JPH07233094A - オゾニド還元剤 - Google Patents

オゾニド還元剤

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JPH07233094A
JPH07233094A JP32347394A JP32347394A JPH07233094A JP H07233094 A JPH07233094 A JP H07233094A JP 32347394 A JP32347394 A JP 32347394A JP 32347394 A JP32347394 A JP 32347394A JP H07233094 A JPH07233094 A JP H07233094A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、有機化合物のオゾン分解反応にお
いて使用する、適用範囲が広く工業的に安全、安価で後
処理の容易なオゾニド還元剤を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明のオゾニド還元剤は、極性官能基が置
換基した炭化水素残基をイオウの両端に有する化合物で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機化合物のオゾン分
解反応において使用する、適用範囲が広く工業的に安
全、安価で後処理の容易なオゾニド還元剤に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来よりオゾン分解反応は、有
機不飽和化合物及び芳香族化合物よりカルボン酸、アル
デヒド、ケトン、エポキシドを得る方法として広く一般
に行なわれており、工業的にも常用されている反応であ
る(新実験化学講座15巻〔I−2〕10章、発行年;
昭和50年9月20日、発行元;丸善株式会社)。通常
オゾン分解反応は、有機不飽和化合物及び芳香族化合物
にオゾンを作用させてオゾニド(過酸化物)という中間
体を得る工程と、オゾニドに対して酸化、還元、加水分
解等の処理を行なって安定な目的化合物を取り出す工程
の二つの工程よりなっており、本発明はこの後半の工程
に関するものである。本発明でのオゾニドとは、α−オ
ゾニド、β−オゾニド、ヒドロキシペルオキシド、ジペ
ルオキシド等のオゾン分解反応で生成するあらゆる過酸
化物を意味するものであり、常に爆発等の危険があるた
め、これらを処理して収率よく安全な目的化合物にする
工程は、オゾン分解反応の鍵工程であると言える。
【0003】一般に、オゾニドの処理法で最も温和でか
つ副反応の少ない方法は、還元的分解処理であると言わ
れており(新実験化学講座15巻〔I−2〕10章、発
行年;昭和50年9月20日、発行元;丸善株式会
社)、種々のオゾニド還元剤による処理が行なわれてい
る。しかし、どのオゾニド還元剤もいくつかの問題点を
有している。各オゾニド還元剤の有する問題点を以下の
(1)〜(7)に示す。
【0004】(1)酢酸−亜鉛還元(J.Org.Chem.,
,618(1960))では、酸で分解する化合物や低温での分
解を必要とする化合物には使えない上、生成する酸化亜
鉛等の産業廃棄物が公害対策上の問題となるため好まし
くない。
【0005】(2)Pt、Pd、Ni等の金属触媒存在
下での、接触水素添加(J.Am.Oil Chem.Soc., 42,236
(1965))の場合、過酸化物の溶液に活性な金属存在下で
水素を通じるため、常に爆発の危険が付きまとう。ま
た、ハロゲン系溶媒中では、溶媒自身が水添により還元
されるため、使用する溶媒の種類に制限を受ける。
【0006】(3)ラネーニッケル、水素化ホウ素ナト
リウム等の金属を用いる還元(Can.J.Chem.,48,1105
(1962) )では、処理後の金属が産業廃棄物となり、公
害対策状の問題となるため不利である。
【0007】(4)トリフェニルホスフィン、亜リン酸
エステル等の三価のリン化合物を用いる還元(J.Org.Che
m., 27,4498(1962) )では、処理後のホスフィンオキ
シドの反応系からの除去が必ずしも容易ではなく、一方
亜リン酸エステルの場合はその特有の臭気が環境上の問
題となる。更に、厳しいリン系排水の排出基準のため
に、クローズドシステムを構えなければならない場合が
ある等、環境面及び設備面でも有利とは言えない。
【0008】(5)実験室で最も汎用されるジメチルス
ルフィドを用いる還元(テトラヘドロンレターズ,19
66,4273)では、還元力は非常に高いものの、特
有の不快臭による環境上の問題、低引火点化合物の取り
扱いの問題を抱えており、工業的な使用は困難である。
【0009】(6)ジアルキルジスルフィド類やチオー
ル類を用いる還元(J.Org.Chem., 26,4912(1961) )で
は、前記スルフィドと比べると還元能力が劣っているこ
と、特有の不快臭を有すること、及びジスルフィド結合
の切断やチオールの付加反応等の副反応を起こすため汎
用性に欠ける。
【0010】(7)更に、他のイオウ系オゾニド還元剤
として文献、特許に記載されているものを挙げれば、チ
オ尿素(テトラヘドロンレターズ,1983,236
7)、重亜硫酸ソーダ(Helv.Chim.Acta., 21,748(193
8))、二酸化イオウ(J.Am.Chem.Soc.,75,3371(1953)
)等があるが、チオ尿素や重亜硫酸ソーダでは、水に
溶かして使用するため、低温を必要とする場合には凍結
して使用不能となり、二酸化イオウでは、亜硫酸ガスが
発生することによる環境上の問題等があり不利である。
【0011】以上のように、経済性、安全性、収率、後
処理の容易さ、作業環境の問題等の全てを満足し、しか
もあらゆる反応条件下で用いることのできる、オゾニド
還元剤は未だ見い出されていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
のオゾン分解反応におけるオゾニド還元剤が有する問題
点に鑑みてなされたものである。
【0013】即ち、本発明の一つの目的は、幅広い反応
温度において、いかなる反応溶媒中でも副反応を起こす
ことなくオゾニドの還元的分解処理を行なうことができ
るオゾニド還元剤を提供することにある。
【0014】本発明の他の一つの目的は、処理後も反応
系より簡単に取り除けて、高収率でオゾン分解反応目的
物を得ることができるオゾニド還元剤を提供することに
ある。
【0015】本発明の他の一つの目的は、環境面や安全
性面での余計な設備を必要としないオゾニド還元剤を提
供することにある。
【0016】本発明者らは、オゾン分解反応におけるオ
ゾニド還元剤について、前述の公知のオゾニド還元剤の
有する問題点を解決するに当り有機系還元剤の中で最も
還元力のあるスルフィド類に注目した。即ち、ジメチル
スルフィドに代表されるスルフィド類は、2配位のイオ
ウを有し、酸化体のスルホキシドの電子共有型共鳴安定
効果のために、オゾニドのような活性酸素によって容易
に酸化され易い(換言すればオゾニドの還元的分解反応
を起こし易い)ことが予想される(大饗茂著有機硫黄化
学−反応機構編−、発行年;1982年9月1日、発行
元;(株)化学同人)。しかしながらスルフィド類はこ
のように高い還元能力が期待できるものの、前述の悪臭
問題及び低引火点化合物としての問題がある。これを回
避するため、本発明者が種々の研究を重ねる内、これら
スルフィド類に極性官能基を導入することにより、スル
フィド類の有する高い還元能力を維持したまま、蒸気圧
低下及び沸点上昇の効果による悪臭低減と安全性の向上
が図られ、所望のオゾニド還元剤が得られるという新し
い知見を得、ここに本発明を完成するに至った。
【0017】ところで、極性官能基が導入されたスルフ
ィド類、即ち2配位のイオウの両端に水酸基、ニトリル
基、カルボキシル基等の極性官能基を置換基として有す
る炭化水素残基が導入された化合物のうちビス(ヒドロ
キシ)アルキルスルフィド誘導体は、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエステル等のプラスチックスに対する酸化
防止剤(特開昭54−43536号公報)、潤滑油の酸
化防止剤(特開平3−502093号公報)、インク及
び塗料の酸化防止剤(特開昭55−16916号公
報)、繊維の柔軟剤(特公昭60−9968号公報)、
触媒の予備処理剤(特開平5−154394号公報)等
に広く使用されており、工業的に大量生産されている安
価な化合物である。しかしながら、これらビス(ヒドロ
キシアルキル)スルフィド誘導体及びこれらの混合物
が、オゾン分解反応におけるオゾニド還元剤として使用
された例は、未だ報告されていない。
【0018】本発明のオゾニド還元剤は、極性官能基が
置換基した炭化水素残基をイオウの両端に有する化合物
である。
【0019】本発明のオゾニド還元剤の、イオウの両端
の上記炭化水素残基は同一であっても異なっていてもよ
い。極性官能基としては、水酸基、ニトリル基、カルボ
キシル基等が挙げられる。
【0020】本発明のオゾニド還元剤としては、一般式 X−R1 −R2 −S−R3 −R4 −Y (1) 〔式中、R1 及びR4 は、同一又は異なって、単結合又
は脂肪族炭化水素残基を示す。R2 及びR3 は、同一又
は異なって、飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残
基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基を示
す。X及びYは、同一又は異なって、水酸基、ニトリル
基又はカルボキシル基を示す。〕で表わされる化合物、
一般式 R5 −S−R6 (2) 〔式中、R5 及びR6 は、同一又は異なって、置換基と
して水酸基、ヒドロキシメチル基、ニトリル基、シアノ
メチル基、カルボキシル基及びカルボキシメチル基なる
群より選ばれた基を少なくとも1個有する複素環基を示
す。〕で表わされる化合物等を例示できる。
【0021】一般式(1)において、R2 及びR3 で示
される飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素残基として
は、例えば直鎖又は分枝鎖状のC1-6 のアルキレン基、
直鎖又は分枝鎖状のC2-8 のアルケニレン基、直鎖又は
分枝鎖状のC2-6 のアルキニレン基等が挙げられる。直
鎖又は分枝鎖状のC1-6 のアルキレン基としては、メチ
レン基、エチレン基、トリメチレン基、2−メチルトリ
メチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−メ
チルトリメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレ
ン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメ
チレン基等を例示できる。直鎖又は分枝鎖状のC2-8
アルケニレン基としては、ビニリデン基、プロペニレン
基、ペンチレン基、4−プロピル−2−ペンチレン基等
を例示できる。直鎖又は分枝鎖状のC2-6 のアルキニレ
ン基としては、エチニレン基、プロピニレン基等を例示
できる。
【0022】R2 及びR3 で示される脂環族炭化水素残
基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基
等のC3-8 のシクロアルキレンを例示できる。
【0023】R2 及びR3 で示される芳香族炭化水素残
基としては、フェニレン基を例示でき、フェニレン基上
にはメチル基等のC1-6 アルキル基やアミノ基等が置換
していてもよい。
【0024】R1 及びR4 で示される脂肪族炭化水素残
基としては、例えば直鎖又は分枝鎖状のC1-6 のアルキ
レン基が挙げられる。直鎖又は分枝鎖状のC1-6 のアル
キレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチ
レン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−ジメチル
トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、メチルメ
チレン基、エチルメチレン基、テトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基等を例示できる。
【0025】上記一般式(1)で表わされるオゾニド還
元剤としては、R1 及びR4 が同一又は異なって単結合
又は直鎖又は分枝鎖状のC1-6 のアルキレン基を示し、
2及びR3 が同一又は異なって直鎖又は分枝鎖状のC
1-6 のアルキレン基、直鎖又は分枝鎖状のC2-8 のアル
ケニレン基、直鎖又は分枝鎖状のC2-6 のアルキニレン
基、C3-8 のシクロアルキレン基又はフェニル環上にC
1-6 アルキル基及び/又はアミノ基が置換していてもよ
いフェニレン基を示し、X及びYが同一又は異なって水
酸基、ニトリル基又はカルボキシル基を示すオゾニド還
元剤を好ましく例示できる。R1 及びR4 が共に単結合
を示し、R2 及びR3 が共に直鎖状のC1-6 のアルキレ
ン基を示し、X及びYが水酸基又はニトリル基を示す一
般式(1)のオゾニド還元剤が特に好ましい。
【0026】上記一般式(1)で表わされるオゾニド還
元剤の具体例としては、例えば、ビス(ヒドロキシアル
キル)スルフィド誘導体〔より具体的にはチオジメタノ
ール、チオジエタノール、チオジプロパノール、チオジ
イソプロパノール、チオジ第3級ブタノール、チオジペ
ンタノール、チオジヘキサノール、チオジエチレングリ
コール、チオジシクロペンタノール、チオジシクロヘキ
サノール等〕、ビス(ヒドロキシアルケニル)スルフィ
ド誘導体〔より具体的にはチオジビニルアルコール、チ
オジプロペニルアルコール、チオジブテニルアルコー
ル、チオジペンテニルアルコール等〕、ビス(ヒドロキ
シアルキニル)スルフィド誘導体〔より具体的にはチオ
ジプロパルギルアルコール等〕、ビス(ヒドロキシアリ
ール)スルフィド誘導体〔より具体的にはチオジフェノ
ール、チオジクレゾール、ビス(2−ヒドロキシメチル
フェニル)ジスルフィド、ビス(3−ヒドロキシエチル
フェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヒドロキシアリル
フェニル)ジスルフィド、チオジヒドロキシアニリン
等〕、ビス(シアノアルキル)スルフィド誘導体〔より
具体的にはチオジプロピオニトリル、チオジブチロニト
リル等〕、ビス(シアノアルケニル)スルフィド誘導体
〔より具体的にはチオジアクリロニトリル等〕、ビス
(カルボキシアルキル)スルフィド誘導体〔より具体的
にはチオジプロピオン酸、チオジイソ酪酸等〕、ビス
(カルボキシアルケニル)スルフィド誘導体〔より具体
的にはチオジオレイン酸、チオジフマル酸等〕、ヒドロ
キシアルキルヒドロキシアルケニル スルフィド誘導体
〔より具体的にはヒドロキシエチルヒドロキシブテニル
スルフィド等〕、ヒドロキシアルキル ヒドロキシア
ルキニル スルフィド誘導体〔より具体的にはヒドロキ
シプロピル ヒドロキシプロパルギル スルフィド
等〕、ヒドロキシアルケニル ヒドロキシアルキニル
スルフィド誘導体〔より具体的にはヒドロキシプロペニ
ル ヒドロキシプロパルギル スルフィド等〕、ヒドロ
キシアルキル カルボキシアルキル スルフィド誘導体
〔より具体的にはヒドロキシエチル カルボキシプロピ
ル スルフィド等〕、ヒドロキシアルキル シアノアル
キル スルフィド誘導体〔より具体的にはヒドロキシエ
チル シアノプロピル スルフィド等〕、ヒドロキシア
ルキル 4−ヒドロキシ−アルキルフェニル スルフィ
ド誘導体〔より具体的にはヒドロキシエチル 4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル スルフィド等〕、シアノ
アルキル 4−ヒドロキシフェニル スルフィド誘導体
〔より具体的にはシアノエチル4−ヒドロキシフェニル
スルフィド等〕、シアノアルキル シアノアルケニル
スルフィド誘導体〔より具体的にはシアノプロピル
シアノブテニル スルフィド等〕、シアノアルキル カ
ルボキシアルキル スルフィド誘導体〔より具体的には
シアノエチル カルボキシプロピル スルフィド等〕、
シアノアルキルカルボキシアルケニル スルフィド誘導
体〔より具体的にはシアノエチル カルボキシプロペニ
ル スルフィド等〕、シアノアルケニル カルボキシア
ルキルスルフィド誘導体〔より具体的にはシアノブテニ
ル カルボキシプロピル スルフィド等〕、シアノアル
ケニル カルボキシアルケニル スルフィド誘導体〔よ
り具体的にはシアノブテニル カルボキシプロペニル
スルフィド等〕、シアノアルケニル カルボキシアルキ
ニル スルフィド誘導体〔より具体的にはシアノブテニ
ル カルボキシプロパルギル スルフィド等〕等が挙げ
られる。これらは、1種単独で又は2種以上混合して使
用される。
【0027】上記一般式(2)において、R5 及びR6
で示される、置換基として水酸基、ヒドロキシメチル
基、ニトリル基、シアノメチル基、カルボキシル基及び
カルボキシメチル基なる群より選ばれた基を少なくとも
1個有する複素環基を構成する複素環基としては、チエ
ニル基、フリル基、ピリジル基、ピラニル基、ピロリル
基、クロメニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チ
アゾリル基、オキサゾリル基、ピラジニル基、ピリミジ
ル基、ピリダジル基、キノリル基等を例示できる。
【0028】上記一般式(2)で表わされるオゾニド還
元剤としては、R5 及びR6 が共に置換基として水酸基
もしくはヒドロキシメチル基を有するチエニル基、置換
基として水酸基もしくはヒドロキシメチル基を有するフ
リル基又は置換基として水酸基もしくはヒドロキシメチ
ル基を有するピリジル基を示すオゾニド還元剤を好まし
く例示できる。
【0029】上記一般式(2)で表わされるオゾニド還
元剤の具体例としては、例えば、ビス(ヒドロキシヘテ
ロサイクリック)スルフィド誘導体〔より具体的にはチ
オジヒドロキシチオフェン、チオジヒドロキシメチルチ
オフェン、チオジヒドロキシフラン、チオジヒドロキシ
メチルフラン、チオジヒドロキシピリジン、チオジヒド
ロキシメチルピリジン等〕等が挙げられる。これらは、
1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0030】更に上記一般式(1)の化合物と一般式
(2)の化合物とを併用することもできる。
【0031】本発明の適用できるオゾン化分解反応に供
する出発物質としては、新実験化学講座15巻〔I−
2〕10章(発行年;昭和50年9月20日、発行元;
丸善株式会社)に記載されているような、アルケン類、
アルキン類、芳香族化合物類、複素環芳香族化合物類を
含む、分子内に炭素−炭素又は炭素−窒素不飽和結合を
有するすべての有機化合物が挙げられるが、具体例とし
ては、置換エチレン類、ステロイド類、エノールエーテ
ル類、アジン類、ジアゾアルカン類、シッフ塩基類等が
あり、更に詳しくは、インデン、スチレン、シクロヘキ
セン、シクロヘキシリデン、カンフェン、ロンギオレフ
ィン、ノルボルネン、ナフトキノン、ビニルシクロヘキ
セン、α−ビネン、ベンゼン、ナフタレン、フェナント
レン、アントラセン、フェノール、キノリン、ピロー
ル、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、
ジフェニルエチルカルビノール、ニトロン、アセタール
等が挙げられる。更に、本発明のオゾニド還元剤は、ほ
ぼ中性付近で取り扱えることにより、側鎖に不飽和結合
を有するβ−ラクタム化合物にも適用でき、具体的に
は、特開平2−306973号公報に記載されているよ
うな、2環性のオキサゾリノアゼチジノン誘導体、チア
ゾリノアゼチジノン誘導体、更には単環性アゼンチジノ
ン誘導体、エキソメチレンセフェム誘導体、エキソメチ
レンペナム誘導体等に利用できる。
【0032】オゾン化反応の際の反応条件としては、例
えば新実験化学講座15巻〔I−2〕10章(発行年;
昭和50年9月20日、発行元;丸善株式会社)に記載
されている条件を広く適用することができる。具体的に
は、オゾン化反応は適当な溶媒中で行なわれる。使用で
きる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブ
タノール等のアルコール類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、
蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル等の低級カルボン酸の低級アルキルエス
テル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、
エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジプ
ロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエ
ーテル、メチルセロソルブ、ジメトキシエタン等のエー
テル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジ
オキソラン等の環状エーテル類、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、
バレロニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロベンゼン、アニソール等の置換もしく
は未置換の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジブロモ
エタン、プロピレンジクロライド、四塩化炭素、フロン
類等のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン
等のシクロアルカン類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等
を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以
上混合して使用される。またこれらの有機溶媒には、必
要に応じて水が含有されていてもよい。
【0033】これらの溶媒は、上記の出発物質1kg当
り、通常1リットル〜200リットル程度、好ましくは
2リットル〜100リットル程度使用されるのがよい。
上記反応の反応温度は、通常−78℃〜40℃程度、好
ましくは−60℃〜10℃程度である。上記反応におけ
るオゾンの使用量としては、通常上記の出発物質に対し
て1当量でよいが、必要ならば更に上記出発物質がなく
なるまでオゾンを通ずるのがよい。オゾン使用量が1当
量を越える場合には、反応混合物中に乾燥窒素を通じて
過剰のオゾンを追い出した後、後処理を行なうのがよ
い。
【0034】本発明のオゾン化生成物(オゾニド)の還
元処理は、上記に示したオゾン化反応溶液に直接本発明
のオゾニド還元剤を加えることによって行なわれる。そ
の使用量は、少なくとも前述のオゾン分解反応に供する
出発物質に対して1当量以上、好ましくは1〜3当量程
度とするのがよい。
【0035】本発明のオゾニドの還元工程は通常−76
℃〜100℃の温度範囲、好ましくは−40℃〜30℃
の温度範囲で行なうのがよい。処理温度が高い場合には
爆発の危険性が増加し収率も低下する傾向が認められ、
逆に処理温度が低い場合には還元反応速度が低下し、よ
り多くの還元剤が必要になる傾向がある。処理時間は通
常3分〜12時間、好ましくは30分〜6時間程度が適
当である。
【0036】還元工程終了後の後処理は、本発明のオゾ
ニド還元剤の酸化体であるスルホキシドが水溶性で且つ
結晶性の高い化合物であるため水洗又は濾過によって反
応系より容易に取り除くことができ、反応液の濃縮操作
及び晶析操作を行なうことによって、目的物をほぼ純品
として得ることができるが、当然その他の方法によって
も精製することができる。またここで生成するオゾニド
還元剤のスルホキシドは、焼却処分が可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明のオゾニド還元剤は、あらゆる溶
媒(水系、非水系、極性、非極性)に溶けて、幅広い温
度(−76℃〜40℃)で均一状態を保つため、反応条
件による使用制限を受けることが少ない化合物であり、
リン化合物ほど排水規制が厳しくなく、イオウ系化合物
特有の臭気も少ないため、環境対策上の特別な設備を必
要としない。
【0038】また、2配位のイオウ化合物に見られる酸
化され易い性質のため温和な条件で目的物の収率が向上
し、危険物としての取り扱いも容易であり、爆発の危険
性も少ない。
【0039】更に処理後、オゾニド還元剤自身はスルホ
キシドとなり、このものは有機溶媒中より容易に水洗除
去でき、後工程に悪影響を及ぼさない。しかも、除去し
たスルホキシドは焼却処分可能である等、前述した従来
のオゾン分解反応におけるオゾニド還元剤と比較して、
数多くの優れた特徴を有する化合物である。
【0040】
【実施例】次に本発明のオゾニド還元剤の使用例を実施
例として掲げて本発明をより具体的に説明するが、本発
明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0041】実施例1 p−メトキシベンジル 2−(4−ベンゼンスルホニル
チオ−3−フェニルアセトアミド−2−アゼチジノン−
1−イル)−3−ヒドロキシ−2−ブテノエートの製
造 p−メトキシベンジル 2−(4−ベンゼンスルホニル
チオ−3−フェニルアセトアミド−2−アゼチジノン−
1−イル)−3−メチル−3−ブテノエート193g
(純度97.3%、315.5ミリモル)に塩化メチレ
ン1000ml、イソプロピルアルコール75mlを加
えて攪拌溶解する。反応液を−15℃まで冷却し、オゾ
ンガス(3gO3 /hr)を−20℃〜15℃で5時間
30分にわたって導入した。過剰のオゾンガスを窒素ガ
スにて除去し、−10℃でチオジエタノール40mlを
加え、そのまま室温まで昇温させながら12時間攪拌し
た。反応液を濾過して析出したチオジエタノールスルホ
キシドを除去し、次いで有機層を減圧濃縮した。残渣に
10%含水イソプロピルアルコール1200mlを加え
24℃以下まで冷却して晶析させる。更に、水440m
lを加えて結晶を絞り出し、10℃で1時間攪拌熟成を
行なう。この結晶を濾取し、含水イソプロピルアルコー
ル、次に冷イソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させ
て、標記化合物結晶 186.3g(純度98%)を
収率97%で得た。このものの1 H−NMRスペクトル
は標品のそれと一致した。
【0042】
【化1】
【0043】実施例2 ジフェニルメチル 2−(4−ベンゼンスルホニルチオ
−3−フェニルアセトアミド−2−アゼチジノン−1−
イル)−3−ヒドロキシ−2−ブテノエートの製造 ジフェニルメチル 2−(4−ベンゼンスルホニルチオ
−3−フェニルアセトアミド−2−アゼチジノン−1−
イル)−3−メチル−3−ブテノエート 211g
(純度98.2%、323.2ミリモル)に塩化メチレ
ン1000ml及びイソプロピルアルコール75mlを
加えて攪拌溶解する。反応液を−15℃まで冷却し、オ
ゾンガス(3gO3 /hr)を−20℃〜−15℃で5
時間30分にわたって導入した。過剰のオゾンガスを窒
素ガスにて除去し、−10℃でチオジエタノール40m
lを加え、そのまま室温まで昇温させながら12時間攪
拌した。チオジエタノールスルホキシドを反応液中より
400mlの水で水洗することにより除去し、次いで有
機層を減圧濃縮した。残渣に10%含水イソプロピルア
ルコール1200mlを加え24℃以下まで冷却して晶
析させる。更に、水440mlを加えて結晶を絞り出
し、10℃で1時間攪拌熟成を行なう。この結晶を濾取
し、含水イソプロピルアルコール、次に冷イソプロピル
アルコールで洗浄し、乾燥させて、標記化合物結晶
201.4g(純度98%)を収率95%で得た。この
ものの1 H−NMRスペクトルは標品のそれと一致し
た。
【0044】
【化2】
【0045】実施例3〜12 表1に示すオゾニド還元剤及び溶媒を用いて、同表に示
す反応温度で反応を行なった以外は、実施例1と同様の
反応条件下、反応を行ない目的のアルコール体を得
た。これらの反応結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】実施例13〜18 表2に示す溶媒を用いて、同表に示す反応温度で反応を
行なった以外は、実施例2と同様の反応条件下、反応を
行ない目的のアルコール体を得た。これらの反応結果
を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例19 ジフェニルメチル 1−(3−ベンジル−2−チア−
4,7−ジアザビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−3−エ
ン−6−オン−7−イル)−3−ヒドロキシ−2−ブテ
ノエートの製造 ジフェニルメチル 1−(3−ベンジル−2−チア−
4,7−ジアザビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−3−エ
ン−6−オン−7−イル)−3−メチル−3−ブテノエ
ート 50gに塩化メチレン250mlとイソプロピ
ルアルコール25mlを加え攪拌溶解する。反応液を−
15℃まで冷却し、オゾンガスを1時間40分にわたっ
て導入した。過剰のオゾンガスを窒素ガスにて除去し、
−10℃で、チオジエタノール11ml及びチオジプロ
ピオニトリル12mlを加えそのまま室温まで戻してか
ら3時間攪拌した。反応液を濾過して析出したチオジエ
タノールスルホキシドを除去し、5%重曹水200ml
と水100ml2回で洗浄した後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、減圧濃縮して標記化合物 40gを得
た。このものの1 H−NMRスペクトルは標品のそれと
一致した。
【0050】
【化3】
【0051】実施例20 p−ニトロベンジル 1−(4−ホルミル−3−(4−
ニトロフタルイミド)−2−アゼチジノン−1−イル)
−3−ヒドロキシ−2−ブテノエートの製造 p−ニトロベンジル 1−(4−ホルミル−3−(4−
ニトロフタルイミド)−2−アゼチジノン−1−イル)
−3−メチル−3−ブテノエート 20.1gに塩化
メチレン100ml及びイソプロピルアルコール7.5
mlを加え懸濁させた。反応液を−15℃まで冷却しオ
ゾンガスを30分間導入した。過剰のオゾンを窒素ガス
にて追い出した後、チオジエタノール6.2mlを投入
して室温まで戻しながら1時間30分攪拌した。反応液
を5%重曹水200mlで1回、水200mlで2回洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、イソプロピ
ルエーテル500mlより粉末化して標記化合物15g
得た。このものの 1H−NMRスペクトルは標品のそれ
と一致した。
【0052】
【化4】
【0053】実施例21 1−(4−メトキシフェニル)アゼチジン−2,3−ジ
オン10の製造 1−(4−メトキシフェニル)3−メチレンアゼチジン
−2−オン 20gに塩化メチレン100ml及びイ
ソプロピルアルコール7.5mlを加えて攪拌溶解す
る。反応液を−15℃まで冷却し、オゾンガスを30分
にわたって導入した。しかる後、過剰のオゾンガスを窒
素ガスにて除去し、−10℃でチオジエタノール3ml
及びチオジクレゾール6gを加えそのまま室温まで戻し
てから1時間攪拌した。反応液を濾過して析出したチオ
ジエタノールスルホキシドを除去し、5%重曹水100
mlと水50ml2回で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧濃縮して標記化合物10 14gを
得た。このものの 1H−NMRスペクトルは標品のそれ
と一致した。
【0054】
【化5】
【0055】実施例22〜39 以下の構造式で示す還元剤及び出発物質を用いて行なっ
たオゾン分解反応の反応条件と結果を表3〜表8に示
す。
【0056】
【化6】
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾニドを還元的分解処理するに当って
    用いられるオゾニド還元剤が、極性官能基が置換基した
    炭化水素残基をイオウの両端に有する化合物であること
    を特徴とするオゾニド還元剤。
  2. 【請求項2】 極性官能基が水酸基、ニトリル基又はカ
    ルボキシル基である請求項1に記載のオゾニド還元剤。
  3. 【請求項3】 オゾニドを還元的分解処理するに当り、
    反応系内に請求項1に記載のオゾニド還元剤を添加する
    ことを特徴とするオゾニドの還元処理方法。
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