JPH0725801B2 - 加工澱粉の製造法 - Google Patents

加工澱粉の製造法

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JPH0725801B2
JPH0725801B2 JP18809986A JP18809986A JPH0725801B2 JP H0725801 B2 JPH0725801 B2 JP H0725801B2 JP 18809986 A JP18809986 A JP 18809986A JP 18809986 A JP18809986 A JP 18809986A JP H0725801 B2 JPH0725801 B2 JP H0725801B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は,冷水易溶性加工澱粉の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来からα化澱粉は各種の用途に用いられてきたが,こ
れを洗濯糊に用いるときは,冷水に易溶でなく,加熱溶
解が必要である。また冷水中での分散が悪いなどの欠点
があって利用されていなかった。
洗濯業界における洗濯糊用澱粉に関する技術的議論は,
皆無に近い。その理由は,洗濯に使用される澱粉の種類
もさることながら洗濯の仕上げの技術・熟練度が洗濯糊
用澱粉の品質等大きく上まわって洗濯の仕上がりの良否
に大きく影響を及ぼすと信じられていたからである。
永年の間,工業用,家庭用の洗濯糊の原料として米澱粉
が使用されてきた。米澱粉は価格が高いが,布への滲透
力が仕上がりの柔軟性や光沢の良さのために評判は良か
った。この大きな理由は米澱粉は粒子が極小であるため
である。最近,工程の簡略化および仕上がりの良さ,さ
らには排水の問題をも含めて,洗濯糊用澱粉の研究が進
められている。例えば,コーンスターチの糊を用いれ
ば,固い風合いの仕上がりになり,小麦澱粉の糊を用い
れば柔らかい風合いの糊ができる。それらを混合して用
いれば,両者の長所を兼ね備えた風合いの仕上がりにな
る。
しかしながら,これらはすべて,加熱により澱粉粒を糊
化させてから,用いる必要があった。この加熱などの糊
液調製条件によって,糊の質が著しく変動し,糊調製操
作に熟練を必要とした。このために,糊化温度を低くし
た化工澱粉や,可溶性澱粉,デキストリンなども洗濯糊
として用いることもあった。
洗濯糊付けの目的は澱粉の分子が細い繊維の間に適度に
滲透し,かつ繊維の上に糊の薄い被膜を形成することで
あって,これにより,次の効果をあたえる:(1)繊維
に適当な固さと,風合いと弾力性をつける。
(2)繊維につやと滑りをつけ,着心地をよくする。
(3)衣類のアイロン整形をよくし,保形を助ける。
(4)着用中に,汚れが直線繊維の内部に滲透すること
を防止し,次に洗浄するとき,繊維に付けた糊が洗い落
とされることにより汚れもよく落ちる。
以上の目的に沿う糊材としては,前記した澱粉糊,フノ
リ,などの天然物およびカルボキシメチルセルロース,
ポリビニルアルコールなどの合成品がある。そのうち,
価格の低廉なこと,次回の洗濯時の糊落ちの良好なこと
などから,澱粉糊が比較的多く用いられる。
洗濯糊用澱粉として通常用いられている澱粉はコーンス
ターチと,小麦澱粉である。しかし小麦澱粉は,原料事
情と製造中の廃水処理の困難なことから,生産量は極度
に減少し,現在は洗濯糊用澱粉としては,もっぱら,コ
ーンスターチのみが用いられている。
コーンスターチを洗濯糊として用いる方法の一例は次の
通りである:洗濯業界では「糊たき3年」と言われてお
り,糊たきは非常に困難なものとされている。
(1)モト糊を炊く(5%モト糊) 一定濃度のモト糊をあらかじめ炊いておき,これを糊付
けする衣類に応じて適当に薄めて糊液をつくる。その炊
き方の一例は,10の目盛付バケツに水を7分目に入
れ,コーンスターチ500gを入れて良く撹拌して,蒸気を
入れ,80〜85℃になったら,蒸気を止め,水または湯を
加えて全量を10にする。
(2)糊付け作業 ワイシャーツ50枚(10キロワッシャー)の場合モト糊5
に温湯5を添加してワッシャーに入れ糊づけを行
う。
以上のように澱粉は,必ず加熱して糊にしなければ洗濯
糊として使用できない。
これに対して冷水可溶性のα化澱粉は加熱糊化の工程が
省略でき,その使用方法は簡便である。冷水可溶の澱粉
の作成方法は,各種開発されている。一つの方法は,水
分を含有した澱粉を,熱ロール間を通過せしめて,澱粉
を糊化させると共に,乾燥させたのち,粉砕して,乾燥
α化澱粉を得る方法である。別の方法は,澱粉を加熱糊
化と同時に酸や酵素で部分的に加水分解してから,加熱
ロール間を通過させて乾燥し,粉砕して乾燥α化澱粉を
得る方法である。さらに別の方法は澱粉を酸化剤で酸化
を行い,その後,糊化し加熱ロール間を通過せしめ,乾
燥し粉砕する方法である。さらに別の方法は,澱粉に硼
砂を7〜15%添加して,熱ロール間を通過させる乾燥・
粉砕し乾燥α化澱粉を得る方法(米国特許第No.2819,98
0号公報)である。これらの方法で製造した冷水可溶性
澱粉を洗濯糊用として使用した場合には,いずれも次の
問題を生じる: (1)製造コストが高い。
(2)水に速やかに分散しない。
(3)まま粉が生じ易い。
(4)水には完全可溶でなくて糊液貯蔵時,容器下部に
かなりの量の沈着物が残る。
洗濯業界は比較的,経営規模の小さな所が多く,完全な
機械化,自動化は望むべくもない。そのため,すべての
工程において極力省力化を図る必要がある。上記(2)
と(3)の問題は,撹拌を十分に行うことで加熱を必要
とせずに解決され得る。上記(4)の問題点は,使用す
るα化澱粉が沈着物を発生させることなく冷水に完全に
溶けなければならず,従来のα化澱粉ではそれは不可能
であるため,未だ解決され得ない。発生する沈着物は不
均一な糊付けの原因となる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的の第一とするところは,次に示す性質を有する洗濯
糊用冷水易溶性粉末澱粉の製造方法を提供することにあ
る: (1)加熱を必要としない冷水易溶性で即席性を有して
いること, (2)冷水溶解時に,簡単な撹拌でも,また,一時に原
料を投入してもまま粉が生じない。また,分散性に優れ
ていること, (3)冷水溶解して放置したときに沈着物が発生しない
こと, (4)洗濯糊に必須の以下の4条件を備えていること。
すなわち, イ)繊維に適当な固さと,風合いと弾力性をつける。
ロ)繊維につやと滑りをつけ,着心地をよくする。
ハ)衣類のアイロン整形をよくし,保形をたすける。そ
して, ニ)着用中に汚れが直接繊維の内部に滲透することを防
止し,次回に洗浄するとき,繊維につけた糊が洗い落と
されることにより繊維の汚れもよく落ちる。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,従来にない優れた性能をもつ冷水易溶性
の洗濯糊用澱粉を提供しうる製造方法の開発に成功し
た。本発明の冷水易溶性の洗濯糊用澱粉の製造方法は,
澱粉に適量の硼酸,硼酸塩,重炭酸塩および炭酸塩の中
から選ばれた1種または数種を混合し,さらに必要に応
じて,その他の酸類を加え,得られた混合物のpHが3〜
7,水分10〜30%の条件下において,撹拌,移送,加熱お
よび給水装置を一体的に有する,連続式高圧,加圧,加
熱装置内で,少なくとも100℃以上に加熱処理,この加
圧下の混合物を,大気に放出することによって,澱粉粒
を充分に膨化せしめたのち,適当な粒子に粉砕すること
を特徴とし,そのことにより目的が達成される。
使用する澱粉は,コーンスターチ,ワキシーコーンスタ
ーチ,馬鈴薯澱粉,甘藷澱粉,小麦澱粉,ダピオカスタ
ーチなど工業的に生産される澱粉であれば何れを用いて
もよい。さらに,各種天然澱粉を化学的に化工された澱
粉,例えば,酸処理澱粉などの軽度加水分解澱粉,酸化
澱粉,各種澱粉エーテル,各種澱粉エーテルなども,こ
こでいう澱粉の定義に包含される。実用的には,最も大
量生産され,価格が安定しているコーンスターチが好ま
しい。澱粉に添加する物質は硼酸,硼酸塩類としては硼
砂,重炭酸塩としては重炭酸ソーダ,炭酸塩としては炭
酸ソーダが適している。その他の酸類としては,硫酸,
燐酸などの無機酸および各種の有機酸を用いることがで
きる。添加する物質は,微粉砕されている場合はそのま
ま澱粉に均質に混合することができ,これらが澱粉に比
べて,その粒度が大きい場合は,粉砕機で微粉砕してか
ら澱粉と均質に混合する。澱粉と均質に混合してから粉
砕機で粉砕することが混合の均一性が高まるという意味
で好ましい。
また使用量の少ない場合や,液状品の場合は適当な溶液
として,加圧,加熱装置の給水装置から添加して,加熱
される以前に,装置内で混合することもできる。
この場合の各添加物の使用量は,添加物の性質によって
差がある。
例えば硼酸と重炭酸ソーダとを用いる場合では,硼酸3
〜10%,重炭酸ソーダ0.1〜0.5%である。硼酸と硼砂を
用いる時は,硼酸3〜10%,硼砂0.1〜1.5%である。硼
酸も硼酸塩をも用いないときは,重炭酸ソーダまたは炭
酸ソーダを0.1〜0.5%用いる。さらに後述する如くpHを
調整するために,必要により,酸類を適量追加する。添
加物総量として,12%以下がよい。
このように,本発明による製品の使用目的に応じてこれ
らから選択して用いる。
次に重要なことは,澱粉にこれら添加物を混合して得た
混合物のpHである。混合物の一部をとり,2倍量の水に懸
濁して,pHを測定する。そのpHの範囲は3〜7の範囲で
なければならない。好ましくは4.5〜6.5のpH範囲がよ
い。添加物混合後のpHが前記の範囲を逸脱すると,本発
明の目的とする洗濯糊用澱粉の性能を有してなくなる。
特に,冷水溶解時の分散性が悪くまま粉ができやすくな
る。強い撹拌で溶解させても放置時に沈着物ができて,
不均一な糊付けになる。pHが上記範囲を越えて高くなり
過ぎ,特に8以上になると,二軸式エクストリューダー
などによる連続高圧,加圧,加熱処理のときに,着色
(茶→褐→黒)が激しく洗濯糊としては使用できないも
のとなる。
添加物を混合した澱粉を次に2軸エスクトリューダーな
どを用いて加熱・加圧処理を行うが,該処理時の水分が
10〜30重量%の範囲内にあることが本発明にとり重要な
要素である。水分の調整方法には特に制限はない。水分
が30重量%以上になると後述する膨化作用がなくなり,
出来上がった製品の冷水溶解性が悪くなる。より好まし
い水分量は10重量%から20重量%の範囲である。
添加物混合澱粉の加熱・加圧処理に用いられる2軸のエ
クストリューダーはプラスチック業界,食品業界に多用
されているものでよく,特別規格である必要はない。2
軸のエクストリューダーは,本発明においては,もっぱ
ら同方向回転型を用いたが異方向回転型でも特に本発明
を制約するものではない。先端部圧力が少なくとも,100
kg/cm2G以上,200kg/cm2Gまで加圧できることが好まし
い。このエクストリューダー処理により,供給原料素材
が充分にかつ適度にクッキングされて充分な澱粉粒子の
膨化が行われ,かつ生成物を粉砕して検鏡したときに微
細な針状結晶様物質が観察され,それを冷水に溶解した
とき微気泡が出現したとき最も本発明の目的に沿う洗濯
越用澱粉が得られる。生成物の粉砕片を検鏡したとき,
硝子状の塊が観察される場合には,本発明の目的は達成
されない。本発明者らは硼酸,硼酸塩,炭酸塩,重炭酸
塩,その他の酸類などの薬剤と澱粉との混合処理,混合
澱粉の2軸エクストリューダーなどによる加熱・加圧・
膨化処理,および澱粉膨化物の粉砕処理の組合せを研究
することにより本発明を完成させた。本発明方法により
得られる冷水易溶性の洗濯糊用澱粉は従来の製造方法に
よると製品と比較して,性能が優れていると同時に,製
造コストの軽減が行われ,産業上極めて有用である。
なお,本発明により得られた冷水易溶性澱粉は次の如き
特長がある。
冷水に添加したときに,まま粉にならず,充分に均一
な分散液となり,長時間安定であり,沈着物は殆ど出な
い。
この分散液の粘度は,従来のロール加熱・乾燥方式の
α化澱粉に比較して,約1/10位の低粘度でさらにこのも
のは,加熱しても粘度の変化がない。
接着力も強く,適当な濃度の溶液にすることにより,
接着剤として用いることも勿論可能である。
工程が簡単であり,乾燥の工程がなく,生産コストが
安い。したがって,本当は,洗濯用糊料のみならず,他
の従来のα化澱粉あるいは加工澱粉の用途にも利用でき
るものであり,新しい加工澱粉の製造法であるといえ
る。
従来のロール加熱方式によるα化澱粉の製造工程と,本
発明による冷水易溶性澱粉の製造工程を示すと次の通り
になる。
従来法は,澱粉スラリーを直接原料とすることができる
が,本発明の方法では,一度乾燥した澱粉を用いなけれ
ばならない。
しかし従来法では,加熱糊化処理後に乾燥工程を必要と
する。
この両者の乾燥費の一例を比較すると,従来のホットロ
ーラーなどによる加熱糊化後の乾燥は,製品kg当たり約
25円を要するのに対し,本発明の乾燥澱粉調製のための
乾燥費(気流乾燥)はkg当たり約6円である。
この乾燥費は,原料澱粉の価格に対して,それぞれ約27
〜28%および6〜7%となる。
他の運転費(電力費など)は,両者の工程に大きな差が
ない。従って,製造コストとしては,従来法よりも,か
なり安くなっている。
本発明の方法で,製造した製品は,従来法に比して,冷
水易溶性である特長が大きい反面,粉末製品の発塵性が
高い欠点がある。この欠点は,0.5〜2%の油類を噴霧混
合することで,容易に防止でき,かつ冷水易溶性,分散
性に何らかの悪影響を与えないことを見出した。好まし
くは,流動パラフィンを粉体混合機中で,噴霧混合する
のが良い。製品の使用目的によっては,食用油を用いて
も良い。
実施例1 コーンスターチ(三和澱粉工業株式会社製)2kgに硼酸
(U.S.Borax&Chem.Corp.製 粉末状)500gとし,硼砂
(前記US社製A−Fine)25gを添加した。これを粉砕機
にかけ(細川ミクロン(株)製AP−1型)にかけて均一
混合物を得た。コーンスターチをさらに8kg追加し,よ
く混合した。この添加物混合澱粉のpHは,5.7であった。
このpHはこの添加物混合澱粉に2倍量の水を加え,得ら
れた懸濁水のpHを測定したものである。また,処理後の
pHは表は示すように,7.0に上昇していた。この水分は1
2.5%であった。この添加物混合澱粉を次いで2軸エク
ストリューダー(株式会社幸和工業製のKEI−45−15
型)にかけた。このエクストリューダーのスクリューパ
ターンは通常のスクリューの先端部にフライカットリバ
ーススクリューおよびニーディングディスクの各々ペア
ーでとりつけたものであった。ダイ開口部は一つであり
直径は5mmであった。原料の供給は毎分500gで,運転開
始時のみ水を供給し,その後は水の添加は行わなかっ
た。スクリューの回転は毎分290回転であった。エクス
トリューダーの温度条件はスクリューの供給口付近が30
℃,中位部が80℃,先端部が160℃,そしてダイ部が125
℃であった。先端部の圧力は15kg/cm2Gあった。ダイ部
よりストランド状で排出される膨化澱粉は,回転刃(6
枚間1700回転)でホットカットされ,これらがただちに
空気輸送されて流動層冷却装置に送られ常温に冷却され
た。これを粉砕し,20メッシュの篩に通した。得られた
粉砕物を以下の洗濯糊用澱粉適性試験のための試料とし
た。この試料の粒度分布は,20メッシュから60メッシュ
の間が全体の35.6重量%,60メッシュから150メッシュの
間が39.7重量%,150メッシュスルーが24.7重量%であっ
た。見掛け比重は約0.15であった。冷水可溶性の洗濯糊
用澱粉の適正試験は次の方法で行なった。
a.粘度 i)冷時粘度 1.500ml容ステンレス製ビーカーに30℃の純水450mlを入
れる。
2.上皿天秤にて試料を25g(無水換算)採取し,ビーカ
ー中により撹拌しながら少量ずつ投入溶解し,さらに水
でうすめて全量を500gにする。
3.この後室温にて30分間撹拌を行う。撹拌は550rpm〜60
0rpmとする。
4.30℃でB型粘度計で測定する。
ii)加熱粘度 1.冷時粘度測定跡の液を激しく沸騰している湯煎鍋中で
よく撹拌しながら90℃まで上昇させる。
2.90℃になったら純水にて内容を500gとして流水中で撹
拌しながら冷却する。
3.30℃でB型粘度計で測定する。
加熱粘度が冷時粘度より高い場合は,製品中に膨潤不充
分な,澱粉粒が残存しており,このものが加熱により,
粘性を示すように変化したと考えられるので,冷水に溶
解して用いたときは,このものが糊付け・アイロンがけ
後の不均一状態の原因となる。
b.沈着物の量 1.上皿天秤にて試料4g(現物)採取する。
2.100mlのビーカーに水を入れ,よく撹拌しながら試料
を溶解する。
3.溶解した液を200mlメスシリンダーに入れ,全量を200
mlになるように加水する。
4.室温で3時間放置し,3時間後,ぞの沈着物の容積(m
l)を読みとる。
この沈着物が生成することは,液中に糊の不均一粒子が
存在することを意味し,洗濯糊用澱粉としては,好まし
くない。
c.見掛け比重 1.200mlのプラスチック製メスシリンダーに試料を200ml
まで静かに入れ,その時の中味重量を測定して,粗の見
掛け比重を算出する。
2.メスシリンダーを充分にタッピングしたときの容積を
測定し,その値から,密の見掛け比重を算出する。
見掛け比重の極度に大きい場合は溶解性の悪い場合が多
い。
d.pH 試料を無水換算で3g採取し,あらかじめ70〜80mlの純水
をいれた100ml容ビーカーに撹拌しながら少量づつ投入
後全体を100gとして,pHメーターで測定する。
製品の使用目的に対応して,適当なpH範囲を定める。
e.糊付けテスト(洗濯糊適正テスト) 試料を無水換算で4gを採り,30℃の水に溶解して,全量2
00mlの2%糊液をつくる。水に浸したさらし布をよくし
ぼり,この糊液に充分浸漬し,余分の糊液を振り切って
から乾燥する。生乾きの状態でアイロン掛けして,その
糊付け状態・光沢性などを肉眼または拡大鏡,さらには
沃素溶液を滴下して顕微鏡で観察する。
比較例 コーンスターチのみを用い硼酸と硼砂を用いなかったこ
と以外はすべて実施例1と同様に加圧,加熱処理を施し
たものである。以上の諸試験により得られた洗濯糊用澱
粉としての特性を従来から生産されているアルファコー
ンスターチ(三和澱粉工業株式会社製)および比較例と
比較すると次表のようになる。
従来のα化コーンスターチは水に溶解して検鏡したとき
0.1〜0.2mmの膨潤澱粉粒の切片が認められ,完全な懸濁
状態になっていない。そのため,30℃の水に溶解して粘
度を測定すれば280cpであるが,90℃の熱湯で溶解してか
ら30℃に冷却して粘度を測定すれば820cpであった。冷
水溶解した糊の静置時の沈着物が40%もあった。この従
来のα化コーンスターチは完全に糊化していないので,
まだ熱により溶解増粘する余地を残していることを示し
ている。
他方,実施例1で製造した加工澱粉は水に溶解して検鏡
したとき,150倍率では原形が完全にくずれて,如何なる
形状も認められない。冷時粘度も加熱粘度も変わらなか
った。しかも,沈着物も全く発生しない。これはほぼ完
全に糊化していることを示している。しかも,粘度は従
来のα化コーンスターチより極端に低い。これは2軸エ
ケストリューダーによる加熱・加圧・膨化処理により澱
粉分子が大きな機械的剪断をうけていること,すなわ
ち,澱粉分子は寸断され小さくなっていることを示して
いる。このことは,洗濯糊の繊維への浸透性において有
利であり,均一に付着する所以だと考えられる。
さらに,本発明の加工澱粉の最も大きい特徴は,冷水溶
解時にまま粉にならず分散性が優れ,容易に溶解する所
にある。従来のα化コーンスターチおよび比較例では溶
解時に相当激しく水を撹拌しながら,極く少量づつ試料
を添加しなければ,まま粉が生じる。一旦生じたまま粉
は,その後,少々の撹拌では溶解しない。
実施例2 実施例1のコーンスターチの代わりに馬鈴薯澱粉を用い
た。実施例1で得られた澱粉と同じく,すべての洗濯糊
適性の良好な,冷水易溶性の洗濯糊用澱粉が得られた。
実施例3 実施例1のコーンスターチの代わりに小麦澱粉を用い
た。実施例1で得られた澱粉と同じく,すべての洗濯糊
適性の良好な冷水易溶性の洗濯糊用澱粉が得られた。
実施例4 コーンスターチ10kgに硼酸500gと重炭酸ソーダ15gをよ
く混合した。この時のpHは6.0,水分は12.8%であった。
このものについて以下はすべて,実施例1と同様にして
加工澱粉の調製を行った。
実施例1の澱粉と同じく,すべての洗濯糊適性の良好
な,冷水易溶性の洗濯糊用澱粉が得られた。
実施例5 コーンスターチ10kgに硼砂200gをよく混合し,さらに10
%の硫酸を,500mlよく混合しながら噴霧混合した。この
時のpHは5.5,水分は13.2%であった。このものについて
以下は,すべて,実施例1と同様にして澱粉の調製を行
った。実施例1の澱粉と同じく,すべての洗濯糊適性の
良好な,冷水易溶性の洗濯糊用澱粉が得られた。
実施例6 コーンスターチ10kgに食品添加物の重炭酸ソーダ30gお
よび同じく食品添加物のクエン酸20gを粉砕器を通しな
がら充分に混合した。この時のpHは6.1,水分は12.7%で
あった。このものについて以下は実施例1と同様にし
て,澱粉の調製を行った。
本実施例による加工澱粉は,冷水易溶性の低粘性粘稠剤
としての有効な適性を有し,食品用の粘稠剤として良好
である。
実施例7 実施例4により得られた冷水易溶性加工澱粉10kgを充分
に混合撹拌しながら約60℃に加熱した流動パラフィン10
0gを噴霧混合した。
本加工澱粉は実施例1〜6により製造された澱粉が若干
の発塵性を数するのに対して発塵性は殆どなく,使用時
に便宜である。同時に実施例1〜6の加工澱粉の本発明
の有効性は,何ら阻害されていない。
実施例8 実施例6に得られた冷水易溶性加工澱粉10kgをはげしく
混合撹拌しながら,コーンサラダオイルを100g噴霧混合
した。
本加工澱粉は,実施例6により製造された澱粉が若干の
発塵性を有するのに対して,発塵性は殆どなく,使用時
に便宜である。
同時に実施例6の加工澱粉の本発明の有効性は何ら阻害
されていない。
(発明の効果) 本発明方法によれば,このように,硼酸・硼砂・炭酸塩
・重炭酸塩・その他の酸類等の添加物と原料澱粉との混
合処理,添加物混合澱粉のpH,水分を厳密に規制したの
ち2軸エクストリューダーなどによる連続式高圧・加圧
・加熱・膨化処理,および澱粉膨化物の粉砕処理の巧み
な組合せにより,簡単な撹拌によりまま粉を生じるこ
となく冷水に容易に溶ける分散性に優れた澱粉;冷水
に溶解後,放置しておいても沈着物が生じない澱粉;そ
して繊維に適度の固さと風合いと弾力性とつやと滑り
を付与し,着心地をよくすると同時に,アイロン整形を
よくし保形を助け,しかも繊維の汚れを洗濯により簡単
に落としうる澱粉が得られる。なお,本発明の製造法
は,上記各種条件の組合せを選択することにより,種々
の用途に応用できる特性を有した冷水易溶性の加工澱粉
を製造することができる。しかも,製造工程が従来法に
比較して著しく簡便・容易であり,製造コストも従来法
に比較して著しく低い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】澱粉に適量の硼酸,硼酸塩,重炭酸塩およ
    び炭酸塩の中から選ばれた1種または数種を混合し,さ
    らに必要に応じて,その他の酸類を加え,得られた混合
    物のpHが3〜7,水分10〜30%の条件下において,撹拌,
    移送,加熱および給水装置を一体的に有する,連続的高
    圧,加圧,加熱装置内で,少なくとも100℃以上に加熱
    処理,この加圧下の混合物を,大気に放出することによ
    って,澱粉粒を充分に膨化せしめたのち,適当な粒子に
    粉砕することを特徴とする,冷水易溶性加工澱粉の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記硼酸塩としては硼砂,重炭酸塩として
    は重炭酸ソーダ,炭酸塩としては炭酸ソーダ,である特
    許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記添加物の総量は澱粉100重量部に対し
    て,0.1から30重量部である特許請求の範囲第1項に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記連続式高圧,加圧,加熱装置としては
    2軸のエクストリューダーが用いられる特許請求の範囲
    第1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項から第4項に記載の
    方法により製造された粉末状の冷水易溶性澱粉に0.5〜
    3%の油類を噴霧混合することによる冷水易溶性加工澱
    粉の製造方法。
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