JPH07233099A - モノアルキル芳香族炭化水素の連続製造方法 - Google Patents

モノアルキル芳香族炭化水素の連続製造方法

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JPH07233099A
JPH07233099A JP2280794A JP2280794A JPH07233099A JP H07233099 A JPH07233099 A JP H07233099A JP 2280794 A JP2280794 A JP 2280794A JP 2280794 A JP2280794 A JP 2280794A JP H07233099 A JPH07233099 A JP H07233099A
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reaction
aromatic hydrocarbon
reactor
reaction section
section
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JP2280794A
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Hiroaki Tsukajima
浩明 塚島
Kunihiko Yamashita
邦彦 山下
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Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C07—ORGANIC CHEMISTRY
    • C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C15/00—Cyclic hydrocarbons containing only six-membered aromatic rings as cyclic parts
    • C07C15/02—Monocyclic hydrocarbons
    • C07C15/067—C8H10 hydrocarbons
    • C07C15/073—Ethylbenzene

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フリーデル・クラフツ触媒の存在下、芳香族
炭化水素およびオレフィンを原料としたモノアルキル芳
香族炭化水素の製造に際し、フラックスなどの高沸物の
生成量が少なく、高い収率と高い生産性を同時に達成す
るモノアルキル芳香族炭化水素の連続的な製造方法。 【構成】 前段反応部と後段反応部とからなる反応器を
設定し、原料等を混相並流せしめて、前者でのアルキル
化反応のオレフィン転化率を制御し、後者での主たるト
ランスアルキル化反応後の生成物を分離して後者の前部
に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続的なモノアルキル芳
香族炭化水素の製造方法に関するもので、特にオレフィ
ンと芳香族炭化水素化合物との反応によって、モノアル
キル芳香族炭化水素を製造する新規にして改良された方
法に関する。モノアルキル芳香族炭化水素、例えばエチ
ルベンゼンは、需要量の多いポリスチレンならびに多く
の共重合体のための原料であるスチレン単量体を製造す
るために大量に使用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族炭化水素とオレフィンとの
反応によってモノアルキル芳香族炭化水素を製造する方
法の例として、アルキル化触媒として塩化アルミニウム
を用い、ベンゼンとエチレンのアルキル化反応によって
エチルベンゼンを製造する場合を説明する。
【0003】最も一般的なエチルベンゼンの製造方法
は、図6に示すような1つの反応器21でアルキル化反
応およびトランスアルキル化反応を同時に行う方法であ
る。原料のベンゼン12Aを、後段の分離回収設備23
からのベンゼン14Aと共に、更に、ガス状のエチレン
11を反応器前部15に連続的に導入する。その際に、
塩化アルミニウムおよび塩酸(または塩化エチル)の触
媒(助触媒)20も同時に連続的に反応器21の下部1
5に導入する。反応は液相のベンゼン過剰の状態で行わ
れ、エチレンは実質的に反応器21内でアルキル化反応
を完結する。
【0004】反応器へ供給されるエチル基とベンゼン環
のモル比率は重要な運転条件であり、アルキル化反応と
併行するトランスアルキル化反応での平衡組成に影響す
る。トランスアルキル化反応の平衡定数は以下の様に示
され、
【0005】
【化1】
【0006】この平衡定数からエチル基とベンゼン環の
モル比率に対する平衡組成を示したものが図5である。
図5に示すようにモル比率を上げて行くと、ポリエチル
ベンゼンの生成量が増えるため分離回収設備23でのポ
リエチルベンゼンの分離エネルギーが増加する。その反
面、未反応ベンゼン量が低減するためベンゼンの分離エ
ネルギーが低減する。両者のバランス及び分離回収設備
23の状況から最適なモル比率が決められる。
【0007】主反応のアルキル化反応は約27(kca
l/mol−EB)の発熱反応である。この反応熱は反
応液中のベンゼンの蒸発に主に使用され、蒸発したベン
ゼンは反応器後部18に連結した凝縮器22によって凝
縮され液相のベンゼン13になり、反応器前部15に再
導入される。同時にこの凝縮熱は分離回収設備の蒸留分
離エネルギーや蒸気発生など有効に回収され使用され
る。
【0008】触媒の塩化アルミニウム錯体は非常に強い
腐食性があるため、反応器21はハステロイなどの耐腐
食性材料や、耐酸れんがなどの内張りをしたものが使わ
れる。反応器後部18におけるガス以外の流出物17は
分離回収設備23で触媒分離後、溶解した塩化アルミニ
ウムや塩酸を除去するため中和、水洗される。さらにベ
ンゼン、エチルベンゼン、ポリエチルベンゼンの順番に
分離され、最後にポリエチルベンゼンとフラックスなど
の重質物が分離される。ここで、ポリエチルベンゼンと
はエチル基が2つ以上の高級アルキル化ベンゼンでジエ
チルベンゼン、トリエチルベンゼン、テトラエチルベン
ゼンなどのことである。分離された未反応のベンゼンと
同様にポリエチルベンゼン16Aも反応器前部15へ導
入され、トランスアルキル化反応によりエチルベンゼン
に転化される。その他の重質物は焼却処理する。このよ
うにしてエチルベンゼン19Aを連続的に製造してい
た。
【0009】この従来方法では、アルキル化およびトラ
ンスアルキル化反応を1つの反応器21で行えるが、フ
ラックスなどの重質物の生成量が多く、エチルベンゼン
の収率または選択率が低い。また、反応生成液組成は、
反応平衡組成に近いほど、分離回収設備およびエネルギ
ーが小さくて済む。しかし反応器21は、反応平衡組成
に近づけるために、比較的大きな反応容積が必要とな
り、生産性は低い。
【0010】そこで、生産性の改良を試みた特公昭61
−36729号公報では、反応器が一体的になり、その
頂部から間隔をあけてある中央軸周囲のアルキル化帯域
およびこの周囲をとりまくトランスアルキル化帯域から
なるアルキル化−トランスアルキル化一体型に構成され
ている。しかし、この方法でも、アルキル化帯域の出口
端で、本質的に全てのエチレンの反応を終了させなけれ
ばならないため、これに必要なアルキル化反応帯域の容
積は大きくなり、生産性が低い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、収率および生
産性の向上対策を検討するとして、まず気液混相流の反
応について考える。アルキル化反応では、主に触媒、原
料ベンゼンおよびエチルベンゼンやポリエチルベンゼン
などのアルキル化反応生成物からなる液相と、主にエチ
レンガスからなる気相が存在しており、通常、液相が連
続相で気相が気泡の状態すなわち分散相として存在して
いる。アルキル化反応は気泡中のエチレンガスを液相に
吸収し液相で行われる。液相でのアルキル化反応は少量
の触媒でも非常に速い反応で、発熱反応であり、反応の
進行とともに反応熱によりヘンゼンが蒸発し気泡中に混
合する。エチレンを供給した瞬間には、気泡中のエチレ
ン濃度は高くエチレンガスの吸収が速やかに行われる
が、気泡の流れとともに反応が進むと、気泡中のエチレ
ンガスは液相に吸収され、ベンゼンは液相から蒸発して
気泡中に混合してくる。気泡中のエチレン濃度は低下
し、吸収のためのドライピングフォースが小さくなり、
気泡中のエチレンガスが完全に液相に吸収し終わるま
で、かなりの滞留時間を要する。
【0012】すなわち、気相中のエチレンを液相に吸収
する速度が問題となり、滞留時間を小さくすると、エチ
レンガスの吸収が不十分となり、未反応ガスとしてエチ
レンはパージされて、供給した原料エチレン当りのエチ
ルベンゼンの収率が低下する。そこで、未反応エチレン
をリサイクルコンプレッサーなどの回収装置を用いて反
応器に戻すことも考えられるが、その回収装置には帯腐
食性材料でできた設備となることや、エチレンリサイク
ルコンプレッサーなどの駆動用エネルギーも必要になっ
てくるため、これも好ましくない。エチレンガスの吸収
が律速するアルキル化反応帯域でアルキル化反応を完結
させるためには、アルキル化反応帯域で滞留時間が大き
くなる。
【0013】次に、液単相での反応においても、アルキ
ル化反応帯域でアルキル化反応を完結させるためには、
反応完結する直前は、液中のエチレン濃度は非常に低濃
度となり、やはりアルキル化反応帯域での滞留時間は大
きくなる。このように、アルキル化反応帯域での生産性
が低いという点については何も解決されていない。
【0014】本発明は、重質物の生成量が少なくモノア
ルキル芳香族炭化水素の収率または選択率が高く、かつ
アルキル化反応およびトランスアルキル化反応における
生産性の高いモノアルキル芳香族炭化水素の製造方法を
提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、フリーデル・
クラフツ触媒の存在下で、芳香族炭化水素にオレフィン
を反応させてモノアルキル芳香族炭化水素を製造するに
あたり、前段反応部と後段反応部とからなる反応器を設
定し、フリーデル・クラフツ触媒、芳香族炭化水素およ
びオレフィンを該前段反応部に導入し、混相で並流せし
めてアルキル化反応させ、該前段反応部の後部における
オレフィン転化率を30〜99%に制御し、該前段反応
部からの流出物と、該後段反応部の後部からの流出物を
分離して得られるポリアルキル芳香族炭化水素とを該後
段反応部の前部に導入し、該後段反応部で、主にトラン
スアルキル化反応させ、且つアルキル化反応に依り該後
段反応部の後部におけるオレフィン転化率を100%に
することを特徴とするモノアルキル芳香族炭化水素の連
続製造方法である。
【0016】本発明における原料である、芳香族炭化水
素としてはベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール
などの芳香族炭化水素が用いられる。オレフィンとして
はエチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数が2〜
4のオレフィンがある。これらオレフィンの選択は製造
するモノアルキル芳香族炭化水素上に所望のアルキル基
を与えるように行われる。たとえば、モノアルキル芳香
族炭化水素としてはエチルベンゼンやクメンなどがあ
り、エチルベンゼンを製造する際にはベンゼンとエチレ
ンを原料とし、クメンの製造の際にはベンゼンとプロピ
レンを原料とする。また、原料のオレフィンは純度の高
い物が好ましいが、本発明では、必須の条件ではなく、
原料のオレフィン中に不活性ガスや標準状態でガス状の
パラフィンなどを含んだものでも、オレフィンを5容積
%以上含むものであれば使用できる。
【0017】また、モノアルキル芳香族炭化水素を製造
する際、反応器に導入する芳香族炭化水素に対するオレ
フィンのモル比率(以下“E/B比”と略する。)は、
0.3〜1.0が好ましい。反応器の入口のE/Bは、
反応が平衡反応であり図5に示すように反応器出口での
反応平衡組成を決定するもので、反応や分離回収などの
設備全体および分離回収エネルギーに大きく影響してく
る。E/B比が小さい場合には、回収して導入するポリ
アルキル芳香族炭化水素量は少ないが、回収して導入す
る芳香族炭化水素量は大きい。E/B比が大きい場合は
この逆であり、それぞれの分離回収エネルギーの状況か
ら最適な値が存在する。
【0018】ポリアルキル芳香族炭化水素とは、アルキ
ル基が2つ以上の高級アルキル芳香族炭化水素のことで
あり、例えばエチルベンゼンの製造ではジエチルベンゼ
ン、トリエチルベンゼン、テトラエチルベンゼンなどが
ある。アルキル化反応とは、芳香族炭化水素にアルキル
側鎖を導入する反応のことである。たとえば、ベンゼン
とエチレンを原料としてエチルベンゼンを合成する反応
や、ベンゼンとプロピレンを原料としてクメンを合成す
る反応がある。
【0019】トランスアルキル化反応とは、主にポリア
ルキル芳香族炭化水素から芳香族炭化水素にアルキル基
を移動させモノアルキル芳香族炭化水素を合成する反応
のことである。たとえば、ポリエチルベンゼンとベンゼ
ンからエチルベンゼンを合成する反応がある。本発明に
おけるフリーデル・クラフツ触媒とは、アルキル化反応
及びトランスアルキル化反応を促進する触媒である。例
えばAlCl3 、SbCl5 、FeCl3 、TeC
l2 、SnCl4 、TiCl4 、TeCl4 、BiCl
3 、ZnCl2 等のルイス酸触媒やシリカ、アルミナ、
ゼオライトなどの固体酸触媒がある。ゼオライト触媒と
しては、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、ZSM−
5、ZSM−11、β型ゼオライト、Ω型ゼオライトな
どがある。
【0020】反応器としては、容器状、チューブラー状
のどちらでも良い。容器状のものの場合には、単一のも
の又は複数を多段にしたもののどちらでも可能である。
前段反応部と後段反応部の設定はアルキル化触媒、芳香
族炭化水素およびオレフィンの供給、更に後段反応部か
ら流出するポリアルキル芳香族炭化水素の導入に依て行
われる。そして前段反応部でアルキル化反応が行われ、
後段反応部で主にトランスアルキル化反応が行われると
ともにアルキル化反応も進行する。
【0021】反応器内は、主に芳香族炭化水素からなる
液相、液相または液相に懸濁した固相で存在する触媒、
および気相または液相に溶解したオレフィンからなり、
気液相、固液相または気液固相は並流で反応を行う。そ
れは特に気相の存在する系では、気相と液相または固液
相を向流とした場合には、芳香族炭化水素の少ない反応
液とオレフィンが接触することとなり、重質成分が生成
しやすくなりオレフィン収率を低下させる原因となるた
め本発明の適用が不可能であるからである。
【0022】反応器を1つ容器にして、上向き並流の場
合には、反応器の下部すなわち原料供給側に前段反応部
41を設け、その上部すなわち反応生成物の取り出し側
に後段反応部42を設ける。反応容器内は、両者の境界
に細孔仕切具たとえば1枚以上の多孔板を設けたもの、
充填物を充填したもの、又はこれらのいくつかを組み合
わせたものを使用することができる。これにより簡単な
構造の反応器1つで、前段反応部41および後段反応部
42を容易に分割することができる。
【0023】図1に示すように、反応器に多孔板を設け
た場合、反応器はポリアルキル芳香族炭化水素16の導
入の直下の1枚の多孔板34を隔てて下部に前段反応部
41、その上部に後段反応部42を形成する。各反応部
内には何も設置しなくても良いが、更に多孔板34を設
置した方が好ましい。気液相系での反応で前段反応部4
1内に多孔板34を設置した場合には、単位容積当りの
反応量は向上する。これは、アルキル化反応が主にオレ
フィンを含む気相から主に芳香族炭化水素を含む液相へ
のオレフィンの吸収が律速であるからである。気相は一
般に液相中で気泡として存在している。それが多孔板3
4を通過する際に、より直径の微細な気泡に分散して気
液相の接触する界面積が大きくなるため、オレフィンの
吸収速度が向上し、単位容積当りのアルキル化反応量が
向上する。また、後段反応部42内に多孔板34を設置
した場合には、単位容積当りのトランスアルキル化反応
量は向上し、出口の反応生成物を反応平衡状態の組成に
近づけることができる。これは、多孔板に依て系内の液
相逆混合に流れが抑制されるためである。
【0024】前段反応部41には、原料の芳香族炭化水
素12、とオレフィン11及びフリーデル・クラフツ触
媒20を連続的に供給する。前段反応部41からの送出
物すなわち触媒、芳香族炭化水素、モノアルキル芳香族
炭化水素、ポリアルキル芳香族炭化水素、フラックスな
どの高沸物および未反応オレフィンをすべて後段反応部
42に導入させる。後段反応部42からの流出物すなわ
ち触媒、芳香族炭化水素、モノアルキル芳香族炭化水
素、ポリアルキル芳香族炭化水素およびフラックスなど
の高沸物を含む流出物17をオーバーフローして、分離
回収設備23へ供給し、製品であるモノアルキル芳香族
炭化水素19を取り出す。
【0025】分離回収方法としては、触媒は沈降または
フィルターなどにより分離され、未反応の芳香族炭化水
素や反応副生成物のポリアルキル芳香族炭化水素やフラ
ックスなどは蒸留分離される。このとき、分離回収され
た芳香族炭化水素14は前段反応部41の前部へ戻し、
ポリアルキル芳香族炭化水素16は後段反応部42の前
部へ導入する。後段反応部42は、前段反応部41の上
部にあり、前段反応部41からの未反応オレフィンおよ
びアルキル化反応の反応熱により蒸発した芳香族炭化水
素の蒸気などの気相と主に芳香族炭化水素からなる液相
がすべて後段反応部42に導入される。ここでは気液二
相流状態であるので、分離回収系からのポリアルキル芳
香族炭化水素は後段反応部42内で充分な分散、混合が
行われ、トランスアルキル化反応が促進される。
【0026】多孔板は、通常、孔径1〜100mmで、
開口率1〜30%に選定される。ここで孔径および開口
率は、どちらも小さい方が液相の逆混合流れを抑制し
て、反応を効果的に行うことができる。しかし、あまり
小さすぎると固形物などの詰まりの問題や、圧力損失の
増大により多孔板34の強度を高めなければならなくな
る。このように使用する反応条件、反応系により選択さ
れるものである。
【0027】充填物を充填する場合は、図2に示すよう
に反応器21は、ポリアルキル芳香族炭化水素16導入
の直下の充填物35を隔てて下部に前段反応部41、そ
の上部に後段反応部42を形成する。各反応部には何も
設置しなくても良いが更に充填物35を充填した方が好
ましい。原料及び回収されたポリアルキル芳香族炭化水
素16は図1の多孔板34を設置した場合と同様に導入
される。ここで使用される充填物は、ラシヒリングやポ
ールリングなどの不規則充填物や、蒸留塔などに使用さ
れる規則充填物のどちらでも使用できる。
【0028】複数の反応器を用いて行う場合には、図3
に示すように第一反応器を前段反応部41とし、その下
流の第二反応器を後段反応部42とする。両者は配管で
連結される。ここで、混相が並流であれば、上向きでも
下向きでも良い。原料供給は第一反応器の前部に、ポリ
アルキル芳香族炭化水素16の導入などは図1、図2の
場合と同様に行われる。
【0029】チューブラー式反応器を用いて行う場合
は、図4に示すように前半を前段反応部41に設定し、
前段反応部41の前部に原料を導入し、その後半を後段
反応部42に設定する。原料及び回収したポリアルキル
芳香族炭化水素の導入などは図1、2、3は前述と同様
に行われる。本発明に用いられる反応器はこれらのみに
限定されるものではなく、例えばこれらのいくつかまた
は全部を組合せたものを用いることも可能である。
【0030】オレフィン転化率は、導入したオレフィン
当りのアルキル化反応に寄与したオレフィンの比率であ
る。導入したオレフィンがxモル/時間、反応したオレ
フインがyモル/時間である場合、オレフィン転化率は
(y/x)×100%で示される。これらはガスクロマ
トグラフィなどに依る反応液の組成分析およびマスバラ
ンスから計算される。
【0031】オレフィン転化率の制御は次のように行わ
れる。反応器を設計する際に、反応温度、流量、触媒濃
度条件が決まれば、前段反応部での反応時間すなわち反
応容積を大きくすることによりオレフィン転化率を上げ
られる。また逆に、滞留時間を小さくすることによりオ
レフィン転化率を下げられる。また運転条件に依てオレ
フィン転化率を上げる場合には、触媒濃度を上げるか、
反応温度を上げることに依り達成される。また逆に、オ
レフィン転化率を下げる場合には、触媒濃度を下げる
か、反応温度を下げる。
【0032】この他、本発明の反応に関連する因子は次
のように設定される。アルキル化およびトランスアルキ
ル化反応の反応温度は100〜350℃が好ましい。反
応温度は低すぎると反応速度は低下し生産性が著しく低
下するとともに反応熱の熱回収温度が低下し、有効な利
用ができなくなる。逆に高すぎると触媒の劣化や収率の
低下などの問題がある。ここで、アルキル化反応とトラ
ンスアルキル化反応の反応温度は同一である必要はな
く、この温度範囲であればいずれの温度も取り得る。
【0033】反応圧力は0〜50kg/cm2 ゲージが
好ましい。反応圧力は液相または気液相が形成する圧力
が好ましい。本発明は気液相で反応することを基本とす
るが、オレフィンを完全に芳香族炭化水素に吸収した液
相や、芳香族炭化水素の液相中に未反応のオレフィンが
溶解している場合も問題ない。フリーデル・クラフツ触
媒として、ルイス酸触媒を使用した場合には、反応器
や、熱交換器などの設備は耐腐食性材料で作る必要があ
るため、主にオレフィンが気相で存在するような比較的
低圧で反応を行うことが好ましい。これに対し、固体酸
性触媒を使用した場合には、設備は耐腐食性材料で作る
必要がないため、ルイス酸触媒よりも高温、高圧で反応
を行える。このため反応率は気液固相、固液相のどちら
でも良く、反応熱の回収も高温で効率良く行うことがで
きる。
【0034】固体酸性触媒を使用した製法例として、微
粒化したゼオライト触媒を用いる場合は、前段反応部で
直接反応液中に微粒化ゼオライトを懸濁させて、反応に
供し、次いで後段反応部にアルキル化反応生成物と同伴
して導入し、その流出液は、通常の分離装置にて、例え
ば沈降分離槽や濾過装置を用いて分離し、反応器に再循
環される。ここで、固体酸性触媒の二次粒子径は5ミリ
メートル以下とし、好ましくは0.1ミクロン以上50
0ミクロン以下とする。この粒子径は小さい方が触媒単
位体積当りの表面積が大きくなるため反応速度は向上す
るが、あまり小さいと沈降分離装置を使用する場合には
粒子の沈降速度が小さくなるため分離設備が大きくな
る。ただし、特開平5−68869号公報にあるような
濾過設備を用いれば問題はない。
【0035】次に、本発明に到達した着眼点を説明す
る。塩化アルミニウムを触媒とし、エクレンとベンゼン
を原料とするエチルベンゼン合成反応を例として、その
反応機構について説明する。本反応は代表的なFrie
del−Clafts反応である。まず、アルキル化反
応は、塩化アルミニウムおよび助触媒の塩酸(または塩
化エチル)の存在下、液相ベンゼン中にエチレンガスが
吹き込まれる。この反応はHancockの反応機構に
よれば、まずエチレンと塩化アルミニウム、塩酸により
σ−BEAT(Sigma−bonded ethyl
e alminumtetrachloride)を作
る。
【0036】
【化2】
【0037】この、σ−BEATはベンゼンと反応して
π−BPCAT(π−bondedphenyleth
yl carbonium aluminum tet
rachloride)を形成する。
【0038】
【化3】
【0039】これを経てエチルベンゼンにいたる。
【0040】
【化4】
【0041】次に、トランスアルキル化反応はポリエチ
ルベンゼンとベンゼンによる脱アルキル化あるいは、ポ
リエチルベンゼンの不均化反応によりエチルベンゼンを
可逆的に生成する。
【0042】
【化5】
【0043】最後に、副反応生成物はブチルベンゼンや
フラックスなどである。ブチルベンゼンは、まずエチレ
ンが二量化してブテンを生成し、これとベンゼンが反応
してできる。このときエチレンからブテンを生成する際
に寄与するのがσ−BEATである。
【0044】
【化6】
【0045】さらに、ブチルベンゼンなどがエチレン、
ブテン、エチルベンゼンなどと反応し、重縮合してフラ
ックスという重質物となる。
【0046】
【化7】
【0047】上記反応機構を明確にすることにより、エ
チルベンゼンの収率を向上させるため、すなわち重質物
の生成量を低減させるための方策は以下の二点であるこ
とがわかった。 (1)ブチルベンゼンなどからのフラックスなどの重質
物生成の抑制。具体的にはアルキル化反応と主にトラン
スアルキル化反応との2つの反応に分割することにより
達成される。ここで、前者を前段反応部で、後者を後段
反応部で行う。これにより重質物生成の抑制が達成され
る理由は、分離回収系で回収されたポリエチルベンゼン
は後段反応部の前部に戻すが、ブチルベンゼンなどはポ
リエチルベンゼンと沸点が近いためポリエチルベンゼン
と同伴して後段反応部の前部に戻される。これらは、エ
チレンなどの多く存在する系で反応し、重縮合してフラ
ックスを生成する。そこで、エチレンの多い前段反応部
とエチレンの少ない、後段反応部に分割し、エチレンの
少ない系すなわち後段反応部にポリエチルベンゼンを戻
すことにより重質物の生成を抑制するためである。 (2)エチレンの二量化の防止。具体的には前段反応部
のようなエチレンの多い部分での過剰な触媒を減らすこ
とにより達成される。その理由は、一般にアルキル化の
反応速度は、エチレンガスの主にベンゼンからなる液相
へのガス吸収速度に比べ非常に速いのでアルキル化反応
に必要な触媒量は少ない。そこで過剰な触媒を減らしσ
−BEATの量を低減しベンゼンとの反応を優先的に行
う。これによりエチレンの二量化によるブテンの生成が
少なくなりブチルベンゼンの生成を抑制するためであ
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定される
ものではない。
【0049】
【実施例1】フリーデル・クラフツ触媒として塩化アル
ミニウム、助触媒として塩化水素を使用し、エチレンお
よびベンゼンを原料として、連続的アルキル化反応およ
び回収したポリエチルベンゼンの再導入によるトランス
アルキル化反応による連続的なエチルベンゼン合成の実
験を行った。
【0050】使用した装置は、図1に示すように1個の
反応器21に多孔板34を設置したものを用いた。反応
器21は、内容積約500リットルの垂直円筒形で、内
部に多孔板34の装脱着ができるようにしておき、多孔
板34の枚数、開口率、孔径、間隔などの変更が可能な
ようにした。装置下部には原料のオレフィン11、芳香
族炭化水素12、触媒20の供給ノズル、上部にはオレ
フィンや芳香族炭化水素のガス抜き出しノズルなどを前
記のように設置し、反応は上向き並流で行った。回収し
たポリアルキルベンゼンの再導入ノズル、反応生成物の
取り出しノズルおよびサンプリングノズルを数カ所設置
し、前段反応部41および後段反応部42の滞留時間を
別々に設定できるようにし、各地点でのガスおよび液組
成を分析した。また、圧力計および温度計を設置し、反
応温度、圧力を測定した。また、上部からのガスの凝縮
器22を設置し、ガスを凝縮して前段反応部41に戻し
た。流出物17の分離回収は、まず冷却器で冷却の後、
触媒と反応液をフィルターなどで分離し、反応液中のベ
ンゼン、エチルベンゼン、ポリアルキルベンゼンおよび
フラックスなどの高沸物を通常の蒸留装置によって分離
し、ベンゼンは前段反応部41の前部へ、ポリアルキル
ベンゼンは後段反応部42へ再導入した。その際に原料
やポリアルキルベンゼンなどをスパージャーに依てでき
るだけ均一に分散した。これら触媒および助触媒の接す
る反応器、凝縮器から触媒分離装置まではすべて耐腐食
性金属で構成した。
【0051】原料のエチレンは流量計を用いて連続して
定量的に供給した。ベンゼンは蒸留装置で共沸的に乾燥
(脱水)したものをポンプで連続して定量的に導入し
た。塩化アルミ触媒は、エチルベンゼン溶液として連続
して定量的にポンプで供給した。実験の反応条件および
結果を表1に示す。
【0052】この実験結果および、比較例1の表4に示
す実験結果から、以下のことが言える。 (1)本発明の方法による単位容積当たりのアルキル化
反応およびトランスアルキル化反応の反応成績すなわち
エチルベンゼン収率と反応平衡到達率は向上している。 (2)前段反応部41の後部でエチレン転化率をある程
度以上あげることによりエチルベンゼン選択率は向上し
ている。 (3)前段反応部41内に多孔板を設置することで、エ
チレン転化率は向上している。 (4)後段反応部42内に多孔板を設置することで、反
応平衡到達率の向上すなわち循環ベンゼン量および循環
ポリエチルベンゼン量が低減している。
【0053】
【実施例2】多孔板のかわりに充填物を充填した反応器
で行った以外は、実施例1と同様な反応実験を行った。
ここで、充填物は呼称寸法1インチのポールリングを用
い、図2に示すように2段にし、1段当り150リット
ルづつ設置した。この実験条件および結果を表2に示
す。これより、実施例1と同様に、高い反応成績を得る
ことができた。
【0054】
【実施例3】触媒にゼオライト触媒を用いた以外は、実
施例1と同様な反応実験を行った。この実験条件および
結果を表3に示す。これより、実施例1と同様に、高い
反応成績を得ることができた。
【0055】
【比較例1】図6に示すように反応器21内に多孔板を
設置せず、反応器21の前部にポリエチルベンゼンを接
続した。その他は実施例1と同様にして、反応実験を行
った。この実験条件および結果を表4に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明によるモノアルキル芳香族炭化水
素の製造方法は、分離回収系で分離されたポリアルキル
芳香族炭化水素を後段反応部42の前部に戻すことによ
り、モノアルキル芳香族炭化水素の収率を向上する。こ
の際、前段反応部41において、その後部のオレフィン
の転化率を30〜99%にコントロールし、気相中のオ
レフィン濃度が高い領域でアルキル化反応を効率良く行
う。さらに、後段反応部42において、トランスアルキ
ル化反応を行うと、同時にアルキル化反応帯域からの未
反応のオレフィンのアルキル化反応を実質的に完結する
ことにより、オレフィンの損失を無くす。このようにし
てモノアルキル芳香族炭化水素の収率と生産性を同時に
向上することができる。
【0061】さらに、アルキル化反応は、気相の存在す
る系では、通常、オレフィンの吸収律速であるため、前
段反応部41内に多孔板や充填物を設置した場合には、
主にオレフィンを含む気泡の微粒化、分散が行われ気液
の接触界面積が大きくなりオレフィンの吸収速度が向上
し、アルキル化反応を効率よく行うことができる。ま
た、後段反応部42内に多孔板や充填物を設置した場合
には、液相の逆混合流れを抑制するため、容易に反応平
衡状態に近づける事ができる。このように、各反応部内
に多孔板や充填物を設置することにより生産性はさらに
向上できる。
【0062】本発明においては、触媒は、ルイス酸触媒
や、粒子状の固体酸触媒のどちらでも用いることが可能
となり、例えばゼオライト触媒などを使用した場合はル
イス酸触媒に比べ反応器の材質がマイルドにできる。ま
た、1つの反応器においても前段反応部41および後段
反応部42の2つの反応部を設定しているので運転性、
メンテナンス性も良く、その設置および改造なども容易
に行うことができるなどの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応器内に多孔板を設置した反応器を用いた製
造方法。(多孔板4枚の場合)
【図2】反応器内に充填物を充填した反応器を用いた製
造方法。(充填物を2段に分割して設置した場合)
【図3】二つの反応器を用いた製造方法。
【図4】チューブラー式反応器を用いた製造方法。
【図5】塩化アルミニウム触媒を用い、エチレンとベン
ゼンのアルキル化反応によるエチルベンゼンの合成にお
ける反応器内のエチル基/ベンゼン核モル比率に対する
平衡組成。
【図6】従来型の反応器を用いた製造方法。
【符号の説明】
11: 原料オレフィン供給 11A:エチレン 12: 原料芳香族炭化水素供給 12A:ベンゼン 13: 凝縮液循環(主に芳香族炭化水素) 13A:ベンゼン 14: 芳香族炭化水素 14A:ベンゼン 15: 反応器前部 16: ポリアルキル芳香族炭化水素 16A:ポリエチルベンゼン 17: 流出物 18: 反応器後部 19: モノアルキル芳香族炭化水素 19A:エチルベンゼン 20: 触媒(助触媒) 21: 反応器 22: 凝縮器 23: 分離回収設備 31: スパージャー 32: スパージャー 33: スパージャー 34: 多孔板 35: 充填物 41: 前段反応部 42: 後段反応部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続的なモノアルキル芳
香族炭化水素の製造方法に関するもので、特にオレフィ
ンと芳香族炭化水素との反応によって、モノアルキル芳
香族炭化水素を製造する新規にして改良された方法に関
する。モノアルキル芳香族炭化水素、例えばエチルベン
ゼンは、需要量の多いポリスチレンならびに多くの共重
合体のための原料であるスチレン単量体を製造するため
に大量に使用されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】触媒の塩化アルミニウム錯体は非常に強い
腐食性があるため、反応器21はハステロイなどの耐腐
食性材料や、耐酸れんがなどの内張りをしたものが使わ
れる。反応器後部18におけるガス以外の流出物17は
分離回収設備23で触媒分離後、溶解した塩化アルミニ
ウムや塩酸を除去するため中和、水洗される。さらにベ
ンゼン、エチルベンゼンの順番に分離され、最後にポリ
エチルベンゼンとフラックスなどの重質物が分離され
る。ここで、ポリエチルベンゼンとはエチル基が2つ以
上の高級アルキル化ベンゼンでジエチルベンゼン、トリ
エチルベンゼン、テトラエチルベンゼンなどのことであ
る。分離された未反応のベンゼンと同様にポリエチルベ
ンゼン16Aも反応器前部15へ導入され、トランスア
ルキル化反応によりエチルベンゼンに転化される。その
他の重質物は焼却処理する。このようにしてエチルベン
ゼン19Aを連続的に製造していた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】すなわち、気相中のエチレンを液相に吸収
する速度が問題となり、滞留時間を小さくすると、エチ
レンガスの吸収が不十分となり、未反応ガスとしてエチ
レンはパージされて、供給した原料エチレン当りのエチ
ルベンゼンの収率が低下する。そこで、未反応エチレン
をリサイクルコンプレッサーなどの回収装置を用いて反
応器に戻すことも考えられるが、その回収装置には耐腐
食性材料でできた設備となることや、エチレンリサイク
ルコンプレッサーなどの駆動用エネルギーも必要になっ
てくるため、これも好ましくない。エチレンガスの吸収
が律速するアルキル化帯域でアルキル化反応を完結させ
るためには、アルキル化帯域で滞留時間が大きくなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】次に液単相での反応においても、アルキル
化帯域でアルキル化反応を完結させるためには、反応完
結する直前は、液中のエチレン濃度は非常に低濃度とな
り、やはりアルキル化帯域での滞留時間は大きくなる。
このように、アルキル化帯域での生産性が低いという点
については何も解決されていない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明は、重質物の生成量が少なくモノア
ルキル芳香族炭化水素の収率または選択率が高く、かつ
アルキル化反応およびトランスアルキル化反応における
生産性の高いモノアルキル芳香族炭化水素の連続製造方
法を提供するものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、モノアルキル芳香族炭化水素を製造
する際、反応器に導入する芳香族炭化水素に対するオレ
フィンのモル比率(以下“E/B比”と略する。)は、
0.3〜1.0が好ましい。反応器の入口のE/B比
は、図5に示すように反応器出口での反応平衡組成を決
定するもので、反応や分離回収などの設備全体および分
離回収エネルギーに大きく影響してくる。E/B比が小
さい場合には、回収して導入するポリアルキル芳香族炭
化水素量は少ないが、回収して導入する芳香族炭化水素
量は大きい。E/B比が大きい場合はこの逆であり、そ
れぞれの分離回収エネルギーの状況から最適な値が選ば
れる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】図1に示すように、反応器に多孔板を設け
た場合、反応器はポリアルキル芳香族炭化水素16の導
入の直下の1枚の多孔板34を隔てて下部に前段反応部
41、その上部に後段反応部42を形成する。各反応部
内には何も設置しなくても良いが、更に多孔板34を設
置した方が好ましい。気液相系での反応で前段反応部4
1内に多孔板34を設置した場合には、単位容積当りの
反応量は向上する。これは、アルキル化反応が主にオレ
フィンを含む気相から主に芳香族炭化水素を含む液相へ
のオレフィンの吸収が律速であるからである。気相は一
般に液相中で気泡として存在している。それが多孔板3
4を通過する際に、より直径の微細な気泡に分散して気
液相の接触する界面積が大きくなるため、オレフィンの
吸収速度が向上し、単位容積当りのアルキル化反応量が
向上する。また、後段反応部42内に多孔板34を設置
した場合には、単位容積当りのトランスアルキル化反応
量は向上し、出口の反応生成物を反応平衡状態の組成に
近づけることができる。これは、多孔板に依て系内の液
相の逆混合流れが抑制されるためである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】チューブラー式反応器を用いて行う場合
は、図4に示すように前半を前段反応部41に設定し、
前段反応部41の前部に原料を導入し、その後半を後段
反応部42に設定する。原料及び回収したポリアルキル
芳香族炭化水素の導入などは図1、2、3の場合と同様
に行われる。本発明に用いられる反応器はこれらのみに
限定されるものではなく、例えばこれらのいくつかまた
は全部を組合せたものを用いることも可能である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】反応圧力は0〜50kg/cm2 ゲージが
好ましい。反応圧力は液相または気液相が形成する圧力
が好ましい。本発明は気液相で反応することを基本とす
るが、オレフィンを完全に芳香族炭化水素に吸収した液
相や、芳香族炭化水素の液相中に未反応のオレフィンが
溶解している場合も問題ない。フリーデル・クラフツ触
媒として、ルイス酸触媒を使用した場合には、反応器
や、熱交換器などの設備は耐腐食性材料で作る必要があ
るため、主にオレフィンが気相で存在するような比較的
低圧で反応を行うことが好ましい。これに対し、固体酸
性触媒を使用した場合には、設備は耐腐食性材料で作る
必要がないため、ルイス酸触媒よりも高温、高圧で反応
を行える。このため反応系は気液固相、固液相のどちら
でも良く、反応熱の回収も高温で効率良く行うことがで
きる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【化4】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】
【発明の効果】本発明によるモノアルキル芳香族炭化水
素の製造方法は、分離回収系で分離されたポリアルキル
芳香族炭化水素を後段反応部42の前部に戻すことによ
り、モノアルキル芳香族炭化水素の収率を向上する。こ
の際、前段反応部41において、その後部のオレフィン
の転化率を30〜99%にコントロールし、オレフィン
濃度が高い領域でアルキル化反応を効率良く行う。さら
に、後段反応部42において、トランスアルキル化反応
を行うと同時にアルキル化反応帯域からの未反応のオレ
フィンのアルキル化反応を実質的に完結することによ
り、オレフィンの損失を無くす。このようにしてモノア
ルキル芳香族炭化水素の収率と生産性を同時に向上する
ことができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリーデル・クラフツ触媒の存在下で、
    芳香族炭化水素にオレフィンを反応させてモノアルキル
    芳香族炭化水素を製造するにあたり、前段反応部と後段
    反応部とからなる反応器を設定し、フリーデル・クラフ
    ツ触媒、芳香族炭化水素およびオレフィンを該前段反応
    部に導入し混相で並流せしめてアルキル反応させ、該前
    段反応部の後部におけるオレフィン転化率を30〜99
    %に制御し、該前段反応部からの流出物と、該後段反応
    部の後部からの流出物を分離して得られるポリアルキル
    芳香族炭化水素とを該後段反応部の前部に導入し、該後
    段反応部で、主にトランスアルキル化反応させ、且つア
    ルキル化反応に依り該後段反応部の後部におけるオレフ
    ィン転化率を100%にすることを特徴とするモノアル
    キル芳香族炭化水素の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 細孔仕切具で1つの容器を前段反応部と
    後段反応部に設定することを特徴とする請求項1のモノ
    アルキル芳香族炭化水素の連続製造方法。
  3. 【請求項3】 前記の細孔仕切具が多孔板であることを
    特徴とする請求項2のモノアルキル芳香族炭化水素の連
    続製造方法。
  4. 【請求項4】 前記の細孔仕切具が充填物であることを
    特徴とする請求項2のモノアルキル芳香族炭化水素の連
    続製造方法。
  5. 【請求項5】 配管で連結した複数の容器で前段反応部
    と後段反応部を設定することを特徴とする請求項1のモ
    ノアルキル芳香族炭化水素の連続製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の反応器をチューブラーとし、その
    途中に前記のポリアルキル芳香族炭化水素を導入して該
    チューブラーの前部を前段反応部とし、後部を後段反応
    部とすることを特徴とする請求項1のモノアルキル芳香
    族炭化水素の連続製造方法。
  7. 【請求項7】 フリーデル・クラフツ触媒としてルイス
    酸触媒を用い、気液の混相で反応させることを特徴とす
    る請求項1〜6のモノアルキル芳香族炭化水素の連続製
    造方法。
  8. 【請求項8】 フリーデル・クラフツ触媒として固体酸
    触媒を用い固液または固気液の混相で反応させることを
    特徴とする請求項1〜6のモノアルキル芳香族炭化水素
    の連続製造方法。
JP2280794A 1994-02-21 1994-02-21 モノアルキル芳香族炭化水素の連続製造方法 Withdrawn JPH07233099A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084176A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Nippon Zeon Co Ltd 2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法
JP2014015466A (ja) * 2005-03-31 2014-01-30 Exxonmobile Chemical Patents Inc 多相アルキル芳香族の製造
WO2020054679A1 (ja) * 2018-09-11 2020-03-19 株式会社キャタラー ファインバブルを用いた反応装置及び反応方法

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