JPH07237257A - 透視部材 - Google Patents

透視部材

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JPH07237257A
JPH07237257A JP6052557A JP5255794A JPH07237257A JP H07237257 A JPH07237257 A JP H07237257A JP 6052557 A JP6052557 A JP 6052557A JP 5255794 A JP5255794 A JP 5255794A JP H07237257 A JPH07237257 A JP H07237257A
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recrystallized
ptfe
spherulite diameter
microns
melt
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Shinichi Namura
信一 名村
Takao Nishio
孝夫 西尾
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Du Pont Mitsui Fluorochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、通常の成形条件で成形で
き、しかも溶出物による汚染等の問題を引き起こすこと
のないPFA組成物からなる像鮮明度に優れた透視部材
を提供することにある。 【構成】 本発明にかかわる透視部材は、305℃以上
の結晶化温度と50J/g以上の結晶化熱を有するポリ
テトラフルオロエチレンを含有するテトラフルオロエチ
レン/フルオロアルコキシトリフルオロエチレン共重合
体組成物の溶融成形品であることを特徴とする。共重合
体組成物に含まれるポリテトラフルオロエチレンは0.
01重量%以上、4重量%以下であることが好ましい。
また成形品の再結晶化平均球晶径は15ミクロン以下で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、像鮮明度に優れたテト
ラフルオロエチレン/フルオロアルコキシトリフルオロ
エチレン共重合体組成物の溶融押し出しによる透視部材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリクロロトリフルオロエチレン等
のふっ素樹脂は耐熱性や耐薬品性の要求される貯槽等の
覗き窓や液面計等の透視部材として利用されている。し
かしふっ素樹脂の中で最も耐熱性、耐薬品性に優れてい
る溶融成形性テトラフルオロエチレン/フルオロアルコ
キシトリフルオロエチレン共重合体(PFAと言う略称
で知られている)は成形品を通して物体を観察する時、
像鮮明度が低いため物体の細部が見えにくく透視部材と
して適当な材料ではなかった。
【0003】このようにPFA成形品の像鮮明度が低く
なる理由は、結晶性樹脂であるPFAの結晶化時に直径
20〜150ミクロンに達する粗大な球晶が形成される
ことにある。一般に球晶の大きさは球晶核の数を増加さ
せることにより小さくすることができ、この目的で無機
又は有機の種々の結晶核剤を結晶性樹脂に添加すること
が行なわれている。ふっ素樹脂においても、ポリクロロ
トリフルオロエチレンにおいては硫酸金属塩(特開昭4
9−5153)が、ポリふっ化ビニリデンにおいてはア
ルカリ金属塩(特公昭49−17015)等の無機物や
有機環状化合物(特公昭48−33983)等が提案さ
れている。しかし、PFAに適した結晶核剤について提
案されたことはない。又前記のような種類の結晶核剤を
PFAに添加することは核剤の溶出による汚染を招きP
FAの利点を損なうことになるので好ましくない。一
方、樹脂を溶融状態から水冷等の手段により、急激に冷
却することにより球晶の成長を抑制することはできる
が、これは実用上困難な方法であるし成形品の歪が大き
くなる等の問題も生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、通常
の成形条件で成形でき、しかも溶出物による汚染等の問
題を引き起こすことのないPFA組成物からなる像鮮明
度に優れた透視部材を提供することにある。
【0005】本発明者らは前記の目的を達成するため研
究した結果、少量の特定のポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)をPFAに添加して含有させることによ
り、球晶が微細化され、PFAの特性を損なうことな
く、溶融成形品像鮮明度を著しく改善できることを見い
だし本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる透視部
材は305℃以上の結晶化温度と50J/g以上の結晶
化熱を有するポリテトラフルオロエチレンを含有するテ
トラフルオロエチレン/フルオロアルコキシトリフルオ
ロエチレン共重合体組成物の溶融成形品であることを特
徴とする。この透視部材は、直接裸眼を物質にさらすこ
となく透視により物質を観察するための透明な成形品で
ある。
【0007】後記の実施例及び比較例に見るように、成
形品の像鮮明度と、成形品(成形品の一部を切り取った
試験片で良い)を溶融して、その溶融物を10℃/分の
冷却速度で降温し再結晶化させた時に形成される平均球
晶径(以下再結晶化平均球晶径と言う)或は最大球晶径
(以下再結晶化最大球晶径と言う)との間には相関があ
り、同じ成形条件において再結晶化平均球晶径(或は再
結晶化最大球晶径)が小さいほど成形品の像鮮明度は高
くなる。本発明の透視部材は再結晶化平均球晶径が15
ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下であること
により、像鮮明度に優れたものとなる。
【0008】本発明においてテトラフルオロエチレン/
フルオロアルコキシトリフルオロエチレン共重合体(P
FA)とは、テトラフルオロエチレンと式1又は式2で
表されるフルオロアルコキシトリフルオロエチレンとの
結晶性共重合体で、共重合体中のフルオロアルコキシト
リフルオロエチレン含有量が1〜10重量%のものであ
る。この共重合体は溶融押し出し成形、射出成形等の溶
融成形が可能なものであり、372℃±1℃において
0.5〜500g/10分、好ましくは0.5〜50g
/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。フ
ルオロアルコキシトリフルオロエチレンとしては、パー
フルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビ
ニルエーテル)等が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】本発明において、球晶微細化のため上記P
FAに含有させるポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)は、テトラフルオロエチレン(TFE)のホモポリ
マー又は1重量%未満の微量のヘキサフルオロプロピレ
ン(HFP)、フルオロアルコキシトリフルオロエチレ
ン、フルオロアルキルエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン等の変性剤を含有する変性PTFEであって、後
記する方法により示差走査熱量計(DSC)で測定した
結晶化温度が305℃以上で結晶化熱が50J/g以上
という二つの条件を満足させるものである。
【0012】PFAに含有させるPTFEの結晶化温度
と球晶を微細化する効果との間には相関があり、結晶化
温度が高くなる程、より少量の含有で球晶を微細化でき
る。PTFEの結晶化温度は305℃以上であることが
必要で、310℃以上であることが好ましい。
【0013】更に、結晶化温度が305℃以上であって
も結晶化熱が50J/g未満のPTFEでは、PFA粉
末と平均粒径が0.05〜1ミクロンのPTFE微粒子
がPTFEの溶融温度より低い温度で均一に混合された
組成物を、例えば溶融圧縮成形や溶融ピストン押し出し
等、溶融組成物に対するせん断作用が小さな条件下で成
形する場合は微細化された球晶を得ることができる。し
かし溶融混練時や押し出し成形時に溶融組成物に対して
スクリュー回転等によって大きなせん断作用が働く条件
下では球晶の微細化効果が失われる傾向がある。
【0014】PTFEの結晶化温度と結晶化熱は変性剤
含有量と分子量の二因子によって影響されることが知ら
れている。圧縮予備成形/焼成法によって成形されるP
TFEの「モールディングパウダー」やペースト押し出
し/焼成法によって成形されるPTFEの「ファインパ
ウダー」がいずれも数百万以上の数平均分子量を有する
のに対して、本発明の目的に適した前記のPTFEはこ
れらに比べて分子量が低く、より高い結晶性を有するも
のである。このようなPTFEは連鎖移動剤の存在下に
おけるTFEの重合や、「モールディングパウダー」や
「ファインパウダー」又はこれらの成形物の熱分解又は
放射線分解等の公知の低分子量PTFEの製造方法にお
いて、上記二つの因子を考慮して条件を選択することに
より得ることができる。このようなPTFEは低分子
量、高結晶性であるため機械強度に欠け、「モールディ
ングパウダー」や「ファインパウダー」と異なり、それ
自身で成形目的に使用されるものではないが、本発明の
目的が達成される微量の添加ではPFAの機械的特性に
対する悪影響が全く見られないことがわかった。
【0015】前記条件を満足するPTFEをPFAに含
有させることにより球晶径は急激に減少する。含有量の
下限に関しては前記の如く含有させるPTFEの結晶化
温度が高くなる程、より少量の含有で球晶を微細化でき
るので数値限定は困難であるが、組成物を溶融状態から
10℃/分の冷却速度で結晶化させた時、15ミクロン
以下、好ましくは10ミクロン以下の再結晶化平均球晶
径を与え得る有効量を含むことが望ましい。後記の実施
例に示されるように、結晶化温度Tcが314℃(結晶
化熱Hcは60J/g)のPTFEを含有させた場合は
0.01重量%の含有で再結晶化平均球晶径は13ミク
ロンになるので、含有量の下限値としては0.01重量
%が目安になる。
【0016】PTFE含有量の増加と共に球晶径は減少
する傾向があるが、含有量が1乃至2重量%以上になる
と、含有量の増加に伴う球晶径の減少度は小さく、球晶
径はほぼ一定となる。PTFE含有量の上限はPFAの
MFRや成形品の使用条件等によって異なるが、一般的
にPTFE含有量の増加と共に組成物の結晶性が高くな
る傾向が見られ、2乃至4重量%以上の含有量では像鮮
明度や機械的特性が低下する傾向が現れる。このような
理由から、PTFEの含有量としては通常4重量%以
下、好ましくは2重量%以下の含有量が採用される。
【0017】PFAにPTFEを含有させる方法として
は、溶融混練法、PFAペレット又は粉末とPTFE粉
末とのドライブレンド法、PFA分散液とPTFE粉末
又はPTFE分散液との湿式ブレンド法等の公知の方法
をいずれも利用することができる。本発明で使用される
PTFEは溶融状態においてPFAと極めて高い相溶性
を有するため溶融混練時や溶融押し出し時に容易にPF
A中に分散し、極めて均質な組成物を与える。従って、
添加するPTFEの形態に特に限定はなく、作業性を考
慮して数ミクロンから数十ミクロンの粉末が通常使用さ
れる。
【0018】本発明の透視部材を得るための成形条件に
関しては特に制限がなく、従来からPFAについて適用
されている押し出し成形、射出成形、トランスファー成
形、圧縮成形等の条件をそのまま利用することができ
る。また特開昭62−104822や特開平2−163
128に記載されたふっ素ガスを用いる方法により、得
られた組成物や成形品の重合体末端基を安定化すること
もできる。
【0019】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を
具体的に説明する。なお、PFAとしてはテトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロプロピルビニルエーテル(P
PVE)共重合体を使用し、PPVEの含有量;メルト
フローレート(MFR);融解温度,結晶化温度,結晶
化熱;再結晶化平均球晶径;再結晶化最大球晶径;引張
強度,伸び;MIT曲げ寿命、透視限界距離の測定は下
記の方法によった。
【0020】PPVE含有量:試料PFAを350℃で
圧縮した後水冷して得られた厚さ約50ミクロンのフィ
ルムの赤外吸収スペクトル(窒素雰囲気)から式3によ
り吸光度比を求め、予めPPVE含有量既知のスタンダ
ードフィルムによって得られた検量線を使用して試料の
PPVE含有量を求めた。
【0021】
【数1】
【0022】メルトフローレート(MFR):東洋精機
製メルトインデクサーを使用し、5gの試料を372℃
±1℃に保持された内径9.53mmのシリンダーに充
填し5分間保持した後、5kgの荷重(ピストン及び重
り)下に内径2.1mm、長さ8mmのオリフィスを通
して押し出し、この時の押し出し速度(g/10分)を
MFRとして求めた。
【0023】融解温度,結晶化温度,結晶化熱:パーキ
ンエルマー社製示差走査熱量計DSC7型を使用した。
試料5mgを秤量して専用のアルミパンに入れ専用のク
リンパーによってクリンプした後DSC本体に収納し昇
温を開始する。200℃から380℃まで10℃/分で
昇温し、この時得られる融解曲線から融解ピーク温度を
融解温度(Tm1:℃)として求めた。試料を380℃
で1分間保持した後、200℃まで10℃/分で降温
し、この時得られる結晶化曲線から結晶化ピーク温度を
結晶化温度(Tc、℃)として求めた。結晶化熱(H
c:J/g)は常法に従い、結晶化ピーク前後で曲線が
ベースラインから離れる点とベースラインに戻る点とを
直線で結んで定められるピーク面積から求めた。試料を
200℃で1分間保持した後、再度380℃まで10℃
/分で昇温し、この時得られる融解曲線から融解ピーク
温度を融解温度(Tm2:℃)として求めた。各数値は
小数点以下1けたまで求めJISZ8401の方法によ
って丸めた。
【0024】再結晶化平均球晶径:溶融成形物をスライ
スして得られた厚さ約0.2mmの切片を試料としてス
ライドグラスにのせメトラーFP82HT型ホットステ
ージに取り付けた。360℃まで40℃/分で昇温して
試料を融解させ360℃で3分間保持した後200℃ま
で10℃/分で降温して再結晶化させた。試料部温度が
200℃に達した後試料をのせたスライドグラスをホッ
トステージより取り外し、偏光により球晶構造を確認し
ながら光学顕微鏡倍率100及び400倍で試料表面を
観察した。試料表面に観察される連続した200個の球
晶の直径を測定し、その平均値を再結晶化平均球晶径と
した。またその中で最大のものを再結晶化最大球晶径と
した。なお、球晶は隣接して成長した球晶との衝突によ
りいびつな多角形として観察されるので、その長軸径を
直径とした。また再結晶化平均球晶径が5ミクロン以下
の試料については走査型電子顕微鏡(3000倍及び5
000倍)を併用して球晶径を測定した。以下の実施例
及び比較例においては、MFR測定時の押し出し物を押
し出し方向と直角方向にスライスして試料として用い
た。
【0025】引張強度,伸び:試料をホットプレス上の
350℃に加熱された金型中に充填し、20分間加熱し
た後約5kgf/cm2 の圧力で約1分間加圧し、次い
で金型を室温のプレス上に移して約30kgf/cm2
に加圧し20分間放置して冷却する。このようにして作
成された厚さ約1.5mmのシートよりASTMD14
57−83に従って5枚の試験片を切り出し、初期つか
み間隔22.2mm、引っ張り速度50mm/分で引っ
張り試験を行い、破断時の強度及び伸び(試験片5枚の
平均値)を求めた。
【0026】MIT曲げ寿命:試料をホットプレス上の
350℃に加熱された金型中で15分間加熱した後、P
FAのMFRによって異なるが、30〜60kgf/c
2の圧力で約1〜4分間加圧し、次いで金型を室温の
プレス上に移して約50kgf/cm2 に加圧し、15
分間放置して冷却する。このようにして作成された厚さ
0.19−0.21mmのフィルムから長さ約110m
m、幅15mmの試験片を切り取り、ASTMD−21
76の規格に準じた東洋精機製MIT耐揉疲労試験機に
取り付け、1kgの荷重下に左右135度の角度で、1
75回/分の速度で折り曲げ、試験片が切れるまでの往
復折り曲げ回数(3枚の試験片についての平均値)をM
IT曲げ寿命とした。
【0027】透視限界距離:試料4gを内径28mmの
円筒金型に充填し、370℃に加熱されたホットプレス
上で30分加熱した後、金型を室温のプレス上に移して
50kgf/cm2 に加圧しながら20分放置して冷却
する。このようにして得られた厚さ3mmの円板状の試
験片を内径29mm長さ30mmの円筒の先端に取り付
け、円筒の他の端から試験片を通して、巾1mmの黒線
が1mm間隔で描かれた白色板を照度500ルックスの
もとで肉眼観察する。黒線と黒線の間隔が判別可能な試
験片から白色板までの最大距離を測定して透視限界距離
とし、像鮮明度の尺度とした。
【0028】
【実施例1〜6、比較例1〜3】PPVE含有量3.0
重量%、MFR2.0g/10分、再結晶化平均球晶径
44ミクロン、再結晶化最大球晶径68ミクロンのPF
Aの溶融押し出しペレット99重量部と表1に示す特性
を有するA〜Hの8種類のPTFE粉末1重量部(平均
粒径2〜20ミクロン)とをローラーミキサー(東洋精
機製R−60H型、ミキサー容量約60cc、混練部材
質:ハステロイC276)に投入し、混練部設定温度3
50℃、樹脂温度345〜352℃、ローラー回転数1
5rpmで10分間溶融混練してPTFEを1重量%含
有するPFA組成物を得た。また比較のためPTFEを
添加せずPFAのみを同一条件で溶融混練した。各組成
物は溶融混練後3〜5mm角のペレット状に裁断して成
形用の試料とした。各組成物及びその組成物から成形さ
れた試験片の特性を表2に示す。なお透視限界距離の測
定に使用した試験片について、再結晶化平均球晶径、再
結晶化最大球晶径を測定した結果は表2に示す結果と同
様であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】PFAにPTFEを含有しない場合(比較
例1)、含有PTFE(A)の結晶化熱(Hc)が50
J/g未満の場合(比較例2)および含有PTFE
(H)の結晶化温度(Tc)が305℃未満の場合(比
較例3)はいずれも溶融成形物の再結晶化平均球晶径が
24ミクロン以上(再結晶化最大球晶径は35ミクロン
以上)、透視限界距離は5cmであるのに対して、30
5℃以上の結晶化温度(Tc)と50J/g以上の結晶
化熱(Hc)を有するPTFE(B〜G)を1重量%含
有する実施例1〜6ではいずれも溶融成形物の再結晶化
平均球晶径が15ミクロン以下(再結晶化最大球晶径は
20ミクロン以下)、透視限界距離は75cm以上とな
っている。また実施例1、3および5を比較すると、結
晶化温度(Tc)が最も高い316℃のPTFE(D)
を含有する実施例3の再結晶化平均球晶径が2ミクロン
(再結晶化最大球晶径は4ミクロン)と最も小さく、結
晶化温度が314℃のPTFE(B)を含有する実施例
1の再結晶化平均球晶径は3ミクロン(再結晶化最大球
晶径は5ミクロン)でそれに次ぎ、結晶化温度が最も低
い308℃のPTFE(F)を含有する実施例5の再結
晶化平均球晶径は12ミクロン(再結晶化最大球晶径は
18ミクロン)で、実施例の中では最も大きく、透視限
界距離は実施例中最も小さい。
【0032】
【比較例4】PTFEの水性分散液で、それを凝集する
ことにより得られるファインパウダーの融解ピーク温度
Tm1が337℃、Tm2が327℃、結晶化温度が3
14℃、結晶化熱が34J/gである平均粒径約0.2
ミクロンのPTFEの水性分散液を、平均粒径が約0.
2ミクロン、PPVE含有量3.0重量%、融解温度
(Tm2)309℃のPFAの水性分散液に、PFA樹
脂分とPTFE樹脂分の重量比が99:1となるように
添加し、撹拌しながら硝酸を加えてエマルジョンを破壊
し、次いでトリクロロトリフルオロエタンを加えて撹拌
造粒した。このようにして得られた造粒粉末を水洗した
後、290℃で15時間乾燥熱処理することにより平均
粒径約450ミクロンの粉末組成物を得た。この組成物
のMFRは1.7g/10分、メルトインデクサー押し
出し物の再結晶化平均球晶径は2ミクロン、再結晶化最
大球晶径は3ミクロン、透視限界距離は50cmであっ
た。しかしこの粉末組成物をローラーミキサーに投入し
実施例1と同様に溶融混練した場合溶融混練後のMFR
は1.7g/10分、メルトインデクサー押し出し物の
再結晶化平均球晶径は33ミクロン、再結晶化最大球晶
径は45ミクロン、透視限界距離は5cmであった。な
おPTFEを添加せずに同様にして得られたPFA粉末
のMFRは2.4g/10分、再結晶化平均球晶径は5
6ミクロン、再結晶化最大球晶径は70ミクロンで、そ
の溶融混練後のMFRは2.3g/10分、メルトイン
デクサー押し出し物の再結晶化平均球晶径は35ミクロ
ン、再結晶化最大球晶径は45ミクロン、透視限界距離
は5cmであった。上記の結果は、結晶化熱が34J/
gである本比較例のPTFEを添加したPFA粉末で
は、せん断作用の小さいメルトインデクサー押し出し物
では再結晶化平均球晶径が2ミクロン、再結晶化最大球
晶径が3ミクロンと極めて小さいが、溶融時せん断作用
下に混練されると球晶の微細化効果が失われ、像鮮明度
が低下することを示している。
【0033】
【実施例7】PPVE含有量3.0重量%、MFR1.
9g/10分、再結晶化平均球晶径55ミクロン、再結
晶化最大球晶径77ミクロンのPFAの溶融押し出しペ
レットと実施例1で使用したPTFE粉末B(Tc=3
14℃、Hc=60J/g)とを表3に示す含有量で、
実施例1と同様にして溶融混練した。得られた組成物及
びその組成物から成形された試験片の特性を表3に示
す。なおこの実施例ではMIT曲げ寿命の試験片を作成
するに際して金型を室温のプレス上に移す前の加圧条件
として圧力60kgf/cm2 、約4分を採用した。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示された結果では、PTFEの含有
量が0.1重量%でも再結晶化平均球晶径は未含有の場
合の44ミクロンから13ミクロン、再結晶化最大球晶
径は未含有の場合の63ミクロンから20ミクロンまで
激減し、これに伴い透視限界距離は5cmから75cm
まで向上する。1重量%含有させれば再結晶化平均球晶
径は4ミクロン、再結晶化最大球晶径は5ミクロン、2
重量%含有させれば再結晶化平均球晶径は3ミクロン、
再結晶化最大球晶径は4ミクロンまで減少し、透視限界
距離は90cmまで向上する。しかし、2重量%以上含
有させてもそれ以上再結晶化平均球晶径や再結晶化最大
球晶径は減少せず、ほぼ一定となり、透視限界距離は低
下する傾向が現れる。また4重量%以下の含有量では引
っ張り強度、伸び及び曲げ寿命に対する悪影響は全くな
いことが分かる。
【0036】
【実施例8】PPVE含有量3.4重量%、MFR1
5.0g/10分、再結晶化平均球晶径49ミクロン、
再結晶化最大球晶径62ミクロンのPFAの溶融押し出
しペレットと、実施例1で使用したPTFE粉末B(T
c=314℃、Hc=60J/g)とを表4に示す含有
量で、実施例1と同様にして溶融混練した。得られた組
成物及びその組成物から成形された試験片の特性を表4
に示す。なおこの実施例ではMIT曲げ寿命の試験片を
作成するに際して金型を室温のプレス上に移す前の加圧
条件として圧力30kgf/cm2 、約1分を採用し
た。
【0037】
【表4】
【0038】表4に示された結果では、PTFEの含有
量が0.01重量%でも再結晶化平均球晶径は未含有の
場合の38ミクロンから13ミクロン、再結晶化最大球
晶径は未含有の場合の50ミクロンから18ミクロンま
で激減し、透視限界距離は5cmから65cmまで向上
する。しかし4重量%以上含有させても透視限界距離は
大幅に向上しないことが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明のPFA組成物からなる透視部材
は従来のポリクロロトリフルオロエチレン等からなる透
視部材に比べて耐熱性や耐薬品性に優れているので腐蝕
性薬液の貯槽等の覗き窓や液面計あるいは高温で使用さ
れる反応容器等の監視用窓等に適している。添加剤とし
て使用されるPTFEはPFAと同等の耐熱性や耐薬品
性を有するので溶出物による汚染の問題も生じない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 305℃以上の結晶化温度と50J/g
    以上の結晶化熱を有するポリテトラフルオロエチレンを
    含有するテトラフルオロエチレン/フルオロアルコキシ
    トリフルオロエチレン共重合体組成物の溶融成形品であ
    ることを特徴とする透視部材。
  2. 【請求項2】 テトラフルオロエチレン/フルオロアル
    コキシトリフルオロエチレン共重合体組成物に含まれる
    ポリテトラフルオロエチレンが0.01重量%以上であ
    る請求項1に記載の透視部材。
  3. 【請求項3】 テトラフルオロエチレン/フルオロアル
    コキシトリフルオロエチレン共重合体組成物に含まれる
    ポリテトラフルオロエチレンが4重量%以下である請求
    項2に記載の透視部材。
  4. 【請求項4】 305℃以上の結晶化温度と50J/g
    以上の結晶化熱を有するポリテトラフルオロエチレンを
    含有するテトラフルオロエチレン/フルオロアルコキシ
    トリフルオロエチレン共重合体組成物の溶融成形品で、
    再結晶化平均球晶径が15ミクロン以下である透視部
    材。
  5. 【請求項5】 再結晶化平均球晶径が10ミクロン以下
    である請求項4に記載の透視部材。
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