JPH07252634A - 耐アルカリ性金属板及びその製造方法 - Google Patents

耐アルカリ性金属板及びその製造方法

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JPH07252634A
JPH07252634A JP7024794A JP7024794A JPH07252634A JP H07252634 A JPH07252634 A JP H07252634A JP 7024794 A JP7024794 A JP 7024794A JP 7024794 A JP7024794 A JP 7024794A JP H07252634 A JPH07252634 A JP H07252634A
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titanium oxide
film
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oxide layer
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JP7024794A
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Yasushi Miyamoto
靖史 宮本
Yuji Kubo
祐治 久保
Misao Hashimoto
操 橋本
Naoto Ono
直人 小野
Tsunetoshi Takahashi
常利 高橋
Isao Ito
功 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アルカリ性環境の下でも適用可能
な装飾性・耐アルカリ性に優れたセラミックスコーティ
ング金属板を提供する。 【構成】 金属基板上に屈折率が高い性質を備える酸化
チタン層を形成することによって、干渉色による色のバ
リエーションを付与すると共に、該酸化チタン層が耐ア
ルカリ性に優れる性質を利用したものであり、ステンレ
ス等の金属基板上に酸化チタン層を形成させる。 【効果】 幅370mm、長さ300m、0.3mm厚
のコイル状ステンレスにスパッタリングで0.06μm
厚の酸化チタンをコーティングしたところ、鮮度の高い
薄い青色を呈し、重量濃度2%のNaOH水溶液への浸
漬テストで色調の変化は殆ど見られず、また、膜の劣化
も全く見られなかった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリア、建材、自
動車などの装飾部材として、そのアルカリ性環境の下で
も使用可能な装飾性・耐アルカリ性に優れたセラミック
コーティング金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の発展に伴い、金
属材料の表面改質にも物理蒸着・化学蒸着などのドライ
プロセスが応用され始めた。
【0003】このような技術の進歩により、従来のメッ
キに代表されるウェットプロセスではできないセラミッ
クスをコーティングし、耐候性・耐摩耗性・装飾性など
の機能が付与された金属材料を得ることが可能になって
きた。
【0004】しかしながら、量産性に向いていない、ラ
ンニングコストが高い、装置が高価なことなど、コスト
面で抱える問題点が大きく、よほど機能的に優れたもの
でない限り、工業的にウェットプロセスに置き代わるこ
とは依然として難しいのが現状である。
【0005】装飾関連分野では、例えば、世の中の高級
指向を反映して、特に外観に高級感を持たせた、TiN
の金色装飾コーティングが工業化に成功した例である。
【0006】装飾コーティングでは、上記TiNの金色
以外に、今までのところ、TiCの黒色など物質色を利
用した材料や、アルミニウム或は珪素の酸化物など透明
セラミックス被覆による光の干渉によって色を出す、い
わゆるカラーコーティング装飾材がある(例えば、特願
昭54―66385、54―85214)。
【0007】しかしながら、これら従来の装飾コーティ
ング材料に用いられてきたセラミックスコーティング物
質は、耐アルカリ性に劣るという問題があった。
【0008】特に、床などに使用される装飾材の場合に
は、床洗浄した場合にも優れた装飾性を維持するのが必
須の条件である。
【0009】一方、床材には塩化ビニル樹脂などが金属
基板と併用されることが多いが、塩化ビニル樹脂が酸に
弱いことから、床洗浄にはアルカリ系洗剤が多く用いら
れている。
【0010】従来のセラミックスコーティング材は、ア
ルカリ系洗剤でクリーニングすると、コーティング材の
色調の変化や、膜の割れや、剥離などの劣化を生じ、装
飾性を著しく損なうという問題があった。
【0011】例えば、TiNの金色コーティング膜の表
面を、アルカリ系洗剤を用いてクリーニングすると、色
が黒みがかかった金色に変化したり、同様にしてアルミ
ニウム酸化物の薄黄色コーティング膜をクリーニングす
ると、膜が溶解して下地の金属が露出するという問題が
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の装飾
コーティング材料が耐アルカリ性に劣るという上記問題
点を解決し、インテリア材・建材・自動車など広い分野
において使用を可能にした装飾性・耐アルカリ性に優れ
る金属板及びその製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、発明者らが、
ドライプロセスで形成した薄膜状酸化チタンがバルク状
酸化チタンに対し、耐アルカリ性に優れていることを発
見し、該酸化チタン層を金属基板上に形成することによ
り、セラミックコーティング膜が耐アルカリ性に劣ると
いう従来の欠点を克服することが初めて可能となったも
のである。
【0014】すなわち、金属基板上に屈折率が高い性質
を備える酸化チタン層を形成し、該酸化チタン層の膜厚
に基づいた干渉色による色のバリエーションを付与す
る、或は該酸化チタン層を厚くすることにより干渉色を
利用せず透明感のある色調を得ると共に、該酸化チタン
層が耐アルカリ性に優れる性質を利用したものであり、
ステンレス等の金属基板上に好ましくは0.03〜5μ
m、更に製造コストの点からより好ましくは0.03〜
0.2μm厚さの酸化チタン層を形成し、装飾性・耐ア
ルカリ性に優れたセラミックコーティング金属板を提供
するものである。
【0015】また、本発明の金属板は金属基板上に0.
03〜5μm厚さの酸化チタン層をイオンプレーティン
グ及び或はスパッタリングで形成し製造できる。
【0016】更に、該酸化チタン層の下地基板に近い部
分をイオンプレーティングで、表層に近い部分をスパッ
タリングで形成することにより、基板との密着性により
優れ、かつ膜の表層部化学量論組成比を厳密に制御した
高品質膜を製造できる。
【0017】すなわち、本発明で開示している優れた装
飾性は、金属基板上に屈折率の高い酸化チタン層を干渉
効果の作用する膜厚範囲で形成することにより、該金属
基板の色から色調が大きく変化することを利用するもの
である。
【0018】或は、金属基板上に干渉効果の作用しない
膜厚範囲の酸化チタン層を形成することにより干渉色を
利用せずに金属基板の色調をそのまま生かすことも可能
である。
【0019】
【作用】次に、本発明の金属板の耐アルカリ性について
説明する。
【0020】従来、薄膜状セラミックスの耐アルカリ性
について充分な検討はなされていなかった。
【0021】データハンドブックによればバルク状セラ
ミックスの耐アルカリ性に関して、以下のように記述さ
れている(改訂3版、化学便覧基礎編I、日本化学会
編、p80(1984))。
【0022】Al23:アルカリ水溶液に難溶 SiO2:アルカリ水溶液に不溶 TiO2:アルカリ水溶液に溶解
【0023】しかしながら、発明者らはドライコーティ
ングによる各種セラミックコーティング金属板を用いた
耐アルカリ性テストを行った結果、ドライコーティング
で形成した厚さ5μm以下である薄膜状セラミックスの
耐アルカリ性はバルク状セラミックスの特性とは異な
り、酸化チタン膜が耐アルカリ性に優れていることを発
見した。
【0024】以下に、耐アルカリ性テスト方法、及びサ
ンプル作製方法、及び評価方法について記す。
【0025】<アルカリ浸漬テスト方法> NaOH水溶液浸漬 溶液:濃度2wt%、NaOH水溶液、200CC(蒸
留水使用) 浸漬時間:一週間 温度:室温
【0026】なお、市販のアルカリ系洗剤はpH11〜
13程度であるが、それに対し本テストではより強いア
ルカリ性水溶液を用いて行うことにより、耐アルカリ性
適応範囲を広げた試験を行った。
【0027】市販床洗浄用アルカリ系洗剤浸漬(原
液) pH:12 浸漬時間:一週間 温度:室温
【0028】<サンプル作製方法>成膜方法:バッチ式
高周波マグネトロンスパッタリング装置により成膜(但
し、TiN及びTiCはイオンプレーティング装置を用
いた) 膜種: 酸化物系―Al23、SiO2、TiO2、TiAlO、
Nb23 窒化物系―TiN、ZrN 炭化物系―TiC (膜厚は各0.1μm) 基板:SUS304 BA 0.3mm厚(成膜後、3
5mm角の大きさに切断しテストに供した)
【0029】<浸漬前後における色調変化及び膜劣化の
評価方法> 1.目視判定により、膜の割れや剥離等の膜劣化状況を
観察 2.L*、a*、b*表色系により色調測定 ここで、「L*、a*、b*表色系」とは国際照明委員会
で用いられている色座標で、以下のような感覚色度を表
す。 L*:黒←−側、+側→白 a*:緑←−側、+側→赤 b*:青←−側、+側→黄 (市販の色彩色差計を用いて異なる3点を測定し平均値
を求めた) 3.テスト前後の色差ΔEを算出し、色調変化を評価し
た なお、色差ΔEは次式により求めた。
【0030】
【数1】 ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
【0031】(ΔL、Δa、Δbはそれぞれ浸漬前後の
色調の差)
【0032】第1表に上記の結果を示す。また、第2表
に色差の値の評価基準を示す。
【0033】第1表に示すように、酸化チタンコーティ
ング材ではアルカリ浸漬前後の色差が1.3であり色調
変化の評価判定が「僅かに異なる」であった。
【0034】更に、酸化チタンコーティング材では膜の
割れや剥離等の劣化も全くみられなかった。
【0035】一方、酸化チタン以外のコーティング材で
は、色差が1.4以上で色調変化が「感知し得る〜別の
色系統」であるか、または膜の劣化が観察された。
【0036】金属基板としては、ステンレス、チタン、
銅、鋼、アルミなどが用いられる。本発明では、基板に
対して特にこれら金属に制限するものではない。但し、
これらのうち、アルミは酸にもアルカリにも溶解する両
性金属である。
【0037】従って、アルミは裸材においてもアルカリ
性環境下で用いる場合には耐アルカリ性処理が必須であ
る。
【0038】本発明は、特に建材や自動車などに使用可
能であるように、好ましくはリボン状或はコイル状の大
面積基板(例えば370mm×300m)が選ばれる。
【0039】酸化チタンの膜厚は0.03〜5μmの範
囲が好ましい。なぜならば、0.03μmより薄いと金
属基板を保護するのに充分ではなく、またコスト上の面
から最大膜厚は5μmに制限され、更に5μm超では金
属基板と膜の密着性の低下及び曲げ加工する場合に膜の
割れを引き起こすという弊害も生じてくるためである。
【0040】また、該酸化チタンの膜厚は、用途に応じ
て干渉効果の作用する膜厚範囲で用いる方法と、干渉効
果の作用しない膜厚範囲で用いる方法がある。
【0041】例えば、基板としてSUS304 BA
SBを用いた場合、0.03〜1.5μmの範囲で用い
ることにより、干渉色を生かした装飾性金属基板が得ら
れ、1.5μm超の範囲で用いることにより、干渉色を
避け、金属板の色調を生かした透明感のある装飾性金属
板が得られる。
【0042】更に、酸化チタンの膜厚は0.03〜0.
2μmの範囲がより好ましい。なぜならば、ドライプロ
セスの生産性の問題に起因する製造コスト上の制約から
酸化チタンの膜厚はなるべく薄い方が好ましく、また該
酸化チタンの膜厚が0.03〜0.2μmの範囲で最小
限の色のバラエティを備えることが可能であるためであ
る。
【0043】すなわち、酸化チタン層の干渉色は1周期
が約0.1μm厚さで、色調が周期的に変化し、周期を
繰り返し厚さが増す毎に色は次第に濃くなり、また鮮映
性も大きくなるが、膜厚が0.2μmもあれば周期の色
バリエーションを最小限保持できるからである。
【0044】酸化チタンコーティング金属板の作製は、
ドライプロセスを用いる。従来、金属酸化物をコーティ
ングする例として、金属のアルコキサイドやキレートを
アルコール溶液に溶かして熱分解する方法がある。
【0045】この熱分解によるコーティング方法では、
ある程度の環境遮断性の向上が見られるものの、作製し
た膜は該プロセス特有のポーラスな膜となり、充分な耐
環境性は得られていない。
【0046】更に、膜厚の制御も難しいため、膜厚によ
って望みの干渉色を出すことが困難である。
【0047】また、金属酸化物を作製する他の方法とし
て、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法等が
あるが、いずれも膜厚の制御がネックとなっている。
【0048】膜厚の均一性という点からは浸漬引き上げ
法が適しているが、この場合溶液の粘度や基板の種類に
よって膜厚は影響されてしまい、やはり膜厚の制御の点
で問題があった。
【0049】本発明では、ドライプロセスを用いること
により、従来にはなかった金属基板を得るに至ったもの
である。
【0050】酸化チタンコーティングは、ドライプロセ
スとしてイオンプレーティング及び或はスパッタリング
を用いる。
【0051】なぜならば、セラミックコーティング金属
板において、セラミック膜と金属基板の界面での密着性
が問題点となるが、イオンプレーティングは、蒸着粒子
がイオン化され、高いエネルギーで基板に衝突するの
で、密着性良好の膜を生産性良くコーティングすること
ができるためである。
【0052】或は、酸化チタン膜の品質を向上するため
に、チタンと酸素の化学量論組成比を厳密に制御する必
要があり、スパッタリングは意図した化学量論組成比の
膜を容易にコーティングできるからである。
【0053】特に、鮮映性の高い干渉色を得るために
は、膜の光吸収が少ない方が良く、そのためには酸化チ
タンの酸素欠損がなるべく少ない膜が良い。酸素欠損が
大きいと吸収が大きくなり、膜の色は黒っぽくなる。
【0054】従って、酸化チタンをコーティングする場
合、金属基板との密着性を上げるために、まず金属基板
に近い層をイオンプレーティングで、続いてチタンと酸
素の化学量論組成比を厳密に制御し意図した高品質の膜
を得るために、残りの厚みの層をスパッタリングで行う
ことがより好ましい。
【0055】この場合、イオンプレーティングで形成す
る下層の厚さは、特に制限されるものではないが、カバ
ーリングの面から、0.01μmもあれば充分である。
【0056】更に、イオンプレーティングとスパッタリ
ングを併用する場合には、酸化チタンの下層と上層のコ
ーティングは、同一チャンバー内で連続的に行うことが
望ましい。
【0057】なぜなら、下層を形成した後真空を破りサ
ンプルを大気中に取り出してから上層を形成する場合に
は、上層と下層の間に大気中のガス成分、特に酸素ガス
と水分が残るため、上層と下層の界面が分離し膜の品質
が低下するためである。
【0058】また、上層と下層を別チャンバーで行う操
作により該金属基板の温度が昇降されるため膜の内部応
力が発生したり、内部応力の増加・緩和が繰り返される
ためコーティング層にクラックが発生したりするため
に、金属基板と下層の間で密着性の低下が引き起こされ
るためである。
【0059】以下実施例により具体的に説明する。
【0060】
【実施例1】コイル巻き出し機構と巻き取り機構の間
に、基板のクリーニング機構、イオンプレーティング、
スパッタリング装置が直列に配置された連続コイルコー
ティング設備を用いて、幅370mm、長さ300m、
厚さ0.3mmのコイル状オーステナイト系ステンレス
に、まずイオンプレーティングで0.01μm厚の酸化
チタンをコーティングし、続いてスパッタリングで0.
05μm厚の酸化チタンをコーティングした。
【0061】なお、コーティングに先立って、クリーニ
ングルームにおいて、基板にアルゴンガスによるイオン
ボンバードメント処理を施した。下にコーティング条件
を示す。
【0062】<コーティング条件> ○作製プロセス:イオンプレーティング及びスパッタリ
ング ○基板:SUS304 BA SB 0.3mm厚
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】得られたコーティングサンプルの色調は鮮
度の高い青色を呈した。同様にして、酸化チタンの膜厚
を0.06〜5μmの範囲で変えたサンプルを作製し、
濃度2%のNaOH水溶液を用いて一週間、浸漬テスト
を行った。
【0066】テスト前後の色調を市販の色差計を用い
て、L*、a*、b*表示及び色差ΔEに従って測定、
算出した。結果を第3表に示す。
【0067】テスト前後の色差は極めて小さく、色調の
変化は殆どみられないことがわかる。また、テストによ
る膜の割れや剥離等の劣化は、一切見られなかった。
【0068】また、耐アルカリ性テスト前後の曲げ加工
性について調べたところ、9mmφ、6mmφの180
度曲げテストにおいて膜の割れや剥離は見られず、いず
れのサンプルも評価は合格であった。
【0069】更に、これらの酸化チタンをコーティング
したステンレスを用いて実地に洗浄テストを行った。該
コーティングステンレスを床に置き、市販の床洗浄用ア
ルカリ系洗剤を塗布し洗浄用ブラシで擦った。
【0070】膜の割れや剥離、色調の変化などの膜の劣
化は全くみられなかった。なお、アルカリ系洗剤のpH
は12であった。
【0071】
【実施例2】コイル巻き出し機構と巻き取り機構の間
に、基板のクリーニング機構、イオンプレーティング、
スパッタリング装置が直列に配置された連続コイルコー
ティング設備を用いて、幅370mm、長さ300mの
コイル状アルミニウム0.3mm厚材に、まず、イオン
プレーティングで0.01μm厚の酸化チタンをコーテ
ィングし、続いてスパッタリングで0.18μm厚の酸
化チタンをコーティングした。
【0072】なお、コーティングに先立って、クリーニ
ングルームにおいて、基板にアルゴンガスによるイオン
ボンバードメント処理を施した。下にコーティング条件
を示す。
【0073】<コーティング条件> ○作製プロセス:イオンプレーティング及びスパッタリ
ング ○基板:Al 0.3mm厚
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】得られた酸化チタンの色調は鮮度の高い赤
紫色を呈した。同様にして、酸化チタンの膜厚が0.5
0μm及び1.00μmのサンプルを作製し、濃度2%
のNaOH水溶液を用いて一週間、浸漬テストを行っ
た。
【0077】なお、アルミはアルカリに溶解するためテ
スト前に基板の非コーティング部分、すなわちコーティ
ング裏面及びコーティング面エッジ部をエポキシ樹脂で
封止し耐アルカリ処理を施した後、テストを行った。
【0078】テスト前後の色調を市販の色差計を用いて
L*、a*、b*表示及び色差ΔEに従って測定、算出
した。結果を第4表に示す。
【0079】なお、干渉色の色調は基板の色調に影響を
受ける。従って、第1表と第4表の値が異なるのは、ス
テンレスとアルミの基板の違いによるものである。
【0080】テスト前後の色差は極めて小さく色調の変
化は、殆どみられないことがわかる。また、テストによ
る膜の割れや剥離等の劣化は、一切見られなかった。
【0081】また、耐アルカリ性テスト前後の曲げ加工
性について調べたところ、9mmφ、6mmφの180
度曲げテストにおいて膜の割れや剥離は見られず、いず
れのサンプルの評価も合格であった。
【0082】更に、これらの酸化チタンをコーティング
したアルミを用いて実地に洗浄テストを行った。該コー
ティングステンレスを床に置き、市販の床洗浄用アルカ
リ系洗剤を塗布し洗浄用ブラシで擦った。膜の割れや剥
離、色調の変化などの膜の劣化は全くみられなかった。
なお、アルカリ系洗剤のpHは12であった。
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【発明の効果】本発明は、以上述べたように、金属基板
上に屈折率が高い性質を備える酸化チタン膜を形成する
ことによって、干渉色による色のバリエーションを付与
した装飾材料を得ると共に、耐アルカリ性に優れる該酸
化チタンをコーティングすることで、アルカリ系洗剤で
クリーニングしてもコーティング膜が劣化しない装飾性
金属板を得ることができた。
【0088】これにより内装・外装用装飾建材、インテ
リア材、自動車など広い分野に使用を可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 直人 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 高橋 常利 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 伊藤 功 東京都千代田区大手町2―6―3 新日本 製鐵株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板上に0.03〜5μm厚の酸化
    チタン層を被覆した装飾性に優れた耐アルカリ性金属
    板。
  2. 【請求項2】 酸化チタン層がドライプロセスで形成さ
    れたものである請求項1記載の装飾性に優れた耐アルカ
    リ性金属板。
  3. 【請求項3】 金属基板上に、0.03〜5μm厚さの
    酸化チタン層をイオンプレーティング及び或はスパッタ
    リングで形成する装飾性に優れた耐アルカリ性金属板の
    製造法。
  4. 【請求項4】 酸化チタン層の下地基板に近い部分をイ
    オンプレーティングで、表層に近い部分をスパッタリン
    グで形成した請求項3記載の装飾性に優れた耐アルカリ
    性金属板の製造法。
JP7024794A 1994-03-16 1994-03-16 耐アルカリ性金属板及びその製造方法 Withdrawn JPH07252634A (ja)

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