JPH07241619A - シャープな凹部を持つ異形管の製造方法 - Google Patents

シャープな凹部を持つ異形管の製造方法

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JPH07241619A
JPH07241619A JP3359494A JP3359494A JPH07241619A JP H07241619 A JPH07241619 A JP H07241619A JP 3359494 A JP3359494 A JP 3359494A JP 3359494 A JP3359494 A JP 3359494A JP H07241619 A JPH07241619 A JP H07241619A
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之博 白滝
Takefumi Nakako
武文 仲子
Katsuhide Nishio
克秀 西尾
Tsutomu Azuma
努 東
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肩部が小径化された凹部を持つ異形管をロー
ル成形法で製造する。 【構成】 管内側に突出した凹部Dが側面の一部に形成
された異形管Pn をロール成形する際、肩部のコーナー
角θを目標角度より小さくすると共に小径化した後、最
終段(b)でコーナー角θが目標角度になるように肩部
Dshを押し開く。矩形状の凹部Dをもつ異形管を製造す
る場合、中間段階におけるコーナー角θを40〜70度
の範囲に設定する。 【効果】 押開きによってコーナー角θを目標角度にす
るとき、肩部Dshが小径化され、シャープな印象を与
え、意匠性,識別性に優れた異形管Pn が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーナー部がシャープ
に形成された凹部をもつ異形管を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】柱,フェンス,手摺り,サッシ等の建材
や車止め,椅子等に、種々の異形断面を持つ鋼管が装飾
構造材用として使用されている。なかでも、図1に示す
ように、中央に凹部11が形成された異形管10は、凹
部11にガラス板等を嵌め込み、窓やドアの枠として使
用される。異形管10の製造には、平板状の金属母材を
ロール成形又は折曲げ成形する方法が採用されていた。
ロール成形,折曲げ成形等では、母材としての平板を所
定の断面形状に成形した後、幅方向両端部を突き合わせ
或いは重ね合わせて溶接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】平板を成形して閉じた
管にする場合、溶接部が外観を損ねることがないよう
に、施工時に別部材が組み込まれる部位、すなわち管内
側に張り出した凹部11に溶接部を配置する。このと
き、強度面から重合せ溶接が一般的に採用されている。
しかし、凹部11とこれに対向する辺13との間隙が小
さい場合、技術的に溶接が不可能となるため、製造可能
な異形管の形状及び寸法に制約が加わる。そこで、溶接
の必要がないように、円筒管のロール成形によって異形
管を製造する方法が一部で検討されている。しかし、円
筒管を母材とするロール成形法では、コーナー部の曲率
半径が大きく、装飾管等に要求されるシャープな感触を
もつ異形管が得られ難い。異形管内部に芯金を挿入して
ロール成形するとき、コーナー部の曲率半径を小さくで
きる。しかし、芯金の使用は、成形過程中における芯金
保持機構を始めとして種々の問題を派生する。そのた
め、生産性の低下をきたし、工業レベルで異形管を製造
する上で実用的な解決手段ではない。本発明は、このよ
うな問題を解消すべく案出されたものであり、目標角度
よりも小さいコーナー角をもつ凹部を形成する工程を経
ることにより、コーナー部の曲率半径を小さくし意匠
性,識別性を高めた異形管を、生産性の高いロール成形
法で製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の異形管製造方法
は、その目的を達成するため、管内側に突出した凹部が
側面の一部に形成された異形管を多段の成形スタンドで
ロール成形する際、最終段に至る段階で前記凹部を区画
する肩部のコーナー角θを目標角度より小さくした後、
最終段で前記コーナー角θが目標角度になるように前記
肩部を押し開くことを特徴とする。本発明は、最終段で
肩部を目標角度に押し開く限り、矩形状,三角形状,半
六角形状等,種々の断面形状を持つ凹部が形成された異
形管の製造に適用できる。しかし、以下においては、説
明を簡略化するため、矩形状の凹部が形成された異形管
の製造を例にとって説明する。この場合、コーナー角θ
が40〜70度の肩部をもつ凹部を成形した後、最終段
で前記コーナー角θが90度になるように肩部を押し開
くことが好ましい。
【0005】
【作用】異形管の成形過程を、肩部12と辺部13に分
けて検討する。肩部12は、大きく曲げられた結果とし
て形成されるものであり、加工硬化の度合いも辺部13
に比較して大きくなっている。このような肩部12のア
ールを小さくすることは、すでに加工硬化している肩部
12を更に曲げることになる。この条件下でロールによ
る押込み力Fを加えても、何らかの拘束をしない限り、
肩部12の小径化よりも異形管10の内側に辺部14が
変形することが優先する。内側に張り出した凹部をもた
ない矩形管のような断面形状を持つものでは、外側に凸
となる曲率を辺部に付けることにより異形管内側への変
形が拘束される。しかし、内側に張り出した凹部11を
もつ異形管10では、肩部12に加えた押込み力は、凹
部11を更に内側に変形させる力となって作用し、肩部
12の小径化に働かない。
【0006】肩部12では、成形時に図2に示すような
メタルフローがある。上ロール15u で下方向の押込み
力Fd を、右ロール15r で左方向の押し込み力Fl を
素管16に加えるとき、異形管の肩部12に特有なメタ
ルフローが発生する。このメタルフロー17は、右から
左、更に肩部12を経由して上から下となる一方向流れ
となっている。これに対し、他のコーナー部18に生じ
るメタルフローは、コーナー部18を挟む両辺部13,
13からコーナー部18に向かった2方向の流れとな
る。肩部12及び他のコーナー部18におけるメタルフ
ローの相違は、成形後の肩部12及びコーナー部18の
形状に大きな影響を与える。すなわち、他のコーナー部
18は、両方向からの材料流入があるため、小径化され
易い。これに対し、肩部12では一方向に材料が流れる
ことから、凹部11をロール圧下しても、一方向のメタ
ルフロー17を促進させるものの、肩部12の小径化に
有効に作用しない。その結果、凹部11が更に下方に落
ち込み、得られた異形管10の形状精度が低下する。
【0007】本発明者等は、このような凹部11をもつ
異形管10の成形工程におけるメタルフローを種々調査
・研究する過程で、肩部12のコーナー角θがメタルフ
ロー12の挙動に大きな影響を与えることを見い出し
た。異なるコーナー角θを付けた肩部12について、変
形前及び変形後の形状を図3に示す。この場合、ステン
レス鋼SUS304の未焼鈍材から製造した管材をを素
管として使用した。凹部11を区画する上辺11u の右
側端面では上下方向の変位を拘束した状態で、長手方向
に関してコーナー部に向かう変位を与えた。側辺11v
の下側端面は、上下方向に拘束しない状態で、水平方向
のみを拘束した。この条件下で、肩部12の小径化及び
側辺11V の下側端面の上下方向移動に与えるコーナー
角θの影響を調査した。側辺11V の下側端面が上下方
向移動するか否かは、メタルフロー12の挙動をみるた
めのものである。
【0008】コーナー角θを90度とした肩部12で
は、小径化がみられなかった。これは、図2で説明した
一方向のメタルフロー17が支配的であることを示す。
他方、コーナー角θを60度又は30度とした肩部12
は、変形後の曲率半径が小さくなっていた。このことか
ら、メタルフロー17は、コーナー角θを小さくしたと
き、一方向の流れで無くなっているものと推察される。
以上のような小径化及びメタルフローに関する推察は、
図4の実験結果によって裏付けられる。図4では、肩部
12の曲率半径Rg を初期肉厚t0 で割って無次元化し
た値を横軸にとり、側辺11V の下側端面の移動距離Δ
Yを縦軸にとっている。図4は、小径化の際に側辺11
V の下側端面の上下方向に関する位置移動がコーナー角
θで変わることを示している。コーナー角θが60度よ
り小さいと、小径化に応じて側辺11V の下側端面の位
置が上昇する。コーナー角θが60度のとき、側辺11
V の下側端面位置は上下方向に関して変わらない。コー
ナー角θが60度より大きいと、小径化に応じて側辺1
1V の下側端面の位置が下降する。
【0009】上下方向に関する側辺11V の下側端面の
移動は、小径化に大きな影響を与える。すなわち、コー
ナー角θが90度に近い条件下では、側辺11V の下側
端面の移動が下方向になり、図2で説明した一方向の流
れ17が発生している。コーナー角θが60度のときに
は、側辺11V の下側端面の移動がなく、あたかも上下
方向に関するメタルフローが拘束されているかのような
挙動となる。その結果、図3で示したように、肩部12
が小径化される。更にコーナー角θを60度より小さく
すると、側辺11V の下側端面が上方向に移動する。そ
の結果、他のコーナー部18と同様に肩部12に向かっ
た2方向のメタルフローが発生し、肩部12が小径化さ
れる。以上のモデル実験結果を図1に示した凹部11を
もつ異形管10に当て嵌めると、目標とする90度より
も小さなコーナー角θを肩部12に付けた後で素管を成
形するとき、肩部12の小径化が図られることが判る。
ただし、コーナー角θを90度より小さな角度に設定す
るとき、凹部11の全体が上下方向に移動する場合、す
なわち側辺11V の下側端面が上下方向に移動する場合
は、その移動量を見越したロール設計をしないと、製品
寸法に狂いが生じる。そのため、設計が困難になる。ま
た、コーナー角θを極端に小さくすると、その後にコー
ナー部を押し開くとき、90度に広がらなかったり、コ
ーナー部の内側に割れが発生し易くなる。そこで、工業
レベルでの小径化可能な適性範囲を考慮して、実際には
40〜70度の範囲にコーナー角θを定めることが好ま
しい。
【0010】
【実施例】ステンレス鋼SUS304焼鈍材でできた外
径48.6mm,肉厚1.5mm及び長さ1mの円筒管
を、図5に示すように、素管P0 として異形管成形機2
0にセットした。異形管成形機20は、成形ロールが組
み込まれた複数の成形スタンド21,22・・・2nを
配列している。素管P0 は、油圧シリンダー25によっ
て成形スタンド21,22・・・2nに押し込まれる。
素管P0 は、中間スタンドで窪み部Dinを持つ形状(図
6)にロール成形された後、最終成形スタンド2nで凹
部Dfiを持つ形状(図7)にロール成形される。窪み部
Dinをもつ異形管から凹部Dfiをもつ異形管を成形する
際、凹部Dfiの肩部Dshの小径化に中間段階の形状が与
える影響を調査した。本実施例においては、図8に示す
ように成形ロールを組み合わせたものを最終段直前n−
1の成形スタンド(a)及び最終段nの成形スタンド
(b)として使用した。
【0011】最終段直前n−1の成形スタンドでは、図
8(a)に示すように、上ロール31u を、下ロール3
1d 及び左右ロール31r ,31l と組み合わせてい
る。上ロール31u は、軸方向中央に隆起部31upが形
成されており、軸方向に関して隆起部31upの両側が傾
斜面31us,31usになっている。傾斜面31us,31
usは、隆起部31upの側面31uv,31uvに対してコー
ナー角θ=60度となるように設定した。隆起部31up
の表面31ufは、平坦面にした。他方、下ロール31d
及び左右ロール31r ,31l には、所定曲率の凹クラ
ウンを付けた曲面31df,31rf,31lfを設けた。上
段側n−2の成形スタンドから送り込まれた素管は、最
終段直前n−1の成形スタンドを通過するとき、上下ロ
ール31u ,31d 及び左右ロール31r ,31l で区
画される成形空間に倣って、中間形状の異形管Pn-1 と
なる。異形管Pn-1 の上辺には隆起部31upに対応した
凹部dが形成され、凹部dの両側が傾斜面31us,31
usに対応した傾斜面ds ,ds となっている。傾斜面3
1us,31usは、凹部dの側壁dv との間の角度が60
度であった。また、この時点で肩部Dshは小径化され
た。異形管Pn-1 の右辺,左辺及び下辺は、凹部曲面3
1df,31rf,31lfに倣って外側に若干張り出した形
状になっていた。
【0012】異形管Pn-1 は、最終段nの成形スタンド
で目標形状の異形管Pn にロール成形される。最終段n
の成形スタンドは、図8(b)に示すように、下ロール
32d 及び左右ロール32r ,32l としてフラットロ
ールを使用し、軸方向中央に隆起部32upが形成された
上ロール32u と組み合わせた。軸方向に関し隆起部3
2upの両側にある周面32us,32usは、隆起部32up
の側面32uv,32uvに直交させた。異形管Pn-1 の凹
部dは、最終段nの成形スタンドを通過するとき、上下
ロール32u ,32d 及び左右ロール32r ,32l に
よって、互いに直交する平面で区画された凹部Dとな
る。このとき、周面32us,32us及び側面32uv,3
2uvによって、異形管Pn-1 のコーナー部がコーナー角
θ=90度まで押し広げられる。実際、得られた異形管
Pn の形状を測定したところ、肩部Dshの曲率半径は肉
厚の0.8倍に留まっており、十分にシャープな凹部D
をもつものであった。
【0013】比較のため、最終段直前n−1に図9に示
す成形スタンドを使用し、最終段nの成形スタンド(図
8b)と組み合わせた。図9の成形スタンドは、異形管
Pn-1 を最終形状の異形管Pn に近付けるように、下ロ
ール33d 及び左右ロール33r ,33l に凸クラウン
を付けたロールを使用し、上ロール33u としてのカリ
バーロールと組み合わせた。ここでは、上ロール33u
の軸方向中央に形成した隆起部33upの側面33uv,3
3uvと周面33us,33usとの間の角度を90度に設定
した。得られた異形管Pn には、肩部Dshの曲率半径が
板厚の1.8倍と大きな凹部Dが形成されていた。この
対比から明らかなように、最終段直前n−1の成形スタ
ンドで鋭角的な肩部がある凹部dをもつ異形管Pn-1 を
成形し、最終段nの成形スタンドで肩部を押し開くこと
によって、肩部Dshの小径化が図られた。その結果、本
発明に従って製造された異形管は、シャープな印象を与
え、意匠性,識別性に優れたものであった。これに対
し、最終段直前n−1に図9に示す成形スタンドを使用
しものでは、肩部Dshの曲率半径が大きく、美観を損ね
るものであった。
【0014】以上の実施例では、矩形状の凹部Dをもつ
異形管Pn をロール成形した場合を例に取った。しか
し、本発明はこれに拘束されることなく、最終段で肩部
Dshを押し開いて目標コーナー角θにする限り、凹部D
の断面形状を任意に変えることができる。たとえば、三
角形状断面の凹部を形成する場合、目標コーナー角θが
120度であることから、中間段階でコーナー角θ=4
0〜70度の肩部をもつ凹部を形成する。また、目標角
度よりも小さなコーナー角θは、最終段直前に限らず、
最終段の成形スタンドに至る前の任意の段階で付けても
良い。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、管内側に突出した凹部をもつ異形管をロール成形法
で製造する際、目標角度より小さいコーナー角を凹部の
肩部に付けた後、最終段階で肩部を押し開くことにより
コーナー角を目標角度に調整している。この押開きによ
って、肩部が小径化され、意匠性,識別性に優れた異形
管製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 管内側に突出した凹部をもつ異形管
【図2】 コーナー部成形時のメタルフロー
【図3】 コーナー部成形時のメタルフローを調査した
モデル
【図4】 モデル実験から得られた成形中の材料移動と
小径化との関係
【図5】 本発明実施例で使用した異形管成形機
【図6】 窪み部が形成された異形管
【図7】 最終目標形状の異形管
【図8】 本発明に従ったロール成形中の形状変化を、
最終段直前の成形スタンド(a)及び最終段の成形スタ
ンド(b)における異形管の形状で示す。
【図9】 比較のために使用した最終段直前の成形スタ
ンド
【符号の説明】
20:異形管成形機 21,22・・・22n:成形
スタンド 25:油圧シリンダ 31u ,32u ,33u :上ロール 31r ,32
r ,33r :右ロール 31l ,32l ,33l :左ロール 31d ,32
d ,33d :下ロール 31up,32up,33up:隆起部 31uv,32uv,33uv:隆起部の側面 31us,32us,33us:隆起部両側の周面 Pn-1 :最終段直前n−1の成形スタンドで成形された
異形管 Pn :最終段nの成形スタンドで成形された異形管 d,D:凹部 Dsh:凹部の肩部 θ:
コーナー角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 努 兵庫県尼崎市鶴町1番地 日新製鋼株式会 社加工技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内側に突出した凹部が側面の一部に形
    成された異形管を多段の成形スタンドでロール成形する
    際、最終段に至る段階で前記凹部を区画する肩部のコー
    ナー角θを目標角度より小さくした後、最終段で前記コ
    ーナー角θが目標角度になるように前記肩部を押し開く
    ことを特徴とするシャープな凹部をもつ異形管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 コーナー角θが40〜70度の肩部をも
    つ凹部を成形した後、最終段で前記コーナー角θが90
    度になるように前記肩部を押し開く請求項1記載の異形
    管の製造方法。
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