JPH07232501A - アルミニウム合金部材およびアルミホイール - Google Patents

アルミニウム合金部材およびアルミホイール

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JPH07232501A
JPH07232501A JP2642894A JP2642894A JPH07232501A JP H07232501 A JPH07232501 A JP H07232501A JP 2642894 A JP2642894 A JP 2642894A JP 2642894 A JP2642894 A JP 2642894A JP H07232501 A JPH07232501 A JP H07232501A
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JP
Japan
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layer
plating layer
plating
aluminum alloy
chromate
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Application number
JP2642894A
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English (en)
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Sumie Tokuhisa
純恵 徳久
Katsuhiko Kojo
勝彦 古城
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳造欠陥やCrめっき層の欠陥、あるいはめ
っき膜厚が不十分で下地が露出した部分があった場合で
も、耐食性に優れるアルミニウム合金部材、特にアルミ
ホイールを提供する。 【構成】 表面に、Crめっき層と、クロメート層とを
順次積層してなるアルミホイール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金に表
面処理を施したアルミニウム合金部材、特にアルミホイ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ホイールは、従来からスチールで
形成されているが、最近になって車両の重量低減及び外
観や意匠性の向上を目的として、アルミニウム合金製ホ
イール(以下、アルミホイールと記す)を装着する割合
が増加してきている。アルミホイールは、耐候性や耐食
性などを改善するために、表面に塗膜を形成するのが一
般的である。
【0003】また、近年、デザイン面に金属光沢を有す
るCrめっき層を形成した装飾性が高いアルミホイール
の需要が増大してきている。Crめっき層は、大気中で
安定で変色せず、ビッカース硬度800〜1100と大
変硬いため耐摩耗性に優れ、傷が付きにくいという利点
を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】アルミホイールの素
材は、Siを6〜13重量%程度含むAl−Si系合金
を用いて、低圧鋳造法やダイカスト法などによって製作
されることが多い。しかるにアルミニウム合金で鋳造し
た素材は、多寡の差はあれ鋳造欠陥(ピンホールなど)
を皆無にすることは難しい。素材表面にピンホールが存
在したアルミホイールにCrめっき処理を施すと、ピン
ホールの部分にフクレが生じ耐食性が悪い上に所望の美
観を得ることができない。
【0005】また、素材表面にピンホールが殆んどない
場合でも、Crめっき層に欠陥(ピット、クラックな
ど)が発生したりあるいはめっき層の膜厚が均一になら
ないこともあり、そのような場合にも耐食性が悪く、所
望の美観を得ることができない。特にアルミホイールの
場合、形状が複雑であるためデザイン面の裏側や風穴の
奥、タイヤ面の裏側等の部位のめっき膜厚が不十分にな
り易いので、Crめっきの下地であるAl母材そのもの
が露出することがあり、これを原因とした耐食性の低下
を避けることは困難である。
【0006】したがって、本発明の目的は、鋳造欠陥や
Crめっき層の欠陥、あるいはめっき膜厚が不十分で下
地が露出した部分があった場合でも、耐食性に優れるア
ルミニウム合金部材、特にアルミホイールを提供するこ
とにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記目
的を達成するためCrめっき層について検討した。その
結果、Crめっき層は、膜厚が1μmを越えるとクラッ
クが発生しやすく、これを防ぐには膜厚を1μm以下と
するのが望ましいが、このようなCrめっき層の膜厚で
はアルミニウム合金部材の耐食性と金属光沢が不十分と
なることを知見した。このような知見に基づき、さらに
鋭意検討を重ねた結果、Crめっき層表面に、クロメー
ト処理層を形成することにより、Crめっき層の膜厚に
依存せずに耐食性を向上させることができることを知見
した。
【0008】したがって、本発明は、表面に、Crめっ
き層と、クロメート処理層とを順次積層してなるアルミ
ニウム合金部材である。また、膜厚1μm以下のCrめ
っき層を形成し金属光沢が不足した場合、下地めっきと
して、Niめっき層等の電解めっき層を形成することに
より金属光沢を補うことができる。
【0009】クロメート処理層の表面に塗膜層を形成す
ることにより、耐食性を向上させることができる。ま
た、無電解めっき層を形成する、ないしは電解めっき層
(Crめっき層を除く)形成することにより、耐食性を
より向上させることが可能である。さらに、電解めっき
層として、互いに電位差を有する2層以上の電解めっき
層(Crめっき層を除く)を形成することにより耐食性
が向上する。
【0010】本発明において、耐食性および金属光沢の
点から望ましいのは、表面に、無電解めっき層と、電解
めっき層と、Crめっき層と、クロメート層と、塗膜層
とを順次積層してなるアルミニウム合金部材である。
【0011】また、本発明者らの検討によると、アルミ
ニウム合金の表面に無電解めっき層、Crめっき層、塗
膜層を順次形成することにより、優れた耐食性が得られ
る。
【0012】したがって、本発明は、表面に、無電解め
っき層と、前記無電解めっき層の表面に形成されたCr
めっき層と、前記Crめっき層の表面に形成された塗膜
層とを有することを特徴とするアルミニウム合金部材で
ある。より耐食性を向上させるために、適宜電解めっき
層を設けることができる。電解めっき層は、互いに電位
差を有し、2層以上形成するのが望ましい。
【0013】本発明のアルミニウム合金部材は、優れた
耐食性および金属光沢が得られるのでアルミホイールに
好適である。
【0014】したがって、本発明は表面に、Crめっき
層と、前記Crめっき層の表面に形成されたクロメート
処理層とを有するアルミホイールである。また、表面
に、無電解めっき層と、Crめっき層と、塗膜層とを順
次積層してなるアルミホイールである。さらに表面に、
無電解めっき層と、電気めっき層と、Crめっき層と、
クロメート層と、塗膜層とを順次積層してなるアルミホ
イールである。
【0015】
【作用】本発明アルミニウム合金部材およびアルミホイ
ールは、表面にCrめっき層と、クロメート処理層を順
次積層することにより、鋳造欠陥やCrめっき層の欠
陥、あるいはめっき膜厚が不十分で下地が露出した部分
があった場合でも、優れた耐食性が得られる。
【0016】クロメート処理層を形成することにより、
耐食性が向上するのは、欠陥部を含む表面全てを被覆す
ることが可能であるためと考えられる。クロメート処理
層の膜厚が厚いほど耐食性は良好であるが、膜厚の厚さ
にほぼ比例してクロメート処理層の黄金色が濃くなり、
Crめっき層の金属光沢が損なわれるので、Crめっき
層の金属光沢を阻害しない程度にクロメート処理層を形
成することが望ましい。クロメート処理層の膜厚は、p
Hおよび電位に影響するめっき液組成、温度等のめっき
条件を制御することができる。なお、クロメート処理層
は薄膜であるので膜厚を測るのが困難であるため、膜厚
に対応するクロム付着量で制御するのが望ましい。Cr
めっき層の金属光沢を阻害しないためには、クロメート
処理層のクロム付着量は、20mg/m2以下とするの
が望ましく、さらに望ましいクロム付着量は1〜4mg
/m2程度である。
【0017】また、理由は明かではないが、クロメート
処理層は、表面に凹凸があった場合でも、最終的には凹
凸のない滑らかな表面を形成する傾向があり、美観の点
からも望ましい。すなわち、クロメート処理層形成前
に、多少の鋳造欠陥やめっきによる欠陥があったとして
もクロメート処理を施すことにより表面の凹凸が埋めら
れ、凹凸のない表面が得られるのである。
【0018】無電解めっき層は、ピンホールやピット等
の欠陥を埋め、電解めっき等後工程の表面処理が均一に
形成されるようにするために施されるので、電解めっき
層形成前に無電解めっき層を形成するのが望ましい。電
解めっき層は、めっき液に鋳造素材を浸漬し形成される
が、ピンホールやピット等の欠陥部には形成されにく
く、欠陥内部にはめっき層が形成されずに見かけ上その
欠陥の表面を被覆する。そのため、めっき液が欠陥内部
に残存し腐食の起点となる。
【0019】無電解めっき層の膜厚が5μm未満では、
欠陥を埋める効果が不十分であるので、5μm以上無電
解めっき層を形成するのがよい。また、無電解めっき層
を10μm以上形成することにより、素材の表面を均一
に被覆することができ耐食性が向上するので、10μm
以上とするのが望ましい。また、無電解めっき層の膜厚
が30μmを越えると圧縮応力により無電解めっき層が
剥がれる恐れがあるので、30μm以下とするのが望ま
しい。無電解めっきとしては、Ni−Pめっき、Co−
Pめっき、Cuめっき等が望ましい。
【0020】電解めっき層(Crめっき層を除く)は、
Crめっき層に存在するポアまたはクラックからの腐食
がAl素材に達するまでの時間を長くして耐食性を向上
させるために施す。Crめっき層の表面にCrめっき層
以外の電解めっき層を形成することも可能であるが、ア
ルミホイールの場合、金属光沢が要求されるので、Cr
めっき層の下地として形成するのが望ましい。また、N
iめっき層、Cuめっき層等の電解めっき層(Crめっ
き層を除く)をCrめっき層の下地として形成すれば、
Crめっき層の膜厚を1μm以下とした場合に不足する
金属光沢を補うことができる。
【0021】電解めっき層(Crめっきを除く)の膜厚
は5〜60μmであるのが望ましい。5μm未満である
と、電解めっき層(Crめっきを除く)により均一に表
面を覆うことが困難であり、未被覆の部分と電解めっき
層との電位差が生じ局部電池が形成され、かえって耐食
性が低下する。また、工業生産上安定して生産するため
には10μm以上形成するのが望ましい。60μmを越
えて電解めっき層を形成しても耐食性の効果は飽和する
とともに、めっきに時間がかかり、またコストも高くな
るので工業生産上望ましくない。
【0022】また、更に高い耐食性を得るためには、単
層電解めっきの変わりに互いに電位差を有する多層電解
めっきを施すことが有効である。その一例として、Cr
めっきの下に光沢Niめっき、そしてその下に半光沢N
iめっきを施す二層Niめっきがある。これら二種類の
Niめっきの特徴は硫黄含有の有無にある。一般に、光
沢Niめっきは硫黄を0.05%含み、半光沢Niめっ
きは硫黄を含有しない。耐食性を最大限に高めるため、
光沢Niめっき層と半光沢Niめっき層の膜厚の比は
6:4とするのが望ましく、合計厚さは少なくとも10
μm以上であるのが望ましい。
【0023】この二層Niめっきの防食機構は次の通り
である。Crめっきのポアーまたはクラックに起因する
腐食孔が光沢Ni層を貫通して半光沢Ni層に達する
と、硫黄を含有する光沢Ni層は硫黄を含有しない半光
沢Niめっき層に対して自然電位が半光沢Ni>光沢N
iとなるので、光沢Niめっき層がアノード化して優先
的に融けることによって半光沢Niめっき層を防食す
る。したがって、アルミニウム合金表面に腐食が進行す
るのを妨げることができるのである。
【0024】塗膜層は、非導電性物質であり、素地との
間に腐食の原因となる電位差を生じにくいので耐食性を
向上させる効果がある。アルミホイールに塗膜層を形成
する場合、Crめっき層の金属光沢を生かすためには、
クリアー塗装が望ましい。クリアー塗装は、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等の水溶性又は溶
媒型樹脂塗料を用いることができる。塗膜層の膜厚は、
8〜30μmが望ましい。8μm未満であると耐食性改
善の効果があまり得られず、30μmを越えると耐食性
改善の効果が飽和するので30μm以下形成すれば十分
である。
【0025】本発明アルミニウム合金部材およびアルミ
ホイールの表面処理層は次のように形成することができ
る。Crめっき層は、無水クロム酸をクロムイオン源と
し、これに硫酸などの触媒根を添加した浴を用い、浴温
40〜60℃、電流密度10〜60A/dm2の条件下
で形成する。
【0026】クロメート処理層は、クロム酸クロメート
の化成液に2分以上浸漬後80〜120℃で10分、続
いて150〜220℃で10分間乾燥して形成すること
ができる。クロム酸クロメートの化成液はクロム酸と、
硫酸、硝酸、フッ化水素酸、りん酸等の無機酸とが主成
分であり、促進剤としてタングステン塩等が添加され、
pH1.5〜3.8に調整し、用いる。
【0027】無電解めっき層としてNi−Pめっき層を
形成する場合は、硫酸ニッケルあるいは塩化ニッケル等
によりNi濃度を4〜6g/lとし、次亜りん酸塩、錯
化剤、pH緩衝剤、反応促進剤等を用い、浴温80〜9
5℃、pH4〜12の条件下で浸漬して形成する。電解
めっき層として光沢Niめっき層を形成する場合は、硫
酸ニッケルおよび塩化ニッケルによりNi濃度を40〜
120g/lとし、ほう酸を30〜40g/l、スルホ
ン酸を2〜15g/l添加した浴を用い、pH3〜5、
浴温40〜70℃、電流密度2〜10A/dm2の条件
下で形成する。
【0028】また、光沢Niめっき層の下地めっき層と
して半光沢Niめっき層を形成すれば、電位差を有する
多層電解めっき層が形成される。その場合は、硫酸ニッ
ケルおよび塩化ニッケルによりNi濃度を40〜120
g/lとし、ほう酸を30〜40g/l添加した浴を用
い、pH3〜5、浴温45〜60℃、電流密度2〜10
A/dm2の条件下で形成する。塗膜層としては、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等の水溶性
または溶媒型樹脂塗料を用いるが、例えばアクリル樹脂
の場合、スプレーにより厚さ10〜30μmの塗膜を形
成し、130〜170℃で20〜30分間加熱して焼付
処理を行う。
【0029】(実施例1)本発明の一実施例を図面によ
り説明する。図1は本発明の一実施例にかかるアルミホ
イールの縦断面図である。図2は、図1に示す鋳造素材
2の表面2aに形成された表面処理層の膜構成を示す拡
大模式図である。図1に示すアルミホイール1は、図2
に示すように鋳造素材2とその表面2aに順次形成され
たNi−Pめっき層3、半光沢Niめっき層4a、光沢
Niめっき層4b、Crめっき層5、クロメート処理層
6、クリアー塗装層7を有する。なお、Ni−Pめっき
層は無電解めっき層、半光沢Niめっき層および光沢N
iめっき層は電解めっき層(Crめっき層を除く)、ク
リアー塗装層は塗膜層である。
【0030】このアルミホイール1は、例えば次のよう
な工程により製造することができる。アルミニウム合金
(例えばAC4CH材)により製作した鋳造素材2にア
ルカリ脱脂、及び化成処理を施す。化成処理としては、
例えばダブルジンケート処理を施すことができる。
【0031】次にこのように前処理した鋳造素材2の表
面2aに順にNi−Pめっき層3、半光沢Niめっき4
a、光沢Niめっき層4b及びCrめっき層5を形成し
た。Ni−Pめっき層3は、硫酸ニッケルおよび塩化ニ
ッケルによりNi濃度6.8g/lとし、浴温85℃、
pH5、機械攪拌の条件下で、10μm形成した。
【0032】半光沢Niめっき層4aは、硫酸ニッケル
および塩化ニッケルによりNi濃度を80g/lとし、
ほう酸35g/l、ブチンジオール0.2g/lを添加
し、浴温50℃、pH4、電流密度2A/dm2の条件
下で30μm形成した。光沢Niめっきは層4bは、硫
酸ニッケルおよび塩化ニッケルによりNi濃度を80g
/lとし、ほう酸35g/l、サッカリンナトリウム8
g/l、ブチンジオール0.2g/lを添加し、浴温2
0℃、pH4、電流密度2A/dm2、エアー攪拌の条
件下で、20μm形成した。Crめっき層5は、無水ク
ロム酸250g/l、硫酸2.5g/lの浴を用い、浴
温50℃、電流密度25A/dm2の条件下で0.3μ
m形成した。
【0033】クロメート処理層は、クロム酸と、フッ化
水素酸、タングステン塩からなるpH1.8に調整した
クロム酸クロメート化成液に、2分間浸漬した後100
℃で10分、続いて180℃で10分間乾燥し、クロム
付着量が2mg/m2となるよう形成した。クリアー塗
装は、アクリル樹脂塗料を用い、この塗料を約20μm
の厚さに塗布し次いで150℃程度の温度で20〜30
分間加熱して焼付処理を行い、塗膜層を形成した。上記
クロメート処理の条件によれば、クロメート処理層によ
る着色は見られず、Crめっきによる金属光沢は維持さ
れていた。得られたアルミホイールの耐食性評価をJI
S H 8617に示されるキャス試験方法に従って行
った。その結果、キャス試験80時間で無欠陥であり、
非常に優れた耐食性を示した。
【0034】また、比較のためアルミホイールを用い、
同様の方法でキャス試験を行った。用いたアルミホイー
ルは、アルミニウム合金表面に膜厚6μmのNi−Pめ
っき層、膜厚30μmの半光沢Niめっき層、膜厚20
μmの光沢Niめっき層、膜厚0.3μmのCrめっき
層とが順次積層されている。キャス試験の結果、50時
間でフクレ等の欠陥を生じた。
【0035】(実施例2)15mm×15mm×7mm
のアルミニウム合金の表面に、実施例1と同様の表面処
理を施して試料No.1〜3を作成し、孔食電位により
耐食性を評価し、表1に示す。なお、表中に示すNiーP
は、無電解めっきであるNi−Pめっき層を表す。半光
沢Niおよび光沢Niは、2層電解めっき層である半光沢N
iめっき層、光沢Niめっき層を表す。CrはCrめっき
層を、クロメートはクロメート処理層を、クリア塗装は塗装膜で
あるクリア塗装層を表す。また、表面処理層の膜厚は、
Ni−Pめっき層10μm、半光沢ニッケルめっき層3
0μm、光沢ニッケルめっき層20μm、Crめっき層
0.4μm、クリア塗装層20μmである。
【0036】また、比較のため、表面処理を施さない母
材であるアルミニウム合金(試料No.4)、クロメー
ト処理層、クリア塗装層なし(試料No.5)について
も耐食性を評価した。耐食性の評価方法は、JIS G
0057による孔食電位測定法に従って行った。な
お、表中のVc’10、Vc’100は、それぞれ電流
密度10μA/cm2、100μA/cm2のときの孔食
電位(mV)を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、Crめっき層の表面にクロメー
ト処理および/またはクリアー塗装を施すことにより、
孔食電位(Vc’100のとき)はCrめっきのみ(N
o.5)と比較してCrめっき+クロメート(No.1)で約
2倍、Crめっき+クロメート+クリア塗装(No.2)で
約10倍と、Crめっき+クリア塗装(No.3)で約7倍
となり、クロメート処理および/またはクリアー塗装は
耐食性の向上に大きい効果を与えることがわかる。
【0039】(実験例)本発明アルミニウム合金部材お
よびアルミホイールは、Crめっきの下地めっき層を形
成する場合があるので、下地めっき層へのクロメート処
理層の耐食性の効果を評価した。15mm×15mm×
7mmのアルミニウム合金母材に無電解Ni−Pめっき
または半光沢Niめっきそれぞれにさらにクロメート処
理を施し、1M塩酸に12分間に浸漬したときのアルミ
ニウム溶出量をICP発光分析法により測定し、その結
果を表2、表3に示す。表中の膜厚は、無電解Ni−P
めっき層または半光沢Niめっき層の膜厚を示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】なお、表面処理条件は次の通りである。無
電解Ni−Pめっきは、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケ
ルによりニッケル濃度6.8g/lとし、浴温85℃、
pH5、機械攪拌により形成した。半光沢Niめっき
は、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルによりニッケル濃
度80g/lとし、ほう酸35g/l、ブチンジオール
0.2g/lを添加し、浴温50℃、pH4、電流密度
2A/dm2の条件下で形成した。クロメート処理層
は、クロム酸とフッ化水素酸、タングステン塩からなる
pH1.8に調整したクロム酸クロメート化成液に3分
間浸漬した後、100℃で10分、続いて180℃で1
0分乾燥し、クロム付着量3mg/m2となるよう形成
した。
【0043】無電解Ni−Pめっき層、Niめっき層の
膜厚6μmでクロメート処理の有無をそれぞれ比較する
と、クロメート処理後のAl溶出量はクロメート処理前
に比べてNi−Pめっきで1/20、半光沢Niめっき
で1/3に減少しており、ともに耐食性が向上している
ことがわかる。特にNi−Pめっきの耐食性向上が大変
著しい。この結果から、クロメート処理を施すことによ
り、アルミホイール表面全体をクロメート皮膜で覆うこ
とができ、電気めっきのつき回りが悪いために膜厚不足
となり耐食性が不十分な部分、例えばリム裏側、風穴下
部等に露出した、半光沢Niめっき層、光沢Niめっき
層、無電解Niめっき層及びアルミニウム合金表面がク
ロメート処理層により被覆されるので、めっき膜厚の不
十分な部分があった場合、めっきによってふさぎ切れて
いないピンホールがクロメート層によりふさがれ、フク
レを防止できる、めっき層の腐食が抑制できる等、耐食
性向上に顕著な効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、鋳造欠陥やCrめっき
層の欠陥、あるいはめっき膜厚が不十分で下地が露出し
た部分があった場合でも、耐食性に優れるアルミニウム
合金部材およびアルミホイールを提供することにある。
また、所望の金属光沢を有する表面を容易に得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すアルミホイールの縦断
面図である。
【図2】図1における鋳造素材2の表面2aの拡大模式
図である。
【符号の説明】
1 アルミホイール、2 鋳造素材、3 Ni−Pめっ
き層、4a 半光沢Niめっき層、4b 光沢Niめっ
き層、5 Crめっき層、6 クロメート処理層、7
クリア塗装層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 3/12 101

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に、Crめっき層と、クロメート処
    理層とを順次積層してなることを特徴とするアルミニウ
    ム合金部材。
  2. 【請求項2】 クロメート処理層の表面に塗膜層を有す
    る請求項1に記載のアルミニウム合金部材。
  3. 【請求項3】 無電解めっき層を有する請求項1または
    2に記載のアルミニウム合金部材。
  4. 【請求項4】 電解めっき層(Crめっき層を除く)を
    有する請求項1ないし3のいづれかに記載のアルミニウ
    ム合金部材。
  5. 【請求項5】 互いに電位差を有する2層以上の電解め
    っき層(Crめっき層を除く)を有する請求項1ないし
    4のいづれかに記載のアルミニウム合金部材。
  6. 【請求項6】 表面に、無電解めっき層と、Crめっき
    層と、塗膜層とを順次積層してなることを特徴とするア
    ルミニウム合金部材。
  7. 【請求項7】 電解めっき層(Crめっき層を除く)を
    有する請求項6に記載のアルミニウム合金部材。
  8. 【請求項8】 互いに電位差を有する2層以上の電解め
    っき層(Crめっき層を除く)を有する請求項6または
    7に記載のアルミニウム合金部材。
  9. 【請求項9】 表面に、Crめっき層と、クロメート処
    理層とを順次積層してなることを特徴とするアルミホイ
    ール。
  10. 【請求項10】 表面に、無電解めっき層と、Crめっ
    き層と、塗膜層とを順次積層してなることを特徴とする
    アルミホイール。
  11. 【請求項11】 表面に、無電解めっき層と、電気めっ
    き層と、Crめっき層と、クロメート処理層と、塗膜層
    とを順次積層してなることを特徴とするアルミホイー
    ル。
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