JPH07240546A - 大変位用圧電セラミックスおよび圧電セラミックスの分極処理方法 - Google Patents

大変位用圧電セラミックスおよび圧電セラミックスの分極処理方法

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JPH07240546A
JPH07240546A JP5528894A JP5528894A JPH07240546A JP H07240546 A JPH07240546 A JP H07240546A JP 5528894 A JP5528894 A JP 5528894A JP 5528894 A JP5528894 A JP 5528894A JP H07240546 A JPH07240546 A JP H07240546A
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electric field
displacement
polarization treatment
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piezoelectric ceramic
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Mitsuru Asai
満 浅井
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧−変位(歪み)の変換効率に優れた大変
位用圧電セラミックスおよびその製造方法を提供する。 【構成】 強誘電体である圧電セラミックスと該圧電セ
ラミックスの厚み方向に形成された電極とからなり、厚
み方向に電界を印加して電界方向に変位を得る圧電セラ
ミックスにおいて、前記圧電セラミックスが、電界印加
方向に対して垂直方向に分極配向されてなることを特徴
とする大変位用圧電セラミックス、および圧電セラミッ
クスの分極処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体である圧電セ
ラミックスおよび該圧電セラミックスの製造方法に関
し、特に、大変位用圧電セラミックスおよびその製造方
法としての圧電セラミックスの分極処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミックスに電界を印加すると変
位(電界誘起変位)することは、良く知られている。こ
の変位を利用して、圧電セラミックスをアクチュエー
タ、超音波モータ、ブザー等に応用している。すなわ
ち、圧電セラミックスは、電気的入力エネルギを変位や
力などの機械的エネルギに変換している。この圧電セラ
ミックスの代表的なものとしては、例えば、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT:PbZrO3 とPbTiO3 の固
溶体)、チタン酸バリウムなどがある。これらの圧電セ
ラミックスは、通常、原料混合物を、成形、焼結、加
工、電極焼付、分極処理により作製される。
【0003】PZT系セラミックスやチタン酸バリウム
系セラミックスなどの強誘電体である圧電セラミックス
は、単結晶からなる結晶粒の集合体であり、焼成したま
まの状態では、各結晶粒の分極方向が無秩序であるため
に、圧電特性を示さない。そこで、これら焼結体を圧電
体として用いるために、通常、図6に示すように、焼成
後一定方向に直流の電界を印加して、分域を電界の向き
に揃える分極処理を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強誘電体である圧電セ
ラミックスの電界誘起変位は、圧電性および分域反転の
両者が寄与している。しかしながら、分域反転は、圧電
セラミックスに印加する電界幅が小さいと反転しにくい
性質がある。従って、上記のような分極処理を行った従
来の圧電セラミックスは、主に圧電性による変位を利用
しているので、変位が小さいという問題を有していた。
【0005】従って、上記圧電セラミックスを利用して
アクチュエータを作製する場合には、変位量を確保する
するために、圧電セラミックスを複数積層した積層構造
となっている。ところが、従来の技術において、変位量
をさらに大きくとるためには、印加電界を高くするか、
又は/及び積層枚数をかなり多くする、厚みを増す必要
があるという問題を有していた。
【0006】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0007】(発明の目的)本発明の目的は、電界−変
位(歪み)の変換効率に優れた大変位用圧電セラミック
スおよびその製造方法を提供するにある。
【0008】本発明者らは、上述の従来技術の問題に対
して、以下のことに着眼した。すなわち、従来法では、
圧電セラミックスの電界印加方向への変位が小さいため
に、印加電界を高くしたり、圧電セラミックスの積層枚
数を多くしたりして変位量を確保していた。すなわち、
圧電セラミックスそのものの変位特性を向上させるので
はなく、外的な手段で変位量を確保していた。本発明者
らは、このような従来技術に対し、圧電セラミックスそ
のものの変位特性を向上させることに着目した。そし
て、各種の系統的実験を重ねた結果、従来の直流電界を
印加する分極操作時における分域配向方向と駆動時にお
ける電界印加方向(変位取出し方向)が同じ圧電セラミ
ックスでは、分極配向方向と電界印加方向(変位取出し
方向)が一致しているため、電界−変位(歪み)変換効
率が悪いという知見を得た。そして、従来とは異なる分
極操作により分域を予め変位方向に対して垂直に配向さ
せ、駆動時に分域が電界印加によって電界印加方向に反
転することにより電界印加方向の変位量が大きくなるこ
とを見いだし、本発明を成すに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明の大変位用圧電セラミッ
クスは、強誘電体である圧電セラミックスと該圧電セラ
ミックスの厚み方向に形成された電極とからなり、厚み
方向に電界を印加して電界印加方向に変位を得る圧電セ
ラミックスにおいて、前記圧電セラミックスが、電界印
加方向に対して垂直方向に分域配向させてなることを特
徴とする。
【0010】本第2発明の圧電セラミックスの分極処理
方法は、圧電セラミックスの分極処理工程において、分
域配向方向が電界印加方向に対して垂直方向になるよう
に、分極処理してなることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の大変位用圧電セラミックスおよび圧電
セラミックスの分極処理方法が優れた効果を発揮するメ
カニズムについては、未だ必ずしも明らかではないが、
次のように考えられる。
【0012】(第1発明の作用)本発明の大変位用圧電
セラミックスは、強誘電体である圧電セラミックスと該
圧電セラミックスの厚み方向に形成された電極とからな
り、厚み方向に電界を印加して電界印加方向に変位を得
る圧電セラミックスにおいて、分域を電界印加方向に対
して垂直方向に配向させてある。この圧電セラミックス
に、電界を印加すると、分域は電界印加方向に配向す
る。このとき、分域の反転量が、従来の分極処理(電界
印加方向に分域を配向)を施した圧電セラミックスの反
転量よりも大きくなるために、変位量が大きくなり、電
界−変位変換効率を向上させることができる。
【0013】(第2発明の作用)本発明の圧電セラミッ
クスの分極処理方法は、圧電セラミックスの分極処理工
程において、分域配向方向が電界印加方向に対して垂直
方向となるように、分極処理してなる。これにより、電
界印加方向に対して垂直方向に分域配向させた圧電セラ
ミックスを作製することができる。この圧電セラミック
スに、電界を印加すると、分域は電界印加方向に配向す
る。このとき、分域の反転量が、従来の分極処理(電界
印加方向に分域を配向)を施した圧電セラミックスの反
転量よりも大きくなるために、変位量が大きくなり、電
界−変位変換効率を向上させることができる。
【0014】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本発明の大変位用圧電セラミックス
は、電界−変位(歪み)の変換効率に優れている。
【0015】(第2発明の効果)本発明の圧電セラミッ
クスの分極処理方法により、電界−変位(歪み)の変換
効率に優れた圧電セラミックスを製造することができ
る。
【0016】
【実施例】以下に、前記本発明の大変位用圧電セラミッ
クスおよび圧電セラミックスの分極処理方法をさらに具
体的にした具体例(その他の発明)について、説明す
る。
【0017】本発明(具体例)は、強誘電体である圧電
セラミックスとよばれるもの総てに適用することができ
る。具体的には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やP
LZT(ランタン置換チタン酸ジルコン酸鉛)などのP
ZT系セラミックスや、チタン酸バリウム系セラミック
ス、その他三成分以上の他成分系セラミックスなどがあ
る。
【0018】電極は、圧電セラミックスの電界印加方向
に形成した電極であり、一般に圧電セラミックスの電極
として用いられている物質を総て適用することができ
る。具体的には、Ag,Cu,Au,Alなどの金属や
それらの合金、In,Sn,Pb,Niまたはそれらの
合金が挙げられる。該電極の形成方法としては、焼付け
法、蒸着法、メッキ法などの周知の方法が適用できる。
【0019】本発明の大変位用圧電セラミックスは、圧
電セラミックスの分極処理工程において、分域配向方向
が電界印加方向に対して垂直方向となるように分極処理
することにより作製する。
【0020】上記分極処理工程において、分極処理温度
がキュリー温度(TC )〜(TC −300℃)の範囲内
でかつ電極間へ付加する圧縮応力が10〜100MPa
の範囲内の状態で所定時間保持し、その後前記圧縮応力
を加えた状態でまたは除荷した状態で室温まで冷却して
なる分極処理方法であることが好適である。
【0021】この分極処理方法において、圧電セラミッ
クスに対して分域が反転し易いキュリー温度より低い温
度にて変位方向(電界印加方向)の両面(電極の両面)
から圧縮応力を加えることにより、その圧縮応力によっ
て分域が圧縮応力印加方向、すなわち電界印加方向)に
対して垂直方向に配向する。その状態から室温まで冷却
することにより、分域は圧縮応力印加方向、すなわち電
界印加方向に対して垂直方向に配向し安定な状態とな
る。これにより、電界印加方向に対して垂直方向に分極
配向されてなる大変位用圧電セラミックスを得ることが
できる。
【0022】この分極処理方法により、分域が電界印加
方向に対して垂直に配向するため、電界を印加して駆動
すると分域が電界印加方向に反転し大きな変位量が得ら
れる。
【0023】なお、上記分極処理工程において、分極処
理温度をキュリー温度(Tc )〜(Tc −300℃)の
範囲内としたのは、該温度が(Tc −300℃)未満の
場合は分域が圧縮応力を付加しても反転しにくいという
問題があり、またキュリー温度を超えると常誘電体に相
転移して分域が消滅し、変位に寄与する分域反転の効果
が無くなるという問題があるからである。また、電極間
へ付加する圧縮応力を10〜100MPaとしたのは、
該応力が10MPa未満の場合は分域を配向させること
ができないという問題があり、また該応力が100MP
aを超えると圧電セラミックスにクラックが発生すると
いう問題があるからである。
【0024】また、保持時間は、1秒〜60分であるこ
とが好適である。その理由は、保持時間が1秒未満では
分域が充分に配向せず、また、60分を超えてもそれ以
上配向しないばかりか作業効率が悪くなる。
【0025】また、冷却速度は、0.1℃/sec 〜5℃/
sec であることが好適である。その理由は、冷却速度が
速い場合には、熱衝撃で圧電セラミックスにクラックが
生ずるためであり、冷却速度が遅い場合は、作業効率が
悪いためである。
【0026】なお、上記圧縮応力による分極処理は、圧
電セラミックスに対してのみではなく、圧電セラミック
スと電極からなるペレットと金属電極を交互に複数積層
したアクチュエータに対しても有効である。すなわち、
スタックを所定温度に保持した後、所定の圧縮応力を付
加することにより、アクチュエータを構成する各々のペ
レットの分域は圧縮応力の付加方向に対して垂直方向に
配向する。これにより、優れた電界−変位特性を有する
アクチュエータを得ることができる。
【0027】一方、分極処理を圧縮応力ではなく電界に
より行う場合には、分極処理温度がキュリー温度
(Tc )〜(Tc −300℃)の範囲内でかつ駆動電界
方向(変位方向)に対して垂直方向に配設した分極用電
極間に1〜4kV/mmの電界を印加した状態で所定時
間保持し、その後前記電界を印加した状態または電界を
除いた状態で室温まで冷却してなる分極処理方法である
ことが好適である。
【0028】この分極処理方法において、圧電セラミッ
クスに対して、分域が動きやすいキュリー温度に近い温
度域で、変位方向(駆動電界印加方向)に対して垂直方
向に分域を配向させるための高電界を印加する。この高
電界によって分域が高電界印加方向に配向する。その状
態から室温まで冷却することにより分域は、変位方向
(駆動電界印加方向)に対して垂直方向に配向し固定す
る。これにより、駆動電界印加方向(変位方向)に対し
て垂直方向に分域が配向されてなる大変位用圧電セラミ
ックスを得ることができる。
【0029】この分極処理方法により、分域が変位方向
(駆動電界印加方向)に対して垂直に配向するため、変
位方向(駆動電界印加方向)に電界を印加すると、分域
が電界印加方向に反転し、大きな変位量が得られる。
【0030】なお、上記分極処理工程において、分極処
理温度をキュリー温度(Tc )〜(Tc −300℃)の
範囲内としたのは、該温度が(Tc −300℃)未満の
場合は分域が動きにくいという問題があり、またキュリ
ー温度を超えると分域が消滅し、変位に寄与する分域反
転の効果が無くなるという問題があるからである。ま
た、印加電界を1〜4kV/mmとしたのは、該電界が
1kV/mm未満の場合は分域を反転できないという問
題があり、また該電界が4kV/mmを超えると圧電セ
ラミックスが絶縁破壊するという問題があるからであ
る。
【0031】また、保持時間は、1秒〜60分であるこ
とが好適である。その理由は、保持時間が1秒未満では
分域が充分に配向せず、また、60分を超えてもそれ以
上配向しないばかりか作業効率が悪くなる。
【0032】また、冷却速度は、0.1℃/sec 〜5℃/
sec であることが好適である。その理由は、冷却速度が
速い場合には、熱衝撃で圧電セラミックスにクラックが
生ずるためであり、冷却速度が遅い場合は、作業効率が
悪いためである。
【0033】本発明の大変位用圧電セラミックスは、電
界−変位(歪み)の変換効率が優れている。すなわち、
従来の圧電セラミックスに比べて、同じ印加電界で大き
な変位量を取り出すことができるので、変位量を一定と
すると印加する電界を小さくすることができ、割れ等の
不具合を無くすことができる。また、積層する枚数を少
なくすることができ、圧電セラミックスを適用した装置
をコンパクトにすることができる。
【0034】本発明の大変位用圧電セラミックスは、従
来の圧電セラミックスが適用されている用途の総てに適
用することができる。具体的には、各種のアクチュエー
タ、微動装置、モータ、ポンプ等が挙げられる。その中
でも、特に、油圧制御弁、燃料噴射弁などの応答性が要
求されるアクチュエータ等の大変位が要求される用途に
は好適である。
【0035】第1実施例 圧電体セラミックスの原料としてチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)の微粉末を用意し、プレス成形、CIP(冷
間静水圧プレス)、脱脂を行い、さらに電気炉で120
0℃、4時間焼成してセラミックス焼結体を得た。次い
で、この焼結体を、外径12mm、厚さ0.5mmに加工し、
表面を#600の砥石で仕上げた。次いで、このセラミ
ックス焼結体12の加工両表面に銀電極13をスクリー
ン印刷により取付け、その後電気炉で焼成して、セラミ
ックス圧電体11を作製した。なお、このPZTのキュ
リー温度は、170℃である。
【0036】次に、得られたセラミックス圧電体の分極
処理を行った。すなわち、図1の分極処理方法の概略説
明図に示すように、セラミックス圧電体11を加圧プレ
ート14に挟み、100℃のシリコンオイルに浸漬し、
銀電極13が取り付けてある両表面から油圧シリンダ等
(図示せず)により加圧プレート14を介して60MP
aの圧縮応力15を加え、その状態で20分間保持し、
その後、圧縮応力を加えたまま室温まで徐冷し、本発明
にかかる本実施例の圧電セラミックスを得た。
【0037】(比較例1)分極処理を施さない他は上記
第1実施例と同様にして、比較用圧電セラミックスを得
た。
【0038】(性能評価試験)本実施例により得られた
圧電セラミックスの性能評価試験を、電界−変位特性測
定試験により行った。図2の電界−変位特性測定試験の
概略説明図に示すように、電界0〜1200V/mmをサ
イン波で厚み方向に印加して、レーザ光を用いた変位計
(図示せず)により圧縮応力下で厚み方向(電界印加方
向)変位量を測定した。得られた結果のうち、印加電
界:0〜1200V/mm、圧縮応力:20MPa、温
度:室温の条件で行った結果を、図3に示す。なお、図
2は、第1実施例により得られた圧電セラミックスの使
用例の一例を示す図でもある。
【0039】また、比較用圧電セラミックスの性能評価
試験を、同様にして行った結果を、図3に併せて示す。
なお、該試験の概略説明図を図6に示す。
【0040】図3より明らかのように、圧縮応力20M
Paでの変位量は、本実施例の場合は0.51μmであ
り、比較例の変位量0.34μmに比べて約50%向上
したことが分かる。また、他の圧縮応力範囲内でも、本
実施例の圧電セラミックスは同様な効果が得られたこと
が確認され、優れた電界−変位特性を有することが分か
った。
【0041】また、分極処理におけるシリコンオイルの
温度は、圧電セラミックスのキュリー温度(Tc )〜
(Tc −300℃)の範囲内であればどのような温度で
も良く、圧縮応力は10〜100MPaの間、保持時間
は1秒〜60分の間であれば良く、室温までの冷却速度
は、0.1℃/sec 〜5℃/sec の間であれば、同様な
効果が得られることが確認された。
【0042】第2実施例 先ず、前記第1実施例と同様な方法で作製したセラミッ
クス焼結体を用意した。該セラミックス焼結体を、長さ
5mm、幅5mm、厚さ2mmに加工し、表面を#600の砥
石で仕上げ、その加工両表面A、A’およびB、B’面
に銀電極をスクリーン印刷により取付け、その後電気炉
で焼成して、セラミックス圧電体を作製した。ここで、
A−A’面とB−B’面の銀電極が接触しないようにB
−B’面の電極は、A−A’面より少し小さめに取り付
けた。
【0043】次に、得られた圧電セラミックスの分極処
理を行った。すなわち、先ず圧電セラミックスを100
℃のシリコンオイルに浸漬し、図4の分極処理方法の概
略説明図に示すように、B、B’面に2kV/mmの電界
を20分間印加し、その後電界を印加した状態で室温ま
で徐冷し、本発明にかかる本実施例の圧電セラミックス
を得た。このように分極処理した圧電セラミックスのB
−B’面の銀電極を加工により除去した後、A、A’面
に第1実施例と同様に電界を印加して電界印加方向の変
位量を測定した。図5に、該性能評価試験の概略説明図
を示す。測定条件は、第1実施例と同様である。なお、
図5は、第2実施例により得られた圧電セラミックスの
使用例の一例を示す図でもある。
【0044】得られた結果を、図3に示す。圧縮応力は
20MPaでの変位量は0.50μmであり、比較例
(従来技術)の0.34μmに比べ47%向上した。ま
た、他の圧縮応力範囲内でも同様の効果が確認された。
また、本実施例において分極処理におけるシリコンオイ
ルの温度は、圧電セラミックスのキュリー温度(Tc
〜(Tc −300℃)、印加電界は2.0〜4kV/m
m、保持時間は1秒〜60分、冷却速度は0.1℃/sec
〜5℃/sec の間であれば、同様な効果が得られるこ
とが確認された。
【0045】第3実施例 先ず、前記第1実施例と同様な方法で作製したセラミッ
クス圧電体を、20枚用意した。次いで、厚み20μm
のSUS製電極を21枚用意し、該電極と前記セラミッ
クス圧電体とを交互に積層して、スタックを作製した
(最上面と最下面は電極となる)。
【0046】次に、得られたスタックの分極処理を行っ
た。すなわち、先ず、スタックを150℃のシリコンオ
イルに浸漬し、スタックの上面と下面の両表面から油圧
シリンダ等(図示せず)により、加圧プレートを介して
30MPaの圧縮応力を加え、その状態で30分間保持
し、その後、圧縮応力を加えたまま室温まで徐冷して、
本発明にかかる本実施例のスタックを得た。
【0047】このように分極処理したスタックの電界−
変位特性測定試験を行った。該試験は、前記第1実施例
と同様の方法および条件で行った。得られた結果のう
ち、印加電界:0〜1200V/mm、圧縮応力:20M
Pa、温度:室温の条件で行った結果を、図7に示す。
【0048】(比較例2)前記比較例1と同様にして得
られた比較用圧電セラミックスを20枚用意し、該比較
用圧電セラミックスを積層して比較用スタックを作製し
た。この比較用スタックの性能評価試験を、前記第3実
施例と同様にして行った結果を、図7に併せて示す。
【0049】図7から明らかのように、圧縮応力20M
Paでの変位量は、本実施例の場合は11μmであり、
比較例の変位量7.0μmに比べて約57%向上したこ
とが分かる。また、他の圧縮応力範囲内でも、本実施例
のスタックは同様な効果が得られたことが確認され、優
れた電界−変位特性を有することが分かった。
【0050】また、分極処理におけるシリコンオイルの
温度は、スタックを構成するセラミックス圧電体のキュ
リー温度(Tc )〜(Tc −300℃)の範囲内であれ
ばどのような温度でも良く、圧縮応力は10〜100M
Paの間、保持時間は1秒〜60分の間であれば良く、
室温までの冷却速度は、0.1℃/sec 〜5℃/secの
間であれば、同様な効果が得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における圧電セラミックス
の分極処理工程の概略説明図である。
【図2】本発明の第1実施例において得られた圧電セラ
ミックスの性能評価試験を示す概略説明図である。
【図3】本発明の第1実施例、第2実施例、および比較
例1により得られた圧電セラミックスの性能評価試験結
果を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例における圧電セラミックス
の分極処理工程の概略説明図である。
【図5】本発明の第2実施例において得られた圧電セラ
ミックスの性能評価試験を示す概略説明図である。
【図6】比較例において得られた圧電セラミックスの性
能評価試験を示す概略説明図である。
【図7】本発明の第3実施例および比較例2により得ら
れた圧電セラミックスの性能評価試験結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
11,21 ・・・ 圧電セラミックス 12,22 ・・・ セラミックス焼結体 13,23 ・・・ 電極 14,24 ・・・ 加圧プレート 15,25 ・・・ 圧縮応力 16,26 ・・・ 分極方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体である圧電セラミックスと該圧
    電セラミックスの厚み方向に形成された電極とからな
    り、厚み方向に電界を印加して電界印加方向に変位を得
    る圧電セラミックスにおいて、 前記圧電セラミックスが、電界印加方向に対して垂直方
    向に分極配向されてなることを特徴とする大変位用圧電
    セラミックス。
  2. 【請求項2】 圧電セラミックスの分極処理工程におい
    て、分極配向方向が電界印加方向に対して垂直方向とな
    るように、分極処理してなることを特徴とする圧電セラ
    ミックスの分極処理方法。
  3. 【請求項3】 前記分極処理工程は、分極処理温度がキ
    ュリー温度(TC )〜(Tc −300℃)の範囲内でか
    つ電極間へ付加する圧縮応力が10〜100MPaの範
    囲内の状態で所定時間保持し、その後前記圧縮応力を加
    えた状態または除荷した状態で室温まで冷却してなるこ
    とを特徴とする請求項2記載の圧電セラミックスの分極
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記分極処理工程は、分極処理温度がキ
    ュリー温度(TC )〜(Tc −300℃)の範囲内でか
    つ電界印加方向(変位方向)に対して垂直方向に配設し
    た分極処理用の電極に1〜4kV/mmの電界を印加し
    た状態で所定時間保持し、その後前記電界を印加した状
    態または電界を除いた状態で室温まで冷却してなること
    を特徴とする請求項2記載の圧電セラミックスの分極処
    理方法。
JP5528894A 1994-02-28 1994-02-28 大変位用圧電セラミックスおよび圧電セラミックスの分極処理方法 Pending JPH07240546A (ja)

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