JPH07255453A - 麦芽製造用の浸漬装置および麦芽製造のための浸漬方法 - Google Patents

麦芽製造用の浸漬装置および麦芽製造のための浸漬方法

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JPH07255453A
JPH07255453A JP6048914A JP4891494A JPH07255453A JP H07255453 A JPH07255453 A JP H07255453A JP 6048914 A JP6048914 A JP 6048914A JP 4891494 A JP4891494 A JP 4891494A JP H07255453 A JPH07255453 A JP H07255453A
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JP
Japan
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tank
water
dipping
immersion water
compressed air
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Application number
JP6048914A
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English (en)
Inventor
Hideto Ishida
秀人 石田
Koji Uchibori
紘司 内堀
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Publication date
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ビールやウイスキの製造のための麦芽製造時
の浸漬工程における原料麦への酸素供給効率を上げる。 【構成】 浸麦槽10の底部に設置された噴出管11
と、浸麦槽10内から排出される浸漬水を循環させた
後、この循環浸漬水を噴出管11に供給する循環管路1
2と、循環管路12に接続されて浸漬水の循環と加圧を
行う加圧ポンプ13と、加圧ポンプ13の下流側におい
て循環管路12に接続されて、加圧ポンプ13から吐出
される循環浸漬水が導入されるスタティック・ミキサ1
5と、スタティック・ミキサ15の下流側において循環
管路12に接続されて、スタティック・ミキサ15から
吐出される循環浸漬水が導入され、この導入された循環
浸漬水を噴出管11側に吐出する加圧タンク16と、ス
タティック・ミキサ15の循環浸漬水の導入側に接続さ
れて、スタティック・ミキサ15に圧縮空気を供給する
コンプレッサ21とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビールやウイスキの
製造に使用される製麦のための装置および方法に関し、
特に、麦芽製造時の浸漬工程に使用される浸漬装置およ
び浸漬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビールやウイスキは、原料である大麦等
が浸麦槽に入れられて、発芽のための吸水と通気が行わ
れ(浸麦工程)、この後、発芽,焙燥,仕込み,および
発酵等の各工程を経て製造される。
【0003】浸麦工程における通気は、浸麦槽内の麦層
に酸素を供給して、原料麦の発芽を促すために行われる
ものであり、従来は、散気管を用いる方法,浸漬麦芽を
移し替える方法,または所謂八つ手を用いる方法等によ
って行われている。
【0004】散気管を用いる方法は、図13に示すよう
に、浸麦槽1の底部に散気管2を設置し、この散気管2
から圧縮空気を噴出させ、この噴出空気との接触および
浸麦槽内を上昇する気泡による攪拌によって、浸漬中の
原料麦に酸素供給を行うものである。
【0005】浸漬中の原料麦を移し替える方法は、原料
麦の浸漬−水抜き−乾燥という浸麦サイクル(通常の浸
麦工程においては2サイクル繰り返される)において、
浸漬中の原料麦を別の浸麦槽に移し替え、その時の攪拌
効果によって原料麦に酸素供給を行うものである。
【0006】八つ手を用いる方法は、浸麦槽に所謂八つ
手と呼ばれる攪拌器を設置して、この攪拌器により攪拌
して浸漬中の原料麦に酸素供給を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の浸麦工程における通気方法には、それぞ
れ、以下のような問題点がある。
【0008】すなわち、図13の散気管を用いる方法
は、図14に示すように、通気管2から浸麦槽1内に噴
出された圧縮空気の気泡3の径が大きく、気泡3が原料
麦の層4をショート・パスしてしまうため、原料麦と気
泡との接触時間が少なくなる。このため、十分な酸素供
給が行われず、十分な原料麦の発芽および活性の促進を
図ることができない。また、気泡径が大きいと、気泡の
上昇によって生じる水流が狭いエアーリフト領域におい
てのみ生じ、浸麦槽1内における原料麦の移動および攪
拌が、この狭いエアーリフト領域でしか行われなくな
る。このため、酸素の供給に偏りが生じ、発芽速度にば
らつきが生じてしまう。ここで、空気圧を上げて通気量
を増加させ、これにより酸素供給量を増加させようとす
ると、却って気泡径が大きくなってしまい、動力費が増
加するにもかかわらず、酸素供給効率は低下してしま
う。
【0009】浸漬中の原料麦を移し替える方法は、移し
替えの際のポンプ移送により、原料麦の皮が剥がれた
り、原料麦が固まってしまったり、また、寒冷期には原
料麦の温度が下がってしまうという問題がある。さらに
は、移し替え作業に要する労務費の増加、複数の浸麦槽
を必要とすることによる設備費の増大、および浸麦に必
要とする水量の増大等の問題がある。
【0010】また、八つ手を用いる方法では、攪拌器と
の接触によって、原料麦の皮が剥がれてしまったり、浸
麦槽内の攪拌速度が遅くまた攪拌が局所的になりやすい
ため、十分な酸素供給が行われないという問題がある。
さらには、攪拌器等の装備が浸麦槽内に設置されるた
め、清掃に手間がかかり、不十分な清掃が原因となっ
て、浸麦槽内にカビが発生するなどの問題がある。
【0011】この発明は、上記従来の浸麦工程における
各通気方法の有していた問題点を解決するためになされ
たものである。すなわち、この発明は、ビールやウイス
キの製造のための麦芽製造時の浸漬工程における原料麦
への酸素供給効率を上げるとともに、酸素供給の偏りを
無くして、発芽速度のばらつき発生の防止を図ることが
でき、さらには浸漬工程時における原料麦からの皮の剥
がれを防止することができ、また、浸漬工程の時間短縮
を図ることの出来る麦芽製造用の浸漬装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明による麦芽製造用の浸漬装置は、浸麦槽に
醸造用原料麦と浸漬水とを入れて撹拌することにより、
原料麦の浸漬を行う麦芽製造用の浸漬装置において、前
記浸麦槽の底部に設置された噴出管と、一端が前記浸麦
槽に接続され他端が前記噴出管に接続されて、浸麦槽内
から排出される浸漬水を循環させた後、この浸漬水を噴
出管に供給する循環管路と、前記循環管路に接続され
て、浸漬水を循環させる浸漬水循環手段と、前記循環管
路に接続されて、この循環管路内を循環する浸漬水に圧
縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記圧縮空気供
給手段により圧縮空気が供給される位置よりも下流側に
おいて循環管路に接続され、圧縮空気が供給された浸漬
水が導入されて、この導入された浸漬水を一旦貯溜した
後、前記噴出管に供給する加圧タンクと、を備えている
ことを特徴としている。
【0013】さらに、この発明による麦芽製造のための
浸漬方法は、浸麦槽に醸造用原料麦と浸漬水とを入れて
撹拌することにより、原料麦の浸漬を行う浸漬方法にお
いて、前記浸漬水に圧縮空気を供給し、この圧縮空気が
供給された浸漬水を加圧タンク内に導入して加圧し、圧
縮空気中の酸素を浸漬水中に溶解させ、この圧縮空気が
供給され加圧タンクにおいて加圧された浸漬水を浸麦槽
の底部に設置された噴出管に供給して、噴出管から浸漬
水を前記浸麦槽内に噴出させ、浸麦槽内に噴出された浸
漬水から発生する微細気泡を前記原料麦に付着させてこ
の原料麦を浮き上がらせることにより、原料麦の攪拌を
行うことを特徴としている。
【0014】
【作用】上記発明による麦芽製造用の浸漬装置は、浸麦
槽に原料麦と水が投入されて、稼働される。
【0015】浸麦槽内の浸漬水は、浸漬水循環手段の作
動によって浸麦槽内から循環管路に排出された後、循環
されて再び噴出管から浸麦槽内に噴出される。この循環
管路内を循環する浸漬水に圧縮空気供給手段によって圧
縮空気が供給されて、浸漬水と混合される。
【0016】この圧縮空気との混合により細かい気泡を
含んだ浸漬水は、加圧タンク内に導入される。この加圧
タンク内において一定時間滞留されることにより、浸漬
水への空気中の酸素の溶解が促進される。
【0017】この加圧タンクにおいて十分に酸素が溶解
された浸漬水は、浸麦槽の底部に設置された噴出管に給
送されて、浸麦槽内に噴出される。この浸麦槽内に噴出
された浸漬水からは、加圧タンクにおける圧力から解放
されることにより、微細な気泡が発生し、浸麦槽内の原
料麦に付着する。原料麦は気泡の浮力により、浸麦槽の
底部からゆっくりと上昇を始め、浸麦槽の上層部にまで
上昇して来ると、気泡が弾けることにより浮力を失い、
浸麦槽の周縁部の方向に滑るように広がって浸麦槽の内
壁部に沿って沈下する。このようにして、浸麦槽内に循
環流が形成されることによって、浸麦槽内において原料
麦の攪拌が行われ、原料麦の浸漬,酸素供給および洗浄
が行われる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を,図面に基づいて
さらに詳細に説明する。図1は、この発明による加圧溶
解型の浸漬装置の実施例を示している。
【0019】図1において、浸麦槽10の底部に、浸漬
循環水の噴出管11が設置されている。そして、この噴
出管11からは、浸麦槽10の底部に接続された循環管
路12によって、浸麦槽10内から一旦排出された浸漬
水が、以下に説明するような種々の工程を経て循環され
た後、再び浸麦槽10内に噴出されるようになってい
る。
【0020】循環管路12には、浸漬水の流れ方向にお
いて上流側から、順に、加圧ポンプ13,ストレーナ1
4,スタティック・ミキサ15,加圧タンク16および
減圧弁17が、それぞれ接続されている。また、加圧ポ
ンプ13の上流側にバルブ18が接続され、加圧ポンプ
13とストレーナ14との間にバルブ19およびバルブ
20が接続されている。
【0021】スタティック・ミキサ15には、コンプレ
ッサ21,ドライヤ22およびレシーバ23が接続さ
れ、コンプレッサ21から圧縮空気が、ドライヤ22お
よびレシーバ23を介してスタティック・ミキサ15に
供給されるようになっている。またコンプレッサ21と
ドライヤ22の間にはバルブ24が、ドライヤ22とレ
シーバ23との間にはバルブ25が、さらにレシーバ2
3とスタティック・ミキサ15との間にはバルブ26
が、それぞれ接続されている。
【0022】浸麦槽10において、原料である大麦と水
が投入されて、大麦の発芽に必要な水分の吸収が行われ
るとともに、大麦の水洗が行われる。浸麦槽10内の浸
漬水は、加圧ポンプ13の作動によって浸麦槽10の底
部から循環管路12に排出され、加圧ポンプ13に導入
されて加圧される。この加圧ポンプ13によって加圧さ
れた浸漬水は、ストレーナ14によってごみ等の不純物
が取り除かれた後、スタティック・ミキサ15に送られ
る。
【0023】スタティック・ミキサ15は、図2に示す
ように、管路15A内に固定された複数の羽根15Bを
備えている。そして、羽根15Bの軸線が管路15Aの
軸線に一致していて、管路15A内を通過する浸漬水に
渦流を起こさせるようになっている。このスタティック
・ミキサ15には、羽根15Bの上流側に、圧縮空気供
給用の管路26が接続されている。
【0024】この管路26を介して、コンプレッサ21
によって圧縮され、ドライヤ22によって除湿され、さ
らにレシーバ23に一旦蓄圧された圧縮空気が、スタテ
ィック・ミキサ15に供給される。
【0025】スタティック・ミキサ15において、スト
レーナ14を介して供給される加圧ポンプ13によって
加圧された浸漬水と管路26から供給される圧縮空気と
が、羽根15B間を通過する間に、その渦流によって混
合される。このスタティック・ミキサ15によれば、短
時間に浸漬水に空気を多く混合させることができ、気液
接触効率を上げることができる。
【0026】この圧縮空気が混合されて細かい気泡を含
んだ浸漬水は、加圧タンク16内に導入され、この加圧
タンク16内において、一定時間(例えば4〜5分)滞
留される。この加圧タンク16は、濡れ壁方式が採られ
ており、図3に示すように、スタティック・ミキサ15
から給送されてくる浸漬水が、加圧タンク16の上部に
導入され、加圧タンク16の内壁を伝って落下してい
く。この時、加圧タンク16内の圧力により、浸漬水へ
の空気中の酸素の溶解が促進される。
【0027】この加圧タンク16によって、空気の溶解
速度に応じた飽和に必要な保持時間が確保される。そし
て、浸漬水への空気の溶解が均一になり、これによっ
て、後述するように、浸麦槽10内に噴出された際に微
細気泡が発生する。
【0028】この加圧タンク16において、十分に空気
が溶解された浸漬水は、減圧弁17によって所定の圧力
に調整された後、浸麦槽10の底部に設置された噴出管
11に給送されて、浸麦槽10内に噴出される。
【0029】図4には、上記浸漬装置の運転管理を行う
ための圧力計の接続位置が示されている。すなわち、圧
力計Aがコンプレッサ21の吐出側に、圧力計Bがレシ
ーバ23の吐出側に、圧力計Cがスタティック・ミキサ
15の圧縮空気供給側に、圧力計Dがストレーナ14の
吐出側に,圧力計Eが減圧弁17の吐出側に、さらに圧
力計Fが加圧ポンプ13の吐出側に、それぞれ接続され
ている。そして、上記各圧力計AないしFにおける運転
適性圧力値は、図5に示される通りである。この図5の
ような圧力設定により、ミルク状の微細気泡の発生が促
進される。
【0030】上記のような各圧力設定は、以下のような
観点のもとに設定されている。すなわち、スタティック
・ミキサ15に導入される浸漬水の水圧と圧縮空気の空
気圧力との関係について、水圧の方が高いと、この水圧
が空気圧まで低下するため、空気の溶解が少なく、ま
た、浸漬水中に気泡そのものが出来ない。反対に、空気
圧の方を高くすると、浸漬水と空気とが良く混合して浸
漬水中に気泡が出来、同時に微細気泡も発生して、その
気泡数も多くなる。したがって、この実施例において
は、空気圧力を水圧よりも0.05kg/cm2 高くなるよ
うに設定されている。
【0031】減圧弁17における圧力調整について、減
圧弁17を解放側に調整すると、加圧タンク16内の圧
力が下がり、吐出水量は増加するが、加圧タンク16内
における浸漬水への空気の溶解が少なくなる。減圧弁1
7を絞るように調整すると、加圧タンク16内の圧力が
上り、吐出水量は減少するが、浸漬水への空気の溶解が
進む。したがって、減圧弁17からの吐出圧力を図5の
ように設定することにより、浸麦槽10内において、ミ
ルク状の微細気泡を多量に発生させることが出来る。
【0032】次ぎに、図6ないし図9を参照しながら、
浸麦槽10内における原料の大麦の攪拌状態を説明す
る。なお、図6ないし図9においては、噴出管11の表
示は省略されている。
【0033】図6に示されるように、浸麦槽10内の大
麦wは、最初、浸麦槽10の底部に沈下している。浸麦
槽10内に噴出された循環後の浸漬水には、それまで作
用していた圧力から解放されることにより、主に窒素に
よる微細気泡が発生する。この微細気泡は、浸麦槽10
の底部に沈下している大麦wに付着したり、または、ゆ
っくりとした上昇速度のため、大麦wの層内に止まり、
次第に微細気泡が付着した大麦の大きな集まりが形成さ
れていく。
【0034】図7に示されるように、微細気泡が付着し
た大麦wの集まりが大きくなると、気泡の浮力により、
浸麦槽10の底部中央から大麦wの塊がゆっくりと上昇
を始める。
【0035】図8に示されるように、大麦wの塊が浸麦
槽10の上層部にまで上昇して来ると、一気に加速し
て、浸麦槽10の水面上にお椀状に盛り上がる。そし
て、大麦wに付着していた気泡が弾けて、その中の空
気、主に窒素が大気中に放出される。これによって、大
麦wは浮力を失い、下方から浮上してくる大麦wの塊に
押されて浸麦槽10の周縁部の方向に滑るように広が
り、浸麦槽10の内壁部に沿って沈下する。そして、浸
麦槽10の底部にまで沈下した大麦wは、上記したよう
な浸麦槽10の底部中央における大麦wの上昇に伴い、
再び底部中央に集まる。そして、上記の過程が繰り返さ
れる。
【0036】図9には、上記したような浸麦槽10内に
おける大麦wの動きが矢印によって示されており、浸麦
槽10の中央部における上昇流xと、浸麦槽10の周縁
部における下降流yによって、循環流が形成される。そ
して、この循環流によって、大麦wが浸麦槽10内をゆ
っくりと移動して、その攪拌が穏やかに行われ、大麦w
の浸漬,酸素供給および洗浄が行われる。
【0037】なお、浸麦槽10の底部に設置された噴出
管11の位置が固定されている場合には、大麦wの比重
が浮力とバランスして攪拌が生じなくなる虞があるた
め、噴出管11の噴出口が定期的に移動するような構造
にすることが好ましい。
【0038】図10は、上記浸漬装置において、酸素の
加圧溶解を行った場合と行わなかった場合とについて、
それぞれ浸麦を行った時の、浸漬水中の溶存酸素量の測
定結果を示したものである。また、図11は、その測定
結果がグラフにされたものである。なお、測定は、それ
ぞれ二つの製麦ロット1と2および3と4について行わ
れている。
【0039】上記測定結果において、浸麦工程の前半に
おいては、酸素の加圧溶解を行った場合と行わなかった
場合との間に溶存酸素量に大きな差は出て来ないが、大
麦の呼吸代謝が活性化してくる後半は、徐々に差が大き
くなって来る。すなわち、酸素の加圧溶解が行われなか
った場合には、麦卸前の溶存酸素量は0.5〜1.4p
pmと非常に低い値になるが、酸素の加圧溶解が行われ
た場合には、麦卸前の溶存酸素量が1.8〜5.9pp
mとなり、高い値となる。
【0040】また。図10から、酸素の加圧溶解が行わ
れなかった場合には発芽率は平均76.5%であるが、
酸素の加圧溶解が行われた場合には平均80.5%と高
くなっていることが分かる。これは、酸素の加圧溶解が
行われた場合には、浸漬水中の溶存酸素量が多いため、
大麦の呼吸が活発になり発芽率が高まるが、酸素の加圧
溶解が行われなかった場合には、大麦が酸素を吸収しよ
うとしても、浸漬水中の溶存酸素量が少ないため酸素不
足になり、発芽にばらつきが生じる要因になることが推
測される。
【0041】図12は、酸素の加圧溶解による大麦の芽
長への影響と、麦芽品質への影響を調べた結果を示して
いる。この場合も、上記の場合と同様に、それぞれ二つ
の製麦ロット1と2および3と4について測定が行われ
ている。この図12から分かるように、大麦の芽長につ
いては、酸素の加圧溶解を行った場合の方が、行わなか
った場合に比べて、明らかに多くなっている。また、麦
芽品質についても、酸素の加圧溶解を行った場合の方
が、行わなかった場合に比べて、エキス,可溶性窒素,
可溶タンパク割合(KI)および発酵性(AAL)など
の値が、何れも高くなっている。
【0042】なお、以上の測定は、何れも関東産の大麦
(品種:ミサトゴールデン)について行われたものであ
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明による麦芽製造
用の浸漬装置および麦芽製造のための浸漬方法によれ
ば、循環浸漬水に酸素が加圧溶解されるので、浸漬水中
の溶存酸素量が増大し、浸漬中の原料麦に十分な酸素供
給を行うことが出来る。そして、酸素が加圧溶解された
循環浸漬水が浸麦槽内に噴出されることによって発生す
る微細気泡によって、浸麦槽内の原料麦が穏やかに攪拌
されるので、原料麦の発芽部を傷めることがなく、酸素
供給の偏りを無くして、発芽速度のばらつきを防止し、
発芽の促進と活性化を進めることが出来る。
【0044】また、塗れ壁方式の加圧タンクの使用によ
り、浸漬水に圧縮空気中の酸素を十分に溶解させること
が出来る。スタティック・ミキサにより圧縮空気が供給
された浸漬水を攪拌した後、加圧タンクに導入すること
により、浸漬水中に圧縮空気がミルク状の微細気泡とな
って混在し、これによって加圧タンクにおける酸素の溶
解がより一層促進される。
【0045】加圧タンクから吐出される浸漬水の圧力を
減圧弁によって調整することにより、浸漬水が浸麦槽内
に噴出された際、微細気泡の発生を適性に維持すること
ができ、最適な攪拌を行うことが出来る。
【0046】ストレーナを循環管路に接続することによ
り、循環する浸漬水中から原料麦の滓等の混入物を除去
することができ、循環管路途中における目詰まりを防止
することが出来る。
【0047】浸漬水循環手段として加圧ポンプを使用す
ることにより、円滑に浸漬水を循環させることが出来
る。圧縮空気供給手段としてコンプレッサ,ドライヤお
よびレシーバを使用し、コンプレッサからの圧縮空気を
ドライヤとレシーバを介して浸漬水に供給することによ
り、適正な湿度と圧力の圧縮空気を浸漬水に供給するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すシステム図である。
【図2】同実施例のスタティック・ミキサの拡大側面図
である。
【図3】同実施例の加圧タンクの拡大側断面図である。
【図4】同実施例における圧力計の配置を示すシステム
図である。
【図5】同実施例における圧力設定値を示している。
【図6】同実施例における原料麦の攪拌状態を示す説明
図である。
【図7】同実施例における原料麦の攪拌状態の続きを示
す説明図である。
【図8】同実施例における原料麦の攪拌状態のさらに続
きを示す説明図である。
【図9】同実施例における原料麦の攪拌状態のさらに続
きを示す説明図である。
【図10】同実施例において、酸素の加圧溶解を行った
場合と行わなかった場合とについて、それぞれ浸麦を行
った時の、浸漬水中の溶存酸素量の測定結果を示してい
る。
【図11】図10の結果をグラフにして示している。
【図12】同実施例において、酸素の加圧溶解による大
麦の芽長への影響と、麦芽品質への影響を調べた結果を
示している。
【図13】従来例を示す側面図である。
【図14】従来例における浸麦槽中の気泡の状態を示す
説明図である。
【符号の説明】
10…浸麦槽 11…噴出管 12…循環管路 13…加圧ポンプ 14…ストレーナ 15…スタティック・ミキサ 16…加圧タンク 17…減圧弁 20…コンプレッサ 22…ドライヤ 23…レシーバ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸麦槽に醸造用原料麦と浸漬水とを入れ
    て撹拌することにより、原料麦の浸漬を行う麦芽製造用
    の浸漬装置において、 前記浸麦槽の底部に設置された噴出管と、 一端が前記浸麦槽に接続され他端が前記噴出管に接続さ
    れて、浸麦槽内から排出される浸漬水を循環させた後、
    この浸漬水を噴出管に供給する循環管路と、 前記循環管路に接続されて、浸漬水を循環させる浸漬水
    循環手段と、 前記循環管路に接続されて、この循環管路内を循環する
    浸漬水に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、 前記圧縮空気供給手段により圧縮空気が供給される位置
    よりも下流側において循環管路に接続され、圧縮空気が
    供給された浸漬水が導入されて、この導入された浸漬水
    を一旦貯溜した後、前記噴出管に供給する加圧タンク
    と、 を備えていることを特徴とする麦芽製造用の浸漬装置。
  2. 【請求項2】 前記加圧タンクが、導入される浸漬水が
    内壁部を伝って落下する塗れ壁方式の加圧タンクである
    請求項1に記載の麦芽製造用の浸漬装置。
  3. 【請求項3】 前記圧縮空気供給手段により圧縮空気が
    供給される位置よりも下流側でかつ前記加圧タンクより
    も上流側の循環管路に、圧縮空気が供給された浸漬水を
    攪拌するスタティック・ミキサが接続されている請求項
    1に記載の麦芽製造用の浸漬装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧タンクの下流側の循環管路に、
    前記加圧タンクから吐出される浸漬水の圧力調整を行う
    減圧弁が接続されている請求項1に記載の麦芽製造用の
    浸漬装置。
  5. 【請求項5】 前記浸漬水循環手段と前記スタティック
    ・ミキサとの間の循環管路に、ストレーナが接続されて
    いる請求項1に記載の麦芽製造用の浸漬装置。
  6. 【請求項6】 前記浸漬水循環手段が、循環管路の途中
    に接続された加圧ポンプである請求項1に記載の麦芽製
    造用の浸漬装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮空気供給手段がコンプレッサ,
    ドライヤおよびレシーバを備え、コンプレッサからの圧
    縮空気がドライヤとレシーバを介して浸漬水に供給され
    る請求項1に記載の麦芽製造用の浸漬装置。
  8. 【請求項8】 浸麦槽に醸造用原料麦と浸漬水とを入れ
    て撹拌することにより、原料麦の浸漬を行う浸漬方法に
    おいて、 前記浸漬水に圧縮空気を供給し、この圧縮空気が供給さ
    れた浸漬水を加圧タンク内に導入して加圧し、圧縮空気
    中の酸素を浸漬水中に溶解させ、 この圧縮空気が供給され加圧タンクにおいて加圧された
    浸漬水を浸麦槽の底部に設置された噴出管に供給して、
    噴出管から浸漬水を前記浸麦槽内に噴出させ、浸麦槽内
    に噴出された浸漬水から発生する微細気泡を前記原料麦
    に付着させてこの原料麦を浮き上がらせることにより、
    原料麦の攪拌を行うことを特徴とする麦芽製造のための
    浸漬方法。
  9. 【請求項9】 前記加圧タンクにおいて、導入される浸
    漬水を内壁部を伝って落下させる塗れ壁方式により、圧
    縮空気中の酸素を浸漬水中に溶解させる請求項8に記載
    の麦芽製造のための浸漬方法
  10. 【請求項10】 前記圧縮空気が供給された浸漬水をス
    タティック・ミキサにより撹拌した後、前記加圧タンク
    に導入する請求項8に記載の麦芽製造のための浸漬方
    法。
  11. 【請求項11】 前記加圧タンクから吐出される浸漬水
    の圧力を減圧弁により調整した後、浸漬水を噴出管から
    浸麦槽内に噴出させる請求項8に記載の麦芽製造のため
    の浸漬方法。
  12. 【請求項12】 コンプレッサにより空気を圧縮し、こ
    の圧縮空気をドライヤとレシーバとを介して浸漬水に供
    給する請求項8に記載の麦芽製造のための浸漬方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007060942A1 (ja) * 2005-11-25 2007-05-31 Sapporo Breweries Limited 穀物の水浸漬方法及び浸漬装置
KR20190025622A (ko) * 2016-07-01 2019-03-11 칼스버그 브류어리스 에이/에스 정제 곡물계 음료

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