JPH07267614A - 窒化珪素粉末の製造方法、窒化珪素焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化珪素粉末の製造方法、窒化珪素焼結体及びその製造方法

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JPH07267614A
JPH07267614A JP6058973A JP5897394A JPH07267614A JP H07267614 A JPH07267614 A JP H07267614A JP 6058973 A JP6058973 A JP 6058973A JP 5897394 A JP5897394 A JP 5897394A JP H07267614 A JPH07267614 A JP H07267614A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料粉末のロットに依存することなく均一な
性状を有する窒化珪素粉末の製造方法、これを用いて得
られる高密度、高強度の窒化珪素焼結体及びその製造方
法を提供する。 【構成】 窒化珪素粉末の製造方法である。窒化珪素原
料粉末に水を添加して混合物を得る。この混合物の温度
を30〜80℃、粘性を20〜1000cPに保持しな
がら混合・粉砕してスラリー化する。得られる窒化珪素
粉末の含有酸素量を0.5〜3.0重量%に調整し、こ
の粉末表面の酸素量Osと比表面積Ssとの割合Os/
Ssを30〜100に調整する。得られた窒化珪素粉末
を用いた窒化珪素焼結体であり、肉厚が20mm以上で
ある。得られた窒化珪素粉末を成形し、焼成する窒化珪
素焼結体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化珪素粉末の製造方
法に係り、更に詳細には、特定の性状を有する窒化珪素
粉末の製造方法、並びにこれを用いて得られる肉厚で高
強度、高密度の窒化珪素焼結体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化珪素焼結体は、高温での高強
度、化学的安定性等の理由から注目されている材料であ
り、ディーゼル、ガスタービン等の熱機関用構造材料へ
の適用が種々検討されている。一般に、窒化珪素は難焼
性であるため、焼結性を向上させるべく、窒化珪素粉末
に、MgO、Y23等の焼結助剤を添加して成形し焼成
することにより、適当な強度を有する窒化珪素焼結体が
製造されている。
【0003】このような窒化珪素の製造方法において、
焼成の際に生ずる液相の生成温度が高い場合には、液相
の生成、α−Si34からβ−Si34への相変態、β
−Si34の結晶成長及び緻密化を制御しなければ、高
密度で高強度の焼結体が得られないことが知られてい
る。このような状況において、薄肉製品については、焼
成温度、昇温速度、降温速度、焼成雰囲気等を高度に制
御することにより、高密度高強度の焼結体が得られてい
る。
【0004】一方、厚肉製品ついては、成形体表面と内
部とにおける雰囲気、温度等の相違により液相生成速度
や相変態温度が異なるため、従来の薄肉製品に適用され
ている材料調製技術や焼成制御技術を用いても、肉厚2
0mm以上の焼成体を高密度で得ることはできないとい
う問題があった。これに対し、本件出願人は、特願平5
−64203号において、窒化珪素焼結体を焼成する際
の液相生成や窒化珪素の相変態に関与するSiO2の挙
動を制御すべく、窒化珪素粉末の表面近傍の酸素量(表
面有効酸素量)を調整することにより、高密度高強度の
厚肉の窒化珪素焼結体が得られることを提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が更に検討を加えた結果、窒化珪素粉末の表面有効酸
素量の調整を行うに当たり、特に水を溶媒として加えて
スラリー状とし、これを粉砕しながら酸素量の調整を行
う場合には、スラリーの粘性が窒化珪素原料粉末のロッ
トに応じてばらついたり、また、粉砕中に粘性が変動し
て所望の表面有効酸素量が得られないことがあるという
ことが判明した。本発明は、かかる知見に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、原料粉末のロ
ットに依存することがない均一な性状を有する窒化珪素
粉末の製造方法、並びにこれを用いて得られる高密度、
高強度の窒化珪素焼結体及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、スラリー粉砕工程におい
て、スラリーの温度と粘性を適切に制御することによ
り、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。従って、本発明の窒化珪素粉末の製造方
法は、窒化珪素原料粉末に水を添加し、得られた混合物
の温度を30〜80℃、且つ粘性を20〜1000cP
に保持しながら混合・粉砕してスラリー化することによ
り、得られる窒化珪素粉末の含有酸素量を0.5〜3.
0重量%に調整し、且つ、この窒化珪素粉末が、次式 Os/Ss=30〜100 (式中のOsは粉末表面の酸素量(重量%)、Ssは粉
末の比表面積(m2/mg)を示す。)で表される表面
有効酸素量を満足するように調整することを特徴とす
る。
【0007】また、本発明の窒化珪素焼結体の製造方法
は、上記製造方法により得られた窒化珪素粉末を成形
し、焼成することを特徴とする。更に、本発明の窒化珪
素焼結体は、上記製造方法により得られる窒化珪素焼結
体であって、肉厚が20mm以上であることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明においては、窒化珪素原料粉末のスラリ
ー粉砕工程において、スラリーの温度と粘性を適切に制
御することにした。このように、スラリーの温度と粘性
とを制御することにより、得られる窒化珪素粉末の表面
有効酸素量、即ち、粉末表面の酸素量と粉末の比表面積
との比を適切に制御できる理由は、以下のようなもので
あると考えられる。
【0009】窒化珪素は、次式で示すように、化学的に
水と反応してSiO2を生成することが知られている。 Si34+6H2O→3SiO2+4NH3 上記反応は窒化珪素原料粉末を湿式粉砕する工程におい
て進行するが、これと同時に、窒化珪素原料粉末は、球
石等の粉砕媒体同士が衝突しその間に挟まれたり揃断さ
れることにより粉砕される。このように、湿式粉砕工程
は窒化珪素原料粉末に対し、窒化珪素原料粉末表面の酸
化反応及び窒化珪素原料粉末の粉砕を引き起こす2つの
作用をなすことになる。また、このような湿式粉砕工程
においては、粉砕によるいわゆるメカノケミカルな作用
により、窒化珪素原料粉末表面の化学反応が促進される
ことも考慮されるべき重要な事項である。
【0010】従って、得られる窒化珪素粉末の比表面積
と表面酸素量とを所望の値に制御するには、上述のよう
な化学反応の反応速度と粉砕速度とをメカノケミカル作
用をも考慮して適切に制御することが必要であり、その
ためには、本発明のように、粉砕中におけるスラリーの
温度と粘性を一定に保つことが極めて有効であると考え
ることができる。
【0011】上述のように、本発明によれば、粉砕中の
スラリーの温度と粘性を一定に保つことにより、化学反
応速度のみならず粉砕速度をも制御することができる。
従って、表面酸素量と比表面積とで規定される表面有効
酸素量のバラツキが極めて小さい窒化珪素粉末を提供す
ることができ、これにより、窒化珪素原料粉末のロット
に関係なく一定の特性を有する高密度・高強度な肉厚の
窒化珪素焼結体を得ることもできる。なお、窒化珪素原
料粉末を含むスラリーの粘性は、このスラリーのpHを
調整することによっても制御することができ、このpH
調整によれば、窒化珪素粉末の製造工程上リアルタイム
で制御できるという利点もある。
【0012】また、本発明において、窒化珪素粉末の含
有酸素量、特に表面近傍(例えば、表面から数nmまで
の領域)の酸素量を制御することにより、焼結体の粒界
相が焼結体の表面から内部まで均一的な構成になり、肉
厚で高密度・高強度の窒化珪素焼結体が得られる理由と
しては、以下の理由が考えられる。即ち、窒化珪素焼結
体の焼結過程においては、まず、焼結助剤(金属酸化
物)が作用して液相(ガラス相)を生成する。次に、こ
の液相にα−Si34が溶解し、β−Si34として析
出する。そして、この溶解−析出反応が焼結体内部で均
一に起こるためには、広い領域における均一な液相生成
が不可欠になる。
【0013】ところで、上記液相の生成には焼結助剤の
みならず、Si34粉末の表面に存在するSiO2も影
響を及ぼす。例えば、MgOやCaO等の融点がかなり
低い焼結助剤を含むSi34の焼結では、焼結助剤(金
属酸化物)とSiO2とがかなり低い温度で反応して液
相を生成する。これに対し、希土類元素酸化物を主成分
とする助剤においては、この希土類元素酸化物とSiO
2との複合酸化物の共晶温度がSiO2の融点より高いた
め、Si34粉末の表面に存在するSiO2量が該助剤
の液相生成に大きな影響を及ぼすことになる。従って、
広い領域における均一な液相生成を実現するには、適度
なSiO2被膜を有するSi34粒子の存在が重要にな
ると考えられる。
【0014】以下、本発明の窒化珪素粉末の製造方法に
ついて詳細に説明する。この製造方法においては、得ら
れる窒化珪素粉末の含有酸量を0.5〜3.0重量%に
調整し、且つこの窒化珪素粉末が、次式 Os/Ss=30〜100 (式中のOsは粉末の表面酸素量(重量%)、Ssは粉
末の比表面積(m2/mg)を示す。)で表される表面
有効酸素量を満足するように処理する。そして、この製
造方法においては、上記特性を有する窒化珪素粉末を得
るために、窒化珪素原料に水を添加して混合物を得、得
られた混合物の温度を30〜80℃、且つこの混合物の
粘性を20〜1000cPに保持しつつ、混合・粉砕し
てこの混合物をスラリー化するものである。
【0015】上記Os/Ssが30未満の場合は、得ら
れるSi34粉末としてはOsが少ないか又はSsが大
きい状態であり、これはSi34粉末の表面積当たりの
Osが少ない状態を示す。このような状態のSi34
末を用いて窒化珪素焼結体を焼成すると、広い範囲での
均一な液相生成が行えず、焼結助剤の存在するSi34
粉末(粒子)の近傍のみにおいてSi34粒子の溶解・
析出反応が進行することになり、強度等の特性が均一で
ない窒化珪素焼結体が得られ易くなるので好ましくな
い。
【0016】一方、Os/Ssが100を超えると、O
sが多いか又はSsが小さく、得られるSi34粉末の
表面積当たりの酸素量が多すぎることになる。このた
め、窒化珪素焼結体の焼成においては液相生成が必要以
上に進行し、上記溶解・析出反応により、焼成に供する
窒化珪素成形体の収縮が局部的に進行することになる。
かかる現象が肉厚成形体の焼成過程で発生すると、温度
の高い表面近傍で収縮が進み、内部の収縮を妨げる。更
に、β−Si34が液相から均一に析出しないため、少
ないβ−Si34が核となり異常粒成長が発生する。そ
して、このことは、異常粒成長したSi34粒子近傍に
おける気孔発生の原因となるので好ましくない。なお、
上記窒化珪素粉末の含有酸素量及び表面有効酸素量Os
/Ssとしては、それぞれ1.0〜2.5重量%、50
〜70となるように制御するのが更に好ましい。
【0017】次に、上記窒化珪素原料粉末のスラリー化
について説明すると、まず、窒化珪素原料粉末と水との
混合物は、その水分量を30〜80重量%に調整するの
が好ましい。水分量が30重量%未満の場合は、スラリ
ー化が困難であり、80重量%を超えると、乾燥時に蒸
発する水分量が多くなり過ぎ好ましくない。また、この
混合物のスラリー化に際し、温度は30〜80℃に制御
する。30℃未満の場合は、反応速度が小さくなり生産
効率が低く、80℃を超えると、水の蒸発により水分量
が変動し、好ましくない。更に、混合物(スラリー)の
粘性は、20〜1000cPに制御する。20cP未満
の場合は、粉砕作用が大き過ぎて制御し難く、1000
cPを超えると、粉砕作用が行われず、好ましくない。
【0018】また、上記スラリーの粘性は、このスラリ
ーのpHを調整することによっても行うことができる。
これは、pHの変動には電子移動が伴うことから、pH
変動により、スラリーの分散性(粘性)に影響を及ぼす
ゼータ(ζ)電位が変動することに基づく調整法の一例
である。なお、上述した窒化珪素と水との反応におい
て、NH3が発生することによってもスラリーのpHが
変化するので、スラリーの粘性はこの反応によっても影
響を受ける。ここで、調整すべきスラリーのpH値は、
個々の窒化珪素原料粉末の産地やロットの別などに影響
を受けるものであって、一義的に定まるものではない
が、使用せんとする窒化珪素原料粉末を用いてパイロッ
ト試験を行い、当該窒化珪素原料粉末に合致するpH値
を決定することができる。
【0019】上記pH調整の方法は、特に限定されるも
のではないが、例えば、酸又はアルカリ性の溶液をスラ
リーに適宜添加することにより行うことができる。な
お、pH緩衝剤を添加することにより上記pH調整を行
うことも可能であり、このpH緩衝剤の添加によれば、
酸又はアルカリ溶液を添加する場合に比し、粉砕中にお
けるpH変動の影響を抑制することができ、pHの調整
を簡易に行うことができる。pH緩衝剤としては、特に
限定されず従来公知の緩衝剤を用いることができるが、
酢酸−酢酸塩及び塩酸−塩酸ナトリウム等は緩衝作用が
大きく、好ましく用いることができる。なお、得られる
窒化珪素焼結体の特性に悪影響を及ぼす可能性がある金
属イオンを含まない緩衝剤であれば一層好ましい。
【0020】上記スラリーのpH調整において、スラリ
ーのpH値は、pH計等を用いることにより、スラリー
の混合・粉砕中にリアルタイムで検出することができ
る。従って、このようにリアルタイムで検出されるpH
値に応じて、酸、アルカリ若しくはpH緩衝剤又はこれ
らの任意の混合物を添加することができ、スラリーのp
Hをリアルタイムで精密に調整することが可能になる。
【0021】上述の窒化珪素原料粉末のスラリー化に用
いる混合粉砕機としては、球石等の粉砕媒体を使用する
形式の混合粉砕機であればよく、例えば、ボールミル、
ポットミル等を例示できる。また、スラリー温度を調整
し得る温度調整機構付きの混合粉砕機、例えば、アトラ
イターミル等を好ましく用いることができ、更にpH検
出機構を有する混合粉砕機は特に好ましく使用すること
ができる。使用する球石の材質は特に限定されるもので
はなく、鉄球の他、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素製
等のセラミックス球等を用いることができるが、本発明
においては、不純物の混入を回避すべく窒化珪素製の球
石を用いるのがよい。
【0022】なお、上記スラリー化に際しては、窒化珪
素原料粉末及び水分以外に、焼結助剤を混入することが
でき、このように焼結助剤を混入してスラリー化を行う
ことにより、窒化珪素焼結体製造の一工程を省略するこ
とができるので製造効率を向上させることができる。こ
の際、焼結助剤は、通常、酸化物であるため、湿式混合
粉砕において酸化されることはなく、スラリーの性状制
御に悪影響を及ぼすこともない。
【0023】次に、本発明の窒化珪素焼結体及びその製
造方法について説明する。本発明の窒化珪素焼結体は、
上述した本発明の窒化珪素粉末を成形し、焼成すること
により得られるものである。この窒化珪素焼結体は、そ
の密度及び機械的強度が高く均質な焼結体である。特
に、肉厚が20mm以上のものであっても、高密度及び
高強度で均質な特性を有する窒化珪素焼結体が得られる
ところに特徴がある。また、本発明の窒化珪素焼結体の
製造方法は、上記本発明の窒化珪素粉末を使用するもの
で、この粉末を用い常法に従って成形、焼成を行う。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。 (実施例1〜5)表1に示すように、ロットの異なる窒
化珪素原料粉末に50重量%の水分を添加し50℃に加
温した。次いで、得られた混合物に5mmφのSi34
製球石を加え、スラリー粘度がほぼ500cPになるよ
うに硝酸又はアンモニア水を添加し(表1参照)、アト
ライターミルで5時間混合粉砕した。得られたスラリー
の一部を採取し、比表面積(BET比表面積)、酸素量
及び表面有効酸素量を測定した。得られた結果を表1に
示す。なお、スラリー特性を表1に併記する。
【0025】ここで、酸素量及び表面有効酸素量は、以
下の手順で分析・測定した。まず、上記スラリーの一部
を110℃で2時間乾燥した後、デシケータ中で室温ま
で徐冷し、得られた分析試料1gを評取し、密閉可能な
ポリ四フッ化エチレン製容器(例えば、三愛科学HU−
100型加圧分解容器のテフロン製内筒)に入れた。次
いで、フッ酸溶液(フッ酸:水=1:9(重量比))5
0mlを加え、密閉した後、70℃で1時間攪拌した。
室温まで水冷し、直ちに0.65μmメンブランフィル
タで濾過した。得られた濾別残渣を水5mmで洗浄し、
更にこの洗浄を数回繰り返した。洗浄済みの残渣を乾燥
器に入れ、110℃で2時間乾燥した。
【0026】次に、フッ酸溶液で処理する前の分析試料
及び上記乾燥した残渣の一部について、酸素分析装置、
例えば、堀場製作所製ECM−2800窒素・酸素分析
装置を用いて酸素分を定量した。上記フッ酸処理前の分
析試料からの酸素定量が酸素量(全酸素量)であり、乾
燥残渣からの定量値が内部酸素量である。表面酸素量
(Os)は、全酸素量と内部酸素量との差として求め
た。
【0027】次に、上記で得られたスラリーに焼結助剤
として酸化イットリウムを3重量%、酸化アルミニウム
を7重量%添加し、更に3時間混合した。得られたスラ
リーをスプレードライ法で造粒して成形用粉末を得た。
次いで、得られた成形用粉末を、金型プレス及びCIP
成形し、直径80mm×厚さ25mmの円盤状成形体を
作成した。この成形体を、9kg/cm2のN2雰囲気中
1900℃で3時間焼成して窒化珪素焼結体を得た。得
られた焼結体の内部(厚みの中心部)及び表面近傍か
ら、厚さ4mm×3mm×40mmの試験片を切り出
し、これら試験片を用い、室温及び1400℃でJIS
R 1601に準拠して4点曲げ強度試験を行い、得
られた結果を表1に示した。なお、各試験片の相対密度
を併記する。
【0028】(比較例1〜7)スラリーの粘度を調整し
なかった以外は、実施例1〜5と同様の操作を繰り返
し、得られた結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、実施例1〜5に
より得られる窒化珪素粉末の表面酸素量及び比表面積は
バラツキが小さく、これらから得られる窒化珪素焼結体
の曲げ強度のバラツキも小さく優れた特性を有する。
【0031】(実施例6〜10)スラリー粘度の調整
を、0.2Mリン酸二水素カリウム(27.2gKH2
PO4/リットル)と0.2N水酸化ナトリウムから成
る緩衝溶液を添加することにより行い、実施例1〜5と
同様の操作を繰り返し、スラリー及び成形用粉末を得
た。得られたスラリー及び成形用粉末の特性を表2に示
す。なお、参考のため、比較例1〜5におけるスラリー
特性及び成形用粉末の特性を併記する。
【0032】
【表2】
【0033】表2から、実施例6〜10によれば、スラ
リー粘度を好適に制御でき、且つ得られる成形用粉末の
特性のバラツキも小さくなることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スラリー粉砕工程においてスラリーの温度と粘性を適切
に制御することとしたため、原料粉末のロットに依存す
ることがない均一な性状を有する窒化珪素粉末の製造方
法、並びにこれを用いて得られる高密度、高強度の窒化
珪素焼結体及びその製造方法を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】一方、厚肉製品ついては、成形体表面と
内部とにおける雰囲気、温度等の相違により液相生成速
度や相変態温度が異なるため、従来の薄肉製品に適用さ
れている材料調製技術や焼成制御技術を用いても、肉厚
20mm以上の焼成体を高密度で得ることはできないと
いう問題があった。これに対し、本件出願人は、特願平
5−64203号において、窒化珪素焼結体を焼成する
際の液相生成や窒化珪素の相変態に関与するSiO2
挙動を制御すべく、窒化珪素粉末の表面近傍の酸素量
(表面有効酸素量)を調整することにより、高密度高強
度の厚肉の窒化珪素焼結体が得られることを提案した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】ここで、酸素量及び表面有効酸素量は、以
下の手順で分析・測定した。まず、上記スラリーの一部
を110℃で2時間乾燥した後、デシケータ中で室温ま
で徐冷し、得られた分析試料1gを評取し、密閉可能な
ポリ四フッ化エチレン製容器(例えば、三愛科学HU−
100型加圧分解容器のテフロン製内筒)に入れた。次
いで、フッ酸溶液(フッ酸:水=1:9(重量比))5
0mlを加え、密閉した後、70℃で1時間撹拌した。
室温まで水冷し、直ちに0.65μmメンブランフィル
タで濾過した。得られた濾別残渣を水5mlで洗浄し、
更にこの洗浄を数回繰り返した。洗浄済みの残渣を乾燥
器に入れ、110℃で2時間乾燥した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【表1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【表2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素原料粉末に水を添加し、得られ
    た混合物の温度を30〜80℃、且つ粘性を20〜10
    00cPに保持しながら混合・粉砕してスラリー化する
    ことにより、得られる窒化珪素粉末の含有酸素量を0.
    5〜3.0重量%に調整し、且つ、この窒化珪素粉末
    が、次式 Os/Ss=30〜100 (式中のOsは粉末表面の酸素量(重量%)、Ssは粉
    末の比表面積(m2/mg)を示す。)で表される表面
    有効酸素量を満足するように調整することを特徴とする
    窒化珪素粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 スラリーのpHを制御することにより、
    スラリーの粘性を20〜1000cPに制御することを
    特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記pH制御を酸又はアルカリの添加に
    より行うことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラリーのpHを上記混合・粉砕中に監
    視し、これに応じて酸又はアルカリを添加することによ
    り、スラリーの粘性を制御することを特徴とする請求項
    2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記pH制御をpH緩衝剤の添加により
    行うことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記混合・粉砕を焼結助剤の存在下に行
    うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載
    の方法により得られた窒化珪素粉末を成形し、焼成する
    ことを特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の製造方法により得られる
    窒化珪素焼結体であって、肉厚が20mm以上であるこ
    とを特徴とする窒化珪素焼結体。
JP6058973A 1994-03-29 1994-03-29 窒化珪素粉末の製造方法、窒化珪素焼結体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2786595B2 (ja)

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