JPH07239559A - 電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法Info
- Publication number
- JPH07239559A JPH07239559A JP6052691A JP5269194A JPH07239559A JP H07239559 A JPH07239559 A JP H07239559A JP 6052691 A JP6052691 A JP 6052691A JP 5269194 A JP5269194 A JP 5269194A JP H07239559 A JPH07239559 A JP H07239559A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- speed
- photosensitive layer
- film thickness
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性のバインダ樹脂を用いた厚膜の電子
写真感光層を浸漬塗工により形成する時、塗工開始部分
の塗膜タレの問題が少ない電子写真感光層の製造方法を
提供すること。 【構成】 浸漬塗工法により厚膜の感光層を設ける際、
被塗工物1を塗工液2から引き上げる速度を二段階と
し、この時全体の膜厚を所定の膜厚にするための二段目
の塗工速度(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の塗工速
度(V2)より速い一段目の塗工速度(V1)による短時
間(Tv1)の浸漬塗工があり、一段目と二段目の浸漬塗
工を連続して行なうこと。
写真感光層を浸漬塗工により形成する時、塗工開始部分
の塗膜タレの問題が少ない電子写真感光層の製造方法を
提供すること。 【構成】 浸漬塗工法により厚膜の感光層を設ける際、
被塗工物1を塗工液2から引き上げる速度を二段階と
し、この時全体の膜厚を所定の膜厚にするための二段目
の塗工速度(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の塗工速
度(V2)より速い一段目の塗工速度(V1)による短時
間(Tv1)の浸漬塗工があり、一段目と二段目の浸漬塗
工を連続して行なうこと。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、プリンタ、ファ
クシミリ等の装置に使用される電子写真感光体の製造方
法に関し、特に浸漬塗工法により電子写真感光体を得る
場合の製造方法に関する。
クシミリ等の装置に使用される電子写真感光体の製造方
法に関し、特に浸漬塗工法により電子写真感光体を得る
場合の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは静電力による潜像の
可視化を行なうものであり、そのプロセスに用いられる
電子写真感光体には良好な帯電性と光照射による迅速な
表面電位の減衰が必要となる。これらの特性を満足する
ものとして従来からセレン、セレン−テルル合金、ヒ化
セレン等の無機化合物から構成された感光体が採用さ
れ、多くの複写機やプリンタ等で用いられてきた。しか
しながら、これらの材料は環境安全体の面で若干の問題
があり、またアモルファス状態で用いられるため取扱い
が厄介であり、また、数十μmの厚さに真空蒸着する必
要があるためコストが高い等の欠点があり、電子写真感
光体としての必要条件を充分に満たしているとは言えな
いものであった。
可視化を行なうものであり、そのプロセスに用いられる
電子写真感光体には良好な帯電性と光照射による迅速な
表面電位の減衰が必要となる。これらの特性を満足する
ものとして従来からセレン、セレン−テルル合金、ヒ化
セレン等の無機化合物から構成された感光体が採用さ
れ、多くの複写機やプリンタ等で用いられてきた。しか
しながら、これらの材料は環境安全体の面で若干の問題
があり、またアモルファス状態で用いられるため取扱い
が厄介であり、また、数十μmの厚さに真空蒸着する必
要があるためコストが高い等の欠点があり、電子写真感
光体としての必要条件を充分に満たしているとは言えな
いものであった。
【0003】これらの欠点を改良するため、有機材料を
用いた電子写真感光体の開発が積極的になされ実用に供
されるようになったきた。実用化された有機材料系の電
子写真感光体の一つに電荷発生層(CGL)と電荷輸送
層(CTL)からなる積層型構成の電子写真感光体があ
り、専ら負帯電プロセスに限定して用いられているのが
実状であるが、近年正帯電プロセス用にCTL上にCG
Lを設ける構成の提案もある。
用いた電子写真感光体の開発が積極的になされ実用に供
されるようになったきた。実用化された有機材料系の電
子写真感光体の一つに電荷発生層(CGL)と電荷輸送
層(CTL)からなる積層型構成の電子写真感光体があ
り、専ら負帯電プロセスに限定して用いられているのが
実状であるが、近年正帯電プロセス用にCTL上にCG
Lを設ける構成の提案もある。
【0004】さらにまた、積層型構成の電子写真感光体
は塗工工程が複雑であるため、電荷発生材料及び電荷輸
送材料をバインダ樹脂中に一緒に分散し、電荷発生機能
と電荷輸送機能を兼ね備えた単層型の電子写真感光体の
提案もある。ところで、電子写真感光体の導電性支持体
としてエンドレスのベルト状金属箔や金属シリンダを用
い、その上に感光層を設ける場合、一般に支持体を塗工
液に浸漬し引き上げる方法が採用されている。例えば、
その上に予め形成したCGLを有する円筒状の導電性支
持体を前記のCTLを含む厚膜塗工液中に浸漬し、浸漬
塗工することによりCGL上にCTLが形成され積層型
感光体となる。このような電子写真感光体の感光層は、
積層型の場合には1μm以下のCGL上に10μm以上
のCTLを設け、また、単層型の場合には一層で10μ
m以上の厚膜の塗工が必要である。この浸漬塗工法を図
面に沿って説明する。図4は、浸漬塗工法の概略を示す
図である。図4(a)は塗工槽3中の塗工液2に被塗工
物1を浸漬した状態、図4(b)は前記被塗工物全体を
塗工液中より引き上げて、被塗工物表面に塗工液層4が
付着した状態を示す。この後、被塗工物上の塗工液層4
をオーブンなどで加熱乾燥して、厚膜の塗膜をもった被
塗工物が得られる。この後、再び新しい支持体により、
図4(a)及び(b)の工程が繰り返される。
は塗工工程が複雑であるため、電荷発生材料及び電荷輸
送材料をバインダ樹脂中に一緒に分散し、電荷発生機能
と電荷輸送機能を兼ね備えた単層型の電子写真感光体の
提案もある。ところで、電子写真感光体の導電性支持体
としてエンドレスのベルト状金属箔や金属シリンダを用
い、その上に感光層を設ける場合、一般に支持体を塗工
液に浸漬し引き上げる方法が採用されている。例えば、
その上に予め形成したCGLを有する円筒状の導電性支
持体を前記のCTLを含む厚膜塗工液中に浸漬し、浸漬
塗工することによりCGL上にCTLが形成され積層型
感光体となる。このような電子写真感光体の感光層は、
積層型の場合には1μm以下のCGL上に10μm以上
のCTLを設け、また、単層型の場合には一層で10μ
m以上の厚膜の塗工が必要である。この浸漬塗工法を図
面に沿って説明する。図4は、浸漬塗工法の概略を示す
図である。図4(a)は塗工槽3中の塗工液2に被塗工
物1を浸漬した状態、図4(b)は前記被塗工物全体を
塗工液中より引き上げて、被塗工物表面に塗工液層4が
付着した状態を示す。この後、被塗工物上の塗工液層4
をオーブンなどで加熱乾燥して、厚膜の塗膜をもった被
塗工物が得られる。この後、再び新しい支持体により、
図4(a)及び(b)の工程が繰り返される。
【0005】ところで、電子写真感光体の寿命は、電子
写真プロセスのクリーニング工程における感光層の摩耗
が大きく起因しており、高耐久化へ向けて日々検討が進
められている。例えば、この厚膜の感光層を有する電子
写真感光体のバインダ樹脂として種々の樹脂が検討され
ているが、特に所謂エンジニアリングプラスチック、例
えばポリカーボネート樹脂等が用いられることが多い。
この感光層の耐摩耗性をより向上させるために、耐摩耗
性の高い樹脂例えばポリカーボネート樹脂等の高分子量
化や、感光層の厚膜化の方向に開発が進んでいる。これ
らの耐摩耗性の高いエンジニアリングプラスチックをバ
インダ樹脂とする厚膜塗工液は、一般的な溶剤に対する
溶解性が低く、ジクロロメタン(以下MDCと記す)等
の特殊な溶剤を溶剤とすることが多い。
写真プロセスのクリーニング工程における感光層の摩耗
が大きく起因しており、高耐久化へ向けて日々検討が進
められている。例えば、この厚膜の感光層を有する電子
写真感光体のバインダ樹脂として種々の樹脂が検討され
ているが、特に所謂エンジニアリングプラスチック、例
えばポリカーボネート樹脂等が用いられることが多い。
この感光層の耐摩耗性をより向上させるために、耐摩耗
性の高い樹脂例えばポリカーボネート樹脂等の高分子量
化や、感光層の厚膜化の方向に開発が進んでいる。これ
らの耐摩耗性の高いエンジニアリングプラスチックをバ
インダ樹脂とする厚膜塗工液は、一般的な溶剤に対する
溶解性が低く、ジクロロメタン(以下MDCと記す)等
の特殊な溶剤を溶剤とすることが多い。
【0006】前記MDCは耐摩耗性の高い樹脂、例えば
ポリカーボネート樹脂等に対しても溶解性が良好で、沸
点も約40℃と低いため塗工時の蒸発が早く、塗膜タレ
(所定の膜厚を得るまでの薄い部分)の生じにくい性質
をもち、さらに低沸点溶剤ながら引火性もなく電子写真
感光体の製造に安全な溶剤である。
ポリカーボネート樹脂等に対しても溶解性が良好で、沸
点も約40℃と低いため塗工時の蒸発が早く、塗膜タレ
(所定の膜厚を得るまでの薄い部分)の生じにくい性質
をもち、さらに低沸点溶剤ながら引火性もなく電子写真
感光体の製造に安全な溶剤である。
【0007】しかしながら、ここで問題となるのはMD
Cを使用しても浸漬塗工方式で厚膜化を進めると塗工開
始部(引上げ上部)の塗膜タレが長くなってしまうこと
である。図5は、塗膜タレ及び安定膜厚の定義を説明す
る図である。図4において、被塗工物表面に浸漬塗工法
で厚膜を設けた時、被塗工物の引上げ上部の塗膜の膜厚
が、下側の所定の膜厚となった部分の膜厚D(安定膜厚
と呼ぶ)になるまでの薄い部分が塗膜タレである。塗工
開始位置から安定膜厚Dより1μm薄い部分までの膜離
を塗膜タレ長さLとする。塗膜タレ長さLが短いほど膜
厚の立上りが早くタレが小さいことになる。
Cを使用しても浸漬塗工方式で厚膜化を進めると塗工開
始部(引上げ上部)の塗膜タレが長くなってしまうこと
である。図5は、塗膜タレ及び安定膜厚の定義を説明す
る図である。図4において、被塗工物表面に浸漬塗工法
で厚膜を設けた時、被塗工物の引上げ上部の塗膜の膜厚
が、下側の所定の膜厚となった部分の膜厚D(安定膜厚
と呼ぶ)になるまでの薄い部分が塗膜タレである。塗工
開始位置から安定膜厚Dより1μm薄い部分までの膜離
を塗膜タレ長さLとする。塗膜タレ長さLが短いほど膜
厚の立上りが早くタレが小さいことになる。
【0008】また、耐摩耗性を狙ってバインダ樹脂の高
分子量化をさらに進めると、固形分に対する塗工液粘度
が高くなるため固形分濃度を下げねばならず、やはり塗
工開始部分の塗膜タレが長くなってしまうという問題が
ある。
分子量化をさらに進めると、固形分に対する塗工液粘度
が高くなるため固形分濃度を下げねばならず、やはり塗
工開始部分の塗膜タレが長くなってしまうという問題が
ある。
【0009】一方、MDCなどのハロゲン系の溶剤の環
境に及ぼす影響が問題視され始め、一部のハロゲン系溶
剤から規制が最近始まりつつある。例えば、MDCは平
成5年初めに水質規制を対象として基準が決まった。ま
だ、大気排出規制は対象に挙げられてはいないが、将来
規制の対象となることが考えられ、業界では自主規制が
始まっている。また米国では、MDCは発ガン性の疑い
がある物質に格付けされている状況であり、前記MDC
が使用規制の対象となる前に代替溶剤を見つけ、積極的
に変更する必要がある。これが非ハロゲン系の溶剤、例
えばテトラヒドロフラン(以下THFと記す)を使用す
るとタレの問題はさらに顕著になる。THFは溶解力が
強く、耐摩耗性の高い樹脂、例えばポリカーボネート樹
脂及びその他の感光体構成材料を充分に溶解できる。し
かし、THFは沸点が66℃でMDC(約40℃)に比
較して沸点が約26℃も高く蒸発速度が遅いため、溶剤
がMDCを用いた塗工液に比較して浸漬工開始部分のタ
レが長くなってしまう欠点をもつ。
境に及ぼす影響が問題視され始め、一部のハロゲン系溶
剤から規制が最近始まりつつある。例えば、MDCは平
成5年初めに水質規制を対象として基準が決まった。ま
だ、大気排出規制は対象に挙げられてはいないが、将来
規制の対象となることが考えられ、業界では自主規制が
始まっている。また米国では、MDCは発ガン性の疑い
がある物質に格付けされている状況であり、前記MDC
が使用規制の対象となる前に代替溶剤を見つけ、積極的
に変更する必要がある。これが非ハロゲン系の溶剤、例
えばテトラヒドロフラン(以下THFと記す)を使用す
るとタレの問題はさらに顕著になる。THFは溶解力が
強く、耐摩耗性の高い樹脂、例えばポリカーボネート樹
脂及びその他の感光体構成材料を充分に溶解できる。し
かし、THFは沸点が66℃でMDC(約40℃)に比
較して沸点が約26℃も高く蒸発速度が遅いため、溶剤
がMDCを用いた塗工液に比較して浸漬工開始部分のタ
レが長くなってしまう欠点をもつ。
【0010】一方、浸漬塗工液の溶剤の面からでなく、
厚膜塗工液の固形分の高濃度化も塗膜タレ抑制効果が確
認されているが、厚膜塗工液の液粘度が上昇するため、
厚膜塗工液中の気泡の除去が難しくなる。また、部分的
に上端のみ二重(あるいは、多重)塗工する方法もある
が(特開昭59−80364号、特開平5−66854
号公報等)、塗膜タレの抑制効果が小さく、溶剤MDC
の塗工液の場合から抑制効果が充分であっても、塗膜タ
レの大きなTHFの場合には効果が不足し、厚膜化は難
しい。
厚膜塗工液の固形分の高濃度化も塗膜タレ抑制効果が確
認されているが、厚膜塗工液の液粘度が上昇するため、
厚膜塗工液中の気泡の除去が難しくなる。また、部分的
に上端のみ二重(あるいは、多重)塗工する方法もある
が(特開昭59−80364号、特開平5−66854
号公報等)、塗膜タレの抑制効果が小さく、溶剤MDC
の塗工液の場合から抑制効果が充分であっても、塗膜タ
レの大きなTHFの場合には効果が不足し、厚膜化は難
しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性の
高い樹脂をバインダ樹脂とした厚膜の電子写真感光層を
浸漬塗工法で形成する時、塗工開始部分の塗膜タレを問
題のないレベルに抑制した厚膜感光層を有する電子写真
感光体の工業的に有利な製造方法を提供することを目的
とする。
高い樹脂をバインダ樹脂とした厚膜の電子写真感光層を
浸漬塗工法で形成する時、塗工開始部分の塗膜タレを問
題のないレベルに抑制した厚膜感光層を有する電子写真
感光体の工業的に有利な製造方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、浸漬塗
工法による電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法にお
いて、塗工液中に被塗工物を浸漬した後、前記被塗工物
全体を塗工液中より二段階の速度で引き上げて浸漬塗工
を行ない、この時全体の膜厚を所定の膜厚にするための
二段目の塗工速度(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の
塗工速度(V2)より速い一段目の塗工速度(V1)によ
る短時間(Tv1)の浸漬塗工があり、一段目と二段目の
浸漬塗工が連続して行なわれることを特徴とする電子写
真感光体の厚膜感光層の製造方法が提供される。
工法による電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法にお
いて、塗工液中に被塗工物を浸漬した後、前記被塗工物
全体を塗工液中より二段階の速度で引き上げて浸漬塗工
を行ない、この時全体の膜厚を所定の膜厚にするための
二段目の塗工速度(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の
塗工速度(V2)より速い一段目の塗工速度(V1)によ
る短時間(Tv1)の浸漬塗工があり、一段目と二段目の
浸漬塗工が連続して行なわれることを特徴とする電子写
真感光体の厚膜感光層の製造方法が提供される。
【0013】本発明者は、先に、浸漬塗工法により厚膜
の感光層を設ける際、厚膜を二回に分けて浸漬塗工する
電子写真感光体の製造方法を提案し、また一回目と二回
目の浸漬塗工の間に、塗工膜を予備乾燥時間または加熱
乾燥をする方法を提案した(特開平5−3448605
号)。本発明者は、この厚膜の浸漬塗工する製造する方
法をさらに検討し、二回に分けて浸漬塗工することな
く、一回の浸漬塗工において被塗工物全体を塗工液中よ
り二段階の速度で引き上げて浸漬塗工を行ない、この時
全体の膜厚を所定の膜厚にするための二段目の塗工速度
(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の塗工速度(V2)よ
り速い一段目の塗工速度(V1)による短時間(Tv1)
の浸漬塗工があり、一段目と二段目の浸漬塗工が連続し
て行なうことにより、さらに簡便に問題が解決できるこ
とを見い出したものである。
の感光層を設ける際、厚膜を二回に分けて浸漬塗工する
電子写真感光体の製造方法を提案し、また一回目と二回
目の浸漬塗工の間に、塗工膜を予備乾燥時間または加熱
乾燥をする方法を提案した(特開平5−3448605
号)。本発明者は、この厚膜の浸漬塗工する製造する方
法をさらに検討し、二回に分けて浸漬塗工することな
く、一回の浸漬塗工において被塗工物全体を塗工液中よ
り二段階の速度で引き上げて浸漬塗工を行ない、この時
全体の膜厚を所定の膜厚にするための二段目の塗工速度
(V2)の浸漬塗工の前に、二段目の塗工速度(V2)よ
り速い一段目の塗工速度(V1)による短時間(Tv1)
の浸漬塗工があり、一段目と二段目の浸漬塗工が連続し
て行なうことにより、さらに簡便に問題が解決できるこ
とを見い出したものである。
【0014】本発明の製造方法は、厚膜の電子写真感光
層を形成する上で、環境に影響の少ない非ハロゲン系溶
剤を使用し、高分子量化されたバインダ樹脂を用いて感
光層の厚膜化を進めても、塗工開始部分の塗膜タレを問
題のないレベルに抑制されたCTLを有する電子写真感
光体を得ることができる。また本発明方法は、CGLと
CTLからなる積層型感光層の厚膜のCTL、及び電荷
発生機能と電荷輸送機能を一層にもたせた単層感光層に
も応用可能である。
層を形成する上で、環境に影響の少ない非ハロゲン系溶
剤を使用し、高分子量化されたバインダ樹脂を用いて感
光層の厚膜化を進めても、塗工開始部分の塗膜タレを問
題のないレベルに抑制されたCTLを有する電子写真感
光体を得ることができる。また本発明方法は、CGLと
CTLからなる積層型感光層の厚膜のCTL、及び電荷
発生機能と電荷輸送機能を一層にもたせた単層感光層に
も応用可能である。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明する。図1
は、浸漬塗工の成膜現像を説明する図である。図1
(c)のように塗工速度が速い場合に比較して、図1
(b)〜図1(a)のように段々塗工速度を遅くするに
従って、安定膜厚は薄くなり塗膜タレ長さも短くなる
が、安定膜厚迄の塗膜タレ部分の初期の膜厚立上りの状
態は、塗工速度が速くてもあるいは遅くても同様の曲線
で示される。即ち、塗工速度が遅い場合は、膜厚立上り
曲線の途中の安定膜厚付近までは、塗工速度の速い場合
と同様の膜厚立上り状態をとる。
は、浸漬塗工の成膜現像を説明する図である。図1
(c)のように塗工速度が速い場合に比較して、図1
(b)〜図1(a)のように段々塗工速度を遅くするに
従って、安定膜厚は薄くなり塗膜タレ長さも短くなる
が、安定膜厚迄の塗膜タレ部分の初期の膜厚立上りの状
態は、塗工速度が速くてもあるいは遅くても同様の曲線
で示される。即ち、塗工速度が遅い場合は、膜厚立上り
曲線の途中の安定膜厚付近までは、塗工速度の速い場合
と同様の膜厚立上り状態をとる。
【0016】塗膜タレ部分を短くする目的で塗工開始部
分の塗工速度を早くして、それ以後は所定の速度で全体
を塗工しても、塗工速度を変えた場合の膜厚立上り曲線
は同様なので、図1(d)に示すように、膜厚分布は安
定膜厚前に厚膜部分ができるだけである。しかし、本発
明者は浸漬塗工の成膜現像について鋭意検討した結果、
塗工開始部分の一段目の塗工速度(V1)を二段目の塗
工速度(V2)より速め、V1の状態の時間(Tv1)を短
くすることで、図2の(d1)〜(d4)に示すように安
定膜厚前の厚膜部分が塗工開始側に移動し、(d4)で
は厚膜部分は膜厚立上り部分を補う(厚膜部分が無くな
ったように見える)ことを見い出した。
分の塗工速度を早くして、それ以後は所定の速度で全体
を塗工しても、塗工速度を変えた場合の膜厚立上り曲線
は同様なので、図1(d)に示すように、膜厚分布は安
定膜厚前に厚膜部分ができるだけである。しかし、本発
明者は浸漬塗工の成膜現像について鋭意検討した結果、
塗工開始部分の一段目の塗工速度(V1)を二段目の塗
工速度(V2)より速め、V1の状態の時間(Tv1)を短
くすることで、図2の(d1)〜(d4)に示すように安
定膜厚前の厚膜部分が塗工開始側に移動し、(d4)で
は厚膜部分は膜厚立上り部分を補う(厚膜部分が無くな
ったように見える)ことを見い出した。
【0017】この現像を利用し、短時間の速い一段目の
塗工速度(V1)の塗工で膜厚を確保した後、二段目の
塗工速度(V2)で所定の膜厚を得る浸漬塗工により、
塗膜タレ部分を補い膜厚立上りを早くして、塗膜タレ長
さを短くすることが可能となった。本発明の一段目の速
い塗工速度(V1)は、所定の全体膜厚のための二段目
の塗工速度(V2)により異なるが、(V2)の2倍〜4
倍の速度が好ましい。(V1)の時間(Tv1)も(V2)
により異なるが、0.1〜1.0秒が好ましい。本発明
方法は新たな改造もなく現行の設備をそのまま使用で
き、塗工時間も現行とほぼ同等で、塗膜タレの長さを短
縮できる工業的に有利な製造方法である。
塗工速度(V1)の塗工で膜厚を確保した後、二段目の
塗工速度(V2)で所定の膜厚を得る浸漬塗工により、
塗膜タレ部分を補い膜厚立上りを早くして、塗膜タレ長
さを短くすることが可能となった。本発明の一段目の速
い塗工速度(V1)は、所定の全体膜厚のための二段目
の塗工速度(V2)により異なるが、(V2)の2倍〜4
倍の速度が好ましい。(V1)の時間(Tv1)も(V2)
により異なるが、0.1〜1.0秒が好ましい。本発明
方法は新たな改造もなく現行の設備をそのまま使用で
き、塗工時間も現行とほぼ同等で、塗膜タレの長さを短
縮できる工業的に有利な製造方法である。
【0018】本発明においては、塗料溶剤として塩素系
の各種溶剤も使用可能ではあるが、環境汚染の問題があ
るので、THFが使用することが望ましい。THFを用
いる場合、THF単体ではなくこれに他の溶剤を併用し
た混合溶剤の形態にすると、固形分当りの粘度を低くす
ることができ、従って同じ粘度では高固形分濃度にする
ことができるので好ましい。このTHFと混合できる溶
剤としては、沸点が30〜65℃の溶剤が望ましく、例
えばアセトン(約56℃)、酢酸メチル(約57℃)、
メタノール(65℃)、n−ペンタン(約36℃)、t
ert−ブチルメチルエーテル(約55℃)などが挙げ
られ、特にアセトンが望ましい。但し、THFとの混合
比はそれぞれ適切な比率で行なう必要がある。本発明で
用いることができるバインダ樹脂としては、耐摩耗性の
高いエンジニアリングプラスチック、例えばポリアミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリ
フェニレンオキシド等が好ましいが、その他の樹脂を併
用してもよい。ポリカーボネート樹脂としては一般的な
C、A及びZタイプがあるが、好ましくはZタイプであ
る。これらバインダ樹脂の積層型のCTLあるいは単層
型の感光層に占める量は30〜90wt%、好ましくは
40〜70wt%である。
の各種溶剤も使用可能ではあるが、環境汚染の問題があ
るので、THFが使用することが望ましい。THFを用
いる場合、THF単体ではなくこれに他の溶剤を併用し
た混合溶剤の形態にすると、固形分当りの粘度を低くす
ることができ、従って同じ粘度では高固形分濃度にする
ことができるので好ましい。このTHFと混合できる溶
剤としては、沸点が30〜65℃の溶剤が望ましく、例
えばアセトン(約56℃)、酢酸メチル(約57℃)、
メタノール(65℃)、n−ペンタン(約36℃)、t
ert−ブチルメチルエーテル(約55℃)などが挙げ
られ、特にアセトンが望ましい。但し、THFとの混合
比はそれぞれ適切な比率で行なう必要がある。本発明で
用いることができるバインダ樹脂としては、耐摩耗性の
高いエンジニアリングプラスチック、例えばポリアミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリ
フェニレンオキシド等が好ましいが、その他の樹脂を併
用してもよい。ポリカーボネート樹脂としては一般的な
C、A及びZタイプがあるが、好ましくはZタイプであ
る。これらバインダ樹脂の積層型のCTLあるいは単層
型の感光層に占める量は30〜90wt%、好ましくは
40〜70wt%である。
【0019】
【実施例】以下、実施例について本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】実施例1 下記の式(1)の電荷輸送材料94重量部とZタイプの
ポリカーボネート樹脂(帝人社製:パンライトTS−2
050)104部を溶剤THF802重量部にて溶解
し、電荷輸送液(固形分19.8wt%、粘度約300
cPs)とする。
ポリカーボネート樹脂(帝人社製:パンライトTS−2
050)104部を溶剤THF802重量部にて溶解
し、電荷輸送液(固形分19.8wt%、粘度約300
cPs)とする。
【化1】 この電荷輸送液に円筒状基体を浸漬し、塗工速度
(V1)が16.0mm/secで、V1の状態の時間
(Tv1)が0.3秒、次いで塗工速度(V2)6.0m
m/secに減速し全体を塗工して、オープン乾燥機で
130℃で30分の乾燥を行ない、安定膜厚Dが約30
μmの評価サンプルを作成した。
(V1)が16.0mm/secで、V1の状態の時間
(Tv1)が0.3秒、次いで塗工速度(V2)6.0m
m/secに減速し全体を塗工して、オープン乾燥機で
130℃で30分の乾燥を行ない、安定膜厚Dが約30
μmの評価サンプルを作成した。
【0021】比較例1 実施例1の電荷輸送液に円筒状基体を浸漬し、塗工速度
(V2)6.0mm/secで塗工して、オープン乾燥
機で130℃で30分の乾燥を行ない、安定膜厚Dが約
30μmの評価サンプルを作成した。以上の実施例、及
び比較例の円筒状基体に設けたCTLの膜厚を渦電流式
膜厚計で、塗工開始部分より円筒状基体の軸方向に、測
定間隔5mmで測定した。結果を表1及び図5に示す。
(V2)6.0mm/secで塗工して、オープン乾燥
機で130℃で30分の乾燥を行ない、安定膜厚Dが約
30μmの評価サンプルを作成した。以上の実施例、及
び比較例の円筒状基体に設けたCTLの膜厚を渦電流式
膜厚計で、塗工開始部分より円筒状基体の軸方向に、測
定間隔5mmで測定した。結果を表1及び図5に示す。
【0022】
【表1】 表1及び図3から、同じ安定膜厚30μmでも比較例の
ものは塗膜タレ長さ50mmに対して、塗工開始部分を
短時間高速度で塗工した実施例のものでは、塗膜タレ長
さは27mmであり塗膜タレ短縮効果が見られた。以上
の実施例と比較例においては、塗工液溶剤としてTHF
を用いたが、環境問題を黙認し厚膜化のみを課題とした
場合は、塩素系溶剤においても同様な効果が認められ
た。
ものは塗膜タレ長さ50mmに対して、塗工開始部分を
短時間高速度で塗工した実施例のものでは、塗膜タレ長
さは27mmであり塗膜タレ短縮効果が見られた。以上
の実施例と比較例においては、塗工液溶剤としてTHF
を用いたが、環境問題を黙認し厚膜化のみを課題とした
場合は、塩素系溶剤においても同様な効果が認められ
た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、浸漬塗工法により厚膜
の電子写真感光層を設ける際、被塗工物を塗工液から引
き上げる速度を二段階とし、二段目の塗工速度(V2)
より塗工速度(V1)を速くして短時間(Tv1)の一段
目浸漬塗工を行ない、続いて二段目の塗工速度(V2)
の浸漬塗工を連続的に行なうことにより塗膜タレを抑制
することができる。また、この方法を使用すれば塗膜を
抑制しながら厚膜化が可能である。さらに、塗工液の溶
剤として、塗膜タレの大きくなってしまう非ハロゲン溶
剤を使用しても効果を得られる。従って本発明方法は、
新たな改造もなく現行の設備をそのまま使用でき、塗工
時間も現行とほぼ同等で、塗膜タレ長さの短縮ができる
極めて実用化値の高い製造方法である。
の電子写真感光層を設ける際、被塗工物を塗工液から引
き上げる速度を二段階とし、二段目の塗工速度(V2)
より塗工速度(V1)を速くして短時間(Tv1)の一段
目浸漬塗工を行ない、続いて二段目の塗工速度(V2)
の浸漬塗工を連続的に行なうことにより塗膜タレを抑制
することができる。また、この方法を使用すれば塗膜を
抑制しながら厚膜化が可能である。さらに、塗工液の溶
剤として、塗膜タレの大きくなってしまう非ハロゲン溶
剤を使用しても効果を得られる。従って本発明方法は、
新たな改造もなく現行の設備をそのまま使用でき、塗工
時間も現行とほぼ同等で、塗膜タレ長さの短縮ができる
極めて実用化値の高い製造方法である。
【図1】浸漬塗工の成膜現像を説明する図である。
【図2】塗工開始部分の一段目の塗工速度(V1)を二
段目の塗工速度(V2)より速め、V1の状態の時間(T
v1)を短くすることにより、安定膜厚前の厚膜部分が塗
工開始側に移動することを示す図である。
段目の塗工速度(V2)より速め、V1の状態の時間(T
v1)を短くすることにより、安定膜厚前の厚膜部分が塗
工開始側に移動することを示す図である。
【図3】実施例と比較例で得られる感光体にあける円筒
状基体の軸方向のCTLの膜厚分布を示す図である。
状基体の軸方向のCTLの膜厚分布を示す図である。
【図4】浸漬塗工法の概略を示す図である。
【図5】塗膜タレ、及び安定膜厚の定義を説明する図で
あって、浸漬塗工法で円筒状支持体上に設けられた厚膜
の軸方向の膜厚分布の典型例を示す図である。
あって、浸漬塗工法で円筒状支持体上に設けられた厚膜
の軸方向の膜厚分布の典型例を示す図である。
【符号の説明】 1 被塗工物 2 塗工液 3 塗工槽 4 塗工液層
Claims (1)
- 【請求項1】 浸漬塗工法による電子写真感光体の厚膜
感光層の製造方法において、塗工液中に被塗工物を浸漬
した後、前記被塗工物全体を塗工液中より二段階の速度
で引き上げて浸漬塗工を行ない、この時全体の膜厚を所
定の膜厚にするための二段目の塗工速度(V2)の浸漬
塗工の前に、二段目の塗工速度(V2)より速い一段目
の塗工速度(V1)による短時間(Tv1)の浸漬塗工が
あり、一段目と二段目の浸漬塗工が連続して行なわれる
ことを特徴とする電子写真感光体の厚膜感光層の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6052691A JPH07239559A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6052691A JPH07239559A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07239559A true JPH07239559A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12921922
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6052691A Pending JPH07239559A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07239559A (ja) |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP6052691A patent/JPH07239559A/ja active Pending
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4952293A (en) | Polymer electrodeposition process | |
| US4610942A (en) | Electrophotographic member having corresponding thin end portions of charge generation and charge transport layers | |
| JPH07239559A (ja) | 電子写真感光体の厚膜感光層の製造方法 | |
| JP2000221719A (ja) | 電子写真感光体 | |
| US7270926B2 (en) | Imaging member | |
| JPH1026835A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JPH07140680A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JP5446333B2 (ja) | 電子写真感光体及びその製造方法 | |
| JPH07175229A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JPS5964848A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JPH02210447A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JPS61179454A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JP3216347B2 (ja) | 浸漬塗布方法 | |
| JP3123285B2 (ja) | 浸漬塗布方法 | |
| JPS60254141A (ja) | 塗布による電子写真感光体の製造方法 | |
| JPH0444046A (ja) | 電子写真感光体およびその製造方法 | |
| JPS5817447A (ja) | 電子写真感光体 | |
| JP2005173334A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JP2701794B2 (ja) | 電子写真感光体 | |
| JPH05701B2 (ja) | ||
| JPS60158451A (ja) | 電子写真感光体の製造方法 | |
| JPH08190218A (ja) | 電子写真用感光体 | |
| JP2014178365A (ja) | 電子写真感光体およびその製造方法 | |
| JPH09265193A (ja) | 電子写真感光体及びその製造装置 | |
| JPS63187253A (ja) | 電子写真感光体 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |