JPH07238370A - スパッタリング式成膜装置 - Google Patents

スパッタリング式成膜装置

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Publication number
JPH07238370A
JPH07238370A JP2977194A JP2977194A JPH07238370A JP H07238370 A JPH07238370 A JP H07238370A JP 2977194 A JP2977194 A JP 2977194A JP 2977194 A JP2977194 A JP 2977194A JP H07238370 A JPH07238370 A JP H07238370A
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JP
Japan
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target
discharge
film forming
sputtering
gas
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Pending
Application number
JP2977194A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Kitayama
二朗 北山
Takashi Tsukasaki
尚 塚崎
Shinichi Inoue
晋一 井上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質の薄膜を安定に形成できるスパッタリ
ング式成膜装置を得ることを目的とする。 【構成】 放電室10内で放電によってターゲット6を
スパッタリングし、成膜室1内に設置された基板3上に
スパッタ粒子を堆積させるスパッタリング式成膜装置に
おいて、放電室を誘電体で形成すると共に放電室の基板
との対向端面に小径な開口からなるノズルを有する誘電
体製隔壁7を備え、この誘電体製隔壁と放電室内に配置
されたターゲットを電極として放電させてスパッタ粒子
を発生させ、ノズルを通過したスパッタ粒子を基板に照
射して薄膜を形成するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターゲットをスパッタ
リングして生じたスパッタ粒子を、ターゲットから放出
されたときの指向性を利用して、基板上に堆積させて薄
膜を形成するスパッタリング式成膜装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のスパッタリング式成膜装
置としては、例えば刊行物(電気通信学会技術報告ED
88−24(1988)15頁)に記載されたものがあ
る。この第1の従来例による成膜装置を図14によって
説明する。図14は従来のスパッタリング式成膜装置の
概略構成を示す断面図である。同図において、1は成膜
室であり、ステンレス製の真空槽を用いる。該成膜室1
内には成膜用基板3が装着されている。4は上記成膜室
1、および後述する放電室内を減圧して予め定めた圧力
に維持するための排気装置で、例えばロータリーポンプ
と油拡散ポンプとによって構成されている。2はスパッ
タ粒子を生成するための放電装置である。この放電装置
2は、円筒状に形成されたターゲット6と、このターゲ
ット6の一端開口部を閉塞する放電ガス導入部材12
と、上記ターゲット6の外周部に装着された水冷式冷却
部材8等とから形成されており、ターゲット6と放電ガ
ス導入部材12とが電源(図示せず)に接続されてい
る。9a、9bはターゲット6を放電ガス導入部材12
および成膜室1から電気的に隔離するための絶縁板であ
る。上記ターゲット6は銅、鉄あるいはチタンによって
形成され、中空部が成膜室1の導入用開口1aに対向す
るように位置づけられている。また、上記基板3はこの
ターゲット6の中空部と対向する位置に配置されてい
る。上記放電ガス導入部材12は略円板状に形成され、
ターゲット6の中空部と対応する部分に放電ガス導入口
12aが開口している。この放電ガス導入口12aは、
放電ガス導入部材12に一体に形成された管部12bお
よび放電ガス流量制御器(図示せず)を介してアルゴン
ガス供給源(図示せず)に連通されている。すなわち、
このように構成された放電装置2では、ターゲット6の
中空部内に、成膜室1の導入用開口1aを介して成膜室
1に連通された放電室10が形成されることになる。
【0003】次に、上述したように構成された従来のス
パッタリング式成膜装置によって基板3に薄膜を形成す
る手順を説明する。まず、成膜室1内に基板3を装着
し、排気装置4によって成膜室1と放電室10内を、例
えば2×10-6Torr以下となるように予備排気する。そ
して、キャリアガスとしてのアルゴンガスをマスフロー
コントローラを通して放電ガス導入口12aから放電室
10に導入する。このようにすると、アルゴンガスは放
電室10から導入用開口1aを介して成膜室1内に流れ
込む。その後、排気装置4によりアルゴンガスを排出さ
せることによって、放電室10から成膜室1に流入する
アルゴンガスの流量を一定にし、この状態で、アース電
位にある放電ガス導入部材12と成膜室1に対して負の
電圧をターゲット6に印加する。なお、このようにアル
ゴンガス流が生じるようにすると、成膜室1および放電
室10の圧力は1Torr程度に高められる。このように電
圧をターゲット6に印加すると、グロー放電が放電室1
0内で発生する。アルゴンガス流量を例えば200cc/
min.とし、圧力を1Torrとすると、ターゲット6とし
て銅を使用した場合には約350V、鉄では約330
V、チタンでは約250V程度の電圧において放電が安
定する。上述したように放電室10内で放電が発生する
と、ターゲット6の内周面がスパッタリングされ、ター
ゲット6からスパッタ粒子11がたたき出される。そし
て、このスパッタ粒子11は、放電室10から成膜室1
へ流入するアルゴンガスと共に成膜室1へ流され、基板
3上に堆積する。このようにスパッタ粒子11が基板3
上に堆積することによって薄膜が形成される。
【0004】また、別の従来のスパッタリング式成膜装
置としては、例えば特開平5−243155号公報に記
載されたものがある。この第2の従来例による成膜装置
を図15によって説明する。図15は別の従来のスパッ
タリング式成膜装置の概略構成を示すものであり、
(a)は斜視図、(b)は断面図である。図15におい
て、図14と同一符号は同一または相当部分を示し、5
7aはウェハホルダ56に対向するカソード53の側面
近傍に配置された円周状のガス導入管であり、カソード
53の円周全方向から反応性ガスを一様にカソード中心
に向けて導入できるように、その内側に例えば多数の穴
(またはスリット)63aが設けられている。また57
bは半導体基板55の裏面からウェハホルダ56の中央
部分を経由して半導体基板55周囲から反応性ガスを導
入できるように構成されたガス導入管である。58はカ
ソード53後方の側面近傍に取り付けられたリング状の
真空排気管(排気手段)であり、反応後の残留ガスをカ
ソード53後方の周辺から均一に吸引できるよう、上記
ガス導入管57a同様に多数の穴(またはスリット)6
3bが設けられている。60は半導体基板55の裏面及
び周辺部とウェハホルダ56との間の隙間である。さら
に59は上記ウェハホルダ56に支持された半導体基板
55の前面に配置され、ガス導入管57bからのガスの
流れの一部を変えるためのガス方向転換器(ガス方向転
換手段)である。このガス方向転換器59は半導体基板
55よりも少し大きい形状に形成され、上記隙間60か
らのガスの一部がその外側を通り、残りが半導体基板5
5の表面中央部に向けて流れていくような形状を有して
いる。なお図15(a)ではガス方向転換器59は省略
されている。
【0005】次に動作について説明する。まず最初に、
ガス導入管57a、57bに入射粒子となるアルゴンガ
ス(Ar)及びターゲット粒子と反応する反応性ガス
(N2)を同時に供給する。このときガス導入管57a
の内側の多数の穴(またはスリット)63aから反応性
ガスがカソード53の中心に向けて一様に吹き出され、
それによりターゲット6の中央表面上のガス分布が均一
となる。また、ガス導入管57bは図15(b)に示す
ように、上記反応性ガスを、半導体基板55を保持する
ウェハホルダ56の中心部分を経由して半導体基板55
の裏面側から供給し、半導体基板55とウェハホルダ5
6との間の隙間60よりガスを一様に放出する。このた
め、半導体基板55の外周表面上のガス分布が均一とな
る。さらに、ウェハホルダ56前面に取り付けられたガ
ス方向転換器59により、ガス導入管57bから供給さ
れた反応性ガスの流れの一部が、半導体基板55の中心
方向へ導かれ、半導体基板55の中央表面上のガス分布
が均一となる。一方、カソード53後方の側面に配置さ
れた円周状の真空排気管58の多数の穴(またはスリッ
ト)63bにより、カソード53後方周辺から均一に残
留ガスが装置外部に真空排気される。以上の状態で、従
来と同様にスパッタを行い、半導体基板55上にTiN
等の金属窒化膜を形成する。
【0006】また、さらに別の従来のスパッタリング式
成膜装置としては、例えば特開平5−65642号公報
に記載されたものがある。この第3の従来例による成膜
装置を図16〜18によって説明する。図16はさらに
別の従来のスパッタリング式成膜装置の概略構成を示す
断面図である。図17は同装置のカソード部分の断面図
で、図18(a)(b)(c)はそれぞれ図17のカソ
ード部分をa−a’、b−b’、c−c’線を鉛直下向
きに見た平断面図である。以上の図において上記図1
4、15で説明したものと同一もしくは同等部材につい
ては、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0007】図16〜18において、74はカソード本
体でマグネトロン放電発生用の磁気回路71が設置され
ている。25はバッキングプレートで全周にわたり環状
のスリットすなわち環状の溝75が形成されている。バ
ッキングプレート25にはターゲット6が固定される面
と反対の面の一部にガス導入用の小孔76が設けられ、
筒状溝75まで貫通され、ガス導入管73が接続されて
いる。ターゲット6のエロージョン領域77にはガス吹
き出し用の多数の小孔78が形成され、インジウムハン
ダ等でバッキングプレート25に固定されている。
【0008】次に動作について説明する。まず成膜室1
内を真空排気口64から真空ポンプ(図示せず)により
高真空(10-7Torr程度)になるまで排気する。つぎ
に、ガス導入管73から成膜室1内に放電ガス67を供
給する。放電ガス67はガス導入管73からガス導入用
の小孔76、バッキングプレート25に形成された筒状
の溝75、さらにターゲット6の複数の小孔78を通
り、ターゲット6のエロージョン領域77から成膜室1
内に供給される。一方、反応性ガス用導入管65により
反応性ガス68を成膜室1内に供給する。この時の成膜
室1内の圧力は10-3〜10-2Torr程度に保ち、それぞ
れのガス流量はガス流量制御器66により制御されてい
る。そして、電源70によりターゲット6を取り付けた
マグネトロンカソード69に負の電圧を印加し、マグネ
トロンカソード69内に設置された磁気回路71による
磁場と、電源70による電場との作用によって、ターゲ
ット6表面近傍にマグネトロン放電によるプラズマが発
生する。この従来例では、放電ガス67をターゲット6
のエロージョン領域77から成膜室1内に供給している
ため、ターゲット6近傍には主に放電ガス67が分布し
ており、ターゲット6の表面近傍で形成される、マグネ
トロン放電によるプラズマの発生に寄与するガスの大部
分が放電ガス67となる。一方、反応性ガス68はター
ゲット6近傍以外に分布しているため、ターゲット材と
反応してターゲット6表面に化合物を形成しにくく、タ
ーゲット6から放出されるスパッタ粒子11を妨げるも
のはない。したがって、このスパッタ粒子11は基板3
上で反応性ガス68と反応する際、基板3に形成される
化合物薄膜の形成速度が低下することなくスパッタリン
グを行うことができる。
【0009】また、さらに別の従来のスパッタリング式
成膜装置としては、例えば特開平4−318166号公
報に記載されたものがある。この第4の従来例による成
膜装置を図19によって説明する。図19はさらに別の
従来のスパッタリング式成膜装置の概略構成を示す断面
図である。上記スパッタリング式成膜装置は、成膜する
材料からなる直径380mmの円板状電極79と、それ
に対向し円板状電極79と同一直径で円板状電極79と
の距離が中心から140mmまでが32mm、半径14
0mmから180mmにかけて、32mmから26mm
までなめらかに変化するわん曲をもつ基板からなるわん
曲電極80を持っている。そして、上記円板状電極79
には5kWの高周波電源81が接続され、また、上記わ
ん曲電極80には500Wの高周波電源82が接続され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに構成された第1の従来例による成膜装置では、円筒
状ターゲット6の内部に放電を発生させてその内面をス
パッタリングする構造をとるため、大部分のスパッタ粒
子11の速度成分が基板3の方向には向いておらず、ま
たスパッタ粒子11は比較的高圧力下における拡散過程
により成膜室1へ流されるため基板3への指向性は悪
く、ターゲット6の利用効率も低い。したがって、この
スパッタ粒子11の指向性を基板3へ向けるためには、
大量のガスを導入しこのガスフローを利用することが必
要であった。このため、成膜室1の真空度は放電室10
における圧力と同等になり、従来の成膜装置では、成膜
された薄膜の膜質が低くなり易いという問題があった。
すなわち、上述したように圧力が比較的高い(成膜室1
内のアルゴン分子が多い)状態で成膜を行うと、基板表
面には1秒当たり例えば100万原子層分の気体分子
(アルゴン分子)が衝突し、その一部が薄膜表面に吸着
されて滞留することになる。そして、薄膜はこれらの気
体分子を取り込みながら形成されるため、結晶が緻密に
なり難く、膜質が低くなってしまう。
【0011】さらに、1Torr前後の圧力下におけるスパ
ッタ粒子11の平均自由行程は0.1mm程度であり、放
電室10からアルゴンガスとともに成膜室1へ流入する
スパッタ粒子は直ちにアルゴンガス中で超微粒子に凝縮
されるため、ターゲットから離れた基板3上への膜の堆
積速度は非常に遅くなるという問題があった。高い堆積
速度を得ようとすると、できる限り基板3をターゲット
6に近づけて設置する必要があるため、基板3は放電室
10で発生したプラズマにさらされることになり、基板
3に堆積した膜は、プラズマ中のイオンあるいは電子の
衝撃によるダメージを受けて膜質が低くなる。
【0012】さらに、第1の従来例による成膜装置に用
いた放電装置2は、特に高速の成膜速度を得ようとする
と放電圧力、印加電圧の変動によって放電がアーク放電
に移行するため、均一な放電を安定に発生させるための
放電圧力、放電電力の範囲に制約があった。すなわち、
放電が放電ガス導入部材12側に集中し易くなってしま
う。このため、ターゲット6からたたき出されるスパッ
タ粒子11の量が不安定になる。
【0013】また、第1の従来例による成膜装置では成
膜室1および放電ガス導入部材12を一方の電極として
いるため、成膜室1および放電ガス導入部材12でもス
パッタリングが生じ、成膜室1や放電ガス導入部材12
を構成する金属材料が不純物として薄膜中に混入すると
いう問題があった。
【0014】さらに、第2の従来例に示したスパッタリ
ング装置では、放電ガスを供給するためのパイプが放電
空間に晒されるため、このパイプがスパッタされて形成
された薄膜中に不純物として混入する恐れがある。同様
に、カソードの一部も放電空間に晒されるので、カソー
ドからのスパッタ粒子が薄膜中に不純物として混入す
る。
【0015】第3の従来例ではターゲット6表面にガス
供給用の複数の小孔78を設けているが、噴出後のガス
の拡散方向はターゲット表面に対して法線方向であり、
このため、放電ガスをターゲット表面に沿って均一に分
布させることが困難である。また、高密度のプラズマが
生成される位置は小孔78の近傍に限定され、ターゲッ
トのエロージョン領域もこの付近に限定されるので、タ
ーゲットの利用効率に問題があった。
【0016】第4の従来例では、基板周辺部の成膜速度
の向上を目的とし、ターゲットの周辺部を基板に近づけ
るためにターゲットの形状に凹凸を設けている。しかし
ながら、これは基板中央部と周辺部での成膜速度を均一
にすることが目的であり、基板全面にわたって成膜速度
を増大させる手段とはならない。
【0017】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、高品質の薄膜を安定に形成できるス
パッタリング式成膜装置を得ることを目的とする。さら
に、成膜速度を増大させることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るスパッタリング式成膜装置は、放電室内で放電によっ
てターゲットをスパッタリングし、成膜室内に設置され
た基板上にスパッタ粒子を堆積させるスパッタリング式
成膜装置において、上記放電室を誘電体で形成すると共
に放電室の上記基板との対向端面に小径な開口からなる
ノズルを有する誘電体製隔壁を備え、この誘電体製隔壁
と上記放電室内に配置されたターゲットを電極として放
電させてスパッタ粒子を発生させ、上記ノズルを通過し
たスパッタ粒子を上記基板に照射して薄膜を形成するよ
うに構成したものである。
【0019】請求項2記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、放電室内で放電によってターゲットを
スパッタリングし、成膜室内に設置された基板上にスパ
ッタ粒子を堆積させるスパッタリング式成膜装置におい
て、上記放電室側壁を誘電体で形成すると共に放電室の
上記基板との対向面に小径な開口からなるノズルを有し
上記ターゲットと同じ材質よりなる隔壁を備え、この隔
壁と上記ターゲットを電極として放電させてスパッタ粒
子を発生させ、上記ノズルを通過したスパッタ粒子を上
記基板に照射して薄膜を形成するように構成したもので
ある。
【0020】請求項3記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、上記請求項2記載のターゲットと同じ
材質で形成された隔壁のノズル先端部を上記ターゲット
よりスパッタリング率の小さい材質で形成したものであ
る。
【0021】請求項4記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、上記請求項1ないし3の何れかのもの
において、少なくとも放電ガスをターゲット表面に沿っ
た流れを与えつつターゲット表面近傍に供給する手段を
備えると共に、上記ガス供給手段のうち少なくとも放電
空間に晒される部分を上記ターゲットよりスパッタリン
グ率の小さい材質またはターゲットと同じ材質で形成し
たものである。
【0022】請求項5記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、上記請求項4記載の放電ガスの供給
は、ターゲットの外周部および中心部の少なくとも一方
から複数の小径な開口またはスリットを介して行うもの
である。
【0023】請求項6記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、請求項1ないし5記載のものにおい
て、放電室の側面外周部にスパッタリング用電極を配置
したものである。
【0024】請求項7記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置は、請求項1ないし5記載ものにおいて、
スパッタリング粒子がターゲットからノズルに向けて放
出されるようにターゲット中央部を凹ませたものであ
る。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明によれば、放電室を誘電体
で形成すると共に放電室の基板との対向端面に小径な開
口からなるノズルを有する誘電体製隔壁を備え、この誘
電体製隔壁と上記放電室内に配置されたターゲットを電
極として放電させてスパッタ粒子を発生させ、上記ノズ
ルを通過したスパッタ粒子を上記基板に照射して薄膜を
形成するように構成したので、放電室内に供給された放
電ガスは放電室から成膜室に流れ込み難くなるから、放
電室の圧力を放電が発生するために必要な圧力に高める
に当たり、放電ガスの流量を従来の装置より低減でき
る。また、基板は放電空間にに晒されず、基板の設置さ
れた成膜室の真空度も向上されるので、不純物や異物の
少ない良質な薄膜を形成することができる。さらに、こ
の隔壁の成膜室側に金属製電極を設置し隔壁とともに誘
電体電極を形成したので、誘電体を介した電極とターゲ
ットとの間で放電が発生して、ターゲットの表面全域に
わたる広い範囲でスパッタリングのための放電が均一に
しかも安定して発生するようになるから、長時間にわた
り安定に動作可能であると共にターゲットの利用効率も
向上する。したがって、結晶が緻密な薄膜を形成するこ
とに加え、放電が局所に集中するのを防止して広い放電
室圧力範囲、印加電圧範囲で均一な放電を安定に発生さ
せることができるので、ターゲットからのスパッタ粒子
発生数が安定して薄膜を均質に形成できる。
【0026】請求項2記載の発明によれば、放電室側壁
を誘電体で形成すると共に放電室の上記基板との対向面
に小径な開口からなるノズルを有しターゲットと同じ材
質よりなる隔壁を備え、この隔壁と上記ターゲットを電
極として放電させてスパッタ粒子を発生させ、上記ノズ
ルを通過したスパッタ粒子を上記基板に照射して薄膜を
形成するように構成したので、請求項1記載の発明と同
様に放電室の圧力を放電が発生するために必要な圧力に
高めるに当たり、放電ガスの流量を従来の装置より低減
できる。また、基板は放電空間に晒されず、基板の設置
された成膜室の真空度も向上されるので、不純物や異物
の少ない良質な薄膜を形成することができる。さらに、
隔壁の材料もターゲットと同じであるため隔壁からも成
膜したい材料のスパッタ粒子が得られるので、スパッタ
粒子の量が増加し成膜速度が増大する。
【0027】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載のターゲットと同じ材質で形成された隔壁のノズ
ル先端部を上記ターゲットよりスパッタリング率の小さ
い材質で形成したので、隔壁からは成膜したい材料のス
パッタ粒子が得られる一方で、長時間の作動においても
ノズル形状の変化が見られないので、成膜速度が増大す
ると共に長時間にわたり安定に動作することが可能であ
る。したがって、成膜速度を速めるとともに、均質な薄
膜を形成できるようになる。
【0028】請求項4記載の発明によれば、少なくとも
放電ガスをターゲット表面に沿った流れを与えつつター
ゲット表面近傍に供給する手段を備えると共に、上記ガ
ス供給手段のうち少なくとも放電空間に晒される部分を
上記ターゲットよりスパッタリング率の小さい材質また
はターゲットと同じ材質で形成したので、ターゲット表
面付近では局所的にガス粒子数が多くなると共に粒子の
分布は一様であるからから、ターゲット6表面に高密度
で一様なプラズマが生成され成膜速度の増加とともにタ
ーゲット利用効率の向上がはかれる。また、放電空間に
晒される部分をターゲットよりスパッタリング率の小さ
い材質またはターゲットと同じ材質で形成したので、ス
パッタリングされにくい、またはスパッタリングされて
ターゲットと同じスパッタ粒子が放出されるので、膜中
に不純物が混入することもない。
【0029】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の放電ガスの供給は、ターゲットの外周部および
中心部の少なくとも一方から複数の小径な開口またはス
リットを介して行うので、放電ガスをターゲット表面全
域にわたり一様に供給できると共にターゲット表面では
局所的にガス粒子数が多くなるので、ターゲット6表面
に高密度で一様なプラズマが生成され、成膜速度の増加
とターゲット利用効率の向上が図れる。
【0030】請求項6記載の発明によれば、放電室の側
面外周部にスパッタリング用電極を配置したので、放電
室の側面部分も誘電体電極として機能し、放電室側壁の
内壁に付着したスパッタ粒子は再スパッタリングによっ
て再度放電空間に放出されるため、内壁に堆積したター
ゲット材は数百〜数千オングストローム程度の膜厚以上
は堆積しない。さらに、放電室の内壁にターゲット材料
が付着することで放電室を構成する誘電体がスパッタさ
れることはない。したがって、均質で不純物混入のない
良質な薄膜を形成することが可能である。
【0031】請求項7記載の発明によれば、スパッタリ
ング粒子がターゲットからノズルに向けて放出されるよ
うにターゲット中央部を凹ませたので、ノズルを通過す
るターゲット粒子の量を増大させて成膜速度を速めるこ
とができる。
【0032】
【実施例】
実施例1.以下、請求項1記載の発明の一実施例を図
1、2をもとに詳細に説明する。図1は請求項1記載の
発明の一実施例によるスパッタリング式成膜装置の概略
構成を示す断面図である。同図において、上記図14〜
図19で説明したものと同一もしくは同等部材について
は、同一符号を付し詳細な説明は省略する。図1におい
て、放電装置2は例えば石英ガラスで構成された誘電体
製放電室側壁5と放電室側壁5の上端開口部に設置され
た例えば石英ガラスで構成された誘電体製ノズル付隔壁
7、および上記放電室側壁5の下端開口部に設けられた
蓋部材15により形成される放電室10、放電室10内
に設置されたターゲット6、並びに例えばステンレス鋼
で構成された金属製水冷式ターゲットホルダー8により
構成される。蓋部材15は、ターゲット6およびターゲ
ットホルダー8と成膜室1とが電気的に導通されないよ
うな構造となっている。ここでは、放電室側壁5と隔壁
7は石英を溶着し、一体化したものを使用している。な
お放電室側壁5の構成材料としては、上記石英の他にア
ルミナ、ジルコニア、チタニアなどのセラミックや耐熱
性の高いガラスを使用することができる。そして、ノズ
ル付隔壁7の成膜室1側の表面には隔壁7のノズルより
も数mm程度大きな開口径を持った金属製電極13が設置
され、ノズル付隔壁7とともに誘電体電極を構成してい
る。これらノズル7および電極13の開口部は放電室1
0の中心部(ターゲット6の中心部)と対応するよう形
成されている。
【0033】なお、図1では誘電体電極の構成としてノ
ズル付隔壁7を石英ガラスで形成し、その上面に金属製
電極13を設置する方法を示したが、この他にも例え
ば、図2に示す放電装置の断面図のように、金属製電極
13の表面に誘電体材料17をコーティングしたものを
誘電体電極として使用することもできる。
【0034】次に、このように構成された成膜装置によ
って基板3に薄膜を形成する手順について説明する。ま
ず、成膜室1内に基板3を装着し、真空排気装置4によ
って成膜室1内および放電室10内を高真空となるよう
に減圧させる。その後、放電装置内で放電を発生させる
ための放電ガスとしてのアルゴンガスを放電装置のガス
導入口12から放電室10内に導入する。このとき、放
電室10と成膜室1とはノズルを介して連通しているだ
けであり、放電ガスは放電室10から成膜室1に流れ込
み難くなる関係から、放電室10の圧力は成膜室1の圧
力より高く保たれる。そして、ノズルから図1中に破線
矢印で示すような範囲に比較的高速な放電ガスの流れが
生じる。例えばノズルの内径が30mm、ノズル長さが3
mm、放電ガスの流量が25cc/min.、真空排気装置の排
気流量が2000l/sである場合には、放電室10の圧
力が10-2Torrであるのに対して成膜室1の圧力は10
-4Torrになる。このような場合、1秒当たりに基板3の
表面に衝突する気体粒子数を100原子層分にまで低下
させることができる。このように放電ガスを放電室10
に導入した後、真空排気装置4による排気を継続させな
がら放電を起こさせる。この放電はターゲット6と、圧
力隔壁を兼ねた誘電体電極のうちいずれか一方をアース
電位に接続し、他方に周波数が1MHz〜10数MHz
の交流電圧を印加することによって発生する。なお、タ
ーゲット6の表面と誘電体電極の放電室内壁面との距離
は例えば30mmとした。
【0035】上記のように構成された放電装置では、誘
電体隔壁7を介して電極13とターゲット6との間で放
電が発生する。このとき、放電室10には無声放電が発
生し、放電で発生した電荷がターゲット6と電極13と
の間に介在する石英ガラス製の放電室側壁7に到達する
と、この表面に電荷が滞留し逆電界を形成して放電が停
止するようになる。したがって、微細なパルス放電が連
続して放電室10の略全域に起こることになり、放電の
局所集中が防止される。すなわち、ターゲット6の表面
全域にわたる広い範囲でスパッタリングのための放電が
均一にしかも安定して発生するようになる。そして、こ
の放電で発生したガスイオンによってターゲット6から
たたき出されたスパッタ粒子11は、スパッタリングさ
れたときの運動エネルギーと、放電室10と成膜室1間
の圧力差から与えられる運動エネルギーとによってノズ
ルを通過して成膜室1内に放出される。このとき、スパ
ッタ粒子11は基板3の方向に強い指向性をもって放出
されることになる。このように、ノズルを通過して強い
指向性をもって成膜室1に放出されたスパッタ粒子11
が基板3上に堆積して、薄膜が形成されることになる。
【0036】よって上述のように構成された請求項1記
載の発明による成膜装置では、放電室10と成膜室1と
の間に隔壁7を設けることによって放電ガスが放電室1
0から成膜室1に流れ込み難くなるから、放電室10内
部の圧力を放電が発生するために必要な圧力に高めるに
当たり、従来の装置に比較して放電ガスの流量を低減で
きる。さらに、成膜室1の真空度が従来装置に比べ3〜
4桁程度向上し、基板3の表面に衝突する気体分子の数
量を大幅に低減できるので、生成された膜の結晶性が改
善され膜質の著しい劣化を防ぐことができる。これに加
え、放電室10を構成している壁は低スパッタリング率
の誘電体である例えば石英で形成されているので、放電
室10内で放電空間に直接晒されているのはターゲット
6と石英のみとなるからターゲット材料以外のスパッタ
粒子は生じない。
【0037】実施例2.次に、請求項2記載の発明の一
実施例を図3をもとに詳細に説明する。図3は請求項2
記載の発明の一実施例によるスパッタリング式成膜装置
の概略構成を示す断面図である。同図において上記図1
および図2で説明したものと同一または同等部材につい
ては、同一符号を付し詳細な説明は省略する。図3にお
ける放電装置は、誘電体、例えば石英ガラス製の放電室
側壁5と、放電室側壁5の上端開口部に固着されたター
ゲット材料と同じ材質からなる隔壁18、および下端開
口部に設けられた蓋部材15で形成される放電室10、
放電室10内部に設置されたターゲット6、並びに水冷
式ターゲットホルダー8から構成されている。蓋部材1
5は、ターゲット6およびターゲットホルダー8と成膜
室1とが電気的に導通されないような構造となってい
る。隔壁18にはターゲット6の軸心と対応する位置に
小径な開口からなるノズル19が形成されている。スパ
ッタリングのための放電は、ターゲット6と隔壁18の
うちいずれか一方をアース電位に接続し、他方に数MH
z〜十数MHz程度の交流電圧を印加することによって
発生させる。ターゲット6が導電性材料である場合には
直流電圧であってもよい。なお、この放電装置は、隔壁
18のノズル19を基板3に対向させて成膜室1内に位
置決め固定されている。
【0038】このように構成された成膜装置では、放電
室10と成膜室1との間にノズル19を有する隔壁18
を設けたことにより、放電室10の圧力を放電が発生す
るために必要な圧力に高めるに当たり、放電ガスの流量
を従来の装置より低減することができる。さらに、放電
室10を形成する壁をターゲット6、石英からなる放電
室側壁壁5、およびターゲットと同じ材質で形成された
隔壁18により構成しているので、放電室10内におい
て放電空間に直接晒されているのはターゲット6と低ス
パッタリング材料である石英製部材のみとなる。したが
って実施例1と同様にターゲット材料以外のスパッタ粒
子は発生せず、薄膜中への不純物混入の可能性は少な
い。また、隔壁18からもターゲット材料のスパッタ粒
子がたたき出されるためスパッタ粒子の発生数が増大
し、その結果として成膜速度が増す。
【0039】実施例3.次に、請求項3記載の発明の一
実施例を図4をもとに詳細に説明する。図4は請求項3
記載の発明の一実施例によるるスパッタリング式成膜装
置の概略構成を示す断面図である。図4における放電装
置は上記図3で示されたスパッタリング式成膜装置と同
様に、誘電体、例えば石英ガラス製の放電室側壁5と、
ターゲットと同じ材質で形成され放電室側壁5の上端開
口部に固着された隔壁18、および下端開口部に設けら
れた蓋部材15で形成される放電室10、放電室10内
部に設置されたターゲット6、並びに水冷式ターゲット
ホルダー8から構成されている。蓋部材15は、ターゲ
ット6およびターゲットホルダー8と成膜室1とが電気
的に導通されないような構造となっている。さらに、こ
の例では、図3と同様にターゲット材料と同じ材質で形
成された隔壁18のノズル先端部を、石英ガラス等のタ
ーゲットよりスパッタリング率の低い材料21で形成し
ている。隔壁18、および低スパッタリング率の材料で
形成されたそのノズル先端部分21は、ターゲット6の
軸心と対応する位置に設置されている。また、この放電
装置は、隔壁18のノズル21を基板3に対向させて成
膜室1内に位置決め固定されている。
【0040】このように構成された成膜装置によれば、
上記図3のスパッタリング式成膜装置と同様に、放電室
10の圧力を放電が発生するために必要な圧力に高める
に当たり、放電ガスの流量を従来の装置より低減でき
る。また、放電室10内において放電空間に直接晒され
ているのはターゲット6と、低スパッタリング率の材料
で形成された放電室内壁面5と、ノズルのみであるから
ターゲット材料以外のスパッタ粒子の発生を抑えること
ができる。さらに、ノズル先端部21は低スパッタリン
グ率の材料で形成されており、スパッタリングによって
ノズルの形状が変化して放電状態が変化したり、ノズル
前後での差圧維持が困難になるといったような恐れがな
いので、長時間にわたり安定に動作させることができる
放電装置が得られる。
【0041】実施例4.次に、請求項4記載の発明の一
実施例を図5をもとに詳細に説明する。図5は請求項4
記載の発明の一実施例によるスパッタリング式成膜装置
の概略構成を示す断面図である。図5に示す放電装置
は、上記請求項1〜3記載の発明に係わるスパッタリン
グ式成膜装置において、放電ガスをターゲット6の表面
近傍に供給するための放電ガス供給パイプ23が、放電
室10内部に設置されている。放電ガス供給パイプ23
は、放電装置2を成膜室1とは電気的に絶縁し、かつ成
膜室1に支持固定するための蓋部材15を介して放電室
10の内部に貫通固着されている。そして、この放電ガ
ス供給パイプ23は、放電室10内部で放電ガスにター
ゲット6の表面近傍に沿った流れが与えられるように噴
出口をターゲット6の表面に概ね平行な方向に向けて設
置されている。第2の従来例で説明した特開平5−24
3155号公報で類似のガス供給構造が示されている
が、この従来例では放電ガスを供給するためのパイプが
放電空間に晒されるため、このパイプがスパッタされて
形成された薄膜中に不純物として混入する恐れがあっ
た。これに対し、この発明ではターゲット材料以外のス
パッタ粒子の発生を抑えて膜中への不純物混入を防止す
るため、パイプ23は低スパッタリング率の材料、例え
ばアルミナや石英などで形成するか、あるいはターゲッ
トと同じ材質で形成する。
【0042】このように構成された成膜装置によれば、
図1〜4で示した上記実施例1〜3と同等の効果が得ら
れると共に、放電ガス供給パイプ23によりターゲット
6の表面付近では一様にガス粒子数が多くなるから、タ
ーゲット表面に高密度プラズマが発生して、ターゲット
6をスパッタするガスイオンが増加し成膜速度が増大す
る。したがって、スパッタ粒子の量を増大させることが
できるから、成膜速度を速めることができる。また、放
電空間に晒される部分をターゲットよりスパッタリング
率の小さい材質またはターゲットと同じ材質で形成した
ので、膜中に不純物が混入することもない。
【0043】なお、放電ガス供給パイプ23の配置は例
えばターゲット6の外端部に等間隔に複数個配置すれ
ば、ターゲット表面でのガス粒子の分布が均一になって
ターゲット6が一様にスパッタされるため、ターゲット
6の利用効率が上昇する。
【0044】実施例5.次に、請求項5記載の発明の一
実施例を図6をもとに詳細に説明する。図6は請求項5
記載の発明の一実施例によるスパッタリング式成膜装置
の概略構成を示す断面図である。図6における放電装置
は、石英ガラス製の放電室側壁5と、放電室側壁5の上
端開口部に設置されたノズル付隔壁7と、放電室側壁5
の下端開口部に設けた蓋部材15とにより形成される放
電室10、放電室10内に設置されたターゲット6、お
よび水冷式ターゲットホルダー26により構成される。
なお、蓋部材15は、ターゲット6およびターゲットホ
ルダー26と成膜室1とが電気的に導通されないような
構造となっている。そして、隔壁7の成膜室1側の表面
には、隔壁のノズルよりも数mm程度大きな開口径を持っ
た金属製電極13が設置され、隔壁7とともに誘電体電
極部を構成している。これらノズルおよび電極13の開
口部は放電室10の中心部(ターゲット6の中心部)と
対応するよう形成されている。さらに、ターゲット6が
設置されているバッキングプレート25と一体化された
水冷式ターゲットホルダー26により、ターゲット給電
用の電極27が構成されている。この電極27には、そ
の中心部に水冷用中空部の直下までガス供給穴28が開
けられており、供給穴28はこの位置で、電極27の側
面からその中心方向に向けて複数個開けられたガス噴出
用トンネル29と接続されている。また、ターゲット給
電用電極27の外周部には、ガス噴出用トンネル29を
通過した放電ガスをターゲット6表面に向けて供給する
ため、ターゲット給電用電極27との間にわずかな間
隙、具体的には0.5〜5mmの間隙を形成するように円
筒状の電極カバー30が設けられている。さらに電極カ
バー30の上部には、ターゲット給電用電極27と電極
カバー30との間隙を通過した放電ガスの流れの方向が
ターゲット表面に沿う方向に変換されるようにターゲッ
トカバー31が設置されている。第2の従来例で説明し
た特開平5−243115号公報のものと比較して、こ
の発明では電極カバー30とターゲット6の間隙を精密
に設定することにより、放電ガスがターゲット表面に沿
って概ね平行な方向に噴出される。
【0045】このように構成された成膜装置によれば、
上記図1〜図5に示した実施例と同様に、放電室の圧力
を放電が発生するために必要な圧力に高めるに当たり、
放電ガスの流量を従来の装置に比べ低減することができ
る。また、電極カバー30とターゲットカバー31は、
前述のように放電ガスの供給経路を形成しているだけで
はなく、バッキングプレート25および水冷式ターゲッ
トホルダー26から構成されるターゲット給電電極27
が、直接放電空間に晒されることを防止するシールドの
機能をも有する。したがって、放電室10内部で直接放
電空間に晒されているのはターゲット6と低スパッタリ
ング率の石英ガラス製の放電室内壁5とターゲットカバ
ー31のみであるから、ターゲットカバー31を低スパ
ッタリング率の材料またはターゲット6と同質の材料で
形成すればターゲット材料以外のスパッタ粒子の発生を
抑えることができ、不純物混入の恐れはない。また、ガ
ス供給穴28から放電室10内に供給される放電ガス
は、水冷式ターゲットホルダー26内でガス噴出用トン
ネル29によって、その流れの方向をジャケットの軸方
向から半径方向に変換されて放射状に拡散された後、さ
らに電極カバー30、ターゲットカバー31を介してタ
ーゲット6外周部より一様にターゲット6表面に沿って
平行な方向に向けて供給されるので、ターゲット6表面
では局所的にガス粒子数が多くなるとともに粒子の分布
は一様であるから、ターゲット6表面に高密度で一様な
プラズマが生成され成膜速度の増加とともにターゲット
利用効率の向上がはかれる。
【0046】実施例6.次に、請求項5記載の発明の他
の実施例を図7をもとに詳細に説明する。図7は請求項
5記載の発明の他の実施例によるスパッタリング式成膜
装置の概略構成を示す断面図である。図7において、3
4は中心部に、低スパッタリング率の材料、例えば石英
ガラスで形成されたガス噴出用ノズル33を設けるため
に小径な開口を有するリング状ターゲットである。上記
図6で示された実施例と同様に、中心部に小径な開口を
有しリング状ターゲット34が設置されたバッキングプ
レート35と、このバッキングプレート35と一体化さ
れ、中心部に放電ガス供給用穴36の開けられた水冷式
ターゲットホルダー37により、ターゲット給電用の電
極38が構成されている。さらに、この電極の外周部を
覆うように円筒状のシールド39が設置されている。
【0047】水冷式ターゲットホルダー37の中心部の
開口より導入された放電ガスは、バッキングプレート3
5の開口を経由してガス噴出用ノズル33まで導かれ
る。このノズル33は低スパッタリング率の石英ガラス
製で一端が閉塞された円筒形状になっており、その側面
にはターゲット表面に対して概ね平行な方向に放電ガス
を噴出し、放射状にガスを供給できるよう複数のノズル
が形成されている。
【0048】このように構成された成膜装置によれば、
上記図1〜図6に示した実施例と同様に、放電室の圧力
を放電が発生するために必要な圧力に高めるに当たり、
放電ガスの流量を従来の装置に比べ低減することができ
る。また、ターゲット給電用電極38を覆うようにシー
ルド39が設置されているため、放電室10内部で直接
放電空間に晒されているのはターゲット34、石英ガラ
ス製の放電室内壁5、シールド39、およびガス噴出用
ノズル33であるから、ガス噴出用ノズル33とシール
ド39を低スパッタリング率の材料で形成すれば、ター
ゲット材料以外のスパッタ粒子の発生を抑えることがで
きる。
【0049】図16〜18で示した第3の従来の技術と
して、特開平5−65642号公報で提案されているタ
ーゲット表面にガス供給穴を設けた構造では、噴出後の
ガスの拡散方向はターゲット表面に対して法線方向であ
り、放電ガスをターゲット表面に沿って均一に分布させ
ることが困難であった。また、高密度のプラズマが生成
される位置は小孔78の近傍に限定され、ターゲットの
エロージョン領域もこの付近に限定されるので、ターゲ
ットの利用効率に問題があった。しかしながらこの実施
例におけるガス供給穴36から放電室10内に供給され
る放電ガスは、ガス噴出用ノズル33により、その流れ
の方向をターゲットホルダーの軸方向から半径方向に変
換されて、ターゲット中心部よりターゲット表面へ放射
状に供給されるので、ターゲット表面では局所的にガス
粒子数が多くなるとともに粒子の分布は一様であるか
ら、ターゲット表面に高密度で一様なプラズマが生成さ
れ成膜速度の増加とともにターゲット利用効率の向上が
はかれる。
【0050】なお、この例ではターゲット34中心部か
ら複数の小径な開口33を介してターゲット表面近傍に
沿った流れを与えつつ放電ガスをターゲット表面近傍に
供給する場合について示したが、複数の小径な開口33
はスリットであってもよく、同様の効果が得られる。
【0051】実施例7.請求項5記載の発明のさらに他
の実施例について説明する。上記図7で示した実施例に
おいては、ガス噴出用ノズル33およびシールド39は
スパッタリング率の低い材料で形成されているが、この
ノズル33およびシールド39をターゲット6、34材
料と同じ材質で形成してもよい。このように構成するこ
とにより、上記図7で示された実施例と同等の効果が得
られるとともに、スパッタされるターゲットの表面積が
増加するので、成膜速度のさらなる増大をはかることが
できる。
【0052】実施例8.請求項5記載の発明のさらに他
の実施例について説明する。上記実施例4〜7で示した
放電装置は、放電室10と成膜室1とを分離する隔壁7
として小径な開口からなるノズルを有した石英ガラス板
を使用しているが、上記実施例2および3の図3および
4で示した様にターゲット6、34材料と同じ材質で形
成された隔壁18を有する放電装置に適用しても同等の
効果が得られる。
【0053】この場合、スパッタリングのための放電
は、ターゲット6、34と隔壁18のうちいずれか一方
をアース電位に接続し、他方に数MHz〜十数MHz程
度の交流電圧を印加することによって発生させる。スパ
ッタ粒子はターゲット6と隔壁18の双方から発生する
ため、スパッタ粒子が増加し成膜速度の増大をはかるこ
とができる。
【0054】実施例9.請求項5記載の発明のさらに他
の実施例について説明する。図8に示すように、請求項
1または2記載の発明に係わるスパッタリング式成膜装
置において、ターゲット34の外周部および中心部の両
方から放電ガスを供給する、すなわち図6と7で示され
た放電ガスの供給方法を組み合せた放電装置を使用する
ことができる。図8に示された放電装置は、上記図6で
示された実施例と同様に、リング状ターゲット34が設
置され、中心部に小径な開口を有するバッキングプレー
ト35と一体化され、中心部に放電ガス供給用穴36が
開けられた水冷式ターゲットホルダー41により、ター
ゲット給電用の電極が構成されている。さらに、この電
極には、その中心部に、水冷のための中空部の直下まで
ガス供給穴36が開けられており、供給穴36はこの位
置で、ターゲット給電用電極の側面からその中心方向に
向けて複数個開けられたガス噴出用トンネル29と接続
されている。さらに、水冷式ターゲットホルダー41の
外周部には、ガス噴出用トンネル29を通過した放電ガ
スをターゲット表面に向けて供給するため、水冷式ター
ゲットホルダー41との間にわずかな間隙を形成するよ
うに円筒状の電極カバー30が設けられている。電極カ
バー30の上部には、水冷式ターゲットホルダー41と
電極カバー30との間隙を通過した放電ガスの流れの方
向がターゲット表面に変換されるようにターゲットカバ
ー31が設置されている。
【0055】水冷式ターゲットホルダー41の中心部の
開口より導入された放電ガスは、バッキングプレート3
5の開口を経由してガス噴出用ノズル33まで導かれ
る。ここで、ターゲットホルダー41の開口より導入さ
れたガスは、その流れがジャケットの軸方向を向いてい
るため、ガス噴出用トンネル29にも放電ガスが供給さ
れるよう、軸方向への流れを制限するゲート43が設置
されている。このゲート43を通過した放電ガスがノズ
ル33に導入される。ノズル33は低スパッタリング率
の石英ガラス製で一端が閉塞された円筒形状になってお
り、その側面にはターゲット表面に向けて放射状に放電
ガスを供給できるよう複数の小径なノズルが形成されて
いる。
【0056】このように構成された成膜装置によれば、
上記実施例5および6に示された2通りの放電ガス供給
法を組み合せているので、上記実施例5、6と同様の効
果が得られると共に、ターゲット表面におけるガス粒子
の分布をより均一にできることからターゲット利用効率
をさらに上げることが可能となる。また、上記実施例7
や8に示されたようにノズル33や隔壁7をターゲット
6、34と同じ材質で形成してもよく、さらに成膜速度
を高めることが可能となる。
【0057】実施例10.次に、請求項6記載の発明の
一実施例を図9をもとに詳細に説明する。図9は請求項
6記載の発明の一実施例によるスパッタリング式成膜装
置の概略構成を示す断面図で、同図に示した放電装置
は、図1に示したスパッタリング式成膜装置において、
放電室10の側面5を形成している石英ガラスの外周壁
面を包み込むような形状で形成された金属製電極45が
設置されているものである。この金属製電極45は、タ
ーゲット6および隔壁7のノズル直径よりも数mm程
度、具体的には2〜15mm程度大きな開口直径を有
し、隔壁7と放電室側壁5を包み込むように連続して形
成されている。
【0058】このように構成された成膜装置によれば、
図9に矢印で示された方向に放電を発生させることによ
って放電室の側面5部分も誘電体電極として機能し、放
電室側壁5の内壁に付着したスパッタ粒子は再スパッタ
リングによって再度放電空間に放出されるため、内壁に
堆積したターゲット材は数百〜数千オングストローム程
度の膜厚以上は堆積しない。さらに、放電室の内壁にタ
ーゲット材料が付着することで放電室を構成する誘電体
がスパッタされることはない。したがって、均質で不純
物混入のない良質な薄膜を形成することが可能である。
また、基板上に到達するターゲット粒子数をさらに増加
させることができ、成膜速度が増大するとともにターゲ
ット6の利用効率が向上する。
【0059】実施例11.図10は請求項6記載の発明
の他の実施例によるスパッタリング式成膜装置の概略構
成を示す断面図であり、同図に示した放電装置は、図1
に示したスパッタリング式成膜装置において、誘電体製
隔壁7の成膜室1側の表面に取り付けられた金属製電極
13に加えて、放電室側壁の石英ガラス5の外周壁面に
も金属製電極47が設けられているものである。このよ
うに、放電装置の金属電極を形成するに当たり、図10
に示すように隔壁7の上面と、放電室側壁5の外周部と
に2種類の電極13、47を配置することができる。
【0060】このように構成された放電装置では、電極
13と電極47を同電位として、これら2つの電極とタ
ーゲットのうちいずれか一方をアース電位とし、他方に
高周波電圧を印加して電極とターゲットの間で放電を発
生させることも、あるいは図10に矢印で示すように電
極13と電極47のうちいずれか一方をアース電位と
し、他方に高周波電圧を印加して両電極間で放電を発生
させることも可能であり、上記実施例10の場合と同様
の効果が得られる。
【0061】実施例12.請求項6記載の発明のさらに
他の実施例について説明する。上記図9で示した放電装
置は、ターゲット6に通電して放電を発生させる構造を
とっていたが、図11に示すようにターゲット6に通電
せずに放電を発生させることも可能である。図におい
て、49、50は誘電体製の放電室側壁5にその外周部
を取り巻くような帯状に形成され、放電室10の軸方向
に間隔をおいて設置された金属製電極であり、2つの電
極49、50のうち一方をアース電位にされ、他方に高
周波電圧が印加される構造になっている。このように構
成しても、放電室10内に無声放電を発生させて放電室
10内に設置されたターゲット6をスパッタできるか
ら、上記図10に示した実施例と同等の効果が得られ
る。
【0062】さらに、このような電極構成にした場合、
電極49と50の間隙で誘電体を介した沿面放電により
放電が発生するので、ターゲット6と電極との間で放電
を発生させる放電装置よりもさらに低圧力域での動作が
可能となる。したがって放電室10の圧力を放電を発生
させるために必要な圧力に高めるに当たり、放電ガスの
流量をさらに低減することができるので、成膜室の真空
度は一定に保ちながら隔壁7に設けられたノズルの径を
拡げることができる。これにより、スパッタ粒子のノズ
ル透過率が上昇するので成膜速度を増加させることが可
能であり、かつ成膜領域を拡大することもできる。
【0063】実施例13.請求項6記載の発明のさらに
他の実施例について説明する。上記実施例12で示され
た成膜装置は、成膜室1と放電室10を分離するための
ノズル付隔壁7が低スパッタリング率の材料である例え
ば石英ガラスで形成されていたが、図3に示したように
このノズル付隔壁7をターゲット材料と同じ材質で形成
することもでき、さらに図4に示したようにこの隔壁の
ノズル部のみを低スパッタリング率の材料で形成するこ
とも可能である。
【0064】このように構成された成膜装置では、上記
実施例12で示された成膜装置と同等の効果が得られる
とともに、隔壁からもスパッタ粒子が発生するため、さ
らに成膜速度を速めることができる。
【0065】実施例14.次に、請求項7記載の発明の
一実施例によるスパッタリング式成膜装置を図12
(a)(b)をもとに詳細に説明する。請求項7記載の
発明に係わるスパッタリング式成膜装置は、成膜速度を
速めるために、上述の各実施例で示された放電装置にお
いて放電室10内でターゲット6よりスパッタされたス
パッタ粒子のうち、成膜室1と放電室10とを分離する
隔壁に設けられたノズルを通過する粒子の数を増大でき
るよう、図12(a)(b)にそれぞれ斜視図および断
面図で示すようにターゲット中央部に凹部を設けたもの
である。すなわち、円盤状のターゲット6の放電空間に
晒される上面部分に円錐状の凹部6aが設けられてい
る。なお、ターゲット6以外の部材は上記各実施例で示
された放電装置と同等に形成されている。
【0066】一般に、ターゲット6表面に入射したガス
イオンによってスパッタされるターゲット粒子は、ター
ゲット6表面の法線方向にたたき出される確率が最も高
いので、この例のようにターゲット6に傾斜角度が適正
化された円錐状の凹部6aを設けることにより、ターゲ
ット表面全域からスパッタされるスパッタ粒子の飛翔方
向をノズルに向けることが可能となる。このようなター
ゲットの形状としては、従来例4として特開平4−32
8166号公報に類似のものが示されている。この従来
例4は、基板周辺部での成膜速度増大を目的としたもの
であるのに対し、この発明ではスパッタ粒子のノズル通
過率を向上させ、基板全面での成膜速度増大を図ってい
ることが特徴である。さらに、ターゲット6を上記図1
2のような構造にすると、放電空間に晒される表面積が
増加するので、ガスイオンにスパッタされるスパッタ粒
子の数が増加し、スパッタ粒子のノズル透過率も向上さ
れるため、成膜速度をさらに速めることができる。
【0067】実施例15.請求項7記載の発明の他の実
施例について説明する。上記図12(a)(b)ではタ
ーゲット6の上面に円錐状の凹部6aを設けた例を示し
たが、図13(a)(b)に示すようにターゲット6に
円錐台状の凹部6bを形成することもできる。
【0068】前述したように、大半のスパッタ粒子の飛
翔方向はターゲット6表面の法線方向に一致するため、
ターゲット6表面で、隔壁に設けられたノズルの径より
も小さい面内からたたき出されたスパッタ粒子は、ター
ゲット6表面が平坦であってもノズルを通過する。よっ
て、本実施例ではターゲット6表面のノズル径よりも小
さな領域を平坦とし、ノズル径よりも大きい外端部に傾
斜を設けた円錐台状の凹部6bを形成し、スパッタ粒子
のノズル透過率の向上を可能にしている。このような形
状をしたターゲットを用いても、上記実施例14で示さ
れた成膜装置と同等の効果が得られる。
【0069】実施例16.上記図1〜図13に示した各
実施例ではスパッタリング率の低い誘電体として石英ガ
ラスを用いたが、低スパッタリング率材料であるアルミ
ナ、窒化珪素などの酸化物誘電体あるいは窒化物誘電体
を用いても同等の効果が得られる。
【0070】実施例17.さらに、上記各実施例では放
電ガスとしてアルゴンガスを考えたが、ガスの種類はこ
れに限定されるものではない。放電ガスとして酸素、窒
素等の反応性ガスを適用すると、放電室内においてスパ
ッタ材料の酸化反応あるいは窒化反応を促進させなが
ら、酸化物薄膜あるいは窒化物薄膜を形成できる。さら
に、ガス供給穴を成膜室1にも設け、放電維持用のアル
ゴンガスを放電室10に供給し、反応用の酸素、窒素ガ
スを成膜室1のガス供給穴から導入すると、ターゲット
6表面の反応の抑制と、形成する薄膜の酸化あるいは窒
化の促進の両方を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、放電室を誘電体で形成すると共に放電室の基板と
の対向端面に小径な開口からなるノズルを有する誘電体
製隔壁を備え、この誘電体製隔壁と上記放電室内に配置
されたターゲットを電極として放電させてスパッタ粒子
を発生させ、上記ノズルを通過したスパッタ粒子を上記
基板に照射して薄膜を形成するように構成したので、放
電室内に供給された放電ガスは放電室から成膜室に流れ
込み難くなるから、放電室の圧力を放電が発生するため
に必要な圧力に高めるに当たり、放電ガスの流量を従来
の装置より低減できる。また、基板は放電空間にに晒さ
れず、基板の設置された成膜室の真空度も向上されるの
で、不純物や異物の少ない良質な薄膜を形成することが
できる。さらに、この隔壁の成膜室側に金属製電極を設
置し隔壁とともに誘電体電極を形成したので、誘電体を
介した電極とターゲットとの間で放電が発生して、ター
ゲットの表面全域にわたる広い範囲でスパッタリングの
ための放電が均一にしかも安定して発生するようになる
から、長時間にわたり安定に動作可能である。したがっ
て、結晶が緻密な薄膜を形成することに加え、放電が局
所に集中するのを防止して広い放電室圧力範囲、印加電
圧範囲で均一な放電を安定に発生させることができるの
で、ターゲットからのスパッタ粒子発生数が安定して薄
膜を均質に形成できる。
【0072】請求項2記載の発明によれば、放電室側壁
を誘電体で形成すると共に放電室の上記基板との対向面
に小径な開口からなるノズルを有しターゲットと同じ材
質よりなる隔壁を備え、この隔壁と上記ターゲットを電
極として放電させてスパッタ粒子を発生させ、上記ノズ
ルを通過したスパッタ粒子を上記基板に照射して薄膜を
形成するように構成したので、請求項1記載の発明と同
様に放電室の圧力を放電が発生するために必要な圧力に
高めるに当たり、放電ガスの流量を従来の装置より低減
できる。また、基板は放電空間にに晒されず、基板の設
置された成膜室の真空度も向上されるので、不純物や異
物の少ない良質な薄膜を形成することができる。さら
に、隔壁の材料もターゲットと同じであるため隔壁から
も成膜したい材料のスパッタ粒子が得られるので、スパ
ッタ粒子の量が増加し成膜速度が増大する。
【0073】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載のターゲットと同じ材質で形成された隔壁のノズ
ル先端部を上記ターゲットよりスパッタリング率の小さ
い材質で形成したので、隔壁からは成膜したい材料のス
パッタ粒子が得られる一方で、長時間の作動においても
ノズル形状の変化が見られないので、成膜速度が増大す
ると共に長時間にわたり安定に動作することが可能であ
る。したがって、成膜速度を速めるとともに、均質な薄
膜を形成できるようになる。
【0074】請求項4記載の発明によれば、少なくとも
放電ガスをターゲット表面に沿った流れを与えつつター
ゲット表面近傍に供給する手段を備えると共に、上記ガ
ス供給手段のうち少なくとも放電空間に晒される部分を
上記ターゲットよりスパッタリング率の小さい材質また
はターゲットと同じ材質で形成したので、ターゲット6
表面では局所的にガス粒子数が多くなるとともに粒子の
分布は一様であるから、ターゲット6表面に高密度で一
様なプラズマが生成され成膜速度の増加とともにターゲ
ット利用効率の向上がはかれる。また、放電空間に晒さ
れる部分をターゲットよりスパッタリング率の小さい材
質またはターゲットと同じ材質で形成したので、スパッ
タリングされにくい、またはスパッタリングされてター
ゲットと同じスパッタ粒子が放出され、膜中に不純物が
混入することもない。
【0075】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の放電ガスの供給は、ターゲットの外周部および
中心部の少なくとも一方から複数の小径な開口またはス
リットを介して行うので、放電ガスをターゲット表面全
域にわたり一様に供給でき、請求項4と同様の効果が得
られる。
【0076】請求項6記載の発明によれば、放電室の側
面外周部にスパッタリング用電極を配置したので、放電
室の側面部分も誘電体電極として機能し、放電室側壁の
内壁に付着したスパッタ粒子は再スパッタリングによっ
て再度放電空間に放出されるため、スパッタ粒子数が増
加し、成膜速度を速めることができる。さらに、放電室
の内壁にターゲット材料が付着することで放電室を構成
する誘電体がスパッタされることはない。したがって、
均質で不純物混入のない良質な薄膜を形成することが可
能である。
【0077】請求項7記載の発明によれば、スパッタリ
ング粒子がターゲットからノズルに向けて放出されるよ
うにターゲット中央部を凹ませたので、ノズルを通過す
るターゲット粒子の量を増大させて成膜速度を速めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるスパッタリング式成膜装置の概
略構成を示す断面図である。
【図2】実施例1によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図3】実施例2によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図4】実施例3によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図5】実施例4によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図6】実施例5によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図7】実施例6によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図8】実施例9によるスパッタリング式成膜装置の要
部の概略構成を示す断面図である。
【図9】実施例10によるスパッタリング式成膜装置の
要部の概略構成を示す断面図である。
【図10】実施例11によるスパッタリング式成膜装置
の要部の概略構成を示す断面図である。
【図11】実施例12によるスパッタリング式成膜装置
の要部の概略構成を示す断面図である。
【図12】実施例14によるスパッタリング式成膜装置
の要部を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図13】実施例15によるスパッタリング式成膜装置
の要部を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図14】従来のスパッタリング式成膜装置の概略構成
を示す断面図である。
【図15】別の従来のスパッタリング式成膜装置の概略
構成を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図16】さらに別の従来のスパッタリング式成膜装置
の概略構成を示す断面図である。
【図17】図16に示されたスパッタリング式成膜装置
のカソード部分を示す断面図である。
【図18】図17に示されたスパッタリング式成膜装置
のカソード部分の概略構成を示し、(a)は図17のカ
ソード部分をa−a’線を鉛直下向きに見た平断面図、
(b)は図17のカソード部分をb−b’線を鉛直下向
きに見た平断面図、(c)は図17のカソード部分をc
−c’線を鉛直下向きに見た平断面図である。
【図19】さらに別の従来のスパッタリング式成膜装置
の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成膜室 2 放電装置 3 基板 4 排気装置 6 ターゲット 6a 円錐状の凹部 6b 円錐台状の凹部 7 誘電体製隔壁 8 水冷式ターゲットホルダー 10 放電室 11 スパッタ粒子 12 放電ガス導入口 13 金属製電極 15 蓋部材 18 ターゲット材製隔壁 19 ノズル 23 放電ガス供給管 25 バッキングプレート 26 水冷式ターゲットホルダー 27 ターゲット給電電極 28 ガス供給穴 29 ガス噴出トンネル 30 電極カバー 31 ターゲットカバー 33 ガス噴出ノズル 34 リング状ターゲット 36 ガス供給穴 38 ターゲット給電電極 41 ターゲットホルダー 43 ゲート 45 金属製電極 47 帯状電極 49 電極 50 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電室内で放電によってターゲットをス
    パッタリングし、成膜室内に設置された基板上にスパッ
    タ粒子を堆積させるスパッタリング式成膜装置におい
    て、上記放電室を誘電体で形成すると共に放電室の上記
    基板との対向端面に小径な開口からなるノズルを有する
    誘電体製隔壁を備え、この誘電体製隔壁と上記放電室内
    に配置されたターゲットを電極として放電させてスパッ
    タ粒子を発生させ、上記ノズルを通過したスパッタ粒子
    を上記基板に照射して薄膜を形成するように構成したこ
    とを特徴とするスパッタリング式成膜装置。
  2. 【請求項2】 放電室内で放電によってターゲットをス
    パッタリングし、成膜室内に設置された基板上にスパッ
    タ粒子を堆積させるスパッタリング式成膜装置におい
    て、上記放電室側壁を誘電体で形成すると共に放電室の
    上記基板との対向面に小径な開口からなるノズルを有し
    上記ターゲットと同じ材質よりなる隔壁を備え、この隔
    壁と上記ターゲットを電極として放電させてスパッタ粒
    子を発生させ、上記ノズルを通過したスパッタ粒子を上
    記基板に照射して薄膜を形成するように構成したことを
    特徴とするスパッタリング式成膜装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のターゲットと同じ材質で
    形成された隔壁は、ノズル先端部を上記ターゲットより
    スパッタリング率の小さい材質で形成したものであるこ
    とを特徴とする請求項2記載のスパッタリング式成膜装
    置。
  4. 【請求項4】 少なくとも放電ガスをターゲット表面に
    沿った流れを与えつつターゲット表面近傍に供給する手
    段を備えると共に、上記ガス供給手段のうち少なくとも
    放電空間に晒される部分を上記ターゲットよりスパッタ
    リング率の小さい材質またはターゲットと同じ材質で形
    成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記
    載のスパッタリング式成膜装置。
  5. 【請求項5】 放電ガスの供給は、ターゲットの外周部
    および中心部の少なくとも一方から複数の小径な開口ま
    たはスリットを介して行うことを特徴とする請求項4記
    載のスパッタリング式成膜装置。
  6. 【請求項6】 放電室の側面外周部にスパッタリング用
    電極を配置したことを特徴とする請求項1ないし5の何
    れかに記載のスパッタリング式成膜装置。
  7. 【請求項7】 スパッタリング粒子がターゲットからノ
    ズルに向けて放出されるようにターゲット中央部を凹ま
    せたことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載
    のスパッタリング式成膜装置。
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