JPH07243943A - 導波路分散測定方法および装置 - Google Patents

導波路分散測定方法および装置

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JPH07243943A
JPH07243943A JP3268294A JP3268294A JPH07243943A JP H07243943 A JPH07243943 A JP H07243943A JP 3268294 A JP3268294 A JP 3268294A JP 3268294 A JP3268294 A JP 3268294A JP H07243943 A JPH07243943 A JP H07243943A
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和則 長沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収(または利得)を示す光導波路の導波路
分散を測定する。 【構成】 平行光束を二つの光束に分岐し、被測定光導
波路を通過する第一の光路および光路長が可変の第二の
光路に伝播させ、この第一および第二の光路をそれぞれ
伝播した二つの光を合波して干渉させることにより第一
の干渉光を生成し、第二の平行光束を二つの光束に分岐
し、被測定光導波路を通過する第三の光路および光路長
が固定の第四の光路に伝播させ、この第三および第四の
光路をそれぞれ伝播した二つの光を合波して干渉させる
ことにより第二の干渉光を生成し、この第二の干渉光の
強度が一定に保たれるように上記第三の光路の光路長を
制御し、この第三の光路の光路長変化と等しい量だけ上
記第一の光路の光路長差を調整する。 【効果】 吸収(または利得)を示す光導波路におい
て、被測定光導波路の光学長変動の影響を被ることなく
導波路分散を測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバその他光導波
路の測定に利用する。本発明は光通信用光導波路の測定
に利用する。本発明は、ピコ秒以下の時間幅の光パルス
を発生するための導波路型光源、またはこの光パルスを
増幅する導波路型光増幅器、もしくはこの光パルスを伝
達する導波路の波長分散特性を高精度に測定する方法お
よび装置として適する。
【0002】ここで「分散」とは、光導波路に伝播する
光の波長(または周波数)によりその光の伝播速度が変
化する現象をいう。
【0003】
【従来の技術】近年、ピコ秒以下の時間幅の光パルスの
発生技術の開発が盛んに進められている。その結果、時
間幅の短い光パルスの発生または伝達に際しては、その
発生、増幅または伝達に使用する導波路型部品、または
この部品の集合体である光学路の波長分散特性が光パル
スの形状に大きく影響することが明らかになってきた。
例えば、波長分散特性が急激に変化するような光学路を
短い時間幅の光パルスが通過すると、波形が著しく変形
を受けるという現象が生ずる。また、波長分散特性が急
激に変化する光学部品を用いたのでは、時間幅の短い光
パルスの発生自体がそもそも困難であるという問題があ
る。これを防ぐためには、前記の波長分散特性を最小に
抑える必要があり、このような波長分散特性の制御のた
めにもこの分散特性の測定方法の開発が強く望まれる状
況にあった。
【0004】時間幅の短い光パルスの変形に直接関与す
るのは、導波路型部品またはこの部品の集合体である光
学路(以下これらを総称して光導波路という)の波長分
散特性のうちでも群速度分散と呼ばれる部分である。時
間幅の短い光パルスが光導波路を通過する際に光信号の
伝播速度(群速度)が光の波長毎に異なると、この光導
波路の通過に要する時間、いわゆる群遅延時間が波長に
依存するようになる。ここで例えば、群遅延時間が長波
長ほど短い光導波路を光パルスが通過する場合を考える
と、通過後にはパルス中の短波長成分が相対的に長波長
成分に対して遅れることになり、結果的にパルスの時間
幅が広がってしまうことになる。これが群速度分散によ
るパルスの変形の直感的な説明である。
【0005】光角周波数ω(波長λとの間に2πc/λ
の関係がある。cは真空中の光速度である)に対する光
導波路の波長分散特性をφ(ω)とするとき、群遅延時
間τ(ω)および群速度分散D(ω)は各々次のように
表される。
【0006】 τ(ω)=dφ(ω)/dω …(1) D(ω)=dτ(ω)/dω …(2) そして例えば一定の群速度分散値Dを持つ光導波路にお
いて、幅Tのガウス型のパルスがこの光導波路を通過し
た後のパルス幅は、 T(1+4(D/T2 2 1/2 に広がることが知られている。これから明らかなよう
に、パルスの広がりを抑えるためには、D=0、すなわ
ち光導波路の群速度分散をゼロにすることが必要であ
る。
【0007】さて、第(2)式より、群遅延時間を測定
すればその微分をとることにより群速度分散を知ること
ができ、この原理に基づく群速度分散測定方法が図7に
示すように構成される。図7は第一の従来例装置のブロ
ック構成図である。
【0008】次に、この第一の従来例について概要を説
明する。この従来方法では光導波路の群遅延時間を干渉
計を用いて測定するようになっている。図7において、
白色光源の発生する平行光束である平行光束1から可変
光学フィルタ74により特定の波長帯域が抽出され、さ
らに偏光子2により所望の向きの直線偏光成分が取り出
される。この光束がキューブビームスプリッタ3、固定
鏡4、および可動鏡5から構成されるマイケルソン干渉
計に入射する。光ファイバである被測定光導波路7は結
合レンズ8および9を介して前記マイケルソン干渉計の
腕の一方に挿入されている。この干渉計を出射した光の
強度を光検出器6により測定する。マイケルソン干渉計
の二つの腕の間の相対的光路長差を可動鏡5の移動によ
り変化させると、光検出器6の出力信号には光の干渉現
象に起因する振動が現れる。この干渉計の二つの腕の間
の相対的光路長差を光速度で除した数値を干渉計の遅延
時間差と称し、前記振動(干渉信号)の振幅が最大とな
る遅延時間差を求め、その値を被測定光導波路の群遅延
時間とともに観測する。このようにして可変光学フィル
タ74の中心波長を変化させて以上の測定を繰り返し行
うことにより、各波長に対する遅延時間を求めて行く。
【0009】ここでこの第一の従来例の問題点について
議論しよう。上述した従来の導波路分散測定方法では、
干渉信号の振幅が最大となる遅延時間差が測定しようと
する群遅延時間に正しく一致するのは、被測定光導波系
の透過特性 T(ω)=|T(ω)|exp〔iφ(ω)〕 (iは
虚数単位) に対し以下の条件の満たされる場合に限られる。すなわ
ち、可変光学フィルタの中心波長(角周波数)ω0 、透
過帯域幅Δに対し、 |T(ω)|:一定 …(3) φ(ω)=φ(ω0 )+(ω−ω0 )τ(ω0 ) (|ω−ω0 |<Δ) …(4) 第3式は被測定光導波路の吸収がフィルタの帯域幅中で
変化しないことを要請する。続く第4式の条件は、フィ
ルタの帯域幅中での被測定光導波路の位相変化はすべて
測定しようとしている群遅延時間に起因すると観測でき
ることを意味する。換言すれば、より高次(ωについて
2以上)の項が無視できるほど小さいことが要請されて
いるのである。解析学の教えるところによれば、光導波
路の吸収特性|T(ω)|および位相特性φ(ω)が連
続的に変化しさえすれば(これは自然界で一般に満たさ
れる)、フィルタの透過帯域幅Δを充分に小さくとれば
常に前記の2条件を満足することは可能である。ところ
が、以下に述べるところにより透過帯域幅Δを必要以上
に小さくとることは望ましくない。
【0010】上述の干渉信号の振幅が最大となる遅延時
間を高精度に求めるためには、干渉信号の包絡線の幅が
狭い方が有利である。ところがここで包絡線の幅は、前
記フィルタの透過帯域幅Δに反比例する。したがって測
定精度の観点からは、透過帯域幅Δを大きく取ることが
必要である。かくして、かかる第一の従来の方法では測
定法の原理的妥当性を保つためにはΔの小さく取る必要
がある一方で、測定精度を高くするためにはΔを大きく
取ることが望ましいというΔの大きさについて相反する
要請が生ずることになる。
【0011】この第一の従来の技術ではこの両要請の妥
協点として最適の透過帯域幅Δを決めようとしていた
が、ここで問題となるのは第一の要請の内容に被測定量
τ(ω0 )(光導波路の群遅延時間)自体が含まれてい
ることであった。つまり光導波路の群遅延時間の変化の
激しい波長では相対的にフィルタの透過帯域幅は狭く取
るのが望ましいが、測定に先だってこのような最適化を
行うことは不可能である。なぜならある波長での光導波
路の群遅延時間の変化が激しいか否かは測定を以て初め
て明らかになるからである。結果として、厳密な帯域幅
の最適化は非現実的であって、測定精度に多少の犠牲を
払い、安全を見込んで小さめに設定した帯域幅をもって
全波長の測定を行わざるを得ない。
【0012】このように第一の従来方法では、可変光学
フィルタの帯域幅の設定を被測定光導波路の特性に応じ
て変化させるという見通しの悪い手続きを免れない。と
きとして光導波路の群遅延時間の変化が見込以上に激し
い箇所があると、干渉信号が単峰性を示さなくなり、こ
の場合次義通り振幅の最大点に対応する群遅延時間を強
引に読み取っても当該波長における正確な群遅延時間は
得られない。このような場合、可変光学フィルタの帯域
幅をより狭く設定しなおした上で再測定を行うことが必
要となる。ただでさえ測定波長点ごとに干渉計の遅延時
間の掃引が必要な上に、かくのごとき再測定まで迫られ
る場合があるので、本従来技術は測定の迅速性を欠くも
のといわざるを得ない。さらに按ずるに、測定が上首尾
になされる場合には必ず、広い幅を有する干渉信号の包
絡線上で、判然としにくい最大点の幅に比して微少なシ
フトから群遅延時間を測定することになる。このゆえ
に、高い精度を得ることが非常に困難であった。
【0013】この第一の従来方法の欠点の生ずる所以
は、観測される干渉信号の振幅(包絡線)のみに注目
し、より直接的に被測定光導波路の波長分散特性を反映
している干渉信号の位相情報を用いることなく捨て去っ
ているその測定原理にあることが知られている。この理
解に立って、干渉信号の位相を測定することによって素
子の波長分散を測定する方法が、例えば特開平2−13
4543号公報(特願昭63−287566)、「分散
測定方法および装置」に開示されている。この方法で
は、白色光を用いる干渉計の一方の腕に被測定素子を挿
入し、遅延時間差を変えて生ずる干渉波形を記録し、記
録した波形をフーリエ変換して得られる周波数領域での
位相情報から、被測定素子の波長分散が求められる。ま
た特に光導波路については、特開平3−216530号
公報(特願平2−11813)、「導波路分散測定方法
および装置」に、特開平2−134543号公報に開示
された白色光干渉計の両腕中に光結合光学系を設置し
て、導波路への光の入出射のための光結合光学系の波長
分散を相殺した測定器が開示されている。これらの原理
に基づく群速度分散測定方法の構成を図8に示す。図8
は第二の従来例装置のブロック構成図である。
【0014】次に、この第二の従来例について概要を説
明する。図8において、白色光源の発生する平行光束で
ある平行光束1から偏光子2により所望の向きの直線偏
光成分が取り出される。この光束がキューブビームスプ
リッタ3、固定鏡4、および可動鏡5から構成されるマ
イケルソン干渉計に入射する。光ファイバである被測定
光導波路7は結合レンズ8および9を介して前記マイケ
ルソン干渉計の腕の一方に挿入されている。同時に、被
測定光導波路7以外の光学要素の分散特性の影響を極力
取り除くために、結合レンズ8および9の分散を相殺す
るための補正レンズ10および11が、可動鏡5を含む
干渉計の腕に挿入されている。干渉計を出射した光の強
度を光検出器6により測定する。マイケルソン干渉計の
二つの腕の間の相対的光路長差を可動鏡5の移動により
変化させると、光検出器6の出力信号には光の干渉現象
に起因する振動が現れる。この信号を逐一波形記憶装置
12に記録し、しかる後記憶された信号を計算機13に
よりフーリエ解析する。フーリエ解析の結果として得ら
れた各光周波数成分、すなわちフーリエ成分の位相が被
測定光導波路7の波長分散特性を与える。
【0015】相対的光路長差を光速度で除した遅延時間
τの関数として、波形記憶装置12に記録された光検出
器6の出力電圧をS1 (τ)とする。キューブビームス
プリッタ3、微動鏡4、および可動鏡5で構成される測
定用干渉計において、被測定光導波路7以外の光学要素
の分散特性に起因する両腕の間の位相不平衡が無視でき
るとき、信号S1 (τ)のフーリエ変換が、 F〔S1 (τ)〕=T(ω)U(ω) …(5) で表される。ここで、Fはフーリエ変換を表し、T
(ω)は上述した被測定光導波路の透過特性、またU
(ω)は平行光束1の光スペクトルである。
【0016】光スペクトルは常に正の実数である。した
がって、第(5)式の複素数としての位相は、常にT
(ω)の位相、つまり光導波の位相特性φ(ω)のみを
反映する。すなわち、 arg(F〔S1 (τ)〕=φ(ω) …(6) となる。ここで得られた位相φ(ω)から、群遅延時間
が第(1)式によって求められる。したがって、第
(1)式がこの第二の従来方法による導波路分散測定方
法の原理を表す基本式となる。
【0017】この第二の従来方法では、前述した第一の
従来方法の欠点が解消されている。すなわち、第(5)
式のフーリエ変換の結果の位相のみが第(6)式におい
て抽出される結果、分散特性の測定に被測定光導波路の
吸収特性|T(ω)|が混入することが原理的にない。
したがって、本従来方法は、半導体光増幅器あるいは光
ファイバ型光増幅器といった吸収(または負の吸収とし
て利得)を示す光導波路の測定に問題なく適用できる。
さらにただ一回の干渉計の掃引によって得た信号から、
用いる白色光源に含まれる全ての波長域にわたる波長分
散特性が一挙に求められるので、迅速な測定が実現でき
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
二の従来方法は被測定光導波路の光路長が、測定中に一
定に保持されることを前提としている。もしこの光路長
が変動していると、測定用干渉計の相対的光路長差を如
何に高精度に校正したとしても、採取された干渉信号を
フーリエ変換して、第(5)式に示した結果が得られな
い。これは、この光路長の変動が相対的光路長差の誤差
と等価なためである。
【0019】いま光速度をcと書き、干渉計の相対的光
路長差の刻みcΔτ毎に干渉信号を採取したとすると、
周知のサンプリング定理によりフーリエ解析の結果は ω=0 から ω=π/Δτ までのフーリエ成分に分解される。ここで現れた各周波
数の上端ωNYQ は、良く知られたナイキスト周波数を角
周波数の形に表したものである。この上端ωNYQ は、白
色光に含まれる光の短波長端λL に対応する光角周波数 ωL =2πc/λL よりも大きいこと、すなわち ωNYQ >ωL が必要である。これは、離散データのフーリエ変換に伴
う折り返し(エイリアシング:aliasing)、すなわち源
信号中にナイキスト周波数を越える周波数成分が存在す
るとその周波数成分が折り返されてナイキスト周波数以
下の部分と重なってしまう現象を防ぐためである。この
条件を光路長差刻みcΔτに換算すると、条件 cΔτ<λL /2 …(7) が導かれる。第7式により、例えば白色光の短波長端が
800nmである場合、少なくとも400nmよりも細
かい光路長差の刻みで測定を行うことが必要であること
が分かる。このためには、最低でも数十nmの精度で相
対的光路長差を校正することが不可欠である。
【0020】すでに述べたように、被測定光導波路の光
路長の変動は相対的光路長差の誤差と等価なので、この
光路長の変動は高々数十nmの程度に留まることが必要
である。
【0021】例えば素子長が300μm程度の半導体レ
ーザの往復分の光路長は約2nmであり、素子温度の1
℃の変化に付随して、150nmの光路長変動が生ず
る。したがって、この場合、光路長の変動を第二の従来
方法で許容される範囲内に抑えるためには、0.1℃オ
ーダの温度制御が必要である。この程度の温度制御は現
在の技術で容易に達成されるので、第二の従来の導波路
分散測定方法を用いて、素子長が300μmの半導体レ
ーザ光増幅器の分散が実際に測定されている(IEEE
量子エレクトロニクス誌「IEEE Journal of Quantum El
ectronics 」第WQE−27巻1280−1287頁1
991年)。
【0022】ここで許容される温度変動の幅は、被測定
光導波路の光路長に反比例する。したがって、同じ半導
体レーザでも、例えばモノリシックモード同期半導体レ
ーザのように3nm程度が典型的素子長である場合に
は、必要な温度制御は0.01℃オーダとなる。このよ
うなレベルの温度制御は高価につき、したがってこの従
来方法を用いてこのような素子長の長い半導体レーザの
共振器分散を測定することは容易ではない。
【0023】以上の半導体レーザは全固体素子であり、
共振器光路長変動が小さい部類に属する。これに対し
て、通常の光ファイバは僥性を持ち、曲げによって光路
長変動が惹起される。経験的に、両端を支持して自由懸
架した20cm長の光ファイバについて、懸架部分に触
れることによる光路長変動は、5μm以上に及ぶ。この
光路長変動は、第二の従来の共振器分散測定方法の許容
する値を二桁以上超過している。より注意深く光ファイ
バの全長を光学定盤上に横たえたときでも、空気の流
れ、または支持部品および定盤を経由する環境からの振
動によって微小曲げが常にランダムに消長しており、そ
の結果として1μm程度の光路長変動は避け得ない。し
たがって、第二の従来方法を用いて光ファイバの波長分
散を測定することは現実的に困難である。
【0024】このように、第二の従来方法は測定対象の
光導波路に光路長変動が僅少であるという条件を課し、
それが実用的に適用可能な測定対象は、実際上、短素子
長の半導体素子に限定されている。
【0025】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、これらの問題を解決し、汎用性のある導波路
分散測定方法を提供することを目的とする。特に、吸収
(または利得)を示す光導波路に適用可能で、なおかつ
被測定光導波路の光路長変動の影響を被ることのない導
波路分散測定方法を提供することを目的とする。
【0026】本発明は、被測定光導波路の光学的光路長
を一定に制御し、その分散を正確に測定する方法および
装置を提供することを目的とする。本発明は被測定光導
波路の光学的光路長の影響を測定から取り除くことがで
きる分散の測定方法および装置を提供することを目的と
する。本発明は、被測定光導波路の光学的光路長の影響
を自動的に取り除くことができる分散の測定方法および
装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は、
マイケルソン干渉計の反射鏡を設けたアームに挿入され
た被測定光導波路の分散を測定する導波路分散測定装置
である。
【0028】ここで、本発明の特徴とするところは、こ
の被測定光導波路を含む光路長の変化を検出する系を別
に設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じないよ
うにその光路長の機械的な長さを自動的に変更する手段
を備えるところにある。
【0029】この光路長の変化を検出する系は、前記マ
イケルソン干渉計の反射鏡を設けたアームを互いに共通
にして構成された別のマイケルソン干渉計であることが
望ましい。
【0030】すなわち本発明は、広い連続スペクトルを
有する第一の平行光束(1)を第一および第二の二つの
光束に分岐するハーフミラー(3)と、このハーフミラ
ーを透過した第一の光束が反射する第一の反射鏡(4)
と、このハーフミラーに反射した第二の光束が反射する
第二の反射鏡(5)と、この第一の反射鏡に反射した光
および第二の反射鏡に反射した光が前記ハーフミラー上
で合波して生成される干渉光を検出する第一の光検出器
(6)とを備え、前記ハーフミラーと前記第一の反射鏡
との間に被測定光導波路(7)が挿入された導波路分散
測定装置である。
【0031】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記第一の平行光束(1)と平行な第二の平行光束(1
4)を設けて前記ハーフミラー(3)を共通に使用して
そのハーフミラーを透過した第三の光束およびそのハー
フミラーに反射した第四の光束を生成し、この第三の光
束を前記被測定光導波路に結合させる手段(8、9)
と、この第四の光束が反射する第三の反射鏡(17)
と、前記第一の反射鏡(4)に反射した光およびこの第
三の反射鏡に反射した光を前記ハーフミラー上で合波し
て生成される干渉光を検出する第二の光検出器(19)
とを備え、この第二の光検出器の出力が一定になるよう
に前記被測定光導波路が挿入された導波路の光路長を自
動的に調節する調節手段を備えるところにある。
【0032】この第一の平行光束(1)および前記第二
の平行光束(14)は、一つの光源(51)の出力光を
それぞれ遅延時間の異なる伝播路を経由させることによ
り生成させる構成とすることもできる。これにより、共
通に使用するハーフミラーにおける相互干渉を低減させ
ることができる。前記調節手段は、前記第一の反射鏡
(4)の位置を変更する手段を含む構成としてもよい
し、前記被測定光導波路(7)に直列に挿入された光路
長調節装置(61)を含む構成としてもよい。
【0033】さらに、前記第一の光検出器(6)の出力
に前記第二の反射鏡(5)に反射する光路の光路長に対
する光レベルを記録する波形記憶装置(12)が接続さ
れることが望ましい。
【0034】本発明の第二の観点は、マイケルソン干渉
計の二つの反射鏡のうち一方の反射鏡を設けたアームに
被測定光導波路を挿入し、その二つの反射鏡に反射した
光の干渉を測定することにより導波路分散を測定する方
法である。
【0035】ここで、本発明の特徴とするところは、こ
の被測定光導波路を含む光路長の変化を検出する系を別
に設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じないよ
うにその光路長の機械的な長さを自動的に変更するとこ
ろにある。波長の異なる2以上の光源光についてその干
渉をそれぞれ検出することにより導波路分散を測定する
こともできるし、広い連続スペクトルの光源光を入射
し、他方の反射鏡に反射する光路長を変更し、その変更
に伴い生じる干渉の変化を検出してその検出結果をフー
リエ解析することにより導波路分散を測定することもで
きる。
【0036】すなわち本発明は、広い連続スペクトルを
有する第一の平行光束(1)をハーフミラー(3)によ
り第一の光束および第二の光束に分岐し、このハーフミ
ラーを透過した第一の光束を第一の反射鏡(4)に反射
させ、このハーフミラーに反射した第二の光束を第二の
反射鏡(5)に反射させ、この第一の反射鏡に反射した
光および第二の反射鏡に反射した光が前記ハーフミラー
上で合波して生成される干渉光を第一の光検出器(6)
で検出し、前記ハーフミラーと前記第一の反射鏡との間
に被測定光導波路(7)を挿入し、前記第二の反射鏡
(5)の位置を変更しながら前記第一の光束および前記
第二の光束により生じる干渉の変化を検出し、その干渉
の変化についてフーリエ解析することによる導波路分散
測定方法である。
【0037】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記第一の平行光束(1)と平行な第二の平行光束(1
4)を設けて前記ハーフミラー(3)を共通に使用して
そのハーフミラーを透過した第三の光束およびそのハー
フミラーに反射した第四の光束を生成し、この第三の光
束を前記被測定光導波路(7)に結合させ、この第四の
光束を第三の反射鏡(17)で反射させ、前記第一の反
射鏡(4)に反射した光およびこの第三の反射鏡に反射
した光を前記ハーフミラー上で合波して生成される干渉
光を第二の光検出器(19)で検出し、この第二の光検
出器の出力が一定になるように前記被測定光導波路
(7)が挿入された光路長を調節するところにある。
【0038】
【作用】分散を測定するためのマイケルソン干渉計とは
別に、被測定光導波路を含む光路長の変化を検出する系
を設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じないよ
うにその光路長の機械的な長さを自動的に変更して測定
系を安定化させる。
【0039】前記光路長の変化を検出する系を前記マイ
ケルソン干渉計の反射鏡を設けたアームを互いに共通に
して構成する別のマイケルソン干渉計を利用することに
より、自動制御系を構成することができる。
【0040】上記の構成は、光源光として複数の波長の
異なる光を利用して分散を測定する方法、および光源光
として広い連続スペクトルを有する光を利用しフーリエ
解析により分散を測定する方法のいずれにも利用するこ
とができる。
【0041】広い連続スペクトルを有する二つの平行光
束を、ビームスプリッタおよび被測定光導波路とそれへ
の光の結合手段およびその被測定光導波路の設置された
光路の側の端面鏡とを共有する二つのマイケルソン干渉
計に同時に入射し、この第一のマイケルソン干渉計(以
下「測定用マイケルソン干渉計」という)によって生じ
た干渉光の強度を光検出器によって電圧値に変換して測
定する。この端面鏡または光の結合手段には微動装置が
装着される。このとき、第二のマイケルソン干渉計(以
下「補助用マイケルソン干渉計」という)によって生じ
た干渉光の強度が一定に保たれるように前記微動装置を
駆動し、測定用マイケルソン干渉計の相対的光路長差が
補助用マイケルソン干渉計の相対的光路長差に対して一
定変化をするごとに光検出器の出力電圧値を逐一時系列
的に記憶し、この記憶データをフーリエ変換して得られ
る周波数領域での位相情報から、被測定光導波路の波長
分散特性を測定する。これにより、吸収(または利得)
を示す光導波路に適用可能で、なおかつ被測定光導波路
の光路長変動の影響を被ることなく、汎用的に導波路分
散を測定することが可能となる。
【0042】平行光束を被測定光導波路を片方の光路に
含むマイケルソン干渉計に入射し、干渉波形のフーリエ
変換から被測定光導波路の波長分散を求める原理につい
ては、本発明は、上述した第二の従来技術と同一であ
る。しかし、被測定光導波路の光路長が変動した場合に
も正確な干渉波形が採取できるように構成されている点
は、上述した第二の従来技術と異なる。したがって、こ
の点につきさらに説明する。
【0043】本願発明者は、上述した第二の従来の測定
技術での問題点が、何に起因するのかについて検討し
た。その結果、干渉波形のフーリエ変換から被測定光導
波路の波長分散を求めるためには、干渉波形を一つの波
長に対する被測定光導波路の光路長を基準とした光路長
差に対して採取する必要があるにもかかわらず、従来方
法では干渉波形が絶対的な光路長差に対して採取されて
いることが判明した。すなわち、被測定光導波路の光路
長が変動すれば、干渉波形の光路長差をそれに応じて変
移しなければならないが、従来技術ではこれが行われて
いないのである。
【0044】ここで本願発明者は、被測定光導波路の光
路長を常時監視し、被測定光導波路の光路長の変動に応
じて、干渉波形の採取に係る光路長差を自動的に補正す
る本発明に至った。この被測定光導波路の光路長の監視
のために、干渉波形の採取を行う干渉計(測定用マイケ
ルソン干渉計)とは個別の干渉計(補正用マイケルソン
干渉計)を付加する。また、光路長差の自動補正のため
に、二つの干渉計がビームスプリッタと、一つの端面鏡
または被測定光導波路への光の結合系を共有し、被測定
レーザ共振器の光路長変動に追随して、この端面鏡また
は光の結合系が微動装置により移動する構成を用いる。
【0045】
【実施例】本発明第一実施例の構成を図1を参照して説
明する。図1は本発明第一実施例の導波路分散測定装置
を示す図であり、本発明を実施するための基本的な構成
を示す。
【0046】本発明は、マイケルソン干渉計の反射鏡と
しての可動鏡5を設けたアームに挿入された被測定光導
波路7の分散を測定する導波路分散測定装置である。
【0047】ここで、本発明の特徴とするところは、こ
の被測定光導波路7を含む光路長の変化を検出する系を
別に設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じない
ようにその光路長の機械的な長さを自動的に変更する手
段を備えるところにある。この光路長の変化を検出する
系は、前記アームを互いに共通にして構成された別のマ
イケルソン干渉計である。
【0048】すなわち本発明第一実施例装置は、広い連
続スペクトルを有する平行光束1を二つの光束に分岐す
るハーフミラーを含むキューブビームスプリッタ3と、
このハーフミラーを透過した光束が反射する微動鏡4
と、このハーフミラーに反射した光束が反射する可動鏡
5と、微動鏡4に反射した光および可動鏡5に反射した
光がキューブビームスプリッタ3上で合波して生成され
る干渉光80を検出する光検出器6とを備え、キューブ
ビームスプリッタ3と微動鏡4との間に被測定光導波路
7が挿入された導波路分散測定装置である。
【0049】ここで、本発明の特徴とするところは、平
行光束1と平行な平行光束14を設けてキューブビーム
スプリッタ3を共通に使用してそのハーフミラーを透過
した光束およびそのハーフミラーに反射した光束を生成
し、このハーフミラーを透過した光束を被測定光導波路
7に結合させる手段としての反射鏡15、半透鏡16、
結合レンズ8、9と、この第四の光束が反射する固定鏡
17と、微動鏡4に反射した光および固定鏡17に反射
した光をキューブビームスプリッタ3上で合波して生成
される干渉光81を検出する光検出器19とを備え、こ
の光検出器19の出力が一定になるように被測定光導波
路7が挿入された導波路の光路長を自動的に調節する調
節手段としての帰還回路20および微動装置21を備え
るところにある。
【0050】次に、本発明第一実施例の動作を説明す
る。平行な光束を二つの光束に分岐して互いに別の光路
に伝播させた後に再び合波して干渉させる第一のマイケ
ルソン干渉計(測定用マイケルソン干渉計)としてキュ
ービックビームスプリッタ3、微動鏡4および可動鏡5
を備え、この測定用マイレルソン干渉計の微動鏡4側の
光路内に被測定光導波路7、およびそれに光を結合する
結合レンズ8、9を備え、測定用マイケルソン干渉計の
二つの光路の相対的光路長差を順次変化させたときにそ
の測定用マイケルソン干渉計から出射される干渉光80
の強度をその相対的光路長差の変化に対応させて測定す
る測定手段としての光検出器6および波形記憶装置12
を備え、測定された光強度波形をフーリエ変換して得ら
れる周波数領域での位相情報から波長分散特性を求める
演算手段として計算機13を備える。
【0051】キューブビームスプリッタ3および微動鏡
4、被測定光導波路7、さらにそれに光を結合する結合
レンズ8、9を測定用マイケルソン干渉計と共有し固定
鏡17を備えた第二のマイケルソン干渉計(補正用マイ
ケルソン干渉計)を備え、補正用干渉計の一つの光路で
光を被測定光導波路7、およびその周りの結合レンズ
8、9に導くための反射鏡15および半透鏡16を備
え、補正用マイケルソン干渉計から出射される干渉光8
1の強度が一定となるように微動鏡4の位置を調整する
帰還手段としての光検出器19、帰還回路20および微
動装置21を備え、さらに測定用マイケルソン干渉計の
可動鏡5は、その位置が補正用マイケルソン干渉計にお
ける固定鏡17の位置を基準として移動可能に形成され
る。
【0052】また、被測定光導波路以外の光学要素の分
散特性に起因する測定用マイケルソン干渉計の二つの光
路の間の位相不平衡を低減するために、測定用マイケル
ソン干渉計の可動鏡5側の光路に、結合レンズ8、9と
光学的性質の同一な補正レンズ10、11、さらに半透
鏡16と光学的性質の同一な補正板18が挿入されてい
る。固定鏡17は、一つの光導波路に対する測定中は固
定されるが、光路長の異なる光導波路を測定する場合は
移動できる。
【0053】広い連続スペクトルを有する平行光束1
は、キューブビームスプリッタ3によって二つの光束に
分岐される。ここで分岐された光束の一方は結合レンズ
8を経由して被測定光導波路7を通過し、結合レンズ9
により再び平行光束に変換された後、微動鏡4により反
射され往路と同一の復路を辿る。分岐された光束の他方
は補正板18および補正レンズ10、11を通過した
後、可動鏡5により反射され往路と同一の復路を辿る。
その結果これら二つの光束がキューブビームスプリッタ
3に再入射しそこで合波される。この合波光が光検出器
6に入射し、光強度波形が測定される。
【0054】一方広い連続スペクトルを有する平行光束
である平行光束14は、補正用マイケルソン干渉計に入
射し、キューブビームスプリッタ3により二つに分岐さ
れる。ここで分岐された二つの光束の一方は反射鏡1
5、半透鏡16によって前記平行光束1の分岐された光
束の一方と同軸に結合され、結合レンズ8を経由して被
測定光導波路7を通過し、結合レンズ9により再び平行
光束に変換された後、微動鏡4により反射され往路と同
一の復路を辿る。分岐された光束の他方は固定鏡17に
より反射されて往路と同一の復路を辿る。その結果これ
らの二つの光束がキューブビームスプリッタ3に入射し
そこで合波される。この合波光が光検出器19に入射す
る。
【0055】ここで補正用マイケルソン干渉計は、被測
定光導波路7の光路長を監視するために設置されてい
る。この補正用マイケルソン干渉計に付随する光検出器
19の出力信号は、帰還回路20によって、微動鏡4を
保持する微動装置21に帰還される。これにより、被測
定光導波路7のΔTだけの光路長変動に対して、ΔTだ
けの微動鏡変位による光路長差変化が生じ、補正用マイ
ケルソン干渉計の相対的光路長差が常に被測定光導波路
7の光路長に追随して変化する。同時に、測定用マイケ
ルソン干渉計の相対的光路長差についても、被測定光導
波路7の光路長に応じて変移されることになる。この状
態で、測定用マイケルソン干渉計の可動鏡5を移動する
ことにより光路長差を変化させ、光検出器6の出力信号
を波形記憶装置12に逐一記憶する。
【0056】しかる後、波形記憶装置12に記録された
信号波形を計算機13によりフーリエ解析する。この解
析の結果として得られた光の角周波数ごとの位相、すな
わちフーリエ成分の位相が、被測定光導波路7の位相特
性φ(ω)を与える。こうして得られた位相特性φ
(ω)から、第(1)式によって被測定光導波路7の群
遅延時間τ(ω)が求まる。
【0057】以上の演算は、測定用マイケルソン干渉計
の両腕の間の被測定光導波路7以外の光学要素の分散特
性に起因する位相不平衡が無視できるとき、すなわち前
記第(5)式および第(6)式が成り立つことを前提と
している。この位相不平衡が無視できない場合、干渉信
号S1 (τ)のフーリエ変換を表す前記第(4)式は、 F〔S1 (τ)〕=T(ω)tbias(ω)U(ω) …(8) と変更される。前同様、Fはフーリエ変換、S1 (τ)
は干渉信号、T(ω)は被測定光導波路7の透過特性、
U(ω)は平行光束1の光スペクトルであり、ここでは
位相不平衡を表す複素数値関数tbias(ω)が付加され
ている。この結果、第(8)式の複素数としての位相に
は、tbias(ω)の位相、すなわち測定用マイケルソン
干渉計の両腕の間の位相不平衡が混入し、T(ω)の位
相、すなわち被測定光導波路7の位相特性φ(ω)が分
離して取り出せない。
【0058】この問題は、被測定光導波路7の有無によ
る二様の干渉信号測定を行い、おのおのをフーリエ変換
して得られる周波数領域での位相情報の差から被測定光
導波路7の波長分散を求める。具体的にはそれらフーリ
エ変換の比をとることにより解決される。被測定光導波
路7が挿入されている場合の干渉信号S1 (τ)のフー
リエ変換と、被測定光導波路7が取り去られている場合
の干渉信号S0 (τ)のフーリエ変換の比は、 F〔S1 (τ)〕/F〔S0 (τ)〕=T(ω) …(9) となる。ここで、第(8)式に現れていた位相不平衡t
bias(ω)はU(ω)は平行光束1の光スペクトルとと
もに完全に消去されている。したがって、第(9)式の
比の位相が被測定光導波路7の位相特性φ(ω)を与え
る。この位相特性φ(ω)から、第(1)式によって被
測定光導波路7の群遅延時間τ(ω)が求まる。
【0059】図2は、微動鏡4の動作を示す図である。
本発明においては、補正用マイケルソン干渉計によって
監視される被測定光導波路の光路長の変動に応じて、干
渉波形の採取に係る測定用マイケルソン干渉計の相対的
光路長差を自動的に補正する構成が本質的に重要であ
る。この作用は、この二つのマイケルソン干渉計に共有
されている微動鏡4によって実現される。この動作につ
いて説明する。
【0060】図2(a)および(c)のグラフは、被測
定光導波路7の光路長変動ΔTに対する、補正用干渉計
に付随する光検出器19の出力信号の変化を表す。図2
(b)および(d)のグラフは、このときの測定用マイ
ケルソン干渉計に付随する光検出器6の出力信号を表
す。図2(b)および(d)のグラフにおいて横軸は、
測定用マイケルソン干渉計き光路長差を光速度で除して
得られる遅延時間τを表す。図2(a)および(b)は
帰還回路20を停止させた場合、すなわち微動鏡4が静
止している場合の出力信号を表す。図2(c)および
(d)は、帰還回路20が作動し微動鏡4の変位が生ず
る場合の出力信号を表す。
【0061】帰還回路20が停止している場合には、被
測定光導波路7の光路長変動ΔTが起きると、光検出器
19の出力信号が、図2(a)のグラフに示される正弦
波状の変化を呈する。同時に、遅延時間τの関数として
の光検出器6の出力信号、すなわち干渉信号は、図2
(b)のグラフに示されるように平行移動する。ここで
図2(b)のグラフ中、実線が光路長変動ΔTがゼロの
場合の干渉信号を表し、破線が正の光路長変動ΔTが起
きた場合の干渉信号を表す。このように、干渉信号は光
路長変動ΔTに伴って右側に移動する。
【0062】被測定光導波路7の光路長変動ΔTは、予
測不能なランダム現象である。導波路分散測定装置の動
作中、干渉信号は遅延時間を変えつつ時系列的に採取さ
れる。この採取中に、光路長変動ΔTによってそれぞれ
の瞬間に干渉信号がランダムな平行移動を被るとする
と、採取された干渉信号は、遅延時間に対してある箇所
では圧縮され他の箇所では伸張される。その結果、歪ん
だ干渉信号しか得られず、これをフーリエ変換しても被
測定光導波路7の波長分散を求めることはできない。こ
れが、まさに本発明の解決しようとする課題であった。
【0063】本発明実施例では、帰還回路20によっ
て、光検出器19の出力信号電圧が図2(a)のグラフ
中に黒丸を付した値、すなわち基準電圧値に固定される
ように、微動装置21を駆動し微動鏡4を変位させる。
具体的には、帰還回路20は、設定された基準電圧値と
光検出器19の出力信号電圧との差をとり、その差を積
分回路と増幅器を通して微動装置21に供給する。この
際、光検出器19の出力信号電圧が基準電圧値よりも小
さい場合に、微動鏡4が前進する方向に微動装置21を
駆動する。
【0064】この基準電圧値は、光検出器19の正弦波
状の出力信号の平均値近傍に設定することが望ましい。
これは、その付近で被測定光導波路7の光路長変動ΔT
に伴う光検出器19の出力信号の変化が最も大きく、換
言すれば、帰還回路20の帰還感度が最大になるからで
ある。基準電圧値を光検出器19の出力信号の極大また
は極小値付近に設定すると、帰還感度がゼロに近くな
り、所望の帰還動作は達成できない。
【0065】この帰還回路20が動作している場合に
は、被測定光導波路7の光路長変動ΔTが起きても、光
検出器19の出力信号は、図2(c)のグラフに示され
るように基準電圧値に固定される。この場合、遅延時間
τの関数としての干渉信号には、図2(d)のグラフに
示されるように、被測定光導波路7の光路長変動ΔTに
伴う平行移動が消失する。これは、微動鏡4の変化によ
って、測定用マイケルソン干渉計の相対的光路長差が、
被測定光導波路7の光路長変動ΔTに見合うだけ自動的
に変移されるからである。
【0066】被測定光導波路7の光路長変動ΔTに伴う
干渉信号の平行移動が生じない結果、干渉信号き時系列
的な採取中にランダムに光路長変動ΔTが起こっても、
干渉信号は平行移動の被ることがない。その結果歪みの
ない干渉信号が得られ、これをフーリエ変換して被測定
光導波路の波長分散を求めることができる。
【0067】すでに第(7)式で説明したように、干渉
信号のフーリエ変換によって波長分散を求めるために
は、最低でも数十nmの精度で測定用マイケルソン干渉
計の相対的光路長差を校正することが必要である。この
相対的光路長差は、測定用マイケルソン干渉計の光路長
差と補正用マイケルソン干渉計の光路長差の差、すなわ
ち可動鏡5によって意図的に変化させる部分と、微動鏡
4によって変化させる部分との和と観測することができ
る。被測定光導波路7の光路長変動に対して、後者の光
路長差変化を高精度に追随させる方法についてこれまで
説明してきた。続いて、前者の光路長差変化の校正法に
ついて説明する。この校正のためには、図1に示した構
成において、補正用マイケルソン干渉計の固定鏡17に
対する、測定用マイケルソン干渉計の可動鏡5の変位を
高精度に測定することが必要である。高精度な可動鏡変
位測定を実現するためには、以下の方法が考えられる。
【0068】第一の方法は、すでに広く用いられている
2周波He−Ne安定化レーザを利用する方法である。
この方法では、すでに5〜10nm位置分解能が達成さ
れているので、この技術を適用すれば本発明の必要とす
る精度の可動鏡変位測定を実現できる。ただ、この測定
方法に必要な2周波He−Ne安定化レーザは、通常の
He−Neレーザに比して極めて高価なので、むしろ次
に説明する第二の方法が経済的に有利である。
【0069】第二の方法は、長さの基準光源として直線
偏光の単色レーザ光源、例えば通常のHe−Neレーザ
を用いる方法である。固定鏡17と、可動鏡5のそれぞ
れを端面鏡とする第三の干渉計を構成し、これに直線偏
光の単色レーザ光源を入射する。この干渉計の一方の腕
でこの直線偏光を円偏光に変換し、生じた干渉光を偏光
を分離して測定する。これによって、互いに90度の位
相差を有する二つの干渉信号が得られる。この二つの干
渉信号を用いれば、基準光源の波長の50分の1以上の
測長分解能が容易に達成される。
【0070】この他に、単一の干渉信号を位相ロックル
ープ(PLL)により信号処理しても高い分解能を得る
ことができる。ただし、この方法では、干渉計の掃引速
度について、その以外の方法に比べて高い均一性が要求
される。
【0071】固定鏡17に対する可動鏡5の変位を測定
する方法としては、これらの三つの方法以外の方法を用
いることもできる。例えば、それぞれの鏡に取付けた透
過型回折格子の間のモアレ縞の変化を観測する方法を使
用しても本発明を同様に実施できる。
【0072】図1の構成において、測定用マイケルソン
干渉計と補正用マイケルソン干渉計は微動鏡4側の腕が
合流しているため、測定用マイケルソン干渉計を照射す
る平行光束1の一部が復路において半透鏡16で反射さ
れ補正用マイケルソン干渉計の光検出器19に達する。
また、補正用マイケルソン干渉計を照射する平行光束1
4の一部が復路において半透鏡16を透過し測定用マイ
ケルソン干渉計の光検出器6に達する。このようにし
て、光検出器6、19上で二つの平行光束1、14の混
合が生じるが、ここで二つの平行光束1、14が干渉し
得る。すなわち相互干渉性を有する場合、本方法に有害
な影響を及ぼし得る。
【0073】今かりに、補正用マイケルソン干渉計の光
検出器19上で、平行光束14自身の干渉に加えて、平
行光束14と混入した平行光束1の間の干渉が同時に生
じているとしよう。この場合、光検出器19の出力信号
変化は、被測定光導波路7の光路長変動ΔTに依存する
のみならず、平行光束14と平行光束1の間の相対的光
路長変動にも依存する。通常二つの平行光束14、1
は、光源を出射した後、図1の導波路分散測定装置に達
するまでにそれぞれ1m以上の長い光路を伝播してきて
おり、これらの間の相対的光路長変動は優に10μm以
上に及ぶ。したがって、二つの平行光束14、1の間の
干渉に起因する光検出器19の出力信号の部分は甚だラ
ンダムに変化し、このランダムな信号が重畳される結
果、光検出器19の出力信号は被測定光導波路7の光路
長変動ΔTの監視に役を果たせなくなる。
【0074】他方、測定用マイケルソン干渉計の光検出
器6上で、平行光束1自身の干渉に加えて、平行光束1
と混入した平行光束14の間の干渉が同時に生じている
と、ランダムな信号が重畳された干渉信号を採取する結
果となり、採取された信号をフーリエ変換して、第
(5)式に示した結果が得られない。結局、二つの平行
光束1、14が相互に干渉することは、測定用マイケル
ソン干渉計、補正用マイケルソン干渉計双方の機能にと
って障害となる。
【0075】ここで、広い連続スペクトルを有する二つ
の平行光束1および14を独立の光源、具体的には個別
のランプから得れば、それらは相互に干渉することはな
いので、上の問題は生じない。しかし、二つの平行光束
を一つの光源から得るほうが、いうまでもなく経済的で
ある。本導波路分散測定装置の動作に支障とならない仕
方で二つの平行光束を一つの光源から得る方法につい
て、以下に説明する。
【0076】一つの方法として、二つの平行光束である
平行光束1、14として互いに直交する直線偏光光を用
いる仕方がある。この場合、半透鏡16として、平行光
束である平行光束1の偏光を透過し平行光束である平行
光束14の偏光を反射する偏波ビームスプリッタを用い
る。こうすれば、平行光束1の一部が復路において半透
鏡16で反射され補正用マイケルソン干渉計の光検出器
19に到達することがなく、また、平行光束14の一部
が復路において半透鏡16を透過し測定用マイケルソン
干渉計の光検出器6に達することもなくなる。すなわ
ち、上に述べた平行光束である平行光束1、14の光検
出器6、19上での混合を防ぐことができる。
【0077】この直交偏光光を用いる方法は、被測定光
導波路7が直交する二つの偏光成分を両方とも伝播し、
なおかつ偏波保持性を有する場合にのみ有効である。半
導体光導波路において伝播損失や結合効率が偏光に依存
するのは稀でなく、このような導波路中を、直交する二
つの偏光成分の両方を伝播させることは容易ではない。
また真円光ファイバは一般に偏波保持性を持たない。す
なわち僅かなねじれや曲げによって伝播する光の偏光が
乱されてしまう。それゆえ、この直交偏光光を用いる方
法は半導体光導波路や真円光ファイバを被測定光導波路
7とする場合に用い難く、この直交偏光光を用いる方法
は十分汎用的とは言えない。
【0078】第二のより汎用的な方法としては、平行光
束1とおよび14の相互干渉の生じる遅延時間位置を、
測定に係る遅延時間範囲から意図的にずらす仕方があ
る。以下に、図3によってこの方法を説明する。図3は
光源の相互可干渉性の影響を示す図である。
【0079】図3(a)のグラフは、被測定光導波路7
を挿入しない場合の、測定用マイケルソン干渉計の光検
出器6の出力信号の変化31を表す。ここでは横軸は、
測定用マイケルソン干渉計の光路長差を光速度で除して
得られる遅延時間τを表す。図3(b)のグラフは、同
じく被測定光導波路7を挿入した場合の、光検出器6の
出力信号の遅延時間τに対する変化35を表す。
【0080】いま被測定光導波路7を挿入しない場合
に、遅延時間を仮想的に大幅に掃引すると、図3(a)
のグラフに示すように遅延時間軸上の二箇所で干渉信号
が観測される。このうち一方は、平行光束1のみに起因
する成分32であり、他方が平行光束1と平行光束14
の相互干渉による成分33である。これらの干渉信号の
現れる遅延時間間隔34をXと書くと、 X=(d+L2 −L1 )/c …(10) が成り立つ。ここで、dは平行光束14と平行光束1の
それぞれが本導波路分散測定装置に入射の後、被測定光
導波路7に達するまでに辿る光路の間の光路長差、L1
は平行光束1の光源から本導波路分散測定装置に至る光
路長、L2 は平行光束14の光源から本導波路分散測定
装置に至る光路長である。図1の構成では、偏光子2と
半透鏡16の屈折率を無視する近似の下で、dは反射鏡
15上の反射点と半透鏡16上の反射点との間の距離に
等しい。遅延時間間隔Xが、干渉信号の成分32あるい
は33の幅よりも大きければ、平行光束14の自己干渉
と、平行光束14、1の間の相互干渉が同時には生じな
いと観測することができ、上に述べた相互干渉による問
題が回避される。
【0081】同様に、被測定光導波路7を挿入した場合
に、遅延時間を仮想的に大幅に掃引すると、図3(b)
のグラフに示すような信号が観測される。このうち一方
は、平行光束1のみに起因する成分37であり、他方が
平行光束1と平行光束14の相互干渉による成分33で
ある。これらの干渉信号の現れる遅延時間は、上のグラ
フにおいて対応する干渉信号の現れた遅延時間よりも遅
延時間変位36だけ遅れる。ここで、遅延時間変位は被
測定光導波路7の光路長を光速度で除した値に等しい。
これらの干渉信号の現れる遅延時間間隔39は不変であ
り、上で述べたXに等しい。遅延時間間隔Xが、干渉信
号の成分37あるいは38の幅よりも大きければ、平行
光束14の自己干渉と、平行光束14、1の間の相互干
渉が同時には生じないと観測することができ、上に述べ
た相互干渉により問題が回避される。
【0082】干渉信号の成分32あるいは33の幅と成
分37あるいは38の幅と比較すると、一般に後者の幅
の方が大きい。それゆえ遅延時間間隔Xを後者の幅より
も大きく設定すれば、被測定光導波路7を挿入した場合
と挿入しない場合の両方について、相互干渉による問題
を回避することができる。後述するように、干渉信号の
測定は、干渉信号の成分37を完全に含む遅延時間差範
囲にわたって行われる。したがって、上の条件を、遅延
時間間隔Xを測定に係る遅延時間差範囲よりも大きく設
定すると言い換えることができる。
【0083】第(10)式に照らすと、平行光束14と
平行光束1の間の光源からの光路長の差L2 −L1 を大
きくとることによって、遅延時間間隔Xを容易に大きく
設定できる。通例、二つの平行光束1、14は光源から
本導波路分散測定装置に光ファイバによって導かれるの
で、この光路長に差をつけることは、単に異なる長さの
光ファイバを用いることによって実現でき、その結果、
容易・汎用的かつ安価に相互干渉による問題を回避する
方法が見出せた。
【0084】図4は、本発明第二実施例の導波路分散測
定装置を示すブロック構成図であり、本発明を実施する
ための具体的な構成を示す。この具体的な実施例では、
測定用マイケルソン干渉計が、キューブビームスプリッ
タ3、微動鏡4、および可動鏡5から構成される。補正
用マイケルソン干渉計は、キューブビームスプリッタ
3、微動鏡4、および固定鏡17から構成される。
【0085】測定用マイケルソン干渉計および補正用マ
イケルソン干渉計にそれぞれ入射する二つの平行光束
は、一つの光源51から供給され、相互干渉を回避する
ために上に述べた第二の方法を用いている。すなわち、
光源51の片方の面側に出射した白色光は結合レンズ5
2を経て光ファイバ53に入射され、光ファイバ53を
出射した後、結合レンズ54によって平行光束に変換さ
れ測定用マイケルソン干渉計に入射する。一方、光源5
1の他方の面側に出射した白色光は結合レンズ55を経
て光ファイバ56に入射され、光ファイバ56を出射し
た後、結合レンズ57によって平行光束に変換され補正
用マイケルソン干渉計に入射する。ここで二つの光ファ
イバ53、56の長さに意図的に差を設ける。本発明実
施例では、0.5mの長さの差を持つ光ファイバを用
い、第(10)式より2.4ns以上の遅延時間間隔X
を得ている。測定に必要な遅延時間差変化範囲は、高々
数十psであり、それゆえ、この遅延時間間隔Xは相互
干渉による問題を回避するに十分な値である。
【0086】微動装置21としては、圧電素子(PZ
T)を用いる。帰還回路20は、補正用マイケルソン干
渉計を出射した光を受光する光検出器19の出力信号が
設定された基準電圧値に等しくなるように圧電素子を駆
動する。
【0087】本発明実施例では0.8〜1.8μm波長
帯の近赤外光導波路の波長分散を測定する場合には、光
源51としてハロゲンランプ、測定用マイケルソン干渉
計の出射光を受光する光検出器6および、補正用マイケ
ルソン干渉計を出射した光を受光する光検出器19とし
てゲルマニウム光検出器を用いることがよい。またこの
短波長端、800nmに対し上述の第(7)式を満足し
て折返し現象を防ぐためには、400nm未満の光路長
差の刻みで光検出器6の出力信号すなわち干渉信号の測
定を行えばよい。
【0088】この光路長差刻みを高精度に校正するため
の測長方法として、この例では上述した第二の方法を採
用している。可動鏡変位測定のための第三のマイケルソ
ン干渉計は、ビームスプリッタ43、固定鏡17、およ
び可動鏡5から構成される。この第三のマイケルソン干
渉計に、単色レーザ光源42からの直線偏光した光が入
射する。この単色レーザ光源42としては、波長63
2.8nmで発振するHe−Neレーザを用いる。この
単色レーザ光源42からのレーザ光は紙面に45度方向
に直線偏光している。反射鏡44は、第三のマイケルソ
ン干渉計の一方の腕、この例では可動鏡側の腕で、単色
レーザ光源42からの光の進路を可動鏡5に直入射する
方向に曲げる。また単色レーザ光源42からの光は、第
三のマイケルソン干渉計の一方の腕、この例では固定鏡
側の腕で8分の1波長板45を通過し、固定鏡17によ
り反射されて再び逆方向に8分の1波長板45を通過す
る。この往復分の通過の結果、4分の1波長板を通過し
たと等価な効果が生じ、直線偏光が円偏光に変換され
る。
【0089】第三のマイケルソン干渉計から出射する波
長632.8nmの干渉光は、反射鏡46を経て、偏光
ビームスプリッタ47に入射し、紙面に垂直な偏光成分
と紙面に平行な成分とに分離され、個別の光検出器4
8、49により各成分の光強度が電圧値に変換される。
この互いに90度の位相差をもつ二つの干渉電圧信号
は、トリガ発生器50に入力される。トリガ発生器50
はこの二つの電圧信号から、光路長差が632.8nm
の半分すなわち316.4nm変化するごとに、トリガ
信号として一つの電圧パルスを発生する。このトリガ信
号により、波形記憶装置12は、その電圧パルスが発生
した時点の光検出器6の出力電圧値を順次記憶する。波
形記憶装置12に記憶された電圧信号時系列すなわち干
渉信号は、計算機13により読み出されフーリエ変換が
施される。
【0090】被測定光導波路7が取り去られている場合
の干渉信号S0 (τ)は、可動鏡5および固定鏡17を
常に同じ位置に置いて得られる。これに対し、被測定光
導波路7が挿入されている場合の干渉信号S1 (τ)
は、測定用マイケルソン干渉計および補正用マイケルソ
ン干渉計の双方の光路長差が被測定光導波路7の光路長
に一致する近傍に現れるので、被測定光導波路7に応じ
て、可動鏡5および固定鏡17を置く適当な位置を見出
す必要がある。
【0091】半導体レーザのように短い光導波路の場合
には、被測定光導波路7が取り去られている状態で、干
渉信号S0 (τ)の現れる位置として光路長差がゼロと
なる可動鏡5および固定鏡17の位置を見出し、続いて
被測定光導波路7を挿入した後、可動鏡5および固定鏡
17をその位置から後退させていって干渉信号S
1 (τ)の現れる位置を見出す方法が有効である。これ
らの鏡を後退させる替わりに、微動鏡4を前進させてい
っても同じ効果が得られる。固定鏡17の位置を見出す
操作中は、帰還回路20の動作を停止することが望まし
い。これは、帰還回路20が動作していると、固定鏡1
7または微動鏡4の移動に伴って干渉信号が観測されに
くいからである。
【0092】数cmを越える比較的長い光路長を有する
光導波路の場合には、これらの鏡の移動機構の移動範囲
の制限があるため、この方法は現実的ではない。そこ
で、例えば以下の方法を用いる。すなわち、光導波路の
長さおよび屈折率データから被測定光導波路の光路長を
あらかじめ算定し、可動鏡5および固定鏡17を、光路
長差がゼロとなる位置から算定された光路長だけ後退さ
せて仮設定しておく。次に、その位置の周りで可動鏡5
の位置を前後させながら、測定用マイケルソン干渉計の
光検出器6の出力電圧値を観測し干渉信号S1 (τ)の
現れる位置を見出す。同様に、仮設置位置の周りで固定
鏡17の位置を前後させながら、補正用マイケルソン干
渉計の光検出器19の出力電圧値を観測し、干渉信号S
1 (τ)の現れる位置を見出す。ここで、可動鏡5およ
び固定鏡17の仮設置後、微動鏡4を前後させても同じ
効果が得られる。上の場合と同様に、固定鏡17の位置
を見出す操作中は帰還回路20を停止することが望まし
い。本測定例のエルビウム添加光ファイバの場合には、
この方法によって、干渉信号S1 (τ)の現れる位置を
容易に見出すことができた。すなわち、ファイバの長さ
5cm、および概略の屈折率1.48から算定された光
路長7.4cmに対応する位置に、可動鏡5および固定
鏡17を仮に設置し、この仮設置位置の周り2mm以内
に干渉信号S1(τ)の現れる位置が見出された。
【0093】図4に示した実施例の全体の動作について
さらに詳しく説明する。まず、干渉信号S1 (τ)の現
れる固定鏡17の位置を見出した後、帰還回路20の基
準電圧値を光検出器19の出力電圧値の平均値付近に設
定して、帰還動作、すなわち、微動鏡4に装着された微
動装置(圧電素子)21の駆動を開始する。
【0094】次いで、可動鏡5を干渉信号S1 (τ)の
観測される位置から、その信号が十分消去する位置まで
前進させる。ここで、波形記憶装置12の記憶を消去し
て、データ書き込み位置を波形記憶装置12の先頭番地
にリセットする。次に可動鏡5を緩慢に後退させると、
光路長差が316.4nm変化するごとに波形記憶装置
12にトリガ電圧信号が供給され、光検出器6の出力電
圧信号値が波形記憶装置12に記憶されていく。
【0095】ここで「緩慢に」とは、トリガ発生器50
から発生されるトリガ信号の繰り返しに対し、波形記憶
装置12のアナログ・ディジタル変換および書込み動作
が追従できる範囲の掃引速度で、との意味である。例え
ば、波形記憶装置12のアナログ・ディジタル変換およ
び書込み速度が20kHzの場合は、最大可能な干渉計
光路長差変化速度が、 20000(/秒)×316.4(nm)=6.328
(mm/秒) となり、可動鏡5の最大可能移動速度は、この半分の
3.164mm/秒である。ここで半分とするのは、可
動鏡5の表面で光が折り返すため、可動鏡5の移動量の
二倍が光路長変化になるからである。また、測定に必要
な遅延時間差変化範囲は、測定用マイケルソン干渉計に
入射する白色光の波長範囲における被測定光導波路7の
群遅延時間の変化量の二倍程度である。
【0096】図5は、エルビウム添加光ファイバについ
て波長分散を測定した結果を示す図である。例えば、図
5に例示された5cm長のエルビウム添加光ファイバで
は、1.2〜1.8μmの波長範囲内で、群遅延時間の
全変化量は高々0.25ピコ秒程度であり、したがって
必要な遅延時間差変化範囲は0.5ピコ秒程度となる。
【0097】実際の測定では、余裕をみて1.1ピコ秒
の遅延時間差変化範囲にわたり掃引を行った。この遅延
時間差変化範囲を光路長差変化範囲に換算すると0.1
6mmであり、この範囲を可動鏡310の最大可能移動
速度をもって掃引すると、信号測定に要する時間は僅か
0.05秒程度となる。余裕をもって掃引を遅めにして
も0.5秒以内には信号測定が完了する。なお、この掃
引のための移動機構としては公知のものが適用できる。
本例では、安価な直流モータにより駆動される。鋼球ガ
イド付直進ステージを用いた。また、このときに採取し
たデータ点数は1024点であり、このデータのフーリ
エ変換の計算は、計算機513として汎用の32ビット
パーソナルコンピュータを用いて、1秒以下で実行でき
た。
【0098】本測定例では、上の干渉信号S1 (τ)の
測定に加えて、被測定光導波路7が取り去られている場
合の干渉信号S0 (τ)の測定が行われた。この干渉信
号S0 (τ)の測定手順は、可動鏡5および固定鏡17
を被測定光導波路7に見合う分だけ前進させて設置する
ことを除いて、上に述べた干渉信号S1 (τ)の測定手
順と同一である。信号測定の所要時間、およびデータの
フーリエ変換の計算時間も、上と同様である。
【0099】第(9)式にしたがって、干渉信号S
1 (τ)のフーリエ変換と干渉信号S0(τ)のフーリ
エ変換との比を計算し、被測定光導波路7の位相特性φ
(ω)を求めた。この位相特性φ(ω)から、第(1)
式によって被測定光導波路7の群遅延時間τ(ω)を計
算した。この比の計算と、位相の計算・表示は、前記の
計算機を用いて1秒以内に完了した。
【0100】こうして得られた波長分散特性の例を図5
に示す。ここで被測定光導波路7としたエルビウム添加
ファイバは、光の増幅に用いられる能動光導波路であ
り、1.45〜1.55μmの波長範囲内に吸収を有す
る。図5にはこの吸収特性に付随する分散特性が明瞭に
現れており、この導波路分散測定方法により高い波長分
解能をもつ測定が実現することが示されている。これに
対し例えば第一の従来の分散測定方法をもってしては、
まさにこの吸収特性に阻まれ、このような試料の測定は
不可能であった。
【0101】以上の測定において、信号測定および計算
の所要時間は、全体でも3秒程度におさまる。これに、
可動鏡5および固定鏡17を前方に移動して、再設置す
る操作に要する時間として、2分を加えても、測定の総
所要時間は3分を越えない。こうして、迅速な共振器波
長分散測定が実現された。
【0102】図6は、本発明第三実施例の導波路分散測
定装置を示すブロック構成図であり、本発明を実施する
ための他の具体的な構成を示す。
【0103】この実施例では、測定用マイケルソン干渉
計が、キューブビームスプリッタ3、固定鏡68、およ
び可動鏡5から構成される。補正用マイケルソン干渉計
は、キューブビームスプリッタ3、固定鏡68、および
固定鏡17から構成される。図4の実施例では微動鏡4
を用いて、測定用マイケルソン干渉計の相対的光路長差
を、被測定光導波路7の光路長変動ΔTに見合う分だけ
自動的に変移したのに対し、本実施例では、被測定光導
波路7の入射端と結合レンズ8を光結合部支持板69に
固定し、この光結合部支持板69が被測定光導波路7の
光路長変動ΔTに見合う分だけ変移する。このために、
帰還回路20によって駆動される微動装置61が、光結
合部支持板69に装着される。
【0104】被測定光導波路7の他の端は、固定鏡68
に圧着され、被測定光導波路7を伝播する光を空間に出
すことなく反射する構成となっている。この構成は、図
4の実施例に示した一旦光を空間に出す構成に比して、
損失を低減できる特徴があり、例えばフェルールを装着
した光ファイバのように座屈し難い端面処理のなされた
光導波路に適用することができる。
【0105】本実施例において、一つの光源51から供
給する二つの平行光束の間の相互干渉を回避する方法、
光路長差刻みを高精度に校正するための測長方法、さら
に全体の動作は、上に述べた第二実施例と同様である。
【0106】本実施例の光導波路分散測定装置によっ
て、両端に光コネクタの装着されたエルビウム添加ファ
イバを被測定光導波路7として測定して、図5に示した
のと同等の結果が得られた。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導波路分
散測定方法は、吸収(または利得)を示す光導波路に適
用可能で、かつ被測定光導波路の光路長変動の影響を被
ることなく、汎用的に導波路分散を測定できる。
【0108】本発明によれば、被測定光導波路の光学的
光路長を一定に制御し、その分散を正確に測定する方法
および装置を提供することができる。本発明によれば、
被測定光導波路の光学的光路長の影響を測定から取り除
くことができる。本発明によれば、被測定光導波路の光
学的光路長の影響を自動的に取り除くことができる。
【0109】本発明は、光ファイバまたは導波路の製造
後の試験、それら導波路型光部品を用いた超短光パルス
レーザの開発時の試験、また製造後の調整にも利用で
き、工業的にも大きな効果が得られる。
【0110】本発明は、ピコ秒以下の時間幅の光パルス
を発生するための導波路型光源、またはこの光パルスを
増幅する導波路型光増幅器、もしくはこの光パルスを伝
達する導波路の波長分散特性を高精度に測定するために
利用して工業的に大きい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例装置のブロック構成図。
【図2】微動鏡の動作を示す図である。
【図3】光源の相互可干渉性の影響を示す図。
【図4】本発明第二実施例装置のブロック構成図。
【図5】エルビウム添加光ファイバについて波長分散を
測定した結果を示す図。
【図6】本発明第三実施例装置のブロック構成図。
【図7】第一の従来例装置のブロック構成図。
【図8】第二の従来例装置のブロック構成図。
【符号の説明】
1、14 平行光束 2 偏光子 3 キューブビームスプリッタ 4 微動鏡 5 可動鏡 6、19、48、49 光検出器 7 被測定光導波路 8、9、52、54、55、57 結合レンズ 10、11 補正レンズ 12 波形記憶装置 13 計算機 15、44、46 反射鏡 16 半透鏡 17、68 固定鏡 18 補正板 20 帰還回路 21、61 微動装置 31、35 変化 32、33、37、38 成分 34、39 遅延時間間隔 36 遅延時間変位 42 単色レーザ光源 43 ビームスプリッタ 45 8分の1波長板 47 偏光ビームスプリッタ 50 トリガ発生器 51 光源 53、56 光ファイバ 69 光結合部支持板 74 可変光学フィルタ 80、81 干渉光

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイケルソン干渉計の反射鏡を設けたア
    ームに挿入された被測定光導波路の分散を測定する導波
    路分散測定装置において、 この被測定光導波路を含む光路長の変化を検出する系を
    別に設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じない
    ようにその光路長の機械的な長さを自動的に変更する手
    段を備えたことを特徴とする導波路分散測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光路長の変化を検出する系は、前記
    マイケルソン干渉計の反射鏡を設けたアームを互いに共
    通にして構成された別のマイケルソン干渉計である請求
    項1記載の導波路分散測定装置。
  3. 【請求項3】 広い連続スペクトルを有する第一の平行
    光束(1)を第一および第二の二つの光束に分岐するハ
    ーフミラー(3)と、 このハーフミラーを透過した第一の光束が反射する第一
    の反射鏡(4)と、 このハーフミラーに反射した第二の光束が反射する第二
    の反射鏡(5)と、 この第一の反射鏡に反射した光および第二の反射鏡に反
    射した光が前記ハーフミラー上で合波して生成される干
    渉光を検出する第一の光検出器(6)とを備え、 前記ハーフミラーと前記第一の反射鏡との間に被測定光
    導波路(7)が挿入された導波路分散測定装置におい
    て、 前記第一の平行光束(1)と平行な第二の平行光束(1
    4)を設けて前記ハーフミラー(3)を共通に使用して
    そのハーフミラーを透過した第三の光束およびそのハー
    フミラーに反射した第四の光束を生成し、 この第三の光束を前記被測定光導波路に結合させる手段
    (8、9、15、16)と、この第四の光束が反射する
    第三の反射鏡(17)と、前記第一の反射鏡(4)に反
    射した光およびこの第三の反射鏡に反射した光を前記ハ
    ーフミラー上で合波して生成される干渉光を検出する第
    二の光検出器(19)とを備え、 この第二の光検出器の出力が一定になるように前記被測
    定光導波路が挿入された導波路の光路長を自動的に調節
    する調節手段を備えたことを特徴とする導波路分散測定
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第一の平行光束(1)および前記第
    二の平行光束(14)は、一つの光源(51)の出力光
    をそれぞれ遅延時間の異なる伝播路を経由させることに
    より生成させる請求項3記載の導波路分散測定装置。
  5. 【請求項5】 前記調節手段は、前記第一の反射鏡
    (4)の位置を変更する手段を含む請求項3記載の導波
    路分散測定装置。
  6. 【請求項6】 前記調節手段は、前記被測定光導波路
    (7)に直列に挿入された光路長調節装置(61)を含
    む請求項3記載の導波路分散測定装置。
  7. 【請求項7】 前記第一の光検出器(6)の出力に前記
    第二の反射鏡(5)に反射する光路の光路長に対する光
    レベルを記録する波形記憶装置(12)が接続された請
    求項3ないし6のいずれかに記載の導波路分散測定装
    置。
  8. 【請求項8】 マイケルソン干渉計の二つの反射鏡のう
    ち一方の反射鏡を設けたアームに被測定光導波路を挿入
    し、その二つの反射鏡に反射した光の干渉を測定するこ
    とにより導波路分散を測定する方法において、 この被測定光導波路を含む光路長の変化を検出する系を
    別に設け、その光路長の光学的実効長に変化が生じない
    ようにその光路長の機械的な長さを自動的に変更するこ
    とを特徴とする導波路分散測定方法。
  9. 【請求項9】 波長の異なる2以上の光源光についてそ
    の干渉をそれぞれ検出することにより導波路分散を測定
    する請求項8記載の導波路分散測定方法。
  10. 【請求項10】 広い連続スペクトルの光源光を入射
    し、他方の反射鏡に反射する光路長を変更し、その変更
    に伴い生じる干渉の変化を検出してその検出結果をフー
    リエ解析することにより導波路分散を測定する請求項8
    記載の導波路分散測定方法。
  11. 【請求項11】 広い連続スペクトルを有する第一の平
    行光束(1)をハーフミラー(3)により第一の光束お
    よび第二の光束に分岐し、 このハーフミラーを透過した第一の光束を第一の反射鏡
    (4)に反射させ、 このハーフミラーに反射した第二の光束を第二の反射鏡
    (5)に反射させ、 この第一の反射鏡に反射した光および第二の反射鏡に反
    射した光が前記ハーフミラー上で合波して生成される干
    渉光を第一の光検出器(6)で検出し、 前記ハーフミラーと前記第一の反射鏡との間に被測定光
    導波路(7)を挿入し、 前記第二の反射鏡(5)の位置を変更しながら前記第一
    の光束および前記第二の光束により生じる干渉の変化を
    検出し、 その干渉の変化についてフーリエ解析することによる導
    波路分散測定方法において、 前記第一の平行光束(1)と平行な第二の平行光束(1
    4)を設けて前記ハーフミラー(3)を共通に使用して
    そのハーフミラーを透過した第三の光束およびそのハー
    フミラーに反射した第四の光束を生成し、 この第三の光束を前記被測定光導波路(7)に結合さ
    せ、この第四の光束を第三の反射鏡(17)で反射さ
    せ、前記第一の反射鏡(4)に反射した光およびこの第
    三の反射鏡に反射した光を前記ハーフミラー上で合波し
    て生成される干渉光を第二の光検出器(19)で検出
    し、 この第二の光検出器の出力が一定になるように前記被測
    定光導波路(7)が挿入された光路長を調節することを
    特徴とする導波路分散測定方法。
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