10〜50wt%、ワックスの含有量
が5〜20wt%であると共に、前記有機樹脂及びワックス
の含有量の合計が60wt%以下である絶縁皮膜を有する電
磁鋼板としている。故に、従来の無機・有機混合皮膜
(クロム酸系有機混合皮膜)が本来有する優れた特性
(打抜き性等)を損うことなく、皮膜の密着性が向上
し、従って、従来の無機・有機混合皮膜よりなる絶縁皮
膜を有する電磁鋼板に比し、皮膜の密着性に優れ、加工
時に皮膜剥離が生じ難い。
【0018】ここで、皮膜中に含有されるワックスにつ
いて、軟化点50℃以上のワックスとしているのは、軟化
点50℃未満のワックスでは皮膜の密着性を向上し得ない
からである。例えば、図1(ワックスの軟化点と皮膜の
密着性との関係を示す図)に示す如く、ワックスの軟化
点が50℃未満の場合は皮膜の密着性に劣るが、50℃以上
の場合は皮膜の密着性に優れており、この図も軟化点50
℃以上のワックスとする必要があることを示している。
又、皮膜中での含有量を5〜20wt%としているのは、5
wt%未満にすると皮膜の密着性を向上し得ず、20wt%超
にすると皮膜の耐食性が劣化するからである。尚、更に
皮膜の密着性を良好ならしめるためにはワックスの軟化
点は60〜145 ℃であることが望ましく、耐食性を良好に
維持するためには皮膜中でのワックスの含有量は5〜18
wt%にすることが望ましい。
【0019】皮膜中での有機樹脂の含有量を10〜50wt%
としているのは、10wt%未満にすると連続打抜き性が劣
化し、50wt%超にすると歪取り焼鈍(打抜き後の工程)
後の皮膜の密着性が劣化するからである。尚、更に皮膜
の密着性と溶接性を良好に保ためには10〜40wt%にする
ことが望ましい。
【0020】有機樹脂及びワックスの含有量の合計を60
wt%以下としているのは、60wt%超にすると歪取り焼鈍
後の皮膜の密着性が劣化するからである。尚、更に良好
な溶接性を維持するためには50wt%未満にすることが望
ましい。
【0021】尚、前記の如く軟化点50℃以上のワックス
を含有させることにより皮膜の密着性が向上する理由
は、明らかではないが、電磁鋼板表面の絶縁皮膜がスリ
ットラインのスタビライザーに擦られた時、ワックスの
潤滑作用により、皮膜のはくりが減少するためであると
考えられる。
【0022】一方、本発明に係る絶縁皮膜を有する電磁
鋼板の製造方法は、クロム酸塩又は/及び重クロム酸塩
を含有する無機系水溶液に有機還元剤、有機樹脂エマル
ジョン及び軟化点50℃以上のワックスを添加し含有させ
た処理液を、鋼板に塗布した後、焼付けることにより鋼
板表面に絶縁皮膜を形成させる電磁鋼板の製造方法であ
って、前記無機系水溶液への有機還元剤の添加量が無機
系水溶液中のクロム量のCrO3換算量100 重量部に対して
10〜40重量部、有機樹脂エマルジョンの添加量が絶縁皮
膜中での有機樹脂量換算量で10〜50wt%、ワックスの添
加量が絶縁皮膜中でのワックス量換算量で5〜20wt%に
調整されると共に、該絶縁皮膜中での有機樹脂量換算量
及びワックス量換算量の合計が60wt%以下に調整される
ことを特徴とするものとしている。
【0023】この方法は、特に、処理液中に軟化点50℃
以上のワックスを添加し含有させると共に、その添加量
を上記ワックス量換算量:5〜20wt%及び有機樹脂量換
算量及びワックス量換算量の合計:60wt%以下となるよ
うにしている点において、前記従来の無機・有機混合皮
膜形成法と異なる。これに起因して、前記従来の無機・
有機混合皮膜形成法の場合はクロム酸系有機混合皮膜が
形成されるのに対し、本発明に係る絶縁皮膜を有する電
磁鋼板の製造方法では、有機樹脂及び軟化点50℃以上の
ワックスを含有するクロム酸系有機樹脂及びワックス混
合皮膜が形成され、その皮膜中のワックス含有量は5〜
20wt%、有機樹脂の含有量は10〜50wt%、有機樹脂及び
ワックスの含有量の合計は60wt%以下となる。従って、
前記本発明に係る絶縁皮膜を有する電磁鋼板、即ち、加
工時に剥離し難く、密着性に優れた絶縁皮膜を有する電
磁鋼板が得られる。
【0024】ここで、処理液に含有させるワックスにつ
いて、軟化点50℃以上のワックスとし、又、その含有量
を絶縁皮膜中でのワックス量換算量で5〜20wt%に調整
しているのは、形成されるクロム酸系有機樹脂及びワッ
クス混合皮膜に軟化点50℃以上のワックスを5〜20wt%
含有させるためである。
【0025】有機樹脂エマルジョンの添加量を絶縁皮膜
中での有機樹脂量換算量で10〜50wt%としているのは、
皮膜中での有機樹脂含有量を10〜50wt%とするためであ
る。皮膜中での有機樹脂量換算量及びワックス量換算量
の合計を60wt%以下としているのは、皮膜中での有機樹
脂及びワックスの含有量の合計を60wt%以下とするため
である。
【0026】前記無機系水溶液への有機還元剤の添加量
を無機系水溶液中のクロム量のCrO3換算量100 重量部に
対して10〜40重量部としているのは、10重量部未満にす
ると処理液中の6価クロムの還元が不充分となり、その
結果得られる絶縁皮膜の耐水性が劣化し、40重量部超に
すると処理液中の6価クロムの還元が進行し過ぎて、処
理液が不安定となり、処理液の一部が分離すると共に皮
膜の性能が劣化し、そのため処理液の更新が頻繁になり
生産性の低下を来すからである。
【0027】前記重クロム酸塩としては、ナトリウム、
カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の塩を使
用できる。クロム酸塩としては、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の塩を使用でき
る。又、クロム酸塩源として、無水クロム酸と、マグネ
シウム、カルシウム、亜鉛等の酸化物又は水酸化物との
混合物を使用できる。
【0028】前記無機系水溶液は、重クロム酸塩、クロ
ム酸塩の他、絶縁皮膜の絶縁性等の性能を向上するた
め、必要に応じてホウ酸、ケイ酸、酸化アルミニウム等
の酸化物を含有することができる。
【0029】前記有機還元剤としては、グリセリン、ポ
リエチレングリコール等が好適に使用できる。前記有機
樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重
合樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ
る。
【0030】前記軟化点50℃以上のワックスとしては、
天然ワックス、石油ワックス、合成ワックスの中、軟化
点50℃以上のワックスが挙げられる。これらの中、石油
ワックス及び合成ワックスが処理液の安定性の点から好
ましい。
【0031】前記鋼板への処理液の塗布はロールコータ
等を用いて行うことができる。塗布後の焼付けに際し、
鋼板の温度が350 ℃超になるとワックスの熱分解が起き
て皮膜の密着性が低下する傾向にあるので、鋼板の温度
は350 ℃以下にすることが望ましく、更に皮膜の密着性
を良好に維持するためには 250〜330 ℃にするのが好ま
しい。
【0032】前記絶縁皮膜の厚み(付着量)は、0.5 〜
5g/m2にすることが望ましい。0.5g/m2未満になると打
抜き性及び耐食性が低下する傾向にあり、5g/m2超にな
ると占積率及び溶接性が低下する傾向にあるからであ
る。かかる点から、更には0.7〜4g/m2にすることが望
ましい。又、皮膜の密着性を良好に保つためには 0.5〜
3g/m2にすることが望ましい。
【0033】
【実施例】先ず、重クロム酸マグネシウム(重クロム酸
塩の一種):150g/l及びホウ酸:30g/l を含有する無機
系水溶液に、有機還元剤、有機樹脂エマルジョン及びワ
ックスを添加して処理液を作製(調合)した。ここで、
有機還元剤としてはグリセリンを使用した。有機樹脂エ
マルジョンとしては、ポリエステル樹脂:20部とアクリ
ル−スチレン樹脂:80部との混合エマルジョンを使用し
た。ワックスとしては、パラフィンワックス(軟化点37
℃、表1においてワックスa)、マイクロワックス(軟
化点77℃、表1においてワックスb)、ポリエチレンワ
ックス(軟化点 128℃、表1においてワックスc)を使
用した。又、これらの添加量は表1に示す如く変化させ
た。即ち、有機還元剤の添加量は、前記無機系水溶液中
のクロム量のCrO3換算量100 重量部に対して15〜25重量
部、有機樹脂エマルジョンの添加量は絶縁皮膜中での有
機樹脂量換算量で2〜45wt%、ワックスの添加量は絶縁
皮膜中でのワックス量換算量で2〜30wt%になるように
変化させた。尚、この絶縁皮膜中での有機樹脂量換算量
及びワックス量換算量の合計は、一部(比較例のNo.5)
を除き、60wt%以下になるようにした。
【0034】次に、上記処理液を板厚:0.5mmの電磁鋼板
(JIS 50A1000 相当)に対し、溝付きロールを用いて乾
燥後皮膜量で 1.3〜1.5g/m2 になるように塗布した後、
炉温:330℃で60秒間焼付けることにより電磁鋼板表面に
絶縁皮膜を形成させた。尚、この焼付け時の最高板温は
290 ℃であった。
【0035】このようにして製作された絶縁皮膜を有す
る電磁鋼板について、これより試験片を採取し、皮膜密
着性試験、打抜き試験、耐食性試験、歪取り焼鈍後の皮
膜密着性試験を次のようにして行った。即ち、皮膜密着
性試験は、20mm×20mmの木片2を図2に示す如く試験片
1の両側より120kg の荷重で加圧しながら試験片1を引
き抜く方法により行い、木片2で擦った試験片1表面の
絶縁皮膜の剥離状況を調査した。打抜き試験は、10mm角
のブランクをSKD-11製金型を用いて打抜く方法により行
い、ブランクのカエリ高さが50μm に達するまでの打抜
き枚数で評価した。耐食性試験は塩水を連続的に8時間
噴霧する塩水噴霧試験により行い、8時間噴霧後の錆発
生面積を調べた。歪取り焼鈍後の皮膜密着性試験は、試
験片にN2中で750 ℃×2時間の歪取り焼鈍を施した後、
白紙を強く押し当てて皮膜表面を擦る方法により行い、
皮膜の剥離状況を調査した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】上記試験結果を表2に示す。この表2にお
いて各印は次の水準を示すものである。即ち、皮膜密着
性の欄において、◎は剥離認められず、○は剥離極微
量、△は剥離認められる、×は著しい剥離が認められる
ことを示すものである。歪取り焼鈍後の密着性の欄にお
いて、○は剥離が殆ど認められず、△は僅かに剥離が認
められる、×は著しい剥離が認められることを示すもの
である。表2からわかる如く、比較例に係るものは、皮
膜密着性、打抜き性、耐食性、歪取り焼鈍後の皮膜密着
性のいづれかが良好でなく、不充分であるが、これに対
し、本発明の実施例に係るものは、皮膜密着性、打抜き
性、耐食性、歪取り焼鈍後の皮膜密着性の全てが良好で
あり、比較例に係るものよりも優れている。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る絶縁皮膜を有する電磁鋼板
は、従来の無機・有機混合皮膜(クロム酸系有機混合皮
膜)よりなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板が本来有する優
れた特性(打抜き性等)を損うことなく、その絶縁皮膜
の密着性に劣るという問題点を解消し得るものであり、
この従来の電磁鋼板に比して絶縁皮膜の密着性に優れて
おり、従って、加工時の絶縁皮膜剥離によるトラブルを
発生することなく、鉄心への組立てを行うことが可能と
なり、鉄心への組立て工程でのトラブルを解消し得ると
いう効果を奏する。
【0040】本発明に係る絶縁皮膜を有する電磁鋼板の
製造方法によれば、上記の如く鉄心への組立て工程での
トラブルを解消し得る絶縁皮膜を有する電磁鋼板が得ら
れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワックスの軟化温度と皮膜の密着性との関係を
示す図である。
【図2】実施例に係る皮膜密着性試験方法の概要を示す
側断面図である。
【符号の説明】 1--試験片、 2--木片。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機樹脂及び軟化点50℃以上のワックス
    を含有するクロム酸系有機樹脂及びワックス混合皮膜よ
    りなる絶縁皮膜を有する電磁鋼板であって、前記皮膜中
    における有機樹脂の含有量が10〜50wt%、ワックスの含
    有量が5〜20wt%であると共に、前記有機樹脂及びワッ
    クスの含有量の合計が60wt%以下であることを特徴とす
    る絶縁皮膜を有する電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 クロム酸塩又は/及び重クロム酸塩を含
    有する無機系水溶液に有機還元剤、有機樹脂エマルジョ
    ン及び軟化点50℃以上のワックスを添加し含有させた処
    理液を、鋼板に塗布した後、焼付けることにより鋼板表
    面に絶縁皮膜を形成させる電磁鋼板の製造方法であっ
    て、前記無機系水溶液への有機還元剤の添加量が無機系
    水溶液中のクロム量のCrO3換算量100 重量部に対して10
    〜40重量部、有機樹脂エマルジョンの添加量が絶縁皮膜
    中での有機樹脂量換算量で10〜50wt%、ワックスの添加
    量が絶縁皮膜中でのワックス量換算量で5〜20wt%に調
    整されると共に、該絶縁皮膜中での有機樹脂量換算量及
    びワックス量換算量の合計が60wt%以下に調整されるこ
    とを特徴とする絶縁皮膜を有する電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁皮膜の量を片面当り 0.5〜5g/
    m2とした請求項1記載の絶縁皮膜を有する電磁鋼板。
JP13327594A 1993-12-21 1994-06-15 絶縁皮膜を有する電磁鋼板及びその製造方法 Withdrawn JPH07230908A (ja)

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