JPH0723523B2 - マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼

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JPH0723523B2
JPH0723523B2 JP1299969A JP29996989A JPH0723523B2 JP H0723523 B2 JPH0723523 B2 JP H0723523B2 JP 1299969 A JP1299969 A JP 1299969A JP 29996989 A JP29996989 A JP 29996989A JP H0723523 B2 JPH0723523 B2 JP H0723523B2
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stainless steel
martensitic stainless
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corrosion resistance
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、製紙用サクションロールに使用されるマルテ
ンサイト系ステンレス鋼の改良に関し、すぐれた耐食性
及び高い腐食疲労強度を維持しつつ、かつ所定の機械的
性質を備えると共にドリル切削による孔明け性にすぐれ
るマルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
[従来技術及びその問題点] 製紙工業におけるサクションロールは苛酷な白水環境の
もとで使用されるため、優れた耐食性と高い腐食疲労強
度が必要とされる。そこで、出願人は、これまでに耐食
性及び腐食疲労強度を大幅に改善したマルテンサイト系
ステンレス鋼を提案した(特願昭63−146069)。
しかし、このマルテンサイト系ステンレス鋼は、Niを比
較的多く含有し、Cr当量/Ni当量の値が小さくなるよう
に規定しているため、硬度が約HB290以上と高く、ツイ
ストドリルによる孔明け加工時に十分な送り速度を得る
ことができないため、孔明け加工時間が長くなる問題が
あった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、すぐれた耐食性と高い腐食疲労強度を維持し
つつ、所定の機械的性質を備えると共にツイストドリル
による孔明け加工性を改善した新規なマルテンサイト系
ステンレス鋼を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にかかるマルテンサイト系ステンレス鋼は、重量
%にて、C:0.06%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0〜5.0
%、Cr:11〜17%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:1.0〜3.0%、Cu:
0.3〜1.8%及び残部実質的にFeからなり、Cr当量/Ni当
量を4.0よりも大きく5.0よりも小さくしたことを特徴と
している。なお、Cr当量=Cr%+Mo%+1.5Si%、及びN
i当量=Ni%+30C%+0.5Mn%である。
[発明の効果] すぐれた耐食性と高い腐食疲労強度を維持しつつ、硬度
を約HB280以下に抑えることによりツイストドリルによ
る良好な孔明け加工性を備えている。
[成分限定理由] 本発明のステンレス鋼の成分限定理由は次のとおりであ
る。
C:0.06%以下 Cは、オーステナイト相に固溶されて生地を強化する働
きを有する。しかし、含有量が多くなると、Cr炭化物を
形成し、耐食性改善に有効なCrが消費されることによっ
て耐食性の低下を招く。又、Cr炭化物が多量に析出する
と靭性が悪化する。よって、0.06%を上限とする。
Si:2.0%以下 Siは、溶製時の脱酸剤としての役割を有する。しかし、
多量に含むと脆化等の材料特性の劣化を招くので、2.0
%を上限とする。
Mn:1.0〜5.0% Mnは上記Siと同様に脱酸剤として作用する他、溶製中の
イオウ(S)を固定する役割を有する。また、Ni当量を
補ってマルテンサイト組織の形成に寄与する一方、硬度
を低下させる作用を有する。このため、少なくとも1.0
%以上含有させる必要がある。しかし、あまりに多く含
有すると、健全なミクロ組織を得ることができなくなる
と共に0.2%耐力が急激に低下する。このため、上限は
5.0%に規定する。
Cr:11〜17% Crは、高強度化と、ステンレス鋼としての耐食性を得る
ために欠くことの出来ない基本元素である。その含有量
は優れた耐食性を確保するために少なくとも11%を要す
る。しかし乍ら、多量に含有するとミクロ組織における
フェライト相が増加し、耐食性及び靭性が低下する。従
って上限は17%とする。
Ni:1.0〜4.0% Niは、鋳造性を改善させる作用があり、凝固時の凝固形
態に良好に作用することにより、鋳造工程における割れ
等の欠陥を防止できる。また、Niはミクロ組織中に残留
オーステナイト相を生成させ、靭性の改善に有効であ
る。このため、1.0%以上含有する必要がある。しかし
乍ら、Niを多量に含有すると、硬度が上昇してドリル切
削による孔明け加工性が低下する。従って、4.0%を上
限とする。
Mo:1.0〜3.0% Moは、耐食性、特に孔食に対する抵抗性の改善に大きな
効果を有する。含有量が1.0%に満たないとその効果が
十分でなく、一方3.0%を超えると靭性が低下し、又コ
ストアップにもなるため、1.0〜3.0%に規定する。
Cu:0.3〜1.8% Cuは孔食等の局部腐食よりもむしろ、全面腐食に対する
抵抗性の改善に効果がある。その効果を十分なものとす
るために、少なくとも0.3%の含有を必要とするが、あ
まり多くなると靭性の低下を招くので1.8%を上限とす
る。
本発明のステンレス鋼は上記成分元素を含有し、残部は
実質的にFeからなる。不純物は、P、Sその他、鋼の溶
製時に不可避的に混入するものであって、この種の鋼に
通常許容される範囲内であれば存在しても構わない。
なお、本発明のステンレス鋼にあっては、Cr当量をCr%
+Mo%+1.5Si%、Ni当量をNi%+30C%+0.5Mn%と夫
々定義する。Cr当量及びNi当量は、一般的なフェライト
生成元素及びオーステナイト生成元素を、本発明鋼の合
金成分の中で果たす作用を夫々、総合的に評価したもの
である。マルテンサイト系ステンレス鋼は、所定の焼入
れによってマルテンサイト組織となると共に残留オース
テナイトを形成する。この残留オーステナイトはその後
の高温の焼戻し処理によって分解して耐食性の低下を招
くため、焼入れ後にオーステナイトを多量に残留させる
ことは好ましくない。本発明者は、本発明にかかるマル
テンサイト系ステンレス鋼において、Cr当量とNi当量と
の比率、即ちCr当量/Ni当量の値を4.0よりも大きく、5.
0よりは小さくなるように規定する。
次に、実施例を挙げて、本発明のマルテンサイト系ステ
ンレス鋼の特性を明らかにする。
[実施例] 高周波誘導加熱炉で各種成分の合金を溶製し、遠心力鋳
造にて鋳塊を製造した後、25mm x 25mm x 200mmの供試
材を調製した。
各供試材は2回の熱処理(1000℃×2時間加熱、空冷、
及び620℃×2時間加熱、空冷)を行ない、硬度及び機
械的性質を調べた。機械的性質は、JIS Z2241(引張試
験)、JIS Z2242(衝撃試験)及びJIS Z2243(硬度試
験)に準拠して行なった。各供試材の合金化学成分及び
その試験結果を第1表に示す。
第1表において、「Cr当量/Ni当量」は、Cr当量=Cr%
+Mo%+1.5Si%、Ni当量=Ni%+30C%+0.5Mn%の計
算式から求めたものである。
前記第1表において、供試材No.1乃至No.3は本発明鋼と
比較するために調製した比較鋼であり、供試材No.4乃至
No.7は本発明鋼である。
第1表の結果から明らかな如く、供試材No.1乃至No.3は
Cr当量/Ni当量が本発明の規定する範囲から外れてい
る。供試材No.1はNiの含有量が多いため、硬度が高い。
また、供試材No.2及びNo.3はMnの含有量が多いため、硬
度は低いが、降伏強さが低下している。
これに対して、本発明が規定する範囲の供試材は、硬度
が約HB280以下であり、ドリル切削による孔明加工性に
すぐれると共に、その他の機械的性質についても所定の
特性を備えている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、C:0.06%以下、Si:2.0%以
    下、Mn:1.0〜5.0%、Cr:11〜17%、Ni:1.0〜4.0%、Mo:
    1.0〜3.0%、Cu:0.3〜1.8%及び残部実質的にFeからな
    り、Cr当量/Ni当量の値を4.0よりも大きく5.0よりも小
    さくすることを特徴とする、ドリル切削による孔明加工
    性にすぐれるマルテンサイト系ステンレス鋼。 なお、Cr当量=Cr%+Mo%+1.5Si%、及びNi当量=Ni
    %+30C%+0.5Mn%である。
JP1299969A 1989-11-17 1989-11-17 マルテンサイト系ステンレス鋼 Expired - Lifetime JPH0723523B2 (ja)

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JPH03162552A JPH03162552A (ja) 1991-07-12
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5929102A (ja) * 1982-08-10 1984-02-16 松下電工株式会社 成形用型

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JPH03162552A (ja) 1991-07-12

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