JPH072520A - 複合酸化物粒子 - Google Patents

複合酸化物粒子

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JPH072520A
JPH072520A JP14487793A JP14487793A JPH072520A JP H072520 A JPH072520 A JP H072520A JP 14487793 A JP14487793 A JP 14487793A JP 14487793 A JP14487793 A JP 14487793A JP H072520 A JPH072520 A JP H072520A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 シリカとチタニアを主な構成成分とする平均
粒子径が0.05〜50μmの球状粒子であり、全チタ
ニア中のルチル型結晶チタニアの割合が5モル%以上で
あることを特徴とする複合酸化物粒子、並びにシリコン
アルコキシド化合物とチタニウムアルコキシド化合物と
の混合物を加水分解して得られるシリコンとチタニウム
を主な構成成分とする共加水分解物を、窒素、アルゴン
等の非酸化性雰囲気下に900℃〜1300℃で加熱す
ることを特徴とするルチル型結晶チタニアを含むシリカ
ーチタニア複合酸化物の製造方法。 【効果】 本発明の製造方法によって製造される複合酸
化物は、アナターゼ型構造の複合酸化物に比べてチタニ
ア含有量を減らすことができる。また、屈折率を任意に
調整できるため、光半導体用封止材や歯科用コンポジッ
トレジンなどの光を透過する必要のある複合樹脂の充填
材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光半導体用封止材や歯科
用コンポジットレジンなどの複合樹脂の充填材に適した
複合酸化物粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリカとチタニアからなる複合酸化物
(以後、複合酸化物と略記する)は、熱膨張係数がゼロ
又は負の値を示すことや、チタニアの含有率を変えると
ことにより屈折率の微調整が可能であることなどの優れ
た性質を持っているが、チタニアが分相すると複合酸化
物が白濁するので、作製方法に工夫がいる。そのため従
来より、様々な方法で合成が試みられている。
【0003】例えば、シリカとチタニアを原料にした溶
融法、シリコンとチタニウムの塩化物を原料に1750
℃まで加熱するフレームハイドロリシス法(P.C.S
chultz、Journal of The Ame
rican CeramicSociety、59巻、
214ページ、1976年)、シリコンとチタニウムの
アルコキシド化合物を用いるゾルーゲル法(神谷寛一、
作花済夫、日本化学会誌,No.10、1571ペー
ジ、1981年)等がある。
【0004】溶融法では、一般にシリカとチタニアを溶
融する温度まで加熱するので分相し易いという問題があ
る。複合酸化物中のチタニアはルチル型に結晶化する
が、この方法では球状の粒子は得られない。フレームハ
イドロリシス法では、得られた非晶質の複合酸化物は、
再加熱するとチタニアがルチル型に結晶化するが、この
方法では膜状物や塊状物しか得られず、球状の粒子は得
られない。一方、ゾルーゲル法では、製造方法によって
は球状の粒子が得られるが、複合酸化物中のチタニアは
加熱すると非晶質であったものがアナターゼ型に結晶化
する。この方法では、これまでルチル型に結晶化した例
はない。
【0005】更に具体的に説明すると、複合酸化物の球
状粒子が、特公平1ー38043に記載されている。こ
の場合、上記球状粒子を加熱処理することにより、粒子
中のチタニアの一部がアナターゼ型に結晶化している
が、ルチル型への結晶化例は開示されていない。また、
特開平2ー153816に開示されているシリコンとチ
タニウムのアルコキシド化合物の混合物を火炎中に導入
して、球状の複合酸化物粒子を製造する方法では、得ら
れる粒子が非晶質である。同様に、複合酸化物の破砕粒
子として、特開平3ー232730及び特開平3ー23
2741に、シリコンとチタニウムのアルコキシド化合
物を原料として、複合酸化物粒子を得る方法が開示され
ているが、これらの粒子中のチタニアは加熱によってア
ナターゼ型に結晶化することが記載されている。
【0006】複合酸化物中のチタニアは、通常上述の如
く2種類の結晶になることが知られている。ルチル型と
アナターゼ型の2種類の結晶の屈折率を比較すると、ア
ナターゼ型は、nω=2.5612、nε=2.488
0であるのに対して、ルチル型は、nω=2.612
4、nε=2.8993であり、ルチル型の方が高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光半導体用封止材に
は、半導体から発生する光を透過させるための透明性
が、また、歯科用コンポジットレジンには、天然の歯牙
と同等の半透明性が、それぞれ求められる。そのために
は、封止材やコンポジットレジン等の複合樹脂に用いる
充填材の屈折率は、それぞれの樹脂のそれに一致、又
は、近くなければならない。即ち、特定の屈折率を有す
る粒子が必要である。
【0008】特定の屈折率を有する複合酸化物粒子を調
製するためには、屈折率がシリカより高いチタニアをシ
リカと複合化させるが、この場合、チタニアの結晶構造
はルチル型構造の方が非晶質構造やアナターゼ型構造よ
りも屈折率が高いため、効果的である。
【0009】また、複合酸化物粒子中のチタニアの含有
量が多いと、加熱によって析出するチタニアの結晶が大
きくなり、粒子の透明性が低下する傾向にある。よっ
て、複合酸化物粒子中のチタニアの含有率をできるだけ
少ない条件で、屈折率を向上させる必要がある。そのた
めには、複合酸化物粒子中のチタニアの結晶構造は非晶
質構造やアナターゼ型構造よりもルチル型構造の方が望
ましい。
【0010】複合酸化物粒子は、シリカとチタニアを原
料とする熔融法で製造するとチタニアが分相して白濁し
易く、また、たとえ熔融法で透明体ができても粉砕、分
級工程を要し不純物が混入し易いので、金属アルコキシ
ドを原料とするゾルーゲル法を採用するのが好ましい。
ところが、ゾルーゲル法で得られた複合酸化物は、前記
の通り、これに含まれるチタニアは非晶質構造又はアナ
ターゼ型構造が知られているのみで、ルチル型構造のも
のは知られていなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、鋭意検討した結果、ゾルーゲル法で調製したシリカ
ーチタニア共加水分解物を特定条件で熱処理することに
よって、得られるシリカーチタニアの複合酸化物中のチ
タニアがルチル型に結晶化することを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、シリカとチタニアを主な
構成成分とする平均粒子径が0.05〜50μmの球状
粒子であり、全チタニア中のルチル型結晶チタニアの割
合が5モル%以上であることを特徴とする複合酸化物粒
子である。又、他の発明は、シリコンアルコキシド化合
物とチタニウムアルコキシド化合物とを加水分解して得
られる共加水分解物を、非酸化性雰囲気下に900℃〜
1300℃で加熱することを特徴とするルチル型結晶チ
タニアを含むシリカーチタニア複合酸化物粒子の製造方
法である。
【0013】本発明の複合酸化物粒子は、シチカとチタ
ニアを基本成分とする平均粒子径が0.05〜50μm
球状粒子であり、チタニアの少なくとも一部にルチル型
結晶を含んでいる(以下、シリカーチタニア複合酸化物
粒子という)。それ以外のチタニアは非晶質構造あるい
はアナターゼ型構造などの他の結晶構造であっても良
い。チタニア中の該ルチル型結晶チタニアの含有割合は
5モル%以上必要である。ルチル型結晶チタニアが5モ
ル%より少ないと、シリカーチタニア複合酸化物粒子の
屈折率をより効果的に向上させることができない。
【0014】ルチル型結晶チタニアの含有率を調べるに
は、粉末X線回折法によって測定したルチル型結晶チタ
ニアの(110)面の回折ピークのピーク強度を測定
し、別途用意した検量線より算出することができる。検
量線を作成するには、100%ルチル型に結晶化したル
チル型結晶チタニアと非晶質シリカを任意の割合に混合
した試料を、上記と同様にして測定し、ルチル型結晶チ
タニアの含有率とピーク強度の関係を求めれば良い。
【0015】シリカーチタニア複合酸化物粒子に含まれ
る結晶化したルチル型およびアナターゼ型チタニア結晶
の大きさは、特に限定されないが用途によっては小さい
程好ましい。例えば、本発明のシリカーチタニア複合酸
化物粒子を高い光の透過率が求められる光半導体用封止
材の充填材に用いる場合には、結晶化したチタニアの粒
子径は100nm以下、好ましくは50nm以下、より
好ましくは20nm以下であることが望ましい。結晶化
したチタニア結晶の大きさは、透過型電子顕微鏡で観察
することができるし、粉末X線回折の回折ピークの半値
幅から計算によって求めることもできる。
【0016】当該粒子の構成成分の一つであるチタニア
は、シリカと化学的に結合した状態、或は、シリカ中に
微結晶として分散した状態で存在するもので、シリカと
チタニアを物理的に分離することができない。両成分が
こうした状態で存在することは、赤外線スペクトル又は
屈折率を測定することや透過型電子顕微鏡像の観察によ
り確認することができる。例えば赤外線スペクトルにつ
いては、950nm-1付近に特異な吸収を認めることが
できるし、シリカーチタニア複合酸化物粒子の屈折率は
両成分の各々の屈折率の間にあり、チタニアの含有率が
増加すると共に、屈折率も上昇する。また、透過型電子
顕微鏡像を観察すれば、非晶質のシリカーチタニアかま
たは非晶質シリカマトリックス中にチタニアの微結晶が
分散した状態かを調べることができる。
【0017】本発明のシリカーチタニア複合酸化物粒子
に含まれるチタニアの配合率は、好ましくは3モル%以
上50モル%以下さらに好ましくは3モル%以上30モ
ル%以下の範囲にあることが望ましい。チタニアの配合
率が小さい場合には、高温で加熱してもチタニアは結晶
化し難いため、本発明のシリカーチタニア複合酸化物粒
子を得ることができない場合がある。一方、チタニアの
配合率が高すぎる場合には、一般に球状粒子とすること
が困難となるほかに、高温で加熱すると、チタニアの結
晶が大きくなり過ぎるため透明性が損なわれ、透明性の
高い複合樹脂用充填材としては使用できなくなる傾向に
ある。
【0018】本発明のシリカーチタニア複合酸化物粒子
は、平均粒子径が0.05〜50μmの範囲にある。平
均粒子径が0.05μmを下回ると粒子が凝集し易く、
複合樹脂に充填する場合にも操作性が良くないなどの不
具合いが生じる。平均粒子径が50μmを越えた場合に
は、複合樹脂にした場合に透明性が保てないなどの問題
がある。なお、表面滑沢性が求められる歯科用コンポジ
ットレジンに本発明の粒子を用いる場合には、平均粒子
径が10μm以下が好ましく、1μm以下がより好まし
い。また、高い光透過性が求められる光半導体用の封止
材の充填材として用いる場合には、平均粒子径は10μ
m以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
【0019】また、本発明のシリカーチタニア複合酸化
物粒子の形状は球形である。形状が球形でない破砕粒子
の様な不定型の粒子を樹脂と混練する場合には、粘度が
高くなったり、表面滑沢性が悪いなどの問題が生じる場
合がある。また、光半導体などを封止する透明封止材に
は、半導体素子を傷つけないように球状の粒子が好まれ
る。
【0020】シリカーチタニア複合酸化物粒子の組成
は、蛍光X線分析、ICP分析、原子吸光分析、化学分
析など公知の方法で明らかにすることができる。粒子の
平均粒子径や形状の観察には、走査型電子顕微鏡や透過
型電子顕微鏡等の電子顕微鏡による方法が適している。
また、粒子の平均粒子径の測定には粒度分布計なども使
用することができる。
【0021】上記シリカーチタニア複合酸化物粒子は、
代表的には以下に述べる製造方法により製造することが
できる。即ち、シリコンアルコキシド化合物とチタニウ
ムアルコキシド化合物との混合物を加水分解して得られ
たシリコンとチタニウムを主な構成成分とする球状共加
水分解物粒子を非酸化性雰囲気下に900℃〜1300
℃で加熱して製造される。
【0022】尚、この製造方法は、前記ルチル結晶チタ
ニアを含むシリカーチタニア複合酸化物粒子の製造のみ
ならず、同じくルチル結晶チタニアを含む板状、棒状、
不定型のシリカーチタニア複合酸化物の製造に応用でき
る。従って、以下その形状に限定する事なくルチル結晶
チタニアを含むシリカーチタニア複合酸化物(以下、単
にシリカーチタニア複合酸化物という)一般の製法とし
て説明する。
【0023】シリコンアルコキシド化合物としては、一
般式 Si(OR)4、又はSiRn(0R´)4ーn 〔nは1
〜3の整数〕 で示されるシリコンアルコキシド化合物を特に限定する
ことなく採用できる。このような化合物として、例え
ば、シリコンテトラエトキシド、シリコンテトラメトキ
シド、シリコンテトラプロポキシド、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。上記一般式でnが1または2の場合のシリコンアル
コキシド化合物は、通常上に例示したようなトリアルコ
キシまたはテトラアルコキ型のシリコンアルコキシド化
合物に一部混合して用いられる。
【0024】チタニウムアルコキシド化合物としては、
加水分解可能なアルコキシド基を有するチタニウムアル
コキシド化合物を広く採用できる。例えばチタニウムテ
トラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、
チタニウムテトラブトキシド、等が好適に採用される。
【0025】シリコンアルコキシド化合物とチタニウム
アルコキシド化合物との混合物を加水分解することによ
って共加水分解物が得られるが、該共加水分解物を90
0℃以上の温度で加熱することによってシリカーチタニ
ア複合酸化物に転化する。
【0026】シリカーチタニア複合酸化物の製造に於い
ては、加水分解前に両アルコキシド化合物を共縮合させ
低縮合体にするのが好ましい。シリコンアルコキシド化
合物とチタニウムアルコキシド化合物とは、一般に、加
水分解速度が異なるため、両化合物が縮合していない混
合物を加水分解すると、シリカとチタニアの粒子がそれ
ぞれ独立して生成する場合がある。
【0027】両化合物の低縮合体を得るには、公知の方
法を特に限定することなく採用できるが、通常、シリコ
ンアルコキシド化合物の部分加水分解物にチタニウムア
ルコキシド化合物を添加する方法が好ましく採用され
る。
【0028】低縮合体の溶液に用いる溶媒は、低縮合体
を溶解するものであれば特に限定されず使用できるが、
反応性、操作性、入手が容易なこと等の理由で一般に
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等
のアルコール類が好適である。また、ジエチルエーテル
等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類の様
な有機溶媒を一部混合して用いることもできる。
【0029】該低縮合体を加水分解するには、公知の方
法を広く採用できるが、酸性又はアルカリ性の溶液中で
加水分解する方法が好ましく採用される。
【0030】低縮合体の加水分解物が球状の粒子である
ものを得ようとする場合には、該低縮合体の溶液をアル
カリ性溶液中で加水分解するのが好ましい。アルカリ性
溶液の溶媒には、公知の有機溶媒が何等制限されること
なく使用できる。一般に好適に使用される溶媒は、前記
低縮合体の溶媒として記載したものと同じアルコール
類、又は、エーテル類、エステル類、炭化水素類等の有
機溶媒を前記アルコール類に一部添加した混合溶媒と水
とよりなる含水溶媒である。アルカリ性溶液をアルカリ
性に保つためには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の公知のア
ルカリ化合物を使用できるが、アンモニアが特に好適で
ある。
【0031】上記球状共加水分解物粒子の粒子径は、ア
ルカリ性溶液に用いるアルカリ濃度、水の濃度、有機溶
媒の種類等の要因によって影響を受けるので予め適宜こ
れらの条件を決定しておくのが好ましい。一般には、前
記アルカリ性溶液のアルカリ濃度は1.0〜10モル/
リットルの範囲で選択するのが好ましく、アルカリ濃度
が高いほど、得られる球状共加水分解物粒子の粒子径が
大きくなる傾向にある。またアルカリ性溶液中の水の濃
度は、一般には、0.5〜50モル/リットルの範囲か
ら選ぶのが好適である。前記アルカリ性溶液中の有機溶
媒の種類については、一般には溶媒に用いるアルコール
類の炭素原子数が多くなれば、得られる球状シリカーチ
タニア複合酸化物粒子の粒子径が大きくなる傾向にあ
る。
【0032】前記低縮合体の溶液をアルカリ性溶液に添
加する方法は、特に限定されないが、一般には少量づつ
長時間かけて添加するのが好ましく、通常、数分〜10
数時間の範囲で実施すればよい。低縮合体の溶液をアル
カリ性溶液に添加する間、アルカリ性溶液の温度は、種
々の条件によって異なり一概に限定することができない
が、通常は0℃〜50℃の範囲で実施すればよい。さら
に、低縮合体の溶液をアルカリ性溶液に添加する間、ア
ルカリ性溶液はマグネチックスターラーや攪拌棒などに
よって常時攪拌しておく必要がある。
【0033】以上の操作によって生成する球状共加水分
解物粒子は分離後乾燥すればよい。このようにして得ら
れた球状共加水分解物粒子は、粒度分布範囲が狭い球状
の共加水分解物粒子である。
【0034】一方、共加水分解物の形状が球状以外の場
合には、前記低縮合体を酸性やアルカリ性の水溶液中で
加水分解する公知の方法が好ましく採用される。例え
ば、酸性水溶液と前記の低縮合体を混合、攪拌し、加水
分解させることによって、一般にバルク体と呼ばれる複
合酸化物の塊が得られることが知られているが、この様
なバルク体あるいはバルク体を粉砕した不定形粒子、あ
るいは、前記低縮合体を高分子フィルム上に薄くコーテ
ィングし、水蒸気の存在下に放置して加水分解させた固
形物を剥離させて得られる鱗片状の共加水分解物なども
前記球状共加水分解物粒子と同様に、シリカーチタニア
複合酸化物を製造するための原料とすることができる。
【0035】以上のようにして得られた球状共加水分解
物粒子または他の形状の共加水分解物を非酸化性雰囲気
下に900〜1300℃で加熱することによって各形状
のシリカーチタニア複合酸化物が得られる。
【0036】加熱温度は、900℃より低い温度で加熱
するとチタニアが結晶化しないかあるいは、結晶化度が
極めて低い。また、1300℃より高い温度で加熱する
と、チタニアの結晶が大きくなりシリカーチタニア複合
酸化物の透明性が低下したり、あるいはシリカが非晶質
からクリストバライト結晶に結晶化したり、あるいは又
シリカーチタニア複合酸化物自体の着色が強くなったり
するので好ましくない。特に、共加水分解物が球状また
は他の形状の粒子である場合、粒子同志が焼結し易くな
る傾向にあるため好ましくない。
【0037】更に、シリカーチタニア複合酸化物が1μ
m以下のシリカーチタニア複合酸化物粒子の場合には、
高温ほど粒子同志が焼結し易くなる傾向が強くなるた
め、好ましくは1200℃以下、さらに好ましくは11
00℃以下で加熱することが望ましい。但し、上記粒子
を1200℃を越える温度の気相中に、分散した状態で
送り、加熱するならば焼結はない。加熱に要する時間
は、粒子の大きさや雰囲気によって異なるので一概に限
定できないが、1〜20時間が適当である。
【0038】ところで、共加水分解物を非酸化性雰囲気
下に900℃以上の温度で加熱してもシリカーチタニア
複合酸化物中のチタニア含有量が低い場合などでは、ル
チル型のチタニア結晶が確認できないか、あるいは、確
認はできても極めて少量である場合がある。この様な場
合には、該複合酸化物を更に空気中などの、非酸化性雰
囲気以外の雰囲気下で再加熱するすることによって、ル
チル型構造のチタニア結晶の含有量を増加させることが
できる。この様な現象は、非酸化性雰囲気下で加熱した
ときに、X線回折などでは測定できない様なルチル型構
造の超微結晶が既に生成しており、再加熱によってそれ
らが成長したものと考えられる。
【0039】従って、本発明では、非酸化性雰囲気下に
900〜1300℃で加熱した後、更に酸化性雰囲気下
で再加熱することによってルチル型のチタニア結晶を成
長させるという態様も好ましく採用される。なお、この
場合、酸化性雰囲気下に加熱するため、ルチル型のチタ
ニア結晶の成長とともに、新たにアナターゼ型のチタニ
ア結晶も発生することが多いのでルチル型構造とアナタ
ーゼ型構造の2種類のチタニア結晶が混在したシリカー
チタニア複合酸化物となる場合が多い。
【0040】本発明のシリカーチタニア複合酸化物を製
造するためには、共加水分解物を加熱するときの雰囲気
を非酸化性に保つことが必須である。
【0041】共加水分解物は、加熱によってシリカーチ
タニア複合酸化物になる。加熱の雰囲気として、空気や
酸素など酸化性のガス雰囲気を採用すると、共加水分解
物中のチタニアはアナターゼ型に結晶化し、ルチル型に
はならない。
【0042】非酸化性の雰囲気としては、加熱に用いる
電気炉の中を、非酸化性の雰囲気に保つことができる様
であれば特に限定されない。例えば、加熱に用いる電気
炉の中を窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、一酸化炭
素、二酸化炭素等の気体の1種または2種を用いて非酸
化性のガス雰囲気に保つか、あるいは真空に保つのが好
適である。
【0043】更に、酸化を積極的に防止するために、共
加水分解物の表面を有機化合物で予め被覆しておくのが
より好ましい。共加水分解物の表面を有機化合物で被覆
する場合、該有機化合物としては公知の化合物を広く採
用できるが、共加水分解物の表面を確実に被覆でき、し
かも、揮発しにくいものが好ましい。このようなものと
して、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリア
クリル酸等何等かの溶媒に可溶なポリマーが好ましく、
中でもアルコールに可溶なポリエチレングリコールや水
に溶け易いポリアクリル酸が好ましい。
【0044】該有機化合物を共加水分解物に被覆するに
は、例えば、共加水分解物にポリエチレングルコールの
アルコール溶液を添加し、良く混合した後、溶媒を乾燥
させる方法が採用される。
【0045】上記有機化合物を被覆した共加水分解物を
非酸化性雰囲気下に加熱すると、有機化合物の炭化物が
粒子の表面又は内部に残存し、灰白色に着色する場合が
ある。このような場合には、これらの共加水分解物を空
気などの酸化性雰囲気中で再び加熱し、炭化物を酸化除
去することによって白色のシリカーチタニア複合酸化物
とすることができる。
【0046】
【作用】共加水分解物の加熱によって得られるシリカー
チタニア複合酸化物中のチタニアが、上記条件下で熱処
理すると選択的にルチル型に結晶化する機構は明らかで
はないが、以下のように考えられる。アルコキシド化合
物を出発物質として合成したシリコンとチタニウムを主
成分とする共加水分解物を非酸化性雰囲気下に加熱する
と、出発物質であるチタニウムアルコキシド化合物やシ
リコンアルコキシド化合物の加水分解によって生成した
有機化合物、あるいは、共加水分解物中に含まれる有機
溶媒やアルコキシ基の残基等が非酸化性雰囲気中で熱分
解されることによって、共加水分解物の周囲が強い還元
性雰囲気に保たれる。このため、共加水分解物または複
合酸化物中のチタニウムの電荷や酸素の配位数が微妙に
変化し、チタニアの選択的なルチル型構造への転移が起
こっているものと考えられる。チタニア単一成分系で
は、アナターゼ型からルチル型への不可逆的な転移が知
られており、チタニア中の酸素イオン空孔が相転移の核
生成を促進するためだといわれている。しかし、本発明
の系では、複合酸化物中のチタニアがアナターゼ型を経
由してルチル型に転移する事実を確認することはでき
ず、非晶質チタニアがアナターゼ型を経由せずに、直接
ルチル型に結晶化したのではないかと考えられる。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によって製造される複
合酸化物は、複合酸化物中のチタニアがより屈折率の高
いルチル型構造であるため、従来知られているアナター
ゼ型構造の複合酸化物に比べてチタニア含有量を減らす
ことができる。このため、複合酸化物の製造に関して
は、チタニウムアルコキシド化合物の使用量の低減が図
れ、さらにまた、球状シリカーチタニア複合酸化物粒子
に関しては、チタニア含有量の少ない球状シリカーチタ
ニア複合酸化物粒子を提供することが可能となった。
【0048】本発明の複合酸化物は、屈折率を任意に調
整できるため、光半導体用封止材や歯科用コンポジット
レジンなどの光を透過する必要のある複合樹脂の充填材
として有用である。また、従来にはなかったルチル型結
晶チタニアの微結晶を含有したシリカーチタニア複合酸
化物は、新規の触媒あるいは触媒担体としても期待でき
る。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。以下の実施例で利用したシリカーチタニア複
合酸化物粒子の性状の測定は、特に断わらない限り次の
ようにして測定した。
【0050】(1)平均粒子径 走査型電子顕微鏡の撮影像より求めた。
【0051】(2)粒子の屈折率 試料粒子を屈折率が異なる種々の25℃の液に懸濁さ
せ、懸濁液が最も透明に見える液の屈折率をアッベの屈
折率計によって測定した。
【0052】(3)結晶の同定 チタニアの結晶構造の同定は、X線回折装置を用いて粉
末法によって行った。
【0053】(4)ルチル型結晶チタニアの割合 ルチル型結晶チタニア(関東化学(株)、試薬特級)と
非晶質シリカを任意の割合に混合した試料を作り、粉末
X線回折装置を用いてルチル型チタニアの(110)面
の回折ピークの積分強度を測定した。ルチル型結晶チタ
ニアの含有率に対してそれぞれの積分強度をプロットし
て検量線を作成した。上記と測定条件を同一にして、各
実施例の試料の粉末X線回折を測定し、上記検量線より
ルチル型結晶チタニアの含有率を算出した。全チタニア
含有率(モル%)に対する該ルチル型結晶チタニアの含
有率(モル%)の百分率をルチル型結晶チタニアの割合
(モル%)と定義した。
【0054】製造例1 共加水分解物粒子(A)の合成 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
メタノール140g、イソプロパノール260g、およ
びアンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応
液を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌し
た。
【0055】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)799gを仕
込み、撹拌しながら、メタノール288gと0.1重量
%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を1/
1000に水で希釈)41gを加え、約10分間撹拌し
た。続いて、チタニウムテトライソプロポキシド(Ti
(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A−1
(TPT))213gをイソプロパノール450gで希
釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアル
コキシドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)
を得た。
【0056】上記均一溶液1792gとアンモニア水
(25重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、8時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、得
られた共加水分解物をろ過し、150℃で乾燥したとこ
ろ、約370gの共加水分解物が得られた。得られた共
加水分解物は走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均
粒子径0.40μmの極めて単分散性の高い球状粒子
〔以下、粒子(A)という〕であった。該粒子(A)中
のチタニアの配合率〔Ti/(Ti+Si)〕は仕込み
組成より12.5モル%であった。
【0057】製造例2 共加水分解物粒子(B)の合成 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
メタノール80g、イソプロパノール320g、および
アンモニア水(25重量%)100gを仕込み、反応液
を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌し
た。
【0058】次に、3リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)868gを仕
込み、撹拌しながら、メタノール115gと0.1重量
%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を1/
1000に水で希釈)16gを加え、約10分間撹拌し
た。続いて、チタニウムテトライソプロポキシド(Ti
(O−i−Pr)4、日本曹達(株)、品名;A−1
(TPT))85gをイソプロパノール180gで希釈
した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコ
キシドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を
得た。
【0059】上記均一溶液1265gとアンモニア水
(25重量%)480gの各々を前記反応液中に、最初
は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大き
くして、8時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、得
られた共加水分解物をろ過し、150℃で乾燥したとこ
ろ、約365gの共加水分解物が得られた。得られた共
加水分解物は走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均
粒子径0.54μmの極めて単分散性の高い球状粒子
〔以下、粒子(B)という〕であった。該粒子(B)中
のチタニアの配合率〔Ti/(Ti+Si)〕は仕込み
組成より5.0モル%であった。
【0060】製造例3 共加水分解物粒子(C)の合成 撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器に
イソプロパノール350g、およびアンモニア水(25
重量%)150gを仕込み、反応液を調製し、反応液の
温度を40℃に保持しつつ攪拌した。
【0061】次に、5リットルの三角フラスコに、シリ
コンテトラメトキシド(Si(OMe)4、コルコート
(株)、商品名;メチルシリケート39)1585gを
仕込み、撹拌しながら、メタノール611gと0.1重
量%塩酸水溶液(35%塩酸、和光純薬工業(株)を1
/1000に水で希釈)86gを加え、約10分間撹拌
した。続いて、チタニウムテトラブトキシド(Ti(O
−Bu)4、日本曹達(株)、品名;B−1(TB
T))541gをイソプロパノール960gで希釈した
液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシ
ドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得
た。
【0062】続いて、上記均一溶液とアンモニア水(2
5重量%)の各々を前記反応液中に、同時に滴下した。
ただし、滴下を開始してから5時間の間は、反応液の液
面すれすれにチューブの先を固定し、滴下によって増加
した分の反応液をポンプで系外に汲み出すことによっ
て、実質的に反応液の体積が変化しないように粒子を合
成した。滴下を開始してから5時間後からは反応液の汲
み出しは中止して10時間まで滴下を継続した。滴下終
了後、得られた共加水分解物をろ過し、150℃で乾燥
したところ、約430gの共加水分解物が得られた。得
られた共加水分解物は走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒子径1.62μmの球状粒子〔以下、粒子
(C)という〕であった。該粒子(C)中のチタニアの
配合率〔Ti/(Ti+Si)〕は仕込み組成より1
3.25モル%であった。
【0063】製造例4 共加水分解物粒子(D)の合成 内容積4リットルのポリ容器に、シリコンテトラメトキ
シド(Si(OMe)4、コルコート(株)、商品名;
メチルシリケート39)1681gを仕込み、撹拌しな
がらメタノール221gと0.1重量%塩酸水溶液(3
5%塩酸、和光純薬工業(株)を1/1000に水で希
釈)124gを加え、10分間撹拌した。続いて、チタ
ニウムテトライソプロポキシド(Ti(O−i−Pr)
4、日本曹達(株)、品名;A−1(TPT))490
gを加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシ
ドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得
た。上記溶液を撹拌しながら氷冷し、十分に冷えたとこ
ろで、氷冷したイオン交換水795gを加えた。約10
分間攪拌した後、室内に放置しておいたところ、内容物
はゲル化し寒天状に固化した。続いて、内径1mm程度
のピンホールを開けた蓋を閉めて、95℃に保った恒温
槽中に12時間放置した。さらにイオン交換水を300
g加えて120℃で5時間保持した後、蓋を開けて一晩
乾燥したところ、小指大の透明なガラス塊が得られた。
上記ガラス塊をボールミルで粗粉砕した後、ジェットミ
ル(株式会社セイシン企業製、FS−4)により、ノズ
ル圧力5.5kg/cm2で粉砕した。粉砕後の共加水
分解物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、粒子径は
1μmから8μmの範囲で、粒子形状は不定形の共加水
分解物〔以下、粒子(D)という〕であった。該粒子
(D)中のチタニアの配合率〔Ti/(Ti+Si)〕
は仕込み組成より13.5モル%であった。
【0064】実施例1〜7 製造例1〜4の各共加水分解物粒子を表1に記載の条件
で加熱し、シリカーチタニア複合酸化物粒子を得た。こ
れらの物性を併せて表1に示す。尚、各共加水分解物粒
子の焼成は以下に記載の方法に準拠して行った。
【0065】分子量2万のポリエチレングリコール(和
光純薬工業製)5gとメタノール25gを加熱しながら
溶かして透明な溶液を調製した。共加水分解物粒子25
gと上記溶液を乳鉢で良く混合した後、徐々にメタノー
ルを蒸発させて該共加水分解物粒子とポリエチレングリ
コールの乾燥した混合物を得た。ルツボに入れた上記混
合物を電気炉に仕込み、所定のガスを流しながら所定の
温度で所定時間加熱した。なお、この時点では、通常粒
子は薄く灰色がかっていたが、灰色の成分はポリエチレ
ングリコールが炭化した物であった。引続き空気を流し
ながら800℃で2時間加熱し、炭化物を燃焼させて白
色の複合酸化物粒子を得た。
【0066】実施例8 窒素雰囲気下900℃で2時間加熱した以外は実施例1
と同様にしてシリカーチタニア複合酸化物粒子を得た。
実施例1と同様にしてその粒子の物性を測定したとこ
ろ、平均粒子径は0.36μm、ルチル型結晶チタニア
の割合は1モル%であった。次に、上記シリカーチタニ
ア複合酸化物粒子の一部を空気中、1200℃で6時間
加熱したところ平均粒子径は0.35μm、屈折率は
1.547、結晶構造はアナターゼ型構造と共にルチル
型構造のピークが検出された。このときのルチル型結晶
チタニアの割合は5モル%であった。
【0067】比較例1〜3 実施例1〜7に準じて各共加水分解物粒子を表1に記載
の条件で加熱し、シリカーチタニア複合酸化物粒子を得
た。これらの物性を表1に示す。
【0068】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカとチタニアを主な構成成分とする
    平均粒子径が0.05〜50μmの球状粒子であり、全
    チタニア中のルチル型結晶チタニアの割合が5モル%以
    上であることを特徴とする複合酸化物粒子。
  2. 【請求項2】 シリコンアルコキシド化合物とチタニウ
    ムアルコキシド化合物とを加水分解して得られる共加水
    分解物を、非酸化性雰囲気下に900℃〜1300℃で
    加熱することを特徴とするルチル型結晶チタニアを含む
    シリカーチタニア複合酸化物の製造方法。
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