JPH07257660A - 食品包装用フィルム - Google Patents

食品包装用フィルム

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JPH07257660A
JPH07257660A JP6050081A JP5008194A JPH07257660A JP H07257660 A JPH07257660 A JP H07257660A JP 6050081 A JP6050081 A JP 6050081A JP 5008194 A JP5008194 A JP 5008194A JP H07257660 A JPH07257660 A JP H07257660A
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桂子 菅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品の保存性、かび抵抗性および透明性が良
好で、かつ、廃棄後は自然環境下に蓄積することのない
食品包装用フィルムを提供する。 【構成】 乳酸系ポリマーを主成分とする食品包装用フ
ィルムであって、該食品包装用フィルムの水蒸気透過度
が50〜300g/m2・24hr(40℃・90%R
H)、厚さが10〜500μmであることを特徴とする
食品包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜、果実、花き、そ
の他加工食品等の包装材として用いる乳酸系ポリマーを
主成分とする食品包装用フィルムに関するものである。
詳しくは、加水分解性を有する乳酸系ポリマーを主成分
とした熱可塑性ポリマー組成物からなるフィルムであ
り、特定の水蒸気透過度を有し、透明性に優れ、使用中
はかび等の発生がなくかび抵抗性に優れ、かつ廃棄後は
自然環境下に蓄積することのない食品包装用フィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品の包装には、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂から得
られたフィルム、ネット、カゴ等が用いられてきた。こ
れらの包装材は、特に輸送、貯蔵時の青果物の生理作用
等がほとんど考慮されていない。従って、例えば、青果
物等から発散される水蒸気を初め、種々の原因により生
じる水分でムレて腐ったり、逆に水分不足でしおれて変
色する等して保存性に問題が生じていた。
【0003】このような問題を解決する方法として、例
えば、特開昭55−38268号公報には、水蒸気透過
度が45〜250g/m2であり、且つ、特定の酸素透
過度および炭酸ガス透過度を有するフィルムまたはシー
トを出荷または保存用に使用する青果物集合体の包装方
法が開示されている。そして、該公報には上記特性を有
するフィルムまたはシートとして二軸延伸ポリスチレン
フィルムが好ましく用いられることが記載されている。
しかし、二軸延伸ポリスチレンフィルムは、適度の水蒸
気透過度、酸素透過度、炭酸ガス透過度等を有する点
で、青果物の包装用資材として優れているが、自然環境
下における分解性が極めて低いか、または殆ど分解性を
示さないため、使用後廃棄された場合、焼却処理または
回収、再利用されない限り廃棄物として蓄積することと
なる。
【0004】工業的等に使用される包装用資材等は、使
用後回収して再利用する方法が考えられる。しかし、食
品包装用資材のように、一般家庭から多く廃棄される包
装用資材等の回収、再利用は、流通経路が複雑であるた
め実際には極めて困難である。そのため、近年、食品包
装用資材等のように主として使い捨て用途に使用される
資材に分解性を付与する試みがなされている。
【0005】例えば、特開平2−14228号公報に
は、水を含む分解澱粉及び少なくとも1種の実質的に水
不溶性の合成熱可塑性ポリマーを含む溶融体から得られ
る配合ポリマーが開示されている。そして、上記合成熱
可塑性ポリマーとして、ポリオレフィン、ポリアセター
ル、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
ルキレンテレフタレート等が開示されている。また、特
開平3−31333号公報には、エチレン/ビニルアル
コール共重合体および変性澱粉を含んでなる生分解性プ
ラスチック物品製造用ポリマー組成物であって、該エチ
レン/ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が10
〜90重量%であり、メルトフローインデックスが20
〜50であるポリマー組成物が開示されている。
【0006】しかし、上記公報に開示される配合ポリマ
ー、ポリマー組成物等を素材とする食品包装用資材は、
澱粉が分解するために包装用資材は崩壊して原形を失う
が、エチレン/ビニルアルコール共重合体等の非分解性
のポリマー自体はそのまま残り、却って環境の汚染を進
めると言われている。また、澱粉を添加することで透明
性が低下するという問題や、澱粉を水分の多い環境下に
さらすことで、かび等が発生し易くなるのでかび抵抗性
に欠け、衛生上から食品包装用資材には適さないもので
ある。
【0007】一方、従来よりポリ乳酸は、加水分解性ポ
リマーとして広く知られており、例えば、特公昭41−
2734号公報には、特定の固有粘度を有するポリ乳酸
のフィラメントからなる外科用繊維製品が開示されてい
る。さらに、ポリ乳酸や乳酸−ヒドロキシカルボン酸コ
ポリマー等の乳酸系ポリマーが、近年上記のような医薬
用途以外の使い捨て用途の分解性汎用材料の基本原料と
しての応用が考えられている。しかし、ポリ乳酸が有す
る特異な特性を生かしてこれを食品包装用フィルムに使
用する試みは未だなされていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、食品の保存性、かび抵抗性および透明性が良
好で、かつ、廃棄後は自然環境下に蓄積することのない
食品包装用フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、ポリ乳酸または乳酸−ヒドロキシカルボン酸
コポリマー等から得られた乳酸系ポリマーフィルムが、
適度の水蒸気透過性、優れたかび抵抗性および透明性を
有するフィルムであることを見出し、本発明を完成する
に到った。
【0010】すなわち、本発明は、乳酸系ポリマーを主
成分とする食品包装用フィルムであって、該食品包装用
フィルムの水蒸気透過度が50〜300g/m2・24
hr、厚さが10〜500μmであることを特徴とする
食品包装用フィルムである。尚、本発明における水蒸気
透過度は、JIS Z−0208に規定される方法に準
じて、常圧、温度40±0.5℃、相対湿度90±2%
において測定したものである。
【0011】本発明の食品包装用フィルムの特徴は、主
成分が乳酸系ポリマーであり、且つ、特定の水蒸気透過
度を有することにある。そのため、本発明の食品包装用
フィルムは使用後廃棄されても廃棄物として蓄積するこ
とがない。また、本発明の食品包装用フィルムを用いて
包装された青果物等の食品包装体は、食品から発生する
水分が包装体内表面に結露することを抑制し得るため、
水分による腐敗およびかび発生等を防止し得る点で優れ
ている。さらに、既存の包装用フィルムと同程度の透明
性を有するため、外部から被包装物が観察し易く、食品
の外観イメージを損なうことがないものである。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の食品包装用フィルムには、乳酸系ポリマーが使用
される。本発明における乳酸系ポリマーは、分子中に繰
り返し構造単位として乳酸単位を有するポリマーであ
り、具体的には、ポリ乳酸、または、乳酸と他のヒドロ
キシカルボン酸とのコポリマーである(以下、これらを
総称して乳酸系ポリマーという)。乳酸にはL−体とD
−体とが存在するが、本発明において単に乳酸という場
合は、特にことわりがない場合は、L−体とD−体との
両者を指すこととする。また、ポリマーの分子量は特に
ことわりのない場合は重量平均分子量のことを指すもの
とする。
【0013】本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単
位がL−乳酸のみからなるポリ(L−乳酸)や、D−乳
酸のみからなるポリ(D−乳酸)、およびL−乳酸単位
とD−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−
乳酸)のいずれもが使用できる。
【0014】乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーの
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉
草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン
酸等が挙げられる。これらの内で、特にグリコール酸、
6−ヒドロキシカプロン酸が好ましい。 上記ポリ乳酸
および乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーは、L−
乳酸、D−乳酸およびヒドロキシカルボン酸の中から必
要とするものを選んで原料モノマーまたはコモノマーと
し、直接脱水重縮合することにより得ることができる。
また、乳酸の環状二量体であるラクチド、およびグリコ
ール酸の環状二量体であるグリコリド、カプロラクト
ン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクト
ン等の環状エステル類を開環重合することによっても得
ることができる。しかし、工業的に生産した場合、コス
ト面とプロセスの簡略化等の点を考慮すると、乳酸系ポ
リマーは脱水重縮合により得る方が好ましい。
【0015】直接脱水縮合する場合は、乳酸または乳酸
とその他のヒドロキシカルボン酸を好ましくは有機溶
媒、特にジフェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水
縮合し、特に好ましくは、共沸により留出した溶媒から
水を除き実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す
方法によって重合することにより、本発明に適した強度
を持つ高分子量の乳酸系ポリマーが得られる。
【0016】乳酸系ポリマーの分子量は、フィルムの加
工性、得られる食品包装用フィルムの強度および分解性
に影響を及ぼす。分子量が低いと得られるフィルムの強
度が低下し、使用する際に張力で破断することがある。
また、分解速度が速くなる。逆に高いと加工性が低下
し、フィルムの製膜が困難となる。かかる点を考慮する
と、本発明に使用する乳酸系ポリマーの分子量は、約1
万から約100万程度の範囲が好ましい。さらに好まし
い範囲は、10万以上、30万以下である。
【0017】乳酸系ポリマーが、乳酸−ヒドロキシカル
ボン酸コポリマーである場合のコポリマー中の乳酸単位
の含有量は、フィルムの分解性に影響を及ぼす。かかる
観点から、40モル%以上の乳酸単位を含有するコポリ
マーが好ましい。さらに好ましい乳酸単位の含有量は、
乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーが乳酸−グリコ
ール酸コポリマーである場合は、少なくとも70モル%
の乳酸単位を含有するコポリマーである。また、乳酸−
ヒドロキシカルボン酸コポリマーが乳酸−6−ヒドロキ
シカプロン酸コポリマーである場合は、40〜70モル
%の乳酸単位を含有するコポリマーがさらに好ましい。
【0018】本発明の食品包装用フィルムに用いる乳酸
系ポリマーの最適な分子量や共重合体組成は、その使用
用途における最長の使用期間に合わせて、既存または公
知の乳酸系ポリマーに関する加水分解性データから考慮
して決定される。
【0019】上記基体となる乳酸系ポリマーに、適度な
柔軟性を付与するために、基体樹脂に、可塑剤を配合す
ることが好ましい。
【0020】可塑剤としては、分子内に2個以上のカル
ボン酸エステル基を有する可塑剤が好ましい。例えばヒ
ドロキシ多価カルボン酸エステル、多価アルコールエス
テル、多価カルボン酸エステルが挙げられる。ヒドロキ
シ多価カルボン酸エステルとしては、アセチルクエン酸
トリブチル(ATBC)、クエン酸トリブチル等のクエ
ン酸エステル、多価アルコールエステルとしては、グリ
セリントリアセテート(トリアセチン)、グリセリント
リプロピオネート等のグリセロールエステル、トリエチ
レングリコールジカプレート、トリエチレングリコール
ジカプリレート等のトリエチレングリコールエステル、
多価カルボン酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル
(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸
エステル、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン
酸ジイソブチル(DIBA)等のアジピン酸エステ
ル、、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオ
クチル(DOS)等のセバシン酸エステル、アゼライン
酸ジオクチル(DOZ)、アゼライン酸ジヘキシル等の
アゼライン酸エステル等が挙げられる。
【0021】これら可塑剤の内、得られる食品包装用フ
ィルムの透明性(ヘイズ)、透湿度および食品保存性等
を考慮すると、さらに好ましい可塑剤として、クエン酸
エステルおよびグリセロールエステルが挙げられる。可
塑剤含有量は、乳酸系ポリマー100重量部に対し1〜
50重量部であり、さらに好ましくは5〜20重量部で
ある。
【0022】また、本発明者らの知見によれば、乳酸系
ポリマーを屋外や蛍光灯下の紫外線が照射される環境下
で使用した場合、通常紫外線の照射の少ない屋内や暗
所、或いは生体内で使用した場合に比べて明らかに早く
強度低下をきたし、脆化、破壊等の現象が予想したより
も早い時期に起こり得ることがわかっている。これらの
光分解現象を抑制、防止するため、本発明の食品包装用
フィルムに、必要に応じて主成分となる乳酸系ポリマー
に紫外線吸収剤を添加、混合することができる。
【0023】本発明では、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール類や、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン類、サリチル酸p−te
rt−ブチルフェニル等のサリチル酸誘導体等の紫外線
吸収剤の使用が好ましい。
【0024】紫外線吸収剤の含有量は、得られる食品包
装用フィルムの耐候性、透明性等に影響を及ぼす。紫外
線吸収剤の含有量が多いと乳酸系ポリマーが本来有する
透明性等を低下させることがあるので好ましくない。ま
た、少ないと食品包装用フィルムとして使用する際に分
解の促進を抑制する効果が十分に認められないので好ま
しくない。かかる観点から、紫外線吸収剤の含有量は、
乳酸系ポリマー100重量部に対し0.001〜5重量
部であることが好ましい。さらに好ましくは0.01〜
2重量部である。
【0025】さらに、食品から多量に水分が発生するこ
とにより、包装体内表面に結露し曇りが生じ、外部から
被包装物が観察されにくくなる場合があることが分かっ
ている。この曇りを防止するため、本発明の食品包装用
フィルムに、必要に応じて主成分となる乳酸系ポリマー
に防曇剤を添加、混合することができる。本発明では、
グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレ
エート等のソルビタン脂肪酸エステルや、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル等の防曇剤が例示できる。防曇剤の含有量は、乳酸系
ポリマー100重量部に対し0.1〜10重量部である
ことが好ましい。さらに好ましくは0.2〜5重量部で
ある。
【0026】本発明の食品包装用フィルムには、主成分
である乳酸系ポリマーに、可塑剤、紫外線吸収剤、防曇
剤の他に、本発明の目的を損なわない範囲において、酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色防止剤、顔料
等の他の添加剤を含有させてもよい。
【0027】次いで、本発明の食品包装用フィルムの製
造方法について説明する。乳酸系ポリマーに、必要に応
じて、可塑剤、紫外線吸収剤、防曇剤、酸化防止剤、熱
安定剤、滑剤、充填剤、着色防止剤、顔料等を配合した
後、公知の製膜方法により製膜する。 乳酸系ポリマー
に可塑剤や紫外線吸収剤、防曇剤等を添加、混合する方
法としては、ブレンダー等の配合機、混合機を用いる方
法や、乳酸系ポリマーをクロロホルム等の溶媒に溶解す
るか、または乳酸系ポリマーを100〜280℃に加熱
溶融させたところに、所定量の可塑剤や紫外線吸収剤等
を添加、混合する方法が挙げられる。
【0028】上記各種の添加剤を含む乳酸系ポリマー組
成物を製膜する方法としては、例えば溶液キャスト法、
溶融押出法、カレンダー法等が挙げられる。溶液キャス
ト法は、溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、ベン
ゼン、アセトニトリル、トルエン、キシレン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダ
ゾリジノン等を用いて溶液とした後、平滑な面上にキャ
ストし、溶媒を除去することにより行われる。
【0029】溶融押出成型する場合は、公知のTダイ
法、インフレーション法等が適用される。押出温度は、
好ましくは100〜280℃の範囲、より好ましくは1
30〜250℃の範囲である。カレンダー成型する場合
は、通常公知の逆L型カレンダーやZ型カレンダーが用
いられる。ロール温度は好ましくは、100〜280℃
の範囲、より好ましくは130〜250℃の範囲であ
る。成形温度が低いと成形安定性が得難く、また過負荷
に陥り易い。逆に高いと乳酸系ポリマーが分解すること
があり、分子量低下、強度低下、着色等が起こることが
ある。これらを総合的に勘案すると上記温度範囲が好ま
しい。
【0030】本発明の食品包装用フィルムは、上記のよ
うにして得られたフィルムを、少なくとも一軸方向に
1.1〜10倍、好ましくは1.1〜7倍の延伸を行う
ことが好ましい。延伸は、一軸延伸でも二軸延伸でもよ
い。二軸延伸の場合は、一軸目の延伸と二軸目の延伸を
逐次行っても、同時に行ってもよい。延伸倍率が低いと
充分に満足し得る強度を有するフィルムが得難く、また
高いと延伸時にフィルムが破れることが多くなり好まし
くない。これらの現象を勘案すると延伸倍率は上記範囲
であることが好ましい。
【0031】一軸延伸の場合は、ロール法による縦延伸
またはテンターによる横延伸が例示される。二軸延伸の
場合は、これらを組み合わせればよい。延伸温度は、用
いる乳酸系ポリマーのガラス転移点(Tg)〜Tg+5
0℃の範囲が好ましい。さらに好ましくはTg〜Tg+
30℃の範囲である。延伸温度がTg未満では延伸が困
難であり、Tg+50℃を超えると延伸による強度向上
が認められないことがある。
【0032】フィルムの厚さは、通常10〜500μm
程度であり、好ましくは10〜200μmである。用途
によって適宜厚さは選定される。
【0033】得られたフィルムを、一辺が数10cmの
正方形、長方形等の四角形やその他の多角形、また、直
径が数10cmの円形等に切り出して、被包装物を包ん
でもよいし、切り出されたフィルムの端をヒートシール
や接着剤、粘着テープ等で固定し、袋状にした包装体で
被包装物を包んでも良い。この時、フィルムの端や袋状
の場合は口をヒートシールや接着剤、粘着テープで固定
しても良いし、フィルム同士を結んでもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。尚、この実施例で用いた試験方法は、以下の通
りである。 (1)重量平均分子量(Mw) 試料をクロロホルムに溶解させ、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(以下、GPCという)によりポリ
スチレン換算の分子量を測定する。
【0035】(2)ヘイズ(透明性) ASTM−D1003に準拠して測定する。
【0036】(3)かび抵抗性 JIS Z−2911に規定される方法に準拠して測定
する。尚、かび接種後4週間後に判定する判定基準は以
下の通りである。 3:試料に菌糸の発育が認められない。 2:試料に認められる菌糸の発育部分の面積が、全面積
の1/3を越えない。 1:試料に認められる菌糸の発育部分の面積が、全面積
の1/3を越える。
【0037】(4)堆肥中分解性 5×5cmのフィルムをサンプリングし、温度35℃、
湿度30%の堆肥中に2ケ月間埋設した後取り出し、下
記の通り評価する。 ○:手で握りしめるとフィルムが破損する。 ×:手で握りしめてもフィルムが破損しない。
【0038】(5)水蒸気透過度(透湿度) JIS Z−0208に準拠して測定する。尚、測定条
件は、常圧において温度40±0.5℃、相対湿度90
±2%とする。
【0039】(6)食品保存性 収穫した直後のほうれん草100gを水洗後結束し、タ
テ30cm×ヨコ30cmの試料袋に収納し、袋の口を
縛り包装体とする。該包装体を温度が4℃に保たれた冷
蔵庫内に10日間放置した後、試料袋から取り出し、ほ
うれん草の外観を観察する。判定基準は下記の通りとす
る。 3:瑞々しさが残っており、萎れや腐りがない。 2:若干、腐りが生じるか、または萎れている。 1:著しく腐りが生じるか、または萎れて黄変してい
る。
【0040】調製例1 90%L−乳酸10.0kgを150℃/50mmHg
で3時間攪拌しながら水を留出させた後、錫末6.2g
を加え、150℃/30mmHgでさらに2時間攪拌し
てオリゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8g
とジフェニルエーテル21.1kgを加え、150℃/
35mmHgで共沸脱水反応を行い留出した水と溶媒を
水分離器で分離して溶媒のみを反応機に戻した。2時間
後、反応機に戻す有機溶媒を4.6kgのモレキュラシ
ーブ3Aを充填したカラムに通してから反応機に戻るよ
うにして、150℃/35mmHgで40時間反応を行
った。終了後、脱水したジフェニルエーテル44kgを
加え希釈した後40℃まで冷却して、析出した結晶を濾
過し、10kgのn−ヘキサンで3回洗浄して60℃/
50mmHgで乾燥した。この粉末を0.5N−HCl
12.0kgとエタノール12.0kgを加え、35℃
で1時間攪拌した後濾過し、60℃/50mmHgで乾
燥して、ポリマーを得た。このポリマーをペレット化機
で処理しペレット状にしてポリ乳酸P−1を得た。上記
方法により分子量を測定し、得られた結果を〔表1〕に
示す。
【0041】調製例2〜4 調製例1の条件を〔表1〕に示す条件に変えた他は、調
製例1と同様にして乳酸系ポリマーP−2〜P−4を得
た。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜13 調製例1〜4で得られた乳酸系ポリマーP−1〜P−4
に対し、〔表2〕〜〔表4〕に示した重量比で可塑剤を
配合し、Tダイが装着された押出機を使用して押出温度
180℃で押出成形しフィルムとした。次いで、得られ
たフィルムを実施例1〜3ではフィルムの長さ方向およ
び幅方向にそれぞれ2倍に2軸延伸し、実施例4〜13
ではフィルムの長さ方向に3〜5倍に1軸延伸し、厚さ
15μmの食品包装用フィルムA−1〜A−13を得
た。得られた食品包装用フィルムの物性を上記方法によ
り測定し、得られた結果を〔表2〕〜〔表4〕に示す。
【0044】比較例1 実施例1で用いたポリマーの代わりに、でんぷんと変性
ポリビニルアルコールを主成分とするフィルム(日本合
成化学(株)製、商品名:マタービー)を、同様にして
押出成形しフィルムとした。次いで、120℃で長さ方
向に3倍延伸して厚さ15μmのフィルムHF−1を得
た。このフィルムの透明性、かび抵抗性と堆肥中分解性
を実施例1と同様にして調べた。結果を〔表4〕に示
す。
【0045】比較例2 市販の食品包装用二軸延伸ポリスチレンフィルム、(旭
ダウ(株)製、商品名:スタイロフィルムTH、厚さ1
6μm)をHF−2という。HF−2を実施例1と同様
にして評価し、得られた結果を〔表4〕に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明の食品包装用フィルムは、主成分
が乳酸系ポリマーであり、且つ、特定の水蒸気透過度を
有するフィルムである。そのため、本発明の食品包装用
フィルムは使用後廃棄されても廃棄物として自然環境下
に蓄積することがない。また、本発明の食品包装用フィ
ルムを用いて包装された青果物等の食品包装体は、食品
から発生する水分が包装体内表面に結露することを抑制
し得るため、水分による腐敗およびかび発生を防止し得
る点で優れている。さらに、既存の包装用フィルムと同
程度の透明性を有するため、外部から被包装物が観察し
易く、食品の外観イメージを損なうことがないものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 孝行 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸系ポリマーを主成分とする食品包装
    用フィルムであって、該食品包装用フィルムの水蒸気透
    過度が50〜300g/m2・24hr、厚さが10〜
    500μmであることを特徴とする食品包装用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記乳酸系ポリマーが、実質的に水の非
    存在下で、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物、
    または、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物とヒ
    ドロキシカルボン酸、を有機溶媒を含む反応混合物中で
    脱水縮合して得られた重量平均分子量が約100,00
    0〜300,000の乳酸系ポリマーであることを特徴
    とする請求項1記載の食品包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 食品包装用フィルムが、乳酸系ポリマー
    100重量部に対して分子内に2個以上のカルボン酸エ
    ステル基を有する可塑剤1〜50重量部を含むことを特
    徴とする請求項1記載の食品包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 分子内に2個以上のカルボン酸エステル
    基を有する可塑剤が、クエン酸エステル、グリセロール
    エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セ
    バシン酸エステル、アゼライン酸エステルおよびトリエ
    チレングリコールエステルから選ばれた少なくとも1種
    のエステル化合物であることを特徴とする請求項2記載
    の食品包装用フィルム。
  5. 【請求項5】 分子内に2個以上のカルボン酸エステル
    基を有する可塑剤が、クエン酸エステルおよびグリセロ
    ールエステルでから選ばれた少なくとも1種の可塑剤で
    あることを特徴とする請求項2記載の食品包装用フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 食品包装用フィルムが、少なくとも1軸
    方向に1.1〜10倍延伸されていることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の食品包装用フィルム。
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