JPH072658B2 - 熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコ−ルの製造方法 - Google Patents

熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコ−ルの製造方法

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JPH072658B2
JPH072658B2 JP61224741A JP22474186A JPH072658B2 JP H072658 B2 JPH072658 B2 JP H072658B2 JP 61224741 A JP61224741 A JP 61224741A JP 22474186 A JP22474186 A JP 22474186A JP H072658 B2 JPH072658 B2 JP H072658B2
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良文 石井
一郎 狩野
光男 真柄
宏一 形浦
裕次 長田
勝 肥田木
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東和化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコ
ールの製造方法に関し、更に詳しくは着色が少ない界面
活性剤、ポリウレタン、アルキッド樹脂等の合成原料と
して利用できる熱及び/又はアルカリに対して安定な、
すなわち熱及び/又はアルカリで着色されにくく、更に
未還元糖の少ないマルチトール、還元澱粉部分加水分解
物、及びラクチトールより成る群の中から選ばれる何れ
か一種の糖アルコールの製造方法に関する。
(従来の技術と問題点) 糖アルコールは糖を還元(水素添加)して得られる多価
アルコールの総称であるが、その中でもソルビトールは
代表的な糖アルコールとして、食品、医薬品原料、合成
原料として広く用いられている。又、マルチトール、還
元澱粉部分加水分解物もソルビトールと同様な用途への
展開が計られている。更に、乳糖の還元物であるラクチ
トールは食品分野の他に特の医薬品原料としての用途が
期待できる。これらの用途の中でも糖アルコールを脂肪
酸と反応させて得られる糖アルコール脂肪酸エステル
は、親水性に富む非イオン界面活性剤で、優れた界面活
性能と高い安定性を有し、更に、ショ糖の脂肪酸エステ
ルに比べ熱やアルカリに対し比較的安定であるという特
徴を持っている。
ところがこのエステル化反応は一般にアルカリ触媒の下
で高温で行なわれるため、反応生成物は着色し易く、通
常は脱色操作も困難である。このため高品質高性能を指
向する今日においては、この原料である糖アルコールに
対しても、熱及び/又はアルカリが存在する反応条件下
でも着色が少ないことが要求されている。
又、糖アルコールは複数の官能基を持ち、更に、糖に比
べ熱及び/又はアルカリに対して安定なことからポリウ
レタン、アルキッド樹脂等の原料としても利用されてい
るが、更に着色の少ない樹脂を製造するために糖アルコ
ールの熱及び/又はアルカリに対する安定性の向上が望
まれている。
しかしながら、この様な熱及び/又はアルカリに対して
安定な糖アルコールを製造する技術には見るべきものが
ない。実験室的には、精製を繰り返し行なったマルト
ース等を原料として使用し、原料に由来する不純物を少
なくし、熱及び/又はアルカリに対し安定な糖アルコー
ルを製造する、還元条件を吟味し不純物生成を極力抑
制する、還元後の糖アルコールの精製を徹底的に行な
い着色原因と考えられる物質を極力除去する、等の方法
が試みられてきたが、得られる糖アルコールの熱及び/
又はアルカリに対する安定性は界面活性剤や樹脂等の製
造時に要求される程度には至っていない。
上記で述べた様に、これらの技術で得られる糖アルコー
ルはすべて熱及び/又はアルカリによる着色をわずかに
低下させることができたものにすぎず、着色が少ないこ
とを要求する界面活性剤や樹脂の原料として利用できる
熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコールは製
造されていない。
従来技術を具体的に説明すると、糖アルコールの熱及び
/又はアルカリに対する安定性を低くしている原因は、
糖アルコール中に不純物として存在する未還元糖である
といわれていた。従って、糖アルコールの熱及び/又は
アルカリに対する安定性の改善は、未還元糖を少なくす
ることで達成できると考えられていた。しかしながら、
工業的な糖類の一般的な還元方法、すなわち、ラネーニ
ッケルなどの還元触媒の下で高温高圧で接触水素化を行
なう方法で未還元糖を対固形分0.05%以下にすることは
困難であった。簡単な解決策として、大量の触媒を用
い、通常よりも高温で長時間還元反応を行なうと、時に
は未還元糖は0.05%未満になることもあるが、その場合
には触媒コストが無視できないほど高くなり、更に、糖
の分解、異性化反応に注意を払い不純物の生成を押さえ
る必要があった。又、得られた糖アルコールを再度還元
して未還元糖を減少させるようにする方法も考えられた
が、コスト的に高く、また、期待するほど未還元糖の低
減は得られず、それらの従来技術での糖アルコールの熱
及び/又はアルカリに対する安定性の改善には限界があ
るものであった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は糖アルコールの上記安定性の改善法を深く
検討した結果,以上のように未還元糖を極力少なくして
も、糖アルコールの熱及び/又はアルカリに対する安定
性、ひいてはこの糖アルコールを原料として得た界面活
性剤等の生成物の着色はあるレベル以下にすることはで
きないことがわかってきた。これは着色の原因が未還元
糖だけではなく、糖の原料である澱粉に由来するもの、
又は糖化酵素に由来する微量成分にもあると考えること
ができ、精製を繰り返し行なった実験結果からこれらの
物質は活性炭やイオン交換等常法の精製手段では完全に
は除去できないことが判明してきた。
本発明の目的はこれらの着色原因物質を低コストで除去
し、合成の原料として利用できる熱及び/又はアルカリ
に対して安定な糖アルコールを工業的に提供することに
ある。
本発明者等は上記の問題点を解決するため鋭意検討した
結果、通常の方法で得られたマルチトール、還元澱粉部
分加水分解物、及びラクチトールより成る群の中から選
ばれる何れか一種の糖アルコール水溶液にアルカリを添
加して加熱処理するという簡単な手段により、着色の最
大の原因と考えられる未還元糖を減少させ、又原料糖や
酵素に由来すると考えられる構造不明の着色原因となっ
ている微量物質を変質させ、更にこの変質した物質を通
常の活性炭、イオン交換などの精製手段で除去すること
により本発明を完成した。
マルチトールはマルトースを還元して得られるが、ここ
で述べるマルチトールは、マルチトールを主成分とした
ものも含む他にソルビトール、マルトトリイトール、そ
の他の糖アルコールを構成成分としている。この場合、
マルチトールの含有率(対固形分)は75%以上が好まし
い。
還元澱粉部分加水分解物の原料は澱粉を部分的に加水分
解したものであり、その加水分解の程度によって各種の
製品が存在するが、これを反応させて得られる脂肪酸エ
ステル、樹脂等の利用方法、希望する性質によって品質
を選ぶ必要がある。しかしながら、本発明の目的のため
にはどの品種の原料を用いても差し支えない。
ラクチトールは乳糖を還元して得られる糖アルコールで
あり、結晶性が良いため純度の高いものが得易く、工業
原料としての利用度は高いものである。
本発明に用いられるこれらの糖アルコールは、一般的に
は、糖を40〜75%の水溶液となし、還元触媒と混合撹拌
しながら高圧反応器中に仕込み、反応器中の水素圧を50
〜200kg/cm2、反応液温を70〜180℃に調整しながら水素
の吸収が認められなくなるまで還元反応を行ない、反応
終了後触媒を分離し、イオン交換樹脂処理、必要とあれ
ば活性炭処理等で脱色脱塩した後所定濃度まで濃縮して
得られる。本発明では上記の方法によって得られた糖ア
ルコールだけではなく、市販されている糖アルコールを
そのまま用いても目的は達せられる。
次に、本発明にかかわるこれらの糖アルコールのアルカ
リ加熱処理方法について説明する。適当な濃度、好まし
くは20〜60%の糖アルコール水溶液にナトリウム、カリ
ウム、カルシウム等金属の水酸化物、炭酸塩等のアルカ
リを添加し、pHを9.5以上13以下に調整し、110℃以上14
0℃以下の温度で5分間〜2時間加熱した後、常法によ
りイオン交換樹脂処理、必要とあれば活性炭処理を行な
い、脱塩脱色精製を行なうことにより目的を達せされ
る。
糖アルコールの濃度は20%未満又は60%を越えるものを
用いても、熱及び/又はアルカリに対する安定性向上の
効果にはなんら支障はないが、薄すぎる濃度の場合は後
の工程での濃縮コストが高く、逆に濃すぎる場合は後の
イオン交換樹脂処理工程で処理中に樹脂が浮き上がると
いう理由から工業的ではない。添加するアルカリは25%
程度の水溶液が好ましいが、pHを調整できる場合は、ス
ラリー状態、固形状態のアルカリを用いても差し支えな
い。
加熱時間は5分〜2時間であるが、これはpH及び温度に
よって適切に選択する必要がある。つまり、pHが高いほ
ど、又、温度が高いほど短時間の加熱で良い。但し、pH
が高すぎると添加したアルカリを除去するためのイオン
交換負荷が大きくなるので、pHは13以下が好ましく、ま
た、加熱温度が高すぎると糖アルコールが分解を起して
低沸点物質を生成したり、マルチトール、還元澱粉部分
加水分解物、ラクチトールにおいては、加水分解が起こ
る場合があるので140℃以下の温度で加熱することが好
ましい。
加熱処理装置は110℃以上の温度を保持できるものであ
ればどんなものでもよく、特に材質を選択する必要はな
い。例えば、実験室的には反応容器の材質はガラス又は
ステンレスで充分であり、これにpHを調整した糖アルコ
ール液を入れバーナー上で加熱するか、必要とあれば通
常の蒸気滅菌釜に入れ高圧で蒸気加熱処理する。工業的
には連続的に処理することが熱効率、設備費などの面か
ら好ましく、量産も容易になる。ここでも接液部の材質
はグラスライニング等の特別なものを用いる必要はな
く、ステンレスで充分である。
更に、その後の精製処理を説明すると、加熱処理した糖
アルコール液を作業上危険がない温度(おおむね70℃以
下)まで冷却し、活性炭処理した後、又は活性炭処理せ
ずにイオン交換樹脂処理し脱色脱塩する。活性炭処理す
る場合は、糖アルコール固形分に対し0.1〜5%の活性
炭を用いることが好ましい。イオン交換樹脂処理は糖ア
ルコール液をカチオン樹脂塔、アニオン樹脂塔、混床塔
の順に通液する。使用するイオン交換樹脂の製造メーカ
ー、種類・品番は特に限定はされないが、カチオン樹脂
には強酸性カチオン交換樹脂、アニオン樹脂には弱塩基
性アニオン交換樹脂を用いると良い結果が得られ、特
に、アニオン交換樹脂には脱色性の高いものを選択した
ほうが作業性は良い。イオン交換精製後の糖アルコール
液は必要ならば濃縮し各用途に供せられる。
(実施例) 本発明を更に詳しく説明するために下記の実施例を示
す。
実施例 1 (対固形分%) マルチトール 82.3 ソルビトール 5.2 マルトトリイトール 8.2 その他糖アルコール 4.3 上記組成の糖アルコール(C)の40%水溶液1kgを水酸
化ナトリウムでpHを12とし、120℃で30分間加熱した。
冷却後、200ミリリットルの陽イオン交換樹脂SK−1B、
陰イオン交換樹脂WA−30(共に三菱化成工業(株)製)
さらに混床樹脂(SK−1BとWA−30を1:2の割合で混合し
たもの)に通液して精製を行ない、濃縮して50%液とし
た。
この濃縮液344gを減圧下で水分を加熱留去し、パルミチ
ン酸128gと炭酸ナトリウム3gを加え窒素気流中で220
℃、100分間加熱して反応生成物(D)を得た。酸価は
9.3であった。
又、アルカリ処理を行なわないでエステル化反応を行な
った場合と比較するために、糖アルコール(C)430と
パルミチン酸128gを上記方法にてエステル化を行ない反
応生成物(E)を得た。酸価は8.8であった。
着色度の比較を行なうため反応生成物10gを100mlのブタ
ノールに加熱溶解してろ過を行ない、ろ液について、ガ
ードナー法にて着色度を比較したところ(D)はガード
ナー1であり(E)は9であった。
実施例 2 未還元糖が0.4%である還元澱粉部分加水分解物(Fと
する;商品名PO−40、東和化成工業(株)製)100gを濃
度40%の水溶液とし、25%水酸化カリウム水溶液を添加
し、pHを11に調整した。これを三角フラスコに取り、加
熱温度と時間が135℃で1時間である以外は実施例1と
同様に処理し、糖アルコールの50%水溶液を得た(Gと
する)。この未還元糖は0.03%であった。
(F),(G)の熱安定性を比較するため、各々の40g
をビーカーに取り水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調
整し、80℃で12時間減圧乾燥し無水物とした。これを16
5℃で3時間加熱した後、水を加え50%水溶液とし、波
長420nm、セル長10nmで吸光度を測定したところ(F)
は吸光度2.59であり(G)は0.28であった。
実施例 3 ラクトース150gと水125gとラネーニッケル触媒10gを、
内容積550ミリリットルの電磁攪拌式オートクレーブに
仕込み、水素圧130kg/cm2を保ちながら130℃で2時間還
元し、これを触媒と分離した後、活性炭、イオン交換樹
脂処理を行なって還元精製した。精製液を更に濃縮し75
%とし結晶化、乾燥したところ、ラクチトール無水物70
gを得た(Hとする)。この未還元糖は0.05%であっ
た。この35gを40%水溶液となし、水酸化ナトリウムでp
Hを11に調整し、130℃で1時間加熱した後、実施例1と
同様の方法で精製し、ラクチトール液60gを得た(Iと
する)。
(I)を減圧下で濃縮しながら150℃まで加熱し、水分
が留出しなくなったところでパルミチン酸22.7gと炭酸
カリウム0.7gを加え窒素気流中で撹拌しながら230℃で
2時間加熱し反応生成物(J)を得た。又、(H)の30
gを上記と同様な方法でエステル化反応し、反応生成物
(K)を得た。
(J)と(K)の着色度を比較するため各々の10gを100
mlのメチルエチルケトンに溶かしAPHAを測定したとこ
ろ、(J)は20であり、(K)は130であった。
(発明の効果) 本発明の熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコ
ールは未還元糖が少なく、着色原因物質も除去されてい
るため、アルカリ性で加熱しても着色が極めて少なく、
本発明の糖アルコールを原料とすれば着色の少ない界面
活性剤、樹脂などを得ることができる。更に、製造方法
はpH調整後加熱処理するだけの簡単な工程であるため、
操作ミスはなく熟練も必要としない。又、製造装置も特
殊設備である必要はなく、連続運転装置も低価格で設置
することが可能なため、本発明の糖アルコールは低コス
トで大量に供給することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥田木 勝 静岡県富士市広見西本町9−1−204 (56)参考文献 特公 昭41−12212(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチトール、還元澱粉部分加水分解物、
    及びラクチトールより成る群の中から選ばれる何れか一
    種の糖アルコール水溶液をアルカリによりpH9.5〜13に
    調整し、110℃以上140℃以下の温度で5分間〜2時間加
    熱処理した後、精製することを特徴とする熱及び/又は
    アルカリに対して安定な糖アルコールの製造方法。
JP61224741A 1986-09-25 1986-09-25 熱及び/又はアルカリに対して安定な糖アルコ−ルの製造方法 Expired - Lifetime JPH072658B2 (ja)

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FR2800370B1 (fr) * 1999-10-28 2002-01-04 Roquette Freres Procede de preparation d'un sirop de polyols non cristallisable
BE1014613A3 (nl) 2002-02-11 2004-01-13 Amylum Europe Nv Werkwijze voor de bereiding van alkali en hitte stabiele polyolen.
ES2284985T5 (es) 2002-12-30 2011-11-29 Syral Belgium Nv Proceso para la preparación de composiciones de alcohol de azúcar.
CA2633218C (en) * 2005-12-16 2014-03-25 Cargill, Incorporated Process for preparing alkali and heat stable polyols
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