JPH07253128A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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Publication number
JPH07253128A
JPH07253128A JP6146773A JP14677394A JPH07253128A JP H07253128 A JPH07253128 A JP H07253128A JP 6146773 A JP6146773 A JP 6146773A JP 14677394 A JP14677394 A JP 14677394A JP H07253128 A JPH07253128 A JP H07253128A
Authority
JP
Japan
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ring
mounting groove
cylinder
pad
piston
Prior art date
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Pending
Application number
JP6146773A
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English (en)
Inventor
Mamoru Saito
衛 斉藤
Yoichi Kato
洋一 加藤
Ryuichi Sakakibara
隆一 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 面取り部を大きくすることなく的確なリトラ
クト量を確保すること。 【構成】 パッド11を押すピストン12が挿入される
シリンダ13の内孔14に断面が略矩形で環状のリング
取付溝15が形成されるとともに、このリング取付溝1
5のパッド側の開口縁にパッド側に傾斜した面取り部1
6が形成され、またピストン12とシリンダ13間をシ
ールするとともに制動後の除圧時にピストン12を戻す
リトラクションリング18がリング取付溝15に組付け
られるようにしてなるディスクブレーキ装置において、
リング取付溝15のパッド側端壁15aに向けて開口す
る環状凹所17をシリンダ13に形成するとともに、こ
の環状凹所17内に圧縮性材料からなりリトラクション
リング18の環状凹所17内への進入変形を許容する変
形許容リング19を組付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等車両の制動装
置として使用されるディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキ装置の一形式として、
図18及び図19に示したもの、すなわちパッド1を押
すピストン2が挿入されるシリンダ3の内孔4に断面が
略矩形で環状のリング取付溝5が形成されるとともに、
このリング取付溝5のパッド側の開口縁にパッド側に傾
斜した面取り部6が形成され、またピストン2とシリン
ダ3間をシールするとともに制動後の除圧時にピストン
2を戻すリトラクションリング7がリング取付溝5に組
付けられるようにしてなるものがあり、例えば実開昭6
4−21826号公報に従来例として示されている。
【0003】かかるディスクブレーキ装置においては、
面取り部6の大きさによって制動後の除圧時に得られる
ピストン2の最大戻り量(リトラクト量)が規定されて
いて、シリンダ内液圧が低い場合(リトラクションリン
グ7の弾性変形が面取り部6によって規制される液圧P
1未満の場合)には、図19及び図20にて示したよう
に制動時に生じるパッド1とシリンダ3間の間隔Xpと
初期間隔X1との差(パッド1及びシリンダ3すなわち
キャリパの撓み量)がリトラクションリング7の弾性復
帰によって得られるリトラクト量(Xp−Xo)より常
に所定量α1小さくて制動後の除圧時にはパッド1とピ
ストン2間には所定量α1の間隔が常に形成される。
【0004】しかし、シリンダ内液圧がP1以上になる
と、パッド1及びシリンダ3の撓み量が液圧の上昇に応
じて順次増大するものの、リトラクションリング7によ
るリトラクト量は面取り部6との係合によって略一定値
に保持されるため、ピストン2とリトラクションリング
7間に滑りが生じ、制動後の除圧時にパッド1とピスト
ン2間に形成される間隔が液圧の上昇に応じて順次減少
して、シリンダ内液圧がP2に達するとゼロとなり、ま
たP2以上になると図21にて示したようにリトラクシ
ョンリング7が逆作用するように弾性変形してピストン
2をパッド1に押圧するようになり、パッド1がディス
クロータ8(図18参照)と接触し、いわゆる引きずり
が生じるようになる。
【0005】なお、パッド1及びシリンダ3の撓み量が
図20の二点鎖線にて示したように極低圧時に急激に増
加するディスクブレーキ装置(剛性の低いキャリパを使
用しかつ軟らかいパッドを採用した装置)もあり、かか
るディスクブレーキ装置においては低圧時から上記撓み
量がリトラクト量より大きくなってパッド1の引きずり
が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した問題は、図2
2及び図23(実線が図19の場合のリトラクト量特性
線であり、破線が図22の場合のリトラクト量特性線で
ある。破線の折れ点となるシリンダ内液圧は実線のそれ
より若干低い値である。)にて示したように、面取り部
6の大きさを拡大して、リトラクションリング7の弾性
復帰によって得られるリトラクト量の最大値を増大させ
ることにより、リトラクションリング7が逆作用する液
圧をP3(P3>P2)とすることができて、改善する
ことができるものの、かかる手段を採用した場合にはシ
リンダ内液圧が低い場合において制動後の除圧時にパッ
ド1とピストン2間には所定量α1より大きな間隔α2
が常に形成されることとなる。本発明は、上記した問題
に対処すべくなされたものであり、面取り部を大きくす
ることなく的確なリトラクト量を確保することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、パッドを押すピストンが挿入されるシリンダの
内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成される
とともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁にパッ
ド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピストン
とシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧時に前
記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リング取
付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレーキ装
置において、前記リング取付溝のパッド側端壁に向けて
開口する環状凹所を前記シリンダに形成するとともに、
この環状凹所内に圧縮性材料からなり前記リトラクショ
ンリングの前記環状凹所内への進入変形を許容する変形
許容リングを組付けた(請求項1の発明)。また、上記
したディスクブレーキ装置において、前記リング取付溝
のパッド側端壁に向けて開口する環状凹所を前記シリン
ダに形成するとともに、前記リトラクションリングを前
記リング取付溝の底部近傍にて軸方向に挟持する保持手
段を設けた(請求項2の発明)。また、上記したディス
クブレーキ装置において、前記リトラクションリングの
内部に所定形状の閉空間を形成した(請求項3の発
明)。また、上記したディスクブレーキ装置において、
前記リトラクションリングのパッド側端面に圧縮性部材
を設けた(請求項4の発明)。また、上記したディスク
ブレーキ装置において、前記リトラクションリングの軸
方向長さを前記リング取付溝の軸方向長さより所定量短
くし、前記リング取付溝のパッド側端壁に環状凹所を形
成し、この環状凹所の底部と前記リトラクションリング
のパッド側端面間に前記リトラクションリングより軟質
の圧縮性部材を設けた(請求項5の発明)。また、請求
項5記載のディスクブレーキ装置において、前記環状凹
所の底部に前記圧縮性部材を所定位置に保持する保持手
段を設けた(請求項6の発明)。上記した各場合におい
て、前記リング取付溝よりパッド側のシリンダ内孔径が
反パッド側のシリンダ内孔径より大きく設定されている
のが望ましい(請求項7の発明)。
【0008】
【発明の作用・効果】請求項1及び2の発明において
は、リトラクションリングの面取り部への弾性変形が完
了した後の液圧上昇に応じてリトラクションリングがシ
リンダに形成した環状凹所に向けて弾性変形する。かか
るリトラクションリングの弾性変形時には、リトラクシ
ョンリングとピストンの面取り部側の係合部ではリトラ
クションリングの一部がピストン上を滑ってピストンに
対して相対変位を起こすものの、反対側の係合部ではリ
トラクションリングがピストンに対して相対変位を起こ
すことなく大きく弾性変形するため、リトラクションリ
ングによるリトラクト量は液圧の上昇に応じて増大し続
ける。したがって、液圧の上昇に応じて増大するパッド
及びシリンダの撓み量がリトラクションリングによるピ
ストンのリトラクト量より大きくなる液圧を高い値に設
定できるので、従来に比して高い液圧となる使用領域ま
で引きずりを的確に低減することができる。また、請求
項1の発明においては、シリンダのリング取付溝に塗布
されるラバーグリスの環状凹所内への進入を変形許容リ
ングによって防止できるので、環状凹所が非圧縮性のラ
バーグリスで満たされてリトラクションリングの環状凹
所内への弾性変形が阻害されることを防止できる。ま
た、請求項2の発明においては、リトラクションリング
がリング取付溝の底部近傍にて保持手段により軸方向に
挟持されるので、環状凹所内への弾性変形に基づく変形
復帰後のリトラクションリングの傾きを防止でき、的確
なリトラクト量を得ることができる。
【0009】請求項3の発明においては、リトラクショ
ンリングの面取り部への弾性変形が完了した後の液圧上
昇に応じてリトラクションリングが内部の閉空間に向け
て弾性変形し、かかるリトラクションリングの弾性変形
により上記した請求項1及び2の発明と同様にリトラク
ションリングによるリトラクト量が液圧の上昇に応じて
増大し続け、従来に比して高い液圧となる使用領域まで
引きずりを的確に低減することができる。また、請求項
3の発明は、リトラクションリング自体の構成を変える
だけで実施できるものであるため、既存のディスクブレ
ーキ装置にもリトラクションリングを交換することによ
り容易に実施することができる。
【0010】請求項4の発明においては、制動時のシリ
ンダ内液圧に応じて、リトラクションリングの通常の弾
性変形に加えて、圧縮性部材の体積変化(減少)による
リトラクションリングの軸方向移動が得られるので、制
動後の除圧時にはリトラクションリングによるリトラク
ト作用と圧縮性部材の弾性復帰によるリトラクト作用に
より的確なリトラクト量を得ることができて、高い液圧
となる使用領域まで引きずりを的確に低減することがで
きる。
【0011】請求項5及び6の発明においては、制動初
期のシリンダ内液圧が低いときに、リトラクションリン
グを介して圧縮性部材が環状凹所内に圧縮されリトラク
ションリングが殆ど弾性変形することなくパッド側に軸
方向移動してリング取付溝のパッド側端壁に当接する作
用が得られ、その後にシリンダ内液圧の上昇に応じて上
記したのと同様にリトラクションリングが面取り部に向
けて弾性変形する作用が得られる。したがって、制動初
期においてリトラクションリングが面取り部に向けて弾
性変形する以前のピストン移動量(リトラクションリン
グがリング取付溝のパッド側端壁に当接するまでの軸方
向移動量)が安定するとともに、制動圧が極低い場合の
除圧時にも圧縮性部材の弾性復帰によるリトラクト作用
が得られて、引きずりを防止することができる。また、
制動圧が高い場合には、制動後の除圧時にリトラクショ
ンリングによるリトラクト作用と圧縮性部材の弾性復帰
によるリトラクト作用が得られて的確なリトラクト量を
得ることができ、高い液圧となる使用領域まで引きずり
を的確に低減することができる。また、請求項6の発明
においては、圧縮性部材の環状凹所への設置時、圧縮性
部材を保持手段によって所定位置に保持することができ
るため、圧縮性部材の組付不良は生じず所期のリトラク
ト性能が得られる。
【0012】請求項7の発明においては、リング取付溝
よりパッド側のシリンダ内孔径が反パッド側のシリンダ
内孔径より大きく設定されているので、リング取付溝よ
りパッド側においてピストンとシリンダ間に形成される
隙間を大きくすることができて、面取り部に流入したラ
バーグリスを前記隙間を通して的確に排出することがで
き、面取り部が非圧縮性のラバーグリスで満たされてリ
トラクションリングの面取り部への弾性変形が阻害され
ることを防止できる。また、反パッド側のシリンダ内孔
径は小さいので、ピストンがシリンダ内でぐらつくこと
はない。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。図1は本発明の第1実施例を示していて、こ
の第1実施例においてはディスクロータ(図示省略)に
向けてパッド11を押すピストン12が挿入されたシリ
ンダ13の内孔14にリング取付溝15が形成されてい
る。リング取付溝15は断面が略矩形で内孔14に沿っ
て環状に形成されていて、パッド側(図示左側)の端壁
15aのリング取付溝開口縁にはパッド側に傾斜した環
状の面取り部16が形成され、また底壁15bにはパッ
ド側端壁15aに向けて開口する環状の凹所(溝)17
が形成されており、リング取付溝15にはリトラクショ
ンリング18が組付けられ、また環状凹所17には変形
許容リング19が組付けられている。
【0014】面取り部16は、リトラクションリング1
8の図示左側下方の左方への弾性変形を所定量許容する
ものであり、その内孔側軸方向寸法は従来の面取り部の
内孔側軸方向寸法より小さくされている。環状凹所17
は、変形許容リング19を収容してリトラクションリン
グ18の図示左側上方への弾性変形を許容するものであ
り、その軸方向幅はシール性を考慮して設定されてい
る。リトラクションリング18は従来のものと同様にエ
チレンプロピレンゴムからなるものであり、ピストン1
2の外周とリング取付溝15の底壁15bに係合してピ
ストン12とシリンダ13間をシールするとともに、制
動時に弾性変形し制動後の除圧時にピストン12をシリ
ンダ13内に戻す機能を有している。変形許容リング1
9は、耐熱性を有し内部に多数の空洞を有する弾性体あ
るいはスポンジ等圧縮性材料からなるものであり、リト
ラクションリング18の環状凹所17内への進入変形を
許容する機能を有している。
【0015】上記のように構成した第1実施例のディス
クブレーキ装置においては、シリンダ内液圧が低い場
合、図2の(A)にて示したようにリトラクションリン
グ18の図示左側下方部位がピストン12との摺動抵抗
によって面取り部16へ弾性変形して面取り部16の壁
面と係合する。このときのリトラクションリング18の
弾性変形量はβ1であり、またパッド11及びシリンダ
13の撓み量は殆どないため、制動後の除圧時にはリト
ラクションリング18が図1にて示した初期状態(液圧
が略大気圧である状態)まで弾性復帰してピストン12
をβ1戻す。リトラクションリング18が図1にて示し
た初期状態に復帰したときには、パッド11及びシリン
ダ13の撓み量もゼロとなって初期状態に復帰するた
め、パッド11とピストン12間にはβ1(β1<α
1)の間隔が形成される(図3参照)。
【0016】またシリンダ内液圧が上昇すると、図2の
(B),(C)にて示したように、シリンダ内液圧の上
昇に応じてリトラクションリング18がシリンダ13に
形成した環状凹所17に向けて変形許容リング19を圧
縮させながら弾性変形する。かかるリトラクションリン
グ18の弾性変形時には、リトラクションリング18と
ピストン12の面取り部側の係合部ではリトラクション
リング18の一部がピストン12上を滑ってピストン1
2に対して相対変位を起こすものの、反対側の係合部で
はリトラクションリング18がピストン12から離れる
ことなくシリンダ内液圧の上昇に応じて順次大きく弾性
変形するため、リトラクションリング18によるリトラ
クト量はシリンダ内液圧の上昇に応じて増大し続ける。
なお、シリンダ内液圧が上昇して所定圧Pになると、環
状凹所17内が弾性変形したリトラクションリング18
と圧縮変形した変形許容リング19によって満たされ、
リトラクト量は増大しなくなる。
【0017】したがって、シリンダ内液圧の上昇に応じ
て増大するパッド11及びシリンダ13の撓み量がリト
ラクションリング18によるピストン12のリトラクト
量より大きくなる液圧(引きずり始め圧)を高い値に設
定でき、従来に比してアイドルストローク(制動初期に
おいてピストンがパッドをディスクロータに押圧するま
でのピストン移動量)を小さく設定しながら、従来に比
して高い液圧となる使用領域まで引きずりを的確に低減
することができる。また、本実施例においては、シリン
ダ13のリング取付溝15に塗布されるラバーグリス
(リング取付溝15の防錆を行うもの)の環状凹所17
内への進入を変形許容リング19によって防止できるの
で、すなわち、変形許容リング19がラバーグリス進入
防止部材として働くので、環状凹所17が非圧縮性のラ
バーグリスで満たされてリトラクションリング18の環
状凹所17内への弾性変形が阻害されることを防止でき
る。
【0018】図1に示した上記第1実施例においては、
図1に示したようにリング取付溝15の底壁15bのパ
ッド側端部にパッド側端壁15aに向けて開口する(図
1の下方に開口する)環状凹所17を形成し、この環状
凹所17内に変形許容リング19を組付けて本発明を実
施したが、リング取付溝15のパッド側端壁15a自体
に開口する(図1の右方に開口する)環状凹所をシリン
ダ13に形成し、この環状凹所内に変形許容リングを組
付けて本発明を実施することも可能である。
【0019】図4は本発明の第2実施例を示していて、
この第2実施例においては、リトラクションリング11
8がリング取付溝115の底部近傍にてばね鋼からなる
C形(リング取付溝115の底部に沿って配置される)
リング121によって軸方向に挟持されている。その他
は、環状凹所117に変形許容リング(19)が組付け
られていないことを除いて図1に示した上記第1実施例
と実質的に同じ構成とされているため、類似符号を付し
て、その説明は省略する。
【0020】上記のように構成した第2実施例のディス
クブレーキ装置においては、リトラクションリング11
8が環状凹所117に向けて弾性変形可能であるため、
変形許容リング(19)による作用効果を除いて図1に
示した上記第1実施例と実質的に同じ作用効果が得られ
ることは勿論のこと、リトラクションリング118がリ
ング取付溝115の底部近傍にてばね鋼からなるC形リ
ング121によって軸方向に挟持されているため、環状
凹所117内への弾性変形に基づく変形復帰後のリトラ
クションリング118の傾き(図5参照)を防止でき、
的確なリトラクト量を得ることができる。
【0021】図4に示した上記第2実施例においては、
リトラクションリング118がリング取付溝115の底
部近傍にてばね鋼からなるC形リング121によって軸
方向に挟持されるように構成したが、図6にて示したよ
うに、シリンダ113に設けた突起113aによってリ
トラクションリング118がリング取付溝115の底部
近傍にて軸方向に挟持されるように構成して本発明を実
施することも可能である。また、リトラクションリング
の形状を工夫して、すなわち、リトラクションリングの
リング取付溝底部に位置する部分の軸方向長さ(厚さ)
をリング取付溝の幅より大きくして、リトラクションリ
ングがリング取付溝の底部近傍で軸方向に挟持されるよ
うにしてもよい。
【0022】図7は本発明の第3実施例を示していて、
この第3実施例においては、上記各実施例の環状凹所1
7,117に相当するものがなく、これに代わるものと
してリトラクションリング218の内部に断面円形の閉
空間Rが形成されている。その他は、図1に示した第1
実施例と実質的に同じ構成とされているため、類似符号
を付して、その説明は省略する。この第3実施例におい
ては、制動時のシリンダ内液圧の上昇に応じて、リトラ
クションリング218の図示右側部分が内部の閉空間R
に向けて弾性変形する作用が得られて、上記第1実施例
と実質的に同じ作用(閉空間Rが減少し続ける限りリト
ラクションリング218によるリトラクト量がシリンダ
内液圧の上昇に応じて増大し続ける作用)が得られ、上
記第1実施例と同様に従来に比してアイドルストローク
を小さく設定しながら、従来に比して高い液圧となる使
用領域まで引きずりを的確に低減することができる。ま
た、この第3実施例はリトラクションリング218自体
の構成を変えるだけで、他の構成が従来の構成のままで
も実施できるものであるため、既存のディスクブレーキ
装置にもリトラクションリングを交換することにより容
易に実施することができる。
【0023】図7に示した上記第3実施例においては、
リトラクションリング218の内部に断面円形の閉空間
Rが形成されるようにしたが、この閉空間Rは図8の
(A)にて示したようにリトラクションリング218の
一側に切り込み218aを設けて内部に空間部を切除し
たのち切り込み218aを接着して設けてもよく、また
リトラクションリング218によるピストン212とシ
リンダ213間のシール性を考慮して図8の(B)にて
示したように閉空間Rをパッド側に偏った位置に設けて
もよい。また、閉空間Rの断面形状は上記した円形に限
定されることはなく、図8の(C),(D),(E)に
て示したように楕円形、三角形、四角形であってもよ
い。
【0024】図9は本発明の第4実施例を示していて、
この第4実施例においては、上記第3実施例と同様に上
記第1及び第2実施例の環状凹所17,117に相当す
るものがなく、これに代わるものとしてリトラクション
リング318のパッド側端面にリトラクションリング3
18より軟質で耐熱性のスポンジからなるリング状の圧
縮性部材322が設けられている。その他は、図7に示
した上記第3実施例と実質的に同じ構成とされているた
め、類似符号を付して、その説明は省略する。この第4
実施例においては、制動時のシリンダ内液圧の上昇に応
じて、図10の(A),(B),(C),(D)にて示
したように、リトラクションリング318がピストン3
12との摺動抵抗によりピストン312の移動方向へ移
動するとともに、このリトラクションリング318の移
動により圧縮性部材322がリトラクションリング31
8とシリンダ313のパッド側端壁間にて弾性収縮変形
する。このように、この第4実施例においては、リトラ
クションリング318の通常の弾性変形に加えて、圧縮
性部材322の体積変化(減少)によるリトラクション
リング318の軸方向移動が得られるので、制動後の除
圧時にはリトラクションリング318によるリトラクト
作用と圧縮性部材322の弾性復帰によるリトラクト作
用により的確なリトラクト量を得ることができて、高い
液圧となる使用領域まで引きずりを的確に低減すること
ができる。
【0025】図9に示した上記第4実施例においては、
リトラクションリング318のパッド側端面に圧縮性部
材322が設けられるようにしたが、図11に示したよ
うにリトラクションリング318の両端面に圧縮性部材
322が貼着配置されるようにして実施することも可能
であり、かかる構成で実施する場合にはリトラクション
リング318及び圧縮性部材322のリング取付溝31
5内への誤組付が防止され所期の作用効果が的確に得ら
れる。
【0026】図12は本発明の第5実施例を示してい
て、この第5実施例においては、リトラクションリング
418の軸方向長さがリング取付溝415の軸方向長さ
より所定量γ短くしてあり、またリング取付溝415の
パッド側端壁415aに環状凹所417が形成され、こ
の環状凹所417の底部417aとリトラクションリン
グ418のパッド側端面間に耐熱性でリトラクションリ
ング418より軟らかいスポンジからなるリング状の圧
縮性部材422が設けられている。なお、圧縮性部材4
22の図示上下と環状凹所417間には、圧縮性部材4
22を組み付けやすくするためのクリアランスが設けら
れている。その他は、図7に示した上記第3実施例と実
質的に同じ構成とされているため、類似符号を付して、
その説明は省略する。
【0027】この第5実施例においては、制動初期のシ
リンダ内液圧が低いときに、図13に示したようにピス
トン412のパッド側への移動に伴ってリトラクション
リング418を介して圧縮性部材422が環状凹所41
7内に圧縮されリトラクションリング418が殆ど弾性
変形することなくパッド側に軸方向移動してリング取付
溝415のパッド側端壁415aに当接する作用が得ら
れ、その後にシリンダ内液圧の上昇に応じて上記各実施
例と同様にリトラクションリング418が面取り部41
6に向けて弾性変形する作用が得られる。したがって、
制動初期においてリトラクションリング418が面取り
部416に向けて弾性変形する以前のピストン移動量
(リトラクションリング418がリング取付溝415の
パッド側端壁415aに当接するまでの軸方向移動量)
が安定するとともに、制動圧が極低い場合の除圧時にも
圧縮性部材422の弾性復帰によるリトラクト作用が得
られて、パッド及びシリンダの撓み量が図14の仮想線
にて示したように変化するディスクブレーキ装置(剛性
の低いキャリパを使用しかつ軟らかいパッドを採用した
装置)に実施した場合にも引きずりを防止することがで
きる。また、制動圧が高い場合には、制動後の除圧時に
リトラクションリング418によるリトラクト作用と圧
縮性部材422の弾性復帰によるリトラクト作用が得ら
れて的確なリトラクト量を得ることができ、高い液圧と
なる使用領域まで引きずりを的確に低減することができ
る。
【0028】図12に示した上記第5実施例において
は、環状凹所417の平坦な底部417aとリトラクシ
ョンリング418のパッド側端面間に圧縮性部材422
が単に設けられるようにしたが、図15の(A),
(B),(C)にて示したように環状凹所417の底部
417a及びこれに係合する圧縮性部材422の端部を
断面くさび形状或いは円弧形状として、環状凹所417
の底部417aの所定位置に圧縮性部材422が的確に
保持されるように実施することも可能である。かかる場
合には、圧縮性部材422の環状凹所417への設置
時、圧縮性部材422を所定位置に的確に保持すること
ができるため、圧縮性部材422が組付時にゆがんだり
折れ曲がったり偏ったりする組付不良は生じず所期のリ
トラクト性能が得られる。なお、図16の(A)にて示
したように環状凹所417の底部417aの中央に保持
穴417bを設けて、環状凹所417の底部417aの
所定位置に圧縮性部材422が的確に保持されるように
実施すること、或いは図16の(B)にて示したように
圧縮性部材422の環状凹所側端部に環状凹所417の
底部417aに嵌合される膨出部422aを設けて、環
状凹所417の底部417aの所定位置に圧縮性部材4
22が的確に保持されるように実施することも可能であ
る。
【0029】図17は本発明の第6実施例を示してい
て、この第6実施例においては、リング取付溝515よ
りパッド側のシリンダ内孔径D1が反パッド側のシリン
ダ内孔径D2より大きく設定されている。その他は、図
1に示した第1実施例と実質的に同じ構成とされている
ため、類似符号を付して、その説明は省略する。この第
6実施例においては、図1の第1実施例における作用効
果に加えて、リング取付溝515よりパッド側において
ピストン512とシリンダ513間に形成される隙間S
を大きくすることができて、面取り部516に流入した
ラバーグリスを前記隙間Sを通して的確に排出すること
ができ、面取り部516が非圧縮性のラバーグリスで満
たされてリトラクションリング518の面取り部516
への弾性変形が阻害されることを防止できる。また、反
パッド側のシリンダ内孔径D2は小さい(ピストン51
2との間のクリアランスは通常約0.015mmである)
ので、ピストン512がシリンダ513内でぐらつくこ
とはない。なお、リング取付溝よりパッド側のシリンダ
内孔径を反パッド側のシリンダ内孔径より大きく設定す
ることは、上記第2〜第5実施例においても同様に実施
することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す要部断面図であ
る。
【図2】 図1に示した第1実施例の作動説明図であ
る。
【図3】 図1に示した第1実施例にて得られるシリン
ダ内液圧とリトラクト量及び撓み量の関係を示す線図で
ある。
【図4】 本発明の第2実施例を示す要部断面図であ
る。
【図5】 図4に示した第2実施例にてC形リングが無
い場合の不具合を示す要部断面図である。
【図6】 第2実施例の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図7】 本発明の第3実施例を示す要部断面図であ
る。
【図8】 図7に示したリトラクションリングの変形例
を示す断面図である。
【図9】 本発明の第4実施例を示す要部断面図であ
る。
【図10】 図9に示した第3実施例の作動説明図であ
る。
【図11】 第4実施例の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図12】 本発明の第5実施例を示す要部断面図であ
る。
【図13】 図12に示した第5実施例の作動説明図で
ある。
【図14】 図12に示した第5実施例にて得られるシ
リンダ内液圧とリトラクト量及び撓み量の関係を示す線
図である。
【図15】 第5実施例の変形例を示す要部断面図であ
る。
【図16】 第5実施例の他の変形例を示す要部断面図
である。
【図17】 本発明の第6実施例を示す要部断面図であ
る。
【図18】 従来のディスクブレーキ装置の一例を示す
断面図である。
【図19】 図18に示した従来例の作動説明図であ
る。
【図20】 図18及び図19に示した従来例にて得ら
れるシリンダ内液圧とリトラクト量及び撓み量の関係を
示す線図である。
【図21】 図18及び図19に示した従来例にてシリ
ンダ内液圧が高圧となった場合の作動説明図である。
【図22】 面取り部を大きくした従来例の作動説明図
である。
【図23】 図22に示した従来例にて得られるシリン
ダ内液圧とリトラクト量及び撓み量の関係を示す線図で
ある。
【符号の説明】
11…パッド、12…ピストン、13…シリンダ、14
…内孔、15…リング取付溝、15a…パッド側端壁、
16…面取り部、17…環状凹所、18…リトラクショ
ンリング、19…変形許容リング、118…リトラクシ
ョンリング、121…C形リング(保持手段)、113
a…突起(保持手段)、318,418…リトラクショ
ンリング、322,422…圧縮性部材、417…環状
凹所、R…閉空間、D1…パッド側のシリンダ内孔径、
D2…反パッド側のシリンダ内孔径。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッドを押すピストンが挿入されるシリ
    ンダの内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成
    されるとともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁
    にパッド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピ
    ストンとシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧
    時に前記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リ
    ング取付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレ
    ーキ装置において、前記リング取付溝のパッド側端壁に
    向けて開口する環状凹所を前記シリンダに形成するとと
    もに、この環状凹所内に圧縮性材料からなり前記リトラ
    クションリングの前記環状凹所内への進入変形を許容す
    る変形許容リングを組付けたことを特徴とするディスク
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 パッドを押すピストンが挿入されるシリ
    ンダの内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成
    されるとともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁
    にパッド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピ
    ストンとシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧
    時に前記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リ
    ング取付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレ
    ーキ装置において、前記リング取付溝のパッド側端壁に
    向けて開口する環状凹所を前記シリンダに形成するとと
    もに、前記リトラクションリングを前記リング取付溝の
    底部近傍にて軸方向に挟持する保持手段を設けたことを
    特徴とするディスクブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 パッドを押すピストンが挿入されるシリ
    ンダの内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成
    されるとともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁
    にパッド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピ
    ストンとシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧
    時に前記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リ
    ング取付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレ
    ーキ装置において、前記リトラクションリングの内部に
    所定形状の閉空間を形成したことを特徴とするディスク
    ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 パッドを押すピストンが挿入されるシリ
    ンダの内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成
    されるとともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁
    にパッド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピ
    ストンとシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧
    時に前記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リ
    ング取付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレ
    ーキ装置において、前記リトラクションリングのパッド
    側端面に圧縮性部材を設けたことを特徴とするディスク
    ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 パッドを押すピストンが挿入されるシリ
    ンダの内孔に断面が略矩形で環状のリング取付溝が形成
    されるとともに、このリング取付溝のパッド側の開口縁
    にパッド側に傾斜した面取り部が形成され、また前記ピ
    ストンとシリンダ間をシールするとともに制動後の除圧
    時に前記ピストンを戻すリトラクションリングが前記リ
    ング取付溝に組付けられるようにしてなるディスクブレ
    ーキ装置において、前記リトラクションリングの軸方向
    長さを前記リング取付溝の軸方向長さより所定量短く
    し、前記リング取付溝のパッド側端壁に環状凹所を形成
    し、この環状凹所の底部と前記リトラクションリングの
    パッド側端面間に前記リトラクションリングより軟質の
    圧縮性部材を設けたことを特徴とするディスクブレーキ
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のディスクブレーキ装置に
    おいて、前記環状凹所の底部に前記圧縮性部材を所定位
    置に保持する保持手段を設けたことを特徴とするディス
    クブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 前記リング取付溝よりパッド側のシリン
    ダ内孔径が反パッド側のシリンダ内孔径より大きく設定
    されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5
    または6に記載のディスクブレーキ装置。
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