JPH07269303A - 復水器海水漏洩連続監視方法 - Google Patents

復水器海水漏洩連続監視方法

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JPH07269303A
JPH07269303A JP6403394A JP6403394A JPH07269303A JP H07269303 A JPH07269303 A JP H07269303A JP 6403394 A JP6403394 A JP 6403394A JP 6403394 A JP6403394 A JP 6403394A JP H07269303 A JPH07269303 A JP H07269303A
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water
leakage
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JP6403394A
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English (en)
Inventor
Minoru Horikawa
稔 堀川
Takashi Sugimoto
岳志 杉本
Takashi Kikuchi
孝志 菊池
Yasushi Takizawa
靖 滝沢
Eiichi Moriyama
栄一 森山
Rikiichirou Kamijiyou
力一郎 上條
Kazuhide Sato
和栄 佐藤
Kazuo Watanabe
一夫 渡辺
Seiichi Yatabe
誠一 谷田部
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NIPPON DAIONEKUSU KK
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
NIPPON DAIONEKUSU KK
Tohoku Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、海水に多く含まれている被検出成分
を直接測定することができ、しかも高精度で微量濃度の
測定を迅速に行うことができる復水器海水漏洩連続監視
方法を提供することを目的とする。 【構成】火力発電所および原子力発電所において、ボイ
ラー内で膨張仕事をした後の蒸気を復水器内で凝縮させ
て復水を得て、この復水をボイラー内に送り、ボイラー
内で蒸気を生成させて再び膨張仕事を行う際に、復水器
内で蒸気を凝縮させるときに使用する海水の復水器内へ
の漏洩を連続的に監視する方法であって、ボイラーまた
は復水器内から試料を5〜10分毎に採取し、試料中の
所望の被検出成分を溶離するために選択された溶離液お
よび分離カラムを用いて試料を被検出成分と他の成分に
分離し、並びに分離された被検出成分を検出器により検
出することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火力発電所および原子
力発電所における復水器海水漏洩連続監視方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】火力発電所では、ボイラーにおいて発生
させた蒸気をタービンに送り、その蒸気がタービン内で
膨張仕事をした後に、蒸気を復水器に送りそこで凝縮し
て復水とし、これを再びボイラーに給水している。通
常、復水器で蒸気を凝縮させるための冷却水としては海
水を使用している。
【0003】復水器内は、タービンからの蒸気を引き込
むために負圧の状態に保持されている。このため、冷却
水である海水が復水器内に混入することがある。復水器
内の復水に海水が混入し、この復水がボイラー、タービ
ン、および復水器内を循環すると、発電設備の復水系
統、給水系統、ボイラー、タービンの各構成材料を腐食
し、その腐食が進行すると発電設備の損傷事故を引き起
こす恐れがある。したがって、復水器内への海水の漏洩
を常時監視し、もし海水が復水器内に漏洩したときには
適切な措置を迅速に講じる必要がある。
【0004】従来、復水器の海水漏洩を検査する方法と
しては、復水器内から復水を採取し、これを陽イオン交
換樹脂に通して復水に含まれるナトリウムイオンやマグ
ネシウムイオン等の陽イオン、塩化物イオンや硫酸イオ
ン等のような陰イオンのうち陽イオンをすべて水素イオ
ンに置き換えて、塩化物イオンを塩酸(HCl)の形
に、硫酸イオンを硫酸(H2 SO4 )の形に変換した
後、その酸の電気伝導率を測定する方法がある。なお、
この測定においては、pH調整剤としてアンモニア水を
系統水に添加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法においては、次のような問題がある。まず、操業を
停止している場合には、復水器内は負圧の状態が解放さ
れているので、空気中のCO2 が復水器内の復水に溶解
して炭酸イオンとなる。このため、操業を開始し、海水
漏洩の検査を開始したときに、炭酸イオンが炭酸(H2
CO3 )の形に変換され、その炭酸の電気伝導率も塩酸
や硫酸の電気伝導率と共に測定されてしまう。したがっ
て、電気伝導率の値が異常に高くなってしまうことがあ
る。その結果、復水器内に海水が漏洩していなくても、
海水が漏洩したと同じ電気伝導率を示し、確実に海水の
漏洩を発見することができない。
【0006】また、pH調整剤として添加しているアン
モニア水のアンモニアイオンが完全に水素イオンに交換
されず酸の電気伝導率測定の際に混入していることがあ
り、これにより、電気伝導率の値が高くなってしまう。
さらに、陽イオン交換樹脂が劣化して陽イオン交換力が
低下すると、陽イオンが充分にイオン交換されず、酸の
電気伝導率測定の際に混入してしまい、これにより電気
伝導率の値が高くなってしまう。
【0007】このように、従来の方法では、海水漏洩の
判断の信頼性が低く、確実に海水漏洩を確認することが
できない。このため、各構成部材の材料の腐食を進行さ
せて損傷させてしまう恐れがある。
【0008】また、従来の方法では、監視するべき陰イ
オンを酸の形に変換して電気伝導率を測定するという間
接的な測定方法を採るので、海水漏洩の判断は分析係員
の手分析に頼っているのが現状である。このため、海水
漏洩の確認に長時間を要してしまう。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、海水に多く含まれている被検出成分を直接測定す
ることができ、しかも高精度で微量濃度の測定を迅速に
行うことができる復水器海水漏洩連続監視方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、火力発電所ま
たは原子力発電所において、ボイラー内で膨張仕事をし
た後の蒸気を復水器内で凝縮させて復水を得て、この復
水を前記ボイラー内にボイラー給水として送り、前記ボ
イラー給水から発電用蒸気を生成させて再び膨張仕事を
行う際に、前記復水器内で前記蒸気を凝縮させるときに
冷却水として使用する海水の前記復水器内への漏洩を連
続的に監視する方法であって、前記ボイラーまたは前記
復水器内から試料を5〜10分毎に採取する工程、前記
試料中の所望の被検出成分を溶離するために選択された
溶離液および分離カラムを用いて前記試料を前記被検出
成分と他の成分に分離する工程、並びに分離された前記
被検出成分を検出器により検出する工程を具備すること
を特徴とする復水器海水漏洩連続監視方法を提供する。
【0011】ここで、本発明において、試料としては、
復水、ボイラー給水、または発電用蒸気を用いることが
好ましい。また、被検出成分としては、海水の漏洩を容
易に確認することができるように、海水に多く含まれて
いる塩化物イオンおよび硫酸イオンを用いることが好ま
しい。
【0012】本発明において、復水器内から試料を採取
する間隔は5〜10分とする。これは、海水の漏洩を連
続的に監視するためには、5〜10分で1回の測定を終
了させなければならないからである。
【0013】所望の被検出成分を溶離するために溶離液
および分離カラムを選択する場合、少なくとも所望の被
検出成分のみを上記時間内に迅速に分離できるように溶
離液の濃度および分離カラム内のイオン交換樹脂の仕様
(基材の種類および粒径、基材を修飾する材料の種類)
を設定する。すなわち、溶離液の濃度を高くすることに
より、またはイオン交換樹脂の平均粒径を小さくするも
しくは疎水性度を変化させることにより、所望の被検出
成分の分離を迅速に行うことができる。
【0014】溶離液としては、炭酸ナトリウム溶液、炭
酸水素ナトリウム溶液、ホウ酸ナトリウム溶液等を用い
ることができる。これらの溶離液を被検出成分の種類に
応じて好適な組成で混合して使用することができる。溶
離液の濃度は、1.0〜10.0mMであることが好まし
い。これは、溶離液の濃度が1.0mM未満であると不安
定な状態となり、溶離液の濃度が10.0mMを超えると
高精度な微量測定が困難となるからである。例えば、被
検出成分を塩化物イオンとした場合には、溶離液として
3.0mMの炭酸ナトリウム溶液と2.5mMの炭酸水素ナ
トリウム溶液との混合溶液を用いることが好ましく、被
検出成分を硫酸イオンとした場合には、溶離液として
5.0mMの炭酸ナトリウム溶液と4.2mMの炭酸水素ナ
トリウム溶液との混合溶液を用いることが好ましい。ま
た、溶離液の流量は、1.0〜2.0ミリリットル/分
であることが好ましい。これは、溶離液の流量が1.0
ミリリットル/分未満であると溶離液を送液するための
ポンプの送液精度が不安定となり、流量が2.0ミリリ
ットル/分を超えると装置圧力が高くなり、故障の原因
となるからである。上記のように溶離液の組成、濃度、
または流量を適宜変更することにより、分離カラムから
溶出される被検出成分の保持時間(分析時間)を調整す
ることができる。
【0015】また、イオン交換樹脂としては、ポリスチ
レンやエチルビニルベンゼン等の陰イオン交換樹脂を用
いることができる。イオン交換樹脂の平均粒径は、8〜
15μmであることが好ましい。これは、イオン交換樹
脂の平均粒径が8μm未満であると試料から被検出成分
を分離する分離部の圧力が高くなり、装置故障の原因と
なり、平均粒径が15μmを超えると分離能力が不充分
となるからである。イオン交換樹脂の架橋度は、30〜
55%であることが好ましく、55%であることが特に
好ましい。これは、イオン交換樹脂の架橋度が30%未
満であると樹脂の耐久性が不充分となり、架橋度が55
%を超えると樹脂の生産コストが飛躍的に高くなるから
である。
【0016】本発明において、復水器内から採取する1
回当りの試料の量は200〜5000マイクロリットル
であること、特に塩化物イオンの場合、400マイクロ
リットルであることが好ましい。ppb オーダーの被検出
成分を測定するためには、試料の量を多くする必要があ
るが、分離カラムのイオン交換容量以上になると飽和し
てしまうため上記の範囲にする必要がある。
【0017】本発明においては、イオン交換分離をした
後の試料中の陽イオンを除去することが好ましい。試料
中の陽イオンの除去には、イオン交換容量の高い強酸性
型(H+ )の陽イオン交換膜を充填したカラムが用いら
れる。また、検出器を通過した試料および溶離液を陽イ
オン交換膜を充填したカラムに送り返すことにより、こ
のカラムを自動的に連続して再生することができる。こ
れにより、陽イオン交換膜を充填したカラムを連続的に
長期にわたって使用することができる。
【0018】
【作用】本発明の海水漏洩連続監視方法は、火力発電所
または原子力発電所において、ボイラーまたは復水器内
から試料を5〜10分毎に採取し、試料中の所望の被検
出成分を溶離するために選択された溶離液および分離カ
ラムを用いて試料を被検出成分と他の成分に分離し、こ
の被検出成分を検出器により検出することを特徴として
いる。
【0019】被検出成分の分離に使用する溶離液および
分離カラムを被検出成分に応じて適宜選択することによ
り、従来の測定時間よりかなり短い時間で確実に被検出
成分を検出することができる。これにより、単位時間当
たりの測定回数を多くすることができ、海水の漏洩を連
続的に正確に監視することができる。
【0020】また、イオン交換分離部を通過した後の試
料および溶離液中の陽イオンを除去することにより、溶
離液中のナトリウム等の陽イオンが電気伝導率の測定に
影響を及ぼすことが防止され、被検出成分はより正確に
検出される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。 (実施例1)図1は本発明の復水器海水漏洩連続監視方
法の一実施例を説明するための概略図である。図1を用
いて試料の流れに沿って本発明の復水器海水漏洩連続監
視方法を説明する。
【0022】図1中1は、例えば20リットルのポリエ
チレン製の溶離液槽を示す。溶離液槽1内には、例えば
炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等の弱塩基性の溶
離液が収容されている。溶離液は、溶離液ポンプ4によ
り溶離液槽1から引き出されて、外側を真空に保ったテ
フロンチューブ等の脱気器3およびバブルトラップ等の
気液分離器2に通されて、微細な気泡が除去される。こ
れは、外気温度と水温との関係により溶離液調合に用い
る脱塩水中の炭酸がガス化して気泡となり、溶離液ポン
プ4により引き出される溶離液の流量が変動することを
防止するためである。ここで、溶離液ポンプ4には、ノ
イズの少ないダブルプランジャー型のポンプを使用する
ことが好ましい。また、溶離液ポンプ4を構成する材料
には、微量のイオンの吸着を防止するために非金属材料
を用いることが好ましい。また、溶離液は、溶離液ポン
プ4により1.5ミリリットル/分の一定流量で流され
る。なお、溶離液槽1を溶離液ポンプよりも約0.5m
高い位置に設置することにより、溶離液は水頭差で溶離
液ポンプ4まで到達する。
【0023】一方、海水漏洩監視のための測定を行う際
には、まず試料水遮断弁5が開き、試料採取ラインから
試料採取ポンプ7により試料水が引き出される。また、
試料水は、復水器6で復水されたものをホットウェルに
溜めておき、そこから加圧ポンプ6´で汲み上げてもよ
い。また、試料水は、復水器6から採取せずに、ボイラ
ー給水や発電用蒸気を減圧後常温に戻して採取してもよ
い。この試料水は、フィルター8により懸濁固形物が除
去された後に採取器9に送られる。このとき、試料水の
採取は、非金属製の定量管を用いた定量管式により行わ
れる。なお、試料水圧力(通常0.2kg/cm2 )が低下
した場合には、採取器を含め装置を保護するために試料
水遮断弁5を閉じて試料水の供給を停止することが好ま
しい。この場合、試料水の供給の停止と共に警報を発す
るようにすることが特に好ましい。この試料水遮断弁5
の開閉はコントローラ10により行う。
【0024】採取器9において採取された試料水は、溶
離液と共に平均粒径が13μm程度の低交換容量の陰イ
オン交換樹脂を充填した保護カラム11に送られ、そこ
でフィルター8により除去されなかった微細な懸濁固形
物が除去される。これは、後述する分離カラム12の保
護のためである。次いで、試料水は、架橋度が55%、
平均粒径が8〜15μmの非常に小さな低交換容量の陰
イオン交換樹脂を充填した分離カラム12に送られ、各
陰イオンに分離される。試料水中の各陰イオンの分離
は、陰イオン交換樹脂への各陰イオンの親和力の差を利
用して行われる。すなわち、この場合、海水漏洩のため
の被検出成分である塩化物イオンは、陰イオン交換樹脂
との親和力が小さいので、他の陰イオンに比べて早く分
離カラム12から出てくる。また、この分離カラム12
は、その陰イオン交換樹脂の平均粒径および疎水性度が
規定されているので、塩化物イオンを約5分以内で分離
することができる。なお、この分離カラム12には、試
料水の溶媒である水や溶離液の陰イオンに基づく酸、例
えば炭酸が被検出成分の検出に影響を及ぼさないような
ものを選択する。
【0025】次いで、分離カラム12から出た試料水
は、溶離液と共に高交換容量の強酸性型(H+ )のイオ
ン交換膜13を有する電気透析型の陽イオン除去カラム
14に送られ、溶離液中の陽イオン(溶離液が炭酸水素
ナトリウムや炭酸ナトリウムの場合にはナトリウムイオ
ン)はイオン交換膜13により除去され、溶離液中の陰
イオンはそれに基づく酸の形(溶離液が炭酸水素ナトリ
ウムや炭酸ナトリウムの場合には炭酸)に変換される。
これは、溶離液中のナトリウム等の陽イオンが電気伝導
率の測定に影響(例えば、電気伝導率のバックグラウン
ドの上昇)を及ぼすことを防止し、被検出成分をより正
確に検出するためである。すなわち、炭酸ナトリウムや
炭酸水素ナトリウムのように電気伝導率の高い物質が存
在すると、微量(1μg/リットル)の被検出成分を検
出できなくなるからである。
【0026】一方、被検出成分の陰イオンもそれに基づ
く酸の形に変換される。すなわち、被検出成分である塩
化物イオンは塩酸に変換される。これにより、測定対象
が高い電気伝導率を有する酸になるので、測定感度が向
上し、正確に被検出成分を検出することができる。
【0027】この電気透析型の陽イオン除去カラム14
は、溶離液中の陽イオンを除去するものであるが、従来
から使用されているもののように除去液を使用する必要
はない。すなわち、この陽イオン除去カラム14は、後
述する検出器15を通過した溶離液を電気分解して水素
イオン(H+ )と水酸化物イオン(OH- )を生成さ
せ、この水素イオン(H+ )を陽イオン交換膜13に通
すことにより再生される。このため、特別の再生液を必
要とせず、連続的に使用することができる。陽イオン除
去カラム14の再生に使用された後の液は排水として系
外に排出される。
【0028】このようにして変換された酸は、電気伝導
率計を内蔵した検出器15においてその電気伝導率が測
定される。検出器15において測定された電気伝導率の
値は、信号として演算器16に送られる。演算器16に
おいては、電気伝導率の値をイオン濃度の値に変換し、
その信号を連続監視記録計17に送る。連続監視記録計
17では、送られてきた信号をイオン濃度のピークとし
て出力する。この場合、演算器16において、変換され
たイオン濃度の値と、あらかじめ設定されたイオン濃度
の基準値とを比較して、測定されたイオン濃度の値が基
準値を超えたときに、その情報を発電設備の起動システ
ムにフィードバックして発電設備の起動を停止させるよ
うに制御してもよい。また、検出器15はコントローラ
10により採取器9の試料水遮断弁5の開閉と共にあら
かじめ設定されたシーケンスに基づいて制御されてい
る。このシーケンスは、任意に変更することができる。
【0029】なお、この方法により測定できる濃度範囲
は、1〜1000μg/リットルである。次に、本発明
の復水器海水漏洩連続監視方法に基づいて行った実験例
について説明する。
【0030】上記の構成を有する装置を用いて被検出成
分(塩化物イオン)の連続測定を行った。なお、溶離液
としては、3.0mMの炭酸ナトリウムと2.5mMの炭酸
水素ナトリウムとの混合溶液を用い、保護カラム中の陰
イオン交換樹脂には、平均粒径13μmのものを用い、
分離カラム中の陰イオン交換樹脂には、平均粒径8μ
m、架橋度55%のものを用いた。また、試料水の採取
は、0.4ミリリットルの採取量で、5分に1回の割合
で行った。試料水としては以下の(A)〜(C)を使用
した。 (A)超純水に塩化物イオン標準試薬であるNaClを
添加して塩化物イオン濃度を100μg/リットルおよ
び1000μg/リットルに調整した。 (B)復水に海水を添加して塩化物イオン濃度を100
μg/リットルおよび1000μg/リットルに調整し
た。これは、復水に海水が漏洩した場合に、塩化物イオ
ンを他の成分の妨害なく検出できることを確認するため
の試料である。 (C)アンモニアとヒドラジンを復水に添加し、さらに
これに海水を添加して塩化物イオン濃度を100μg/
リットルおよび1000μg/リットルに調整した。こ
れは、発電設備の起動時に復水中における濃度が高くな
ると考えられるアンモニアとヒドラジンの影響を調べる
ためのものである。
【0031】試料水(A)〜(C)の連続測定の結果を
下記第1表〜第3表にそれぞれ示す。また、長期間の運
転における装置の安全性について、実際の火力発電所の
復水を試料水として使用して調べた。その結果を下記第
4表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】第1表および第2表から分かるように、標
準試薬(A)および海水(B)で塩化物イオン濃度を調
整したものを試料水とした場合、いずれも測定値の変動
係数が2.40%未満であり、従来の方法における測定
値の変動係数10%を大きく下回った。また、第3表か
ら分かるように、アンモニアおよびヒドラジンの含有濃
度が高い発電設備起動時の復水を試料水とした場合も、
測定値の変動係数が1.30%未満であった。また、第
4表から分かるように、長期間(5ヶ月)の運転におい
ても、測定値の変動係数が4.0%未満と小さく、本発
明の方法が連続監視に適していることが確認された。こ
のように、本発明の方法によれば、海水漏洩を正確に連
続して監視することができることが分かる。 (実施例2)図2は本発明の復水器海水漏洩連続監視方
法の他の実施例を説明するための概略図である。図2に
おいて図1と同じ部分については図1と同じ符号を付し
て説明を省略する。
【0037】図2においては、採取器9と保護カラム1
1との間に濃縮カラム18が設けられている。試料水を
定量管式ではなく濃縮方式で採取することにより、測定
精度を向上させることができる。
【0038】次に、本発明の復水器海水漏洩連続監視方
法に基づいて行った実験例について説明する。上記の構
成を有する装置を用いて被検出成分(硫酸イオン)の連
続測定を行った。なお、溶離液としては、5.0mMの炭
酸ナトリウムと4.2mMの炭酸水素ナトリウムとの混合
溶液を用い、保護カラム中の陰イオン交換樹脂には、平
均粒径13μmのものを用い、分離カラム中の陰イオン
交換樹脂には、平均粒径8μm、架橋度55%のものを
用いた。また、試料水の採取は、2.0ミリリットルの
採取量で、5分に1回の割合で行った。このとき、試料
水を濃縮カラム18で0.2ミリリットルに濃縮した。
試料水としては以下の(D)〜(F)を使用した。 (D)超純水に硫酸イオン標準試薬であるK2 SO4
添加して硫酸イオン濃度を100μg/リットルおよび
1000μg/リットルに調整した。 (E)復水に海水を添加して硫酸イオン濃度を100μ
g/リットルおよび1000μg/リットルに調整し
た。 (F)アンモニアとヒドラジンを復水に添加し、さらに
これに海水を添加して硫酸イオン濃度を100μg/リ
ットルおよび1000μg/リットルに調整した。これ
は、発電設備の起動時に復水中における濃度が高くなる
と考えられるアンモニアとヒドラジンの影響を調べるた
めのものである。
【0039】試料水(D)〜(F)の連続測定の結果を
下記第5表〜第7表にそれぞれ示す。また、長期間の運
転における装置の安全性について、実際の火力発電所の
復水を試料水として使用して調べた。その結果を下記第
8表に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】第5表および第6表から分かるように、標
準試薬(D)および海水(E)で硫酸イオン濃度を調整
したものを試料水とした場合、いずれも測定値の変動係
数が3.20%未満であり、従来の方法における測定値
の変動係数10%を大きく下回った。また、第7表から
分かるように、アンモニアおよびヒドラジンの含有濃度
が高い発電設備起動時の復水を試料水とした場合も、測
定値の変動係数が4.05%未満であった。また、第8
表から分かるように、長期間(5ヶ月)の運転において
も、測定値の変動係数が6.25%未満と小さく、本発
明の方法が連続監視に適していることが確認された。
【0045】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の復水器海水漏
洩連続監視方法によれば、火力発電所または原子力発電
所において、ボイラーまたは復水器内から試料を5〜1
0分毎に採取し、試料中の所望の被検出成分を溶離する
ために選択された溶離液および分離カラムを用いて試料
を被検出成分と他の成分に分離し、分離された被検出成
分を検出器により検出するので、海水に多く含まれてい
る被検出成分を直接測定することができ、しかも1μg
/リットル程度の微量濃度の高精度な測定を迅速に行う
ことができる。
【0046】したがって、海水漏洩の早期発見が容易と
なり、海水漏洩に対する処置を早く行うことができる。
これにより、発電設備の各構成材料の腐食を防止するこ
とができ、発電設備の損傷事故を未然に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の復水器海水漏洩連続監視方法の一実施
例を説明するための概略図。
【図2】本発明の復水器海水漏洩連続監視方法の他の実
施例を説明するための概略図。
【符号の説明】
1…溶離液槽、4…溶離液ポンプ、2…気液分離器、3
…脱気器、5…試料水遮断弁、6…復水器、6´…加圧
ポンプ、7…試料採取ポンプ、8…フィルター、9…採
取器、10…コントローラ、11…保護カラム、12…
分離カラム、13…イオン交換膜、14…陽イオン除去
カラム、15…検出器、16…演算器、17…連続監視
記録計、18…濃縮カラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 岳志 新潟県北蒲原郡聖籠町東港一丁目1番地 155 東北電力株式会社東新潟火力発電所 内 (72)発明者 菊池 孝志 新潟県北蒲原郡聖籠町東港一丁目1番地 155 東北電力株式会社東新潟火力発電所 内 (72)発明者 滝沢 靖 新潟県北蒲原郡聖籠町東港一丁目1番地 155 東北電力株式会社東新潟火力発電所 内 (72)発明者 森山 栄一 新潟県北蒲原郡聖籠町東港一丁目1番地 155 東北電力株式会社東新潟火力発電所 内 (72)発明者 上條 力一郎 新潟県北蒲原郡聖籠町東港一丁目1番地 155 東北電力株式会社東新潟火力発電所 内 (72)発明者 佐藤 和栄 埼玉県春日部市大沼一丁目43番地 (72)発明者 渡辺 一夫 東京都中野区南台四丁目32番2号 (72)発明者 谷田部 誠一 東京都杉並区西荻南二丁目18番15号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火力発電所または原子力発電所において、
    ボイラー内で膨張仕事をした後の蒸気を復水器内で凝縮
    させて復水を得て、この復水を前記ボイラー内にボイラ
    ー給水として送り、前記ボイラー給水から発電用蒸気を
    生成させて再び膨張仕事を行う際に、前記復水器内で前
    記蒸気を凝縮させるときに冷却水として使用する海水の
    前記復水器内への漏洩を連続的に監視する方法であっ
    て、 前記ボイラーまたは前記復水器内から試料を5〜10分
    毎に採取する工程、 前記試料中の所望の被検出成分を溶離するために選択さ
    れた溶離液および分離カラムを用いて前記試料を前記被
    検出成分と他の成分に分離する工程、並びに分離された
    前記被検出成分を検出器により検出する工程、を具備す
    ることを特徴とするイオンクロマトグラフィーによる復
    水器海水漏洩連続監視方法。
  2. 【請求項2】前記試料が、復水、ボイラー給水、および
    発電用蒸気からなる群より選ばれたいずれか一つである
    請求項1記載の復水器海水漏洩連続監視方法。
  3. 【請求項3】前記被検出成分が、塩化物イオンまたは硫
    酸イオンである請求項1記載の復水器海水漏洩連続監視
    方法。
  4. 【請求項4】前記被検出成分を分離した後の試料中の陽
    イオンを除去する工程をさらに具備する請求項1記載の
    復水器海水漏洩連続監視方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000057165A1 (fr) * 1999-03-24 2000-09-28 Ebara Corporation Methode de detection d'ions negatifs dans l'eau et dispositif correspondant
JP2015219009A (ja) * 2014-05-13 2015-12-07 四国電力株式会社 海水リークの連続検出方法および検出装置
CN106969885A (zh) * 2017-04-21 2017-07-21 西安热工研究院有限公司 一种发电厂凝汽器泄漏检测系统及检测方法
CN110208391A (zh) * 2018-06-12 2019-09-06 上海炫一电气有限公司 一种用于检测空气中挥发性有机物的检测装置

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